JP2004076700A - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁式燃料噴射弁において,ばね座部材に,広い濾過面積を持つ濾過機能を付与するようにして,専用の燃料フィルタの省略を可能にする。
【解決手段】固定コア5と,この固定コア5の後端に一体に連なり,内部を固定コア5の中空部より拡径した燃料入口筒25と,固定コア5の中空部21に嵌合して固定されるばね座部材23と,このばね座部材23と可動コア12間に縮設されて可動コア12を弁体16の閉弁方向に付勢する弁ばね22とを備えた電磁式燃料噴射弁において,ばね座部材23を,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成し,その閉塞端部23aを燃料入口筒25側に突出させた。
【選択図】 図1
【解決手段】固定コア5と,この固定コア5の後端に一体に連なり,内部を固定コア5の中空部より拡径した燃料入口筒25と,固定コア5の中空部21に嵌合して固定されるばね座部材23と,このばね座部材23と可動コア12間に縮設されて可動コア12を弁体16の閉弁方向に付勢する弁ばね22とを備えた電磁式燃料噴射弁において,ばね座部材23を,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成し,その閉塞端部23aを燃料入口筒25側に突出させた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,主として内燃機関の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し,特に,弁体と,この弁体と協働する弁座を有すると共に,この弁座の下流端に連なる弁座孔を前端面に開口する弁座部材と,弁体の後端に結合される可動コアと,弁座部材の後端部に連設されて,可動コアの後端に前端を対向させる中空円筒状の固定コアと,この固定コアの後端に一体に連なり,内部を固定コアの中空部より拡径した燃料入口筒と,固定コアの中空部に嵌合して固定されるばね座部材と,このばね座部材と可動コア間に縮設されて可動コアを弁体の閉弁方向に付勢する弁ばねと,固定コアの外周に配設されて,固定コア及び可動コア間に弁体を開弁させる磁力を発生させるコイル組立体とを備えた電磁式燃料噴射弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,かゝる電磁式燃料噴射弁において,燃料の濾過のために,
(1)燃料入口筒にカップ状の燃料フィルタを装着したもの(例えば実開昭59−41670号公報参照)。
(2)弁ばねの固定端を支承するパイプ状のばね座部材の中空部に燃料フィルタを圧入したもの(例えば実公平6−37610号公報参照)。
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記(1)のものでは,燃料フィルタに,濾過材を支持しながら燃料入口筒への取り付けのための固定部を設ける必要があるため,燃料フィルタの構造が複雑でコストの低減が困難であり,また上記(2)のものでは,燃料フィルタがばね座部材の中空部に圧入されるので,燃料フィルタに特別な取り付け構造を設ける必要がない反面,ばね座部材の中空部が非常に狭小であるから,燃料フィルタの濾過面積を大きく採ることが困難である。
【0004】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,ばね座部材に,広い濾過面積を持つ濾過機能を付与して,専用の燃料フィルタの省略を可能にし,コストの低減に寄与し得る前記燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,弁体と,この弁体と協働する弁座を有すると共に,この弁座の下流端に連なる弁座孔を前端面に開口する弁座部材と,弁体の後端に結合される可動コアと,弁座部材の後端部に連設されて,可動コアの後端に前端を対向させる中空円筒状の固定コアと,この固定コアの後端に一体に連なり,内部を固定コアの中空部より拡径した燃料入口筒と,固定コアの中空部に嵌合して固定されるばね座部材と,このばね座部材と可動コア間に縮設されて可動コアを弁体の閉弁方向に付勢する弁ばねと,固定コアの外周に配設されて,固定コア及び可動コア間に弁体を開弁させる磁力を発生させるコイル組立体とを備えた電磁式燃料噴射弁において,ばね座部材を,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成したことを第1の特徴とする。
