JP2004061041A - セラミックグロープラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックヒーターの突き出し部が長い直接噴射タイプのグロープラグにおいて、通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のグロープラグを提供する。
【解決手段】最高発熱部の温度が1400℃の際に、第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部の温度を1250℃以下とし、室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値を1.5〜5倍とする。
【選択図】 図1
【解決手段】最高発熱部の温度が1400℃の際に、第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部の温度を1250℃以下とし、室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値を1.5〜5倍とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、おもにディーゼルエンジンの始動補助用として使用される高温用のセラミックヒーターに関し、特に排ガス規制に対応するためディーゼルエンジンの直噴多弁化に移行する中でセラミックヒーターの電力密度と発熱抵抗体の抵抗比を改善するとともに、グロープラグ先端側のセラミックヒーター突き出し長さを軸線方向に延長させて細径長尺化を図ったグロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジン等の始動促進に用いられるセラミックヒーターとしては、耐熱合金製のシース内に耐熱絶縁性粉末を充填し、該耐熱絶縁粉末中にニッケル(Ni)−クロム(Cr)等を主成分とする高融点金属線からなる発熱抵抗体を埋設したシーズヒータが使用されていた。
【0003】
しかしながら、前記シーズヒータは、耐熱金属製のシース内に充填された耐絶縁性粉末を介して発熱抵抗体の熱を伝えるため、短時間の急速昇温が困難であった。その上、耐磨耗性や耐酸化性に劣るという問題があった。
【0004】
そこで、短時間の急速昇温が可能で、耐磨耗性と耐酸化性に優れた信頼性の高いセラミックヒーターとして、無機導電材からなる発熱抵抗体を電気絶縁性のセラミック焼結体中に埋設したセラミックヒーターが広く利用されるようになってきた。
【0005】
例えば、図4に示すように、高強度で耐酸化性に優れた窒化珪素(Si3N4)を主成分とするセラミック体22中にタングステンカーバイド(WC)等の導電性セラミックスからなる発熱抵抗体24を埋設し、前記導電性セラミックス中に窒化珪素(Si3N4)を分散させることにより、前記セラミック体22と前記発熱抵抗体24との熱膨張差を小さくしたセラミックヒーター22を用いることが、グロープラグ21として好適であることが提案されている(実開平2−20293号公報参照)。
【0006】
このグロープラグ21は、発熱抵抗体24とタングステンからなるリードピン26がセラミックヒーター22中に埋設され、陰極側の電極引出部27は陰極金具28と接合され、陽極側の電極引出部27はコイル状の陽極金具30に接合され、さらに陽極端子31および棒状電極32に接合される構造となっていた。また、前記棒状電極32は、陰極金具28と接合しているハウジング金具29との間で電気的絶縁性を確保するために、絶縁シール34、36を介して取付ネジ35で固定される構造となっている。また、ハウジング金具29の外周には、ネジ部33が形成され、この部分を締め付けることにより、エンジンの気筒内にグロープラグ21が装着されている。
【0007】
また、近年地球温暖化防止策としての排ガス規制対応の一環として、ディーゼルエンジンの燃焼方式が、副燃焼室を有するタイプから、直接噴射式、いわゆる直噴タイプに移行し、さらに給、排気弁の多弁化が図られている。これに伴い低温時におけるエンジンの始動性を向上させるためのグロープラグ21も、噴射ノズルとともにシリンダーヘッドに取り付けられており、ヒーター先端部を主燃焼室に突き出して配置し、この室内を予熱することにより着火補助源となるように構成されている。
【0008】
このような直接噴射式のディーゼルエンジンに用いるグロープラグ21はシリンダーヘッドの壁面を通って主燃焼室にその先端部が突き出した状態で配置されるため、副燃焼室を予熱するタイプに比べて全長を長尺にし、しかも細径にする必要がある。さらに、エンジンの高出力化に伴いシリンダーヘッドの強度を確保するためにシリンダーヘッドの厚さを大きくする必要がある。このため、グロープラグ21を装着する挿入口が従来に比べ非常に細く、しかも長くなってきており、これに合わせてグロープラグ21も非常に細長く形成する必要があり、陰極金具28からのセラミックヒーター22の突き出し長さをより長くすることが望まれている。従来の前記突き出し長さは、6〜10mm程度であったが、現在要求されている前記突き出し長さは、12〜25mmである。
【0009】
また、前記直接噴射式のディーゼルエンジンに用いるグロープラグ21においてはバッテリーの電圧を直接印加して使用する飽和タイプからコントローラーにより印加電圧を制御し、エンジン負荷に応じた制御と極低温(−25℃)時においてもエンジン始動に対して十分な発熱温度が得られる制御タイプのグロープラグ21が要求されるようになってきた。この制御タイプのグロープラグ21は従来の飽和タイプに比べ低電圧(たとえば7V)で使用するためセラミックヒーター22の抵抗値がより低抵抗化の傾向にあり、合わせて室温から1000℃までの昇温時間が2秒というように急速昇温性に優れた、1400℃においても使用可能な高温耐久性に優れたものが要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなセラミックヒーターにおいては、陰極金具からのセラミックヒーターの突き出し長さが従来の副燃焼室を予熱するタイプのディーゼルエンジンに比べより長くなるため、次のような問題点があった。
【0011】
特開2000−88248号公報に示されている従来のグロープラグは、図3に示すように発熱抵抗体24とリードピン26の接続部6aが陰極金具28の内部に収納されるような構造となっていたため、陰極金具28の熱引きにより前記接続部6aの温度が前記最高温度部の温度を1400℃とした場合において、前記接続部6aの温度が1250℃以下に保たれていた。
【0012】
このグロープラグ21の構造の特徴は、発熱抵抗体24とリードピン26との接続部26aがハウジング金具29の端面よりもハウジング金具29側に入り込むように配置される点にある。これは通電やエンジン燃焼時の熱サイクルによって、発熱抵抗体24とリードピン26の接続部26aに両部の熱膨張差により発生する熱応力によって起こる通電耐久性の劣化を抑制するというものである。
【0013】
しかし、このようなタイプのグロープラグは無機導電材からなる発熱抵抗体の長さが長くなるため、これに対応して発熱抵抗体の抵抗値が増大する。このため、セラミックヒーターの突き出し長さが長い直接噴射タイプのグロープラグにおいては、発熱抵抗体の抵抗値の増大に伴い消費電力が増大するとともに、1000℃までの昇温時間が2秒以内というような超急速な昇温をさせようとすると、発熱抵抗体側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度が7W/mm2を超えて大きくなり、発熱抵抗体がこの突入電力密度に耐えられずにセラミックヒーターの耐久性が低下するという問題があった。
