JP2009224317A - セラミックヒータ及びグロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた速熱性を持ち、消費電力を低減することができると共に耐久性にも優れるセラミックヒータ及びグロープラグを提供すること。
【解決手段】発熱部33が条件(1)〜(3)を満たす中間部40を有し、基体60が条件(9)を満たす基体先端部80を有するセラミックヒータ1並びにこのセラミックヒータ1を備えて成るグロープラグ。(1)軸線に直交する平面で切断してなる断面部を形成する輪郭線に接すると共に前記断面部を内部に包含する仮想外接円の直径が発熱部33の先端に向かって減少すること(2)一対の断面部の合計断面積が前記発熱部33の先端に向かって減少すること(3)輪郭線それぞれに接すると共に前記一対の断面部に挟まれる仮想内接円の直径が、発熱部の先端に向かって、一定であること、又は、減少すること(9)基体断面部を内部に包含する仮想外接円の直径が基体の先端に向かって減少すること
【選択図】図1

Description

この発明は、セラミックヒータ及びグロープラグに関し、さらに詳しくは、優れた速熱性を持ち、消費電力を低減することができると共に耐久性にも優れるセラミックヒータ、並びに、速熱性、低消費電力及び耐久性のいずれをも高い水準で達成することのできるグロープラグに関する。
ディーゼルエンジン、及び各種センサー等には、その始動を補助し、又は、早期に活性化させるために、グロープラグ、センサー用加熱ヒータ、及びファンヒータ用加熱ヒータ等が用いられる。例えば、ディーゼルエンジンは、シリンダ内に吸入した空気を圧縮し、断熱圧縮により高温になった空気に燃料を噴霧することで自己着火して燃焼するが、ディーゼルエンジンを冬季に始動させる場合、寒冷地で始動させる場合等には、外気及びエンジン本体等の温度が低いので圧縮だけで燃焼室内の空気を自己着火に必要な温度まで到達させることは容易ではない。そこで、ディーゼルエンジンには燃料の着火源としてグロープラグが使用されている。
このようなグロープラグ用ヒータ、センサー用加熱ヒータ、及びファンヒータ用加熱ヒータ等として、例えば、絶縁性のセラミック基体内に、例えば導電性セラミック等で形成された抵抗発熱体を埋設した構造を有するものが知られている。具体的には、特許文献1には、「抵抗体を絶縁性セラミック材中に埋設することにより形成される棒状セラミックヒータを備えているセラミックヒータ型グロープラグにおいて、前記抵抗体を、導電性セラミック材により形成され前記セラミックヒータ先端側に埋設された第1の発熱体と、この第1の発熱体よりも正の抵抗温度係数の大きな導電性セラミック材により形成され前記第1の発熱体に直列に接続された第2の発熱体とによって構成するとともに、前記抵抗体のリード部を導電性セラミック材により形成し前記第2の発熱体に直接接続した状態で前記絶縁性セラミック材中に埋設させて設けたことを特徴とするセラミックヒータ型グロープラグ」が記載されている。特許文献1に記載の「抵抗体」は導電性セラミック材により形成された第1の発熱体及び第2の発熱体によって構成されている。
このように特許文献1においては、抵抗温度係数の異なる抵抗体を組み合わせることにより速熱性を得たり、印加する電圧を定電圧としながらも所定の温度(例えば1200℃)が一定に保たれる自己制御機能を有するように構成したグロープラグが提案されている。
一般に、速熱性を向上させつつ所定の温度を一定に保つことを実現するために、グロープラグへ印加する電圧(実効電圧)を種々変更する機能を有する通電制御装置が上記グロープラグと共に用いられることがある。この通電制御装置では、通常、通電の初期においてデューティー比を高く(duty比100%)して実効電圧を高くし、その後は温度を一定に保つ状態とするため、そのデューティー比を下げて低めの実効電圧をグロープラグへ印加するという制御がなされる。
しかしながら、エンジンの始動時には様々な電子機器への通電やスタータモータへの通電などが行われるため、またバッテリの自然放電もあり、duty比が100%であっても、必ずしも高い電圧(日本の乗用車では通常12V)がグロープラグへ印加されるとは限らない。このため、低い電圧でも速熱性を有するようにするために、室温抵抗値の低いセラミックヒータを有するグロープラグを用いることが検討されるが、室温抵抗値が低いために、通電開始時の突入電流が大きくなってしまう欠点もある。また、抵抗温度係数及び比抵抗を異ならせるために複数種類の導電性セラミック材料を用いることとなり、作製に要する工数が増大し、ひいては製造コストが高くなる欠点もある。この観点では、1種類の導電性セラミック材料のみで構成することが望ましい。
一方、消費電力の低減を目的とするセラミックヒータとして、例えば、「絶縁性セラミックからなり、軸線方向に延びる棒状の支持体と、前記支持体に埋設されると共に、一種類の導電性セラミックからなる抵抗体とを有するセラミックヒータであって、前記抵抗体は前記支持体の先端側で折り返された小径部と、該小径部の両端に自身の一端部が連結部を介して接続され、他端部が前記支持体の後端側から露出する一対の大径部とからなり、かつ、前記小径部の断面積は前記大径部の断面積の1/2.6〜1/25.5の範囲内であることを特徴とするセラミックヒータ」が特許文献2に記載されている。
この文献に記載されるセラミックヒータは、大径部と小径部の断面積比を大きくすることにより、消費電力を低減させることが可能である。しかしながら、当該特許文献2に記載されるように、その比を大きくすると、支持体の断面における表面温度が位置ごとに大きく異なることがある。当該断面積比を適切にすることで、すなわち特許文献2に記載された発明を実施することで当該不具合は低減しうる。しかし、支持体の断面における表面温度をより一層均一にしようとする場合には、支持体内部(抵抗体)の温度をいわば過剰に高くし、支持体表面において温度の低い位置がセラミックヒータの加熱機能として問題とならない程度にまで昇温しなければならず、通電耐久性が低下してしまうおそれがある。すなわち、消費電力と通電耐久性はトレードオフの関係にあるといえる。
ところで、近年、グロープラグ用ヒータ等となりうるセラミックヒータには、より高水準の発熱性能及び耐久性と共に消費電力のより一層の低減が求められている。特に、速熱性については、室温抵抗値を低くすることなく、低い電圧でも優れた速熱性を有するグロープラグが求められている。
特許第3044632号明細書 特開2006−24394号公報
この発明は、優れた速熱性を持ち、消費電力を低減することができると共に耐久性にも優れるセラミックヒータを提供することを、課題とする。また、この発明は、速熱性、低消費電力及び耐久性のいずれをも高い水準で達成することのできるグロープラグを提供することを、課題とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、絶縁性セラミックで形成された基体に導電性セラミックで形成された抵抗体が埋設されてなり、前記抵抗体は前記基体の軸線方向に延在する一対のリード部と、前記一対のリード部それぞれの先端部から前記軸線方向に延在し、その先端部同士が連結して形成される一個の発熱部とを有するセラミックヒータであって、前記発熱部は一対の中間部を有し、前記一対の中間部は以下の条件(1)〜(3)を満たし、前記基体は基体先端部を有し、前記基体先端部は以下の条件(9)を満たしていることを特徴とするセラミックヒータであり、
(1)前記軸線に直交する平面で切断してなる一対の断面部それぞれを形成する輪郭線それぞれに接すると共に前記一対の断面部を内部に包含する仮想外接円の直径が前記発熱部の先端に向かって減少すること
(2)前記一対の断面部の合計断面積が前記発熱部の先端に向かって減少すること
(3)前記輪郭線それぞれに接すると共に前記一対の断面部に挟まれる仮想内接円の直径が、前記発熱部の先端に向かって、一定であること、又は、減少すること
(9)前記平面で切断してなる基体断面部を形成する輪郭線に接すると共に前記基体断面部を内部に包含する仮想外接円の直径が前記基体の先端に向かって減少すること
請求項2は、前記基体先端部と前記一対の中間部は、以下の条件(12)及び(13)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータであり、
(12)前記基体の軸線と前記一対の中間部それぞれの軸線とを含む平面で切断したときに、前記基体先端部の輪郭線、前記一対の中間部それぞれの外側の輪郭線、及び前記一対の中間部それぞれの内側の輪郭線が直線状であり、前記基体先端部の輪郭線同士の距離、前記一対の中間部それぞれの外側の輪郭線同士の距離、及び前記一対の中間部それぞれの内側の輪郭線同士の距離が前記発熱部の先端に向かって減少すること
(13)前記基体の軸線と前記一対の中間部それぞれの軸線とを含む平面で切断したときに、前記基体の軸線と前記基体先端部の輪郭線とのなす角をθa、前記基体の軸線と前記一対の中間部の外側の輪郭線とのなす角をθb、前記基体の軸線と前記一対の中間部の内側の輪郭線とのなす角をθcとすると、θa≧θb>θcを満たすこと
請求項3は、請求項1又は2に記載のセラミックヒータを備えてなるグロープラグである。
この発明に係るセラミックヒータは、発熱部が前記条件(1)〜(3)を満たす一対の中間部を有し、基体が前記条件(9)を満たす基体先端部を有しているから、発熱部は、その体積を小さくすることができる。このため、このセラミックヒータはわずかな消費電力で所定の温度に達することができ、優れた速熱性が得られる。具体的な一例としては、セラミックヒータへ印加される電圧が、実効電圧で8V以下というような低い電圧としたような場合であっても、当該効果を奏しうるのである。また、例えば電圧を印加したときの熱膨張と温度分布による応力等の集中を回避して、高い通電耐久性及び機械的耐久性を発揮する。また、基体先端部の体積が先端方向に向かって小さくなることから、発熱部からの発熱を効率よく基体の外表面に伝達させ、発熱部と基体先端部の外部との温度差が小さくなるから、より優れた速熱性を持ち、消費電力をさらに低減させることができる。その結果、発熱部を必要以上に発熱させる必要がないので通電耐久性に優れる。したがって、この発明によれば、室温抵抗値を低くすることなく、低い電圧においても優れた速熱性を持ち、消費電力を低減することができると共に耐久性にも優れるセラミックヒータを提供することができる。また、この発明に係るグロープラグはこの発明に係るセラミックヒータを備えているから、この発明によれば、速熱性、低消費電力及び耐久性のいずれをも高い水準で達成することのできるグロープラグを提供することができる。
