JPH0615870U - 電気半田ごて - Google Patents
電気半田ごてInfo
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- JPH0615870U JPH0615870U JP5836192U JP5836192U JPH0615870U JP H0615870 U JPH0615870 U JP H0615870U JP 5836192 U JP5836192 U JP 5836192U JP 5836192 U JP5836192 U JP 5836192U JP H0615870 U JPH0615870 U JP H0615870U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 単位面積あたりの発熱量が高く、寿命も長い
安価な加熱ヒータを備え、しかも半田付け時にはこて先
を適正温度に保ち得る電気半田ごてを提供する。 【構成】 半田ごて本体の先端側に設けられるこて先部
が、加熱ヒータ2挿入用の空胴部6を有するこて先1
と、該空胴部6に挿入固着される加熱ヒータ2とを備え
てなり、該加熱ヒータ2は、円筒棒状のセラミックス製
ヒータ本体7に挿通孔7aが設けられるとともに、該挿
通孔7aにヒータ線材8が挿通保持されてなり、前記こ
て先1側の空胴部6に温度センサ15が配置され、前記
加熱ヒータ2の先端部分が前記こて先1の空胴部6に挿
入されるとともに、この空胴部6にセラミックス充填材
11,12が充填されて、前記こて先1と温度センサ1
5および加熱ヒータ2が密着状に一体固定されているこ
とを特徴とする。
安価な加熱ヒータを備え、しかも半田付け時にはこて先
を適正温度に保ち得る電気半田ごてを提供する。 【構成】 半田ごて本体の先端側に設けられるこて先部
が、加熱ヒータ2挿入用の空胴部6を有するこて先1
と、該空胴部6に挿入固着される加熱ヒータ2とを備え
てなり、該加熱ヒータ2は、円筒棒状のセラミックス製
ヒータ本体7に挿通孔7aが設けられるとともに、該挿
通孔7aにヒータ線材8が挿通保持されてなり、前記こ
て先1側の空胴部6に温度センサ15が配置され、前記
加熱ヒータ2の先端部分が前記こて先1の空胴部6に挿
入されるとともに、この空胴部6にセラミックス充填材
11,12が充填されて、前記こて先1と温度センサ1
5および加熱ヒータ2が密着状に一体固定されているこ
とを特徴とする。
Description
【0001】
この考案は電気半田ごてに関し、さらに詳細には、単位面積あたりの発熱量が 高くて、寿命も長い安価な加熱ヒータを備え、かつ半田付け時の温度応答性を高 め得るこて先部の改良に関するものである。
【0002】
従来の電気半田ごてのこて先部の一般的な構造は、図5に示すように、加熱ヒ ータaにこて先bの基部が挿入固定されてなる。加熱ヒータaはいわゆるニクロ ムヒータと呼ばれるもので、ヒータ芯cにNi−Cr合金線等からなるヒータ線 材dが螺旋状に巻装されてなる。ヒータ芯cは、鉄製のヒータ芯頭eにステンレ ス鋼製のヒータ芯パイプfが圧入されてなる。
【0003】 ところで、該ヒータ芯パイプfはステンレス鋼製であることから、この上に上 記ヒータ線材dを直接巻き付けることができないため、ヒータ芯パイプfとヒー タ線材dの間には、マイカ等の紙状耐熱絶縁物gが巻かれている。しかも、上記 ヒータ線材dの両側の接続部h,hが上記ヒータ芯パイプfの基端側へ引き出さ れる必要があるため、ヒータ線材fは通常図示のごとく二重に巻かれている。
【0004】 しかし、上記ニクロムヒータaの場合、ヒータ線材dが外気と直接触れて酸化 し易く、特に発熱状態のヒータaは酸化が著しく進むため、単位面積あたりの発 熱量(表面電力密度W/cm2 )を高くとることができず、また、寿命も短いとい う問題があった。
【0005】 この点に関して近時、図6に示すように、加熱ヒータiとして棒状のセラミッ クヒータが用いられ、このセラミックヒータiの先端部分が、こて先bの空胴部 j内に挿入されてなる構造が提案されている。kは保護パイプ、lは固定パイプ である。
【0006】 セラミックヒータiは、図7に示すように、発熱抵抗体(図示省略)がセラミ ック体m中に埋設されて、その酸化が防止される構造とされており、上記の問題 は解消されるに至った。
【0007】
しかしながら、このセラミックヒータiを備えた電気半田ごてのこて先部では 、次に述べるような新たな問題が生じており、その改良が要望されていた。
