JP2003017220A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2003017220A
JP2003017220A JP2001197515A JP2001197515A JP2003017220A JP 2003017220 A JP2003017220 A JP 2003017220A JP 2001197515 A JP2001197515 A JP 2001197515A JP 2001197515 A JP2001197515 A JP 2001197515A JP 2003017220 A JP2003017220 A JP 2003017220A
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ceramic heater
ceramic
lead
electrode pad
temperature rise
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Satoshi Tanaka
智 田中
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックヒータを、自動車用の暖房用ヒータ
や気化器用ヒータに使用した場合、使用条件によりセラ
ミックヒータの温度がオーバーシュートし、これにより
燃料が異常燃焼してしまい、火災を引き起こしてしまう
といった問題があった。 【解決手段】リード引出部と接続するリード引出部およ
び外部回路と接続するための電極パッド部を前記セラミ
ック体の表面に形成してなるセラミックヒータにおい
て、該リード引出部と該電極パッド部の間に過昇温防止
部を一体的に形成

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車やファンヒ
ータ等に使用する暖房用ヒータや気化器用ヒータ、半田
ごて用ヒータなどに使用するセラミックヒータに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミナを主成分とするセラ
ミックス中に、W、Re、Mo等の高融点金属からなる
発熱抵抗体を埋設してなるアルミナセラミックヒータ
が、一般的に用いられている(特開昭63−9860
号、63−58479号公報等参照)。
【0003】セラミックヒータは、セラミックスの持つ
電気絶縁性と、急速昇温性、小型化や取扱の容易さ等の
要因により、自動車の空燃比センサ加熱用、石油ファン
ヒータの気化器用、ハンダゴテ用、温水加熱用等色々な
用途で使用されている。
【0004】例えば、石油ファンヒータに使用される円
板状のセラミックヒータを製造する場合は、図9に示す
ようにセラミックグリーンシート23の一方の面に、
W、Re、Mo等の高融点金属からなるペーストを印刷
することにより発熱抵抗体を形成し、その上に電極引出
部形成用の穴が形成された別のセラミックグリーンシー
トを重ねて密着し、円板状に切断加工した後焼成し、さ
らに電極引出部にNi等の金属を無電解メッキした後、
Ni、Fe−Co−Ni合金等の金属からなるリード部
をAgロウ、Ag−Cuロウ、Au−Cuロウ、Au−
Niウ等のロウ材を用いてロウ付けすることにより、円
板状のセラミックヒータとしていた。
【0005】このようにして作製した円板状のセラミッ
クヒータを石油気化器に装着して、燃料である灯油を加
熱することにより気化させたあと、別の添加手段で着火
させることにより、石油ファンヒータを安定的に連続燃
焼させることができるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなセラミックヒータを、例えば自動車用の暖房用ヒー
タや気化器用ヒータに使用した場合、使用条件によりセ
ラミックヒータの温度がオーバーシュートし、これによ
り燃料が異常燃焼してしまい、火災を引き起こしてしま
うといった問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、セラミック体中にW、Mo、Re等の高融点
金属を主成分とする発熱抵抗体およびリード引出部を埋
設し、該リード引出部と接続するリード引出部および外
