JP5944815B2 - ヒータおよびこれを備えたグロープラグ - Google Patents

ヒータおよびこれを備えたグロープラグ Download PDF

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本発明は、例えば燃焼式車載暖房装置における点火用若しくは炎検知用のヒータ、石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用のヒータ、自動車エンジンのグロープラグ用のヒータ、酸素センサ等の各種センサ用のヒータ、測定機器の加熱用のヒータ等に利用されるヒータおよびこれを備えたグロープラグに関するものである。
自動車エンジンのグロープラグ等に用いられるヒータは、発熱部を有する抵抗体、抵抗体に接続されたリード、および抵抗体とリードとが埋設された絶縁基体で構成されている。そして、リードの抵抗値が抵抗体の抵抗値よりも小さくなるように、これらの材料の選定や形状設計がされている。
ここで、抵抗体とリードとの接続部は、異なる形状をもった抵抗体とリードとを接続する形状変化点であったり材料組成が異なる抵抗体とリードとを接続する材料組成変化点であったりするので、抵抗体、リードおよび絶縁基体の熱膨張の差に起因した発熱時や冷却時の熱応力の影響を低減するように接合面積を大きくする等の工夫がされている。例えばリード4の軸方向に平行な断面で視たときに抵抗体3とリード4との境界面が一対の接合部において対称に斜めになっているものが知られている(特許文献1,2を参照)。
特開2002−334768号公報 特開2003−22889号公報
近年、従来よりも立ち上がりが急峻で高い電圧の電力が、ヒータに導入されるようになってきた。高燃費エンジンや燃焼システムの技術開発が進み、アイドリングストップやリーンバーンエンジン等の技術進化から、従来は始動時に用いられていたグロープラグによる点火駆動は、アイドリングストップに対応するため、一時停車の度に駆動されて駆動回数が格段に増加し、燃費が向上したエンジンではエンジン温度が低下するため、エンジンが駆動中であっても頻繁に点火駆動して燃焼制御をするアフターグローの技術が採用される、等のグロープラグを使用する環境が大きく変化してきた。即ち、アイドリングストップに対応するため更に高速な昇温が要求されたり、低温化したエンジンの燃焼状態を最適化したりするために、車載ECUからの制御信号がパルス化され、パルスのデューティ比で温度が制御されたヒータで燃焼させる等の方法がとられるようになってきている。ここで、パルスとしてはICを用いた低ロスな制御による矩形波電圧が多く用いられている。
このような駆動方法では、矩形波電圧の立ち上がり時に電流がオーバーシュートして、高周波成分を含んだ高電力がヒータに突入してくる課題が顕著になっている。即ち、従来の設計によるヒータでは、パルス電圧が立ち上った瞬間に電流のオーバーシュートが起こり、抵抗体の発熱部が急激に発熱して発熱部近辺の絶縁基体に瞬間的に発生する引張応力によって絶縁基体と抵抗体との間にマイクロクラックが入るおそれがある。さらに、アイドリングストップやアフターグロー対応の駆動のための頻繁なパルス電圧投入により、従来よりも短時間でクラックが伸展してヒータの抵抗値が変化し、ヒータの破壊に至るおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、パルス電圧によるヒータ駆動の際に抵抗体にオーバーシュートした高周波の高電流が突入することを防ぎ、抵抗体の発熱部にマイクロクラックが生じるのを抑制された高い信頼性を有するヒータおよびこれを備えたグロープラグを提供することである。
本発明のヒータは、絶縁基体と、該絶縁基体に埋設された抵抗体と、前記絶縁基体に埋設され、前記抵抗体の一端に接続されたリードとを備えたヒータであって、前記抵抗体と前記リードとの接合部には、前記抵抗体および前記リードよりも高い比抵抗を持つ接合層が介在しており、前記抵抗体、前記リードおよび前記接合層に前記絶縁基体の主成分が含まれていて、前記接合層における前記絶縁基体の主成分の含有量が前記抵抗体および前記リードよりも多いことを特徴とする。