【0008】 (1) 上記温度センサを作業面である先端側に設けても、図6に示したこて先bに 内蔵された状態では、こて先bと温度センサとが密着状とならず、両者間に空気 層が形成されるため、こて先bの温度を検出する温度センサへの伝熱性が低下す る問題があった。
【0009】 すると、加熱ヒータiがこて先bを加熱する際、温度センサがこて先bの温度 を正確に測定できず、温度制御に追従して加熱ヒータiが加熱しないために、こ て先を適正温度に維持することができなかった。 例えば、プリント基板に電子部品を半田付けする場合、こて先bの温度を一定 に保つ必要があるが、実際の半田付けと同一の条件で試験を行ったところ、図4 の温度特性に示すように、設定温度を維持できないという結果が生じた。
【0010】 なお、この温度測定試験においては、温度センサの出力が導かれる温度制御装 置により、こて先bが半田付けに好適な425℃に維持されるように加熱ヒータ iの温度を調節するものとする。そして、加熱ヒータiに通電してから定温にな った後、1秒間半田付けし、2秒間休止するパターンを40回繰り返す。また、 数分間あけて再度40回繰り返し、このときのこて先bの温度を温度計により数 十分間計測した。
【0011】 この結果、図4の特性曲線Yに示されているように、測定を開始してから定温 に立ち上がるまでには1分40秒を要している。また、この定温状態においても 設定の425℃に達せず、58℃も低い状態となっている。そして、立ち上がり 後に半田付けを開始すると、定温より92℃の大きい温度差が生じている。これ は、一旦休止した後で再度半田付けした場合も同様で、実際にはんだ付作業を行 っているこて先部の温度と設定値がずれていることを示している。
【0012】 この原因は、こて先bと温度センサとの間に空気層があるために伝熱性が悪く 、通電後に加熱ヒータiと温度センサとが高温になり、温度制御が既になされて いるにもかかわらず、こて先bが加熱ヒータiと同じ温度に上昇しないことによ る。また、半田付けが開始されてこて先bの温度が下った場合、この温度低下が 正確かつ即時的に検出されないために、要求に対する熱応答が悪いという理由も あげられる。従って、実際にプリント基板に電子部品を半田付けするときは、設 定温度に維持されないままに半田付けすることになり、適正温度にて半田がなさ れないために不良品が発生する場合があった。
【0013】 (2) 上記発熱抵抗体の両端に接続されるリード線n,nが、上記セラミック体m の外表面上に施されたメタライズ面oにおいて銀ロウ付される構造であるため、 セラミックヒータiの長さ寸法の増大を招いている。
【0014】 つまり、セラミック体mの構成材料であるセラミックス材料は比較的熱伝導率 がよいため、発熱抵抗体とリード線取り出し部の距離をあまり短くすると、上記 銀ロウが溶けてリード線n,nが外れてしまう。これを防止するためには、上記 発熱抵抗体とリード線取り出し部の距離を長くとる必要があり、その結果、セラ ミックヒータiの長さ寸法さらにはこて先部の長さ寸法の増大を余儀なくされて いるが、これは電気半田ごての基本構造として好ましくない。
【0015】 (3) セラミックヒータiの製作方法は、図8に示すように、セラミック仮焼体で あるコアpに対して、導電パターン(焼結後上記発熱抵抗体となる)qがスクリ ーン印刷されたセラミック生シートrを巻き付けた後、1200〜1700℃の 高温雰囲気中で焼結一体化して、製品とする(例えば、特開昭62−76277 号公報参照)。
【0016】 したがって、従来のセラミックヒータiの製作に際しては、高価な金型が必要 であり、また焼結のための炉や上記導電パターンを形成するためのヒータペース ト塗布機等の設備も高価であり、上記ニクロムヒータaに比較して生産コストが かなり高額となっている。
【0017】 しかも、高価な金型が必要であることに起因して、一度決められた形状を簡単 に変えることはできない。
【0018】 (4) また、セラミックヒータiの外径面とこて先bの空胴部jの内径面間には、 構造上ある程度(0.1mm程度)の間隙が設けられて、空気層が存在する。よって 、この空気層はセラミックヒータiとこて先b間の断熱層として作用して、この 部分の伝熱性が悪く、熱効率の低下を招いている。
【0019】 本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、単位面積あたり の発熱量が高くて、寿命も長い安価な加熱ヒータを備え、しかも半田付け時には こて先を適正温度に保ち得る電気半田ごての構造の提供を目的とする。
