JP2009227008A - タイヤ着脱装置のマウントプレス装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 剛性の高いタイヤであっても、タイヤビードの損傷を防止し、容易かつ迅速にホイールにタイヤを装着する。
【解決手段】 揺動アーム32に第1および第2アーム33,34を設け、第1アーム33には第1押圧具35を第1アーム33に沿って移動可能に設け、第2アーム34には第2押圧具36を第2アームに沿って移動可能に、かつ第2昇降手段37によって昇降可能に設ける。揺動アーム32ならびに第1および第2アーム33,34は、第1昇降手段31の昇降体30にターンテーブル4の回転軸線L1に平行な軸線L10まわりに回転自在に連結する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偏平タイヤなどの剛性の高いタイヤを、ホイールから離脱させ、またはホイールに装着して、タイヤ交換を行うために用いられるタイヤ着脱装置のマウントプレス装置に関する。
従来から、自動車のタイヤを交換するために、タイヤチェンジャまたはタイヤ交換機とも呼ばれるタイヤ着脱装置が用いられており、この先行技術は、たとえば特許文献1に記載されている。この先行技術では、偏平タイヤなどの剛性の高いタイヤは、ホイールからの取外し作業および装着作業を一人の作業者によって容易に行うことができないという問題を解決するために、基台上にホイール載置用のターンテーブルを回転自在に軸支するとともに、ターンテーブル上にホイール持着装置を設け、さらにターンテーブルの周辺部の上方に介入体を設置し、このターンテーブルの側部に立設されるマストに、押圧アームを角変位自在に設けて昇降可能とし、押圧アームには押圧ローラが回転自在なフリー状態および回転不能のロック状態のいずれかに切換えることができるように構成される。
タイヤをホイールリムから取り外す場合には、押圧アームを下降させ、ターンテーブルを回転状態として、ビードプレスローラによってタイヤの上ビードおよびサイドウォールを押し下げ、ターンテーブルを回転させながら、前記上ビードをホイールのセンタードロップへ落とし込む。このとき、前記ビードプレスローラは回転自在なフリー状態であり、タイヤおよびホイールの回転に従動し、タイヤおよびホイールが1回転すると、上ビードが全周にわたってホイールのセンタードロップへ落とし込まれる。
その後、ホイールリムと上ビードとの間にマウンティングヘッドの突起部を挿入する。このとき、突起部の挿入点近傍の上ビードをビードプレスローラによって押し下げておき、前記突起部の挿入を容易化する。またこのマウンティングヘッドの突起部の挿入点に対して、周方向に180度反対側の上ビードおよびサイドウォールを前記ビードプレスローラによって押圧し、マウンティングヘッド近傍のホイールリムと上ビードとの間に、作業者によってタイヤレバーの先端部を挿入して、上ビードがホイールリムよりも上方となるように角変位させた状態で、ターンテーブルを回転させることによって、上ビードがホイールリムから上方へ引き出される。
次に、タイヤの下ビードとホイールリムとの間に押上げ円盤の周縁部を挿入して上昇させながらターンテーブルを回転させることによって、タイヤを上方へ押し上げ、タイヤがホイールから取り外される。
このように、この先行技術では、偏平タイヤなどの剛性の高いタイヤであっても、一人の作業者によってタイヤをホイールから取外すことができるように構成されている。
また、タイヤをホイールに装着する際には、タイヤの下ビードをホイールの上側リムからホイールに嵌め込み、マウンティングヘッドをタイヤの上ビードがホイールの嵌着しやすい位置にセットするとともに、ビードプレスローラをロック状態として、揺動アームの旋回中心がターンテーブルの回転軸線上に配置されるように位置決めした後、前記揺動アームの旋回をロックし、ビードプレスローラを揺動アームとともに降下させて、タイヤのサイドウォール上のマウンティングヘッドのよりも回転方向下流側近傍の位置を押圧して、ビードプレスローラが自転しないようにロック状態とし、この状態でターンテーブルを回転させることによって、前記ビードプレスローラはタイヤのサイドウォールを押圧した状態のままで追従して回転し、タイヤの上ビードがマウンティングヘッドとビードプレスローラとによってホイールの上側リムの内側へ嵌め込まれる。
このように、この先行技術では、タイヤのホイールへの装着時には、ビードプレスローラの回転をロックしてタイヤの回転に追従させて押圧状態を維持し、タイヤの弾性回復力によって上ビードがホイールの上側リムから上方へ戻ってしまうことを防ぎ、偏平タイヤなどの剛性の高いタイヤであっても、一人の作業者によってタイヤをホイールに装着することができるように構成されている。
