JP2001015252A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2001015252A
JP2001015252A JP11186759A JP18675999A JP2001015252A JP 2001015252 A JP2001015252 A JP 2001015252A JP 11186759 A JP11186759 A JP 11186759A JP 18675999 A JP18675999 A JP 18675999A JP 2001015252 A JP2001015252 A JP 2001015252A
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Japan
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heating resistor
ceramic heater
temperature
ceramic
heating
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JP11186759A
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English (en)
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Satoshi Tanaka
智 田中
Makoto Sandou
誠 三堂
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックヒータを急速加熱すると、発熱抵抗
体近傍に大きな温度傾斜が発生し、この温度差による熱
応力で、セラミックヒータにクラックが発生たり、発熱
抵抗体4の抵抗が増加するという問題があった。 【解決手段】セラミック体中にW、Mo、Re等の高融
点金属を主成分とする発熱抵抗体を埋設した円筒もしく
は円柱状のセラミックヒータにおいて、急速昇温時の周
方向の温度差を100℃以内とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の空燃比
検知センサ加熱用ヒータや気化器用ヒータ、半田ごて用
ヒータなどに使用するセラミックヒータに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸化アルミニウムを主成分と
するセラミックス中に、W、Re、Mo等の高融点金属
からなる発熱抵抗体を埋設してなるアルミナセラミック
ヒータが、一般的に用いられている(特開昭63−98
60号、63−58479号公報等参照)。
【0003】例えば、円柱状のセラミックヒータを製造
する場合は、図9および図10に示すようにセラミック
ロッド2とセラミックグリーンシート3を用意し、セラ
ミックグリーンシート3の一方面にW、Re、Mo等の
高融点金属のペーストを印刷して発熱抵抗体4とリード
引出部6を形成した後、これらを形成した面が内側とな
るようにセラミックグリーンシート3を上記セラミック
ロッド2の周囲に巻付け、全体を焼成一体化することに
よりセラミックヒータ1を得ることができる。
【0004】図11に上記のセラミックヒータに内蔵さ
れた発熱抵抗体4のパターンを示すように、発熱抵抗体
4のパターン幅は均一に形成されていた。また、セラミ
ックグリーンシート3上には、発熱抵抗体4に直接リー
ド引出部6が接続され、該リード引出部6の末端にスル
ーホール7が形成され裏面の電極パッド8と該リード引
出部6がスルーホール7で接続されている。スルーホー
ル7には、必要に応じて導体ペーストが注入される。
【0005】なお、セラミックグリーンシート3に形成
する発熱抵抗体4は、蛇行状のパターンとし、その後端
部にはリード引出部6が接続される。この発熱抵抗体4
の厚みはスクリーン印刷を行い易くするために10〜3
0μm程度としていた。また、セラミックグリーンシー
ト3の裏側には電極パッド8を形成し、リード引出部6
と電極パッド8間はスルーホール7を形成して導通させ
る構造となっている。そして、最終的なセラミックヒー
タ1では側面に露出した電極パッド8にリード線10を
ロウ付けしたり圧接して接合し、このリード線10から
通電発熱するようになっている。
【0006】また、1000℃以上の高温用のヒータと
