JP2009227893A - セリウム系研摩材スラリー - Google Patents

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Abstract

【課題】研摩設備における配管、研摩装置の各部材の腐食を極力抑制することが可能であるとともに、高精度の被研摩面を実現可能な、セリウム系研摩材スラリーを提供する。
【解決手段】本発明は、Laを含有する混合希土酸化物より得られたセリウム系研摩材スラリーにおいて、2つ以上のカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物又はそれらの塩、もしくは縮合数が2以上の酸性リン酸塩から選ばれる少なくとも1種を添加剤として含有し、pHが4.0〜9.5であり、該セリウム系研摩材スラリーに標準酸化還元電位が−1.7V以上の金属を24時間以内の条件で浸したときに、該金属の質量減少率が1%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、Laを含有する混合希土酸化物より得られるセリウム系研摩材スラリーに関する。
近年、様々な用途にガラス材料が用いられている。特に光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、アクティブマトリックス型LCD(Liquid Crystal Display)、液晶TV用カラーフィルター、時計、電卓、カメラ用LCD、太陽電池等のディスプレイ用ガラス基板、LSIフォトマスク用ガラス基板、あるいは光学用レンズ等のガラス基板や光学用レンズ等においては、そのガラスの被研摩面を高精度に加工することが行われている。
このガラス基板の表面研摩には、希土類酸化物、特に酸化セリウムを主成分とするセリウム系研摩材が用いられている。酸化セリウムは、ガラス材料の研摩において、酸化ジルコニウムや二酸化ケイ素に比べて研摩効率が数倍優れているためである。
このセリウム系研摩材は、水などの分散媒と混合してスラリー状態にしたセリウム系研摩材スラリー(場合により研摩材スラリーと略称する)として使用される。このセリウム系研摩材スラリーは、研摩パッドと被研摩面との間に連続的あるいは断続的に供給されるようにして研摩に用いられる。
このようなスラリー状態にして研摩に供されるセリウム系研摩材としては、例えば、混合希土酸化物から製造された研摩材原料を微細に粉砕したセリウム系研摩材(特許文献1参照)や、高純度のセリウムからなるコロイダルセリアと呼ばれるもの(特許文献2参照)が提案されている。これらのセリウム系研摩材は、ガラス基板の被研摩面を高精度に加工することが可能である。
この従来から用いられているセリウム系研摩材は、高精度な被研摩面の加工を実現するため、微細な研摩材粒子から構成されている。この微細な研摩材粒子からなる研摩材をスラリー状態にした場合、粒子の凝集が生じやすいので、スラリー中の研摩材粒子(固形分)を分散させるために、縮合リン酸塩等の分散剤とセルロースなどの固化防止剤などの添加剤が用いられている(例えば、特許文献3)。このような添加剤をスラリー中に含有させることで、スラリー中の研摩材粒子が適度に分散するため、研摩速度などの研摩特性が安定し、研摩により得られる被研摩面の品質を安定させることができる。
特開2007−231158号公報 特開2003−183631号公報 国際公開第02/31079号パンフレット
しかしながら、研摩材粒子を分散させるための添加剤は、錯化作用等を有する物質であるため、比較的高いpHの研摩材スラリーとなる。このような高いpH値(pH9.5より大きい)の研摩材スラリーを使用する場合、研摩材スラリーを供給する配管、研摩装置の各部材などが腐食される現象が生じる可能性がある。
希土類酸化物、特に、Laを含有する混合希土酸化物より得られるセリウム系研摩材は、その研摩材粒子が比較的大きいため、微細化のための粉砕処理が行われるが、粉砕処理を行ったセリウム系研摩材をスラリーにすると、そのスラリーpHが高くなる傾向(pH10以上)があり、研摩設備の腐食を促す傾向がある。
