JP2009227015A - 産業機械の振動減衰装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動検出器が検出した設定値以上の振動に対してアクチュエータを駆動させて振動を減衰する、アクチュエータの制御手段を備えることで、防振すべき部位内の居住性や安定性を向上させた産業機械の振動減衰装置を提供する。
【解決手段】制御手段は、振動検出器30が検出した設定値a以上の変位をアクチュエータ26の駆動タイミングとするとともに、変位の許容変化幅b内の変位をアクチュエータ26の停止タイミングとする。
【選択図】図9
【解決手段】制御手段は、振動検出器30が検出した設定値a以上の変位をアクチュエータ26の駆動タイミングとするとともに、変位の許容変化幅b内の変位をアクチュエータ26の停止タイミングとする。
【選択図】図9
Description
本発明は、機体を構成する上部体および下部体の間に設けた、弾性体を備えたリンク機構からなる、機体の上下方向に摺動可能とした防振支持部材と、上部体または下部体の振動を検出する手段と、防振支持部材を弾性体とは別個に機体の上下方向に摺動させるアクチュエータと、からなる、上部体または下部体に加わる振動を減少させる産業機械の振動減衰装置に関するものであり、より詳細には、振動減衰装置は、振動を検出する手段が検出した設定値以上の変位に対してアクチュエータを駆動させて振動を減衰する、アクチュエータの制御手段を備えることに関する。
従来の産業機械の車両には、例えば、走行時に路面などの凹凸(路面反力)に起因して車体へ入力される振動から、運転席を防振するアクティブシートとして、運転シートと、床面との間に昇降リンク機構を介在させるとともに、この昇降リンク機構の空間には、エアバネなどの弾性体および電動モータなどのアクチュエータを設置し、振動検出器からの路面反力に応じた、例えば加速度信号に基づいて、コントローラがアクチュエータを介してボールねじなどを駆動させ、路面反力による前記加速度を打ち消すだけの上下逆方向の加速度をこの運転シートに付加して、運転シートが受ける路面反力を低減させるものがある。(例えば特許文献1)
しかし、このような車両のアクティブシートでは、振動検出器により検出された、車両が受ける大小あらゆる振動に対して、昇降リンク機構に備えるコイルバネなどの弾性体の伸縮とともに、アクチュエータを駆動制御してボールねじなどを作動させ、アクティブシートに加わる振動を減衰させるが、振動により上下方向に変位するアクティブシートは、どの大きさの振動においてもこれら弾性体およびボールねじ双方の弾性力が作用するため、このアクティブシートに着座している乗員は、大小あらゆる振動を受けている間の座り心地が硬い感触となり、不快感や疲労感を生じ、居住性が悪いという問題があった。
そこで、この発明の目的は、振動検出器が検出した設定値以上の振動に対してアクチュエータを駆動させて振動を減衰する、アクチュエータの制御手段を備えることで、防振すべき部位内の居住性や安定性を向上させた産業機械の振動減衰装置を提供することにある。
そこで、この発明の目的は、振動検出器が検出した設定値以上の振動に対してアクチュエータを駆動させて振動を減衰する、アクチュエータの制御手段を備えることで、防振すべき部位内の居住性や安定性を向上させた産業機械の振動減衰装置を提供することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、機体を構成する上部体および下部体の間に設けた、弾性体を備えたリンク機構からなる、前記機体の上下方向に摺動可能とした防振支持部材と、前記上部体または前記下部体の振動を検出する手段と、前記防振支持部材を前記弾性体とは別個に前記機体の上下方向に摺動させるアクチュエータと、からなる、前記上部体または前記下部体に加わる振動を減少させる産業機械の振動減衰装置において、前記振動減衰装置は、前記振動を検出する手段が検出した設定値以上の変位に対して前記アクチュエータを駆動させて振動を減衰する、アクチュエータの制御手段を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の振動減衰装置において、前記制御手段は、前記アクチュエータの駆動タイミングを、前記振動を検出する手段が検出した設定値以上の変位とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の振動減衰装置において、前記振動を検出する手段は、設定した前記変位の許容変化幅内に有する変位を検出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1および3に記載の産業機械の振動減衰装置において、前記制御手段は、前記アクチュエータの停止タイミングを、前記変位の許容変化幅内の変位とする。