【0006】
この第1の特徴によれば,ばね座部材が燃料フィルタの機能を持つことになり,専用の燃料フィルタを設ける必要がないから,構造の簡素化,延いてはコストの低減を図ることができる。しかもばね座部材全体で燃料を濾過することができるので,充分に広い濾過面積を得て,燃料の濾過を効率良く行うと共に,流路抵抗の低減を図ることができる。
【0007】
また本発明は,第1の特徴に加えて,ばね座部材の閉塞端部を,固定コアの中空部から燃料入口筒側に突出させたことを第2の特徴とする。
【0008】
この第2の特徴によれば,ばね座部材の燃料入口筒への突出部により,ばね座部材の濾過面積を更に拡大することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0010】
図1は本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の2−2線断面図である。
【0011】
先ず,図1において,内燃機関用電磁式燃料噴射弁Iのケーシング1は,磁性体からなる円筒状の弁ハウジング2と,この弁ハウジング2の前端部に液密に結合される有底円筒状の弁座部材3と,弁ハウジング2の後端に環状スペーサ4を挟んで液密に結合される円筒状の固定コア5とから構成される。
【0012】
環状スペーサ4は,ステンレス鋼等の非磁性金属製であり,その両端面に弁ハウジング2及び固定コア5が突き当てられて液密に全周溶接される。
【0013】
弁座部材3及び弁ハウジング2の対向端部には,第1嵌合筒部3a及び第2嵌合筒部2aがそれぞれ形成される。そして第1嵌合筒部3aが第2嵌合筒部2a内にストッパプレート6と共に圧入され,ストッパプレート6は,弁ハウジング2と弁座部材3間で挟持される。その後,第1嵌合筒部3aの外周面と第2嵌合筒部2aの端面とに挟まれる隅部の全周にわたりレーザ溶接又はビーム溶接を施すことにより,弁ハウジング2及び弁座部材3が相互に液密に結合される。
【0014】
弁座部材3には,その前端面に下流端を開口する円錐状の弁座7と,この弁座7の上流端,即ち大径部に連なる円筒状のガイド孔9とが設けられており,そのガイド孔9は,前記第2嵌合筒部2aと同軸状に形成される。
【0015】
弁ハウジング2及び環状スペーサ4内には,固定コア5の前端面に対向する可動コア12が収容され,この可動コア12に,前記ガイド孔9に軸方向摺動自在に収容される弁体16が一体的に結合される。この弁体16は,弁座7に着座し得る球状の弁部16aと,ガイド孔9に摺動自在に支承される前後一対のジャーナル部16b,16bと,前記ストッパプレート6に当接して弁体16の開弁限界を規定するフランジ16cとを一体に備えており,各ジャーナル部16bには,燃料の流通を可能にする複数の面取り部17が設けられる。
【0016】
固定コア5は中空円筒状をなしており,その中空部21が弁ハウジング2内と連通する。固定コア5の後端には,内部を固定コア5の中空部21より拡径した燃料入口筒25が一体に連設され,その燃料入口筒25に燃料分配管(図示せず)が接続されるようになっている。
【0017】
固定コア5の中空部21には,可動コア12を弁体16の閉じ方向,即ち弁座7への着座方向に付勢するコイル状の弁ばね22と,この弁ばね22の後端を支承するばね座部材23とが収容され,ばね座部材23は,弁ばね22のセット荷重の調整後,固定コア5に固定される。
【0018】
ばね座部材23は,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成され,その閉塞端部23aを燃料入口筒25の内部に,燃料入口筒25の長さ方向の略中央部まで突出させて配置される。ばね座部材23を構成する硬質の多孔質体としては,例えば多孔質硼酸アルミ材料や発泡金属,多孔質プラスチック成形体等が使用可能である。
【0019】
環状スペーサ4及び固定コア5の外周にはコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,環状スペーサ4及び固定コア5に外周面に嵌合するボビン29と,これに巻装されるコイル30とからなっており,このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の一端部が弁ハウジング2の外周面に溶接により結合される。
【0020】
コイルハウジング31,コイル組立体28及び固定コア5は合成樹脂製の被覆体32内に埋封され,この被覆体32の中間部には,前記コイル30に連なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に連設される。
