JP2528124Y2 - 電気半田ごて - Google Patents

電気半田ごて

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JP2528124Y2
JP2528124Y2 JP1988113199U JP11319988U JP2528124Y2 JP 2528124 Y2 JP2528124 Y2 JP 2528124Y2 JP 1988113199 U JP1988113199 U JP 1988113199U JP 11319988 U JP11319988 U JP 11319988U JP 2528124 Y2 JP2528124 Y2 JP 2528124Y2
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博 吉村
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白光 株式会社
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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Connections Effected By Soldering, Adhesion, Or Permanent Deformation (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は電気半田ごてに関し、さらに詳細には、熱
効率および温度センサの応答性にすぐれる構造を備えた
電気半田ごてに関するものである。
(従来の技術) 半田付け作業は各種部品や機器の組立てに採用される
最も一般的な作業の一つであるが、この半田付け作業に
は高温が伴うところ、半導体素子等の電子部品や電子機
器など、半田付けされるものによっては、できるだけ低
い温度での半田付け作業が要求されるものがある。
例えば、IC部品の組立に係る半田付け作業は、IC部品
の性能保持のため、270℃〜330℃の温度範囲で行われる
必要があり、この作業には、こて先温度の制御が自動的
に行われる電気半田ごてが一般に使用される。
従来の電気半田ごてのこて先部の一般的な構造を第7
図に示す。
すなわち、このこて先部は、銅製のこて先aおよび棒
状の加熱ヒータ(セラミックヒータ)bを主要部として
備えてなり、該加熱ヒータbの先端部分に、上記こて先
aの温度を検知するセンサ部cと、ヒータ部dが設けら
れている。
上記加熱ヒータbは、半田ごて本体(図示省略)に取
り付けられるとともに、その先端部分が上記こて先aの
空胴部eに挿入されている。そして、このこて先aが保
護パイプfと固定パイプgとにより、上記本体に固定さ
れている。
ところで、上記こて先aは消耗部品つまり交換部品で
あることから、上記加熱ヒータbとは抜き差し自在な構
造とされている。つまり、こて先aの空胴部e内径面と
加熱ヒータb外径面間にはある程度の間隙が必要であ
り、通常0.1mm程度の径面間隔が設けられている。
なお、加熱ヒータbの加熱作用によるこて先aの焼付
けを防止するため、上記空胴部eと加熱ヒータbとの間
にはステンレス鋼製のインサートパイプhが介装される
場合もあるが、この場合でも、上記径面間隔が必須であ
る。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、このような構造では、以下に列挙する
ような種々の問題点があり、その改良が要望されてい
た。
すなわち、上記空胴部eと加熱ヒータbの両径面間に
は、構造上必然的に空気層が形成され、この空気層が加
熱ヒータbとこて先a間の断熱層として作用することと
なり、これがため、以下のような種々の不具合があっ
た。
(1)加熱ヒータbのヒータ部dからこて先aへの伝熱
性が悪く、熱効率が非常に悪い。
つまり、こて先aの加熱開始時における立ち上がりが
遅い。
また、半田付け作業開始前後におけるこて先温度の変
化がきわめて大きく、IC部品を例にとった場合、その半
田付け作業は、前述したように270℃〜330℃で行われる
必要があるが、上記こて先温度の下降を考慮して、半田
付け作業開始前における実際のこて先温度は、350℃〜4
00℃に維持する必要がある。
(2)空気層が存在するためセンサ部cの応答性が悪
く、精度の高いこて先温度の制御が行えない。
(3)上記こて先部における伝熱経路は、本来、上記ヒ
ータ部dからこて先aに伝熱し、さらにセンサ部cへ続
くのが最も好ましいが、上記空気層のため、ヒータ部d
から直接センサ部cに短絡する伝熱経路が形成されてし
まい、これがため、センサ部cによるこて先温度の正確
な温度検知が不可能であり、これが上記こて先温度の制
御の精度低下をさらに増長している。
(4)センサ部cの応答性の悪さによるこて先温度の加
熱遅れを考慮して、こて先aの形状寸法を大きくする必
要があり、このこて先aの大型化が製品コストの上昇を
招くとともに、狭い場所での半田付け作業を不可能にし
ている。
(5)空気層の存在によりこて先aが酸化し易く、この
酸化による酸化層の形成がこて先a自体の熱伝導劣化を
招き、これが上述の熱効率の低下をさらに増長してい
る。
(6)上記空気層の影響を極力小さくする方法として、
こて先aの空胴部e内径面と加熱ヒータb外径面の両径