特開2001−88518号公報
前述の先行技術では、ターンテーブルに保持されたホイールに対してタイヤを装着する際には、ビードプレスローラの回転を阻止した状態でマウンティングヘッドよりも回転方向下流側近傍の位置に配置して、揺動アームを下降させ、タイヤビードをビードプレスローラによって押圧することによって、上側リム上に配置される上ビードを、前記上側リムよりも下側へ押込んだ状態とし、この状態でターンテーブルを回転させることによって、ビードプレスローラがタイヤのサイドウォードを押圧したままで回転し、マウンティングヘッドによって上側リム上の上ビードを前記上側リムの下方へ落し込みながら、タイヤの弾性回復力によって、前記上側リムの下方へ落し込まれたビードが再び上側リム上へ戻ってしまうことを防ぎながら、周方向全周にわたって上ビードを上側リムの内側へ嵌め込むように構成されるが、近年の金属製ワーヤまたはカーボン繊維などによって補強された剛性の高い扁平タイヤである場合には、ビードプレスローラによってタイヤのサイドウォードを1箇所で押圧しただけでは、上ビードの前記マウンティングヘッドによる上ビード嵌め込み位置において、上ビードを充分に弛緩させることができず、マウンティングヘッドによって上側リム上から上側リムの下方へ一旦嵌り込んだ上ビードがその直後に再び上側リム上へ戻ってしまう場合が生じ、確実に上ビードをホイールの上側リムの下方へ嵌め込むことができないという問題がある。
本発明の目的は、剛性の高いタイヤであっても、タイヤビードの損傷を防止し、容易かつ迅速にホイールにタイヤを装着することができるタイヤ着脱装置のマウントプレス装置を提供することである。
本発明は、ホイールが搭載され、このホイールのホイールリムを着脱可能に保持して鉛直な回転軸線まわりに回転駆動するターンテーブルと、
前記ターンテーブルに隣接して設けられ、前記ターンテーブルの回転軸線に平行な移動経路に沿って、昇降移動する昇降体を有する第1昇降手段と、
前記第1昇降手段の昇降体に、前記ターンテーブルの回転軸線に平行な揺動軸線まわりに回転自在に連結される揺動アームと、
前記揺動アームに、前記ターンテーブルの回転軸線に平行な第1軸線まわりに回転自在に連結される第1アームと、
前記揺動アームに、前記第1軸線と共通な一直線上の第2軸線まわりに回転自在に連結される第2アームと、
前記第1アームに、この第1アームに沿って移動可能に設けられる第1押圧具と、
前記第2アームに保持される第2押圧具と、
前記第2アームに、この第2アームに沿って移動可能に設けられ、前記第2押圧具を昇降駆動する第2昇降手段とを含むことを特徴とするタイヤ着脱装置のマウントプレス装置である。
本発明に従えば、ターンテーブルに乗載されたホイールにはタイヤが装着され、ホイールのホイールリムが着脱可能に保持された状態で、ホイールはタイヤとともに鉛直な回転軸線まわりに回転駆動される。
第1昇降手段は、前記ターンテーブルに隣接して設けられ、ターンテーブルの回転軸線に平行な移動経路に沿って昇降移動する昇降体が設けられる。この昇降体には、揺動アームが前記ターンテーブルの回転軸線に平行な揺動軸線まわりに回転自在に連結される。この揺動アームには、第1アームと第2アームとが設けられる。第1アームは、揺動アームに対して、前記ターンテーブルの回転軸線に平行な第1軸線まわりに回転自在に連結され、第2アームは前記揺動アームに前記第1アームよりも上方で第2軸線まわりに回転自在に連結される。第1軸線と第2軸線とは、共通な一直線を成す。第1アームには、第1押圧部が第1アームに沿って移動可能に設けられる。また第2アームには、第2押圧具が保持されるとともに、この第2押圧具を昇降駆動する第2昇降手段が設けられる。この第2押圧具もまた、第2アームに沿って移動可能である。
したがって第1および第2押圧具は、第1および第2アームに沿ってターンテーブル上のホイールに装着されたタイヤを押圧できるように位置決めし、第1昇降手段によって昇降体を下降させると、この昇降体に設けられる揺動アームと第1アームと第2アームとが同時に下降し、第1アームよりも下方に配置されると、第1アームの第1押圧部によってタイヤビードを押圧し、この状態でターンテーブルを徐々に回転させながら第1押圧具による押圧位置が押圧開始位置から回転方向下流側に移動すると、第2昇降手段によって第2押圧具を下降させて、タイヤビードを押圧する。こうしてタイヤは第1および第2押圧具によって周方向に位置を違えて複数箇所で押圧され、タイヤビードの第1および第2押圧具によって押圧された領域をホイールリムのセンタードロップに臨んだ位置まで押し下げることができる。これによって前記従来技術のマウンティングヘッドなどによる上ビードの上側リムへの嵌め込み位置において、上ビードを弛緩させることができ、これによって剛性の高いタイヤであっても、上ビードをホイールの上リムに嵌め込むことができ、タイヤ装着作用の容易化および迅速化を図ることができる。
