JPH1154246A - セラミック発熱体 - Google Patents

セラミック発熱体

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JPH1154246A
JPH1154246A JP20502197A JP20502197A JPH1154246A JP H1154246 A JPH1154246 A JP H1154246A JP 20502197 A JP20502197 A JP 20502197A JP 20502197 A JP20502197 A JP 20502197A JP H1154246 A JPH1154246 A JP H1154246A
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heating
lead
ceramic
heating element
insulating member
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JP20502197A
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Hiroyuki Arima
裕之 有馬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】直流又は交流電源を使用して常温付近から10
00℃付近の高温に急速昇温させることを長時間にわた
り何度も繰り返したり、1000℃以上の高温で長時間
の連続稼働をしても、無機導電材の発熱抵抗体から成る
発熱部の劣化が小さく、絶縁性の低下等による絶縁部材
の割れを発生したりすることもない、高温耐久性に優れ
たセラミック発熱体を得る。 【解決手段】通電により発熱する無機導電材から成る所
定間隔を隔てて平行に設けた複数の発熱部2と、リード
部3と、電極取り出し部4とを具備したセラミック焼結
体を絶縁部材5とするセラミック発熱体1の各発熱部2
のリード部3を含む抵抗値の最大差を、最大抵抗値の3
0%以内とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱衝撃性、高温安
定性に優れ、昇温特性及び耐久性の良好な内燃機関用グ
ロープラグや石油ファンヒータの燃料気化及び点火用ヒ
ータ、各種センサーの加熱用ヒータ、あるいは温水ヒー
タや半田ゴテ等の一般家庭用、電子部品用、産業機器用
等の各種加熱用ヒータに適用され、直流あるいは交流電
源で使用される高温用として最適なセラミック発熱体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、デイーゼルエンジンの始動時
やアイドリング時に副燃焼室内を急速に予熱するために
用いられる内燃機関用グロープラグをはじめとする各種
点火用並びに加熱用ヒータとしては、耐熱金属製のシー
ス内に高融点金属線等から成る発熱抵抗体を耐熱絶縁粉
末と共に埋設した各種シーズヒータや、火花放電を利用
した各種点火装置等が多用されていた。
【0003】しかし、それらはいずれも急速昇温が困難
であり、その上、耐摩耗性や耐熱性、耐食性等の耐久性
に劣り、とりわけ前記火花放電を利用した点火装置にお
いては、点火時に雑音等の電波障害が発生し易い他、確
実な点火という点からは信頼性に欠ける等の欠点があっ
た。
【0004】そこで熱伝導効率が優れ、急速昇温が可能
で電波障害が発生せず、しかも確実に点火して安全性も
高く、耐摩耗性や耐熱性、耐食性等の耐久性に優れた信
頼性の高い発熱体として、熱伝導性が良好な電気絶縁性
セラミック焼結体に高融点金属やその化合物、及びそれ
らを主成分とする各種無機導電材の発熱抵抗体から成る
発熱部を担持または接合、あるいは埋設したりして一体
化したセラミック発熱体が、内燃機関のグロープラグを
はじめ、各種点火用及び加熱用ヒータとして広く利用さ
れるようになってきた。
【0005】かかるセラミック発熱体の絶縁部材として
は、アルミナ(Al2 3 )を主成分とする酸化物系セ
ラミックスが多用されており、無機導電材としてはタン
グステン(W)やモリブデン(Mo)等の高融点金属か
ら成る発熱抵抗体を発熱部としたものが知られている
が、このようなセラミック発熱体は半田ごてやセンサー
加熱用等でも900℃程度までの比較的低温の用途に限
定されていた。
【0006】そこで900℃を越える高温用のセラミッ
ク発熱体として、窒化珪素(Si34 )に代表される
非酸化物系セラミックスを絶縁部材とし、無機導電材と
して前記高融点金属の他に、炭化タングステン(WC)