この発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを、図面を参照して説明する。図1は、この発明に係るセラミックヒータの一実施例であるセラミックヒータ1を示す概略斜視図である。図2は、図1に示したセラミックヒータ1を軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの概略断面図である。このセラミックヒータ1は、図1及び図2に示されるように、軸線C方向に延在する棒状の基体60と、この基体60に埋設された抵抗体30とを備えてなる。
抵抗体30は、基体60の軸線C方向に延在する一対のリード部31,31と、一対のリード部31,31それぞれの先端部から軸線C方向に延在し、その先端部同士が連結して形成される一個の発熱部33とを有している。
一対のリード部31,31は、基体60の軸線Cを挟んでその両側に軸線Cに沿って略並行となるように基体60の後端面75まで延伸し、基体60の後端面75に露出している。図2に示されるように、リード部31,31には、基体60の外周面に露出する電極取出部77,78が設けられている。図3(a)は、図1に示したセラミックヒータ1を軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大概略断面図である。図3(b)は、図1に示したセラミックヒータ1を軸線C及び軸線Jを含む平面に垂直な平面で切断したときの拡大概略断面図である。リード部31,31それぞれは、それぞれの軸線Jに垂直な平面で切断したときの断面部が軸線J(前記断面部の重心を結んだ直線)方向にほぼ一定の面積を有するように、先端(図3(a)において破線で示す。)から後端まで略同一の扇型断面形状になっている。リード部31,31それぞれは、基本的に、互いに同じ形状及び同じ寸法で形成されているが、形状及び寸法は、基体60の形状及び寸法、要求される温度等に応じて適宜調整することができる。
発熱部33は、図3(a)に示されるように、一対のリード部31,31それぞれの先端より軸線C方向先端側に延在する一対の中間部40,40と、一対の中間部40,40それぞれから延在し、その先端部同士が連結してなる一個の発熱先端部50とを有し、一対の中間部40,40と発熱先端部50とが一体に形成されている。一対の中間部40,40が有するこの発明の特徴をより理解しやすくするために発熱部33の形状を先に説明すると、特に図1から理解されるように、この発熱部33は軸線C方向先端側に向かう尖形形状をなしている。
図3(c)は、図3(a)に示されるセラミックヒータ1において、一対の中間部40,40における軸線Cに直交する任意の平面Pで切断したときの断面CPを示す断面図である。この例において、平面Pで切断してなる一対の中間部40,40の一対の断面部57,57の形状は、扇型となっているが、断面部の形状は要求される温度等により適宜調整することができ、その断面形状が略円形、楕円形、及び多角形等とされてもよい。
この一対の中間部40,40は、前記条件(1)を満たしている。すなわち、一対の中間部40,40は、図3に示されるように、基体60の軸線Cに直交する平面Pで切断してなる一対の断面部57,57それぞれを形成する輪郭線それぞれに接すると共に一対の断面部57,57を内部に包含する仮想外接円CChの直径dChが発熱部33の先端に向かって減少している。この例において、仮想外接円CChは、図3(c)に示されるように、その中心が一対の断面部57,57それぞれの重心と一直線上にあり、平面Pと軸線Cとの交点Oを中心とする最小の直径を有している。
図4(a)〜(c)は、この発明に係るセラミックヒータの一実施例であるセラミックヒータを、図3(a)に示される平面P、P、Pでそれぞれ切断したときの断面CP、CP、CPをそれぞれ示す断面図である。図3及び図4を参照して、例えば、基体60の軸線Cに直交する平面P、P、Pで一対の中間部40,40を切断したときを例にして、より詳細に説明する。基体60の軸線Cに直交する任意の平面Pで切断してなる断面CPにおいて、この平面Pで一対の中間部40,40が切断されてなる一対の断面部57P1,57P1それぞれを形成する輪郭線それぞれに接すると共に、一対の断面部57P1,57P1を内部に包含する仮想外接円CChの直径をdChとする。同様に、平面Pよりも発熱部33の先端側の平面Pで切断したときの仮想外接円CChの直径をdChとし、平面Pよりも発熱部33の先端側の平面Pで切断したときの仮想外接円CChの直径をdChとする。このとき、一対の中間部40,40は、dCh>dCh>dChの関係を満足している。
仮想外接円CChの直径dChは発熱部33の先端に向かって減少していればその減少割合は特に限定されない。好ましくは、仮想外接円CChの直径dChの減少割合は、一対の中間部40,40それぞれの基端(換言すると一対のリード部31,31それぞれの先端。図3(a)において破線で示す。)における仮想外接円CChの直径dChと、一対の中間部40,40それぞれの先端(この例においては最高発熱部55に相当する。図3(a)において破線で示す。)における仮想外接円CChの直径dChとの直径差dCha-b=dCh−dChが0.1〜2.5mmであり、特に好ましくは、前記直径差dCha-bが0.3〜2.0mmである。前記直径差が前記範囲内にあると、一対の中間部40,40の外径が先端に向かって適度に減少し、その体積が減少するから、発熱部33の耐久性を保持したまま、より優れた速熱性を持ち、消費電力をより一層低減することができる。直径dChの減少割合は、基体60の寸法、一対の中間部40,40の寸法、要求される発熱温度等を考慮して、前記範囲内から選択されるのが好ましい。この例において、直径dChの減少割合は、前記範囲内から選択され、dChからdChまでの減少割合及びdChからdChまでの減少割合は同じ割合で一定になっている。
また、一対の中間部40,40は、前記条件(2)を満たしている。すなわち、一対の中間部40,40は、図3に示されるように、基体60の軸線Cに直交する平面Pで切断してなる一対の断面部57,57の合計断面積Schが発熱部33の先端に向かって減少している。
図3及び図4を参照してより詳細に説明する。断面CPにおける前記一対の断面部57P1,57P1の合計断面積をSchとし、断面CPにおける前記一対の断面部57P2,57P2の合計断面積をSchとし、断面CPにおける前記一対の断面部57P3,57P3の合計断面積をSchとする。このとき、一対の中間部40,40は、Sch>Sch>Schの関係を満足している。一対の断面部57,57の合計断面積Schにおける減少割合は直径dChにおける減少割合を考慮して適宜調整される。この例においては、SchからSchまでの減少割合及びSchからSchまでの減少割合は同じ割合で一定になっている。
一対の中間部40,40が前記条件(1)及び(2)を満足していると、発熱部33すなわち一対の中間部40,40及び発熱先端部50の体積が小さくなるから、抵抗体30に電圧を印加したときに一対のリード部31,31に生じる熱膨張による応力及び取扱い時の応力等が一対の中間部40,40で徐々に吸収され、これらの応力が発熱先端部50に集中することを回避することができる。また、発熱先端部50の体積が小さくなるから、より優れた速熱性を持ち、わずかな消費電力で所定の温度に達することができると共に、前記応力による発熱先端部50の破損を防止することができる。その結果、抵抗体30特に発熱部33は、優れた速熱性を持ち、わずかな消費電力で所定の温度に達することができ、高い通電耐久性及び機械的耐久性を発揮することができる。
一対の中間部40,40は、前記条件(1)及び(2)に加えて、条件(3)を満たしている。すなわち、一対の中間部40,40は、図3に示されるように、基体60の軸線Cに直交する平面Pで切断してなる一対の断面部57,57それぞれを形成する輪郭線それぞれに接すると共に一対の断面部57,57に挟まれる仮想内接円IChの直径dIhが発熱部33の先端に向かって減少している。一対の中間部40,40が条件(3)を満足すると、速熱性をさらに向上させ、消費電力をさらに低減させることができる。この例において、仮想内接円IChは、一対の断面部57,57に挟まれてそれらの中間に位置し、一対の断面部57,57それぞれの重心と仮想外接円CChの中心が一直線上にあり、平面Pと軸線Cとの交点Oを中心とする最小の直径を有している。
図3及び図4を参照してより詳細に説明する。断面CPにおける仮想内接円IChの直径をdIhとし、断面CPにおける仮想内接円IChの直径をdIhとし、断面CPにおける仮想内接円IChの直径をdIhとする。このとき、一対の中間部40,40は、dIh>dIh>dIhの関係を満足している。
仮想内接円IChの直径dIhは発熱部33の先端に向かって減少していればその減少割合は特に限定されない。好ましくは、仮想内接円IChの直径dIhの減少割合は、一対の中間部40,40それぞれの前記基端における仮想内接円IChの直径dIhと、一対の中間部40,40それぞれの前記先端における仮想内接円IChの直径dIhとの直径差dIh−dIhが1.0mm以下であり、特に好ましくは、前記直径差dIh−dIhが0.6mm以下である。前記直径差が前記範囲内にあると、一対の中間部40,40の外径が先端に向かって適度に減少し、その体積が減少するから、発熱部33の耐久性を保持したまま、より優れた速熱性を持ち、消費電力をより一層低減することができる。