して窒化珪素質セラミックヒータも用いられている。こ
のヒータの構造は、高融点金属線等からなる発熱体を窒
化珪素質セラミック中に埋設し、これに接続したリード
部の末端を表面に露出させてリード取り出し部とし、銀
等のロウ材によってこのリード取り出し部にリード線を
接合したものである(特公昭62−19034号、特公
昭63−51356号公報参照)。
【0007】これらのセラミックヒータは、耐食性、耐
久性に優れ、急速昇温が可能であることから、石油ファ
ンヒータ等の各種燃焼機器の点火用ヒータや燃料気化器
用ヒータ、水等の流体を加熱するための流体加熱用ヒー
タ、酸素センサ等の各種センサや測定機器の加熱用ヒー
タに使用されている。
【0008】自動車用酸素センサにおいては、コールド
スタート時に酸素センサを作動温度まで急速に加熱させ
るために、セラミックヒータで酸素センサを加熱するシ
ステムが使用されている。近年、排ガス規制の強化に伴
ってコールドスタート時の立上り特性を向上させる必要
があり、800℃以上の高温でも使用可能な耐久性の高
いセラミックヒータが求められている。ところが、セラ
ミックヒータの発熱量を大きくし、昇温時間を短くする
と、コールドスタート時の温度のオーバーシフトが発生
し、センサの電極を傷めたり、セラミックヒータの耐久
性が低下したり、また、電極パッドの温度が上昇してこ
の部分の抵抗が増加して断線したりするような問題が発
生した。
【0009】このような課題に対応するために、特開平
8−2738813号公報に示されるように、「窒化ア
ルミニウムを主成分とするセラミックシート上に、電極
取出部と一体に発熱体となる任意形状及び厚さを有する
ヒートパターンを印刷すると共に、この発熱体となるヒ
ートパターンにおいて、前記発熱体と直列に発熱体より
温度抵抗係数の大きい導電物質を接続してなるセラミッ
クヒータ」が提案されている。また、特開平5−343
13号公報には、「第一の発熱体にニッケルクロム合
金、第二の発熱体にタングステンを用いた酸化アルミニ
ウム製のセラミックヒータ」の例も示してある。
【0010】このようなブレーキング部を内蔵したセラ
ミックヒータの展開図を図12に示した。セラミックグ
リーンシート3上に、発熱抵抗体4とブレーキング部5
とリード引出部6が直列接続するように形成され、これ
らが内側となるようにセラミックロッド2の周囲に密着
した後、1500〜1600℃で焼成してセラミックヒ
ータ1を得る。このセラミックヒータ1を急速昇温させ
るには、発熱抵抗体4の長さを5mm程度に短くする必
要がある。そして、この発熱抵抗体4にブレーキング部
5が直列に、発熱抵抗体4近傍から電極パッド部8の近
傍まで延長して設置されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9、10に
示すような従来のセラミックヒータでは、急速昇温のた
め発熱抵抗体4の長さを5mm程度にし、セラミックヒ
ータ1を900℃まで3秒程度で急速加熱すると、発熱
抵抗体4の周方向に大きな温度傾斜が発生する。この温
度傾斜は、加熱後4〜5秒時に発熱抵抗体4の中央部が
最高発熱部Aとなり、その周方向で反対側にあたる部分
が最小発熱部Bとなって、両者間では120℃以上の温
度差となる。そのため、急速昇温時には、この温度差に
よる熱応力で、セラミックヒータの表面にクラックが発
生したり、発熱抵抗体4の抵抗が増加するという問題が
あった。
【0012】上記セラミックヒータの昇温時、冷始動後
3秒で最高発熱部Aが900℃となった際に、周方向反
対側の最小発熱部Bの温度が780℃程度であり、この
ような急昇温を繰り返すと、図13に示すように最高発
熱部のセラミックヒータ1表面に周方向にクラック12
が発生するという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、セラミック体中にW、Mo、Re等の高融点
金属を主成分とする発熱抵抗体を埋設した円筒もしくは
円柱状のセラミックヒータにおいて、前記発熱抵抗体を
3秒で900℃に急速昇温した時の周方向の温度差が1
00℃以下となるセラミックヒータとすることにより、
発熱部の熱応力を緩和し、熱衝撃および耐久性に優れた
セラミックヒータを供給することが可能となることを見
出した。
【0014】これにより、セラミックヒータの発熱を周
方向に平均化し、発熱体表面に対する熱応力を低減する