【0014】
また、金属材料に較べて抵抗値の高い無機導電材からなる発熱抵抗体の長さが長くなるため、コントローラーを使用した制御タイプの場合、設計上セラミックヒーターの低抵抗化が困難になるという問題が発生した。
【0015】
また、特開2001−227744号公報には、図4に示すように、陰極金具28の先端から発熱抵抗体24とリードピン26との接続部までの軸方向の長さL3が7mm以上であり、前記発熱抵抗体24が通電により発熱したとき、前記発熱抵抗体24の先端部から軸方向におけるリードピン26先端部までの長さL4の31%以内の領域に、最高温度部があるという構造が提案されている。
【0016】
これは、直接噴射タイプのグロープラグ21の細径化における陰極金具28からのセラミックヒーター22の突き出し長さをより長くするという要求に対し、発熱抵抗体2とリードピン26の接続部6aを陰極金具28端面より7mm以上とした場合に、セラミックヒーターの最高発熱部を発熱抵抗体24部分の先端側31%以内とする事により、リードピン26と発熱抵抗体24の熱膨張差により、発熱抵抗体24とリードピン26の接続部にクラックが発生して耐久性が劣化することを防止することを狙ったものである。
【0017】
しかしながら、本構造の場合、セラミックヒーター22の発熱抵抗体24がより先端部に集中した構造となるため、とくに室温より1000℃までの昇温時間が2秒となるような超急速昇温の場合、通電開始時の突入電力密度が非常に大きくなり、これにより発熱抵抗体24に対する昇温時の熱衝撃が非常に大きくなるとともに、発熱抵抗体24の発熱中心とリードピン26の距離が近くなるため、セラミックヒーター22の最高温度部を1400℃まで加熱すると、第二の発熱抵抗体24bとリードピン26との接続部26aの温度が1250℃を超えてしまうため、グロープラグ21の耐久性が低下するので好ましくない。
【0018】
そして、このタイプのグロープラグ21は、発熱抵抗体24側のリードピン端部の温度が1250℃を超える温度まで上昇して、該リードピン26の端部26aの発熱抵抗体24が疲労して抵抗値が増大し通電耐久性の劣化を招くという問題があった。
【0019】
本発明の目的は、セラミックヒーターの突き出し部が長い直接噴射タイプのグロープラグ等に使用されるセラミックヒーターにおいて、電力密度と発熱抵抗体の抵抗比を改善し、通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のセラミックヒーターを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明のグロープラグは、窒化珪素質焼結体からなるセラミック体の内部に、通電により発熱する無機導電材から成る発熱抵抗体とタングステン等の金属より成るリードピンと電極引出部とを具備したセラミックヒーターと、前記電極引出部に接続される陰極金具および陽極金具とを有するグロープラグであって、前記陰極金具からの前記セラミックヒーターの突き出し長さが12〜25mmであり、前記発熱抵抗体が前記セラミックヒーター表面の最高温度となる側に形成された第一の発熱抵抗体と該第一の発熱抵抗体とリードピンの間に形成された第二の発熱抵抗体とからなるグロープラグにおいて、上記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部から陰極金具までの距離が2〜15mmであり、通電により前記最高発熱部の温度が1400℃となったときに、前記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部の温度が1250℃以下であり、かつ、前記第一の発熱抵抗体の室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値が1.5〜5倍であることを特徴とするものである。
【0021】
本発明は、セラミックヒーターの突き出し部が長い直接噴射タイプのグロープラグにおいて通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のグロープラグを得ることを目的とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0023】
図1は、本発明のグロープラグ1の断面図を示したものである。セラミックヒーター2はセラミック体3中に第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bとリードピン6と電極引出部7が埋設され、これら電極引出部7が不図示のロウ材を介して陰極金具8と陽極金具10に接続されている。陰極金具8は、さらにハウジング金具9に接続されている。また、陽極側は、電極引出部7を介して略キャップ状の陽極金具10に接続されている。陽極金具10は、さらに金属端子11を介して棒状電極12に接続されている。ハウジング金具9と棒状電極12は、絶縁シール14、16で電気的に絶縁され、また、リング状の絶縁シール14、16を介して取付ネジ15によりハウジング金具10と電気的絶縁性を保った状態で締め付け固定されている。また、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さLは、12〜25mmに調整されている。
【0024】
前記突き出し長さLを12〜25mmとする理由は、前記突き出し長さが12mm未満では、エンジンの気筒中への挿入長さが短くなり、着火性が低下するからである。また、前記突き出し長さLが25mmを超えると、セラミックヒーター2の片持強度が低下するので好ましくない。さらに好ましくは、前記突き出し長さLを12〜20mmとすることが好ましい。
【0025】
本発明のグロープラグ1は、窒化珪素質焼結体からなるセラミック体3の内部に、通電により発熱する無機導電材から成る発熱抵抗体4とタングステン等の金属より成るリードピン6と電極引出部7とを具備したセラミックヒーター2と、前記電極引出部7に接続される陰極金具8および陽極金具10とを有するグロープラグ1であって、前記陰極金具8からの前記セラミックヒーター2の突き出し長さLが12〜25mmであって、前記発熱抵抗体4が前記セラミックヒーター2表面の最高温度となる側に形成された第一の発熱抵抗体4aと該第一の発熱抵抗体4aとリードピンの間に形成された第二の発熱抵抗体4bとからなるグロープラグ1において、該第二の発熱抵抗体4bとリードピン6の接続部6aのリードピン6の端面と陰極金具8との距離L3が2〜15mmであり、前記最高発熱部の温度が1400℃の際に、前記第二の発熱抵抗体4bとリードピン6の接続部6aの温度が1250℃以下であることを特徴とする。さらに好ましくは、前記接続部6aの温度が1100℃以下、理想的には1000℃以下であることが好ましい。
【0026】
第一の発熱抵抗体4aの長さはL1、第二の発熱抵抗体4bの長さはL2、陰極金具からのリードピン6の突き出し長さはL3、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さはLで示した。第二の発熱抵抗体4bの長さL2は、図1に示すようにリードピン6の端部から第一の発熱抵抗体4aとの接続部までの長さをいう。なお、第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bの重なり部分は、第二の発熱抵抗体4bの中に含めた。
【0027】