このような研摩設備における配管、研摩装置の各部材などの腐食に対しては、耐食性を備えた材料を用いて研摩設備の設計を行う対応が行われているものの、研摩設備コストの増加につながる。そのため、研摩材スラリー自体にその腐食性を抑制したものが求められている。
本発明は、以上のような事情の背景になされたもので、研摩設備における配管、研摩装置の各部材の腐食を極力抑制することが可能であるとともに、高精度の被研摩面を実現可能な、セリウム系研摩材スラリーを提供することを目的とする。
本発明は、Laを含有する混合希土酸化物より得られたセリウム系研摩材スラリーにおいて、カルボキシルキ基を2つ以上と水酸基を1つ以上有する有機化合物(以下、単に有機化合物と略す場合がある)もしくはそれらの塩、又は縮合数が2以上の酸性リン酸塩から選ばれる少なくとも1種を添加剤として含有し、pH4.0〜9.5であることを特徴するものとした。
本発明のセリウム系研摩材スラリーであれば、配管や研摩装置の各部材などの腐食を極力抑制することができ、腐食されやすい傾向のある標準酸化還元電位が−1.7V以上の金属、例えばAlを24時間以内の条件で浸したときに、該金属の質量減少率が1%以下であるといった良好な耐腐食性を有するので、アルミニウムを含む材料で研摩設備を作製した場合においても、その材料の腐食がほとんど進行することがない。それに加え、研摩速度などの研摩特性が安定し、ガラス基板の被研摩面を高精度に研摩することが可能となる。
本発明のセリウム系研摩材スラリーは、添加剤として、有機化合物もしくはそれらの塩、又は縮合数が2以上の酸性リン酸塩を用いるものである。そして、この添加剤の配合量はスラリー100質量%に対して、0.5質量%〜20質量%であることが好ましい。0.5質量%未満であると、満足な耐腐食性が得られない傾向があり、20質量%を超えると、際立った変化が見られず、かえって他の特性を低下させる原因となりうる。
本発明の添加剤は、有機化合物もしくはそれらの塩、又は縮合数が2以上の酸性リン酸塩のうちの1種でも、或いは2種以上でも構成できる。
上記有機化合物としては、クエン酸、酒石酸、クエン酸二水素K、クエン酸二水素Na、クエン酸二水素アンモニウム、酒石酸NaK、酒石酸二Na、酒石酸二K、酒石酸二アンモニウム、クエン酸三Na、クエン酸三K、クエン酸三アンモニウム等が挙げられる。これらは1種でも2種以上を混合して用いることもできるが、COOH/COOで表される官能基のモル比が1以上となることが好ましい。COOH/COOで表される官能基のモル比が1以上となることは、カルボキシル基含有の有機化合物を1種又は2種で配合した際にスラリーのpHを好ましい状態、即ち4.0〜9.5に制御できる。
また、縮合数が2以上の酸性リン酸塩としては、ウルトラポリリン酸Na、酸性ピロリン酸Na、酸性ヘキサメタリン酸Na等が挙げられる。ウルトラポリリン酸Naは、分子中の水素をアルカリ金属で一部置換したリン酸塩であり、また、酸性ピロリン酸Na及び酸性ヘキサメタリン酸Naは、アルカリ金属で水素全部を置換したリン酸塩である。これらの添加剤は、スラリー中に単独で添加してもよく、組み合わせて添加してもよい。
なお、有機化合物と酸性リン酸塩を含有する添加剤として、1分子中の水素原子がすべてアルカリ金属或いはアンモニウムに置換された有機化合物である酒石酸NaK、クエン酸三Naに縮合リン酸塩を配合したものを使用することもできる。これらの有機化合物は分子中の水素原子が全てアルカリ金属或いはアンモニウムに置換され(即ち、カルボキシル基の電離は起こらないので)pHがかなり高いため、例えばウルトラポリリン酸Na、酸性ピロリン酸Na等の酸性リン酸塩を添加することでpHを最適化する。
本発明の添加剤の具体的な配合例としては、単体では上記した各有機化合物、酸性リン酸塩のいずれかを個別に用いることができ、混合して添加する場合は、酒石酸NaK、酒石酸二Na、酒石酸二K、酒石酸二アンモニウムのいずれか一種と、酒石酸、ウルトラポリリン酸Na、クエン酸のいずれか一種とを組み合わせて用いることが好ましい。また、クエン酸三Na、クエン酸三K、クエン酸三アンモニウムのいずれか一種と、酸性ピロリン酸Na、クエン酸のいずれか一種とを組み合わせて用いることも好ましい。混合して添加する場合、配合される有機化合物塩は、縮合数が2以上の酸性リン酸塩である添加剤100質量%に対して20〜500質量%(比率として1:5〜5:1)であることが望ましい。