仮想内接円IChの直径dIhの減少割合が前記範囲内となるように基体60の寸法、一対の中間部40,40の寸法、要求される発熱温度等を考慮して、前記範囲内から調整されるのが好ましいが、一対の中間部40,40それぞれの前記先端における仮想内接円IChの直径dIh(この例において、最高発熱部55に相当する。)が0.2〜2.0mmの範囲内にあることがより好ましく、0.2〜1.0mmの範囲内にあるのが特に好ましい。前記直径dIhが前記範囲内にあると、発熱部33の体積が減少するから、発熱部33の耐久性を維持したまま、より優れた速熱性を持ち、消費電力をさらに一層低減することができると共に、マイグレーションによる抵抗体30の断線を効果的に防止することができる。なお、マイグレーションとは、抵抗体30に通電したときに、印加電圧で基体の粒界相中の金属イオン例えばアルミニウムイオンが移動する現象である。なお、この例において、直径dIhの減少割合は、前記範囲内から選択され、dIhからdIhまでの減少割合及びdIhからdIhまでの減少割合は同じ割合で一定になっている。
前記条件(1)、(2)及び(3)並びに後述する条件(9)は、前記平面Pとして平面P、P、Pを任意に選択して、説明するが、この発明において、前記平面Pは3種の前記平面P、P、Pに限定されず、少なくとも任意の2平面において、条件(1)、(2)、(3)及び(9)を満たしていればよい。
発熱先端部50は、前記条件を満たす一対の中間部40,40それぞれの前記先端を起点として略円弧状又は略U字状に成形されている。この発熱先端部50は、その延在方向の断面積が小さくなるように細く形成され、その断面積が最も小さくなる最高発熱部55(抵抗体30に電圧を印加したときに最も高温に達する部位であって、通常、一対の中間部40,40それぞれの前記先端近傍に位置する。)を有する。このように、抵抗体30の最高発熱部55は、通常、発熱先端部50に存在するから、一対の中間部40,40それぞれにおける先端部の断面積は最高発熱部55の断面積と同じ又は大きく設定されているのがよい。
発熱先端部50に存在する最高発熱部55は、最高発熱部55の延在方向に垂直な平面で切断されたときの断面部の断面積が0.05〜1.20mmであるのが好ましい。最高発熱部55の断面積が前記範囲内にあると、高い速熱性及び消費電力の低減が可能になると共に、通電時に作用する応力の集中を分散させることができて通電耐久性がより一層向上する。
最高発熱部55は、その断面積がリード部31の断面積に対して1/60〜1/2.6となっているのがさらに好ましい。ここで、リード部31の断面積は軸線Cに垂直な平面でリード部31を切断したときの断面積である。最高発熱部55の断面積が前記割合内にあると、リード部31の断面積に対する最高発熱部55の断面積の比が適切な範囲になり、速熱性、低消費電力及び耐久性に優れるうえ、最高発熱部55の発熱温度がより一層均一になる。したがって、このセラミックヒータ1をグロープラグ20のヒータとして用いたときに、速熱性、低消費電力及び耐久性に優れるうえ、エンジンの始動性にも優れる。
一対の中間部40,40と発熱先端部50とを有する発熱部33は、具体的には、図1に示されるように、一対の中間部40,40を外周面の一部とし、発熱先端部50を頂部とする、一対のリード部31,31それぞれの先端から発熱先端部50に向かう尖形形状をなしている。すなわち、この尖形形状は、一対の中間部40,40が、一対のリード部31,31それぞれの先端から発熱先端部50に向かって、外径及びJJ平面方向の間隔が共に減少して延在し、その線部それぞれから一個の発熱先端部50が延在してなる。換言すると、発熱部33は、JJ平面に対して垂直方向に貫通し、その間隔が頂部に先端に向かって次第に狭くなる垂直空間部59を有する、錐形すなわちテーパ形状をなしている。さらにいうと、発熱部33は、図1及び図3に示されるように、その発熱先端部50が軸線C上の1点に集まるように、形成されている。換言すると、一対の中間部40,40は、図3に示されるように、JJ平面における断面形状及びJJ平面に垂直な方向からみた側面形状が共にその先端に向かって減少する先細り形状をなしている。
したがって、一対の中間部40,40は、図3(c)に示されるように、平面Pにおける一対の断面部57,57それぞれが相似形になっている。そして、発熱部33がこのように形成されていると、優れた速熱性を持ち、わずかな消費電力で所定の温度に達することができ、高い通電耐久性及び機械的耐久性を発揮することができると共に、その成形が非常に容易となる。
発熱部33において、その軸線C方向長さLh(図3(a)参照。)は0.5〜20mmであるのが好ましい。発熱部33の軸線C方向長さLhが前記範囲内にあると、前記条件(1)及び(2)を満たすことによる効果を十分に発揮させることができると共に、電圧を印加したときに、リード部31と中間部40との境界温度が比較的低くなって、リード部31と中間部40との境界部分の破断を効果的に防止することができる。
図1〜図3に示されるように、抵抗体30を埋設する基体60は、一対のリード部31,31を埋設する同径部70と、発熱部33を埋設する基体先端部80とを有している。基体先端部80は、一対の中間部40,40を埋設する部分であり、具体的には、例えば、図3(a)に示した破線よりも先端に位置する部分である。
同径部70は、軸線C方向に延在する棒状体とされ、一対のリード部31,31を内蔵することができる形状、大きさになっている。このセラミックヒータ1において、同径部70は、断面が略円形又は楕円形の棒状体又は柱状体とされている。
基体先端部80は、発熱部33の形状に倣った尖形形状に成形され、すなわち、垂直空間部59を有していないこと以外は発熱部33とほぼ同様の尖形形状に成形されて、発熱部33をその外周側から囲繞している。したがって、基体先端部80は条件(9)を満たしている。すなわち、基体先端部80は、平面Pで切断された基体断面部87を形成する輪郭線に接すると共に、基体断面部87を内部に包含する仮想外接円CCbの直径DCbが基体60の先端に向かって減少している。基体先端部80が条件(9)を満たすと、基体先端部の体積が小さくなることから、発熱先端部50からの発熱を効率よく基体60の外周面に伝達させることができ、速熱性のさらなる向上と消費電力のさらなる低減と通電耐久性の向上とより高い発熱均一性とを達成することができる。また、発熱先端部50と基体先端部80の外部との温度差が小さくなるから、低電圧で急速昇温することができ、また基体先端部80を所望の温度にする際に、抵抗体30を必要以上に発熱させる必要もなく、その結果、耐久性にも優れる。さらには、平面Pで切断された基体断面部87において、その断面積に対する抵抗体断面積が大きくなることから、抵抗体30に作用する応力を緩和することができ、耐久性に優れる。
この例において、仮想外接円CCbは、図3(c)に示されるように、基体断面部87の外周そのものであって、その中心が基体断面部87の重心と一致し、平面Pと軸線Cとの交点Oを中心とする最小の直径を有している。基体断面部87の形状は、要求される温度等に応じて適宜調整することができ、その形状が略円形、楕円形、及び多角形等とされてもよいが、加工コストの容易さ、温度の均一性、耐久性の面から、略円形とするのが好ましい。
図3及び図4を参照してより詳細に説明する。例えば、断面CPにおける基体断面部87P1を形成する輪郭線それぞれに接すると共に、基体断面部87P1を内部に包含する仮想外接円CCbの直径をDCbとする。同様に、断面CPにおける仮想外接円CCbの直径をDCbとし、断面CPにおける仮想外接円CCbの直径をDCbとする。このとき基体先端部80は、DCb>DCb>DCbの関係を満足している。
仮想外接円CCbの直径DCbは基体60の先端に向かって減少していればその減少割合は特に限定されない。好ましくは、仮想外接円CCbの直径DCbの減少割合は、基体先端部80の基端(換言すると同径部70の先端。図3(a)において破線で示す。)における仮想外接円CCbの直径DCbと、最高発熱部55が埋設された位置に相当する基体先端部80の外周面における仮想外接円CCbの直径DCbとの直径差DCba−b=DCb−DCbが0.1〜2.5mmであり、特に好ましくは、前記直径差DCba−bが0.3〜2.0mmである。前記直径差が前記範囲内にあると、片持ち強度を維持しながら、発熱先端部50からの発熱をより一層効率よく基体60の外周面に伝達させることができる。
直径DCbの減少割合は、基体先端部80、発熱先端部50等の寸法、要求される発熱温度等を考慮して、前記範囲内から選択されるのが好ましい。この例において、直径DCbの減少割合は、前記範囲内から選択され、DCbからDCbまでの減少割合及びDCbからDCbまでの減少割合は同じ割合で一定になっている。
仮想外接円CCbにおける直径DCbの減少は、基体断面部87における断面積SCbの減少ということもできる。すなわち、基体先端部80は、一対の中間部40,40と同様に、前記平面Pで切断してなる基体断面部87の仮想断面積SCbが基体60の先端に向かって減少している。具体的には、基体先端部80において、基体断面部87P1の仮想断面積SCbと、基体断面部87P2の仮想断面積SCbと、基体断面部87P3の仮想断面積SCbとが、SCb>SCb>SCbの関係を満足している。ここで、基体断面部87の仮想断面積SCbは前記仮想外接円CCbの直径DCbから算出される断面積をいう。
基体先端部80と一対の中間部40,40とは、条件(12)を満たしている。すなわち、一対の中間部40,40は、図3(a)に示されるように、基体60の軸線Cと一対の中間部40,40それぞれの軸線Jとを含む平面で切断したときに、基体先端部80の輪郭線、一対の中間部40,40それぞれの外側の輪郭線、及び前記一対の中間部40,40それぞれの内側の輪郭線が直線状であり、基体先端部80の輪郭線同士の距離、前記一対の中間部40,40それぞれの外側の輪郭線同士の距離、及び前記一対の中間部40,40それぞれの内側の輪郭線同士の距離が前記発熱部33の先端に向かって減少している。基体先端部80と一対の中間部40,40とが条件(12)を満たしていると、基体先端部80の輪郭線と一対の中間部40,40それぞれの外側の輪郭線と一対の中間部40,40それぞれの内側の輪郭線とが直線状であり凹凸等を有しないので、抵抗体30に電圧を印加したときに熱応力が集中したり、局所的に温度上昇したりするのを緩和することができる。また、基体先端部80の輪郭線同士の距離と一対の中間部40,40それぞれの外側の輪郭線同士の距離と一対の中間部40,40それぞれの内側の輪郭線同士の距離とが発熱部33の先端に向かって減少しているので、発熱先端部50に熱応力が集中するのを防止することができる。したがって、このセラミックヒータ1は、優れた速熱性を有し、わずかな消費電力で所定の温度に達することができ、同時により高い通電耐久性を発揮することができる。