前記接続部6aの温度が1250℃を超えると、前記接続部6aのリードピン6端面付近の発熱抵抗体4にクラックが発生して抵抗値が増加してしまうので好ましくない。
【0028】
特開2000−88248号公報に示されている従来のグロープラグは、図3に示すように前記最高温度部の温度を1400℃とした場合において、前記接続部6aの温度が1250℃以下に保たれていた。
【0029】
これに対し、本発明のグロープラグは、前記接続部6aが陰極金具28より2〜15mm外側に形成されている。そのため、陰極金具28の熱引きによる温度低下が期待できず、前記接続部6aの温度が1250℃以上に上がってしまう。
【0030】
また、特開2001−227744号公報には、図4に示すように陰極金具28の先端から発熱抵抗体24とリードピン26との接続部までの軸方向の長さL3が7mm以上であり、前記発熱抵抗体24が通電により発熱したとき、前記発熱抵抗体24の先端部から軸方向におけるリードピン26先端部までの長さL4の31%以内の領域に、最高温度部があるという構造が提案されているが、この構造では、グロープラグ21の最高発熱部を1400℃にすると、第二の発熱抵抗体24bとリードピン26との接続部26aの温度が1250℃を超えてしまうため、グロープラグ21の耐久性が低下するので好ましくない。
【0031】
前記接続部6aの温度を1250℃以下とするためには、第一の発熱抵抗体4a側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度を4〜7W/mm2とし、かつ前記第二の発熱抵抗体4bの抵抗値に対する第一の発熱抵抗体4aの抵抗値を1.5〜5倍とすることが好ましい。
【0032】
すなわち、本発明のセラミックヒーター2は、直径をD1、第一の発熱抵抗体4aの軸方向の長さがL1、その25℃における抵抗値をR1、第二の発熱抵抗体4bの軸方向の長さがL2、その25℃における抵抗値をR2、リードピン6および電極引出部7の25℃における抵抗値をR3、室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の突入電力をWとした時の第一の発熱抵抗体4aにおける突入電力密度の関係が
突入電力密度=(W×(R1/(R1+R2+R3)))/S1
但し、S1=π×D1×L1、
で表され、その時の突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体4bに対する第一の発熱抵抗体4aの常温抵抗値の抵抗比R1/R2が1.5〜5を満足するものである。
【0033】
第一の発熱抵抗体4a側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度が、4W/mm2未満では、第一の発熱抵抗体4a付近のセラミックヒーター2の温度を2秒間で1000℃まで加熱することができない。また、前記突入電力密度が7W/mm2を超えると、第一の発熱抵抗体4aに掛かる負荷が大きいので、使用中の熱サイクルにより第一の発熱抵抗体4aの抵抗値が増大し、セラミックヒーター2の耐久性が低下するので好ましくない。
【0034】
また、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6の間に第二の発熱抵抗体4bを設置する理由は、第一の発熱抵抗体4aの温度は1400℃以上の高温になるのに対し、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6を直接接続させると、この接続部6aの温度が1250℃を超える温度になり、使用中の熱サイクルによりこの接続部6a付近のセラミックヒーター2にクラックが発生することが知られている。このクラック発生の原因は、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6の熱膨張率の差による応力による。
【0035】
このクラックの発生を防止するためには、リードピン6との接続部6aの温度を1250℃以下に低下させることが有効である事が、本発明者等の検討により判った。
【0036】
また、第二の発熱抵抗体4bを形成することにより、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6との間に大きな温度差を形成すると、第一の発熱抵抗体4aの付近が局部発熱するようになり、使用中の熱サイクルにより第一の発熱抵抗体4aの抵抗値が経時変化することが判った。
【0037】
また、陰極金具8の一端から前記第二の発熱抵抗体4bと前記リードピン6との接続部6aのリードピン6先端部までの軸方向の長さL3を2〜15mmとすることで、前記接続部6aの温度をより低減できるため通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のセラミックヒーター2が得られる。
【0038】
第二の発熱抵抗体4bとリードピン6との接続部6aと陰極金具8の端部との間の距離が15mmより大きいと、発熱抵抗体4による発熱が先端に集中し、セラミックヒーター2の最高温度部の温度を1400℃に上昇させた場合、リードピン6の先端部6aの温度が1250℃を超えてしまい、グロープラグ1の耐久性が低下してしまう。
【0039】
また、第二の発熱抵抗体4bとリードピン6との接続部6aと陰極金具8の端部との間の距離が2mmより小さいと、発熱抵抗体4の発熱部長が長くなるので、セラミックヒーター2の発熱量が増大し、リードピン6の先端部6aの温度が逆に上昇して1250℃を超えてしまい、グロープラグ1の耐久性が低下してしまう。
【0040】
さらに、本発明のグロープラグ1の詳細について説明する。
【0041】
本発明のグロープラグ1のセラミック体3は、窒化珪素を主成分とし、焼結助剤として3〜10重量%の稀土類元素酸化物、0.3〜3重量%の酸化アルミニウム、0.5〜8.5重量%の二珪化モリブデンおよび1〜5重量%の酸化珪素を含有するものが好ましい。希土類元素酸化物は、粒界相の融点を向上させ、グロープラグ1の高温耐久性を向上させる。また、酸化アルミニウムは窒化珪素の焼結を大きく促進し、粒界相量の増減に大きく影響する。さらに好ましくは0.5〜2重量%とすることが好ましい。酸化珪素は、原料の不純物として含有される酸素や焼成中の雰囲気から混入するもの、さらに添加するもので構成される。酸化珪素も、窒化珪素の焼結を大きく促進する効果がある。しかし、含有量が5重量%を超えると、通電時の電界により陽極側に集まる傾向があり、グロープラグ1の耐久性を劣化させる。
【0042】
上記の原料を所定の構造に成形し、成形体の表面に第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bおよび電極引出部7をスクリーン印刷等で形成した後、前記第二の発熱抵抗体4bと電極引出部7を繋ぐようにWからなるリードピン6を設置した後、別の成形体を重ねてホットプレス焼成により一体焼成する。
【0043】
また、第一の発熱抵抗体4aおよび第二の発熱抵抗体4bを複数の層設置する場合は、前記成形体を複数準備した後これらを重ねてホットプレスにより一体焼成する。また、前記第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bは同一の組成の抵抗体材料を用い射出成形で形成され用いられても良い。このようにして準備した成形体をホットプレスにより焼成して、第一の発熱抵抗体4aおよび第二の発熱抵抗体4bを内蔵した角形のセラミックヒーター2を得る。
【0044】