【0021】
弁座部材3の前端壁には,弁座7の下流側に同軸に連なる弁座孔8が形成される。弁座部材3の前端面には鋼板製のインジェクタプレート36がレーザビームによる全周溶接により接合される。このインジェクタプレート36には,弁座孔8に連通する複数の燃料噴孔38が穿設されている。
【0022】
前記ばね座部材23の取り付けに当たっては,先ず,固定コア5の中空部21に弁ばね22を挿入し,次いでばね座部材23を,その開放端側から中空部21に挿入又は軽圧入し,その挿入又は軽圧入深さを調節することにより弁ばね22のセット荷重を調整する。その調整後,図2に示すように,固定コア5を両外側面からカシメ工具Tにより押圧,変形させて,固定コア5及びばね座部材23を相互に固着する。
【0023】
この実施例の作用について説明する。
【0024】
コイル30を消磁した状態では,弁ばね22の付勢力で可動コア12及び弁体16が前方に押圧され,その弁部16aが弁座7に着座している。したがって,図示しない燃料分配管から燃料入口筒25に供給された燃料が,多孔質体のばね座部材23により濾過されて,弁ハウジング2内に待機させられる。
【0025】
コイル30に通電すると,それにより生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,弁ハウジング2及び可動コア12を順次走り,その磁力により可動コア12が,弁ばね22の付勢力に抗して,弁体16と共に固定コア5に吸引され,弁座7が開放されるので,弁ハウジング2内の高圧燃料は,弁体16の面取り部17を経て弁座7及び弁座孔8を通過し,そして複数の燃料噴孔38から図示しない内燃機関の吸気ポートに向けて噴射される。
【0026】
ところで,硬質で多孔質体のばね座部材23は,弁ばね22の固定端を支承する他,燃料に対する濾過機能を持つので,専用の燃料フィルタを設ける必要がなくなり,構造の簡素化,延いてはコストの低減を図ることができる。しかも,このばね座部材23は,閉塞端部23aを有する中空円筒状をなしているから,充分に広い濾過面積を得て,燃料の濾過を効率良く行うと共に,流路抵抗の低減を図ることができる。
【0027】
特に,ばね座部材23は,その閉塞端部23aを固定コア5の拡径した内部に突出させるように配置すれば,ばね座部材23の燃料入口筒25への突出部により,ばね座部材23の濾過面積を更に拡大することができて有利となる。
【0028】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,弁体と,この弁体と協働する弁座を有すると共に,この弁座の下流端に連なる弁座孔を前端面に開口する弁座部材と,弁体の後端に結合される可動コアと,弁座部材の後端部に連設されて,可動コアの後端に前端を対向させる中空円筒状の固定コアと,この固定コアの後端に一体に連なり,内部を固定コアの中空部より拡径した燃料入口筒と,固定コアの中空部に嵌合して固定されるばね座部材と,このばね座部材と可動コア間に縮設されて可動コアを弁体の閉弁方向に付勢する弁ばねと,固定コアの外周に配設されて,固定コア及び可動コア間に弁体を開弁させる磁力を発生させるコイル組立体とを備えた電磁式燃料噴射弁において,ばね座部材を,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成したので,ばね座部材が燃料フィルタの機能を持つことになり,専用の燃料フィルタを設ける必要がなく,したがって構造の簡素化,延いてはコストの低減を図ることができる。しかもばね座部材全体で燃料を濾過することができるので,充分に広い濾過面積を得て,燃料の濾過を効率良く行うと共に,流路抵抗の低減を図ることができる。
【0030】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,ばね座部材の閉塞端部を,固定コアの中空部から燃料入口筒側に突出させたので,ばね座部材の燃料入口筒への突出部により,ばね座部材の濾過面積を更に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図
【図2】図2は図1の2−2線断面図
【符号の説明】
I・・・・・燃料噴射弁
3・・・・・弁座部材
5・・・・・固定コア
7・・・・・弁座
8・・・・・弁座孔
12・・・・可動コア
16・・・・弁体
21・・・・固定コアの中空部
22・・・・弁ばね
23・・・・ばね座部材
28・・・・コイル組立体
【発明の属する技術分野】