また、本発明のヒータは、上記の構成において、前記抵抗体が折返し形状をなしているとともに、前記抵抗体の両端に前記リードがそれぞれ接合されていて、それぞれの接合部に前記接合層が介在していることを特徴とする。
また本発明は、上記のいずれかに記載のヒータと、前記リードと電気的に接続されて前記ヒータを保持する金属製保持部材とを備えたことを特徴とするグロープラグである。
本発明のヒータによれば、接合層の抵抗障壁によってパルス電圧の立ち上り時に抵抗体に瞬間的に流れ込む電流のオーバーシュートが低減される。これによって発熱部が急激に発熱することに起因するマイクロクラックの発生が抑制され、長期間にわたって安定した抵抗値とすることができ、ヒータの信頼性および耐久性が向上する。
本発明のヒータの実施の形態の一例を示す縦断面図である。 (a)は図1に示す抵抗体とリードとの接合部を含む領域Aを拡大した拡大断面図であり、(b)は(a)に示すX−X線で切断した横断面図である。 本発明のヒータの実施の形態の他の例を示す縦断面図である。 (a)は図3に示す抵抗体とリードとの接合部を含む領域Aを拡大した拡大断面図であり、(b)は(a)に示すX−X線で切断した横断面図である。 (a)は図2(b)の他の例を示す横断面図であり、(b)は図4(b)の他の例を示す横断面図である。 本発明のグロープラグの実施の形態の一例を示す縦断面図である。
以下、本発明のヒータについて実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明のヒータの実施の形態の一例を示す縦断面図であり、図2(a)は図1に示す抵抗体とリードとの接合部を含む領域Aを拡大した拡大断面図、図2(b)は図2(a)に示すX−X線で切断した横断面図である。
本実施の形態のヒータ1は、絶縁基体2と、絶縁基体2に埋設された抵抗体3と、絶縁基体2に埋設され、抵抗体3の一端に接続されたリード4とを備え、抵抗体3とリード4との接合部には、抵抗体3およびリード4よりも高い比抵抗を持つ接合層5が介在してい
る。
本実施の形態のヒータ1における絶縁基体2は、例えば棒状に形成されたものである。この絶縁基体2は抵抗体3およびリード4を被覆しており、言い換えると、抵抗体3およびリード4が絶縁基体2に埋設されている。ここで、絶縁基体2はセラミックスからなることが好ましく、これにより、金属よりも高温まで耐えることができるようになるので、急速昇温時の信頼性がより向上したヒータ1を提供することが可能になる。具体的には、酸化物セラミックス,窒化物セラミックス,炭化物セラミックス等の電気的な絶縁性を有するセラミックスが挙げられる。特に、絶縁基体2は、窒化珪素質セラミックスからなることが好適である。窒化珪素質セラミックスは、主成分である窒化珪素が高温高強度、高靱性、高絶縁性および高熱伝導性の観点で優れているからである。この窒化珪素質セラミックスは、例えば、主成分の窒化珪素に対して、焼結助剤として3〜12質量%のY,Yb,Er等の希土類元素酸化物、0.5〜3質量%のAl、さらに焼結体に含まれるSiO量として1.5〜5質量%となるようにSiOを混合し、所定の形状に成型し、その後、例えば1650〜1780℃でホットプレス焼成することにより得ることができる。
また、絶縁基体2として窒化珪素質セラミックスから成るものを用いる場合、MoSi,WSi等を混合し分散させることが好ましい。この場合、母材である窒化珪素質セラミックスの熱膨張率を抵抗体3の熱膨張率に近づけることができ、ヒータ1の耐久性を向上させることができる。
絶縁基体2に埋設された抵抗体3は、特に発熱する領域である発熱部31を有している。例えば、一部断面積を小さくした領域やらせん形状の領域を設けることで、この領域を発熱部31とすることができる。なお、図1および図2に示す実施形態は、抵抗体3が直線形状であり、抵抗体3の一端がリード4と電気的に接続されるとともに、抵抗体3の他端が絶縁基体2の表面を覆うように設けられた表面導体21と電気的に接続されている。この表面導体21は、後述するような導電性セラミックスで形成することができる。