なお、上記添加剤の中でも本発明の添加剤として最も好ましいものは、クエン酸二水素K又はウルトラポリリン酸Naである。これらの添加剤であると、研摩設備の腐食を極めて効果的に抑制することができるとともに、ガラス基板の被研摩面を高精度に研摩することが可能となる。
上記何れの組み合わせにしても、添加した際のスラリーのpHは4.0〜9.5の範囲であることが必要である。この範囲内を超えると、研摩設備に対して腐食性を示す傾向が強くなるためである。また、pH4未満であると耐腐食性が低下し、pH9.5を超えると耐腐食性の向上は望めず、他の特性が逆に低下する恐れが生じる。
本発明のセリウム系研摩材スラリーの原料は、Laを含有する混合希土酸化物であり、例えば、ミレークM(三井金属鉱業(株)社製、組成:全希土類酸化物換算量(TREO)95〜99質量%、CeO:50〜70質量%、La:25〜40質量%、Pr11:2〜8質量%、Nd:0.1〜15質量%、F:0.1質量%未満)を使用することができる。尚、原料中のLaの含有量は、5〜50質量%が好ましく、特に好ましくは25〜35質量%である。このLa含有量は5質量%未満であると、結晶成長により粒子が硬くなりキズの原因となる。また、50質量%を超えると付着性が悪くなる。
本発明に係るセリウム系研摩材スラリーは、セリウム系研摩材を10質量%含有したセリウム系研摩スラリーを1000mLのメスシリンダーに投入した際に、24時間後の沈降体積が20mL以上であることが好ましい。20mL未満であると、研摩特性(表面粗さ)に悪影響を及ぼすことになるからである。この24時間後の沈降体積における上限値には、特に制限はなく、全く沈降しないものは分散性が良好であり、良好な研摩特性を得やすくなる傾向となる。
以上説明したように、本発明のセリウム系研摩材スラリーによれば、研摩設備における配管や、研摩装置の各部材などの腐食を生じることなく、ガラス基板の被研摩面を高精度に研摩することが可能となる。
本発明の最良の実施形態について、実施例及び比較例を参照しながら詳説する。まず始めに、本実施例及び比較例のセリウム系研摩材スラリーについて説明する。
本発明のセリウム系研摩材スラリー(以下、単に研摩材スラリーと称することがある。)は、セリウム系研摩材と水等の分散媒とを含有するものであり、更に分散剤等を含有していてもよい。ここで、分散媒としては、水、有機溶媒であって水に対する溶解度が5%以上のもの、又は、該有機溶媒を、溶解する範囲内で水と混合したものが好ましい。尚、有機溶媒としては、アルコール類、多価アルコール類、ケトン類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の使用が好適である。
なお、研摩材スラリー中に配合する有機化合物、酸性リン酸塩からなる添加剤の配合は、分散媒に予め混合した後に、これと研摩材スラリーを混合しても良く、或いは分散媒に予めセリウム系研摩材を混合した後に、この混合物と添加剤とを混合しても良いし、分散媒と研摩材スラリーを混合する際に配合しても良い。つまり、研摩材スラリーとする際に混合順番に特に制約はない。
次に、本発明のセリウム系研摩材を得るための製造方法を説明する。基本的な製造工程としては、Laを含む希土類酸化物塩を原料として用い、これを粉砕して目的とする粉体スラリー研摩材を得るものである。
(原料)
本実施形態におけるセリウム系研摩材の原料として、Laを含有する混合希土類酸化物(全希土酸化物量(TREO)97.9質量%、CeO/TREO:62.6質量%、La/TREO:30質量%)を100kg使用した。この原料に純水185.7kgを加え35質量%に調整した。そして、直径0.1mmのジルコニアビーズを粉砕媒体としたビーズミルにて、5回粉砕し、粒径50nmの粉体スラリーを準備した。このときのpHは10.5であった。
なお、得られた上記研摩材スラリー中の組成は原料と同じであり、特にLaは研摩材スラリーのTREO中に30質量%含有されていた。