ことにより、セラミックヒータ表面へのクラックの発生
を防止し耐久性良好なセラミックヒータを供給できるよ
うになった。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明のセラミックヒータの
実施の形態を図1を用いて説明する。これは、セラミッ
クヒータ1の展開図を示した図である。
【0016】セラミックグリーンシート3の表面には、
発熱抵抗体4とリード引出部6が形成され、さらに、そ
の裏面側に形成される電極パッド8との間をスルーホー
ル7で接合した構造となっている。こうして準備された
セラミックグリーンシート3をセラミックロッド2の表
面に、前記発熱抵抗体4が内側になるように密着焼成す
ることによりセラミックヒータ1とする。
【0017】本発明のセラミックヒータ1の発熱抵抗体
4のパターンは、図2に示すように、周方向における中
央部のパターン幅aに対し、外周部のパターン幅bが7
5〜95%となるようにパターン幅を調整することで、
中央部の抵抗値R1を外周部の抵抗値R2の75〜95
%としてある。この図では、4往復のパターンを示した
が、パターンの往復数を増やす場合、中心部から外側に
いくにつれて徐々にパターン幅が狭くなるように調整す
る。
【0018】抵抗値の比を上記範囲としたのは、発熱抵
抗体4の中央部の抵抗値R1が外周部の抵抗値R2の9
5%を越えると、発熱抵抗体4の中央部にクラックが発
生し、前記抵抗値R1がR2の75%未満になると、反
対側にクラックが発生するためである。これに対し、前
記抵抗値R1がR2の75〜95%にあるようにする
と、周方向の温度差が100℃以下となり、周方向に発
生するクラックを防止することができる。
【0019】また、このセラミックヒータ1は、セラミ
ックグリーンシート3をセラミックロッド2上に周回積
層させるため、図5に示すようにどうしても周面に継目
12が残ってしまう。また、発熱抵抗体4は、W、M
o、Re等の高融点金属により形成するため、酸化防止
のため密着部に積層シロ13を形成する必要がある。そ
して、継目12と積層シロ13を合わせた部分、即ち発
熱抵抗体4の隣接する端部間の発熱抵抗体4が形成され
ていない部分は、中心角θで90度以下としておくこと
が好ましい。
【0020】これは、中心角θが90度を越えると、周
方向の温度分布を100℃以下に調整することが難しく
なりクラックの発生を防止できなくなるためである。こ
れに対し、前記発熱抵抗体4を形成しない部分を、中心
角θ90度以下に調整すれば、急昇温時のクラックの発
生を防止することができる。
【0021】なお、上記積層シロ13の幅は0.2mm
×2の両側で0.4mm以上とする事が好ましい。ま
た、密着シロ13部分は、端部の剥離を防止するため
に、段差を埋めるようにコーティングを形成しても構わ
ない。
【0022】また、前記発熱抵抗体4の軸方向の長さc
は2.5〜10mmの範囲が好ましい。これは、2.5
mm未満であると、発熱部が全長方向で短くなり過ぎ、
発熱が集中し過ぎて最高発熱部に周方向にクラックが発
生し、一方長さcが10mm以上になると、冷始動時の
突入電流および消費電力が大きくなり過ぎて好ましくな
いためである。
【0023】また、発熱抵抗体4の軸方向の温度分布に
ついても、中央部に消費電力が集中しないようにするの
が好ましい。図3に示すように、発熱抵抗体4のパター
ンの軸方向については、中央部の40%長さ部分の平均
幅dに対し、両端部のパターン幅eを0.2≦e/d≦
0.9とすることが好ましい。これは、上記比がe/d
<0.2であると、900℃まで3秒で昇温するように
加熱した際に、両端部に消費電力が集中して、片方もし
くは両方の端部にクラックが発生する。そして、前記パ
ターン幅の関係がe/d>0.9以上となると、発熱が
中央に集中するので中央部にクラックが発生する。これ
に対し、0.2≦e/d≦0.9であれば、周方向の温
度分布を緩和し、クラックを防止する効果がある。
【0024】また、発熱抵抗体4の抵抗温度係数を10
00〜1500ppm/℃とすると、冷始動時の突入電
流を小さくできるので、昇温時の熱衝撃を緩和すること
ができる。
【0025】さらに、図4に示すように、発熱抵抗体4
の往復パターンを周方向に設けることも可能である。
【0026】次に本発明の他の実施形態を説明する。
【0027】図6に示すように、発熱抵抗体4とリード