抵抗体3としては、W,Mo,Tiなどの炭化物、窒化物、珪化物などを主成分とするものを使用することができる。絶縁基体2が上述の窒化珪素質セラミックスの場合、絶縁基体2との熱膨張率の差が小さい点、高い耐熱性を有する点および比抵抗が低い点で、上記の材料のなかでも炭化タングステン(WC)が抵抗体3の材料として優れている。さらに、絶縁基体2が窒化珪素質セラミックスからなる場合、抵抗体3は、無機導電体のWCを主成分とし、これに添加される窒化珪素の含有率が20質量%以上であるものが好ましい。例えば、窒化珪素質セラミックスから成る絶縁基体2中において、抵抗体3となる導体成分は窒化珪素と比較して熱膨張率が大きいため、駆動状態において絶縁基体2は引張応力がかかった状態にある。これに対して、抵抗体3中に窒化珪素を添加することにより、抵抗体3の熱膨張率を絶縁基体2の熱膨張率に近づけて、ヒータ1の昇温時および降温時の熱膨張率の差による応力を緩和することができる。
また、抵抗体3に含まれる窒化珪素の含有量が40質量%以下であるときには、抵抗体3の抵抗値を比較的低くして安定させることができる。従って、抵抗体3に含まれる窒化珪素の含有量は20質量%〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは、窒化珪素の含有量は25質量%〜35質量%がよい。また、抵抗体3への同様の添加物として、窒化珪素の代わりに窒化硼素を4質量%〜12質量%添加することもできる。
また、抵抗体3の厚みは0.5mm〜1.5mm程度がよく、抵抗体3の幅は0.3mm〜1.3mm程度がよい。この範囲内とすることにより、抵抗体3の抵抗が小さくなって効率良く発熱するものとなり、また、積層構造とした場合の絶縁基体2の積層界面の密
着性を保持することができる。
抵抗体3に接続されるリード4は、W,Mo,Tiなどの炭化物、窒化物、珪化物などを主成分とする抵抗体3と同様の材料を使用することができる。特に、WCが、絶縁基体2との熱膨張率の差が小さい点、高い耐熱性を有する点および比抵抗が低い点で、リード4の材料として好適である。また、絶縁基体2が窒化珪素質セラミックスからなる場合、リード4は、無機導電体であるWCを主成分とし、これに窒化珪素を含有量が15質量%以上となるように添加することが好ましい。窒化珪素の含有量が増すにつれてリード4の熱膨張率を絶縁基体2の熱膨張率に近づけることができる。また、窒化珪素の含有量が40質量%以下であるときには、リード4の抵抗値が低く抑えられるとともに抵抗値のばらつきを抑えて安定化する。従って、窒化珪素の含有量は15質量%〜40質量%が好ましい。より好ましくは、窒化珪素の含有量は20質量%〜35質量%とするのがよい。なお、リード4は、絶縁基体2の形成材料の含有量を抵抗体3よりも少なくすることによって抵抗体3よりも単位長さ当たりの抵抗値が低くなっていてもよく、抵抗体3よりも断面積を大きくすることによって抵抗体3よりも単位長さ当たりの抵抗値が低くなっていてもよい。
そして、図2に示すように、抵抗体3とリード4との接合部には、抵抗体3及びリード4よりも高い比抵抗を持つ接合層5が介在している。
抵抗体3とリード4との接合部における接合層5は、抵抗体3およびリード4間の導体線路の単位面積当たりの抵抗値が急激に増大している層であり、高周波電流のオーバーシュートに対する障壁になる。これにより、発熱部31の発熱立ち上がりを遅らせて瞬間的な熱応力を低減することができ、発熱部31が急激に発熱することに起因するマイクロクラックの発生が抑制され、長期間にわたって安定した抵抗値とすることができ、ヒータ1の信頼性および耐久性が向上する。
