JP2001077061A - 半導体用研磨剤 - Google Patents

半導体用研磨剤

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JP2001077061A
JP2001077061A JP24945699A JP24945699A JP2001077061A JP 2001077061 A JP2001077061 A JP 2001077061A JP 24945699 A JP24945699 A JP 24945699A JP 24945699 A JP24945699 A JP 24945699A JP 2001077061 A JP2001077061 A JP 2001077061A
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polishing
abrasive
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grain diameter
cerium oxide
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JP24945699A
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Yoshiaki Fujie
良紀 藤江
Katsuyuki Tsugita
克幸 次田
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Seimi Chemical Co Ltd
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Seimi Chemical Co Ltd
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  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体デバイス製造工程における金
属層及び/又はバリア層を平坦化できる、優れた研磨剤
を提供する。 【解決手段】 重量平均粒子径が0.1〜0.3μ
m、平均結晶子径が150〜600Åであるセリウム酸
化物粒子を研磨砥粒として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス製
造工程における化学的機械研磨用研磨剤に関し、特にス
クラッチを発生させることなく半導体基板上に形成され
た金属層及び/又はバリア層の化学的機械研磨に使用さ
れる研磨剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、種々のデジタル家電製品、モバイ
ルコンピュータ、携帯情報通信機器等の更なる小型化、
高機能化、高速化、低消費電力化の要請に応じて、これ
ら機器のキーコンポーネントとして組み込まれて使用さ
れる半導体集積回路(以下、単に半導体装置又は半導体
デバイスなどとも云う。)においても微細化・高密度化
の検討が続けられており、基板上に形成した絶縁層上
に、サブミクロンのデザインルールの微細な線幅の配線
パターンを埋め込み、その微細な配線構造を絶縁層を介
してより多層積層化し高密度化した多層配線構造が追求
されている。
【0003】このように多層配線構造により半導体装置
の微細化・高密度化が進むと、各層表面の凹凸が激しく
なり、その凹凸段差がリソグラフィ光学系の焦点深度を
越えるようになる。そして多層配線工程における断線や
ショートの原因となる等種々の問題を惹起するので製造
プロセスの然るべき段階で、ウエハ表面を平坦化するこ
とが必須である。
【0004】従って、平坦化処理の重要なキーテクノロ
ジーとして、多層配線構造の半導体装置の製造工程にお
いて、その各々の層(半導体基板上)に形成された絶縁
膜及び/又は金属膜を超精密に平坦化しうるポリシング
技術である化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polis
hing ; 以下、CMPと称する。)が、注目されてい
る。
【0005】従来、アルミニウム(Al)系の配線材料
が、ドライエッチング等で容易にパターンニングしうる
ことから多く使用されているが、Al系の配線の場合、
配線幅0.25μm以下というデザインルールのもとで
は、素子間の配線抵抗が無視できなくなって大きな配線