部回路と接続するための電極パッド部を前記セラミック
体の表面に形成してなるセラミックヒータにおいて、該
リード引出部と該電極パッド部の間に過昇温防止部を一
体的に形成することにより、上記課題を解決できること
を見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明のセラミックヒータの
実施形態を、図1〜4を用いて説明する。
【0009】図1は、円板状のセラミックヒータ1の例
であるが、2層のセラミックグリーンシート3の間に発
熱抵抗体4を形成し、一方のセラミックグリーンシート
3に形成された2つの穴5から電極引出部6が露出する
ようになっている。これらの電極引出部6は発熱抵抗体
4と接続されている。また、これらの電極引出部6の横
には電極パッド7が形成されている。この電極パッド7
は、発熱抵抗体4とは独立して形成されており、一方の
電極引出部6のひとつと過昇温防止部9により接続され
ている。そして、他方の電極引出部6と電極パッド7に
は、Ni等の金属からなるリード線8がロウ付けされ、
これらのリード線8から電流を流すことにより発熱抵抗
体4を発熱させる。
【0010】過昇温防止部9は、低融点金属もしくは低
融点金属合金により形成することが好ましい。そして、
過昇温防止部9を低融点金属や低融点金属合金により形
成することにより、発熱抵抗体4の加熱により電極引出
部6、電極パッド7の温度が温度センサの異常や電源の
異常等の要因により異常に昇温した際に、過昇温防止部
9が溶けて断線し、これ以上の昇温を防止することがで
きる。
【0011】これらの材料は、板状にしてセラミックヒ
ータ1の表面に近接するように接合することが好まし
い。好ましくは、過昇温防止部9の厚みを1.0mm以
下、さらに好ましくは0.7mm以下とすることが好ま
しい。このように形成することによりセラミックヒータ
の過昇温を防止しやすくすることができる。即ち、低融
点金属や低融点金属合金の一部が溶融し始めると流路が
急速に減少し破断するようになるので、セラミックヒー
タが暴走してファンヒータの気化器部分が異常燃焼する
といった問題を未然に防止することが可能となる。ま
た、低融点金属または合金やハンダ、ヒューズの種類を
選択して溶融温度を変更することにより、過昇温の温度
設定を変更することができる。
【0012】通常、過昇温防止部9は、別に加工された
過昇温防止用の検知素子をセラミックヒータ1もしくは
それに付随する被加熱体に装着して過昇温の有無を検知
するが、検知素子の取り付けの信頼性や検知素子の動作
の信頼性に問題がある。これに対し、本発明のように、
過昇温防止部9をセラミックヒータ1の電極引出部6お
よび電極パッド7に直接取り付けるとともに、回路内に
直列に取り付けることにより、セラミックヒータ1の温
度変化を直接検知し、直接回路を切断できるので、過昇
温防止の信頼性を高めることができる。また、過昇温防
止部9が外に露出しているので、過昇温防止部9の交換
も容易である。
【0013】過昇温防止部9をなす低融点金属もしくは
低融点金属合金の例としては、Inを40〜100重量
%含有し、残りの0〜60重量%がSn、Zn、Pb、
Ab、Ag、Al等から選ばれる1種以上の金属からな
るものや、Zn、Sn、Pb等から選ばれる金属を主成
分とするハンダ、ヒューズ等を使用することができる。
【0014】そして、過昇温防止部9の別の実施形態と
しては、接続する取出電極6および電極パッド7のいず
れかに、低融点金属もしくは低融点金属合金からなる過
昇温防止部9を介してNi線等のリード材料を接続する
ようにし、過昇温防止部9が溶融した際には、前記リー
ド材料が外れるようにして過昇温を防止するような構成
とすることも可能である。
【0015】また、他の実施形態として、この過昇温防
止部9をPTCサーミスタにより形成することもでき
る。この場合、電極引出部6が異常昇温した場合はPT
Cサーミスタの温度が上昇し抵抗値が3桁以上高くなる
ので、発熱抵抗体4に流れる電流を小さくすることがで
きると同時に、繰り返し使用が可能となる。この場合、
PTCサーミスタの抵抗値の転移点Tcを変更すること
により、過昇温防止温度の設定を変更することができ
る。