ここで、接合層5としては、W,Mo,Tiなどの炭化物、窒化物、珪化物などを主成分とする抵抗体3と同様の材料にてその比抵抗を抵抗体3よりも高くしたものを使用することができる。例えば、絶縁基体2が窒化珪素質セラミックスからなる場合、接合層5は、無機導電体であるWCを主成分とし、これに窒化珪素の含有量が35質量%以上となるように添加することが好ましい。また、窒化珪素の含有量が50質量%を超えると抵抗値のばらつきが急激に大きくなる。従って、窒化珪素の含有量は35質量%〜45質量%が好ましい。低いばらつきで接合層5の抵抗値を高くするためには、比抵抗の高いWC以外のMo,Tiなどの炭化物、窒化物、珪化物などを主成分とする無機導電体を用いて窒化珪素質セラミックス等の含有量を低く抑える手法や、窒化珪素質セラミックス等の無機含有物の粒径を小さくする等の手法を用いてもよい。また、不純物などを多く含ませることでもよい。
なお、リード4の比抵抗が1Ω・μm〜4Ω・μm、抵抗体3の比抵抗が6Ω・μm〜10Ω・μmであってリード4よりも高くなっている場合に、接合層5の比抵抗が抵抗体3の1.05倍〜1.5倍になっているのが効果的である。
また、抵抗体3、リード4および接合層5に同じ絶縁材料(誘電体成分)が含まれていて、当該同じ絶縁材料(誘電体成分)の含有量が接合層5において抵抗体3およびリード4よりも多くなっていることで、容易に比抵抗の差を調整することができる。特に、抵抗体3、リード4および接合層5に含まれる同じ絶縁材料(誘電体成分)が、絶縁基体2の主成分である場合には、熱膨張率の調整に合わせて比抵抗の差を調整することもできる。
また、接合層5の厚みは、オーバーシュートする電流が流れる時間間隔と接合層5の抵
抗値を考慮し、0.5μm〜20μmが好ましい。比抵抗が高いほど接合層5の厚みは薄くするのが望ましい。接合層5は薄いことから、発熱をしたとしても抵抗体3及びリード4を通して効果的に熱拡散がされること、抵抗体3に比べて剛性が低いために熱膨張係数の差による熱応力が低く抑えられること等から、上記のWC等と窒化珪素とを主体とした構成以外の金属酸化物や窒化物を主体とした構成でも可能である。
さらに、本発明のヒータの実施の形態の他の例として、図3に示すように、絶縁基体2に埋設された抵抗体3が折返し形状をなしているとともに、抵抗体3とリード4との接合部が二つあって、当該それぞれの接合部に接合層5が介在しているヒータ1でもよい。なお、図3は本発明のヒータの実施の形態の他の例を示す縦断面図であり、図4(a)は図3に示す抵抗体とリードとの接合部を含む領域Aを拡大した拡大断面図、図4(b)は図4(a)に示すX−X線で切断した横断面図である。
図3および図4に示す例のヒータ1は、折返しの中間点付近が最も発熱する発熱部31となる。このヒータ1は、一端(先端)で抵抗体3の両端にそれぞれ接続されるとともに他端(後端)で絶縁基体2の表面に導出された一対のリード4を備えている。図1および図2に示す例と同じ構成部品は同様の材料からなるものである。
そして、図4に示すように、抵抗体3と一対のリード4との二つの接合部には、抵抗体3およびリード4よりも高い比抵抗を持つ接合層5が介在していて、抵抗体3及びリード4よりも高い比抵抗を持つ接合層5を介して抵抗体3と一対のリード4が接合された構造になっている。接合層5が高周波電流のオーバーシュートに対する障壁となり、発熱部31の発熱立ち上がりを遅らせて瞬間的な熱応力を低減することができる。したがって、発熱部31が急激に発熱することに起因するマイクロクラックの発生が抑制され、長期間にわたって安定した抵抗値とすることができ、ヒータ1の信頼性および耐久性が向上する。
さらに、接合層5の厚みを維持して単位面積当たりの抵抗値を維持したままで、接合層5の抵抗値を下げる目的で接合部の接合面積を広げることも効果的である。例えば、図2(a)および図4(a)に示すように、抵抗体3の端面、リード4の端面および接合層5を電流の流れる方向に垂直な面に対して傾斜する(電流の進行方向に対して傾斜する)形状としてもよい。また、図2(a)および図4(a)におけるX−X線で切断した横断面図においては、抵抗体3の端面、リード4の端面および接合層5がストレート形状(一直線)になっているが、図5(a)および図5(b)に示すように、横断面で見て抵抗体3の端面、リード4の端面および接合層5がストレート形状ではなく凹凸形状となっていてもよい。このような構成とすることにより、接合部の接合面積を広くすることができ、高周波電流のオーバーシュートに対する散乱障壁としての効果を大きくすることができる。