この例において、基体60の軸線Cと一対の中間部40,40それぞれの軸線Jとを含む平面で切断したときの、発熱先端部50をその外周側から囲繞している基体先端部80の最先端は、発熱先端部50の形状とほぼ同様の略円弧状又は略U字状であり、基体先端部80における直線状の輪郭線に滑らかに連続している。また、基体先端部80の直線状の輪郭線は、同径部70の直線状の輪郭線へと滑らかに連続している。この例において、基体先端部80は、テーパ形状を有しているので、基体60の軸線Cと一対の中間部40,40それぞれの軸線Jとを含む平面で切断したときだけでなく、基体60の軸線Cのみを含む任意の平面で切断したときも、基体先端部80の輪郭線は直線状である。同様に、一対の中間部40,40それぞれは、テーパ形状を有しているので、基体60の軸線Cと一対の中間部40,40それぞれの軸線Jとを含む平面で切断したときだけでなく、中間部40の軸線Jの一方だけを含む任意の平面で切断したときも、中間部40の輪郭線は直線状である。
基体先端部80と一対の中間部40,40とは、前記条件(12)に加えて、条件(13)を満たしている。すなわち、一対の中間部40,40は、図3(d)に示されるように、前記基体60の軸線Cと前記一対の中間部40,40それぞれの軸線Jとを含む平面で切断したときに、前記基体60の軸線Cと前記基体先端部80の輪郭線とのなす角をθa、前記基体60の軸線Cと前記一対の中間部40,40の外側の輪郭線とのなす角をθb、前記基体60の軸線Cと前記一対の中間部40,40の内側の輪郭線とのなす角をθcとすると、θa=θb>θcを満たしている。基体先端部80と一対の中間部40,40とが条件(13)を満たしていると、中間部40が発熱部33の先端方向に向かって細くなり、発熱部33の体積が減少するので、発熱部33の耐久性を維持したまま、速熱性をさらに向上させ、消費電力をさらに低減させることができる。また、中間部40の外周面と基体先端部80の外周面との間隔が発熱部33の先端方向に向かって一定、又は減少するので、発熱先端部50からの発熱を一層効率良く基体先端部80の外周面に伝達させることができる。したがって、速熱性をより一層向上させ、消費電力をさらに低減し、その結果、基体先端部80を所望の温度にする際に、必要以上に発熱部33を発熱させる必要がないので、耐久性にも優れる。
前記角度θa、θb、及びθcは、θa≧θb>θcかつ0<θa,θb,θc<50°を満たしていればこれらの角度範囲は特に限定されない。前記角度θa、θb、及びθcは、基体60の寸法、一対の中間部40,40の寸法、要求される発熱温度等を考慮して、前記範囲内から調整されるのが好ましいが、θa≧θb>θcかつ0°<θa,θb,θc<20°であるのが好ましく、θa≧θb>θcかつ0<θa,θb,θc<15°であるのが特に好ましい。前記角度θa、θb、及びθcが前記範囲内にあると、発熱部33の体積が先端方向に向かって適度に減少し、発熱部33と基体先端部80との距離を適度に保持することができるので、発熱部33からの発熱を一層効率良く基体先端部80の外周面に伝達させ、その結果、速熱性の向上と消費電力の低減と高い通電耐久性とを達成することができる。
ここで、仮想外接円CCbにおける直径差DCba−bと仮想外接円CChにおける直径差dCha−bとの外接円直径差の絶対値|DCba−b−dCha−b|は、0.1〜2.6mmであるのが好ましく、0.3〜2.6mmであることが特に好ましい。前記外接円直径差の絶対値が前記範囲内にあると、発熱先端部50が埋設される位置が基体先端部80の外表面に接近又は遠近しすぎることがなく、発熱先端部50を埋設した基体先端部80の肉厚が適度の厚さとなって、発熱先端部50からの発熱をより一層効率よく速やかに基体60の外周面に伝達させることができ、速熱性、低消費電力及び耐久性をより一層高い水準で達成することができる。
セラミックヒータ1において、基体60に埋設される発熱先端部50の位置は、基体先端部80の外表面から軸線C方向の後端に向かって0.3〜1.2mmの範囲内、すなわち、基体先端部80の肉厚が0.3〜1.2mmとなる位置であるのが好ましい。発熱先端部50が前記位置に埋設されると、セラミックヒータ1を所定の温度に加熱するときに、発熱先端部50を必要以上に発熱させる必要がないから、発熱先端部50の耐久性に優れると共に、速熱性及び均一加熱性にも優れる。また、セラミックヒータ1をグロープラグのヒータとして用いたときに、基体60特に発熱先端部50が、エンジンオイルに含まれるCa等の不純物により高温にて侵食しても、発熱先端部50が基体先端部80から露出しにくく耐久性が向上すると共に、抵抗値の変化を防止することができる。
セラミックヒータ1の寸法(前記した寸法を除く。)の一例を挙げると、セラミックヒータ1の全長(軸線C方向長さ)は30〜50mm、セラミックヒータ1(同径部70)の直径は2.5〜4.0mm、セラミックヒータ1の最小肉厚(基体先端部80を除く)は100〜500μm、基体先端部80の軸線C方向長さは0.5〜20mm、一対のリード部31,31の軸線JJ間隔は0.2〜2mmである。
セラミックヒータの直径は、細径であるほど、低消費電力及び速熱性に優れ、耐久性にも優れるが、逆に細径であるほど、セラミックヒータの機械的強度が低くなり、また発熱体積が小さくなることからエンジン始動性が悪くなってしまう。このため、セラミックヒータの直径は、要求される発熱温度等を考慮して、前記範囲内から選択されるのが好ましい。
セラミックヒータ1が前記条件(1)〜(3)、(9)、(12)及び(13)を満たしているか否か、発熱先端部50の位置等は、例えば、セラミックヒータ1をX線透過撮影して得られた撮影フィルムを用いて、確認することができる。
この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータ2は、図5(a)に示されるように、条件(3)における仮想内接円IChの直径dIhが発熱部34の先端に向かって一定になっていること以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。そして、セラミックヒータ2の発熱部34は、一定の間隔を有する一対の中間部41,41の外径が先端に向かって減少するように延在し、その先端それぞれから一個の発熱先端部50が延在してなる尖形形状をなし、かつ、基体先端部81は垂直空間部59を有していないこと以外は発熱部34とほぼ同様の尖形形状に成形されている。このセラミックヒータ2は条件(1)〜(3)、(9)、(12)及び(13)すべてを満たしている。このように、仮想内接円IChの直径dIhが一定になっていると、中間部41,41を容易に成形することができるうえ、機械的特性及び通電耐久性をさらに向上させることができる。
この発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータ3は、図5(b)に示されるように、条件(1)における仮想外接円CChの直径dChの減少割合及び条件(2)における合計断面積Schの減少割合が一定ではなく軸線C方向の略中央部で大きく減少していること、条件(9)における仮想外接円CCbの直径DCbの減少割合及び断面積SCbの減少割合が軸線C方向の略中央部で大きく減少していること並びに、条件(12)に反して基体先端部82の輪郭線及び一対の中間部42,42それぞれの外側の輪郭線が軸線Cに向かって凹状曲線を形成していること以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。そして、セラミックヒータ3の発熱部35は、先端に向かって減少する間隔を有する一対の中間部42,42の外径が先端に向かって減少してその外周面が軸線C方向に凹状曲面を形成するように延在し、その先端それぞれから一個の発熱先端部50が延在してなる尖形形状をなし、かつ、基体先端部82は垂直空間部59を有していないこと以外は発熱部35とほぼ同様の尖形形状に成形されている。このセラミックヒータ3は条件(1)〜(3)及び(9)を満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおけるさらに別の一実施例のセラミックヒータ4は、図5(c)に示されるように、一対の中間部40,40それぞれから延在してなる一個の発熱先端部51がその先端に向かって凸状に形成されていること、並びに、条件(13)に反して角度θa、θb及びθcが、θa<θb>θcを満たしていること以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。そして、前記外接円直径差の絶対値|DCba−b−dCha−b|が前記範囲内においてセラミックヒータ1よりも大きく調整されている。このセラミックヒータ4は条件(1)〜(3)、(9)及び(12)を満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータ5は、図5(d)に示されるように、リード部がリード線31cと接続部31bとで形成されていること以外は、前記セラミックヒータ1と基本的に同様である。このセラミックヒータ5は条件(1)〜(3)、(9)、(12)及び(13)すべてを満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータ6は、図5(e)に示されるように、条件(1)における仮想外接円CChの直径dChの減少割合及び条件(2)における合計断面積Schにおける減少割合が一定ではなく軸線C方向の略中央部で小さく減少していること、条件(3)における仮想内接円IChの直径dIhが発熱部36の先端に向かって一定になっていること、条件(9)における仮想外接円CCbの直径DCbの減少割合及び断面積SCbの減少割合が軸線C方向の略中央部で小さく減少していること、並びに、条件(12)に反して基体先端部82の輪郭線及び一対の中間部42,42それぞれの外側の輪郭線が軸線Cの半径方向に凸状曲線を形成していること以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。