【0020】
上記目的を達成するため、本考案の電気半田ごては、 半田ごて本体の先端側 に設けられるこて先部が、加熱ヒータ挿入用の空胴部を有するこて先と、該空胴 部に挿入固着される加熱ヒータとを備えてなり、該加熱ヒータは、円筒棒状のセ ラミックス製ヒータ本体に挿通孔が設けられるとともに、該挿通孔にヒータ線材 が挿通保持されてなり、前記こて先側の空胴部に温度センサが配置され、前記加 熱ヒータの先端部分が前記こて先の空胴部に挿入されるとともに、この空胴部に セラミックス充填材が充填されて、前記こて先と温度センサおよび加熱ヒータが 密着状に一体固定されていることを特徴とする。
【0021】 前記ヒータ本体に複数の挿通孔が前後方向へ貫通して設けられ、ほぼU字状に 折曲形成された前記ヒータ線材が、前記両挿通孔に先端側から挿通されるととも に、前記こて先と接する部分が絶縁材で被覆されている。
【0022】 前記こて先部の基部に保護パイプが接続されるとともに、該保護パイプ内にセ ラミックス充填材が充填されて、保護パイプ内に前記加熱ヒータが埋設状に配設 されている。
【0023】
加熱ヒータのヒータ線材がセラミックス製ヒータ本体に挿通保持されるととも に、加熱ヒータの先端部分がこて先の空胴部に挿入されて、これら両者間にセラ ミックス充填材が充填されており、ヒータ線材は外気との接触がなくて、その酸 化が有効に防止される。
【0024】 加熱ヒータの先端部分がこて先の空胴部に挿入されるとともに、こて先側の空 胴部に温度センサが配設され、この温度センサを埋設するようにセラミックス充 填材が充填されて、こて先と加熱ヒータとが温度センサを挟んで密着状に一体固 定されている。これにより、三者の間に空気層が形成されず、加熱ヒータからこ て先への伝熱性が良好である。
【0025】 したがって、加熱ヒータがこて先を加熱するとき、温度センサも等しく加熱さ れるとともに、こて先の温度が低温になると温度センサも低温となる。このため 、温度センサがこて先の温度変化を正確に検出することができるから、この検出 温度に基づいてこて先を温度制御に追従させ、適正温度に維持することができる 。
【0026】
以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて説明する。 本考案に係る電気半田ごてのこて先部を図1に示し、該こて先部は図示しない 半田ごて本体の先端側に設けられるものであって、こて先1と加熱ヒータ2を主 要部として備え、温度センサ15を介設している。
【0027】 こて先1は銅製のもので、先端部3が円錐形状とされるとともに、基部4が円 柱状の大径部4a,中径部4bおよび小径部4cからなる。基部4の中径部4b は、大径部4aと同じ外径寸法を有する保護パイプ5の先端部に嵌挿される。ま た、基部4の内部には、加熱ヒータ挿入用の空胴部6が後方へ開口して穿設され ている。
【0028】 加熱ヒータ2はこて先1を加熱するもので、円筒棒状のセラミックス(Al2 O3 )製のヒータ本体7にヒータ線材8が保持されてなる。すなわち、上記ヒー タ本体7には4つの挿通孔7aが前後方向へ貫通して設けられており、これらの うち2つの挿通孔7a,7aに、U字状に折曲形成されたヒータ線材8が先端側 から挿通されるとともに、その中間部8cがセラミックス材によりヒータ本体7 に被覆状に固定されている。これにより、ヒータ線材8の上記こて先1と接する 部分が絶縁材で被覆されることとなる。
【0029】 温度センサ15はこて先1の温度を検出するもので、図2に示すように、PT センサ素子15aにNiリード15bを溶接している。この温度センサ15とし ては、例えばセラミック基板上に白金薄膜を蒸着したPTセンサ素子(株式会社 :日本抵抗器製作所製のA70241)等を採用する。
【0030】 この温度センサ15は、上記ヒータ本体7の2つの挿通孔7a,7aにNiリ ード15bを挿通し、ヒータ本体7の先端面7bにPTセンサ15素子を当接し た状態で、保護パイプ5から引き出したNiリードに図示しない接続端子15b を取り付けている。そして、この接続端子は温度制御装置(図示省略)に接続さ れ、PTセンサ15素子にて検出されるこて先温度の変化を温度制御装置に送出 するようになっている。
【0031】 なお、この温度制御装置は、温度センサ15からの検出信号を受けると、予め 設定される温度に基づいて加熱ヒータの発熱温度を調節し、半田付け時には常時 適温が維持されるように温度管理するようになっている。
