JP2014024960A - 研磨用組成物、酸化物材料の研磨方法及び酸化物材料基板の製造方法 - Google Patents

研磨用組成物、酸化物材料の研磨方法及び酸化物材料基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨速度を高めることの容易な研磨用組成物を提供する。また、その研磨用組成物を用いた酸化物材料の研磨方法及び酸化物基板の製造方法を提供する。
【解決手段】研磨用組成物は、研磨材、金属塩、及び水を含有する。酸化物材料の研磨方法は、研磨材、金属塩、及び水を含有する研磨用組成物を用いて酸化物材料を研磨する。酸化物材料基板の製造方法は、研磨材、金属塩、及び水を含有する研磨用組成物を用いて酸化物材料からなる基板原料を研磨する工程を含む。研磨材は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種である。金属塩は、セリウム含有塩及びジルコニウム含有塩から選ばれる少なくとも一種である。
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物、それを用いた酸化物材料の研磨方法及び酸化物材料基板の製造方法に関する。
従来、研磨用組成物に含有される研磨材としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムが知られている。特許文献1の研磨用組成物は、研磨材として酸化ジルコニウムを含有し、めっきの施されたアルミニウム基板を研磨する用途に用いられる。研磨用組成物を用いて研磨する対象の材料としては、金属材料以外に、例えば、ハードディスク用や液晶ディスプレイパネルのガラス基板、フォトマスク用合成石英基板や液晶ディスプレイ用サファイア基板等の酸化物材料が知られている。
特開平10−121034号公報
本発明は、研磨用組成物において、研磨速度を高めることのできる構成を見出すことでなされたものである。
そこで、本発明の目的は、研磨速度を高めることの容易な研磨用組成物を提供することにある。また、その研磨用組成物を用いた酸化物材料の研磨方法及び酸化物基板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の研磨材と、セリウム含有塩及びジルコニウム含有塩から選ばれる少なくとも一種の金属塩と、水とを含有する研磨用組成物が提供される。
上記研磨用組成物では、前記金属塩の含有量が、10mM以上、250mM以下であることが好ましい。
上記研磨用組成物では、前記研磨材が酸化ジルコニウムを含み、前記酸化ジルコニウムの比表面積が、1.0m/g以上、15.0m/g以下であることが好ましい。
上記研磨用組成物では、前記研磨材が酸化ケイ素を含み、前記酸化ケイ素の平均二次粒子径が0.01〜0.15μmであることが好ましい。
本発明の別の態様では、上記研磨用組成物を用いて研磨用組成物を用いて酸化物材料を研磨する酸化物材料の研磨方法が提供される。
本発明の別の態様では、上記研磨用組成物を用いて酸化物材料からなる基板原料を研磨する工程を含むことを特徴とする酸化物材料基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、研磨速度を高めることの容易な研磨用組成物が提供される。また、その研磨用組成物を用いた酸化物材料の研磨方法及び酸化物材料基板の製造方法が提供される。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、研磨材、金属塩、及び水を含有する。研磨材は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種である。金属塩は、セリウム含有塩及びジルコニウム含有塩から選ばれる少なくとも一種である。研磨用組成物は、酸化物材料を研磨する用途に好適に用いられる。酸化物材料としては、例えば、サファイア、酸化ケイ素、ガラス、及び酸化ガリウムが挙げられる。
研磨用組成物中に含まれる研磨材(砥粒)は、各種結晶状態、各種製法で得られたものを用いることができる。酸化ケイ素としては、例えば、コロイダルシリカ、及びフュームドシリカが挙げられる。酸化アルミニウムとしては、例えば、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ等の各種結晶形態を有するアルミナや、フュームドアルミナ等の製造方法の異なる種類のものが挙げられる。酸化ジルコニウムとしては、例えば、立方晶系、正方晶系、単斜晶系、非晶質等の各種結晶構造を有するものが挙げられる。
研磨材の中でも、より高い研磨速度を必要とする研磨を行う場合は、正方晶系や斜方晶系の結晶構造を有する酸化ジルコニウムやα−アルミナが好ましい。研磨材の中でも、研磨面に対してより高い面精度が要求される研磨(例えば、仕上げ研磨)を行う場合は、酸化ケイ素が好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。