引出部6の間にブレーキング部5を形成し、発熱抵抗体
部4とブレーキング部5の抵抗温度係数を調整すること
により、急速昇温が可能で且つ過昇温しないセラミック
ヒータ1を得ることが可能となる。
【0028】即ち、低抵抗に調整された発熱抵抗体4に
よりセラミックヒータ1を急速昇温させると、抵抗温度
係数の大きなブレーキング部5の抵抗が発熱抵抗体4の
抵抗より早く大きくなるために、発熱抵抗体4に印加さ
れる電圧が減少する。この効果により、セラミックヒー
タ1を急速昇温でき、且つ、過昇温しない優れたセラミ
ックヒータ1とする事が可能となる。
【0029】しかも、上記発熱抵抗体4とブレーキング
部5の抵抗比が、10:1〜1.5:1の範囲であり、
発熱抵抗体4とブレーキング部5の間隔gを20mm以
内とすることにより、急速昇温が可能であり、且つ過昇
温しない優れたセラミックヒータ1とすることが可能と
なる。
【0030】このタイプのセラミックヒータ1について
も、本発明のように、発熱抵抗体4の最高温度部の周方
向の温度差を100℃以下とすることにより、900℃
まで3秒間で昇温するように加熱した場合でも、クラッ
クの発生しない耐久性良好なセラミックヒータ1とする
ことが可能となる。
【0031】なお、接続部9は、発熱抵抗体4とブレー
キング部5の細い配線を有効に接続するためのものであ
る。組成の異なる配線を別々にプリントし接続させる場
合、図6に示したように、大きな面積を持つ接続部9を
形成すると、接続の信頼性が増し、接続部の接触不良に
よる発熱および断線といった不具合を防止する事が可能
となる。
【0032】接続部9の位置について、図6では、発熱
抵抗体4とブレーキング部5の間に形成しているが、発
熱抵抗体4およびブレーキング部5の端部に設けても構
わない。また、接続部9を介せず直接両者を接合しても
構わない。その意味では、発熱部4とブレーキング部5
の間隔gは、配線間の絶縁を保つ最小値である0.2m
mが前記間隔gの最小値となる。なお、間隔gとは、発
熱抵抗体4をなす櫛歯部または蛇行部の最後端部とブレ
ーキング部5をなす櫛歯部または蛇行部の最先端部との
間の距離である。
【0033】また、図7に示すように、電極パッド8と
ブレーキング部5の櫛歯部もしくは蛇行部の最後端部の
距離を間隔fとする。もし、ブレーキング部5に櫛歯部
もしくは蛇行部がない場合は、当該パターンと判断され
る部分の最後端部と電極パッド8の距離を間隔fとす
る。この間隔fは20mm以上に調整されていることが
好ましい。これを20mm以下にすると、電極パッド8
の温度が400℃以上に上昇し、電極パッド8のメタラ
イズが酸化するので好ましくない。
【0034】このブレーキング部5を有するセラミック
ヒータ1においては、発熱抵抗体4として用いる材料と
しては、W−Re、W−Mo、Mo−Re等の合金を使
用すればよい。通常、加熱による金属抵抗体の抵抗増加
要因はフォノン散乱によるものである。金属単体を発熱
抵抗体4に使用すると、昇温時に熱によるフォノン散乱
により電子の移動が抑制されるようになり抵抗が急増す
るので、温度抵抗係数が大きくなる。これに対し、合金
化すると、合金化した部分および金属間結合部分で構造
的にフォノンが散乱されるので、室温時から抵抗値が高
くなり、抵抗値の温度依存性が小さくなる。
【0035】これに対し、ブレーキング部5の材料とし
ては、高融点金属であるW、Moの金属単体を利用する
と良い。中でも、Wが一番抵抗温度係数が大きいので最
適である。
【0036】また、リード引出部6および電極パッド8
の材質については、特に制限はないがブレーキング部5
と同じ材質にした方が、工程を増やさずに済むので好ま
しい。
【0037】さらに、セラミックヒータ1の材質として
は、アルミナ、ムライト、窒化珪素、窒化アルミニウム
等を用いることが可能である。
【0038】
【実施例】実施例 1 酸化アルミニウムを主成分とし、酸化珪素、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムを合計10
重量%以内になるように調整したセラミックグリーンシ
ート3を準備し、この表面に、W−Reからなる発熱抵
抗体4とWからなるリード引出部6をプリントした。ま
た、裏面には電極パッド8をプリントした。発熱抵抗体
4は、発熱長さ5mmで4往復のパターンとし、両端部
のパターン幅を細くし中央部に向かうにつれ、パターン
幅が太くなるように作製した。そして、中央部のパター