【0032】 上記ヒータ線材8としては、カンタル・ガデリウス社製のカンタル線(Ni− Cr−Al系合金)が好適に使用される。ヒータ線材8は、上記挿通孔7a,7 aに挿入される部分8a,8aが螺旋状に巻かれるとともに、両端8b,8bに は、それぞれNiリード線10,10が接続されている。13はリード線10の 端部に取り付けられた接続端子である。
【0033】 上記加熱ヒータ2の先端部分2aは、上記こて先1の空胴部6に挿入されると ともに、これら両者1,2間にセラミックス充填材11が充填されて、こて先1 の基部4と加熱ヒータ2とが温度センサ15を挟んで密着状に一体固定されてい る。
【0034】 上記セラミックス充填材11は、こて先1、加熱ヒータ2および温度センサ1 5の接着剤としての機能、これら三者間の間隙を充填して空気層の形成を防止す る機能、さらには三者間の高い伝熱性を確保するための伝熱材としての機能を併 有するものである。
【0035】 また、上記こて先1に接続された保護パイプ5内にも、セラミックス充填材1 2が充填されており、これにより、上記加熱ヒータ2が保護パイプ5内に埋設状 に配設されて、外気との接触が完全に防止されている。上記セラミックス充填材 12としてはセラミックス充填材11と同じ材料が使用される。
【0036】 次に、上記こて先部の製造方法について説明する。 2箇所8a,8aが螺旋状に巻回されてなるヒータ線材8の両端8b,8b に、Niリード線10,10をそれぞれスポット溶接により接続する。
【0037】 このヒータ線材8を二つに折り曲げた後、上記リード線10,10をヒータ 本体7の挿通孔7a,7aに先端側から後端側へそれぞれ挿通させるとともに、 ヒータ線材8の中間部8cを、セラミックス材にて上記ヒータ本体7の先端面7 bに固定して、加熱ヒータ2を製作する。
【0038】 この加熱ヒータ2をこて先1と組み付けて、両者を一体化する。 すなわち、該こて先1の空胴部6にセラミックス充填材11を予め注入充填し た状態で、温度センサ15を取り付けた加熱ヒータ2の先端部分2aを、この空 胴部6に基端側から挿入する。すると、温度センサ15、加熱ヒータ2およびこ て先1の隙間がセラミック充填材11で充満されることとなる。この状態でセラ ミック充填材11を乾燥固化させて、こて先1と加熱ヒータ2を密着状に一体固 定する。
【0039】 加熱ヒータ2と一体化したこて先1の基部4を、保護パイプ5の先端部に圧 入固定する。
【0040】 保護パイプ5内部にセラミック充填材12を注入充填した後、これを乾燥固 化させることにより、図1に示すこて先部が完成する。
【0041】 しかして、以上のように構成されたこて先部は、保護パイプ5の基端フランジ 5aを介して、図示しない半田ごて本体の先端部に着脱可能に取り付け固定され るとともに、上記温度制御装置により、加熱ヒータ2の発熱がこて先1に伝熱さ れて、該こて先1が加熱制御される。
【0042】 この場合、加熱ヒータ2のヒータ線材8は、ヒータ本体7およびセラミックス 充填材11,12により、外気との直接的な接触が完全に防止されているため、 その酸化が有効に防止される。
【0043】 また、加熱ヒータ2の先端部分2aとこて先1とが温度センサ15を介してセ ラミックス充填材11により密着状に一体固定されており、これらの間に空気層 は存在しないので、加熱ヒータ2からこて先1への伝熱性が良好で、熱効率が良 い。
【0044】 さらに、こて先1から温度センサ15への伝熱性が良いので、加熱ヒータ2が こて先1を加熱するとき、温度センサ15がこて先1の温度変化を正確に検出す ることができるから、この検出温度に基づいてこて先を温度制御に追従させ、適 正温度に維持することができる。
【0045】 例えば、プリント基板の配線に電子部品を半田付けする場合、従来と同様の条 件で実験を行った結果、図3の曲線Xに示す温度特性となった。即ち、この温度 測定においては、温度制御装置によりこて先1が425℃に維持されるように設 定しておき、加熱ヒータ2に通電してから定温になった後、1秒間半田付けし、 2秒間休止するパターンを40回繰り返した後、数分間あけて再度40回繰り返 し、このときのこて先1の温度を温度計により数十分間計測した。
【0046】 図3の温度特性曲線Xに明らかなように、測定を開始してから設定の425℃ を超過する高温(+25℃)に立ち上がるまでが22秒となり、定温で安定する のに数秒間を要するものの従来の1分40秒に比して大幅に短縮された。そして 、立ち上がり後に半田付けを開始すると、定温より55℃の温度低下が生じるも のの従来に比して温度差は小さくなっている。また、一旦休止した後で再度半田 付けした場合も同様の結果となった。
