JP2585661Y2 - 電気半田ごて - Google Patents

電気半田ごて

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JP2585661Y2
JP2585661Y2 JP1992058361U JP5836192U JP2585661Y2 JP 2585661 Y2 JP2585661 Y2 JP 2585661Y2 JP 1992058361 U JP1992058361 U JP 1992058361U JP 5836192 U JP5836192 U JP 5836192U JP 2585661 Y2 JP2585661 Y2 JP 2585661Y2
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省吾 福田
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白光 株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は電気半田ごてに関し、
さらに詳細には、単位面積あたりの発熱量が高くて、寿
命も長い安価な加熱ヒータを備え、かつ半田付け時の温
度応答性を高め得るこて先部の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電気半田ごてのこて先部の一般的
な構造は、図5に示すように、加熱ヒータaにこて先b
の基部が挿入固定されてなる。加熱ヒータaはいわゆる
ニクロムヒータと呼ばれるもので、ヒータ芯cにNi−
Cr合金線等からなるヒータ線材dが螺旋状に巻装され
てなる。ヒータ芯cは、鉄製のヒータ芯頭eにステンレ
ス鋼製のヒータ芯パイプfが圧入されてなる。
【0003】ところで、該ヒータ芯パイプfはステンレ
ス鋼製であることから、この上に上記ヒータ線材dを直
接巻き付けることができないため、ヒータ芯パイプfと
ヒータ線材dの間には、マイカ等の紙状耐熱絶縁物gが
巻かれている。しかも、上記ヒータ線材dの両側の接続
部h,hが上記ヒータ芯パイプfの基端側へ引き出され
る必要があるため、ヒータ線材fは通常図示のごとく二
重に巻かれている。
【0004】しかし、上記ニクロムヒータaの場合、ヒ
ータ線材dが外気と直接触れて酸化し易く、特に発熱状
態のヒータaは酸化が著しく進むため、単位面積あたり
の発熱量(表面電力密度W/cm)を高くとることが
できず、また、寿命も短いという問題があった。
【0005】この点に関して近時、図6に示すように、
加熱ヒータとして棒状のセラミックヒータiが用いら
れ、セラミックヒータiの先端部分が、こて先bの空胴
部j内に挿入されてなる構造が提案されており、このセ
ラミックヒータiには、温度センサSEと発熱抵抗体H
Eとが設けられている。なお、kは保護パイプ、1は固
定パイプである。
【0006】セラミックヒータiは、図7に示すよう
に、実際には、発熱抵抗体HEがセラミック体m中に埋
設されて、その酸化が防止される構造とされており、上
記の問題は解消されるに至った。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このセ
ラミックヒータiを備えた電気半田ごてのこて先部で
は、次に述べるような新たな問題が生じており、その改
良が要望されていた。
【0008】(1)上記温度センサSEを作業面である
先端側に設けても、図6に示したこて先bに内蔵された
状態では、こて先bと温度センサとが密着状とならず、
両者間に空気層が形成されるため、こて先bの温度を検
出する温度センサへの伝熱性が低下する問題があった。
【0009】すると、加熱ヒータiがこて先bを加熱す
る際、温度センサがこて先bの温度を正確に測定でき
ず、温度制御に追従して加熱ヒータiが加熱しないため
に、こて先を適正温度に維持することができなかった。
例えば、プリント基板に電子部品を半田付けする場合、
こて先bの温度を一定に保つ必要があるが、実際の半田
付けと同一の条件で試験を行ったところ、図4の温度特
性に示すように、設定温度を維持できないという結果が