本発明は,主として内燃機関の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し,特に,弁体と,この弁体と協働する弁座を有すると共に,この弁座の下流端に連なる弁座孔を前端面に開口する弁座部材と,弁体の後端に結合される可動コアと,弁座部材の後端部に連設されて,可動コアの後端に前端を対向させる中空円筒状の固定コアと,この固定コアの後端に一体に連なり,内部を固定コアの中空部より拡径した燃料入口筒と,固定コアの中空部に嵌合して固定されるばね座部材と,このばね座部材と可動コア間に縮設されて可動コアを弁体の閉弁方向に付勢する弁ばねと,固定コアの外周に配設されて,固定コア及び可動コア間に弁体を開弁させる磁力を発生させるコイル組立体とを備えた電磁式燃料噴射弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,かゝる電磁式燃料噴射弁において,燃料の濾過のために,
(1)燃料入口筒にカップ状の燃料フィルタを装着したもの(例えば実開昭59−41670号公報参照)。
(2)弁ばねの固定端を支承するパイプ状のばね座部材の中空部に燃料フィルタを圧入したもの(例えば実公平6−37610号公報参照)。
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記(1)のものでは,燃料フィルタに,濾過材を支持しながら燃料入口筒への取り付けのための固定部を設ける必要があるため,燃料フィルタの構造が複雑でコストの低減が困難であり,また上記(2)のものでは,燃料フィルタがばね座部材の中空部に圧入されるので,燃料フィルタに特別な取り付け構造を設ける必要がない反面,ばね座部材の中空部が非常に狭小であるから,燃料フィルタの濾過面積を大きく採ることが困難である。
【0004】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,ばね座部材に,広い濾過面積を持つ濾過機能を付与して,専用の燃料フィルタの省略を可能にし,コストの低減に寄与し得る前記燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,弁体と,この弁体と協働する弁座を有すると共に,この弁座の下流端に連なる弁座孔を前端面に開口する弁座部材と,弁体の後端に結合される可動コアと,弁座部材の後端部に連設されて,可動コアの後端に前端を対向させる中空円筒状の固定コアと,この固定コアの後端に一体に連なり,内部を固定コアの中空部より拡径した燃料入口筒と,固定コアの中空部に嵌合して固定されるばね座部材と,このばね座部材と可動コア間に縮設されて可動コアを弁体の閉弁方向に付勢する弁ばねと,固定コアの外周に配設されて,固定コア及び可動コア間に弁体を開弁させる磁力を発生させるコイル組立体とを備えた電磁式燃料噴射弁において,ばね座部材を,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成したことを第1の特徴とする。
【0006】
この第1の特徴によれば,ばね座部材が燃料フィルタの機能を持つことになり,専用の燃料フィルタを設ける必要がないから,構造の簡素化,延いてはコストの低減を図ることができる。しかもばね座部材全体で燃料を濾過することができるので,充分に広い濾過面積を得て,燃料の濾過を効率良く行うと共に,流路抵抗の低減を図ることができる。
【0007】
また本発明は,第1の特徴に加えて,ばね座部材の閉塞端部を,固定コアの中空部から燃料入口筒側に突出させたことを第2の特徴とする。
【0008】
この第2の特徴によれば,ばね座部材の燃料入口筒への突出部により,ばね座部材の濾過面積を更に拡大することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0010】
図1は本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の2−2線断面図である。
【0011】
先ず,図1において,内燃機関用電磁式燃料噴射弁Iのケーシング1は,磁性体からなる円筒状の弁ハウジング2と,この弁ハウジング2の前端部に液密に結合される有底円筒状の弁座部材3と,弁ハウジング2の後端に環状スペーサ4を挟んで液密に結合される円筒状の固定コア5とから構成される。
【0012】
環状スペーサ4は,ステンレス鋼等の非磁性金属製であり,その両端面に弁ハウジング2及び固定コア5が突き当てられて液密に全周溶接される。
【0013】