研磨材の純度は高いことが好ましい。酸化ケイ素の場合、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ホウ素等の金属不純物の含有量は、好ましくは1質量ppm以下、より好ましくは0.1質量ppm以下である。また、酸化ケイ素の場合、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、鉛等の金属不純物の含有量は、好ましくは500質量ppb以下、より好ましくは50質量ppb以下である。
酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムの場合、カルシウム、マグネシウム、ハフニウム、イットリウム、ケイ素、アルミニウム、鉄、銅、クロム、チタン等の金属不純物の含有量は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.2%質量以下である。なお、金属不純物の含有量は、ICP発光分光分析装置による測定値より算出される。
酸化ケイ素の比表面積は、300m/g以下であることが好ましく、より好ましくは150m/g以下、更に好ましくは90m/gである。酸化ケイ素の比表面積は、15m/g以上であることが好ましく、より好ましくは30m/g以上、更に好ましくは50m/g以上である。
酸化アルミニウムの比表面積及び酸化ジルコニウムの比表面積は、15.0m/g以下であることが好ましく、より好ましくは13m/g以下、更に好ましくは9.0m/g以下である。酸化アルミニウムの比表面積及び酸化ジルコニウムの比表面積は、1.0m/g以上であることが好ましく、より好ましくは2.0m/g以上である。
研磨材の比表面積を好ましい範囲にすることで、研磨速度を更に向上させることが容易となる。なお、研磨材の比表面積は、例えば島津株式会社製FlowSorbII2300等の窒素吸着法による比表面積測定装置により測定される。
酸化ケイ素の平均二次粒子径は、0.01μm以上で有ることが好ましく、より好ましくは0.02μm以上である。酸化ケイ素の平均二次粒子径は、0.2μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.15μm以下である。
酸化アルミニウムの平均二次粒子径及び酸化ジルコニウムの平均二次粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。酸化アルミニウムの平均二次粒子径及び酸化ジルコニウムの平均二次粒子径、5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1.5μm以下である。
研磨材の平均二次粒子径を好ましい範囲にすることで、研磨速度を更に向上させることが容易となる。また、研磨材の平均二次粒子径を好ましい範囲にすることで、研磨用組成物の分散安定性が得られ易く、その結果、研磨面の欠陥を好適に抑制することが可能となる。
なお、研磨材の平均二次粒子径は、体積基準の積算分率における50%粒子径を示し、例えばレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置によって求められる。例えば、平均二次粒子径が0.2μm以下の研磨材では、動的光散乱法により求めることが好ましい。
研磨用組成物中の研磨材の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。研磨材の含有量の増大によって、研磨用組成物による酸化物材料の研磨速度を向上させることが更に容易となる。従って、研磨材の含有量が好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上の研磨用組成物を用いることで、研磨用組成物による酸化物材料の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
研磨用組成物中の研磨材の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下である。研磨材の含有量の減少によって、高精度の研磨面を得ることが容易となる。
研磨用組成物には、上記以外の研磨材として、例えば、酸化セリウム、酸化チタニウム、及びジルコンを含有させることができる。但し、上記以外の研磨材の含有量は、研磨用組成物中の研磨材全体の質量に対して、20質量%未満が好ましく、より好ましくは10質量%未満である。
金属塩としてのセリウム含有塩及びジルコニウム含有塩は、研磨速度を高める働きを有する。セリウム含有塩としては、例えば、硝酸セリウムアンモニウム、硝酸セリウム、塩化セリウム、及び硫酸セリウムが挙げられる。ジルコニウム含有塩としては、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、及び水酸化ジルコニウムが挙げられる。