生じた。
【0010】なお、この温度測定試験においては、温度
センサの出力が導かれる温度制御装置により、こて先b
が半田付けに好適な425℃に維持されるように加熱ヒ
ータiの温度を調節するものとする。そして、加熱ヒー
タiに通電してから定温になった後、1秒間半田付け
し、2秒間休止するパターンを40回繰り返す。また、
数分間あけて再度40回繰り返し、このときのこて先b
の温度を温度計により数十分間計測した。
【0011】この結果、図4の特性曲線Yに示されてい
るように、測定を開始してから定温に立ち上がるまでに
は1分40秒を要している。また、この定温状態におい
ても設定の425℃に達せず、58℃も低い状態となっ
ている。そして、立ち上がり後に半田付けを開始する
と、定温より92℃の大きい温度差が生じている。これ
は、一旦休止した後で再度半田付けした場合も同様で、
実際にはんだ付作業を行っているこて先部の温度と設定
値がずれていることを示している。
【0012】この原因は、こて先bと温度センサとの間
に空気層があるために伝熱性が悪く、通電後に加熱ヒー
タiと温度センサとが高温になり、温度制御が既になさ
れているにもかかわらず、こて先bが加熱ヒータiと同
じ温度に上昇しないことによる。また、半田付けが開始
されてこて先bの温度が下った場合、この温度低下が正
確かつ即時的に検出されないために、要求に対する熱応
答が悪いという理由もあげられる。従って、実際にプリ
ント基板に電子部品を半田付けするときは、設定温度に
維持されないままに半田付けすることになり、適正温度
にて半田がなされないために不良品が発生する場合があ
った。
【0013】(2)上記発熱抵抗体の両端に接続される
リード線n,nが、上記セラミック体mの外表面上に施
されたメタライズ面oにおいて銀ロウ付される構造であ
るため、セラミックヒータiの長さ寸法の増大を招いて
いる。
【0014】つまり、セラミック体mの構成材料である
セラミックス材料は比較的熱伝導率がよいため、発熱抵
抗体とリード線取り出し部の距離をあまり短くすると、
上記銀ロウが溶けてリード線n,nが外れてしまう。こ
れを防止するためには、上記発熱抵抗体とリード線取り
出し部の距離を長くとる必要があり、その結果、セラミ
ックヒータiの長さ寸法さらにはこて先部の長さ寸法の
増大を余儀なくされているが、これは電気半田ごての基
本構造として好ましくない。
【0015】(3)セラミックヒータiの製作方法は、
図8に示すように、セラミック仮焼体であるコアpに対
して、導電パターン(焼結後上記発熱抵抗体となる)q
がスクリーン印刷されたセラミック生シートrを巻き付
けた後、1200〜1700℃の高温雰囲気中で焼結一
体化して、製品とする(例えば、特開昭62−7627
7号公報参照)。
【0016】したがって、従来のセラミックヒータiの
製作に際しては、高価な金型が必要であり、また焼結の
ための炉や上記導電パターンを形成するためのヒータペ
ースト塗布機等の設備も高価であり、上記ニクロムヒー
タaに比較して生産コストがかなり高額となっている。
【0017】しかも、高価な金型が必要であることに起
因して、一度決められた形状を簡単に変えることはでき
ない。
【0018】(4)また、セラミックヒータiの外径面
とこて先bの空胴部jの内径面間には、構造上ある程度
(0.1mm程度)の間隙が設けられて、空気層が存在
する。よって、この空気層はセラミックヒータiとこて
先b間の断熱層として作用して、この部分の伝熱性が悪
く、熱効率の低下を招いている。
【0019】本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、単位面積あたりの発熱量が高くて、
寿命も長い安価な加熱ヒータを備え、しかも半田付け時
にはこて先を適正温度に保ち得る電気半田ごての構造の
提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の電気半田ごては、半田ごて本体の先端側
には、加熱ヒータ挿入用の空胴部を有するこて先と、前
記空胴部に挿入固着される加熱ヒータと、前記こて先に