また本発明は、前記第1および第2押圧具の少なくともいずれか一方は、前記ターンテーブルの回転軸線を含む仮想一平面上で前記回転軸線に交差する軸線まわりに回転自在なローラであることを特徴とする。
本発明に従えば、第1および第2押圧具の少なくとも一方をローラによって実現し、このローラをターンテーブルの回転軸線を含む仮想一平面上で、前記回転軸線に交差する軸線周りに回転自在であるので、このローラをタイヤビードを押圧した状態でこのローラが設けられる第1および第2アームの少なくともいずれか一方を、タイヤの回転に追従して回転させても、タイヤの回転方向に沿って、前記ローラも回転し、したがってこのローラの回転方向とタイヤビードの移動方向とをほぼ一致させることができ、これによってローラによるタイヤビードの損傷を防止し、ホイール装着時における機密性の低下を防止することができる。
さらに本発明は、前記第1および第2押圧具の少なくともいずれか一方は、前記ターンテーブルの回転軸線に垂直な仮想一平面に沿ってほぼ平坦なタイヤ押圧面を有する板状の押圧部材であることを特徴とする。
本発明に従えば、第1および第2押圧具の少なくともいずれか一方が板状の押圧部材から成り、この押圧部材はターンテールの回転軸線に垂直な仮想一平面に沿って、ほぼ平坦なタイヤ押圧面を有するので、タイヤビードに対して広い領域で、第1および第2押圧具の少なくともいずれか一方によって押圧することができ、したがって押圧具によるタイヤへの面圧を少なくして、タイヤビードに作用する力を低減し、タイヤビードの損傷を防止することができる。
本発明によれば、前記従来技術のマウンティングヘッドなどによる上ビードの上側リムへの嵌め込み位置において、上ビードを弛緩させることができ、これによって剛性の高いタイヤであっても、上ビードをホイールの上リムに嵌め込むことができ、タイヤ装着作用の容易化および迅速化を図ることができる。
また本発明によれば、ローラの回転方向とタイヤビードの移動方向とをほぼ一致させることができ、これによってローラによるタイヤビードの損傷を防止し、ホイール装着時における気密性の低下を防止することができる。
さらに本発明によれば、タイヤビードに対して広い領域で、第1および第2押圧具の少なくともいずれか一方によって押圧することができ、したがって押圧具によるタイヤへの面圧を少なくして、タイヤビードに作用する力を低減し、タイヤビードの損傷を防止することができる。
図1は本発明の実施の一形態のタイヤ着脱装置1を示す平面図であり、図2は図1の右方から見たタイヤ着脱装置1の右側面図であり、図3は図1の左方から見たタイヤ着脱装置1の左側面図であり、図4は図1の下方から見たタイヤ着脱装置1の背面図である。本実施の形態のタイヤ着脱装置1は、タイヤビード案内装置Aと、ビードプレス装置Bと、マウントプレス装置Cとを含む。
まず、タイヤビード案内装置Aの構成について説明する。タイヤビード案内装置Aは、ホイール2が搭載され、このホイール2のホイールリム3を着脱可能に保持して鉛直な回転軸線L1まわりに矢符D方向に回転駆動するターンテーブル4と、ターンテーブル4上で、ターンテーブル4から離反する上昇方向およびターンテーブル4に近接する下降方向に変位可能に設けられるとともに、ターンテーブル4の回転軸線L1に直交する水平軸線に沿って、前記回転軸線L1に近接する前進方向および前記回転軸線L1から離反する後退方向に変位可能に設けられる伸縮アーム5と、伸縮アーム5の前記回転軸線L1寄りに配置される長手方向一端部に、この伸縮アーム5の軸線を含む仮想一平面に垂直な角変位軸線L2まわりに角変位自在に設けられる挿入具本体6を有し、この挿入具本体6の前記角変位軸線L2に関してターンテーブル4側に配置される一端部に、ホイールリム3とタイヤビード26との間に挿入される挿入部7が設けられる挿入具8とを含む。
前記ターンテーブル4は、回転軸線L1と同軸に載置されたホイール2を着脱自在に保持するチャック手段50を備える。このチャック手段50は、回転軸線L1に関して軸対称に4つの係合爪51を有し、各係合爪51は図示しない複動空気圧シリンダによって相互に近接および離反する方向に変位駆動される。これらの係合爪51は、載置されたホイール2の下側リムを半径方向外方から挟着し、ホイール2を回転軸線L1と同一軸線上に保持することができる。また、各係合爪51を相互に離反する方向に変位させると、ホイール2の挟着状態が解除され、ホイール2をターンテーブル4上から取り外すことができる。