そして、セラミックヒータ6の発熱部36は、一定の間隔を有する一対の中間部43,43の外径が先端に向かって減少してその外周面が軸線C方向に凸状曲面を形成するように延在し、その先端それぞれから一個の発熱先端部50が延在してなる尖形形状をなし、かつ、基体先端部83は垂直空間部59を有していないこと以外は発熱部36とほぼ同様の尖形形状に成形されている。このセラミックヒータ6は条件(1)〜(3)及び(9)を満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおける別の−実施例のセラミックヒータ7は、図6(a)に示されるように、条件(13)における角度θa、θb及びθcがθa>θb>θcを満たしていること以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。このセラミックヒータ7は、条件(1)〜(3)、(9)、(12)および(13)すべてを満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおける別の−実施例のセラミックヒータ8は、図6(b)に示されるように、条件(13)における角度θa、θb及びθcの値がセラミックヒータ1よりも小さいこと以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。このセラミックヒータ1は、条件(1)〜(3)、(9)、(12)および(13)すべてを満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータ9は、図6(c)に示されるように、条件(13)に反して角度θa、θb及びθcが、θa<θb>θcを満たしていること以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。そして、前記外接円直径差の絶対値|DCba−b−dCha−b|が前記範囲内においてセラミックヒータ1よりも大きく調整されている。このセラミックヒータ9は条件(1)〜(3)、(9)及び(12)を満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータ10は、図6(d)に示されるように、条件(13)における角度θb及びθcの値がセラミックヒータ1よりも小さいこと以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。そして、前記外接円直径差の絶対値|DCba−b−dCha−b|が前記範囲内においてセラミックヒータ1よりも小さく調整されている。このセラミックヒータ10は条件(1)〜(3)、(9)、(12)及び(13)すべてを満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータ11は、図7(a)に示されるように、一対の中間部46,46それぞれがその一部において前記条件(1)及び(2)を満たしていること、並びに、前記条件(12)に反して一対の中間部46,46それぞれの外側の輪郭線がその一部において直線状になっていないこと以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。すなわち、セラミックヒータ11の発熱部38は、軸線C方向の中央部よりもわずかに先端側の外周面に、軸線Cを中心とする環状の隆起部を有していること以外は、発熱部34とほぼ同様の尖形形状に成形されている。したがって、このセラミックヒータ11は条件(1)〜(3)及び(9)を満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータ12は、図7(b)に示されるように、一対の中間部47,47それぞれがその一部において前記条件(3)を満たしていること、並びに、前記条件(12)に反して一対の中間部47,47それぞれの内側の輪郭線がその一部において直線状になっていないこと以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。すなわち、セラミックヒータ12の発熱部39は、軸線C方向の中央部内面に、前記JJ平面に対して垂直方向に延在する突出部を有し、この突出部よりも先端側においてJJ平面方向の間隔が減少していること以外は、発熱部34とほぼ同様の尖形形状に成形されている。したがって、このセラミックヒータ12は条件(1)〜(3)及び(9)を満たしている。
この発明に係るセラミックヒータにおけるさらにまた別の一実施例のセラミックヒータ13は、図7(c)に示されるように、一対の中間部48,48それぞれが段階的に前記条件(1)及び(2)を満たしていること、並びに、前記条件(12)に反して一対の中間部48,48それぞれの外側の輪郭線が直線状になっていないこと以外は、セラミックヒータ1と基本的に同様に構成されている。すなわち、セラミックヒータ13の発熱部32は、発熱先端部50に向かって外径及びJJ平面方向の間隔が共に段階的に減少していること以外は、発熱部34とほぼ同様の尖形形状に成形されている。したがって、このセラミックヒータ13は条件(1)〜(3)及び(9)を満たしている。
セラミックヒータの基体を形成する絶縁性セラミックとして、例えば、窒化珪素質セラミック等が挙げられる。窒化珪素質セラミックの組織は、窒化珪素(Si)を主成分とする主相粒子が、後述の焼結助剤成分等に由来した粒界相により結合された形態のものである。なお、主相は、Si又はNの一部が、Al又はOで置換されたもの、さらには、相中にLi、Ca、Mg、Y等の金属原子が固溶したものであってもよい。例えば、次の一般式にて表されるサイアロンを例示することができる。なお、「主成分」とはセラミック中の最も質量の高い成分をいう。
(1)β−サイアロン:Si6−ZAl8−Z (zは0超4.2以下)
(2)α−サイアロン:M(Si,Al)12(O,N)16 (xは0超2以下)
ここで、MはLi,Mg,Ca,Y,R(RはLa,Ceを除く希土類元素)である。
窒化珪素質セラミックには、IUPAC1990年勧告に基づく周期表における第3族、第4族、第5族、第13族(例えばAl)及び第14族(例えばSi)の各族の元素群及びMgから選ばれる少なくとも1種を、焼結体全体における含有量にて、酸化物換算で1〜15質量%含有させることができる。これら成分は主に酸化物の形で添加され、焼結体中においては、主に酸化物又はシリケート等の複合酸化物の形態にて含有される。
窒化珪素以外の焼結助剤成分(例えば、希土類元素を含む化合物、酸化アルミニウム等)が1質量%未満では緻密な焼結体が得にくくなり、15質量%を超えると強度や靭性又は耐熱性の不足を招くことがある。焼結助剤成分の含有量は、望ましくは5〜13質量%とするのがよい。焼結助剤成分として希土類成分を使用する場合、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを含む化合物(例えば酸化物)等を用いることができる。これらのうちでもTb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybを含む化合物は、粒界相の結晶化を促進し、高温強度を向上させる効果があるので好適に使用できる。
セラミックヒータの抵抗体を形成する導電性セラミックは、導電発熱できる導電性セラミック材料を含有していればよく、例えば、導電性セラミック材料単独、導電性セラミック材料と絶縁性セラミックとの混合物等が挙げられる。導電性セラミック材料としては、例えば、炭化タングステン(WC)、二珪化モリブデン(MoSi)及び二珪化タングステン(WSi)等が挙げられる。前記混合物としては、例えば、導電性セラミック材料としての炭化タングステン(WC)、二珪化モリブデン(MoSi)又は二珪化タングステン(WSi)と窒化珪素質セラミックとの混合物等が挙げられる。このような混合物で抵抗体を形成すると基体との線膨張係数差が縮小して耐熱衝撃性を高めることができる。
抵抗体は一種類の導電性セラミックで形成されてもよく、また、抵抗体の発熱部と一対のリード部とが電気抵抗率の異なる導電性セラミックでそれぞれ形成されてもよい。導電性セラミックの電気抵抗率を互いに異なるものとする方法は、特に限定されず、例えば、(1)同種の導電性セラミック材料を含有する混合物におけるその含有量を互いに異ならせる方法、(2)電気抵抗率の異なる異種の導電性セラミック材料を用いる方法、(3)前記(1)と前記(2)とを組み合わせる方法等が挙げられる。
前記(1)の方法において、例えば、発熱部を形成する第一導電性セラミックは、導電性セラミック材料の含有率を10〜30体積%、残部を絶縁性セラミックとするのがよい。導電性セラミック材料の含有率が30体積%を超えると、導電率が高くなりすぎて十分な発熱量が期待できなくなり、10体積%未満になると逆に導電率が低くなりすぎ、同様に発熱量が十分に確保できなくなることがある。また、導通経路に相当する一対のリード部を形成する第二導電性セラミックは、導電性セラミック材料の含有率を15〜35体積%、残部を絶縁性セラミックとするのがよい。導電性セラミック材料の含有率が35体積%を超えると焼成による緻密化が困難となり、強度不足を招きやすくなるほか、基体との熱膨張係数差が大きくなり、焼結時のクラックが生じやすくなる。一方、15体積%未満では一対のリード部での発熱が大きくなりすぎて、発熱部の発熱効率が悪化することがある。
この発明に係るセラミックヒータは、絶縁性セラミックとなる基体形成用混合粉末及び導電性セラミックとなる抵抗体形成用混合粉末を調製し、抵抗体形成用混合粉末で未焼成抵抗体を成形し、基体形成用混合粉末に未焼成抵抗体を埋設して成形し、得られた成形体を、所望により脱脂仮焼した後、焼結し、前記条件(1)〜(3)を満たす発熱部を形成して、製造される。
簡単に説明すると、絶縁性セラミック、導電性セラミック材料及び焼結助剤等を所定の量比で混合し、基体形成用混合粉末及び抵抗体形成用混合粉末を調整する。これらの混合粉末は、湿式等、通常の方法によって混合されることができる。このようにして調製された各混合粉末に、適量のバインダ等を配合して混練した後、所望により造粒する。