さらに、前記角形のセラミックヒーター2を円柱状に加工し、電極引出部7を露出させ、陰極金具8、陽極金具10、陽極端子11、棒状電極12、ハウジング金具9を順次接合した後、ネジ15により絶縁シール15、16を介して棒状電極12をハウジング金具9に固定してグロープラグ1とすることができる。
【0045】
【実施例】
実施例1
希土類元素酸化物のひとつである酸化イッテリビウム(Yb2O3)5重量%、二珪化モリブデン3重量%、酸化アルミニウム0.5重量%と適量の酸化珪素を添加混合した造粒粉を使用し、プレス成形により平板状の窒化珪素成形体を準備する。該成形体の片面に第一の発熱抵抗体4aおよび第二の発熱抵抗体4bと電極引出部7をプリント形成し、さらにリードピン6を設置した成形体を準備する。このときセラミックヒーターの室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体4a側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度を3〜7.7W/mm2の間で、前記第二の発熱抵抗体4bに対する第一の発熱抵抗体4aの抵抗比を0.6〜8.5倍の間となるよう調整してプリント形成した。
【0046】
その後、前記成形体を重ねてホットプレス焼成して断面角状のセラミックヒーター2を得た。その後、前記断面角状のセラミックヒーター2を外径が3.2mmとなるように丸め加工した。その後陰極側の電極引出部7上に陰極金具8をセラミックヒーターの突き出し長さが14mmとなるよう設置し、ロウ材を溶融させて陰極金具8を固定した。また、陽極については、陽極側の電極引出部7上にキャップ状の陽極金具10を被せた後ロウ材を溶融させて一体化した。さらに、陰極金具8上にハウジング金具9を装着した後これをロウ付けし、陽極金具10のセラミックヒーター2とは逆の末端に設置された取付ネジ15を絶縁シール14、16を介して固定してグロープラグ1とした。
【0047】
また、陰極金具8からのリードピン6の突き出し長さL3は−3〜18mm、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さLは8〜28mmに調整したものを準備した。
【0048】
上記のグロープラグ1を作製し、これらのセラミックヒーター2表面の最高温度が1000℃まで2秒以内で昇温し1400℃になるように印加する電圧を調整した上で5分間通電後3分間遮断する通電耐久試験を行った。そして、一定時間毎に前記セラミックヒーター2の抵抗値を測定し、試験開始前の抵抗値に対する変化率が10%を超えると不良と判断し、10%を超えた時の耐久サイクル数が10000サイクル以上を基準として耐久性を評価した。結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
表1から判るように、陰極金具8からのリードピン6の突き出し長さL3を6mとし、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さLを14mmとし、第二の発熱抵抗体4bに対する第一の発熱抵抗体4aの抵抗比が1.5未満であるNo.1〜4は、第二の発熱抵抗体4bとリードピンとの接続部6aの温度が1250℃を超えてしまい、耐久テスト後の抵抗変化率が10%を超えてしまった。
【0051】
No.10〜13は、接続部6aの温度は1250℃以下であるが、W密度が7W/mm2を超え、上記抵抗比が5を超えているため、耐久テスト後の抵抗変化率が10%を超えて大きくなった。
【0052】
また、リードピン6の突き出し長さL3が、0〜−3mmであるNo.14、15は、発熱面積が大きくなるので消費電力が大きくなり、急速昇温に耐えず、耐久テスト後の抵抗変化率が18〜20%と大きくなった。
【0053】
リードピン6の突き出し長さL3が18mmであるNo.19は、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さが25mmなので、差引の発熱抵抗体4の長さが7mmとなり、局部的に先端が加熱するようになるのでリードピン6の先端部6aの温度が1250℃以上に上昇し、発熱抵抗体4の抵抗値が10%を超えて増加するので好ましくない。
【0054】
セラミックヒーター2の突き出し長さLが28mmであるNo.24は、リードピン6の突き出し長さが6mmであり、発熱抵抗体4の差引長さが22mmと長くなるのでリードピン6の先端部6aの温度が1250℃以上に上昇し、発熱抵抗体4の抵抗値が10%を超えて増加する好ましくない。
【0055】
No.25、26は、抵抗比は、本発明の請求範囲内であるが、電力密度が7W/mm2を超えており第一の発熱抵抗体4aへの負荷が大きいため、耐久テスト後の抵抗変化率が10%を超えて大きくなった。
【0056】
これに対し、第二の発熱抵抗体4bとリードピン6の接続部6aの温度が1250℃以下であり、室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値が1.5〜5倍であるNo.5〜9、16〜18、20〜23は、耐久テスト後の抵抗変化率が10%以下となり良好な耐久性を示すことが判った。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、窒化珪素質焼結体からなるセラミック体の内部に、通電により発熱する無機導電材から成る発熱抵抗体とタングステン等の金属より成るリードピンと電極引出部とを具備したセラミックヒーターと、前記電極引出部に接続される陰極金具および陽極金具とを有するグロープラグであって、前記陰極金具からの前記セラミックヒーターの突き出し長さが12〜25mmであり、前記発熱抵抗体が前記セラミックヒーター表面の最高温度となる側に形成された第一の発熱抵抗体と該第一の発熱抵抗体とリードピンの間に形成された第二の発熱抵抗体とからなるグロープラグにおいて、該第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部のリードピンの端面と陰極金具との距離が2〜15mmであり、前記最高発熱部の温度が1400℃の際に、前記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部の温度が1250℃以下であり、かつ、前記第一の発熱抵抗体の室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値が1.5〜5倍とすることにより、セラミックヒーターの突き出し部が長い直接噴射タイプのグロープラグ等において通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のグロープラグを得ることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のセラミックグロープラグの断面図であり、(b)はそのセラミックヒーター部分の拡大断面図である。
【図2】従来のグロープラグを示す断面図である。
【図3】従来のグロープラグを示す部分断面図である。
【図4】従来のグロープラグを示す部分断面図である。
【符号の説明】
1:グロープラグ
2:セラミックヒーター
3:セラミック体
4:発熱抵抗体
4a:第一の発熱抵抗体
4b:第二の発熱抵抗体
6:リードピン
7:電極引出部
8:陰極金具
9:ハウジング金具
10:陽極金具
11:陽極端子
12:棒状電極
13:ネジ部
14、16:絶縁シール