さらに、図示しないが、抵抗体3の両端を接合層5およびリード4で覆うように接続した構造であってもよい。
また、本実施の形態のヒータ1は、図6に示すように、上記の構成のいずれかに記載のヒータ1と、リード4の端子部(図示せず)と電気的に接続されてヒータ1を保持する金属製保持部材とを備えたグロープラグとして使用することが好ましい。具体的には、ヒータ1は、棒状の絶縁基体2の内部に、折返し形状をなした抵抗体3が埋設されているとともに一対のリード4が抵抗体3の両端部にそれぞれ電気的に接続されて埋設されていて、一方のリード4に電気的に接続された金属製保持部材6(シース金具)と、他方のリード4に電気的に接続されたワイヤとを備えたグロープラグとして使用することが好ましい。
なお、金属製保持部材6(シース金具)は、ヒータ1を保持する金属製の筒状体であり、絶縁基体2の側面に引き出された一方のリード4にロウ材などで接合される。また、ワ
イヤは、他方の絶縁基体2の後端に引き出された他方のリード4にロウ材などで接合される。これにより、高温のエンジン中でON/OFFが繰り返されながら長期使用しても、ヒータ1の抵抗が変化しないので、着火性に優れた信頼性の高いグロープラグを提供できる。
次に、本実施の形態のヒータ1の製造方法について説明する。
本実施の形態のヒータ1は、例えば、抵抗体3、リード4および絶縁基体2の形状の金型を用いた射出成形法等によって形成することができる。
まず、導電性セラミック粉末,樹脂バインダー等を含む、抵抗体3およびリード4となる導電性ペーストを作製するとともに、絶縁性セラミック粉末,樹脂バインダー等を含む絶縁基体2となるセラミックペーストを作製する。
次に、導電性ペーストを抵抗体成形用金型内に射出成形することによって抵抗体3となる所定パターンの導電性ペーストの成形体(成形体a)を形成する。このとき、成形体aの端部の形状を例えば電流の流れる方向に垂直な面に対して傾斜する(電流の進行方向に対して傾斜する)ように成形することで、接合部の形状を形成することができる。
次に、接合部となる成形体aの端部を、抵抗体3及びリード4よりも高い比抵抗になるように調合された導電性ペーストにディッピングすることにより、接合層5を形成する。なお、図では抵抗体3とリード4との界面のみに接合層5が形成された形状が示されているが、ディッピングにより抵抗体3の側周面にも接合層5と同じ材料が形成されていてもよい。
次に、この接合層5を形成した成形体aをリード成形用金型内に保持した状態で、導電性ペーストをリード成形用金型内に充填してリード4となる所定パターンの導電性ペーストの成形体(成形体b)を形成する。これにより、成形体aと、この成形体aに接続された成形体bとが、リード成形用金型内に保持された状態となる。
次に、絶縁基体成形用金型内に成形体aおよび成形体bを保持した状態で、絶縁基体成形用金型の一部を絶縁基体2の成形用のものに取り替えた後、絶縁基体成形用金型内に絶縁基体2となるセラミックペーストを充填する。これにより、成形体aおよび成形体bがセラミックペーストの成形体(成形体c)で覆われたヒータ1の成形体(成形体d)が得られる。
次に、得られた成形体dを例えば1650℃〜1780℃の温度、30MPa〜50MPaの圧力で焼成することにより、ヒータ1を作製することができる。なお、焼成は水素ガス等の非酸化性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。
本発明の実施例のヒータを以下のようにして作製した。
まず、炭化タングステン(WC)粉末を50質量%、窒化珪素(Si)粉末を35質量%、樹脂バインダーを15質量%含む導電性ペーストを、金型内に射出成形して抵抗体となる成形体aを作製した。
次に、成形体aの端部の接合部に相当する部分に、接合層5となる接合層用導電性ペースト(炭化タングステン(WC)粉末を45質量%、窒化珪素(Si)粉末を40質量%)にディッピングした。