図5はタイヤビード案内装置Aの側面図であり、図6はタイヤビード案内装置Aの平面図であり、図7は図5の左側から見たタイヤビード案内装置Aの正面図である。前記タイヤビード案内装置Aはさらに、伸縮アーム5の長手方向一端部に設けられ、前記挿入具本体6の角変位軸線L2に関して前記一端部とは反対側の他端部を、前記回転軸線L1に関して半径方向外方側から支持するプランジャ9aを有する挿入具駆動手段9と、前記ターンテーブル4の回転軸線L1に対して、挿入具本体6の一端部が近接しかつ挿入具本体6の他端部が離反する方向に、前記挿入具8をばね付勢するばね付勢手段12と、伸縮アーム5を前進方向および後退方向に変位駆動する前後方向駆動手段10と、伸縮アーム5を上昇方向および下降方向に変位駆動する上下方向駆動手段11と、伸縮アーム5の前進方向および後退方向の変位を阻止する前後変位阻止手段13(図示せず)とを含む。前記前後変位阻止手段は、たとえば前後方向駆動手段10のピストンの両側の各圧力室に等圧力のエアを供給した状態を維持することによって実現されてもよい。
前記挿入具本体6は、鋼鉄またはステンレス鋼から成り、前記プランジャ9aによって押圧される押圧部8aと、押圧部8aに屈曲して連なり、角変位軸線L2に関して反対側へ延び、前記挿入部7が複数のボルト14によって着脱交換可能に取付けられる取付部8bと、取付部8bから前記プランジャ9aによる押圧方向(図5の左方)とは反対側へ突出するばね受け部8cとを有する。
前記ばね付勢手段12は、圧縮コイルばねによって実現され、前記ばね受け部8cと伸縮アーム5との間に介在され、挿入具本体6を、前述したように一端部が回転軸線L1に近接し、かつ他端部が回転軸線L1から離反する方向にばね付勢する。
図8は挿入具駆動手段9による挿入具8の動作を示す側面図であり、図8(1)はプランジャ9aを伸長させて挿入部7を回転軸線L1から離反する方向に後退させた状態を示し、図8(2)はプランジャ9aを縮退させて挿入部7を回転軸線L1に近接する方向に前進させた状態を示す。前記挿入具駆動手段9は、複動空気圧シリンダによって実現され、前記プランジャ9aを伸長/縮退させ、前記挿入具8を角変位軸線L2まわりに前記回転軸線L1に対して一端部が離反し、かつ他端部が近接する方向に角変位させることができる。
前記挿入部7は、挿入具本体6から離反するにつれて先細状に形成される基部16と、基部16に連なり、前記回転軸線L1から離反する方向に延びる第1部分17と、第1部分17に連なり、前記角変位軸線L2から離反する方向に延びる第2部分18とを有し、合成樹脂から成る。
次に、ビードプレス装置Bの構成について説明する。再び図1〜図3を参照して、ビードプレス装置Bは、ターンテーブル4上で、ターンテーブル4から離反する上昇方向およびターンテーブル4に近接する下降方向に変位可能に設けられるとともに、ターンテーブル4の回転軸線L1に直交する水平軸線に沿って、前記回転軸線L1に近接する前進方向E1および前記回転軸線L1から離反する後退方向E2に変位可能に設けられるビードプレスアーム20と、ビードプレスアーム20の前記回転軸線L1寄りに配置される長手方向一端部に保持され、前記ターンテーブル4に搭載されたタイヤTのタイヤビード26を押下した状態で回転自在に設けられるビードローラ21と、ビードプレスアーム20の長手方向一端部に設けられ、前記ビードローラ21を前記回転軸線L1に近接/離反する方向E1,E2に移動させるローラ移動手段22とを含む。
前記ビードローラ21は、円錐台状の外周面21aを有し、ビードプレスアーム20の軸線L4および前記ターンテーブル4の回転軸線L1を含む鉛直な仮想一平面上で、底面を前記回転軸線に臨ませて、下方になるにつれて前記回転軸線L1から離反する方向に傾斜したローラ軸線L3まわりに回転自在に設けられる。
次に、マウントプレス装置Cの構成について説明する。マウントプレス装置Cは、前記ターンテーブル4に隣接して設けられ、ターンテーブル4の回転軸線L1に平行な移動経路に沿って昇降移動する昇降体30を有する第1昇降手段31と、第1昇降手段31の昇降体30に、ターンテーブル4の回転軸線L1に平行な揺動軸線L10まわりに回転自在に連結される揺動アーム32と、揺動アーム32に、ターンテーブル4の回転軸線L1に平行な第1軸線L11まわりに回転自在に連結される第1アーム33と、揺動アーム32に前記第1アーム33よりも上方で第1軸線L11まわりに回転自在に連結される第2アーム34と、第1アーム33に、この第1アーム33に沿って移動可能に設けられる第1押圧具35と、第2アーム34に保持される第2押圧具36と、第2アーム34に、この第2アーム34に沿って移動可能に設けられ、第2押圧具36を昇降駆動する第2昇降手段37とを含む。