【0016】過昇温防止部9としてPTCサーミスタを
使用する際は、図6に模式的に示すように、電極引出部
6と電極パッド7の上に、セラミックヒータ1にPTC
サーミスタが密着するように設置する。また、PTCサ
ーミスタの形状係数を見掛け上小さくするため、金属板
15をPTCサーミスタの表面に形成しても良い。この
ような構成にすると、PTCヒータの抵抗が電極引出部
6と金属板15間および電極パッド7と金属板15の間
に挟まれる部分となるので、PTCサーミスタ自体の発
熱を防止することが可能となる。図6には、電極引出部
6と電極パッド7にともに接続するようにPTCサーミ
スタを標記しているが、金属板15を使用する場合、電
極引出部6もしくは電極パッド7のどちらか一方にPT
Cサーミスタを設置し、該PCTサーミスタを介して金
属板15やNi線等からなるリードを用いて該電極引出
部6および電極パッド7を接続する構成とすることも可
能である。
【0017】また、この際、板状のPTCサーミスタの
両面に予め電極を形成しておき、電極引出部6もしくは
電極パッド7とハンダやロウ材を用いて接合することが
好ましい。
【0018】過昇温防止部9としてPCTサーミスタを
用いる場合も、セラミックヒータ1の温度を早く捉える
ことができるようにPTCサーミスタの厚みを1mm以
下することが好ましい。また、PTCサーミスタとして
は、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛等を用い
る。
【0019】また、セラミックヒータ1の形状は、図2
〜4に示すようにその用途によって円板状以外に、例え
ばハンダゴテ用には円柱状、自動車用の暖房用には円筒
状、一般機械加熱用には板状というように変更すること
が可能である。
【0020】図2に示す板状のセラミックヒータ1は、
図1に示した円板状のセラミックヒータ1に較べて外形
が異なるだけで、同等の手順で作製することができる。
【0021】また、図4に示す円筒状のセラミックヒー
タ1の場合、セラミックヒータ1の円筒部の端面形状
は、段差、曲面部もしくはテーパー部を施すことが好ま
しい。円筒形状のセラミックヒータ1を用いる場合、そ
の内部を燃料の流路とすることができるが、灯油もしく
はガソリンのような燃料を供給し、気化したガスが漏れ
ないようにシールする必要があるので、セラミックヒー
タ1と外部の流路との接合部においてシールが非常に重
要である。このシールに有利なように、円筒部の端面に
段差もしくはテーパーを形成することが好ましい。ま
た、シール用の弾性体にセラミックヒータ1の円筒部の
端面を押圧してシールする場合は、端面の平滑性も重要
である。
【0022】該端面の加工は、押圧シールする相手材に
もよるが、平坦面に仕上げる場合は、鏡面加工により平
坦度を100μm以下とし、表面粗さ(Ra)を0.3
μm以下とすることが望ましい。また、段差もしくはテ
ーパーを形成する場合は、その形成面の表面粗さ(R
a)を0.3μm以下とし、はめ合わせてシールする相
手材の表面形状に倣った加工をしなければならない。
【0023】図5は、本発明の板状のセラミックヒータ
1を用いた燃料気化器の模式図である。燃料は燃料供給
パイプ12から燃料気化釜11に供給され、該燃料気化
釜11の底に装着されたセラミックヒータ1により加熱
して燃料を気化させ、気化した燃料をガスパイプ13に
より不図示の燃焼器に供給されるようになっている。
【0024】さらに、本発明のセラミックヒータ1の製
法について、セラミックグリーンシートの材質がアルミ
ナの場合を例に説明する。
【0025】まず、円板状もしくは板状のセラミックヒ
ータ1は、所定の厚みのセラミックグリーンシート3を
準備し、その一方の表面にW、Re、Mo等からなるペ
ーストをプリントして発熱抵抗体4を形成し、さらにそ
の表面に、電極引出部に穴を形成した別のセラミックグ
リーンシート3を重ねて密着し、所定の形状に切断した
後、H2−N2雰囲気中で1500〜1650℃で焼成す
る。
【0026】その後、前記電極引出部6と前記セラミッ
クヒータ1の表面に形成した電極パッド7にNi等の耐
熱金属からなるメッキを施す。このメッキは、リード部
材8を電極引出部6および電極パッド7の表面にロウ付