弁座部材3及び弁ハウジング2の対向端部には,第1嵌合筒部3a及び第2嵌合筒部2aがそれぞれ形成される。そして第1嵌合筒部3aが第2嵌合筒部2a内にストッパプレート6と共に圧入され,ストッパプレート6は,弁ハウジング2と弁座部材3間で挟持される。その後,第1嵌合筒部3aの外周面と第2嵌合筒部2aの端面とに挟まれる隅部の全周にわたりレーザ溶接又はビーム溶接を施すことにより,弁ハウジング2及び弁座部材3が相互に液密に結合される。
【0014】
弁座部材3には,その前端面に下流端を開口する円錐状の弁座7と,この弁座7の上流端,即ち大径部に連なる円筒状のガイド孔9とが設けられており,そのガイド孔9は,前記第2嵌合筒部2aと同軸状に形成される。
【0015】
弁ハウジング2及び環状スペーサ4内には,固定コア5の前端面に対向する可動コア12が収容され,この可動コア12に,前記ガイド孔9に軸方向摺動自在に収容される弁体16が一体的に結合される。この弁体16は,弁座7に着座し得る球状の弁部16aと,ガイド孔9に摺動自在に支承される前後一対のジャーナル部16b,16bと,前記ストッパプレート6に当接して弁体16の開弁限界を規定するフランジ16cとを一体に備えており,各ジャーナル部16bには,燃料の流通を可能にする複数の面取り部17が設けられる。
【0016】
固定コア5は中空円筒状をなしており,その中空部21が弁ハウジング2内と連通する。固定コア5の後端には,内部を固定コア5の中空部21より拡径した燃料入口筒25が一体に連設され,その燃料入口筒25に燃料分配管(図示せず)が接続されるようになっている。
【0017】
固定コア5の中空部21には,可動コア12を弁体16の閉じ方向,即ち弁座7への着座方向に付勢するコイル状の弁ばね22と,この弁ばね22の後端を支承するばね座部材23とが収容され,ばね座部材23は,弁ばね22のセット荷重の調整後,固定コア5に固定される。
【0018】
ばね座部材23は,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成され,その閉塞端部23aを燃料入口筒25の内部に,燃料入口筒25の長さ方向の略中央部まで突出させて配置される。ばね座部材23を構成する硬質の多孔質体としては,例えば多孔質硼酸アルミ材料や発泡金属,多孔質プラスチック成形体等が使用可能である。
【0019】
環状スペーサ4及び固定コア5の外周にはコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,環状スペーサ4及び固定コア5に外周面に嵌合するボビン29と,これに巻装されるコイル30とからなっており,このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の一端部が弁ハウジング2の外周面に溶接により結合される。
【0020】
コイルハウジング31,コイル組立体28及び固定コア5は合成樹脂製の被覆体32内に埋封され,この被覆体32の中間部には,前記コイル30に連なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に連設される。
【0021】
弁座部材3の前端壁には,弁座7の下流側に同軸に連なる弁座孔8が形成される。弁座部材3の前端面には鋼板製のインジェクタプレート36がレーザビームによる全周溶接により接合される。このインジェクタプレート36には,弁座孔8に連通する複数の燃料噴孔38が穿設されている。
【0022】
前記ばね座部材23の取り付けに当たっては,先ず,固定コア5の中空部21に弁ばね22を挿入し,次いでばね座部材23を,その開放端側から中空部21に挿入又は軽圧入し,その挿入又は軽圧入深さを調節することにより弁ばね22のセット荷重を調整する。その調整後,図2に示すように,固定コア5を両外側面からカシメ工具Tにより押圧,変形させて,固定コア5及びばね座部材23を相互に固着する。
【0023】
この実施例の作用について説明する。
【0024】
コイル30を消磁した状態では,弁ばね22の付勢力で可動コア12及び弁体16が前方に押圧され,その弁部16aが弁座7に着座している。したがって,図示しない燃料分配管から燃料入口筒25に供給された燃料が,多孔質体のばね座部材23により濾過されて,弁ハウジング2内に待機させられる。
【0025】
コイル30に通電すると,それにより生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,弁ハウジング2及び可動コア12を順次走り,その磁力により可動コア12が,弁ばね22の付勢力に抗して,弁体16と共に固定コア5に吸引され,弁座7が開放されるので,弁ハウジング2内の高圧燃料は,弁体16の面取り部17を経て弁座7及び弁座孔8を通過し,そして複数の燃料噴孔38から図示しない内燃機関の吸気ポートに向けて噴射される。