接続される箇状の保護パイプとが設けられ、前記加熱ヒ
ータは、棒状のセラミックス製ヒータ本体に挿通孔が設
けられ、前記挿通孔にはヒータ線材が挿通保持されてな
り、前記ヒータ本体は、前記ヒータ線材のみを収容する
程度の軸方向長さであって、その基端は、前記保護パイ
プの基端より先端側に位置しており、前記ヒータ本体の
先端側に、温度センサを配置すると共に、前記保護パイ
プの先端側と前記空胴部の内周に、セラミックス充填材
を充填して、前記温度センサと前記加熱ヒータとを覆う
ことにより、前記こて先と前記温度センサと前記加熱ヒ
ータとを密着状に一体固定化する一方、前記加熱ヒータ
と前記保護パイプの基端との間には、軸方向の空隙を形
成したことを特徴とする。
【0021】請求項2の電気半田ごては、温度センサ
は、セラミック基板上に白金薄膜を蒸着してなるPTセ
ンサであり、そのリード線が前記挿通孔を通して導出さ
れている。
【0022】
【0023】
【作用】加熱ヒータのヒータ線材がセラミックス製ヒー
タ本体に挿通保持されるとともに、加熱ヒータがこて先
の空胴部に挿入されて、これら両者間にセラミックス充
填材が充填されており、ヒータ線材は外気との接触がな
くて、その酸化が有効に防止される。
【0024】加熱ヒータがこて先の空胴部に挿入される
とともに、こて先側の空胴部に温度センサが配置され、
この温度センサを埋設するようにセラミックス充填材が
充填されて、こて先と加熱ヒータとが温度センサを挟ん
で密着状に一体固定されている。これにより、三者の間
に空気層が形成されず、加熱ヒータからこて先への伝熱
性が良好である。
【0025】したがって、加熱ヒータがこて先を加熱す
るとき、温度センサも等しく加熱されるとともに、こて
先の温度が低温になると温度センサも低温となる。この
ため、温度センサがこて先の温度変化を正確に検出する
ことができるから、この検出温度に基づいてこて先を温
度制御に追従させ、適正温度に維持することができる。
また、請求項2の考案においては、高精度のPTセンサ
を用いるので、特に良好な制御性能を発揮することがで
きる。
【0026】
【実施例】以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて
説明する。本考案に係る電気半田ごてのこて先部を図1
に示し、該こて先部は図示しない半田ごて本体の先端側
に設けられるものであって、こて先1と加熱ヒータ2を
主要部として備え、温度センサ15を介設している。
【0027】こて先1は銅製のもので、先端部3が円錐
形状とされるとともに、基部4が円柱状の大径部4a,
中径部4bおよび小径部4cからなる。基部4の中径部
4bは、大径部4aと同じ外径寸法を有する保護パイプ
5の先端部に嵌挿される。また、基部4の内部には、加
熱ヒータ挿入用の空胴部6が後方へ開口して穿設されて
いる。
【0028】加熱ヒータ2は、こて先1を加熱するもの
で、円筒棒状のセラミックス(A13)製のヒータ
本体7にヒータ線材8(図10(a)参照)が保持され
てなる。すなわち、上記ヒータ本体7には、4つの挿通
孔7a〜7bが前後方向へ貫通して設けられており(図
9参照)、これらのうち2つの挿通孔7a,7aに、U
字状に折曲形成されたヒータ線材8がヒータ本体7の先
端側から挿通されるとともに、その折曲部8cがセラミ
ックス材によりヒータ本体7の先端面7cに被覆状に固
定されている。これにより、ヒータ線材8の折曲部8c
が絶縁材で被覆されることとなる。
【0029】温度センサ15は、こて先1の温度を検出
するもので、PTセンサ素子15aにリード線15bが
接続されている(図10(b)参照)。この温度センサ
15としては、例えばセラミック基板上に白金薄膜を蒸
着したPTセンサ素子(株式会社:日本抵抗器製作所製
のA70241)等を採用する。
【0030】この温度センサ15は、ヒータ本体7の先
端面7cにPTセンサ素子15aを当接した状態で、保
護パイプ5から引き出したNiリード10bに接続端子
を取り付けている。そして、この接続端子は温度制御装
置(ともに図示省略)に接続され、PTセンサ素子15
aにて検出されるこて先温度の変化を温度制御装置に送