請求項1に記載の発明によれば、機体を構成する上部体および下部体の間に設けた、弾性体を備えたリンク機構からなる、機体の上下方向に摺動可能とした防振支持部材と、上部体または下部体の振動を検出する手段と、防振支持部材を弾性体とは別個に機体の上下方向に摺動させるアクチュエータと、からなる、上部体または下部体に加わる振動を減少させる産業機械の振動減衰装置において、振動減衰装置は、振動を検出する手段が検出した設定値以上の変位に対してアクチュエータを駆動させて振動を減衰する、アクチュエータの制御手段を備えるので、機体に加振された、振動を検出する手段が検出した設定値以上の振動のみ、弾性体とともに、アクチュエータによる防振支持部材を摺動させた両者の作用で、振動を迅速に減衰することができる。また、この設定値よりも小さな振動に対しては、弾性体の作用のみで減衰させるため、防振すべき部位に柔らかな座り心地などの感触を与えるなど、防振すべき部位の居住性を快適にすることができる。
従って、防振すべき部位内の居住性や安定性を向上させた産業機械の振動減衰装置を提供することができる。
従って、防振すべき部位内の居住性や安定性を向上させた産業機械の振動減衰装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、アクチュエータの駆動タイミングを、振動を検出する手段が検出した設定値以上の変位とするので、機体に加振された、振動を検出する手段の検出による設定値以上の大きな振動にのみ、弾性体の伸縮とともに、アクチュエータによる防振支持部材を摺動させた両者の作用で、振動を迅速に減衰することができる。従って、防振すべき部位内の居住性や安定性を向上させた産業機械の振動減衰装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、振動を検出する手段は、設定した変位の許容変化幅内に有する変位を検出するので、コントローラは、アクチュエータの駆動の停止タイミングを、この変位の許容変化幅内の変位を有する振動時とすることができる。従って、防振すべき部位内の居住性や安定性、燃費を向上させた産業機械の振動減衰装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、制御手段は、アクチュエータの停止タイミングを、変位の許容変化幅内の変位とするので、振動を検出する手段の検出による設定値よりも小さな振動に対しては、弾性体の伸縮のみで減衰させるため、シートに着座する乗員に柔らかな座り心地の感触を与えるなど、防振すべき部位の居住性を快適にすることができる。従って、防振すべき部位内の居住性や安定性を向上させるとともに、迅速に振動を減衰できる産業機械の振動減衰装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1は本発明の上部体および下部体を備える産業機械の一実施例を示す、作業車両としてのホイール式トラクタの左側面図、図2は同トラクタの平面図である。
図1は本発明の上部体および下部体を備える産業機械の一実施例を示す、作業車両としてのホイール式トラクタの左側面図、図2は同トラクタの平面図である。
この産業機械として例示する、作業車両のトラクタ1は、車体フレーム2の前後に、前輪3および後輪4を備え、前輪3の上方にボンネット5を形成するとともに、その内側には原動機部としてのエンジン6およびクラッチハウジング7が配置され、さらにこのクラッチハウジング7の後部にはミッションケース8が配設されており、エンジン6からの動力が前輪3および後輪4に伝達される。このような構成を有する下部体1Bのボンネット5の後部に連続して車体フレーム2上にはキャビン9が設けられる。なお、トラクタ1は、上述したようなキャビン仕様のほか、ロプス仕様であってもよい。
次いで、キャビン9内には、操縦部として、ブレーキペダルやクラッチペダルなどの操作ペダル10、ステアリングハンドル11、後述する上部体1Aとしてのシート12が設けられる。また、シート12の両側方に有する一部不図示の左右フェンダには、例えば、主変速レバー14や副変速レバー、PTO変速レバーなどの各種操作レバーが突設されている。また、キャビン9の外周は、それぞれフロントガラス15、リヤガラス16、ドア17、屋根18などを取付けてもよい。