遅延時間が生ずるようになる。また、これと共に、Al
系配線間の寄生容量に起因する充放電によるパワーロス
が、モバイル機器等の低消費電力化に対する大きな障害
となることが問題となっている。
【0006】このため、より低抵抗の材料である銅(C
u)配線及びCu合金配線( 以下、Cu等と略する。 )
等を次世代LSI装置の多層配線構造として使用しよう
とする試みが行われている。Cu等についてはドライエ
ッチング温度が高くなりAlのように容易にはドライエ
ッチングによる薄膜のパターンニングを行うことができ
ないので、通常、層間絶縁膜上の配線溝及び/又はコン
タクト溝へ電解メッキ等の手段でCu等を埋め込み、こ
れをCMP研磨して余分なCu等の平坦化が行われる。
これがIBM社の提唱にかかるダマシン( Damascine )
法と称される技術であり、かくしてCu等の金属のCM
P技術( 所謂メタルCMP )は今後の半導体装置の多層
配線における主要技術となりつつある。
【0007】又、Cu等を配線として用いると、Cuが
層間絶縁膜であるSiO2 に拡散し、層間絶縁膜の絶縁
性が低下する。これを防止するため、Cu等とSiO2
の間にバリア層としてTaやTa化合物を埋め込むこと
が行われている。従って、CMP工程の際には、Cu等
とともにこのTa層を同時に研磨することも必要となっ
てきている。
【0008】従来、金属のCMP技術において、金属層
を平坦化するための研磨剤としては酸化セリウムを砥粒
としこれに酸化剤を加えたスラリー(特開平10−13
5163号)、砥粒としてコロイド状アルミナを含む酸
化酸性スラリー(特開平10−74764号)、酸化セ
リウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の
金属酸化物砥粒と尿素−過酸化水素を含むスラリー(特
開平11−21546号)等が公知である。
【0009】これら酸化剤を含む研磨剤スラリーでは、
組成物としての安定性が悪いこと、デッシングが発生し
やすいこと、及び金属層表面に形成される凸部の継ぎ目
ないしシームに沿って酸化剤が侵入してシームが拡大し
デバイスの信頼性を低下させると云う大きな問題があっ
た。また、研削力及び平坦性についても十分に満足でき
るものではなかった
【0010】一方、かかる酸化剤を使用しないものとし
て、二酸化マンガン( MnO2 ) を砥粒の主成分として
用いる金属層研磨用の研磨剤(例えば特開平10−60
415号、特開平10−180619号、特開平10−
310766号)が提案されている。
【0011】しかしながら、二酸化マンガンを主体とす
る研磨剤では、充分な研磨速度や平坦性が得られないと
共に、トリエタノールアミンやオルガノシラン等の添加
剤が必要なため洗浄等の操作が余計に必要となる等の問
題があった。
【0012】特に本発明者らの検討によれば、これら研
磨剤は、金属層がAlやWである場合にはある程度の研
磨能を有するものの、すでに述べたように、次世代配線
材料として最も重要なCu層等及びバリア層のTaの研
磨については、充分な研磨速度及び平坦性が得られない
ことがわかった。
【0013】そのために、半導体素子の微小微細化に適
した、金属層及び/又はバリア層、、特にCu層、Ta
層等を平坦化できる、優れた研磨剤が必要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、半導
体装置の微小微細化に適した、金属層及び/又はバリア
層、特にCu層、Ta層等を平坦化できる、優れた研磨
剤(研磨砥粒)を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、 (1) 本発明に従えば、半導体デバイスの製造工程にお
ける化学的機械研磨用研磨剤であって、重量平均粒子径
が0.1〜0.3μm、平均結晶子径が150〜600
Åであるセリウム酸化物粒子からなる砥粒が含有され、
半導体基板上に形成された金属層及び/又はバリア層を
研磨するための半導体用研磨剤( 以下「本発明の研磨
剤」とも云う。 )、が提供される。
【0016】(2) また本発明に従えば、本発明の研磨
剤を化学的機械研磨装置の研磨布に担持させて、半導体
基板上に形成された金属層及び/又はバリア層の少なく
とも一部を研磨することを特徴とする半導体基板の研磨
方法、が提供される。本発明のさらに他の実施の形態は