や珪化モリブデン(MoSi2 )、窒化チタン(Ti
N)等の高融点金属の化合物、あるいは該化合物を主成
分とする発熱抵抗体から成る発熱部とを組み合わせて形
成したものが提案されている。
【0007】なかでも、熱衝撃や物理的衝撃に対して優
れた耐久性を有するセラミックヒータとして、窒化珪素
を主成分とする電気絶縁性セラミックスから成る絶縁体
中に、導電性セラミックスから成る電気抵抗体を平行に
所定間隔を隔てて二層埋設したものが提案されている
(特許第2537273号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記セ
ラミックヒータにおいて二層の電気抵抗体の各抵抗値に
差があると、該二層の電気抵抗体はセラミックヒータの
電極取り出し部で並列電気接続されているため、通電に
より抵抗値の低い方の電気抵抗体に優先的に電流が流れ
て先に発熱して温度差を生じてしまい、セラミックヒー
タの表面温度分布が均一化されない恐れがある。
【0009】しかも、前述のような状態で加熱冷却が繰
り返されると、前記二層の電気抵抗体の抵抗増加や断線
等、電気的あるいは熱的な経時変化がそれぞれ異なり、
絶縁特性や発熱特性等の変化から長期的な信頼性に劣る
という課題があった。
【0010】更に、かかる電気抵抗体を平面視した時の
断面形状がU字状を成す所定間隔を隔てて二層に形成し
て埋設したセラミックヒータを、内燃機関のグロープラ
グや各種点火用及び加熱用ヒータとして900℃を越え
る高温用に適用した場合、一般に点火時には1000〜
1300℃となり、その後、点火した火炎に曝されて1
350℃を越え1400℃にも達するような状況とな
り、このような高温での加熱冷却の繰り返しから絶縁破
壊によるセラミックヒータの割れを生じる等、例えば、
前記グロープラグでは、一般にその抵抗変化が初期値の
10%を越えるまでの耐久時間として850時間以上が
要求されているのに対して、短時間で10%を越える抵
抗変化を生じてしまう恐れがあり、実用上、耐久性に欠
けるという課題があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、直流または交流電源を使用して常温付
近から1000℃付近の高温に瞬時に発熱させることを
長時間にわたり何度も繰り返したり、1000℃以上の
高温で長時間の連続稼働をしても、無機導電材の発熱抵
抗体から成る発熱部の劣化が小さく、絶縁性の低下等に
よる絶縁部材の割れを発生したりしない、高温耐久性に
優れたセラミック発熱体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題につ
いて種々検討した結果、セラミック発熱体を構成する所
定間隔を隔てて平行に設けた複数の無機導電材の発熱抵
抗体から成る各発熱部の抵抗値のばらつきが、通電発熱
によるセラミック発熱体の電気的特性劣化及び高温耐久
性に影響していることが判明し、各発熱部の抵抗値の差
を特定範囲に制御した結果、電気的特性劣化が低減でき
ると共に高温耐久性が向上することを見いだし、本発明
に至った。
【0013】即ち、本発明のセラミック発熱体は、所定
間隔を隔てて平行に設けた通電により発熱する無機導電
材から成る複数の発熱部と、該発熱部と電気的に接続し
たリード部と、該リード部と電気的に接続した電極取り
出し部とを備えたセラミック焼結体を絶縁部材とするも
ので、前記リード部を含む各発熱部の常温における抵抗
値の最大の差が、各抵抗値の内、最大の抵抗値の30%
以内であることを特徴とするものである。
【0014】とりわけ、前記抵抗値の最大の差が、各抵
抗値の内、最大の抵抗値の22%以内であることが望ま
しく、更に前記セラミック焼結体から成る絶縁部材は非
酸化物系セラミックスの内、窒化珪素質焼結体から成る
ものがより望ましいものである。
【0015】
【作用】本発明のセラミック発熱体は、所定間隔を隔て
て平行に設けた複数の発熱部のリード部を含めた各抵抗
値の最大差が、該抵抗値の最大値の30%以内であるこ
とから、前記各発熱部に加わる電気的負荷が均一化され
て表面温度も均一となり、電気的あるいは熱的な経時変
化の差異による絶縁特性や発熱特性等の変化が加速され
ることもなくなり、発熱効率が良く、高温耐久性及び信
頼性が向上することになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のセラミック発熱体
について図面に基づき詳細に述べる。図1は本発明のセ
ラミック発熱体の一実施例を示す斜視図であり、図2及
び図3はそれぞれ本発明のセラミック発熱体の他の例を
示す斜視図である。