研磨用組成物中の金属塩の含有量は、10mM以上であることが好ましく、より好ましくは25mM以上である。金属塩の含有量の増大によって、研磨用組成物による酸化物材料の研磨速度は向上する傾向となる。研磨用組成物中の金属塩の含有量は、250mM以下であることが好ましく、より好ましくは200mM以下である。
研磨用組成物のpHは3以上であることが好ましい。研磨用組成物のpHが3以上であれば、研磨用組成物による酸化物材料の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
また、研磨用組成物のpHは12以下であることが好ましい。研磨用組成物のpHが12以下であれば、研磨用組成物による酸化物材料の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
セリウム含有塩を添加する場合は、アルカリによりpHを高めるとアルカリの種類によってはセリウム含有塩が析出することがあり、添加量に応じた効果が十分に得られないおそれや、析出に伴って研磨用組成物による酸化物材料の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上されないおそれがある。このような観点を鑑みた場合、研磨用組成物のpHは、7以下がより好ましく、更に好ましくは5以下である。
研磨用組成物のpHは、種々の酸、塩基、又はそれらの塩を用いて調整される。具体的には、カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸などの有機酸や、燐酸、亜燐酸、硫酸、硝酸、塩酸、ホウ酸、炭酸などの無機酸、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメタノールアミン、モノエタノールアミンなどの有機塩基、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどの無機塩基、又はそれらの塩が好ましく用いられる。
研磨用組成物には、分散安定性の向上のために分散剤を添加することができる。
分散剤としては、例えば、水溶性高分子、及びポリリン酸塩が挙げられる。水溶性高分子としては、例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸塩、ポリスルホン酸、ポリスルホン酸塩、ポリアミン、ポリアミド、ポリオール、及び多糖類が挙げられる。水溶性高分子は、各種誘導体や共重合体であってもよい。
水溶性高分子としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリイソプレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、イソプレンスルホン酸とアクリル酸の共重合体、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ジアリルアミン塩酸塩二酸化硫黄共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、キトサン、及びキトサン塩類が挙げられる。
ポリリン酸塩としては、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びピロリン酸ナトリウムが挙げられる。
研磨用組成物中の分散剤の含有量は、0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上である。分散剤の含有量が0.001質量%以上の場合、良好な分散安定性を有する研磨用組成物を得ることが容易である。研磨用組成物中の分散剤の含有量は、1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.2質量%以下である。分散剤の含有量が1質量%以下であれば、研磨用組成物中の研磨材の再分散性を低下させることなく、研磨用組成物の保存安定性の向上を図ることができる。
次に、実施形態の研磨用組成物の調製方法について説明する。
研磨用組成物は、研磨材を水に分散させ、金属塩を添加することで調製される。研磨用組成物を調製する際の各成分の混合順序は任意である。例えば、研磨材、水及び金属塩を含有する濃縮組成物を製造し、その濃縮組成物を水希釈することにより研磨用組成物を調製してもよい。また、金属塩を溶解させた水溶液に研磨材を分散させることにより研磨用組成物を調製してもよい。また、粉末状の研磨材に粉末状の金属塩を混合し、その混合物に水を加えることより研磨用組成物を調製してもよい。また、必要に応じて分散剤を研磨用組成物に含有させる場合、研磨材を製造する際に、例えば粉砕や分級を容易にするために分散剤を含有させてもよい。
次に、実施形態の研磨用組成物を用いた酸化物基板の製造方法について説明する。