前記第1および第2押圧具35,36は、ターンテーブル4の回転軸線L1を含む仮想一平面上で前記回転軸線L1に交差する軸線まわりに回転自在に設けられる直円柱状のローラによって実現される。また、第1および第2昇降手段31,37は、複動空気圧シリンダによって実現される。本発明の実施の他の形態では、第1および第2押圧具35,36の少なくともいずれか一方は、ターンテーブル4の回転軸線L1に垂直な仮想一平面に沿ってほぼ平坦なタイヤ押圧面を有する板状の押圧部材から成ってもよい。
本実施の形態によれば、ターンテーブル4にはホイール2が搭載され、このホイール2のホイールリム3が着脱可能な状態で保持され、略鉛直な回転軸線L1まわりに回転駆動される。また、伸縮アーム5は、前記ターンテーブル4上で、このターンテーブル4から離反する上昇方向およびターンテーブル4に近接する下降方向に変位可能であるとともに、ターンテーブル4の回転軸線L1に直交する水平軸線に沿って、前記回転軸線L1に近接する前進方向および前記回転軸線L1から離反する後退方向に変位可能である。
図9はタイヤビード26を挿入部7によってホイールリム3から離脱する手順を説明するための断面図であり、図9(1)はタイヤビード26を挿入部7によって押下した状態を示し、図9(2)はタイヤビード26が挿入部7に係合した状態を示し、図9(3)はタイヤビード26をホイールリム3上へ離脱させた状態を示す。挿入具本体6に挿入部7が取付けられた状態において、ホイール2からタイヤを取り外す場合には、図9(1)に示すように、前記挿入部7がターンテーブル4上に搭載されたタイヤのタイヤビード26のホイールリム3近傍に到達するように、前記伸縮アーム5を前進方向および後退方向に調整しながら下降させて位置決めし、挿入部7がタイヤビード26に接触した状態から伸縮アーム5をさらに下降させると、タイヤビード26は挿入部7によって押圧されて押し下げられ、ホイールリム3から離反する。
この状態で、プランジャ9aを縮退させることによって、図9(2)に示すように、挿入具本体6がばね付勢手段12のばね力によって、他端部が前記回転軸線L1から離反し、かつ一端部が近接する方向に角変位して、挿入部7はホイールリム3に近接する方向に変位し、さらに伸縮アーム5を徐々に下降させるにつれて、ホイールリム3のセンタードロップ部に近接した位置で挿入部7にタイヤビード26を係合する。これによって、タイヤTが偏平タイヤでかつ金属製ワイヤによって補強された剛性の高いタイヤであっても、挿入部7をホイールリム3に充分に近接させた状態でタイヤビード26とホイールリム3との間に挿入することができ、したがってタイヤビード26を挿入部7によって大きな押圧力で押圧することなしに円滑に挿入することができ、タイヤビード26を挿入部7の挿入時に損傷することが防がれる。
このようにして挿入部7をできるだけホイールリム3の外周面に近づけた位置でタイヤビード26との間に挿入することができるので、タイヤビード26がむやみに大きな力で押圧されず、挿入部7との接触による擦過傷または擦過痕などが生じず、タイヤの損傷を従来に比べて格段に少なくすることができる。
また、タイヤビード26をホイールリム3から離脱させるに際して、タイヤビード26に挿入具8から大きな力が作用しないので、タイヤビード26とホイールリム3との間への挿入部7の挿入を円滑に行うことができ、これによってタイヤ交換作業の容易化および迅速化を図ることができる。
さらに、挿入部7は、図9(3)に示すように、基部16と第1部分17と第2部分18と有する。前記基部16は、挿入具本体6から離反するにつれて先細状に形成されるので、挿入部7がタイヤビード26とホイールリム3との間に挿入される際、周囲の部材との干渉を少なくし、挿入部7位を作業者が外部から容易に視認することができる。このような基部16には、第1部分17が連なり、この第1部分17には第2部分18が連なって形成される。第1部分17は、ターンテーブル4の回転軸線L1から離反する方向に延び、第2部分18は挿入具本体6の角変位軸線L2から離反する方向に延びる。したがって、挿入部7の先端部は、前記角変位軸線L2に垂直な断面が大略的にS字状に形成される。