【0017】図1において、1は通電により発熱する無
機導電材から成る発熱部2と、より低抵抗の無機導電材
から成るリードパターン部6とリード線7から成るリー
ド部3と、電極取り出し部4とをセラミック焼結体から
成る絶縁部材5中に埋設したセラミック発熱体である。
【0018】セラミック発熱体1は、絶縁部材5の一端
に、平面視した時の断面形状がU字状で、層状に形成し
た無機導電材から成る発熱部2と、該発熱部2の各端部
に少なくとも一部を重ねた層状のリードパターン部6
と、該リードパターン部6の他端にそれぞれリード線7
を接続し、該リード線7の他端側に重ねて絶縁部材5の
他端外周面に露出するように電極取り出し部4を設けて
それぞれ電気的に接続したものを2組、平行に絶縁部材
5中に配設し、発熱部2側の絶縁部材先端が略球面状
で、少なくとも最高発熱部に相当する部分の横断面が円
形である棒状を成すものである。
【0019】本発明の発熱部を構成する層状に平行に配
設した複数の発熱部2は、リード部を含めた各発熱部の
抵抗値の最大の差が、各抵抗値の最大値の30%を越え
ると、無機導電材の発熱抵抗体から成る発熱部の劣化が
大きく、絶縁性の低下等による絶縁部材の割れを発生し
たりして高温耐久性が著しく劣化してしまう。
【0020】従って、リード部を含めた発熱部の抵抗値
のばらつきは、前記30%以内に限定されるが、各発熱
部にかかる電気的負荷が均一化でき、効率のよい発熱が
可能となり、電気的特性劣化が少なく、高温耐久性及び
信頼性の向上という点からは、前記リード部を含めた各
発熱部の抵抗値を測定し、その最大差が測定した各抵抗
値の内、最大値の22%以内であることがより好ましい
ものである。
【0021】また、本発明のセラミック発熱体1を構成
する発熱部2は、図2に示すように平面視した時の断面
形状がU字状を成す平行に向き合う無機導電材のブロッ
クで形成し、該ブロックに直接リード線で接続してリー
ド部3を、更にリード線の端部を絶縁部材5の外周に露
出させて電極取り出し部4を形成しても良い。
【0022】一方、図1及び図2では、絶縁部材5の外
形を先端を丸めた円柱状としたが、絶縁部材5の外形形
状はこれに限定されるものではなく、図3に示すように
絶縁部材5の外形を略直方体形状としても良く、埋設す
る発熱部2及びリード部3、電極取り出し部4を一体的
に印刷等により形成しても良い。
【0023】前述のように発熱部2及びリード部3、電
極取り出し部4を一体的に印刷形成する場合には、例え
ば、発熱部2とリード部3、電極取り出し部4はそれぞ
れ厚さをほぼ一定にして、線幅を順次変えてリード部3
及び電極取り出し部4の抵抗値を発熱部2より低く設定
すれば良い。
【0024】本発明において、前記発熱部は絶縁部材と
同時に焼成できる無機導電材であればいかなる材質でも
良く、例えば前記W、Mo、Re、Cr、Ta等の高融
点金属や、W、Mo、Re、Crの他にTa、Ti、Z
r、Hf、V、Nb等の第4a族、第5a族元素の窒化
物や炭化物、珪化物、硼化物の化合物、あるいは該化合
物を主成分とする発熱抵抗体等が挙げられ、とりわけ高
温用の発熱部としては、望ましくは絶縁部材の主成分と
してSi3 4 を用いる場合、それとの熱膨張差及び高
温度下でも反応し難く、取扱い易さや高温耐久性の点か
らはWCが最適である。
【0025】また、前記無機導電材を主成分として用い
る場合、絶縁部材との熱膨張差によるクラックを防止
し、かつ抵抗を増大させないようにするために、分散材
として窒化珪素、窒化硼素、炭化珪素、あるいはアルミ
ナ等の一種以上を適宜添加しても良く、その添加量は、
例えば、主成分100重量部に対して、窒化珪素では5
〜30重量部、窒化硼素では1〜15重量部、炭化珪素
では3〜15重量部、アルミナでは30重量部以下であ
ることが望ましい。
【0026】一方、本発明における発熱部は、前述のよ
うに層状やブロック状、線状のいずれでも良く、平行に
2つ以上で構成され、平面視した時の断面形状がU字状
やW字状、ジグザグ状等、各種形状形態で適用できる
が、それら複数の発熱抵抗体は互いに前述にような使用
状況下での絶縁破壊を防止するためには、0.2mm以
上離して設けることが必要である。
【0027】特に、印刷法により層状の発熱部を形成す
る場合には、その厚さは発熱部に割れ等の発生を防止す
るという点からは、50V程度までの直流電源用に抵抗
値を設定すると、少なくとも最高発熱部では5〜150
μmの範囲の厚さが望ましく、特に10〜50μmの範
囲の厚さが最適である。
【0028】また、前記リード部としては、前記発熱部
と同様、絶縁部材と同時に焼成できる無機導電材で、前