15:取付ネジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、おもにディーゼルエンジンの始動補助用として使用される高温用のセラミックヒーターに関し、特に排ガス規制に対応するためディーゼルエンジンの直噴多弁化に移行する中でセラミックヒーターの電力密度と発熱抵抗体の抵抗比を改善するとともに、グロープラグ先端側のセラミックヒーター突き出し長さを軸線方向に延長させて細径長尺化を図ったグロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジン等の始動促進に用いられるセラミックヒーターとしては、耐熱合金製のシース内に耐熱絶縁性粉末を充填し、該耐熱絶縁粉末中にニッケル(Ni)−クロム(Cr)等を主成分とする高融点金属線からなる発熱抵抗体を埋設したシーズヒータが使用されていた。
【0003】
しかしながら、前記シーズヒータは、耐熱金属製のシース内に充填された耐絶縁性粉末を介して発熱抵抗体の熱を伝えるため、短時間の急速昇温が困難であった。その上、耐磨耗性や耐酸化性に劣るという問題があった。
【0004】
そこで、短時間の急速昇温が可能で、耐磨耗性と耐酸化性に優れた信頼性の高いセラミックヒーターとして、無機導電材からなる発熱抵抗体を電気絶縁性のセラミック焼結体中に埋設したセラミックヒーターが広く利用されるようになってきた。
【0005】
例えば、図4に示すように、高強度で耐酸化性に優れた窒化珪素(Si3N4)を主成分とするセラミック体22中にタングステンカーバイド(WC)等の導電性セラミックスからなる発熱抵抗体24を埋設し、前記導電性セラミックス中に窒化珪素(Si3N4)を分散させることにより、前記セラミック体22と前記発熱抵抗体24との熱膨張差を小さくしたセラミックヒーター22を用いることが、グロープラグ21として好適であることが提案されている(実開平2−20293号公報参照)。
【0006】
このグロープラグ21は、発熱抵抗体24とタングステンからなるリードピン26がセラミックヒーター22中に埋設され、陰極側の電極引出部27は陰極金具28と接合され、陽極側の電極引出部27はコイル状の陽極金具30に接合され、さらに陽極端子31および棒状電極32に接合される構造となっていた。また、前記棒状電極32は、陰極金具28と接合しているハウジング金具29との間で電気的絶縁性を確保するために、絶縁シール34、36を介して取付ネジ35で固定される構造となっている。また、ハウジング金具29の外周には、ネジ部33が形成され、この部分を締め付けることにより、エンジンの気筒内にグロープラグ21が装着されている。
【0007】
また、近年地球温暖化防止策としての排ガス規制対応の一環として、ディーゼルエンジンの燃焼方式が、副燃焼室を有するタイプから、直接噴射式、いわゆる直噴タイプに移行し、さらに給、排気弁の多弁化が図られている。これに伴い低温時におけるエンジンの始動性を向上させるためのグロープラグ21も、噴射ノズルとともにシリンダーヘッドに取り付けられており、ヒーター先端部を主燃焼室に突き出して配置し、この室内を予熱することにより着火補助源となるように構成されている。
【0008】
このような直接噴射式のディーゼルエンジンに用いるグロープラグ21はシリンダーヘッドの壁面を通って主燃焼室にその先端部が突き出した状態で配置されるため、副燃焼室を予熱するタイプに比べて全長を長尺にし、しかも細径にする必要がある。さらに、エンジンの高出力化に伴いシリンダーヘッドの強度を確保するためにシリンダーヘッドの厚さを大きくする必要がある。このため、グロープラグ21を装着する挿入口が従来に比べ非常に細く、しかも長くなってきており、これに合わせてグロープラグ21も非常に細長く形成する必要があり、陰極金具28からのセラミックヒーター22の突き出し長さをより長くすることが望まれている。従来の前記突き出し長さは、6〜10mm程度であったが、現在要求されている前記突き出し長さは、12〜25mmである。
【0009】
また、前記直接噴射式のディーゼルエンジンに用いるグロープラグ21においてはバッテリーの電圧を直接印加して使用する飽和タイプからコントローラーにより印加電圧を制御し、エンジン負荷に応じた制御と極低温(−25℃)時においてもエンジン始動に対して十分な発熱温度が得られる制御タイプのグロープラグ21が要求されるようになってきた。この制御タイプのグロープラグ21は従来の飽和タイプに比べ低電圧(たとえば7V)で使用するためセラミックヒーター22の抵抗値がより低抵抗化の傾向にあり、合わせて室温から1000℃までの昇温時間が2秒というように急速昇温性に優れた、1400℃においても使用可能な高温耐久性に優れたものが要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなセラミックヒーターにおいては、陰極金具からのセラミックヒーターの突き出し長さが従来の副燃焼室を予熱するタイプのディーゼルエンジンに比べより長くなるため、次のような問題点があった。
【0011】
特開2000−88248号公報に示されている従来のグロープラグは、図3に示すように発熱抵抗体24とリードピン26の接続部6aが陰極金具28の内部に収納されるような構造となっていたため、陰極金具28の熱引きにより前記接続部6aの温度が前記最高温度部の温度を1400℃とした場合において、前記接続部6aの温度が1250℃以下に保たれていた。
【0012】
このグロープラグ21の構造の特徴は、発熱抵抗体24とリードピン26との接続部26aがハウジング金具29の端面よりもハウジング金具29側に入り込むように配置される点にある。これは通電やエンジン燃焼時の熱サイクルによって、発熱抵抗体24とリードピン26の接続部26aに両部の熱膨張差により発生する熱応力によって起こる通電耐久性の劣化を抑制するというものである。
【0013】
しかし、このようなタイプのグロープラグは無機導電材からなる発熱抵抗体の長さが長くなるため、これに対応して発熱抵抗体の抵抗値が増大する。このため、セラミックヒーターの突き出し長さが長い直接噴射タイプのグロープラグにおいては、発熱抵抗体の抵抗値の増大に伴い消費電力が増大するとともに、1000℃までの昇温時間が2秒以内というような超急速な昇温をさせようとすると、発熱抵抗体側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度が7W/mm2を超えて大きくなり、発熱抵抗体がこの突入電力密度に耐えられずにセラミックヒーターの耐久性が低下するという問題があった。
【0014】
また、金属材料に較べて抵抗値の高い無機導電材からなる発熱抵抗体の長さが長くなるため、コントローラーを使用した制御タイプの場合、設計上セラミックヒーターの低抵抗化が困難になるという問題が発生した。
【0015】
また、特開2001−227744号公報には、図4に示すように、陰極金具28の先端から発熱抵抗体24とリードピン26との接続部までの軸方向の長さL3が7mm以上であり、前記発熱抵抗体24が通電により発熱したとき、前記発熱抵抗体24の先端部から軸方向におけるリードピン26先端部までの長さL4の31%以内の領域に、最高温度部があるという構造が提案されている。
【0016】
これは、直接噴射タイプのグロープラグ21の細径化における陰極金具28からのセラミックヒーター22の突き出し長さをより長くするという要求に対し、発熱抵抗体2とリードピン26の接続部6aを陰極金具28端面より7mm以上とした場合に、セラミックヒーターの最高発熱部を発熱抵抗体24部分の先端側31%以内とする事により、リードピン26と発熱抵抗体24の熱膨張差により、発熱抵抗体24とリードピン26の接続部にクラックが発生して耐久性が劣化することを防止することを狙ったものである。