次に、上記研摩材スラリー10kgに、分散媒として純水 24Lとジメチルスルホキシド 1Lを使用した。そして表1に示す添加剤、例えばウルトラポリリン酸Na(関東化学社製、縮合数n≧2)の場合は、pHが7になるまで添加して攪拌混合した。なお、ウルトラポリリン酸Na以外の適用可能な添加剤及びその組み合わせは表1、表2に示した通りである。それぞれの配合剤を表中のpHとなるまで添加し、攪拌混合を行いセリウム系研摩材スラリーとした。なお、添加剤の配合量は、添加剤の種類や用いた研摩材スラリーのpHに応じて最適pHとなるように調節する。一例として、上記ミレークMスラリーを使用した場合の添加剤の配合量を表1及び表2に示す。
実施形態: 上記のようにして得られた研摩材スラリーは、Laを10質量%含むセリウム系研摩材スラリーに添加剤として、2つ以上のカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物またはそれらの塩、もしくは縮合数が2以上の酸性リン酸塩から選ばれる少なくとも1種を配合したものである。以下、添加剤を配合した研摩材スラリーの物性及び研摩材性能について説明する。
(物性):まず、研摩材スラリーの物性評価方法について説明する。
TEM径測定方法: 透過電子顕微鏡((株)日立製作所;H−900NAR)にて測定し、粒子径を目視にて200個以上測定した平均値とした。このようにして測定したTEM径は、平均50nmであった。
(pH測定方法): pHメーター((株)堀場製作所製;D−53)を使用し、JIS Z8802に従ってガラス電極法(JIS形式I)にて測定した。
(研摩材性能):次に本実施形態の研摩材スラリーに関する研摩特性の調査方法について説明する。研摩性能の評価としては、研摩速度で評価し、被研摩面の表面状態に関しては、平均表面粗さRaで評価し、耐腐食性については、標準酸化還元電位が-1.7V以上の金属であるAlを研摩材スラリー中にそれぞれ24時間浸漬後の質量減少率で評価した。
研摩試験:片面ポリッシングマシン((株)エムエーティー社製)を使用して行った。研摩条件は、石英ガラス(直径60mm)を被研摩物としてポリウレタン製の研摩パッドを用いて研摩した。そして、研摩材スラリーを25mL/minの速度で供給し、研摩面に対する圧力を9.0kPa(0.088kg/cm)に設定して研摩機回転速度を60rpmで30分間の研摩を行った。
研摩速度の評価:特定時間の研摩処理を行い、研摩前後のガラス質量を測定して研摩によるガラス質量の減少量を求め、この値に基づき研摩速度を求めた。
研摩精度の評価: 研摩により得られたガラスの被研摩面を純水で洗浄し、無塵状態で乾燥させ、研摩精度の評価を行った。表面粗さは、研摩後のガラスの被研摩面について、10μm×10μmの測定範囲で、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope(AFM);日本ビーコ社製ナノスコープIIIA)で測定し、その表面粗さ値Raを算出した。
分散性の評価:各研摩材スラリーをJIS R 3505に規定する1000mLメスシリンダーに投入して、研摩材スラリー中の懸濁相と分散媒相(純水)との境界面を目盛り読みすることより、沈降体積を調べて分散性の評価値とした。そして、この沈降体積は、メスシリンダーに10質量%の研摩材スラリーを投入後、静置して24時間経過したときに懸濁相の容量を測定した体積である。この沈降体積は、24時間経過後20mL以上になることが望ましく、20mL未満では研摩特性(表面粗さRa)に悪影響を及ぼす傾向になる。
耐腐食性の評価: アルミ箔0.04g(20mm×50mm)を、表1及び表2に示した添加剤を配合した研摩材スラリー中で24時間振とう後、アルミ箔を回収洗浄後、乾燥させて質量減少率を測定し、溶解率として評価した。
Figure 2009227893