以下の説明から明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の研磨剤の砥粒であるセリ
ウム酸化物粒子の重量平均粒子径は、0.1〜0.3μ
mであり、特に0.15〜0.25μmが好ましい。こ
れより粒子径があまり大であると、研磨対象である金属
層及び/又はバリア層のスクラッチが増加し、あまり小
であると研削力が低下する。
【0018】本発明において、重量平均粒子径は、質量
基準で粒度分布を求め、全質量を100%とした累積カ
ーブにおいて、その累積カーブが50%となる点の粒子
径である。これを質量基準累積50%径ともいう(例え
ば、化学工学便覧「改定5版」(化学工学会編)P22
0〜221の記載参照)。
【0019】これらの重量平均粒子径の測定は、例え
ば、日機装株式会社製マイクロトラックHRAX−10
0等の機器を使用し、砥粒を水等の媒体に超音波処理し
て砥粒の分散状態が安定化した時点で粒度分布測定する
ことにより行われる。
【0020】また本発明においてセリウム酸化物の平均
結晶子径は、150〜600Åであり、好ましくは30
0〜500Åである。これより結晶子径があまり大であ
ると、研磨対象である金属層等のスクラッチが増加し、
あまり小であると研削力が低下する。
【0021】このようにスクラッチの発生を防止するた
めには、セリウム酸化物の粒子径を制御するだけでな
く、その結晶子径を制御することも必要なのである。
【0022】なお平均結晶子径は、X線回折から求めら
れる結晶子(クリスタリット)の大きさを表し、X線回
折パターンの最大強度を示すピークの広がり(線幅)か
らシェラー(Sherrer)の式により算出された値である
(例えば、B.D.CULLITY (松村訳)「X線回折要論」
(株)アグネ発行)。
【0023】セリウム酸化物は、例えば炭酸希土等の原
料を電気炉中で焼成することにより得られ、その粒子径
は、焼成温度によってもある程度調節することが可能で
あるが、好ましくは、加熱熟成する前に、原料の炭酸セ
リウムを湿式粉砕等により粉砕して所望の粒径範囲のも
のとしておくか、または、加熱熟成後に得られた酸化セ
リウムをさらに粉砕処理することが望ましい。
【0024】上記の工程において、湿式粉砕は、水等水
性媒体又はアルコール等の非水媒体中で湿式媒体用撹拌
ミル等で行われ、また焼成は、電気炉等により600〜
800℃、好ましくは650〜750℃で行うことが望
ましい。
【0025】なお、焼成温度は、セリウム酸化物の結晶
子径を制御するためにも重要な操作因子であって、焼成
温度が上記範囲よりも低い場合は、結晶子径が小さくな
り過ぎ、またこれよりも高い場合は、結晶子径が大きく
なりすぎ、いずれも好ましくない。
【0026】なお、本発明で規定する所望の粒径範囲の
砥粒を得るためには、場合により粉砕操作とともに分級
操作を組み合わせることも好ましい。
【0027】分級操作としては、乾式分級でも可能であ
るが、より精度の高い分級が行えることから湿式分級が
好ましい。なかでも、本発明の対象とする粒径の粒子の
分級に好ましく適用できる湿式分級器としては、液体サ
イクロン、遠心沈降機、遠心傾しゃ機( デカンター )等
の遠心分級器;ハイドロセパレータ、ボウルデシルタ
ー、ボウル分級器、スパイラル分級器、ドラグ分級器等
の機械的分級器;ドルコサイザー、スーパーソータ等の
水力分級器;スピッツカステン、サイドコーン等の沈降
分級器が挙げられる。
【0028】セリウム酸化物は、CeOx の構造式で示
される物で、xの範囲としては、1〜2のものが好まし
い。特に好ましくは、IV価(酸化数4)のセリウム化合
物(CeO2 )である。しかしながら、より低酸化数の
酸化物(例えばCe23 )も目的に応じて使用可能で
ある。また、研磨剤スラリー中に酸化剤等の添加剤を加
えて価数を変化させて使用することも可能である。
【0029】本発明の研磨剤は、砥粒としてセリウム酸
化物を主体として使用するものであるが、従来公知の他
の一種又は二種以上の研磨砥粒を併用して用いてもよ
い。例えば酸化アルミニウム(Al23 )、二酸化ケ
イ素(SiO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸
化チタン(TiO2 )、酸化ゲルマニウム(GeO,G
eO2 )、窒化ケイ素(Si34 )等をセリウム酸化
物重量に対してその30重量%以下、好ましくは20重
量%以下、さらに好ましくは10重量%以下を用いるこ
とができる。