このような挿入具8には挿入部7が設けられるので、挿入部7をタイヤビード26とホイールリム3との間に挿入するに際して、まず第2部分18をタイヤビード26とホイールリム3との間の挿入し、第1部分17がホイールリム3の近傍まで下降させ、この状態で基部16がホイールリム3に近接するように伸縮アーム5を前進方向および後退方向に変位させて調整した後、挿入具駆動手段9のプランジャ9aを退避させて、第2部分18をタイヤビード26に臨むように傾斜させ、伸縮アーム5を下降させると、タイヤビード26が第2部分18を越えて、第1部分17と基部16とによって形成される略L字状の段差部分に嵌合し、この状態で伸縮アーム5を上昇させることによって、剛性の高いタイヤであっても、前記従来の技術のようにタイヤレバーを用いずに、1人の作業者によって短時間でタイヤビード26をホイールリム3上へ引き上げて、タイヤをホイール2から離脱させることができる。
さらに、前記伸縮アーム5は前後方向駆動手段10によって前進方向および後退方向に変位駆動され、上下方向駆動手段11によって上昇方向および下降方向に変位駆動され、前後方向駆動手段10によって前進方向および後退方向の変位が阻止される。
前後方向駆動手段10によって伸縮アーム5が前後方向および上下方向に変位駆動されるので、挿入具8の挿入部7がターンテーブル4上のホイールリム3とタイヤビード26との間の直上付近に配置されるように、前記伸縮アーム5を前進方向および後退方向に変位させて、挿入部7を位置決めすることができる。
また、上下方向駆動手段11によって伸縮アーム5が上昇方向および下降方向に変位駆動されるので、挿入部7がターンテーブル4上のタイヤおよびホイール2よりも上方の上昇位置と、ホイールリム3とタイヤビード26との間に挿入された下降位置とにわたって配置されるように、前記伸縮アーム5を昇降変位させることができる。
このように前後方向駆動手段10および上下方向駆動手段11によって伸縮アーム5の前進方向および後退方向ならびに上昇方向および下降方向に変位させることができるので、作業者が直接手作業で伸縮アーム5に設けられる挿入具8を移動させる必要がなく、挿入具8をホイールリム3およびタイヤビード26間の挿入位置から任意の位置へ移動させ、あるいは任意の位置から前記挿入位置へ移動させて、作業者のタイヤ着脱作業に伴う作業負担を低減し、タイヤ着脱作業に要する作業時間を短縮することができる。
また、前後変位阻止手段13が設けられることによって、伸縮アーム5を前後方向駆動手段10によって、前進方向および後退方向の任意の位置へ配置して、その変位を阻止することができる。したがって、挿入部7を、ホイールリム3とタイヤビード26との間に挿入した状態で、伸縮アーム5の前進方向および後退方向の変位を阻止し、挿入具駆動手段9のプランジャ9aを伸長させても、伸縮アーム5がタイヤビード26から挿入具8が受けた反力によって後退方向へ変位することが阻止され、剛性の高いタイヤであっても、タイヤビード26をホイールリム3から確実に離脱させることができる。
さらに、ばね付勢手段12によって挿入具8がばね付勢されるので、タイヤビード26とホイールリム3との間の挿入部7を挿入した後、伸縮アーム5を上昇させてタイヤビード26をホイールリム3上へ離脱させる際に、挿入部7をホイールリム3に接触させた状態で伸縮アーム5を上昇させても、挿入具本体6の一端部がターンテーブル4の回転軸線L1から離反し、かつ他端部がターンテーブル4の回転軸線L1に近接する方向に、前記ばね付勢手段12のばね力に抗して角変位することができ、挿入部7がホイールリム3に大きな力で接触して、ホイールリム3を損傷してしまうことが防がれる。
さらに、挿入具8がばね付勢手段12によってばね付勢されるので、伸縮アーム5を前記挿入部7がホイールリム3に常に接触する位置で伸長させた状態で伸縮アーム5を下降させ、または上昇させても、前述のように、挿入部7はホイールリム3に沿ってターンテーブル4の回転軸線L1に近接または離反することができ、挿入部7の上昇および下降を高速化することができる。
図10はビードプレス装置Bの動作を説明するための簡素化した断面図であり、図10(1)はタイヤビード26の直上にビードローラ21が配置された状態を示し、図10(2)はビードローラ21によってタイヤビード26が押し下げられた状態を示す。前記ビードローラ21は、図10(1)に示すように、ターンテーブル4にホイール2とともに搭載されたタイヤTのタイヤビード26の直上にホイールリム3に近接して配置され、この押圧位置でタイヤビード26を押下した状態でローラ軸線L3まわりに回転自在であるため、ターンテーブル4上でホイール2に装着されたタイヤTが回転軸線L1まわりに回転駆動されると、タイヤTの回転に追従してビードローラ21もローラ軸線L3まわりに回転する。この状態で、ビードプレスアーム20を図10(2)に示すように下降させると、タイヤビード26はビードローラ21によって押し下げられながら周方向へ回転し、剛性の高いタイヤTであっても、タイヤビード26を大きな力で押圧して、タイヤビード26をホイールリム3からインナードロップ6bまで押し込んで確実に分離することができる。