次に、この成形体aを金型内に保持した状態で、リード用導電性ペースト(炭化タングステン(WC)粉末を55質量%、窒化珪素(Si)粉末を30質量%)を金型内に充填することにより、成形体aと接続させてリードとなる成形体bを形成した。
このとき、表1に示すように、種々の形状を有する金型を用いて、4種の形状の抵抗体とリードとの接合部を形成した。
次に、成形体aおよび成形体bを金型内に保持した状態で、窒化珪素(Si)粉末を85質量%、焼結助剤としてのイッテリビウム(Yb)の酸化物(Yb)を10質量%、抵抗体およびリードに熱膨張率を近づけるための炭化タングステン(WC)を5質量%含むセラミックペーストを、金型内に射出成形した。これにより、絶縁基体となる成形体c中に成形体aおよび成形体bが埋設された構成の成形体dを形成した。
次に、得られた成形体dを円筒状の炭素製の型に入れた後、窒素ガスから成る非酸化性ガス雰囲気中で、1700℃、35MPaの圧力でホットプレスを行ない焼結してヒータを作製した。得られた焼結体の表面に露出したリード端部(端子部)に筒状の金属製保持部材(シース金具)をロウ付けしてグロープラグを作製した。
なお、焼成後のリードの比抵抗は3Ω・μm、抵抗体の比抵抗は8Ω・μm、接合層の比抵抗は9Ω・μmである。
このグロープラグの電極にパルスパターンジェネレータを接続し、印加電圧7V、パルス幅10μs、パルス間隔1μsの矩形パルスを連続通電した。1000時間経過後、通電前後の抵抗値の変化率((通電後の抵抗値−通電前の抵抗値)/通電前の抵抗値)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005944815
表1に示すように、比較例である試料番号1のヒータについて、オシロスコープを用いてヒータに流れる電流波形を確認したところ、パルス電圧の立ち上がり直後に急峻に電流が立ち上り、オーバーシュートした。安定電流に到達するまで約1μsを要した。このことから、試料番号1のヒータでは、発熱部に瞬間的な発熱が生じたものと考えられる。
さらに、試料番号1の通電前後の抵抗変化は45%と非常に大きくなったため、パルス通電後、走査型電子顕微鏡で試料番号1の発熱部を観察したところ、発熱部にマイクロクラックが生じていることを確認した。
一方、本発明実施例である試料番号2〜4のヒータについても、オシロスコープを用いてヒータに流れる電流波形を確認したところ、オーバーシュートせず、入力パルス電圧に対し立ち上がりが遅れた波形となった。これは、リードと抵抗体との接合部に介在している接合層が高周波電流に対する障壁としての効果が影響していることを示しているものと考えられる。
また、試料番号2〜4のヒータの通電前後の抵抗変化は5%以下と小さく、パルス通電後、走査型電子顕微鏡でこれらの試料番号の抵抗体の発熱部を観察したところ、マイクロクラックは無かった。
1:ヒータ
2:絶縁基体
3:抵抗体
31:発熱部
4:リード
5:接合層
6:金属製保持部材

Claims (3)

  1. 絶縁基体と、
    該絶縁基体に埋設された抵抗体と、
    前記絶縁基体に埋設され、前記抵抗体に接続されたリードとを備えたヒータであって、
    前記抵抗体と前記リードとの接合部には、前記抵抗体および前記リードよりも高い比抵抗を持つ接合層が介在しており、前記抵抗体、前記リードおよび前記接合層に前記絶縁基体の主成分が含まれていて、前記接合層における前記絶縁基体の主成分の含有量が前記抵抗体および前記リードよりも多いことを特徴とするヒータ。
  2. 前記抵抗体が折返し形状をなしているとともに、前記抵抗体の両端に前記リードがそれぞれ接合されていて、それぞれの接合部に前記接合層が介在していることを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のヒータと、前記リードと電気的に接続されて前記ヒータを保持する金属製保持部材とを備えたことを特徴とするグロープラグ。
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