【0047】 これは、セラミックス充填材が充填されているために、温度センサ15、こて 先1および加熱ヒータ2が密着状に一体固定され、三者の間に空気層が形成され ないことにより伝熱性が向上することによる。これらの間における伝熱性が良好 になると、加熱ヒータ2がこて先1を加熱する際、温度センサ15がこて先1の 温度を正確に測定することができるため、温度制御に追従して加熱ヒータ2を加 熱でき、こて先1を適正温度に維持することが可能となるのである。
【0048】 即ち、加熱ヒータに通電すると、こて先1の温度上昇に伴って加熱ヒータ2と 温度センサ15とが等しく高温になり、こて先1の温度が温度制御装置に時間的 遅れなく伝達される。すると、温度制御装置は、設定温度に近づくように加熱ヒ ータ2の発熱温度を即時に調整することができる。
【0049】 このため、半田付けが開始されてこて先1の温度が下った場合、直ちにこて先 1が加熱されて425℃の設定温度に維持され、実際にプリント基板に電子部品 を半田付けするときは、適正温度にて半田付けすることが可能となり、不良品が 発生する問題が解消されるものである。
【0050】
以上詳述したように、本考案によれば以下に列挙するような種々の効果が得ら れ、実用上有用な電気半田ごてを提供することができる。
【0051】 (1) 加熱ヒータのヒータ線材がセラミックス製ヒータ本体に挿通保持されるとと もに、加熱ヒータの先端部分がこて先の空胴部に挿入されて、これら両者間にセ ラミックス充填材が充填されており、ヒータ線材は外気との接触が防止される。 したがって、ヒータ線材の外気による酸化が有効に防止され、単位面積あたり の発熱量(表面電力密度W/cm2 )を高くすることが可能となり、又加熱ヒータ 自体の寿命も長い。
【0052】 (2) 加熱ヒータの先端部分がこて先の空胴部に挿入されるとともに、これら両者 間にセラミックス充填材が充填されて、こて先と加熱ヒータが密着状に一体固定 されて、こて先と加熱ヒータの間に空気層が形成されない。 したがって、加熱ヒータからこて先への伝熱性が良好であり、加熱ヒータがこ て先を加熱するとき、温度センサも等しく加熱されるとともに、こて先の温度が 低温になると温度センサも低温となる。このため、温度センサがこて先の温度変 化を正確に検出することができるから、温度制御に追従してこて先を適正温度に 維持することができ、良好な半田付けを行うことが可能となる。
【0053】 (3) また、こて先と加熱ヒータが密着状に一体固定されているので、空気層によ るこて先の酸化がないので、酸化層形成によるこて先の熱伝導劣化もなく、高い 熱効率を確保することができる。
【0054】 (4) 加熱ヒータからこて先への伝熱性が良好なため発熱部を短くすることができ 、又加熱ヒータから半田ごて本体の握り部への伝熱が小さく、加熱ヒータと握り 部間の距離を短くすることができ、半田ごて自体の小型化が図れる。
【0055】 (5) 加熱ヒータは、棒状のセラミックス製ヒータ本体にヒータ線材が挿通保持さ れてなる構造であるため、このヒータ線材の両端へのリード線の接続手段として スポット溶接が採用でき、従来のセラミックヒータの銀ロウ付のように、加熱ヒ ータの発熱によりヒータ線材とリード線との接続部が溶融される危険もない。 したがって、ヒータ線材とリード線取り出し部の距離を短くすることができ、 これにより、加熱ヒータの長さ寸法さらにはこて先部の長さ寸法を従来のセラミ ックヒータに比較して短くすることができ、この点でも半田ごての小型化が図れ る。
【0056】 (6) 加熱ヒータが、セラミックス製ヒータ本体とヒータ線材とからなる簡単な構 造であるため、従来のセラミックヒータのように高価な金型や大がかりな製造設 備が全く不要であり、製作工程数も少ない。 したがって、生産コストを低く抑えることができ、この効果は多量生産品であ る電気半田ごてにおいて顕著である。ちなみに、本考案に係る加熱ヒータの生産 コストは、従来市販のニクロムヒータと同程度であり、従来のセラミックヒータ に比較して2/5程度である。 しかも、高価な金型が不要であることから、加熱ヒータの規格等の変更も容易 である。
【図1】本考案に係る一実施例である電気半田ごてのこ
て先部を示す縦断面図である。
て先部を示す縦断面図である。
【図2】温度センサが設けられたこて先部の斜視図であ
る。
る。