出するようになっている。
【0031】なお、この温度制御装置は、温度センサ1
5からの検出信号を受けると、予め設定される温度に基
づいて加熱ヒータの発熱温度を調節し、半田付け時には
常時適温が維持されるように温度管理するようになって
いる。
【0032】上記ヒータ線材8としては、カンタル・ガ
デリウス社製のカンタル線(NiーCr−A1系合金)
が好適に使用される。ヒータ線材8は、上記挿通孔7
a,7aに挿入される部分8a,8aが螺旋状に巻かれ
るとともに、両端8b,8bには、それぞれNiリード
線10a,10aが接続されている。なお、13,13
は、リード線10a,10aの端部に取り付けられた接
続端子である。
【0033】上記加熱ヒータ2の先端側2aは、こて先
1の空胴部6に挿入されるとともに、これら両者1,2
間にセラミックス充填材11が充填されて、こて先1の
基部4と加熱ヒータ2とが温度センサ15を挟んで密着
状に一体固定されている。
【0034】上記セラミックス充填材11は、こて先
1、加熱ヒータ2および温度センサ15の接着剤として
の機能、これら三者間の間隙を充填して空気層の形成を
防止する機能、さらには三者間の高い伝熱性を確保する
ための伝熱材としての機能を併有するものである。
【0035】また、上記こて先1に接続された保護パイ
プ5内にも、セラミックス充填材12が充填されてお
り、これにより、上記加熱ヒータ2が保護パイプ5内に
埋設状に配設されて、外気との接触が完全に防止されて
いる。上記セラミックス充填材12としてはセラミック
ス充填材11と同じ材料が使用される。
【0036】次に、上記こて先部の製造方法の一例につ
いて説明する。 ヒータ線材8の両端8b,8bに、Niリード線1
0a,10aをそれぞれスポット溶接により接続する。 ’同様に、PTセンサ素子のリード線15bに、Ni
リード線10b,10bをスポット溶接により接続す
る。
【0037】 ヒータ線材8を二つに折り曲げた後、
上記リード線10a,10aをヒータ本体7の挿通孔7
a,7aに先端側から後端側へそれぞれ挿通させるとと
もに、ヒータ線材8の折曲部8cを、セラミックス材に
てヒータ本体7の先端面7cに固定する。 ’また、センサ側のNiリード線10b,10bを、
ヒータ本体7の挿通孔7b,7bに先端側から基端側へ
挿通させる。
【0038】 その後、加熱ヒータ2をこて先1と組
み付けて、両者を一体化する。すなわち、該こて先1の
空胴部6にセラミックス充填材11を予め注入充填した
状態で、温度センサ15を取り付けた加熱ヒータ2の先
端側2aを、この空胴部6に基端側から挿入する。する
と、温度センサ15、加熱ヒータ2およびこて先1の隙
間がセラミック充填材11で充満されることとなる。こ
の状態でセラミック充填材11を乾燥固化させて、こて
先1と加熱ヒータ2を密着状に一体固定する。
【0039】 加熱ヒータ2と一体化したこて先1の
基部4を、保護パイプ5の先端部に圧入固定する。
【0040】 保護パイプ5内部にセラミック充填材
12を注入充填した後、これを乾燥固化させることによ
り、図1に示すこて先部が完成する。
【0041】しかして、以上のように構成されたこて先
部は、保護パイプ5の基端フランジ5aを介して、図示
しない半田ごて本体の先端部に着脱可能に取り付け固定
されるとともに、上記温度制御装置により、加熱ヒータ
2の発熱がこて先1に伝熱されて、該こて先1が加熱制
御される。
【0042】この場合、加熱ヒータ2のヒータ線材8
は、ヒータ本体7およびセラミックス充填材11,12
により、外気との直接的な接触が完全に防止されている
ため、その酸化が有効に防止される。
【0043】また、加熱ヒータ2の先端側2aとこて先
1とが温度センサ15を介してセラミックス充填材11
により密着状に一体固定されており、これらの間に空気
層は存在しないので、加熱ヒータ2からこて先1への伝
熱性が良好で、熱効率が良い。
【0044】さらに、こて先1から温度センサ15への
伝熱性が良いので、加熱ヒータ2がこて先1を加熱する
とき、温度センサ15がこて先1の温度変化を正確に検
出することができるから、この検出温度に基づいてこて