ン幅に対する両端部のパターン幅が、60〜100%に
なるように調整した。また、発熱抵抗体4の抵抗値は、
2.4Ωとなるように調整した。
【0039】そして、Wからなるリード引出部6の末端
には、スルーホール7が形成され、ここにペーストを注
入する事により電極パッド8とリード引出部6間の導通
をとった。こうして準備したセラミックグリーンシート
3をセラミックロッド2の周囲に密着し、1500〜1
600℃で焼成することにより、セラミックヒータ1と
した。
【0040】各々10本のサンプルを作製し、15Vの
電圧を印加して最高温度部の昇温時の周方向の温度分布
を、8点測定し、温度分布を測定した。温度測定には、
サーモビュア(日本電子データム株式会社製、JTG−
5200型)で、各測定点1点毎に昇温特性を測定し、
各々の点毎に測定を繰り返すことにより、周方向の温度
分布を確認した。また、5秒通電/offのサイクルを
10回繰り返し、クラックの発生の有無を20倍の双眼
顕微鏡を用いて確認した。その結果を、表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1から判るように、最高発熱部の周方向
の温度差が100℃を越えるNo.1、7〜9は、クラ
ックが発生した。これに対し、最高発熱部の周方向の温
度差が100℃以下である2〜6はクラックが発生しな
かった。
【0043】また、温度分布を変えるには、周方向の発
熱分布を変えることが重要であるが、簡便な方法として
は発熱抵抗体4の抵抗分布を調整すれば良い。具体的に
は、セラミックヒータ1を発熱させた場合、熱収支の関
係から熱の出が比較的少ない発熱パターンの中心部の温
度が高くなるので、発熱中心付近の抵抗を下げ、逆に周
回密着させる発熱抵抗体4の外側のパターンの抵抗を、
前記発熱中心付近の抵抗に比べ高く設定する必要があ
る。抵抗値を調節するには、発熱抵抗体4の断面積を調
整すれば良いが、パターン中で簡便なプリント法で段々
に厚みを調節するのは難しいので、簡便な手法として発
熱抵抗体4のパターン幅を調整することにより、最高温
度部を含む周方向の温度差を確認し、また、熱サイクル
をかけた場合の破壊状況を表1に示した。
【0044】表1に示すように、発熱抵抗体4の中心部
幅aに対する最外周幅bが100%つまり同一である従
来のパターンは、発熱抵抗体4の中心部にクラックが発
生した。また、発熱抵抗体4の中心部幅aに対する最外
周幅bが70%以下である7〜9は、発熱抵抗体4が形
成されていないテープ継目12部分に、周方向にクラッ
クが発生した。これに対し、発熱抵抗体4の中央部の幅
aに対する最外周部の幅bの比が本発明の請求範囲内で
ある2〜6にはクラックが発生しなかった。
【0045】実施例 2 実施例1と同様にして、セラミックロッド2にセラミッ
クグリーンシート3を周回密着したときの、継目12側
の発熱抵抗体4を形成しない部分の中心角θを50〜1
00度の間で変量した試料を作製して、3秒で最高温度
部が900℃まで昇温する条件で10回昇温させた時の
最高温度部を含む部分の周方向の温度差とクラックの発
生の有無を調査した。サンプルの作製方法は,上記以外
実施例1と同様である。結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示したように、継目12側の発熱抵
抗体4を敷設しない部分の中心角θを100度としたN
o.16は、周方向の温度差が110℃となり、最高温
度部にクラックが発生したが、継目12側の発熱抵抗体
4を敷設しない部分の中心角θを50〜90度にしたN
o.11〜15は、周方向の温度差が90℃以下となり
クラックは発生しなかった。
【0048】実施例 3 発熱抵抗体4の軸方向の長さcを2〜12mmの間で変
量してセラミックヒータ1を作製し、各々3秒間で90
0℃まで最高温度部が昇温する電圧を3秒間づつ10回
印加した後のクラックの発生状況を20倍の双眼顕微鏡
で確認した。
【0049】その他のサンプル作製工程は、実施例1と
同様である。結果を表3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】表3に示したように、発熱抵抗体4の軸方
向の長さcを2mmにしたNo.21は、周方向の温度
差が120℃と大きくなり、最高発熱部にクラックが発
生した。これに対し、発熱部4の軸方向の長さcを2.