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表3の結果より、まず、添加剤が、2つ以上のカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物又はそれらの塩、もしくは縮合数が2以上の酸性リン酸塩から選ばれる少なくとも1種類であれば、耐腐食性及び研摩精度などの性能を良好に保てるpHである4.0〜9.5に制御することが容易であり、比較例に示した他の添加剤と比べて、特に耐腐食性が改善できた。比較例7〜9のように硫酸や塩酸などのpH調整剤でpHを最適化した場合には、耐腐食性は改善されるが、Ra値が上昇、つまり、面精度の低下および分散性は改善できなかった。更に、実施例4のクエン酸二水素Kを添加剤とした場合と、比較例4のクエン酸水素二Kを添加剤とした場合との比較から分かるように、2つ以上のカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物でありpHも適当な範囲であっても、カルボキシル基のCOOHとCOOのモル比が2.0と0.5であると、耐腐食性に差が出た。また、比較例10の添加剤の組み合わせであっても同様の実験結果であった。これは明らかではないが、カルボキシル基からの水素電子の電離による耐腐食性への効果を示唆するものと考えられる。以上の結果より、本発明の添加剤として最も好ましいものは、クエン酸二水素K又はウルトラポリリン酸Naであると考えられる。これらの添加剤をスラリー中に配合することで、研摩設備の腐食を極めて効果的に抑制することができるとともに、ガラス基板の被研摩面を高精度に研摩することが可能であることが分かった。

Claims (8)

  1. Laを含有する混合希土酸化物より得られたセリウム系研摩材スラリーにおいて、
    2つ以上のカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物もしくはそれらの塩、又は縮合数が2以上の酸性リン酸塩から選ばれる少なくとも1種を添加剤として含有し、pHが4.0〜9.5であり、
    該セリウム系研摩材スラリーに標準酸化還元電位が−1.7V以上の金属を24時間以内の条件で浸したときに、該金属の質量減少率が1%以下であることを特徴とするセリウム系研摩材スラリー。
  2. 上記2つ以上のカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物もしくはそれらの塩は、COOH/COOで表される官能基のモル比が1以上である請求項1記載のセリウム系研摩材スラリー。
  3. 上記2つ以上のカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物もしくはそれらの塩は、クエン酸、酒石酸、クエン酸二水素K、クエン酸二水素Na、クエン酸二水素アンモニウム、酒石酸NaK、酒石酸二Na、酒石酸二K、酒石酸二アンモニウム、クエン酸三Na、クエン酸三K、クエン酸三アンモニウムから選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載のセリウム系研摩材スラリー。
  4. 上記縮合数が2以上の酸性リン酸塩は、ウルトラポリリン酸Na、酸性ピロリン酸Na、酸性へキサメタリン酸Naから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のセリウム系研摩材スラリー。
  5. 添加剤は、酒石酸NaK、酒石酸二Na、酒石酸二K、酒石酸二アンモニウムのいずれか一種と、酒石酸、ウルトラポリリン酸Na、クエン酸のいずれか一種との組み合わせより選ばれるものである請求項1または請求項2に記載のセリウム系研摩材スラリー。
  6. 添加剤は、クエン酸三Na、クエン酸三K、クエン酸三アンモニウムのいずれか一種と、酸性ピロリン酸Na、クエン酸のいずれか一種との組み合わせより選ばれるものである請求項1または請求項2に記載のセリウム系研摩材スラリー。
  7. Laを含有する混合希土酸化物における全希土類酸化物量(TREO)中のLa含有率が5質量%以上である請求項1〜6の何れか1項記載のセリウム系研摩材スラリー。
  8. セリウム系研摩材を10質量%含有したセリウム系研摩スラリーを1000mLのメスシリンダーに投入した際に、24時間後の沈降体積が20mL以上である請求項1〜請求項7の何れか1項記載のセリウム系研摩材スラリー。
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