抵抗体形成用混合粉末の造粒物を用いて、射出成形、スクリーン印刷、シート成形、押出し成形等により、抵抗体を成形する。このとき、抵抗体の発熱部となる未焼成発熱部が前記条件を満たすように形成された金型を用いて、焼成後に抵抗体となる未焼成抵抗体を作製することもでき、又は、成形体の発熱部を研磨加工、テーパ加工、R面加工等して、未焼成抵抗体を作製することもできる。その後、この未焼成抵抗体を、基体形成用混合粉末に埋入して、成形体とする。その方法としては、基体形成用混合粉末を圧粉した半割型の所定位置に未焼成抵抗体を載置した後、基体形成用混合粉末をのせてプレス成形する方法等が挙げられる。次いで、成形体を所望により脱脂仮焼すると、基体の形状を有する粉末成形体に発熱抵抗体となる未焼成抵抗体が埋設された成形体が得られる。この成形体を、焼成炉に収容し、焼成する。焼成方法として、ホットプレス法、ガス圧焼成法、HIP(熱間静水圧プレス)法等が挙げられる。例えば、ホットプレス法では、黒鉛製等の加圧用ダイスに収納し、これを焼成炉に収容し、所定の温度で所要時間、ホットプレス焼成する。加圧力は例えば20〜30MPa程度とすることができる。焼成温度及び焼成時間は特に限定されないが、焼成温度は1700〜1850℃、特に1700〜1800℃、焼成時間は30〜180分、特に60〜120分とすることができる。焼成環境は窒素雰囲気下等の非酸化性雰囲気下で行うことができる。このような半割型を使用する方法は、例えば、2007−240080号公報等に記載の方法を参考にして、実施することができる。
次いで、得られた焼結体を例えば平面研削盤等で所望の寸法に研削して、基体先端部としたときに前記条件を満たすように、焼結体の先端部を研磨加工、テーパ加工、R面加工等して、セラミックヒータを製造することができる。
この発明に係るセラミックヒータは、前記の実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、セラミックヒータ1等における一対の中間部40,40は、dChからdChまでの減少割合及びdChからdChまでの減少割合がそれぞれ一定の割合となっているが、これらの減少割合は、例えば図5(b)及び(e)に示すセラミックヒータ3及び6のように不規則な割合であってもよく、また、dChからdChまでの減少割合及びdChからdChまでの減少割合が同じ割合であっても異なる割合であってもよい。
セラミックヒータ1等における一対の中間部40,40は、SchからSchまでの減少割合及びSchからSchまでの減少割合はそれぞれ一定の割合となっているが、これらの減少割合は、例えばセラミックヒータ3及び6のように不規則な割合であってもよく、また、SchからSchまでの減少割合及びSchからSchまでの減少割合が同じ割合であっても異なる割合であってもよい。
セラミックヒータ1等における一対の中間部40,40は、dIhからdIhまでの減少割合及びdIhからdIhまでの減少割合がそれぞれ一定の割合で減少しているが、これらの減少割合は、不規則な割合であってもよく、また、dIhからdIhまでの減少割合及びdIhからdIhまでの減少割合が同じ割合であっても異なる割合であってもよい。
一対の中間部40,40は、前記(1)〜(3)の条件を満足していれば、セラミックヒータ1等のように、その先端側(発熱先端部50)が基体60の軸線C上の1点に集まるように形成されている必要はなく、例えば、図2に示される断面形状が先端に向かって一定の幅を有する形状、すなわち、一対の中間部の先端側(発熱先端部)が軸線Cに垂直な直線上に集まるように、形成されていてもよい。
セラミックヒータ1等の基体先端部80はDCbからDCbまでの減少割合及びDCbからDCbまでの減少割合がそれぞれ一定の割合となっているが、これらの減少割合は、不規則な割合であってもよく、また、DCbからDCbまでの減少割合及びDCbからDCbまでの減少割合が同じ割合であっても異なる割合であってもよい。
セラミックヒータ1等の基体先端部80はSCbからSCbまでの減少割合及びSCbからSCbまでの減少割合はそれぞれ一定の割合となっているが、これらの減少割合は、不規則な割合であってもよく、また、SCbからSCbまでの減少割合及びSCbからSCbまでの減少割合が同じ割合であっても異なる割合であってもよい。
セラミックヒータ1等における同径部70はその断面が略円形又は楕円形の棒状体又は柱状体とされているが、この発明において、同径部の形状すなわちセラミックヒータの外形は、特に限定されず、例えば、円柱体、楕円柱体、直方体等の形状が挙げられる。
軸線J方向に垂直な平面におけるリード部それぞれの断面形状は、特に限定されず、種々の形状にすることができる。例えば、図4に示されるように、扇形の他に、円形、半円径、楕円形、半楕円形、矩形等とすることができる。
この発明に係るセラミックヒータは、その発熱部が少なくとも条件(1)〜(3)を満たす一対の中間部と基体が少なくとも条件(9)を満たす基体先端部とを有している。ここで、従来、セラミックヒータにおいては、例えば図9(b)に示されるように、比較的長めの略U字状に形成された発熱先端部53を基体の外形に沿ってその外側近傍に配置すれば、基体を均一に効率よく加熱して速熱性に優れ、消費電力を低減することができると考えられており、そのため、特許文献1及び2のセラミックヒータはいずれも、発熱部(特許文献1における「第1の発熱体20」及び特許文献2における「折り返し部3d」)が基体の外形にそってその外側近傍に配置されるように略U字状に形成されていた。ところが、条件(1)〜(3)及び(9)を満たすように発熱部及び基体を形成すると、予想に反して、より優れた速熱性を持ち、消費電力を大幅に低減することができると共に耐久性をも向上させることができることが本発明者によって新たに見出されたのである。したがって、この発明に係るセラミックヒータは、条件(1)〜(3)を満たす一対の中間部と条件(9)を満たす基体先端部とを有していることを特徴とする。そして、この特徴を有するこの発明に係るセラミックヒータ、例えば、前記セラミックヒータ1〜13は、発熱部全体の体積が小さくなって、発熱部は優れた速熱性を持ち、わずかな消費電力で所定の温度に達することができ、高い耐久性を発揮する。
この発明に係るセラミックヒータが前記条件(12)を満たしていると、例えば前記セラミックヒータ1、2、4、5、7、8、9、10は、前記したように、優れた速熱性を有し、わずかな消費電力で所定の温度に達することができ、同時により高い通電耐久性を発揮することができる。さらに、この発明に係るセラミックヒータが前記条件(13)を満たしていると、例えば前記セラミックヒータ1、2、5、7、8、10は、前記したように、速熱性のさらなる向上と消費電力のさらなる低減と高い通電耐久性とを達成することができる。
また、この発明に係るセラミックヒータは、一対の中間部において、基体の軸線Cに直交する任意の二平面で切断したときの、仮想外接円CChにおける直径dChの減少率ΔdChが仮想内接円Ichにおける直径dIhの減少率ΔdIhよりも大きくなるようにしてもよい。一対の中間部がこの構成を備えると、高い耐久性を維持することができる程度まで一対の中間部における抵抗体肉厚を先端に向けて薄くさせることができる。このため、発熱部、特に発熱先端部の体積が大きく減少し、高い耐久性を保持したまま速熱性により一層優れ、また消費電力を大幅に低減することができるセラミックヒータを実現することができる。
この発明に係るセラミックヒータは、前記効果を奏するから、グロープラグ用ヒータ、センサー用加熱ヒータ、ファンヒータ用加熱ヒータ等として、好適に用いられる。この発明に係るセラミックヒータをグロープラグ用ヒータとして用いた、この発明に係るグロープラグの一実施例のグロープラグを説明する。このグロープラグ20は、図8に示されるように、セラミックヒータ1を備え、より詳細に説明すると、グロープラグ20は、セラミックヒータ1、外筒90、主体金具93、中軸94を備えている。グロープラグ20は、基体60の少なくとも基体先端部80が突出するようにセラミックヒータ1の外周面が外筒90で周方向に取り囲まれ、この外筒90が略円筒状の主体金具93の先端部に固定されて、成る。主体金具93と外筒90とは、例えば、両者の内外周面の隙間を充填するようにろう付け若しくは圧入して、又は、主体金具93の先端側開口内縁と外筒90の外周面とを全周レーザー溶接して、固定される。
主体金具93は、中央周側面にグロープラグ20をエンジンのシリンダヘッド(図示せず。)に取り付けることができるように雄ねじ部98が形成されている。主体金具93の外筒90に接合されていない側には六角形状をなす鍔状の工具係合部99が形成されており、前記シリンダヘッドにグロープラグ20を螺合する際に、使用される工具が係合できるようになっている。
主体金具93の内側には、その後端側から、セラミックヒータ1に電力を供給するための金属製の中軸94が、円筒形状の絶縁部材95と絶縁係止部材96とで主体金具93と絶縁状態となるように、配置固定されている。絶縁係止部材96は、筒体の一端が外側に張り出してなるフランジを有しており、中軸94の金具近傍に取り付けられるかしめ部材97と工具係合部99とが該フランジで係止されている。かしめ部材97は、外周から押圧されてかしめられている。これにより、中軸94と主体金具93との間でフランジが係止された絶縁係止部材96が固定されるので、中軸94からの抜出が防止されるようになっている。
一方、セラミックヒータ1の抵抗体30は、一方のリード部31がその外周面に形成された電極取出部78で外筒90に電気的に接続されており、他方のリード部31がその外周面に形成された電極取出部77で電極円筒体91及び導線92を介して中軸94と電気的に接続されている。このグロープラグ20における最高発熱部21は、グロープラグとして機能する温度にまで発熱することのできる部位であり、通常、抵抗体30の最高発熱部55が埋設されている、基体先端部80の外周面に相当する。
グロープラグ20は、以下のようにして、製造される。すなわち、セラミックヒータ1にその基体60の少なくとも基体先端部80が突出するように外筒90と電極円筒体91とを圧入した後、この電極円筒体91と中軸94とにNi線を溶接し、これらを電気的に接続する。次いで、これらを主体金具93の先端に圧入して溶接し、絶縁部材95、絶縁係止部材96及びかしめ部材97で中軸94を主体金具93に固定して、グロープラグを製造することができる。