そして、エンジン6の動力は、ミッションケース8から前後に突出した不図示のPTO軸に伝達され、このPTO軸の駆動により三点リンク式などの作業機装着装置19を介して車両後端に装着された図示しない作業機が駆動される。
次に、本願発明の振動減衰装置について、その具体的構成を説明する。図3は上部体を左側面から見た斜視図、図4は振動減衰装置を下方に備える上部体の左側面模式図、図5は振動減衰装置の左側面模式図、図6は振動減衰装置の背面模式図である。
まず、図3に示すように、シート12などの上部体1A(車体フレーム2上のキャビン9などの操縦部をはじめ、乗員の乗る部位が上部体1Aであるが、本発明では、シート12の振動減衰を説明するため、以後このシート12を上部体1Aとする)は、車体フレーム2などの下部体1B上に、図示しないが通常用いられる弾性材などの防振部材を介して下部体1Bの一部として取付けた、例えば台座21上に設置することができる。そして、この上部体1Aの下方は、その四方にカバー22を覆設してもよい。
上部体1Aの下方には、図4に示すように、上部体1Aと、下部体1Bとの間に、走行時に路面などの凹凸に起因して車両の下部体1Bなどへ入力される振動から、上部体1Aを防振する振動減衰装置23が備えられる。なお、図4では、振動減衰装置23が見えるように、上述したカバー22を取り外したものである。また、図6では、弾性体20の図示を省略する。
振動減衰装置23は、図5〜6に示すように、パンタグラフなどの防振支持部材24,25(リンク機構)や、コイルバネなどの弾性体20、電動モータなどのアクチュエータ26などから構成される。この振動減衰装置23は、例えば、上部体1Aの底部に取り付けられた上部体1Aの一部である上板27と、下部体1B上に取り付けられた下部体1Bの一部である下板28との間であって、これら上板27および下板28の車両左右方向の両側部には、それぞれ2本のアーム24a,24bおよび25a,25bを略X字状に回動支点kで連結し、アームの前部をボルト締結や溶接など適宜方法で上板27および下板28に固定するとともに、アームの後部を車両前後方向に摺動自在としたリンク機構で、上部体1Aを、回動支点kを中心として車両の上下方向に摺動可能とする、防振支持部材24,25が、車両の前後方向に設置される。なお、防振支持部材24,25のパンタグラフ構造は周知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
また、上板27と、下板28との間であって、これら上板27および下板28の前部には、弾性体20が上下方向に伸縮自在に設置される。なお、弾性体20は、コイルバネに限定されず、空気ダンパや油圧ダンパ、アキュムレータなどの付勢手段であってもよい。また、弾性体20は、上板27と、下板28との間であり、かつその反力が機体上下方向に作用すれば、左右方向などその設置向きや設置位置は限定されない。
さらに、上板27と、下板28との間、かつ、防振支持部材24,25の中央近傍であって、防振支持部材24,25の回動支点k近傍であって、例えば、防振支持部材24の内側部に位置するアーム24bには、アクチュエータ26がボルト締結など適宜方法で取付けられる。なお、アーム24bは、アクチュエータ26の駆動軸26aが接触しないように、中央近傍を分断し、この分断した中央近傍を架橋するようにしてアクチュエータ26が取付けられる。なお、アクチュエータ26は、上記とは逆の防振支持部材25に取付けてもよく、さらには防振支持部材24,25の両方に取付けてもよい。
このアクチュエータ26の駆動軸26aを、防振支持部材24におけるアーム24aの回動支点kと一体とすることで、駆動軸26aの回転によりアーム24aが駆動軸26aを中心として時計回りおよび反時計回りに回動するため、アーム24aの後端部が前後方向に摺動する。従って、アクチュエータ26の駆動により、防振支持部材24の上下方向の摺動が上板27を介して防振支持部材25も上下方向に摺動する構成とされる。そして、上部体1Aは、これら弾性体20や、防振支持部材24,25で支持される。なお、アクチュエータ26は、上述した電動モータに限定されず、回転型のアクチュエータであればよい。
また、アクチュエータ26は、後述するコントローラ32を介して、上部体1Aの適宜位置に取付けられた、上部体1Aが受ける振動を検出する手段として、例えば、加速度検出器などの振動検出器30に接続される。
なお、振動検出器30は、加速度検出器に限定されず、変位検出器であってもよく、それらの検出器は、上部体1Aもしくは下部体1Bに設置されることが好ましい。また、振動検出器30は、上述以外にも回転センサや、ジャイロ、傾斜センサなどの回転検出器であってもよく、これら検出器の場合は、防振支持部材24,25に設置されることが好ましい。