面に伝熱性に優れる金属メッキを施すことも考えられる
が、上記空胴部e内径面への金属メッキののりが悪く、
熱伝導性の大幅な向上は望めない。
(7)加熱ヒータbのヒータ部dからこて先aへの伝熱
性の悪さに起因して、上記ヒータ部dから半田ごて本体
の握り部(図示省略)への伝熱も大きく、これがため、
上記ヒータ部dと握り部間の距離を短くすることができ
ず、半田ごて自体の大型化を招いている。
(課題を解決するための手段) 本考案は、かかる従来の課題に鑑みてなされたもので
あって、熱効率および温度センサの応答性にすぐれる構
造を備えた電気半田ごてを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案の電気半田ごて
は、握り部(1)を有する半田ごて本体(2)の先端側
にこて先部(3)が設けられ、前記こて先部(3)の温
度が、制御回路によって自動制御される電気半田ごてで
あって、前記こて先部(3)は、半田を溶解させるこて
先(6)と、前記こて先(6)を加熱する加熱ヒータ
(7)とを備えており、前記こて先(6)は、半田と接
触しない基端部に空洞部(8)が形成されており、前記
加熱ヒータ(7)の一部は、前記空洞部(8)に挿入さ
れており、前記空洞部(8)に挿入された前記加熱ヒー
タ(7)の部分には、先端側にセンサ部(7b)、基端側
にヒータ部(7a)がそれぞれ設けられており、前記空洞
部の内周面と前記加熱ヒータとの間には、アルミナ、シ
リカ、ジルコニア、またはマグネシアなどによる非導電
性の無機接着剤が全体にわたって充填されて両者を接着
しており、これによって、前記こて先(6)と前記加熱
ヒータ(7)とが密着状に一体固定化され、前記こて先
(6)の温度が前記センサ部(7b)に遅れなく伝達され
て高精度の温度制御を実現している。前記こて先は銅製
とされるとともに、前記加熱ヒータとしてはセラミック
ヒータが好適に使用される。
(作用) 加熱ヒータの先端部分がこて先の空胴部に挿入される
とともに、これら両者間に無機接着剤が充填されて、こ
て先と加熱ヒータが密着状に一体固定されており、これ
により、こて先と加熱ヒータの間に空気層が形成され
ず、加熱ヒータのヒータ部からこて先への伝熱性およ
び、センサ部の応答性が良好である。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。
本考案に係る電気半田ごてを第1図および第2図に示
し、該電気半田ごては、半導体素子等の電子部品や電子
機器などの半田付け作業に使用されるもので、握り部1
を有する本体2の先端側にこて先部3が設けられるとと
もに、後端側にDINプラグ4を備えた電源コード5が接
続されてなる。
こて先部3は、第3図および第4図に示すように、一
体のユニット構造とされたこて先6および加熱ヒータ7
を主要部として備えてなる。
こて先6は銅製の一体もので、その先端部6aが円錐形
状とされるとともに、その基部6bが円柱形状とされてい
る。また、該基部6bには、加熱ヒータ挿入用の空胴部8
が後方へ開口して穿設されている。
加熱ヒータ7はこて先6を加熱するもので、具体的に
は棒状のセラミックヒータが使用されている。該加熱ヒ
ータ7の先端部分9には、上記こて先6を加熱するヒー
タ部7aと、こて先6の温度(こて先温度)を検知するセ
ンサ部7bとが設けられている。
上記加熱ヒータ7の先端部分9は、上記こて先6の空
胴部8に挿入されるとともに、これら両者8,9間に無機
接着剤10が充填されて、こて先6と加熱ヒータ7が密着
状に一体固定されている。
上記無機接着剤10は、こて先6と加熱ヒータ7との接
着剤としての本来の機能に加えて、これら両者間の間隙
を充填して空気層の形成を防止する充填剤としての機
能、さらには両者間の高い伝熱性を確保するための伝熱
材としての機能を併有するものである。よって、この無
機接着材10としては、これらの機能を併せ持つ特性のも
のが用いられ、例えば、アルミナ(Al2O3)、シリカ(S
iO2)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア(MgO)等の接
着剤が好適に使用される。なお、これらの接着剤は、非
導電性を有しているので半田ごての絶縁特性を損なうこ
とはない。
このようにユニット構造とされたこて先6および加熱
ヒータ7は、保護パイプ11により被覆保護されるととも
に、本体2に対して着脱可能に取り付け固定される。
すなわち、上記保護パイプ11は、その先端部に上記こ
て先6の係止段部6cに係合する係止フランジ11aが設け
られるとともに、その基端部に取付フランジ11bが設け
られ、この取付フランジ11bが、袋ナット12により上記
本体2のニップル13に締付装着される。14は上記保護パ
イプ11と協働してこて先6を固定するための固定パイ
プ、15は固定パイプ受けである。
また、加熱ヒータ7の基端部は、本体2のコネクタ16
に接続されている。該コネクタ16からはヒータ部用配
線、センサ部用配線等17…が引き出され、これらが電源
コード5の各配線に接続されている。
しかして、以上のように構成された電気半田ごてにお
いて、加熱ヒータ7のヒータ部7aの発熱がこて先6に伝
熱されて、該こて先6が加熱される一方、このこて先6
のこて先温度は上記加熱ヒータ7のセンサ部7bにより検
知され、この検知結果に基いて、温度制御装置(図示省
略)により上記ヒータ部7aが加熱制御される。