酸化物材料基板の製造方法は、研磨用組成物を用いて酸化物材料からなる基板原料を研磨する研磨工程を含む。研磨工程は、一般的な基板原料の研磨に用いられる装置及び条件と同様に装置及び条件を選択して行うことができる。研磨装置としては、例えば、片面研磨装置や両面研磨装置を用いることができる。片面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板原料を保持し、研磨パッドを貼付した定盤を基板原料の片面に押しつけた状態で、基板原料に対して研磨用組成物を供給しながら定盤を回転させることにより基板原料の片面を研磨する。両面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板原料を保持し、研磨パッドをそれぞれ貼付した上下の定盤を基板原料の両面に押しつけた状態とする。そして、上方から基板原料に対して研磨用組成物を供給しながら、2つの定盤を互いに反対方向に回転させることにより基板原料の両面を研磨する。研磨工程においては、研磨パッド及び研磨用組成物と基板原料との摩擦による物理的作用、並びに研磨用組成物が基板原料にもたらす化学的作用によって基板原料が研磨される。
研磨工程時の荷重、すなわち研磨荷重を高くするほど、研磨速度が上昇する。研磨用組成物を用いて基板原料を研磨するときの研磨荷重は特に限定されないが、基板表面の面積1cm当たり50g以上1,000g以下であることが好ましく、より好ましくは70g以上800g以下である。研磨荷重が上記範囲内である場合には、実用上、十分な研磨速度が得られるとともに、基板の研磨面に生じるスクラッチ等の表面欠陥が抑制される。
研磨工程時の線速度、すなわち研磨線速度は一般に、研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、基板原料の大きさ、基板原料の数等のパラメータの影響を受ける。線速度が大きくなるほど、基板原料に加わる摩擦力が大きくなるため、基板原料はより強く機械的な研磨作用を受ける。また、摩擦熱が大きくなるために、研磨用組成物による化学的な研磨作用が強まることもある。但し、線速度が大きすぎると、研磨パッドが基板原料に対して十分に摩擦せず、研磨速度の低下をきたすことがある。研磨用組成物を用いて基板原料を研磨するときの線速度は特に限定されないが、10m/分以上150m/分以下であることが好ましく、より好ましくは30m/分以上100m/分以下である。線速度が上記範囲内である場合には、実用上、十分な研磨速度を得ることが容易である。
研磨工程時における研磨装置への研磨用組成物の供給速度は、研磨する基板原料の種類、研磨装置の種類、研磨条件等によって適宜設定される。但し、基板原料及び研磨パッドの全体に対してむら無く研磨用組成物が供給されるのに十分な供給速度であることが好ましい。
研磨用組成物を用いた基板原料の研磨に使用される研磨パッドは、その材質、硬度や厚み等の物性等について特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等のいずれのタイプのものを使用してもよい。また、研磨パッドは、砥粒を含むものであっても、砥粒を含まないものであってもよい。また、研磨パッドの硬度や厚みも特に限定されない。
なお、基板原料が半導体基板、ハードディスク用基板、液晶ディスプレイパネル、フォトマスク用合成石英基板等の特に高い面精度が要求される基板である場合には、研磨工程後に更に精研磨工程を行うことが好ましい。精研磨工程では、上記研磨用組成物を用いてもよいし、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウム以外の研磨材を含有した研磨用組成物を用いてもよい。
精研磨用組成物のpHは、1以上4以下、又は9以上11以下であることが好ましい。精研磨用組成物のpHの調整は、研磨用組成物と同様に、種々の酸、塩基又はそれらの塩を用いて行うことができる。
精研磨用研磨材は、基板表面のうねり、粗さ、欠陥を低減する観点から、平均粒子径が0.15μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.10μm以下であり、更に好ましくは0.07μm以下である。また、研磨速度向上の観点から、精研磨用研磨材の平均粒子径は0.01μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.02μm以上である。精研磨用研磨材の平均粒子径は、例えば動的光散乱法により測定される。
上記研磨工程、及び必要に応じて上記精研磨工程を経ることによって、酸化物材料からなる基板原料は、表面の面精度が高められた酸化物材料基板となる。
次に、研磨用組成物の作用について説明する。
本実施形態の研磨用組成物に含有される金属塩は、酸化物材料を研磨する研磨速度を高める働きを有する。すなわち、セリウム含有塩及びジルコニウム含有塩から選ばれる少なくとも一種は、例えば、研磨材の表面の状態又は研磨対象となる材料の表面の状態を変化させると推測され、その結果、研磨速度が高まると考えられる。また、このように研磨材の研磨材の表面の状態又は研磨対象となる材料の表面の状態を変化させる金属塩は、研磨面の表面粗さを低減させる作用を発揮すると考えられる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の研磨材を含有する研磨用組成物において、セリウム含有塩及びジルコニウム含有塩から選ばれる少なくとも一種の金属塩は、酸化物材料を研磨する研磨速度を高める働きを有する。従って、研磨速度を高めることの容易な研磨用組成物が提供される。