記発熱部より低抵抗であればいかなる材質でも良く、例
えば前記W、Mo、Re、Cr、Ta等の高融点金属
や、W、Mo、Re、Crの他にTa、Ti、Zr、H
f、V、Nb等の第4a族、第5a族元素の窒化物や炭
化物、珪化物、硼化物の化合物、あるいは該化合物を主
成分とする低熱膨張率の導電材が望ましく、その形状は
線材あるいは押出成形法や射出成形法で成形した棒状材
料、またはスクリーン印刷法で層状に形成したものでも
良い。
【0029】また、前記電極取り出し部は、前記リード
部と同様の材料が適用でき、リード部を直接露出させた
り、あるいはスクリーン印刷法でリード部材と電気的に
接続するように形成しても良い。
【0030】また、前記絶縁部材は、高温用としては窒
化珪素やサイアロン、窒化アルミニウム等の非酸化物系
セラミック焼結体が望ましく、とりわけ窒化珪素質焼結
体はSi3 4 粉末に、焼結助剤としてイットリウム
(Y)等の周期律表第3a族元素の酸化物を用いたもの
等があり、高温でのイオン移動を抑制するという点から
は、焼結助剤としてはYb2 3 が望ましく、その粒界
相が焼結助剤成分の周期律表第3a族元素や珪素等を含
む結晶相あるいはガラス相を析出させたものが好適であ
る。
【0031】また、前記発熱部との熱膨張を調整するた
めに、窒化珪素質焼結体には熱膨張係数がより大きなM
oやW等の珪化物、炭化物、窒化物、硼化物を一種以上
添加することも有効である。
【0032】
【実施例】次に、本発明のセラミック発熱体を以下に詳
述するようにして評価した。先ず、比表面積が7〜15
2 /gで、含有する不可避不純物として酸素量が1.
5重量%以下、金属不純物が総量で0.05重量%以下
のSi3 4 粉末に、焼結助剤として周期律表第3a族
元素(REと記す)の酸化物のRE2 3 と、Al2
3 、MoSi2 の各粉末をそれぞれ10重量%、2重量
%、4重量%となるように秤量し、これらを混合して調
製した泥漿から造粒体を作製し、該造粒体をプレス成形
法等、周知の成形法により平板状の成形体を得た。
【0033】一方、WCの微粉末80重量%とSi3
4 微粉末20重量%の混合粉末に酢酸ブチル等の溶媒を
加えて調製したペーストを発熱部形成用とし、WCの微
粉末85重量%とSi3 4 微粉末15重量%の混合粉
末に前記同様の溶媒を加えて調製したペーストをリード
パターン部及び電極取り出し部形成用とした。
【0034】次に、得られた発熱部形成用ペーストを用
いて、スクリーン印刷法によりU字状のパターンを、そ
のパターンが焼結後の絶縁部材先端より5mm以内に収
まる位置にそれぞれ2枚の平板状の成形体表面に、厚さ
80μmの発熱部を形成する。
【0035】一方、前記U字状のパターンの両端部に一
部を重ねるように、前記リードパターン部形成用ペース
トを用いて前記同様のスクリーン印刷法により、所定形
状で厚さ約50μmのリードパターン部を形成する。
【0036】他方、前記リードパターン部形成用ペース
トと同一組成の電極取り出し部形成用ペーストを用い
て、前記同様のスクリーン印刷法により、成形体の他端
側の表面に幅0.7mm、厚さ約70μmで該成形体の
側面まで平行に所定位置に4個のパターンをそれぞれ形
成し、電極取り出し部を形成した。
【0037】そして、前記発熱部に一部を重ねて形成し
たリードパターン部と、電極取り出し部とにそれぞれ接
続するように、直径が0.25mmのW線を載置し、そ
れら2枚とその上に発熱抵抗体や電極取り出し部等を形
成していない前記同一組成のセラミック成形体を重ねた
後、還元性雰囲気下、1700〜1900℃の温度で1
時間、焼成して一体化した。
【0038】かくして得られたセラミック発熱体素材の
周囲を研磨加工して発熱部側の先端を球面とすると共に
断面円形とし、各電極取り出し部の端面を窒化珪素質焼
結体側面に露出させ、直径3.5mmのセラミック発熱
体を作製した。
【0039】次いで、前記セラミック発熱体の少なくと
も電極取り出し部の露出部にメタライズ法やメッキ法等
によりニッケル(Ni)被膜を形成した後、それぞれ電
極取り出し部に陰極用、陽極用の電極金具を銀ロウにて
接合して平行に所定間隔を隔てて2つの発熱部を埋設し
た評価用のセラミック発熱体を作製した。
【0040】先ず、評価用セラミック発熱体の電極取り
出し部を各発熱部毎にメタライズを施すか、あるいはセ
ラミック発熱体の端部を研削してリード部を露出させ抵
抗測定用の端子を形成し、室温で抵抗測定用マルチメー
ターを用いてリード部を含む各発熱部の抵抗を測定し、
その差から最大抵抗値に対する比率を算出した。
【0041】次に、前記電極取り出し部あるいは研削し