【0017】
しかしながら、本構造の場合、セラミックヒーター22の発熱抵抗体24がより先端部に集中した構造となるため、とくに室温より1000℃までの昇温時間が2秒となるような超急速昇温の場合、通電開始時の突入電力密度が非常に大きくなり、これにより発熱抵抗体24に対する昇温時の熱衝撃が非常に大きくなるとともに、発熱抵抗体24の発熱中心とリードピン26の距離が近くなるため、セラミックヒーター22の最高温度部を1400℃まで加熱すると、第二の発熱抵抗体24bとリードピン26との接続部26aの温度が1250℃を超えてしまうため、グロープラグ21の耐久性が低下するので好ましくない。
【0018】
そして、このタイプのグロープラグ21は、発熱抵抗体24側のリードピン端部の温度が1250℃を超える温度まで上昇して、該リードピン26の端部26aの発熱抵抗体24が疲労して抵抗値が増大し通電耐久性の劣化を招くという問題があった。
【0019】
本発明の目的は、セラミックヒーターの突き出し部が長い直接噴射タイプのグロープラグ等に使用されるセラミックヒーターにおいて、電力密度と発熱抵抗体の抵抗比を改善し、通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のセラミックヒーターを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明のグロープラグは、窒化珪素質焼結体からなるセラミック体の内部に、通電により発熱する無機導電材から成る発熱抵抗体とタングステン等の金属より成るリードピンと電極引出部とを具備したセラミックヒーターと、前記電極引出部に接続される陰極金具および陽極金具とを有するグロープラグであって、前記陰極金具からの前記セラミックヒーターの突き出し長さが12〜25mmであり、前記発熱抵抗体が前記セラミックヒーター表面の最高温度となる側に形成された第一の発熱抵抗体と該第一の発熱抵抗体とリードピンの間に形成された第二の発熱抵抗体とからなるグロープラグにおいて、上記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部から陰極金具までの距離が2〜15mmであり、通電により前記最高発熱部の温度が1400℃となったときに、前記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部の温度が1250℃以下であり、かつ、前記第一の発熱抵抗体の室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値が1.5〜5倍であることを特徴とするものである。
【0021】
本発明は、セラミックヒーターの突き出し部が長い直接噴射タイプのグロープラグにおいて通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のグロープラグを得ることを目的とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0023】
図1は、本発明のグロープラグ1の断面図を示したものである。セラミックヒーター2はセラミック体3中に第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bとリードピン6と電極引出部7が埋設され、これら電極引出部7が不図示のロウ材を介して陰極金具8と陽極金具10に接続されている。陰極金具8は、さらにハウジング金具9に接続されている。また、陽極側は、電極引出部7を介して略キャップ状の陽極金具10に接続されている。陽極金具10は、さらに金属端子11を介して棒状電極12に接続されている。ハウジング金具9と棒状電極12は、絶縁シール14、16で電気的に絶縁され、また、リング状の絶縁シール14、16を介して取付ネジ15によりハウジング金具10と電気的絶縁性を保った状態で締め付け固定されている。また、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さLは、12〜25mmに調整されている。
【0024】
前記突き出し長さLを12〜25mmとする理由は、前記突き出し長さが12mm未満では、エンジンの気筒中への挿入長さが短くなり、着火性が低下するからである。また、前記突き出し長さLが25mmを超えると、セラミックヒーター2の片持強度が低下するので好ましくない。さらに好ましくは、前記突き出し長さLを12〜20mmとすることが好ましい。
【0025】
本発明のグロープラグ1は、窒化珪素質焼結体からなるセラミック体3の内部に、通電により発熱する無機導電材から成る発熱抵抗体4とタングステン等の金属より成るリードピン6と電極引出部7とを具備したセラミックヒーター2と、前記電極引出部7に接続される陰極金具8および陽極金具10とを有するグロープラグ1であって、前記陰極金具8からの前記セラミックヒーター2の突き出し長さLが12〜25mmであって、前記発熱抵抗体4が前記セラミックヒーター2表面の最高温度となる側に形成された第一の発熱抵抗体4aと該第一の発熱抵抗体4aとリードピンの間に形成された第二の発熱抵抗体4bとからなるグロープラグ1において、該第二の発熱抵抗体4bとリードピン6の接続部6aのリードピン6の端面と陰極金具8との距離L3が2〜15mmであり、前記最高発熱部の温度が1400℃の際に、前記第二の発熱抵抗体4bとリードピン6の接続部6aの温度が1250℃以下であることを特徴とする。さらに好ましくは、前記接続部6aの温度が1100℃以下、理想的には1000℃以下であることが好ましい。
【0026】
第一の発熱抵抗体4aの長さはL1、第二の発熱抵抗体4bの長さはL2、陰極金具からのリードピン6の突き出し長さはL3、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さはLで示した。第二の発熱抵抗体4bの長さL2は、図1に示すようにリードピン6の端部から第一の発熱抵抗体4aとの接続部までの長さをいう。なお、第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bの重なり部分は、第二の発熱抵抗体4bの中に含めた。
【0027】
前記接続部6aの温度が1250℃を超えると、前記接続部6aのリードピン6端面付近の発熱抵抗体4にクラックが発生して抵抗値が増加してしまうので好ましくない。
【0028】
特開2000−88248号公報に示されている従来のグロープラグは、図3に示すように前記最高温度部の温度を1400℃とした場合において、前記接続部6aの温度が1250℃以下に保たれていた。
【0029】
これに対し、本発明のグロープラグは、前記接続部6aが陰極金具28より2〜15mm外側に形成されている。そのため、陰極金具28の熱引きによる温度低下が期待できず、前記接続部6aの温度が1250℃以上に上がってしまう。
【0030】
また、特開2001−227744号公報には、図4に示すように陰極金具28の先端から発熱抵抗体24とリードピン26との接続部までの軸方向の長さL3が7mm以上であり、前記発熱抵抗体24が通電により発熱したとき、前記発熱抵抗体24の先端部から軸方向におけるリードピン26先端部までの長さL4の31%以内の領域に、最高温度部があるという構造が提案されているが、この構造では、グロープラグ21の最高発熱部を1400℃にすると、第二の発熱抵抗体24bとリードピン26との接続部26aの温度が1250℃を超えてしまうため、グロープラグ21の耐久性が低下するので好ましくない。