この発明に係るグロープラグは、この発明に係るセラミックヒータを備えているから、高い水準の速熱性、低消費電力及び耐久性を発揮する。特に、この発明に係るグロープラグが、さらに、前記条件(12)及び(13)の少なくとも1つを満足するセラミックヒータを備えていると、より一層高い水準の速熱性、低消費電力及び耐久性を発揮することができる。
この発明に係るグロープラグは、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
(セラミックヒータの作製)
平均粒径0.7μmのWC、平均粒径1.0μmの窒化珪素及び焼結助剤としてのErをボールミル中で40時間湿式混合して抵抗体形成用混合粉末を得た(この混合粉末中のWCの含有率は27体積%(63質量%)〜32体積%(70質量%)の間で調整し、焼成後にセラミックヒータとして室温抵抗値が約400mΩとなるようにした)。この抵抗体形成用混合粉末をスプレードライ法により乾燥させ、造粒粉末を作製した後、バインダを40〜60体積%の割合となるように添加して、混練ニーダ中で10時間混合した。その後、得られた混合物をペレタイザで約3mmの大きさに造粒した。実施例1〜6及び比較例1の中間部を形成することのできる金型を備えた射出成形機にこの造粒物を入れて射出成形し、前記条件を満たす発熱部となる未焼成発熱部を有する未焼成抵抗体を得た。
一方、平均粒径0.6μmの窒化珪素、焼結助剤としてのEr、並びに、熱膨張調整剤としてのCrSi、WSi及びSiCをボールミル中で湿式混合し、バインダを加えた後、スプレードライ法により乾燥させ、基体を形成するための基体形成用混合粉末を得た。
次いで、未焼成抵抗体を基体形成用混合粉末中に埋設してプレス成形を行い、セラミックヒータとなる成形体を得た。この成形体を800℃の窒素雰囲気中で1時間の脱脂仮焼を行い、次いで、ホットプレス法により、0.1MPaの窒素雰囲気下で、1780℃、加圧力30MPaで90分間かけて焼結し、焼結体を得た。得られた焼結体を直径3.3mmの略円筒状に研磨すると共に、所望により基体先端部80をテーパ加工、研磨加工又はR研磨加工して、各セラミックヒータを作製した。
実施例1のセラミックヒータ(全長が42mm)は、図1〜図4に示されたセラミックヒータ1と同様の形状を有し、以下の寸法を有していた。
・発熱部33の軸線C方向長さLhが7mm
・中間部40の軸線C方向長さが7mm、前記直径差dCh−dChが1.7mm、前記直径差dIh−dIhが0.4mm
・抵抗体30における最高発熱部55の断面積が0.40mm
・最高発熱部55のリード部31に対する断面積比が1/9.3
・発熱先端部50の位置は基体先端部80の外表面から0.5mm
・一対のリード部31,31の間隔が0.6mm
・基体先端部80の軸線C方向長さが7mm、前記直径差DCb−DCbが1.8mm、肉厚が0.5mm
・角度θaが11°、角度θbが11°、角度θcが8°
実施例2のセラミックヒータは、セラミックヒータ7と同様の形状を有し、
・中間部40における前記直径差dCh−dChが1.9mm、前記直径差dIh−dIhが0.3mm、
・抵抗体30における最高発熱部55の断面積が0.06mm2、
・最高発熱部55のリード部31に対する断面積比が1/59、
・発熱先端部50の位置は基体先端部80の外表面から0.3mm、
・基体先端部80における前記直径差DCb−DCbが2.5mm、肉厚が0.3mm
・角度θaが12°、角度θbが11°、角度θcが1°であること以外は、実施例1のセラミックヒータ1と同じ寸法を有していた。
実施例3のセラミックヒータは、図5(a)に示されたセラミックヒータ2と同様の形状を有し、
・中間部41における前記直径差dCh−dChが1.3mm、前記直径差dIh−dIhが0mm、
・一対のリード部31,31の間隔が0.4mm、
・基体先端部80における前記直径差DCb−DCbが1.2mm、
・角度θaが6°、角度θbが6°、角度θcが0°であること以外は、実施例1のセラミックヒータ1と同じ寸法を有していた。
実施例4のセラミックヒータは、図6(b)に示されたセラミックヒータ10と同様の形状を有し、
・中間部40における前記直径差dCh−dChが1.6mm、前記直径差dIh−dIhが0.2mm、
・基体先端部86における前記直径差DCb−DCbが1.8mm、
・角度θaが11°、角度θbが7.5°、角度θcが1°であること以外は、実施例3のセラミックヒータ2と同じ寸法を有していた。
実施例5のセラミックヒータは、図6(b)に示されたセラミックヒータ8と同様の形状を有し、
・基体先端部87における前記直径差DCb−DCbが1.6mm、
・角度θaが7.5°、角度θbが7.5°、角度θcが1°であること以外は、実施例4のセラミックヒータ10と同じ寸法を有していた。
実施例6のセラミックヒータは、図6(c)に示されたセラミックヒータ9と同様の形状を有し、
・基体先端部85における前記直径差DCb−DCbが0.6mm、
・角度θaが3.5°、角度θbが7.5°、角度θcが1°であること以外は、実施例4のセラミックヒータ10と同じ寸法を有していた。
比較例1のセラミックヒータ(全長42mm)は、図9(a)に示されたセラミックヒータ14と同様の形状を有し、
・中間部44における前記直径差dCh−dChが0.7mm、仮想内接円IChの直径dIhが先端に向かって増大(前記直径差dIh−dIhが0.6mm)し、
・基体先端部85における前記直径差DCh−DChが0.7mmであること以外は、実施例5のセラミックヒータ8と同じ寸法を有していた。
比較例2のセラミックヒータ(全長42mm)は、図9(b)に示されたセラミックヒータ15と同様の形状を有し、以下の寸法を有していた。
・発熱部54の軸線C方向長さLhが7mm
・中間部49の軸線C方向長さが7mm、前記直径差dCh−dChは0mm、前記直径差dIh−dIhが1.0mm(仮想内接円IChの直径dIhが先端に向かって増大)
・発熱先端部53における最高発熱部55の断面積が1.1mm
・最高発熱部55のリード部31に対する断面積比が1/2.8
・発熱先端部53の位置は基体先端部の外表面から1mm
・一対のリード部31,31の間隔が0.4mm
・基体が同径部73で形成され、その先端部が半球状に形成されている。
(グロープラグの製造)
このようにして作製したセラミックヒータそれぞれに、その基体の少なくとも基体先端部が突出するように外筒90と電極円筒体91とを圧入した後、この電極円筒体91と中軸94とにNi線を溶接し、これらを電気的に接続した。これらを主体金具93の先端に圧入して溶接した。次いで、絶縁部材95、絶縁係止部材96及びかしめ部材97で中軸94を主体金具93に固定して、実施例1〜6及び比較例1のグロープラグを製造した。
(グロープラグの飽和温度、消費電力及び1000℃到達時間の測定)
これらのグロープラグの飽和温度、消費電力及び1000℃到達時間を測定するのに図10に示す装置を用いた。図10に示される装置は、コントローラ100と、コントローラ100に接続された直流電源101と、直流電源101に接続されたオシロスコープ105と、オシロスコープ105に接続された放射温度計104及びパーソナルコンピュータ106と、直流電源101から延在する導線とを備えている。なお、装置の詳細を図11に示した。
実施例1〜6、比較例1及び2のグロープラグ及び図10に示す装置を用いて、以下の方法で、飽和温度及び消費電力を測定した。すなわち、この装置の導線に各グロープラグを接続し、コントローラ100で印加電圧を設定して直流電源101を制御し、グロープラグ20に印加される電圧を制御した。そして、カメラ102及び本体103からなる放射温度計104にて、グロープラグのセラミックヒータにおける表面最高温度を測定し、測定された表面最高温度を飽和温度とした(放射率0.935)。
さらに、オシロスコープ105で、直流電源101から印加される印加電圧及び電流をモニターすると共に、放射温度計104でセラミックヒータの表面温度として測定される測定温度をモニターした。このオシロスコープ105は、印加電圧をトリガーとして、測定温度、印加電圧及び電流のデータを同期して記録することができる。このようにして得られたデータを例えばパーソナルコンピュータ106で編集し、飽和温度が1200℃のときの消費電力を算出した。飽和温度が1200℃となる直流電圧をグロープラグに印加したときのセラミックヒータの外周面における最高発熱部の温度を測定して、1000℃到達時間を測定し、1000℃到達時間として、速熱性を評価した。その結果を第1表に示す。
また、実施例1、2、比較例1、2のグロープラグについて、前記セラミックヒータの外周面における最高発熱部21の温度の経過時間に対する変化を示したグラフを図12に示す。
(グロープラグの通電耐久性試験)
実施例1〜6、比較例1及び2のグロープラグを用いて通電耐久性試験を行った。通電耐久性試験の試験温度は印加電圧を調整して耐熱性の限界温度である1350℃とした。グロープラグへの通電は、1分間の通電と30秒の通電停止(この間、圧縮エアーにて強制冷却)とを1サイクルとして、繰り返し行った。通電サイクル数は100000サイクルを上限とし、室温抵抗値が10%以上変化した場合はその時点で試験を終了した。なお、グロープラグの室温抵抗値は、20℃下の、セラミックヒータの基体外周面に露出した2つの電極取出部間における電気抵抗値であり、定法に従って測定した。結果を第1表に示す。
Figure 2009224317
第1表に示された結果から明らかなように、抵抗体が前記条件(1)〜(3)及び(9)を満たす一対の中間部を有する発熱部を備えている実施例1〜6のグロープラグは、優れた速熱性を持ち消費電力を低減することができると共に耐久性にも優れていた。
通常、速熱性を高めるためには、2種類の導電材を用いる、もしくは室温抵抗値を300mΩ以下まで下げる必要があるが、実施例1〜6のグロープラグは、1種類の導電材を用い、室温抵抗値を400mΩ前後と300mΩを大きく超えたものとしても、1200℃に飽和する低めの直流電圧を印加したときには3.5秒以内で1000℃に到達した。室温抵抗値を300mΩ以下に下げることなく速熱性を得られたことから、始動時の突入電流を抑制することができることに加えて、特に高い電圧を印加しなくとも速熱性が得られたことから、コントローラがなくても、十分早い速熱性が得られることが確認された。もちろん、この結果はコントローラを使用することを妨げるものではない。