このような振動減衰装置23により、上部体1Aが路面の凹凸などに起因する機体上下方向の振動を受けた場合、上部体1Aは、弾性体20の伸縮とともに、アクチュエータ26の駆動による駆動軸26aの回転で、振動方向とは逆方向に与える防振支持部材24,25の上下摺動により、この防振支持部材24,25が上板27に、変位に比例する弾性力や、速度に比例する減衰力、加速度に比例する慣性力などの力を作用させ、弾性体20および防振支持部材24,25の両者の上述したような力により上部体1Aが受ける振動を迅速に減衰することができる。なお、これら防振支持部材やアクチュエータの設置数や設置位置は、上述に限定されない。
次に、図7は、振動検出器により上部体の上下振動を変位として検出した経時変化の一例を概略的に示したグラフである。この図7に示すように、本願発明の振動検出器30は、例えば、上部体1Aに、機体の上下方向に変位する振動が加振されたとき、通常の中程度以下の振動検出以外にも、特に予め設定しておいた、振動の大きさを検出する変位の一例として示す相対速度が、設定値a以上となった大きな振動を最初の衝撃(パンチング)として検出することができる。また、この大きな振動の減衰に伴い、その変位の変化幅が徐々に縮小してゆくが、振動検出器30は、予め設定しておいた変位の許容変化幅b以内に入った変位を、減衰され収束した振動として検出することができる。そして、これら変位の設定値aや許容変化幅bは、適宜設定を変更することができる。この設定値aの変位は、許容変化幅bの変位よりも大きい変位とする。なお、上述したパンチングとは、機体が突起物などを乗り越えた後の最初の大きな落下衝撃を指す。また、設定値aは、上述したパンチングとする他に、パンチングの予兆としてもよい。
ここで、本願発明の特徴である、上部体1Aが大きな振動を受けた場合の振動減衰装置23におけるアクチュエータ26の制御手段を、図8〜9を用いて説明する。なお、図8はアクチュエータの制御手段を示すブロック図、図9はコントローラの処理を説明するフローチャートである。
図8に示すように、振動検出器30は、コントローラ32に接続するとともに、コントローラ32をアクチュエータ26に接続することで、振動検出器30の検出情報によりコントローラ32がアクチュエータ26の駆動を制御する。
以下、アクチュエータ26の制御手段を詳述する。図9に示すように、まずコントローラ32は、ステップs1において、振動検出器30が上部体1Aの振動を検出したとき、ステップs2に進み、その振動の大きさが設定値a以上の変位である大きな振動の場合には、この設定値aをアクチュエータ26の駆動タイミングとして、アクチュエータ26を駆動させる。その結果、上部体1Aは、減衰装置23の弾性体20と、アクチュエータ26における駆動軸26aの回転に伴う防振支持部材24,25の摺動による、両者の前記した力の作用で、振動を迅速に減衰することができる。
次いで、コントローラ32は、ステップs3において、振動検出器30の検出により、振動に伴う上部体1Aの変位が、予め設定したその変位の許容変化幅b以内に入った場合、アクチュエータ26を停止させる。その結果、振動の大きさを示す変位が、許容変化幅b以内に入るまで振動が減衰されたため、この変位が、許容変化幅b以内に入ったところをアクチュエータ26の駆動の停止タイミングとして、アクチュエータ26の駆動を停止させる。
また、このとき、許容変化幅bの設定値にもよるが、変位が許容変化幅b以内で生じる上部体1Aの小さな振動に対しては、アクチュエータ26を停止させているため、この小さな振動を弾性体20の伸縮のみにより吸収でき、振動時に上下変位する上部体1Aの乗員は、弾性体20および防振支持部材24,25の両者の弾性力を受けることによる、座り心地などの硬さに起因した不快さや疲労感を生じることがない。従って、乗員は座り心地の柔らかい快適な上部体1Aに居住することができる。なお、上述のときに、コントローラ32は、アクチュエータ26を、図示しない別のモードで駆動制御させてもよい。これは、変位が許容変化幅b以内になったとき、コントローラ32がアクチュエータ26を、パンチングによる振動を減衰させる作動から、通常走行時における通常のシート特性にするための作動に切換える結果、変位が許容変化幅b以内に入った比較的小さな振動を含む振動収束時において、弾性体20およびアクチュエータ26による防振支持部材24,25両者の前記した力を上板27に作用させて、上部体1Aの座り心地など居住性をやや硬くすることで、上部体1Aの安定性を向上させることができる。