先を温度制御に追従させ、適正温度に維持することがで
きる。
【0045】例えば、プリント基板の配線に電子部品を
半田付けする場合、従来と同様の条件で実験を行った結
果、図3の曲線Xに示す温度特性となった。即ち、この
温度測定においては、温度制御装置によりこて先1が4
25℃に維持されるように設定しておき、加熱ヒータ2
に通電してから定温になった後、1秒間半田付けし、2
秒間休止するパターンを40回繰り返した後、数分間あ
けて再度40回繰り返し、このときのこて先1の温度を
温度計により数十分間計測した。
【0046】図3の温度特性曲線Xに明らかなように、
測定を開始してから設定の425℃を超過する高温(+
25℃)に立ち上がるまでが22秒となり、定温で安定
するのに数秒間を要するものの従来の1分40秒に比し
て大幅に短縮された。そして、立ち上がり後に半田付け
を開始すると、定温より55℃の温度低下が生じるもの
の従来に比して温度差は小さくなっている。また、一旦
休止した後で再度半田付けした場合も同様の結果となっ
た。
【0047】これは、セラミックス充填材が充填されて
いるために、温度センサ15、こて先1および加熱ヒー
タ2が密着状に一体固定され、三者の間に空気層が形成
されないことにより伝熱性が向上することによる。これ
らの間における伝熱性が良好になると、加熱ヒータ2が
こて先1を加熱する際、温度センサ15がこて先1の温
度を正確に測定することができるため、温度制御に追従
して加熱ヒータ2を加熱でき、こて先1を適正温度に維
持することが可能となるのである。
【0048】即ち、加熱ヒータに通電すると、こて先1
の温度上昇に伴って加熱ヒータ2と温度センサ15とが
等しく高温になり、こて先1の温度が温度制御装置に時
間的遅れなく伝達される。すると、温度制御装置は、設
定温度に近づくように加熱ヒータ2の発熱温度を即時に
調整することができる。
【0049】このため、半田付けが開始されてこて先1
の温度が下った場合、直ちにこて先1が加熱されて42
5℃の設定温度に維持され、実際にプリント基板に電子
部品を半田付けするときは、適正温度にて半田付けする
ことが可能となり、不良品が発生する問題が解消される
ものである。
【0050】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案によれば以
下に列挙するような種々の効果が得られ、実用上有用な
電気半田ごてを提供することができる。
【0051】(1)加熱ヒータのヒータ線材がセラミッ
クス製ヒータ本体に挿通保持されるとともに、加熱ヒー
タがこて先の空胴部に挿入されて、これら両者間にセラ
ミックス充填材が充填されており、ヒータ線材は外気と
の接触が防止される。したがって、ヒータ線材の外気に
よる酸化が有効に防止され、単位面積あたりの発熱量
(表面電力密度W/cm2)を高くすることが可能とな
り、又加熱ヒータ自体の寿命も長い。
【0052】(2)加熱ヒータがこて先の空胴部に挿入
されるとともに、これら両者間にセラミックス充填材が
充填されて、こて先と加熱ヒータが密着状に一体固定さ
れて、こて先と加熱ヒータの間に空気層が形成されな
い。したがって、加熱ヒータからこて先への伝熱性が良
好であり、加熱ヒータがこて先を加熱するとき、温度セ
ンサも等しく加熱されるとともに、こて先の温度が低温
になると温度センサも低温となる。このため、温度セン
サがこて先の温度変化を正確に検出することができるか
ら、温度制御に追従してこて先を適正温度に維持するこ
とができ、良好な半田付けを行うことが可能となる。
【0053】(3)また、こて先と加熱ヒータが密着状
に一体固定されているので、空気層によるこて先の酸化
がないので、酸化層形成によるこて先の熱伝導劣化もな
く、高い熱効率を確保することができる。
【0054】(4)加熱ヒータからこて先への伝熱性が
良好なため発熱部を短くすることができ、又加熱ヒータ
から半田ごて本体の握り部への伝熱が小さく、加熱ヒー
タと握り部間の距離を短くすることができ、半田ごて自
体の小型化が図れる。
【0055】(5)加熱ヒータは、棒状のセラミックス