また、ビードプレスアーム20は、ターンテーブル4の回転軸線L1に近接する方向E1および離反する方向E2に変位することができるため、タイヤビード26の前記ビードローラ21によって押圧されるべき位置、たとえばタイヤビード26のホイールリム3近傍の位置の直上にビードローラ21が配置されるように、前記ビードプレスアーム20をターンテーブル4の回転軸線L1に近接または離反する方向E1,E2に移動させて、前記ビードローラ21を正確に押圧位置に位置決めすることができる。
さらに、前記ビードプレスアーム20の長手方向一端部に設けられるローラ移動手段22は、前記ビードローラ21を前記回転軸線L1に近接する方向E1および離反する方向E2に移動させることができる。したがって、ビードプレスアーム20によってビードローラ21をタイヤビード26の前記押圧位置の直上に配置した状態で、ビードプレスアーム20を下降させると、ビードローラ21は図10(1)のようにタイヤビード26に達し、タイヤビード26を押し下げ始める。このとき、前記ローラ移動手段22によってビードローラ21を前記回転軸線L1に近接する方向E1に移動させると、ビードローラ21の最も前記回転軸線L1寄りに配置された部分21aは、さらにホイールリム3に近接した位置へ配置され、これによって押圧位置でタイヤビード26を深く押し下げることができ、この押し下げ位置よりも回転方向D上流側でホイールリム3に密着しているタイヤビード26を確実に分離することができる。
さらに、前記ビードローラ21はその外周面が底面をターンテーブル4の回転軸線L1に臨ませた円錐台状に形成される。またこのビードローラ21は、その軸線L3が、ビードプレスアーム20の軸線L4およびターンテーブル4の回転軸線L1を含む仮想一平面上で、下方になるにつれて前記回転軸線L1から離反する方向に傾斜し、このローラ軸線L4まわりに回転自在に設けられる。
このように円錐台状のビードローラ21が傾斜して設けられるので、ビードローラ21の外周面をタイヤビード26に対して大きな面積で接触させることができるとともに、タイヤビード26のビードローラ21による押圧位置において、ビードローラ21からタイヤビード26に対して接線方向とは異なる方向に大きな摺動摩擦力が作用しない。これによって、タイヤビード26をビードローラ21によって大きな力で押圧しても、タイヤビード26にビードローラ21から局部的に大きな力が作用せず、また接線方向からずれた方向にビードローラ21がタイヤビード26を摺接する摺動摩擦力が小さく、タイヤビード26がビードローラ21によって損傷することが防がれる。
さらにまた、ビードローラ6の外周面が円錐台状であるので、ローラ移動手段22によってビードローラ21をホイールリム3に近接した位置でターンテーブル4の回転軸線L1に近接する方向E1に移動させても、ビードローラ21がホイールリム3に干渉することが防がれ、タイヤビード26をホイールドロップ付近まで押し下げて、より確実にタイヤビード26をホイールリム3から分離することができる。
図11は図10の右側から見たマウントプレス装置Cの側面図であり、図12はマウントプレス装置Cの平面図であり、図13は第2昇降手段37による第2押圧具36の昇降動作を示す図であり、図13(1)は第2押圧具36が上昇位置に配置された状態を示し、図13(2)は第2押圧具36が下降位置に配置された状態を示す。前述したように、マウントプレス装置Cは、第1および第2押圧具35,36を有し、各押圧具35,36の少なくともいずれか一方である第2押圧具36は第2昇降手段37によって、図13(1)に示すように、ターンテーブル4に上載されたタイヤTよおびホイール2よりも上方の上昇位置と、図13(2)に示すように、ターンテーブル4に上載されたタイヤビード26を押し下げた下降位置とにわたって昇降変位する。
タイヤTの上ビード6をホイールリム3に装着する場合には、タイヤビード案内装置Aの伸縮アーム5の軸線を0°としたとき、ターンテーブル4の回転方向Dの下流側に90°の位置で、第2押圧具36を図13(1)の上昇位置から図13(2)の下降位置へ下降させて、タイヤビード26をホイールドロップまで押え込む。