【0030】これら砥粒の重量平均粒子径は、研磨速度
の維持とスクラッチの発生を防止する観点から、0.0
05〜2.0μmが好ましく、0.01〜0.5μmが
特に好ましい。
【0031】本発明の研磨剤の使用方法については、特
に限定されないが、水又は水性媒体(本明細書では、両
者を合わせて「水系媒体」という。)に撹拌混合機、ホ
モジナイザ、ボールミル等で十分に分散させ、セリウム
酸化物が0.1〜30重量%、好ましくは1〜15重量
%分散している研磨剤スラリー(以下、本発明の研磨剤
スラリーともいう。)として用いることが望ましい。こ
こでいう水性媒体とは水を主体とし、これにメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の水溶性又は水と
混和しうる有機溶媒を20重量%以下、好ましくは10
重量%以下程度含む混合溶媒である。
【0032】本発明の研磨対象となる金属層は、特に制
限されず、例えば、Cu、W、Al、Ti等またはこれ
らの合金が用いられが、特に本発明の研磨剤によりバリ
ア膜と同時に研磨した際に効果が発揮される点で、Cu
又はその合金からなることが好ましい。
【0033】また、バリア膜は、その絶縁膜やCu配線
との密着性、及び絶縁膜中へのCuの拡散防止性能から
タンタル( Ta )、タンタル合金およびそれらの化合物
からなることが好ましい。タンタル合金としてはTa
と、Al、Ti、Si、W、MoまたはZn等との合金
が好ましいものとして挙げられる。また、タンタル化合
物としては、窒化物(TaN)、酸化物(TaOx )、
酸窒化物(TaOy z)〔ここで、x、y、zは任意
の数値である。〕が好ましいものとして挙げられるが、
窒化タンタルが最も好ましい。なお、このタンタル化合
物には、上記のTa合金の化合物も含まれる。
【0034】本発明の研磨剤は、特に半導体デバイス製
造工程における金属層の研磨剤として用いられるが、研
磨剤スラリーは、そのpHにより研磨力に変化が生じる
ので、研磨剤の酸化力や研磨対象物たる金属の種類を考
慮し、適正なpHを選択して用いることが好ましい。
【0035】具体的にはCuの研磨においては、研磨剤
スラリーのpHは例えば10.0〜4.0、好ましくは
10.0〜6.0程度である。
【0036】pH調整剤は、特に限定されず、公知の酸
やアルカリ成分を添加することによりpH調整を行うこ
とができるが、洗浄の容易さから水溶性のものが好まし
く、調整のしやすさから特にアンモニアが好ましい。ア
ンモニア等のpH調整剤の添加方法としては、セリウム
酸化物を水に分散させたスラリーにアンモニアガスを吹
き込んだり、アンモニア水等を添加して、目的のpHに
調整する方法が挙げられる。
【0037】なお、アンモニウムイオンは、Cuと水溶
性の銅アンモニア錯体( アンミン錯体 )を形成するの
で、Cuの研磨を促進するため、アンモニウムイオンの
供給源となるアンモニウム化合物を研磨スラリーに添加
することもできる。このようなアンモニウム化合物とし
ては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸
水素アンモニウム、塩酸アンモニウム、硫酸水素アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられる。
【0038】本発明の研磨剤スラリーには、用途に応じ
て、さらに分散剤、防カビ剤、界面活性剤、錯体生成
剤、酸化剤等を適宜添加して使用してもよい。
【0039】なお分散剤としては、通常界面活性剤が使
用され、オレイン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモ
ニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等の陰イオ
ン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リエチレングリコールジステアレート、ポリアクリル酸
アンモニウム等の非イオン性界面活性剤が好適に使用さ
れる。
【0040】また、錯体生成剤としては、酒石酸、クエ
ン酸、コハク酸、蓚酸、酢酸、フタル酸、アミノ酸等が
挙げられ、アミノ酸としては、例えば、グリシン、セリ
ン、ロイシン、イソロイシン、リジン、アラニン、グル
タミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。また、酸化