【0031】
前記接続部6aの温度を1250℃以下とするためには、第一の発熱抵抗体4a側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度を4〜7W/mm2とし、かつ前記第二の発熱抵抗体4bの抵抗値に対する第一の発熱抵抗体4aの抵抗値を1.5〜5倍とすることが好ましい。
【0032】
すなわち、本発明のセラミックヒーター2は、直径をD1、第一の発熱抵抗体4aの軸方向の長さがL1、その25℃における抵抗値をR1、第二の発熱抵抗体4bの軸方向の長さがL2、その25℃における抵抗値をR2、リードピン6および電極引出部7の25℃における抵抗値をR3、室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の突入電力をWとした時の第一の発熱抵抗体4aにおける突入電力密度の関係が
突入電力密度=(W×(R1/(R1+R2+R3)))/S1
但し、S1=π×D1×L1、
で表され、その時の突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体4bに対する第一の発熱抵抗体4aの常温抵抗値の抵抗比R1/R2が1.5〜5を満足するものである。
【0033】
第一の発熱抵抗体4a側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度が、4W/mm2未満では、第一の発熱抵抗体4a付近のセラミックヒーター2の温度を2秒間で1000℃まで加熱することができない。また、前記突入電力密度が7W/mm2を超えると、第一の発熱抵抗体4aに掛かる負荷が大きいので、使用中の熱サイクルにより第一の発熱抵抗体4aの抵抗値が増大し、セラミックヒーター2の耐久性が低下するので好ましくない。
【0034】
また、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6の間に第二の発熱抵抗体4bを設置する理由は、第一の発熱抵抗体4aの温度は1400℃以上の高温になるのに対し、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6を直接接続させると、この接続部6aの温度が1250℃を超える温度になり、使用中の熱サイクルによりこの接続部6a付近のセラミックヒーター2にクラックが発生することが知られている。このクラック発生の原因は、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6の熱膨張率の差による応力による。
【0035】
このクラックの発生を防止するためには、リードピン6との接続部6aの温度を1250℃以下に低下させることが有効である事が、本発明者等の検討により判った。
【0036】
また、第二の発熱抵抗体4bを形成することにより、第一の発熱抵抗体4aとリードピン6との間に大きな温度差を形成すると、第一の発熱抵抗体4aの付近が局部発熱するようになり、使用中の熱サイクルにより第一の発熱抵抗体4aの抵抗値が経時変化することが判った。
【0037】
また、陰極金具8の一端から前記第二の発熱抵抗体4bと前記リードピン6との接続部6aのリードピン6先端部までの軸方向の長さL3を2〜15mmとすることで、前記接続部6aの温度をより低減できるため通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のセラミックヒーター2が得られる。
【0038】
第二の発熱抵抗体4bとリードピン6との接続部6aと陰極金具8の端部との間の距離が15mmより大きいと、発熱抵抗体4による発熱が先端に集中し、セラミックヒーター2の最高温度部の温度を1400℃に上昇させた場合、リードピン6の先端部6aの温度が1250℃を超えてしまい、グロープラグ1の耐久性が低下してしまう。
【0039】
また、第二の発熱抵抗体4bとリードピン6との接続部6aと陰極金具8の端部との間の距離が2mmより小さいと、発熱抵抗体4の発熱部長が長くなるので、セラミックヒーター2の発熱量が増大し、リードピン6の先端部6aの温度が逆に上昇して1250℃を超えてしまい、グロープラグ1の耐久性が低下してしまう。
【0040】
さらに、本発明のグロープラグ1の詳細について説明する。
【0041】
本発明のグロープラグ1のセラミック体3は、窒化珪素を主成分とし、焼結助剤として3〜10重量%の稀土類元素酸化物、0.3〜3重量%の酸化アルミニウム、0.5〜8.5重量%の二珪化モリブデンおよび1〜5重量%の酸化珪素を含有するものが好ましい。希土類元素酸化物は、粒界相の融点を向上させ、グロープラグ1の高温耐久性を向上させる。また、酸化アルミニウムは窒化珪素の焼結を大きく促進し、粒界相量の増減に大きく影響する。さらに好ましくは0.5〜2重量%とすることが好ましい。酸化珪素は、原料の不純物として含有される酸素や焼成中の雰囲気から混入するもの、さらに添加するもので構成される。酸化珪素も、窒化珪素の焼結を大きく促進する効果がある。しかし、含有量が5重量%を超えると、通電時の電界により陽極側に集まる傾向があり、グロープラグ1の耐久性を劣化させる。
【0042】
上記の原料を所定の構造に成形し、成形体の表面に第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bおよび電極引出部7をスクリーン印刷等で形成した後、前記第二の発熱抵抗体4bと電極引出部7を繋ぐようにWからなるリードピン6を設置した後、別の成形体を重ねてホットプレス焼成により一体焼成する。
【0043】
また、第一の発熱抵抗体4aおよび第二の発熱抵抗体4bを複数の層設置する場合は、前記成形体を複数準備した後これらを重ねてホットプレスにより一体焼成する。また、前記第一の発熱抵抗体4aと第二の発熱抵抗体4bは同一の組成の抵抗体材料を用い射出成形で形成され用いられても良い。このようにして準備した成形体をホットプレスにより焼成して、第一の発熱抵抗体4aおよび第二の発熱抵抗体4bを内蔵した角形のセラミックヒーター2を得る。
【0044】
さらに、前記角形のセラミックヒーター2を円柱状に加工し、電極引出部7を露出させ、陰極金具8、陽極金具10、陽極端子11、棒状電極12、ハウジング金具9を順次接合した後、ネジ15により絶縁シール15、16を介して棒状電極12をハウジング金具9に固定してグロープラグ1とすることができる。
【0045】
【実施例】
実施例1
希土類元素酸化物のひとつである酸化イッテリビウム(Yb2O3)5重量%、二珪化モリブデン3重量%、酸化アルミニウム0.5重量%と適量の酸化珪素を添加混合した造粒粉を使用し、プレス成形により平板状の窒化珪素成形体を準備する。該成形体の片面に第一の発熱抵抗体4aおよび第二の発熱抵抗体4bと電極引出部7をプリント形成し、さらにリードピン6を設置した成形体を準備する。このときセラミックヒーターの室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体4a側の窒化珪素質焼結体表面の単位面積当たりの突入電力密度を3〜7.7W/mm2の間で、前記第二の発熱抵抗体4bに対する第一の発熱抵抗体4aの抵抗比を0.6〜8.5倍の間となるよう調整してプリント形成した。
【0046】