(2)本実施形態の研磨用組成物は、上述した酸化物材料に好適である。ここで、ガラス又は酸化物基板といった酸化物材料を研磨する研磨用組成物は、主に、酸化セリウム系研磨材が含有されている。酸化セリウムは、レアアースに該当し、国際情勢による供給不足や、それに伴う価格上昇等が起こることが懸念される。こうした実情からレアアース以外の材料を用いた研磨用組成物の開発が望まれている。この点、本実施形態の研磨用組成物は、酸化セリウム系研磨材を含有する研磨用組成物が対象としている被研磨物に対して良好な研磨特性を有しているため、従来のセリウム系研磨材を含有する研磨用組成物の代替品として有用である。研磨対象となるガラス又は酸化物基板としては、例えば、石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、及びシリコン酸化膜が挙げられる。
(3)金属塩の含有量が、10mM以上、250mM以下であることで、研磨速度を更に高めることが容易となり、金属塩の析出を抑制することが容易となる。
(4)研磨用組成物に研磨材として酸化ジルコニウムを含有させる場合、酸化ジルコニウムの比表面積が、1.0m/g以上、15.0m/g以下であることで、研磨速度を更に高めることが容易となる。
(5)研磨用組成物に研磨材として酸化ケイ素を含有させる場合、酸化ケイ素の平均二次粒子径が0.01〜0.15μmであることで、研磨速度を更に高めることが容易となる。
(6)酸化物材料の研磨方法では、上記研磨用組成物を用いて酸化物材料を研磨する工程を含むため、研磨速度を高めることが容易となる結果、研磨された酸化物材料を効率よく得ることができる。
(7)酸化物材料基板の製造方法では、上記研磨用組成物を用いて酸化物材料からなる基板原料を研磨する工程を含むため、研磨速度を高めることが容易となる結果、酸化物材料基板を効率よく得ることができる。
前記実施形態は、次のようにして変更されてもよい。
・必要に応じて上記研磨用組成物中に添加剤を添加してもよい。また、必要に応じて上記精研磨用組成物中に添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、キレート剤、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤が挙げられる。
・上記研磨用組成物及び上記精研磨用組成物は、希釈用原液の形態で製造及び販売されるとともに、希釈して使用されるものであってよい。つまり、希釈用原液を水で希釈することにより調製されるものであってもよい。
・上記研磨用組成物及び上記精研磨用組成物は、分散・溶解用粉末の形態で製造及び販売されるとともに、水に分散・溶解させて使用されるものであってよい。つまり、分散・溶解用粉末を水に混合することにより調製されるものであってもよい。
・上記研磨工程の際に、使用された研磨用組成物を回収して再利用(循環使用)してもよい。例えば、研磨装置から排出される使用済みの上記研磨用組成物をタンク内に一旦回収し、タンク内から再び研磨装置へと供給するようにしてもよい。この場合、使用済みの研磨用組成物を廃液として処理する必要が減るため、環境負荷の低減及びコストの低減が可能である。
更に、上記研磨用組成物を循環使用するときには、被研磨物の研磨に使用されることにより消費されたり損失したりした研磨用組成物中の成分の少なくとも一種の成分をその減少分に応じての補充を行うようにしてもよい。補充する成分は個別に使用済みの研磨用組成物に添加してもよいし、二以上の成分を任意の濃度で含んだ混合物の状態で使用済みの研磨用組成物に添加してもよい。
・上記研磨用組成物は、酸化物材料以外の材料の研磨に用いることもできる。
・上記研磨用組成物は、酸化物材料基板以外の酸化物材料として例えば柱状をなす酸化物材料を研磨する用途に用いてもよい。
・酸化ジルコニウムの製造方法は特に限定されるものではない。例えば、湿式法及び乾式法のいずれの方法により製造された酸化ジルコニウム粒子も使用することができる。湿式法では、ジルコンやジルコン砂等のジルコニウム含有鉱石を原料とし、それを溶融、溶解及び精製して得られるジルコニウム化合物を加水分解して水酸化ジルコニウムを得た後、それを焼成及び粉砕して酸化ジルコニウム粒子が得られる。乾式法では、高温処理によりジルコンやジルコン砂等のジルコニウム含有鉱石から酸化ケイ素を取り除くこと、或いはバデライト等の酸化ジルコニウム鉱石を粉砕した後、不純物を除くことにより酸化ジルコニウム粒子が得られる。なお、乾式法における高温処理は、例えば、アーク炉を用いて、通常2000℃以上、好ましくは約2700℃以上にまで原料鉱石を加熱することにより行われる。この高温処理により、酸化ケイ素等の不純物が昇華される。