剤としては、過酸化水素、硝酸鉄、ヨウ素酸等が挙げら
れる。
【0041】本発明の研磨剤は、半導体基板上に形成さ
れた金属層及び/又はバリア層を研磨するために使用さ
れる。
【0042】具体的には、本発明の研磨剤を化学的機械
研磨装置の研磨布に担持させて、金属層及び/又はバリ
ア層を研磨するが、通常研磨剤は、研磨剤スラリーとし
て用いられる。この研磨剤スラリーを使用する研磨工程
は、常法に従って行うことができる。例えば上部に半導
体基板等の被研磨体を保持しながら回転を与える駆動装
置を備えたポリシングヘッドと、これに対向する下部の
ポリシングパッド( 研磨布 )が貼付されている回動しう
る定盤( プラテン )からなるCMP装置を使用し、当該
研磨布に本発明の研磨剤を担持させる。すなわち具体的
には本発明の研磨剤を研磨剤スラリーとし、これを研磨
布の上に供給しながら、40〜300rpm程度で、回
転している半導体基板と接触させ、研磨圧力50〜25
0g/cm2 程度で、基板上に形成された金属層及び/
又はバリア層を研磨してその平坦化を行うものである。
【0043】このようにして、半導体基板上に形成され
た金属層、特に好ましくはCu等の金属層の少なくとも
一部を研磨し、その金属層の数十nm〜数千nmを除去
し平坦化する。
【0044】
【作用】現在のところ、本発明の研磨剤の詳しい研磨機
構については完全には明確ではないが、おそらく次のよ
うであろうと推定される。すなわち、本発明における研
磨砥粒であるセリウム酸化物は、それ自身が適度な酸化
力を有する固体酸化剤であり、これが金属層を研磨する
際、金属表面を適度に酸化する作用を持っている。これ
により高い研磨力を示すと考えられる。
【0045】さらに本発明で規定するごとく、セリウム
酸化物からなる砥粒の重量平均粒子径と結晶子径を特定
の範囲とすることにより、高い研磨力と優れた平坦化能
力を併せ有することができると考えられる。
【0046】なお、本発明における砥粒であるセリウム
酸化物は、通常使われる他のCu層用の研磨砥粒である
酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、
酸化チタン、酸化ゲルマニウム、窒化ケイ素と比較して
柔らかいため、ポリシングパッドの圧力による自己崩壊
性も高い。この自己崩壊性についても、結晶子径を本発
明で規定する範囲とすることによりある程度制御するこ
とができ、従ってさらに優れた平坦化能力を示すと考え
られる。
【0047】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0048】本実施例において、セリウム酸化物砥粒の
重量平均粒子径の測定は、日機装株式会社製マイクロト
ラックHRAX−100を使用し、砥粒を水系媒体で超
音波処理して砥粒の分散状態が安定化した時点で粒度分
布測定することにより行った。また、セリウム酸化物の
平均結晶子径は、島津製作所社製X線回折装置XD−D
1を用いて得られたX線回折パターンからシェラーの式
を用い計算した。
【0049】(1)研磨剤スラリーの合成 〔例1〕炭酸セリウムを電気炉を用いて700℃で焼成
し、水に懸濁させて湿式媒体撹拌型ミルで重量平均粒子
径を0.25μmまで粉砕し、研磨砥粒を製造した。こ
の時の平均結晶子径は360Åであった。イオン交換水
に、得られた研磨砥粒を3重量%になるように加え、さ
らに添加剤として過酸化水素3重量%、酒石酸5重量%
を加え、アンモニアでpHを8に調整した。
【0050】〔例2〕炭酸セリウムを電気炉を用いて7
00℃で焼成し、湿式媒体撹拌型ミルで重量平均粒子径
を0.25μmまで粉砕し、研磨砥粒を製造した。この
時の平均結晶子径は360Åであった。イオン交換水
に、得られた研磨砥粒を3重量%になるように加え、さ
らに添加剤として過酸化水素3重量%、フタル酸5重量
%を加えアンモニアでpHを8に調整した。
【0051】〔例3〕炭酸セリウムを電気炉を用いて7
00℃で焼成し、湿式媒体撹拌型ミルで重量平均粒子径
を0.25μmまで粉砕し、研磨砥粒を製造した。この
時の平均結晶子径は360Åであった。イオン交換水
に、得られた研磨砥粒を3重量%になるように加え、さ
らに添加剤として過酸化水素3重量%、グリシン5重量
%を加えアンモニアでpHを8に調整した。
【0052】〔例4〕湿式媒体撹拌型ミルでの粉砕時の
研磨砥粒の重量平均粒子径を0.40μmとした以外
は、例1と同様に調整した。この時の平均結晶子径は3