この場合、上記こて先6と加熱ヒータ7が無機接着剤
10により密着状に一体固定されており、これらの間に空
気層は存在しない。よって、上記ヒータ部7aからこて先
6への伝熱性は良好で熱効率が良く、また、センサ部7b
の応答性も良好で、高精度のこて先温度の制御が可能で
ある。
なお、上記こて先6と加熱ヒータ7は一体のユニット
構造とされているため、こて先6の交換に際しては加熱
ヒータ7も同時に交換されることとなるが、上記熱効率
および応答性が良好なこと等から、こて先6自体の寿命
も従来のものに比較して長く、また、その形状寸法も小
型化できるため、経済性にも優れる。
続いて、第5図に、本考案に係る電気半田ごてについ
て行った特性試験結果を示す。また、第6図は、これと
の比較のために行った従来の電気半田ごてについて行っ
た特性試験結果を示す。
なお、これら特性試験に使用した両電気半田ごては、
いずれもこて先部のこて先および加熱ヒータについては
同一規格のもので、こて先部がそれぞれ第4図(本考案
品)および第7図(従来品)の構造を有するものであ
る。
これらの試験結果から明らかなとおり、本考案品の方
が従来品に比較して熱効率およびセンサ部の応答性がす
ぐれていることが判明した。
すなわち、こて先の加熱開始時における立ち上がり
は、本考案品の方が従来品に比較して20秒程度早い。
また、半田付け作業開始前後における本考案品のこて
先温度の変化は55℃であり、従来品の温度変化85℃に比
較して30℃も少なく、熱効率がきわめて高い。
さらに、これらの事実は、センサ部の応答性について
も本考案品の方がはるかにすぐれ、精度の高いこて先温
度の制御が行えることを証明するものである。
(考案の効果) 以上詳述したように、本考案によれば、加熱ヒータの
先端部分がこて先の空胴部に挿入されるとともに、これ
ら両者間に無機接着剤が充填されて、こて先と加熱ヒー
タが密着状に一体固定されているから、こて先と加熱ヒ
ータの間に空気層が形成されず、以下に列挙するような
種々の効果が得られる。
(1)加熱ヒータのヒータ部からこて先への伝熱性に優
れ、熱効率が非常に良い。
(2)センサ部の応答性が非常に良く、精度の高いこて
先温度の制御が行える。
(3)上記こて先部における伝熱経路は、上記ヒータ部
からこて先に伝熱し、さらにセンサ部へ続くという理想
的な経路が形成され、従来のようにヒータ部からの熱伝
導による影響を直接受けることなく、センサ部によるこ
て先温度の正確な温度検知が可能であり、高いこて先温
度の制御が得られる。
(4)従来のように、センサ部の応答性の悪さによるこ
て先温度の加熱遅れを全て考慮する必要がないため、こ
て先を可及的に小さくすることができ、製品コストの低
減化が図れるとともに、狭い場所での半田付け作業を可
能にする。
(5)空気層が存在しないため、こて先が酸化すること
がなく、酸化層形成によるこて先の熱伝導劣化がない。
(6)加熱ヒータのヒータ部からこて先への伝熱性が良
好なため、上記ヒータ部から半田ごて本体の握り部への
伝熱が小さく、上記ヒータ部と握り部間の距離を短くす
ることができ、半田ごて自体の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る一実施例である電気半田ごてを示
す正面図、第2図は第1図におけるII-II線に沿った同
断面図、第3図は同電気半田ごてのこて先部の要部を示
す斜視図、第4図は同要部を示す正面縦断面図、第5図
は同電気半田ごての特性曲線を示す線図、第6図は従来
の電気半田ごての特性曲線を示す線図、第7図は従来の
電気半田ごてのこて先部の構造を示す正面縦断面図であ
る。 1……握り部、2……半田ごて本体、3……こて先部、
5……電源コード、6……こて先、7……加熱ヒータ、
7a……加熱ヒータのヒータ部、7b……加熱ヒータのセン
サ部、8……こて先の空胴部、9……加熱ヒータの先端
部分、10……無機接着剤

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】握り部(1)を有する半田ごて本体(2)
    の先端側にこて先部(3)が設けられ、前記こて先部
    (3)の温度が、制御回路によって自動制御される電気
    半田ごてであって、 前記こて先部(3)は、半田を溶解させるこて先(6)
    と、前記こて先(6)を加熱する加熱ヒータ(7)とを
    備えており、 前記こて先(6)は、半田と接触しない基端部に空洞部
    (8)が形成されており、 前記加熱ヒータ(7)の一部は、前記空洞部(8)に挿
    入されており、 前記空洞部(8)に挿入された前記加熱ヒータ(7)の
    部分には、先端側にセンサ部(7b)、基端側にヒータ部
    (7a)がそれぞれ設けられており、 前記空洞部の内周面と前記加熱ヒータとの間には、アル
    ミナ、シリカ、ジルコニア、またはマグネシアなどによ
    る非導電性の無機接着剤が全体にわたって充填されて両
    者を接着しており、 これによって、前記こて先(6)と前記加熱ヒータ
    (7)とが密着状に一体固定化され、前記こて先(6)
    の温度が前記センサ部(7b)に遅れなく伝達されて高精
    度の温度制御を実現している電気半田ごて。
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