けする際に、ロウ材の流れを良くし、ロウ付け強度を増
すためである。通常1〜5μm厚みのメッキ層を形成す
る。メッキ層の材質としては、Ni、Cr、もしくはこ
れらを主成分とする複合材料を使用することができる。
【0027】そしてさらに、電極引出部6のひとつと電
極パッド7にNi線等からなるリード部材をAg、Ag
−Cu、Au−Cu、Au−Ni等からなるロウ材を用
いてロウ付けし、さらに残った電極引出部6と前記電極
パッド7の間にハンダからなる過昇温防止部9を形成し
て、本発明のセラミックヒータ1とする。
【0028】また、棒状もしくは円筒状のセラミックヒ
ータ1を作製する場合は、セラミックグリーンシート3
の一方の面にW、Re、Mo等の高融点金属からなるペ
ーストを用いて発熱抵抗体4および必要に応じてリード
部をプリントし、発熱抵抗体4もしくはリード部の端部
の裏面のセラミックグリーンシートにW、Re、Mo等
の高融点金属からなるペーストを用いて電極引出部6を
形成し、さらに電極引出部の近傍に別途電極パッド部8
をプリントする。その後、電極引出部6にスルーホール
を形成し、Wからなるペーストを用いてスルーホールを
充填する。こうして準備したセラミックグリーンシート
3をセラミックロッド2もしくはセラミック円筒2’の
表面に、前記発熱抵抗体4が内側になるように密着し、
1500〜1650℃のH2−N2雰囲気中で焼成する。
【0029】この焼結したセラミックヒータ1の電極パ
ッド7には、焼成後メッキ層を形成する。このメッキ層
は、リード部材8を電極引出部6および電極パッド7の
表面にロウ付けする際に、ロウ材の流れを良くし、ロウ
付け強度を増すためである。通常1〜5μm厚みのメッ
キ層を形成する。メッキ層の材質としては、Ni、C
r、もしくはこれらを主成分とする複合材料を使用する
ことができる。
【0030】このメッキ層を形成する場合、メッキ層厚
みを管理するために、通常無電解メッキを使用する。無
電解メッキを使用する場合、メッキの前処理としてPd
を含有する活性液に浸漬する。このPdが、メッキ処理
後メッキ層に残留し、ロウ付け時にロウ材層に拡散する
場合がある。
【0031】このロウ材層に含有されるPdの含有量が
500ppmを越えると、ロウ付け部の強度が低下し、
リード部8が電極引出部6、電極パッド7から容易に剥
離するようになるので、好ましくない。これに対し、ロ
ウ材層に含有されるPdの含有量を500ppm以下に
すれば、良好なロウ付け強度を維持できる。
【0032】活性液中のPdは、電極引出部6、電極パ
ッド7の表面に単層吸着することが好ましい。通常は、
このようにして単層吸着したPdが、無電解メッキを施
した際にメッキする金属と置換され、この金属層を核に
メッキ層が形成される。ロウ材層中のPd量が増加する
理由は、活性化処理時の活性液中のPd濃度が高すぎた
り、活性化処理の時間が長すぎたりすると、電極引出部
6、電極パッド7表面にPdが多層吸着され、メッキ時
に十分置換されず残留するためと推定される。
【0033】活性液中のPdの濃度を90ppm以下に
し、処理時間を20分以下にすればロウ材層に含有され
るPdの量を500ppm以下に安定して調節すること
ができる。通常、このPdによる活性化処理は40〜8
0℃、好ましくは60±5℃程度の温度で処理される。
【0034】また、原因は判らないが、Pdの含有量が
増えるに従って、ロウ材層のHv硬度が低下する傾向に
なることが判っている。これは、Pd含有量が増えると
空隙部12が多くなりこれによってHv硬度が低下する
ものと思われる。
【0035】さらに、メッキ処理はロウ付けの前後に実
施する場合が多いが、特に、ロウ付け前に実施するメッ
キに関する活性化処理のPd量の調整が重要である。
【0036】また、活性液には、Pdとともに活性液の
安定剤としてPbが使用されている。このPbの濃度
は、Pdに対し同等か若干少な目に調整されているが、
このPbも処理条件によりPdの残留とほとんど比例的
にロウ材層中に含有されるようになる。そのため、でき
るだけPb量に関しても少ない活性液とすることが好ま
しい。
【0037】リード部8を固定するロウ材層としては、
Au、Cu、Au−Cu、Au−Ni、Ag、Ag−C