【0026】
ところで,硬質で多孔質体のばね座部材23は,弁ばね22の固定端を支承する他,燃料に対する濾過機能を持つので,専用の燃料フィルタを設ける必要がなくなり,構造の簡素化,延いてはコストの低減を図ることができる。しかも,このばね座部材23は,閉塞端部23aを有する中空円筒状をなしているから,充分に広い濾過面積を得て,燃料の濾過を効率良く行うと共に,流路抵抗の低減を図ることができる。
【0027】
特に,ばね座部材23は,その閉塞端部23aを固定コア5の拡径した内部に突出させるように配置すれば,ばね座部材23の燃料入口筒25への突出部により,ばね座部材23の濾過面積を更に拡大することができて有利となる。
【0028】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,弁体と,この弁体と協働する弁座を有すると共に,この弁座の下流端に連なる弁座孔を前端面に開口する弁座部材と,弁体の後端に結合される可動コアと,弁座部材の後端部に連設されて,可動コアの後端に前端を対向させる中空円筒状の固定コアと,この固定コアの後端に一体に連なり,内部を固定コアの中空部より拡径した燃料入口筒と,固定コアの中空部に嵌合して固定されるばね座部材と,このばね座部材と可動コア間に縮設されて可動コアを弁体の閉弁方向に付勢する弁ばねと,固定コアの外周に配設されて,固定コア及び可動コア間に弁体を開弁させる磁力を発生させるコイル組立体とを備えた電磁式燃料噴射弁において,ばね座部材を,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成したので,ばね座部材が燃料フィルタの機能を持つことになり,専用の燃料フィルタを設ける必要がなく,したがって構造の簡素化,延いてはコストの低減を図ることができる。しかもばね座部材全体で燃料を濾過することができるので,充分に広い濾過面積を得て,燃料の濾過を効率良く行うと共に,流路抵抗の低減を図ることができる。
【0030】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,ばね座部材の閉塞端部を,固定コアの中空部から燃料入口筒側に突出させたので,ばね座部材の燃料入口筒への突出部により,ばね座部材の濾過面積を更に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図
【図2】図2は図1の2−2線断面図
【符号の説明】
I・・・・・燃料噴射弁
3・・・・・弁座部材
5・・・・・固定コア
7・・・・・弁座
8・・・・・弁座孔
12・・・・可動コア
16・・・・弁体
21・・・・固定コアの中空部
22・・・・弁ばね
23・・・・ばね座部材
28・・・・コイル組立体
Claims (2)
- 弁体(16)と,この弁体(16)と協働する弁座(7)を有すると共に,この弁座(7)の下流端に連なる弁座孔(8)を前端面に開口する弁座部材(3)と,弁体(16)の後端に結合される可動コア(12)と,弁座部材(3)の後端部に連設されて,可動コア(12)の後端に前端を対向させる中空円筒状の固定コア(5)と,この固定コア(5)の後端に一体に連なり,内部を固定コア(5)の中空部より拡径した燃料入口筒(25)と,固定コア(5)の中空部(21)に嵌合して固定されるばね座部材(23)と,このばね座部材(23)と可動コア(12)間に縮設されて可動コア(12)を弁体(16)の閉弁方向に付勢する弁ばね(22)と,固定コア(5)の外周に配設されて,固定コア(5)及び可動コア(12)間に弁体(16)を開弁させる磁力を発生させるコイル組立体(28)とを備えた電磁式燃料噴射弁において,
ばね座部材(23)を,硬質で濾過機能を持つ多孔質体により,一端を閉塞した中空円筒状に構成したことを特徴とする電磁式燃料噴射弁。 - 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,
ばね座部材(23)の閉塞端部(23a)を,固定コア(5)の中空部(21)から燃料入口筒(25)側に突出させたことを特徴とする電磁式燃料噴射弁。
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2002
- 2002-08-22 JP JP2002241602A patent/JP2004076700A/ja not_active Withdrawn
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