特に、前記条件(1)〜(3)、(9)、(12)及び(13)すべてを満たしている実施例1〜5は、より優れた速熱性を持ち消費電力をより一層低減することができると共に耐久性にも優れていた。
これに対して、前記条件(1)〜(3)及び(9)を共に満たしていない比較例1及び2は、それぞれ47W及び62Wもの消費電力を要し、速熱性試験の結果も実施例に比べて優れなかった。比較例1においては、比較例2と比較して若干消費電力は低くなり、速熱性も早くなるものの、十分な消費電力と、優れた速熱性は得られなかった。
図1は、この発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを示す概略斜視図である。 図2は、この発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを示す、軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの概略断面図である。 図3は、この発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを示す拡大断面図であり、図3(a)はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図3(b)はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを、軸線C及び軸線Jを含む平面に垂直な平面で切断したときの拡大断面図であり、図3(c)はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを、軸線Cに直交する任意の平面Pで切断したときの断面CPを示す断面図であり、図3(d)はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの、軸線Cと基体先端部の輪郭線とのなす角θa、軸線Cと中間部の外側の輪郭線とのなす角θb、軸線Cと中間部の内側の輪郭線とのなす角θcを示す概略説明図である。 図4は、この発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを平面Pで切断したときの断面CPを示す断面図であり、図4(a)はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを平面Pで切断したときの断面CPを示す断面図であり、図4(b)はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを平面Pで切断したときの断面CPを示す断面図であり、図4(c)はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例のセラミックヒータを平面Pで切断したときの断面CPを示す断面図である。 図5は、この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータを示す拡大断面図であり、図5(a)はこの発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図5(b)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図5(c)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるさらに別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図5(d)はこの発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図5(e)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図である。 図6は、この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータを示す拡大断面図であり、図6(a)はこの発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図6(b)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図6(c)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるさらに別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図6(d)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図である。 図7は、この発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータを示す拡大断面図であり、図7(a)はこの発明に係るセラミックヒータにおける別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図7(b)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるまた別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図7(c)はこの発明に係るセラミックヒータにおけるさらにまた別の一実施例のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図である。 図8は、この発明に係るグロープラグの一実施例のグロープラグを示す概略断面図である。 図9は、従来のセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図9(a)は従来のセラミックヒータの一例を示すセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図であり、図9(b)は従来のセラミックヒータの別の一例を示すセラミックヒータを軸線C及び軸線Jを含む平面で切断したときの拡大断面図である。 図10は、グロープラグの飽和温度及び消費電力を測定するのに用いた装置の概略を説明する説明図である。 図11は、グロープラグの飽和温度及び消費電力を測定するのに用いた装置詳細を説明する説明図である。 図12は、セラミックヒータの外周面における最高発熱部の温度と時間の関係を示すグラフである。
符号の説明
1〜14 セラミックヒータ
20 グロープラグ
21、55 最高発熱部
30 抵抗体
31 リード部
31b 接続部
31c リード線
32〜39、54 発熱部
40〜49 中間部
50〜53 発熱先端部
57 断面部
59 垂直空間部
60 基体
70〜73 同径部
75 後端面
77、78 電極取出部
80〜86 基体先端部
87 基体断面部
90 外筒
91 電極円筒体
92 導線
93 主体金具
94 中軸
95 絶縁部材
96 絶縁係止部材
97 かしめ部材
98 雄ねじ部
99 工具係合部
100 コントローラ
101 直流電源
102 カメラ
103 本体
104 放射温度計
105 オシロスコープ
106 パーソナルコンピュータ
C、J 軸線
P、P、P、P 平面
CP、CP、CP、CP 断面
CCh、CCh、CCh、CCh 仮想外接円
dCh、dCh、dCh、dCh、dCh、dCh 仮想外接円の直径
SCh、SCh、SCh、SCh 仮想外接円の断面積
ICh、ICh、ICh、ICh 仮想内接円
dIh、dIh、dIh、dIh、dIh、dIh 仮想内接円の直径
SIh、SIh、SIh、SIh 仮想内接円の断面積
CCb、CCb、CCb、CCb 仮想外接円
DCb、DCb、DCb、DCb、DCb、DCb 仮想外接円の直径

Claims (3)

  1. 絶縁性セラミックで形成された基体に導電性セラミックで形成された抵抗体が埋設されてなり、前記抵抗体は前記基体の軸線方向に延在する一対のリード部と、前記一対のリード部それぞれの先端部から前記軸線方向に延在し、その先端部同士が連結して形成される一個の発熱部とを有するセラミックヒータであって、
    前記発熱部は一対の中間部を有し、前記一対の中間部は以下の条件(1)〜(3)を満たし、前記基体は基体先端部を有し、前記基体先端部は以下の条件(9)を満たしていることを特徴とするセラミックヒータ。
    (1)前記軸線に直交する平面で切断してなる一対の断面部それぞれを形成する輪郭線それぞれに接すると共に前記一対の断面部を内部に包含する仮想外接円の直径が前記発熱部の先端に向かって減少すること
    (2)前記一対の断面部の合計断面積が前記発熱部の先端に向かって減少すること
    (3)前記輪郭線それぞれに接すると共に前記一対の断面部に挟まれる仮想内接円の直径が、前記発熱部の先端に向かって、一定であること、又は、減少すること
    (9)前記平面で切断してなる基体断面部を形成する輪郭線に接すると共に前記基体断面部を内部に包含する仮想外接円の直径が前記基体の先端に向かって減少すること
  2. 前記基体先端部と前記一対の中間部とは、以下の条件(12)及び(13)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
    (12)前記基体の軸線と前記一対の中間部それぞれの軸線とを含む平面で切断したときに、前記基体先端部の輪郭線、前記一対の中間部それぞれの外側の輪郭線、及び前記一対の中間部それぞれの内側の輪郭線が直線状であり、前記基体先端部の輪郭線同士の距離、前記一対の中間部それぞれの外側の輪郭線同士の距離、及び前記一対の中間部それぞれの内側の輪郭線同士の距離が前記発熱部の先端に向かって減少すること
    (13)前記基体の軸線と前記一対の中間部それぞれの軸線とを含む平面で切断したときに、前記基体の軸線と前記基体先端部の輪郭線とのなす角をθa、前記基体の軸線と前記一対の中間部の外側の輪郭線とのなす角をθb、前記基体の軸線と前記一対の中間部の内側の輪郭線とのなす角をθcとすると、θa≧θb>θcを満たすこと
  3. 請求項1又は2に記載のセラミックヒータを備えてなるグロープラグ。
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