なお、コントローラ32は、ステップs4において、上記した上部体1Aの変位が、その許容変化幅b以内に入っていない場合には、アクチュエータ26のパンチングによる振動を減衰させる作動を継続させ、上部体1Aの変位がその許容変化幅b以内に入るまで、減衰装置23により振動を減衰する。
以上のような構成にすることで、上部体1Aが、振動検出器30による設定値a以上の変位を有する大きな振動を受けた場合には、弾性体20とともに、アクチュエータ26を駆動させて防振支持部材24,25を摺動させるため、これら両者の作用により振動を迅速に減衰することができる。
さらに、上記振動を、振動減衰装置23により、変位の許容変化幅b以内まで減衰させたところで、アクチュエータ26の駆動を停止させるため、無駄なエネルギーの消費を避けることができるとともに、変位が許容変化幅b以内で生じる上部体1Aの比較的小さな振動を弾性体20の伸縮のみにより吸収するので、このような比較的小さな振動が上部体1Aに加わっている場合、上部体1Aの乗員は、弾性体20および防振支持部材24,25の両者の作用により、座り心地などの硬さに起因する不快さや疲労感を生じることがない。従って、乗員は座り心地の柔らかい快適な上部体1Aに居住することができる。
以上詳述したように、この例の産業機械の振動減衰装置23は、機体を構成する上部体1Aおよび下部体1Bの間に設けた、弾性体20を備えたリンク機構からなる、機体の上下方向に摺動可能とした防振支持部材24,25と、上部体1Aまたは下部体1Bの振動を検出する手段(振動検出器30)と、防振支持部材24,25を弾性体20とは別個に機体の上下方向に摺動させるアクチュエータ26と、からなる、上部体1Aまたは下部体1Bに加わる振動を減少させ、振動減衰装置23は、振動検出器30が検出した設定値以上の変位に対してアクチュエータ26を駆動させて振動を減衰する、アクチュエータ26の制御手段を備えるものである。
加えて、制御手段は、振動検出器30が検出した設定値a以上の変位をアクチュエータ26の駆動タイミングとするとともに、変位の許容変化幅b内の変位をアクチュエータ26の停止タイミングとする。
以上は、産業機械の一例として、ホイール式トラクタについて説明してきたが、この発明はこれに限定されるものではなく、クローラ式トラクタやコンバイン、田植機など農作業車両のほか、建設作業車両として、バックホーやブルトーザなど、また除雪車や救急車などの車両のほか、航空機、船舶など防振すべき部位を備えたあらゆる産業機械に適用することができる。
さらに、この振動減衰装置23は、上述してきたような、機体の上部体1Aの防振に限定して適用されるものではなく、例えば、操縦部や客室などを機体の下部体1Bに備える吊り下げ式モノレールなど、防振すべき部位が機体の下部体1Bに有するあらゆる産業機械にも適用することができる。
1A 上部体
12 シート
20 弾性体
23 振動減衰装置
24,25 防振支持部材
26 アクチュエータ
26a 駆動軸
27 上板
30 振動検出器
32 コントローラ
a 設定値
b 変位幅
k 回動支点
s1〜s3 ステップ
12 シート
20 弾性体
23 振動減衰装置
24,25 防振支持部材
26 アクチュエータ
26a 駆動軸
27 上板
30 振動検出器
32 コントローラ
a 設定値
b 変位幅
k 回動支点
s1〜s3 ステップ
Claims (4)
- 機体を構成する上部体および下部体の間に設けた、弾性体を備えたリンク機構からなる、前記機体の上下方向に摺動可能とした防振支持部材と、前記上部体または前記下部体の振動を検出する手段と、前記防振支持部材を前記弾性体とは別個に前記機体の上下方向に摺動させるアクチュエータと、からなる、前記上部体または前記下部体に加わる振動を減少させる産業機械の振動減衰装置において、
前記振動減衰装置は、前記振動を検出する手段が検出した設定値以上の変位に対して前記アクチュエータを駆動させて振動を減衰する、アクチュエータの制御手段を備えることを特徴とする産業機械の振動減衰装置。 - 前記制御手段は、前記アクチュエータの駆動タイミングを、前記振動を検出する手段が検出した設定値以上の変位とする、請求項1に記載の産業機械の振動減衰装置。
- 前記振動を検出する手段は、設定した前記変位の許容変化幅内に有する変位を検出することを特徴とする、請求項1に記載の産業機械の振動減衰装置。
- 前記制御手段は、前記アクチュエータの停止タイミングを、前記変位の許容変化幅内の変位とする、請求項1および3に記載の産業機械の振動減衰装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110607 |