u系のロウ材が使用される。好ましくは、Au−Cuロ
ウとしては、Au含有量が25〜95重量%としAu−
NiロウとしてはAu含有量が50〜95重量%とする
と、ロウ付け温度を1000℃程度に設定でき、ロウ付
け後の残留応力を低減できるので良い。また、湿度が高
い雰囲気中で使用する場合、Au系、Cu系のロウ材を
用いた方が、マイグレーションが発生しにくくなるので
好ましい。
【0038】また、ロウ材層の表面には、メッキ層を形
成することが腐食からロウ材層を保護するために好まし
い。
【0039】また、電極引出部6、電極パッド7の端部
からロウ材層の端部までの距離が少なくとも0.2mm
以上あるようにすることが好ましい。前記距離が0.2
mm未満であると、電極引出部6、電極パッド7の端部
がロウ材の収縮時に引っ張られて剥離しやすくなり、ロ
ウ付け強度が低下するので、好ましくない。
【0040】また、前記電極引出部6、電極パッド7に
形成されるスルーホールの位置と前記ロウ材層の端部と
の距離を少なくとも0.2mm以上にすると、良好なロ
ウ付け強度を維持することができる。これにより、メッ
キ層の表面に形成したロウ材層が固化する際に大きく収
縮し、電極引出部6、電極パッド7を剥がしてしまうと
いうような不具合を防止できるからである。
【0041】次にリード部材8の材質としては、耐熱性
良好なNi系やFe−Ni系合金等を使用することが好
ましい。発熱抵抗体4からの熱伝達により、使用中に電
極引出部6、電極パッド7の温度が上昇し、劣化する可
能性があるからである。
【0042】中でも、リード部材8の材質としてNiや
Fe−Ni合金を使用する場合、その平均結晶粒径を4
00μm以下とすることが好ましい。前記平均粒径が4
00μmを越えると、使用時の振動および熱サイクルに
より、ロウ付け部近傍のリード部材10が疲労し、クラ
ックが発生するので好ましくない。他の材質について
も、例えばリード部材8の粒径がリード部材8の厚みよ
り大きくなると、ロウ材層とリード部材8の境界付近の
粒界に応力が集中して、クラックが発生するので好まし
くない。
【0043】なお、ロウ付けの際の熱処理は、試料間の
バラツキを小さくするためには、ロウ材の融点より十分
余裕をとった高めの温度で熱処理する必要があるが、リ
ード部材8の平均結晶粒径を400μm以下と小さくす
るためには、ロウ付けの際の温度をできるだけ下げ、処
理時間を短くすればよい。
【0044】また、セラミックヒータ1の材質として
は、Al2388〜95重量%、SiO22〜7重量
%、CaO0.5〜3重量%、MgO0.5〜3重量
%、ZrO21〜3重量%と不可避不純物からなるAl2
3を使用することが好ましい。Al 23含有量をこれ
より少なくすると、ガラス質が多くなるため通電時のマ
イグレーションが大きくなるので好ましくない。また、
逆にAl23含有量をこれより増やすと、内蔵する発熱
抵抗体4の金属層内に拡散するガラス量が減少し、セラ
ミックヒータ1の耐久性が劣化するので好ましくない。
ここで、セラミックスとしてアルミナの例を示したが、
本発明で示したことは、アルミナ質セラミックスに限定
されることではなく、窒化珪素質セラミックス、窒化ア
ルミニウム質セラミックス、炭化珪素質セラミックス
等、また、セラミックヒータのみならず、Au系のロウ
付けを実施する全てのものに当てはまる現象である。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0046】実施例 1 まず、アルミナを主成分とし、5.0重量%のSi
2、1.7重量%のCaO、0.7重量%のMgO、
1.4重量%のZrO2と不可避不純物からなる所定の
厚みのセラミックグリーンシート3を準備し、その一方
の表面に図1に示すようにWからなるペーストをプリン
トして発熱抵抗体4、電極引出部6を形成し、さらにそ
の表面に、電極引出部に穴5および電極パッド7を形成
した別のセラミックグリーンシート3を重ねて密着し、
所定の形状に切断した後、H2−N2雰囲気中で1500
〜1650℃の温度で焼成して、厚み5mm×50mm
φのセラミックヒータ1の焼結体を得た。なお、電極引
出部6は、前記穴5から露出するように形成した。