その後、前記成形体を重ねてホットプレス焼成して断面角状のセラミックヒーター2を得た。その後、前記断面角状のセラミックヒーター2を外径が3.2mmとなるように丸め加工した。その後陰極側の電極引出部7上に陰極金具8をセラミックヒーターの突き出し長さが14mmとなるよう設置し、ロウ材を溶融させて陰極金具8を固定した。また、陽極については、陽極側の電極引出部7上にキャップ状の陽極金具10を被せた後ロウ材を溶融させて一体化した。さらに、陰極金具8上にハウジング金具9を装着した後これをロウ付けし、陽極金具10のセラミックヒーター2とは逆の末端に設置された取付ネジ15を絶縁シール14、16を介して固定してグロープラグ1とした。
【0047】
また、陰極金具8からのリードピン6の突き出し長さL3は−3〜18mm、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さLは8〜28mmに調整したものを準備した。
【0048】
上記のグロープラグ1を作製し、これらのセラミックヒーター2表面の最高温度が1000℃まで2秒以内で昇温し1400℃になるように印加する電圧を調整した上で5分間通電後3分間遮断する通電耐久試験を行った。そして、一定時間毎に前記セラミックヒーター2の抵抗値を測定し、試験開始前の抵抗値に対する変化率が10%を超えると不良と判断し、10%を超えた時の耐久サイクル数が10000サイクル以上を基準として耐久性を評価した。結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
表1から判るように、陰極金具8からのリードピン6の突き出し長さL3を6mとし、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さLを14mmとし、第二の発熱抵抗体4bに対する第一の発熱抵抗体4aの抵抗比が1.5未満であるNo.1〜4は、第二の発熱抵抗体4bとリードピンとの接続部6aの温度が1250℃を超えてしまい、耐久テスト後の抵抗変化率が10%を超えてしまった。
【0051】
No.10〜13は、接続部6aの温度は1250℃以下であるが、W密度が7W/mm2を超え、上記抵抗比が5を超えているため、耐久テスト後の抵抗変化率が10%を超えて大きくなった。
【0052】
また、リードピン6の突き出し長さL3が、0〜−3mmであるNo.14、15は、発熱面積が大きくなるので消費電力が大きくなり、急速昇温に耐えず、耐久テスト後の抵抗変化率が18〜20%と大きくなった。
【0053】
リードピン6の突き出し長さL3が18mmであるNo.19は、陰極金具8からのセラミックヒーター2の突き出し長さが25mmなので、差引の発熱抵抗体4の長さが7mmとなり、局部的に先端が加熱するようになるのでリードピン6の先端部6aの温度が1250℃以上に上昇し、発熱抵抗体4の抵抗値が10%を超えて増加するので好ましくない。
【0054】
セラミックヒーター2の突き出し長さLが28mmであるNo.24は、リードピン6の突き出し長さが6mmであり、発熱抵抗体4の差引長さが22mmと長くなるのでリードピン6の先端部6aの温度が1250℃以上に上昇し、発熱抵抗体4の抵抗値が10%を超えて増加する好ましくない。
【0055】
No.25、26は、抵抗比は、本発明の請求範囲内であるが、電力密度が7W/mm2を超えており第一の発熱抵抗体4aへの負荷が大きいため、耐久テスト後の抵抗変化率が10%を超えて大きくなった。
【0056】
これに対し、第二の発熱抵抗体4bとリードピン6の接続部6aの温度が1250℃以下であり、室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値が1.5〜5倍であるNo.5〜9、16〜18、20〜23は、耐久テスト後の抵抗変化率が10%以下となり良好な耐久性を示すことが判った。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、窒化珪素質焼結体からなるセラミック体の内部に、通電により発熱する無機導電材から成る発熱抵抗体とタングステン等の金属より成るリードピンと電極引出部とを具備したセラミックヒーターと、前記電極引出部に接続される陰極金具および陽極金具とを有するグロープラグであって、前記陰極金具からの前記セラミックヒーターの突き出し長さが12〜25mmであり、前記発熱抵抗体が前記セラミックヒーター表面の最高温度となる側に形成された第一の発熱抵抗体と該第一の発熱抵抗体とリードピンの間に形成された第二の発熱抵抗体とからなるグロープラグにおいて、該第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部のリードピンの端面と陰極金具との距離が2〜15mmであり、前記最高発熱部の温度が1400℃の際に、前記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部の温度が1250℃以下であり、かつ、前記第一の発熱抵抗体の室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値が1.5〜5倍とすることにより、セラミックヒーターの突き出し部が長い直接噴射タイプのグロープラグ等において通電耐久性と急速昇温性に優れた高信頼性のグロープラグを得ることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のセラミックグロープラグの断面図であり、(b)はそのセラミックヒーター部分の拡大断面図である。
【図2】従来のグロープラグを示す断面図である。
【図3】従来のグロープラグを示す部分断面図である。
【図4】従来のグロープラグを示す部分断面図である。
【符号の説明】
1:グロープラグ
2:セラミックヒーター
3:セラミック体
4:発熱抵抗体
4a:第一の発熱抵抗体
4b:第二の発熱抵抗体
6:リードピン
7:電極引出部
8:陰極金具
9:ハウジング金具
10:陽極金具
11:陽極端子
12:棒状電極
13:ネジ部
14、16:絶縁シール
15:取付ネジ
Claims (1)
- 窒化珪素質焼結体からなるセラミック体の内部に、通電により発熱する無機導電材から成る発熱抵抗体とタングステン等の金属より成るリードピンと電極引出部とを具備したセラミックヒーターと、前記電極引出部に接続される陰極金具および陽極金具とを有するグロープラグであって、前記陰極金具からの前記セラミックヒーターの突き出し長さが12〜25mmであり、前記発熱抵抗体が前記セラミックヒーター表面の最高温度となる側に形成された第一の発熱抵抗体と該第一の発熱抵抗体とリードピンの間に形成された第二の発熱抵抗体とからなるセラミックグロープラグにおいて、
上記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部から陰極金具までの距離が2〜15mmであり、通電により前記最高発熱部の温度が1400℃となったときに、前記第二の発熱抵抗体とリードピンの接続部の温度が1250℃以下であり、かつ、前記第一の発熱抵抗体の室温から1000℃までの昇温時間が2秒となる電圧を印加した際の、前記第一の発熱抵抗体側のセラミック体表面の単位面積当たりの突入電力密度が4〜7W/mm2であり、かつ前記第二の発熱抵抗体の抵抗値に対して第一の発熱抵抗体の抵抗値が1.5〜5倍であることを特徴とするセラミックグロープラグ。
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- 2002-07-31 JP JP2002222569A patent/JP2004061041A/ja active Pending
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