て露出させたリード部をメタライズ等で並列に接続し、
前記同様にしてリード部を含む平行に設けた2つの発熱
部の全抵抗を測定した。
【0042】その後、前記電極取り出し部あるいは露出
させたリード部を並列に接続した評価用のセラミック発
熱体に、発熱温度1400℃で飽和する10〜35Vの
直流電圧を印加して最高発熱部の周方向の温度分布を測
定して、最大の温度差を求めて最高発熱部温度分布とし
て評価した。
【0043】また、前記直流電圧を連続して通電する高
負荷耐久試験を行い、一定時間毎に前記両電極間の抵抗
値を測定し、試験開始前の抵抗値に対する変化率が10
%を越えると不良と判断し、10%を越えた時の時間に
より耐久性を評価した。
【0044】尚、本評価実験ではいずれも前記抵抗変化
率が10%以内では絶縁部材の割れは認められなかっ
た。
【0045】
【表1】
【0046】表から明らかなように、各発熱部の抵抗値
の差が最大抵抗値に対して30%を越える試料番号5、
9、21、29、31、38では、最高発熱部の周方向
の温度分布が36℃以上の温度差があり、耐久時間も7
96時間以内で抵抗変化が10%を越えるのに対して、
本発明ではいずれも周方向の温度分布における温度差が
34℃以下と低く、耐久時間も898時間以上となって
いる。
【0047】尚、前記実施例では印刷形成した発熱部を
絶縁部材中に埋設した自己飽和型のセラミック発熱体に
ついて説明したが、本発明は前記実施例に何ら限定され
るのではなく、本発明の主旨を逸脱しないものであれば
いかなるものでも良く、ブレーキングコイルを内蔵する
自己制御型のセラミック発熱体は勿論、発熱部が露出し
たセラミック発熱体に適用しても同様の効果を奏するも
のである。
【0048】
【発明の効果】叙上の如く、本発明のセラミック発熱体
は所定間隔を隔てて平行に設けた複数の発熱部を具備し
たセラミック焼結体を絶縁部材とするものであって、リ
ード部を含む各発熱部の常温における抵抗値の最大差
を、該抵抗値の最大値の30%以内に制御したことか
ら、高温に急速昇温することを繰り返したり、高温下、
長時間にわたり通電しても、発熱部の抵抗変化が極めて
小であり、その結果、発熱抵抗体が断線することもな
く、絶縁部材の割れを発生することもなく、耐久性と信
頼性に優れた各種点火用及び加熱用として好適なセラミ
ック発熱体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック発熱体の一実施例を示す斜
視図である。
【図2】本発明のセラミック発熱体の他の例を示す斜視
図である。
【図3】本発明のセラミック発熱体の他の例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 セラミック発熱体 2 発熱部 3 リード部 4 電極取り出し部 5 絶縁部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通電により発熱する無機導電材から成る所
    定間隔を隔てて平行に設けた複数の発熱部と、該発熱部
    に接続したリード部と、該リード部に接続した電極取り
    出し部とを具備したセラミック焼結体を絶縁部材とする
    セラミック発熱体であって、前記リード部を含む各発熱
    部の常温における抵抗値の最大差が、該抵抗値の最大値
    の30%以内であることを特徴とするセラミック発熱
    体。
  2. 【請求項2】前記抵抗値の最大差が、該抵抗値の最大値
    の22%以内であることを特徴とする請求項1記載のセ
    ラミック発熱体。
  3. 【請求項3】前記セラミック焼結体から成る絶縁部材
    が、窒化珪素質焼結体であることを特徴とする請求項1
    又は請求項2のいずれかに記載のセラミック発熱体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005069514A (ja) * 2003-08-20 2005-03-17 Ngk Insulators Ltd 熱処理炉
JP2005147654A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Beru Ag セラミック・グロー・プラグの製造方法
KR20160093667A (ko) * 2013-12-02 2016-08-08 야노시 코오시-바류 교류에 의해 작동되는 가열 요소 및 이 가열 요소에 의해 달성되는 발열기

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