【0047】その後、前記電極引出部6と前記セラミッ
ク体の表面に形成した電極パッド7にNiからなる2μ
mのメッキを施し、電極引出部6のひとつおよび電極パ
ッド7にリード部材8をAu−Cuロウによりロウ付け
した。
【0048】さらに、残りの電極引出部6と電極パッド
の間を接続するように、セラミックヒータ1の表面に密
着するように厚み0.5mmで幅5mmのハンダからな
る過昇温防止部9をハンダ付けにより設置して本発明の
セラミックヒータ1としたもの、およびハンダの代わり
に、図6に模式的に示すように、過昇温防止部材9とし
てPCTサーミスタを用いたセラミックヒータを形成し
た。
【0049】さらに比較例として、上記と同様にして作
製し、電極パッド7を形成しない従来のタイプのセラミ
ックヒータ21を作製した。
【0050】さらに、これらのセラミックヒータ1、2
1の電極パッド7とは反対側の主面中央に線径0.2m
mのCA(クロメル−アルメル)の熱電対素線を取り付
け、セラミックヒータ1の表面温度が2分間で1000
℃に昇温するような電圧を5分間連続印加して、その昇
温カーブを測定した。
【0051】これらの結果を、図7に示した。
【0052】図7から判るように、比較例のセラミック
ヒータの温度は、1000℃まで昇温した。これに対
し、過昇温防止部材を設置した本発明のセラミックヒー
タは、450℃くらいの温度で該過昇温防止部材9が断
線し、これ以上の温度には上昇しないことを確認でき
た。
【0053】図5に示したファンヒータ用の燃料気化器
の場合、1000℃まで加熱された比較例のセラミック
ヒータが接触している加熱容器11の温度は600℃程
度まで上昇し、内部に供給される灯油が急加熱されて異
常燃焼し、ひいては火災を発生させてしまうことが判っ
た。
【0054】これに対し、本発明のようなセラミックヒ
ータ1にすれば、加熱容器11の温度が燃料の爆発限界
を越えない温度で回路を切断し、火災の発生を防止する
ことが可能となることが判った。
【0055】実施例 2 ここでは、円筒状のセラミックヒータの円筒端部の加工
について、シール性を評価した。
【0056】まず、厚み0.4mmのセラミックグリー
ンシート3の一方の主面にWからなる発熱抵抗体4をプ
リント形成し、発熱抵抗体4の端部に形成された電極引
出部6の裏面となる部分に電極引出部6をプリントし、
これらの電極引出部6を導通させるようにスルーホール
を形成し、さらにスルーホールにWインクを充填する。
また、発熱抵抗体4を形成した面の反対側の主面の電極
引出部の横に電極パッド7を形成し、その後、外径40
mmφ、40mm長さのセラミックパイプ2の周囲に、
発熱抵抗体4が内側になるように前記セラミックグリー
ンシート3を巻き付け一体化し、1500℃〜1650
℃で焼成して、円筒状のセラミックヒータ1の焼結体を
得た。
【0057】このようにして得られた円筒状のセラミッ
クヒータは、外径33mmφ、長さ34mm長さとなっ
た。そして、図4に示すように芯材となるセラミックパ
イプ2の両端面が突出した構造となっている。すなわ
ち、円筒状のセラミックヒータにおいて、円筒端部はセ
ラミックパイプ2の端部ということになる。
【0058】円筒部のシール性を確保するため、円筒部
端面の厚みを0.2mm、0.5mm、1.0mm、2
mmと変更するとともに表面を鏡面研磨したサンプルを
各々5個づつ準備した。また、比較用に円筒部端面の厚
みを0.5mmとし、鏡面研磨していないサンプルを準
備した。
【0059】その後、セラミックヒータ1の外周面に露
出した電極引出部6および電極パッド7に厚み2μmの
Niメッキを施し、Agロウを用いてリード部材8をロ
ウ付けしてセラミックヒータ1とした。
【0060】得られたセラミックヒータ1の両端面にテ
フロン(登録商標)からなるシール部を押圧して、その
押圧力と得られる真空度の関係を調査した。
【0061】結果を図8に示した。
【0062】図8から判るように、円筒状のセラミック
ヒータの端面を鏡面研磨していないサンプルの真空度
は、押圧力を250Nまで上げても真空度を100Pa
まで上げることができなかった。これに対し、前記端面
を鏡面研磨したサンプルは、真空度を10-1Pa程度ま