60Åであった。
【0053】〔例5〕湿式媒体撹拌型ミルでの粉砕時の
研磨砥粒の重量平均粒子径を0.05μmとした以外
は、例1と同様に調整した。この時の平均結晶子径は3
60Åであった。
【0054】〔例6〕炭酸セリウムを電気炉を用いて5
00℃で焼成し、湿式媒体撹拌型ミルで重量平均粒子径
を0.25μmまで粉砕し、研磨砥粒を製造した。この
時の平均結晶子径は120Åであった。イオン交換水
に、得られた研磨砥粒を3重量%になるように加え、さ
らに添加剤として過酸化水素3重量%、フタル酸5重量
%を加えアンモニアでpHを8に調整した。
【0055】〔例7〕炭酸セリウムを電気炉を用いて9
00℃で焼成し、湿式媒体撹拌型ミルで重量平均粒子径
を0.25μmまで粉砕し、研磨砥粒を製造した。この
時の平均結晶子径は700Åであった。イオン交換水
に、得られた研磨砥粒を3重量%になるように加え、さ
らに添加剤として過酸化水素3重量%、フタル酸5重量
%を加えアンモニアでpHを8に調整した。
【0056】〔例8〕研磨砥粒としてセリウム酸化物の
かわりに重量平均粒子径を0.25μmに調整したα−
アルミナを使用した以外は、例1と同様に調整した。
【0057】〔例9〕研磨砥粒としてセリウム酸化物の
かわりに重量平均粒子径を0.05μmに調整したコロ
イダルシリカを使用した以外は、例1と同様に調整し
た。
【0058】(2)研磨試験 (1) で合成した例1〜9の研磨剤スラリーについて、
以下の研磨条件でCu板及びTa板の研磨を行い、以下
の方法で「研磨速度の測定」及び「表面状態の確認」を
行なった。なお、例1〜3は実施例、例4〜9は比較例
である。
【0059】(研磨条件) ポリシングマシン:NF−300(ナノファクター社
製) 研磨対象:Cu板(ニラコ社製)、Ta板(ニラコ社
製) 研磨圧力:200g/cm2 研虐パツド:IC−1400(ローデルニッタ社製) 回転数:上盤60rpm、下盤60rpm スラリー供給速度:30ml/min 研磨時間:5分
【0060】(研磨速度の測定) 研磨前後のCu板及びTa板の重量差を測定し、Cu
板、Ta板の面積及びその密度から重量減少分の金属の
厚さに換算し、研磨速度(Å/min)を算出した。
【0061】(表面状態の確認) 研磨後のCu板、Ta板を、金属顕微鏡(オリンパス光
学工業社製)のノマルスキー微分干渉法でスクラッチの
個数を目視で計測した。Cu板における結果を表1に、
Ta板における結果を表2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】表から明らかなごとく、本発明の研磨剤
は、高い研磨速度を有しながら、スクラッチが少ない。
このことから本発明の研磨剤は、半導体デバイス製造工
程における金属層及び/又はバリア層、特にCu、Ta
層等を研磨するCMP研磨剤として有効に利用できるこ
とがわかる。
【0065】このように本発明の研磨剤は、今後の半導
体装置の微小微細化におけるキーテクノロジーであるC
u層の研磨剤として有効に利用できるものであるから、
半導体デバイス製造における意義は極めて大きいと考え
られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体デバイスの製造工程における化学
    的機械研磨用研磨剤であって、重量平均粒子径が0.1
    〜0.3μm、平均結晶子径が150〜600Åである
    セリウム酸化物粒子からなる砥粒が含有され、半導体基
    板上に形成された金属層及び/又はバリア層を研磨する
    ための半導体用研磨剤。
  2. 【請求項2】 金属層がCu又はCu合金からなる請求
    項1に記載の研磨剤。
  3. 【請求項3】 バリア層がTa、Ta合金又はTa化合
    物からなる請求項1又は2に記載の研磨剤。
  4. 【請求項4】 水系媒体に、固形分濃度0.1〜30重
    量%で懸濁させてスラリー状態で用いられる請求項1〜
    3の何れかに記載の研磨剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の研磨剤
    を化学的機械研磨装置の研磨布に担持させて、半導体基
    板上に形成された金属層及び/又はバリア層の少なくと
    も一部を研磨することを特徴とする半導体基板の研磨方
    法。
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