【図3】本考案の温度センサによるこて先の温度特性を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図4】従来の温度センサによるこて先の温度特性を示
すグラフである。
すグラフである。
【図5】従来の電気半田ごてのこて先部を示す縦断面図
である。
である。
【図6】従来の他の電気半田ごてのこて先部を示す縦断
面図である。
面図である。
【図7】同従来のこて先部のセラミックヒータを示す斜
視図である。
視図である。
【図8】同セラミックヒータの製作工程を説明するため
の斜視図である。
の斜視図である。
1 こて先 2 加熱ヒータ 2a 加熱ヒータの先端部分 5 保護パイプ 6 加熱ヒータ挿入用の空胴部 7 ヒータ本体 7a ヒータ本体の挿通孔 8 ヒータ線材 10 リード線 11,12 セラミックス充填材 15 温度センサ
Claims (3)
- 【請求項1】 半田ごて本体の先端側に設けられるこて
先部が、加熱ヒータ挿入用の空胴部を有するこて先と、
該空胴部に挿入固着される加熱ヒータとを備えてなり、 該加熱ヒータは、円筒棒状のセラミックス製ヒータ本体
に挿通孔が設けられるとともに、該挿通孔にヒータ線材
が挿通保持されてなり、 前記こて先側の空胴部に温度センサが配置され、 前記加熱ヒータの先端部分が前記こて先の空胴部に挿入
されるとともに、この空胴部にセラミックス充填材が充
填されて、前記こて先と温度センサおよび加熱ヒータが
密着状に一体固定されていることを特徴とする電気半田
ごて。 - 【請求項2】 前記ヒータ本体に複数の挿通孔が前後方
向へ貫通して設けられ、 ほぼU字状に折曲形成された前記ヒータ線材が、前記両
挿通孔に先端側から挿通されるとともに、前記こて先と
接する部分が絶縁材で被覆されている請求項1記載の電
気半田ごて。 - 【請求項3】 前記こて先部の基部に保護パイプが接続
されるとともに、該保護パイプ内にセラミックス充填材
が充填されて、保護パイプ内に前記加熱ヒータが埋設状
に配設されている請求項1記載の電気半田ごて。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992058361U JP2585661Y2 (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 電気半田ごて |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992058361U JP2585661Y2 (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 電気半田ごて |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0615870U true JPH0615870U (ja) | 1994-03-01 |
JP2585661Y2 JP2585661Y2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=13082184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992058361U Expired - Lifetime JP2585661Y2 (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 電気半田ごて |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2585661Y2 (ja) |
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JPH0253871U (ja) * | 1988-08-29 | 1990-04-18 |
-
1992
- 1992-07-27 JP JP1992058361U patent/JP2585661Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101332324B1 (ko) * | 2011-12-14 | 2013-11-26 | 충북대학교 산학협력단 | 세라믹 히터 팁을 이용한 상시 가열방식의 마이크로 용접기 및 이를 이용한 용접방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2585661Y2 (ja) | 1998-11-25 |
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