製ヒータ本体にヒータ線材が挿通保持されてなる構造で
あるため、このヒータ線材の両端へのリード線の接続手
段としてスポット溶接が採用でき、従来のセラミックヒ
ータの銀ロウ付のように、加熱ヒータの発熱によりヒー
タ線材とリード線との接続部が溶融される危険もない。
したがって、ヒータ線材とリード線取り出し部の距離を
短くすることができ、これにより、加熱ヒータの長さ寸
法さらにはこて先部の長さ寸法を従来のセラミックヒー
タに比較して短くすることができ、この点でも半田ごて
の小型化が図れる。
【0056】(6)加熱ヒータが、セラミックス製ヒー
タ本体とヒータ線材とからなる簡単な構造であるため、
従来のセラミックヒータのように高価な金型や大がかり
な製造設備が全く不要であり、製作工程数も少ない。し
たがって、生産コストを低く抑えることができ、この効
果は多量生産品である電気半田ごてにおいて顕著であ
る。ちなみに、本考案に係る加熱ヒータの生産コスト
は、従来市販のニクロムヒータと同程度であり、従来の
セラミックヒータに比較して2/5程度である。しか
も、高価な金型が不要であることから、加熱ヒータの規
格等の変更も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る一実施例である電気半田ごてのこ
て先部を示す縦断面図である。
【図2】温度センサが設けられたこて先部の斜視図であ
る。
【図3】本考案の温度センサによるこて先の温度特性を
示すグラフである。
【図4】従来の温度センサによるこて先の温度特性を示
すグラフである。
【図5】従来の電気半田ごてのこて先部を示す縦断面図
である。
【図6】従来の他の電気半田ごてのこて先部を示す縦断
面図である。
【図7】同従来のこて先部のセラミックヒータを示す斜
視図である。
【図8】同セラミックヒータの製作工程を説明するため
の斜視図である。
【図9】図2のA−A断面図である。
【図10】ヒータ線材と温度センサとを図示したもので
ある。
【符号の説明】
1 こて先 2 加熱ヒータ 5 保護パイプ 6 加熱ヒータ挿入用の空胴部 7 ヒータ本体 7a,7b ヒータ本体の挿通孔 8 ヒータ線材 10 リード線 11,12 セラミックス充填材 15 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−269885(JP,A) 実開 平2−53871(JP,U) 実開 平4−129575(JP,U) 実公 昭39−18931(JP,Y1) 実公 昭34−15230(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 3/03

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半田ごて本体の先端側には、加熱ヒータ
    挿入用の空胴部を有するこて先と、前記空胴部に挿入固
    着される加熱ヒータと、前記こて先に接続される箇状の
    保護パイプとが設けられ、 前記加熱ヒータは、棒状のセラミックス製ヒータ本体に
    挿通孔が設けられ、前記挿通孔にはヒータ線材が挿通保
    持されてなり前記ヒータ本体は、前記ヒータ線材のみを収容する程度
    の軸方向長さであって、その基端は、前記保護パイプの
    基端より先端側に位置しており前記ヒータ本体の先端側に、温度センサを配置すると共
    に、前記保護パイプの先端側と前記空胴部の内周に、セ
    ラミックス充填材を充填して、前記温度センサと前記加
    熱ヒータとを覆うことにより、 前記こて先と前記温度センサと前記加熱ヒータとを密着
    状に一体固定化する一方、前記加熱ヒータと前記保護パ
    イプの基端との間には、軸方向の空隙を形成したことを
    特徴とする 電気半田ごて。
  2. 【請求項2】 前記温度センサは、セラミック基板上に
    白金薄膜を蒸着してなるPTセンサであり、そのリード
    線が前記挿通孔を通して導出されている請求項1に記載
    の電気半田ごて。
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