次に、第2アーム34が前記タイヤビード案内装置Aの伸縮アーム5よりも回転方向D下流側へ180°の位置に来るまでターンテーブル4を回転させると、伸縮アーム5から回転方向Dに90°下流の位置近くでは、タイヤビード26がホイールドロップまで押し下がらず、ホイールリム3の表面部まで浮き上がってくるので、さらに第2押圧具36を用いてタイヤ回転方向90°下流付近のタイヤビード26を押さえ、そのままターンテーブル4を間欠的に回転させることによって、剛性の高いタイヤTであっても、上ビードをホイールリム3に容易に嵌め込むことができる。
本発明の実施の一形態のタイヤ着脱装置1を示す平面図である。 図1の右方から見たタイヤ着脱装置1の右側面図である。 図1の左方から見たタイヤ着脱装置1の左側面図である。 図1の下方から見たタイヤ着脱装置1の背面図である。 タイヤビード案内装置Aの側面図である。 タイヤビード案内装置Aの平面図である。 図5の左側から見たタイヤビード案内装置Aの正面図である。 挿入具駆動手段9による挿入具8の動作を示す側面図である。 タイヤビード26を挿入部7によってホイールリム3から離脱する手順を説明するための断面図である。 ビードプレス装置Bの動作を説明するための簡素化した断面図であり、図10(1)はタイヤビード26の直上にビードローラ21が配置された状態を示し、図10(2)はビードローラ21によってタイヤビード26が押し下げられた状態を示す。 図10の右側から見たマウントプレス装置Cの側面図である。 マウントプレス装置Cの平面図である。 第2昇降手段37による第2押圧具36の昇降動作を示す図であり、図13(1)は第2押圧具36が上昇位置に配置された状態を示し、図13(2)は第2押圧具36が下降位置に配置された状態を示す。
符号の説明
1 タイヤ着脱装置
2 ホイール
3 ホイールリム
4 ターンテーブル
5 伸縮アーム
6 挿入具本体
6b インナードロップ
7 挿入部
8 挿入具
8a 押圧部
8b 取付部
8c 部
9 挿入具駆動手段
9a プランジャ
10 前後方向駆動手段
11 上下方向駆動手段
12 ばね付勢手段
13 前後変位阻止手段
14 ボルト
16 基部
17 第1部分
18 第2部分
20 ビードプレスアーム
21 ビードローラ
21a 外周面
21a 部分
22 ローラ移動手段
26 タイヤビード
30 昇降体
31 第2昇降手段
31 第1昇降手段
32 揺動アーム
33 第1アーム
34 第2アーム
35 第1押圧具
36 第2押圧具
37 第2昇降手段
50 チャック手段
51 係合爪
A タイヤビード案内装置
B ビードプレス装置
C マウントプレス装置
D 回転方向
E1 前進方向
E2 後退方向
L1 回転軸線
L2 角変位軸線
L3,L4 ローラ軸線
L10 揺動軸線
L11 第1軸線
T タイヤ

Claims (3)

  1. ホイールが搭載され、このホイールのホイールリムを着脱可能に保持して鉛直な回転軸線まわりに回転駆動するターンテーブルと、
    前記ターンテーブルに隣接して設けられ、前記ターンテーブルの回転軸線に平行な移動経路に沿って、昇降移動する昇降体を有する第1昇降手段と、
    前記第1昇降手段の昇降体に、前記ターンテーブルの回転軸線に平行な揺動軸線まわりに回転自在に連結される揺動アームと、
    前記揺動アームに、前記ターンテーブルの回転軸線に平行な第1軸線まわりに回転自在に連結される第1アームと、
    前記揺動アームに、前記第1軸線と共通な一直線上の第2軸線まわりに回転自在に連結される第2アームと、
    前記第1アームに、この第1アームに沿って移動可能に設けられる第1押圧具と、
    前記第2アームに保持される第2押圧具と、
    前記第2アームに、この第2アームに沿って移動可能に設けられ、前記第2押圧具を昇降駆動する第2昇降手段とを含むことを特徴とするタイヤ着脱装置のマウントプレス装置。
  2. 前記第1および第2押圧具の少なくともいずれか一方は、前記ターンテーブルの回転軸線を含む仮想一平面上で前記回転軸線に交差する軸線まわりに回転自在なローラであることを特徴とする請求項1記載のタイヤ着脱装置のマウントプレス装置。
  3. 前記第1および第2押圧具の少なくともいずれか一方は、前記ターンテーブルの回転軸線に垂直な仮想一平面に沿ってほぼ平坦なタイヤ押圧面を有する板状の押圧部材であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ着脱装置のマウントプレス装置。
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