5mm以上としたNo.22〜27は温度差が100℃
以下となり、クラックは発生しなかった。しかし、N
o.27は、突入時の消費電力が80W以上となり、消
費電力が大きくなるため、昇温時の温度のオーバーシフ
トが大きくなるので、好ましくない。
【0052】実施例 4 発熱抵抗体4の幅を、全長方向中心付近40%長さの平
均幅0.61mmが直方体であり、その両端部が徐々に
細くなるようにし、その端部の寸法が中心付近の寸法に
し、40〜100%になるように調整してサンプルを各
5本作製し、最高温度部を含む周方向の温度分布と、各
々3秒間で1100℃まで最高温度部が昇温する電圧の
印加時間を1秒〜5秒と変えながらまで各3回づつ印加
して、各印加後のクラックの発生状況を20倍の双眼顕
微鏡で確認した。そして、そのクラックの発生した時間
を各サンプルについて確認した。クラックの発生時間が
3秒以上となるものをOKとし、2秒以下でクラックが
発生するものをNGとした。ここで、両端部の幅とは、
図3に示した幅eであり、中心付近40%の平均幅は図
3に示した幅dである。結果は表4に示した。
【0053】
【表4】
【0054】表4に示したように、発熱抵抗体4の中心
付近40%長さの平均幅dに対し、全長方向両端部の幅
eを100%即ち同一としたNo.31は、2秒で1回
目のテストでクラックが発生した。また、全長方向両端
部の幅eを前記平均幅dに対し40%としたNo.37
は、印加2秒の1〜3回目のテストで、全長方向両端部
のいずれかもしくは両方にクラックが発生した。これに
対し、前記全長方向両端部の幅eを中心付近の平均幅d
に対し50〜90%としたNo.32〜36は、3秒以
上でクラックが発生した。
【0055】実施例 5 酸化アルミニウムを主成分とし、酸化珪素、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムを合計10
重量%以内になるように調整したセラミックグリーンシ
ート3を準備し、この表面に、W−Reからなる発熱部
4とWからなるブレーキング部5とリード引出部6をプ
リントした。また、裏面には電極パッド8をプリントし
た。この時、発熱抵抗体4は、発熱長さ5mmで4往復
のパターンとし、周回密着させるパターンの両端部のパ
ターン幅bを細くし、中央部に向かうにつれパターン幅
が太くなるように作製した。その比率は、内周部のパタ
ーン幅aに対し外周部のパターン幅bが、85%となる
ように調整した。また、比較用に、パターン幅を一定に
したサンプルを作製した。
【0056】Wからなるリード引出部6の末端にはスル
ーホール7を形成し、ここにペーストを注入する事によ
り、電極パッド8とリード引出部6間の導通をとった。
こうして準備したセラミックグリーンシート3をセラミ
ックロッド2の周囲に密着し、1500〜1600℃で
焼成することにより、セラミックヒータ1とした。この
時、セラミックヒータ1の発熱抵抗体4の長さは5mm
とし、発熱抵抗体4とブレーキング部5の間隔gを3〜
25mmまで変量したサンプルを作製した。また、別途
発熱抵抗体4とブレーキング部5の抵抗比を15:1〜
2:1まで変量したサンプルを作製した。
【0057】各々10本のサンプルを準備し、これらの
サンプルの昇温特性と耐久性を評価した。昇温特性は発
熱抵抗体4の最高温度が1000℃となる電圧を印加し
た場合の冷始動時900℃までの時間を測定した。ま
た、耐久性の評価については、発熱部4の最高温度部が
1200℃になる電圧を2分間印加し2分間強制空冷す
るサイクルを5000サイクル繰り返し、セラミックヒ
ータ1の抵抗変化とクラックの発生の有無を評価した。
最高温度部の調査は、赤外線温度分布測定装置(サーモ
ビュア)で最高温度部を確認し、その部分に線径0.1
mmφの熱電対を固定し昇温特性を確認した。また、別
途各3本のサンプルを用意し、3秒で900℃まで昇温
できる電圧を1秒、2秒と時間を変えながら印加し、ク
ラックの発生する印加時間を評価した。
【0058】結果を表5に示した。
【0059】
【表5】
【0060】ブレーキング部を設けなかった従来品N
o.56と、発熱抵抗体4とブレーキング部5の抵抗比
を請求範囲外の15:1に調整したNo.41、46
は、サイクルテスト5000サイクルで10本中2〜4
本のサンプルにクラックが発生した。また、上記抵抗比
を1:1にしたNo.45、50は、10本中5本のサ
ンプルが電極パッド8の部分で断線した。また、間隔g
を請求範囲外の25mmにしたサンプルNo.55は、
耐久性評価で10本中2本にクラックが発生した。これ
に対し、抵抗比および間隔gが本発明の範囲内のサンプ
ルは、クラックの発生もなく、セラミックヒータ1の抵
抗変化も、3%以内で良好な結果を示した。
【0061】図8は、No.56に示したブレーキング
部5を内蔵しない従来のセラミックヒータ1の昇温特性
(A)と、本発明のNo.10のセラミックヒータの昇
温特性(B)と、該セラミックヒータに内蔵されたブレ
ーキング部の昇温特性(C)を示した図である。本図の
昇温条件としては、室温から500℃まで3.4秒で昇
温させたときのそれぞれの飽和温度を示している。図か
ら判るように(A)と(B)の昇温特性はほぼ同一であ