で下げることができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、セラミック体中にW、
Mo、Re等の高融点金属を主成分とする発熱抵抗体を
埋設し、該発熱抵抗体と接続する電極引出部および外部
回路と接続するための電極パッド部を前記セラミック体
の表面に形成してなるセラミックヒータにおいて、該電
極引出部の少なくともひとつと該電極パッド部の間に過
昇温防止部を一体的に形成することにより、電源装置や
温度センサの異常によりセラミックヒータが暴走しよう
としても、所定の温度以上に過昇温防止部が加熱されれ
ば過昇温防止部が溶融し断線するので、燃料が爆発する
といった問題の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの分解斜視図であ
る。
【図2】本発明のセラミックヒータの他の実施形態を示
す分解斜視図である。
【図3】本発明のセラミックヒータの他の実施形態を示
す分解斜視図である。
【図4】本発明のセラミックヒータの他の実施形態を示
す分解斜視図である。
【図5】本発明セラミックヒータを用いた燃料気化器の
模式図である。
【図6】本発明のセラミックヒータの過昇温防止部設置
部の部分断面図である。
【図7】本発明のセラミックヒータおよび比較例のセラ
ミックヒータの昇温特性を示す図である。
【図8】本発明のセラミックヒータのシール性の押圧力
依存性を示す図である。
【図9】従来のセラミックヒータの分解斜視図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒータ 2:セラミックロッド 3:セラミックグリーンシート 4:発熱抵抗体 6:電極引出部 7:電極パッド 8:リード部材 9:過昇温防止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/12 H05B 3/12 A 3/20 393 3/20 393 3/48 3/48 Fターム(参考) 3K034 AA10 AA12 BA06 BB06 BB14 BC04 CA02 CA25 CA32 DA05 EA07 3K058 AA14 CA12 CA23 CA58 CA62 CA91 CE02 CE04 CE05 3K092 PP13 PP15 QA02 QA05 QB18 QB26 QB43 QB67 QB75 QC02 QC16 QC25 QC43 QC45 QC52 RF03 RF06 RF11 RF19 RF22 UA06 VV25 5E034 AA09 5G502 AA02 EE05 FF07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック体中にW、Mo、Re等の高融
    点金属を主成分とする発熱抵抗体を埋設し、該発熱抵抗
    体と接続する電極引出部および外部回路と接続するため
    の電極パッド部を前記セラミック体の表面に形成してな
    るセラミックヒータにおいて、該電極引出部の少なくと
    もひとつと該電極パッド部の間に過昇温防止部を一体的
    に形成したことを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】前記過昇温防止部が、低融点金属もしくは
    低融点合金からなることを特徴とする請求項1記載のセ
    ラミックヒータ。
  3. 【請求項3】前記過昇温防止部が、PTCサーミスタか
    らなることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒー
    タ。
  4. 【請求項4】前記セラミック体が円筒状体であり、その
    少なくともひとつの端面が鏡面加工されていることを特
    徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014099320A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Kyocera Corp ヒータおよびこれを備えたグロープラグ

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