湿式法よりも乾式法のほうが製造コストを抑えることができる。しかし、乾式法よりも湿式法のほうが、純度の高い酸化ジルコニウム粒子を得ることが可能であることに加え、焼成、粉砕、分級等の操作により、得られる酸化ジルコニウム粒子の粒度や比表面積の調整が比較的容易である。そのため、本実施形態で使用される酸化ジルコニウム粒子は湿式法で製造されることが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜実施例9及び比較例1では、研磨材として、単斜晶の結晶構造を有する酸化ジルコニウムを水に混合し、金属塩を添加した後、亜リン酸又は水酸化カリウムによってpHを調整することで、研磨用組成物を調製した。表1に各例の研磨用組成物の詳細を示す。
表1の“研磨材”欄における“種類”欄に記載する記号の詳細を表2に示す。表1の“金属塩”欄における“種類”欄に記載する記号の詳細は以下のとおりである。
金属塩A:硝酸セリウム(IV)アンモニウム
金属塩B:オキシ塩化ジルコニウム(IV)
金属塩C:硝酸ジルコニウム(IV)水和物
表1の“pH”欄には、各研磨用組成物のpHを示す。
表2の“SA”欄には、酸化ジルコニウムの比表面積を測定した結果を示す。比表面積の測定は、窒素吸着法による比表面積測定装置(島津株式会社製、商品名:FlowSorbII 2300)を用いて窒素吸着法により行った。
表2の“純度”欄には、酸化ジルコニウムの純度を測定した結果を示す。純度の測定には、蛍光X線分析装置(株式会社島津製作所製、XRF−1800)を使用した。
表2の“SiO”欄及び“TiO”欄には、SiOの含有量及びTiOの酸化ジルコニウム中における含有量を測定した結果を示す。各含有量は、ICP発光分光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPE−9000)を用いて測定した。
表2の“平均二次粒子径”欄には、体積基準の積算分率における50%粒子径の値を示す。平均二次粒子径は、散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA−950)によって測定した。
表2の“製法”欄には、酸化ジルコニウムの製法を示す。
<研磨試験1>
直径65mm(約2.5インチ)の磁気ディスク用アルミノシリケートガラス基板の表面を、各例の研磨用組成物を用いて表3に示す条件で研磨し、研磨前後の基板の重量の差に基づいて研磨速度を求めた。求められた研磨速度の値が0.6μm/分以上の場合には“5”、0.5μm/分以上0.6μm/分未満の場合には“4”、0.4μm/分以上0.5μm/分未満の場合には“3”、0.3μm/分以上0.4μm/分未満の場合には“2”、0.3μm/分未満の場合には“1”と評価した結果を表1の“研磨試験1”欄に示す。
<研磨試験2>
直径50mm(約2インチ)の液晶ディスプレイガラス用無アルカリガラス基板の表面を、各例の研磨用組成物を用いて表4に示す条件で研磨し、研磨前後の基板の重量の差に基づいて研磨速度を求めた。求められた研磨速度の値が0.6μm/分以上の場合には“5”、0.5μm/分以上0.6μm/分未満の場合には“4”、0.4μm/分以上0.5μm/分未満の場合には“3”、0.3μm/分以上0.4μm/分未満の場合には“2”、0.3μm/分未満の場合には“1”と評価した結果を表1の“研磨試験2”欄に示す。
表1に示すように、研磨試験1及び研磨試験2の評価結果から、各実施例の研磨用組成物が比較例1よりも優れていることが分かる。

Claims (6)

  1. 酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の研磨材と、セリウム含有塩及びジルコニウム含有塩から選ばれる少なくとも一種の金属塩と、水とを含有することを特徴とする研磨用組成物。
  2. 前記金属塩の含有量が、10mM以上、250mM以下である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記研磨材が酸化ジルコニウムを含み、前記酸化ジルコニウムの比表面積が、1.0m/g以上、15.0m/g以下である、請求項1又は請求項2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記研磨材が酸化ケイ素を含み、前記酸化ケイ素の平均二次粒子径が0.01〜0.15μmである、請求項1又は請求項2に記載の研磨用組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて酸化物材料を研磨することを特徴とする酸化物材料の研磨方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて酸化物材料からなる基板原料を研磨する工程を含むことを特徴とする酸化物材料基板の製造方法。
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