る。これに対し、これらのセラミックヒータの飽和温度
は、従来のセラミックヒータの昇温曲線(A)の飽和温
度が1090℃程度であるのに対し、本発明のセラミッ
クヒータの昇温曲線(B)の飽和温度は940℃程度
と、約150℃の差があることが判る。また、ブレーキ
ング部5の昇温曲線(C)の飽和温度は、820℃程度
となっている。
【0062】このように、ブレーキング部5を内蔵する
事により、昇温特性を改善しながらセラミックヒータ1
の飽和温度を低下させる事ができるので、セラミックヒ
ータ1の寿命を向上させる事ができると同時に、セラミ
ックヒータの電源側に過昇温防止用の機構を設ける必要
が無くなるので、大きな効果を上げる事ができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、コールドスタート時の
セラミックヒータ温度のオーバーシフトを低減し、セン
サの電極を傷めたり、セラミックヒータの耐久性が低下
したり、また、リード取り出し部の温度が上昇してこの
部分の抵抗が増加して断線したりするような問題を防止
することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの展開図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの発熱抵抗体のパタ
ーン図である。
【図3】本発明のセラミックヒータの発熱抵抗体のパタ
ーン図である。
【図4】本発明のセラミックヒータの発熱抵抗体のパタ
ーン図である。
【図5】本発明のセラミックヒータの断面図である。
【図6】本発明のセラミックヒータの他の実施形態を示
す展開図である。
【図7】本発明のセラミックヒータの他の実施形態を示
す側面図である。
【図8】本発明及び比較例のセラミックヒータにおける
昇温度特性を示すグラフである。
【図9】従来のセラミックヒータの展開図である。
【図10】従来のセラミックヒータの斜視図である。
【図11】従来のセラミックヒータの発熱抵抗体のパタ
ーン図である。
【図12】従来のセラミックヒータの展開図である。
【図13】従来のセラミックヒータに発生したクラック
を示す拡大図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒータ 2:セラミックロッド 3:セラミックグリーンシート 4:発熱抵抗体 5:ブレーキング部 6:リード引出部 7:スルーホール 8:電極パッド 9:接続部 12:継目 13:積層シロ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒もしくは円柱状のセラミック体中に
    W、Mo、Re等の高融点金属を主成分とする発熱抵抗
    体を埋設したセラミックヒータにおいて、急速昇温時に
    おける側面の周方向の温度差が100℃以下であること
    を特徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】上記発熱抵抗体が、円筒もしくは円柱状の
    セラミック基体とこれを覆うセラミックシートの間に形
    成され、周方向における発熱抵抗体の隣接する端部間の
    間隔が中心角θで90度以内であり、かつ発熱抵抗体の
    中央部の抵抗値が外周部の抵抗値の75〜95%である
    ことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】上記発熱抵抗体の軸方向の発熱部長さcが
    2.5〜10mmであることを特徴とする請求項1記載
    のセラミックヒータ。
  4. 【請求項4】前記発熱抵抗体の軸方向における中央部の
    幅dに対し、両端部の幅eが0.2≦e/d≦0.9で
    あることを特徴とする請求項3記載のセラミックヒー
    タ。
  5. 【請求項5】上記発熱抵抗体に、これよりも大きい抵抗
    温度係数を有するブレーキング部を直列に接続し、上記
    発熱抵抗体とブレーキング部の抵抗比が10:1〜1.
    5:1の範囲であり、かつ発熱抵抗体とブレーキング部
    の間隔が20mm以内であることを特徴とする請求項1
    記載のセラミックヒータ。
  6. 【請求項6】上記発熱抵抗体の後端部に備えた電極パッ
    ドとブレーキング部の間隔が20mm以上であることを
    特徴とする請求項5記載のセラミックヒータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017041419A (ja) * 2015-08-21 2017-02-23 日本碍子株式会社 セラミックスヒータ,センサ素子及びガスセンサ
EP3493225A1 (de) * 2017-11-30 2019-06-05 Siemens Aktiengesellschaft Bremswiderstandvorrichtung
JP2019175605A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 京セラ株式会社 ヒータ

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