JP2009224242A - 燃料電池、燃料電池用電極アセンブリ、及びこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリからカーボンペーパーを除去する
【解決手段】本発明の実施形態の一例として本明細書に提示される、固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリを製造する方法によれば、固体高分子膜の少なくとも一方の表面に微細凹凸構造を有する領域を少なくとも1つ形成すると共に、前記微細凹凸構造の少なくとも一部を、触媒の微粒子を担持させた担体粒子を主成分とする膜で被覆することを特徴とする。被覆の形成は、例えば、触媒微粒子を担持させた担体粒子を溶液に混合し、それをスピニングコーティング法によって上記微細凹凸構造領域に塗布することによって行うことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池及びそれに用いられる電極アセンブリ、並びにこれらの製造方法に関する。
燃料電池は、水素などの燃料と酸素などの酸化剤から化学反応によって電力を生成する発電システムである。燃料電池は次世代のエネルギー源の一つとして非常に有望視されており、世界中で研究開発が活発に進められている。燃料電池にはいくつかのタイプがあるが、そのうちの一つに固体高分子形燃料電池がある。固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell;PEFC)は、固体高分子膜(イオン交換膜、プロトン交換膜)を電解質として用いるタイプの燃料電池である。
図1に、従来の固体高分子形燃料電池の典型的な例を示す。図示されるように、従来の固体高分子形燃料は、固体高分子膜をアノード(陰極)とカソード(陽極)で挟み、それを燃料や反応ガスの流路が作り込まれたセパレータで挟んだ構造を有している。このセパレータで挟まれた構造はセル(燃料電池セル)と呼ばれ、固体高分子型燃料電池の基本単位構造となる。実際に稼働している燃料電池の殆どは、多数のセルが積層した構造を有している。積層に適するように、セパレータは両側の面に流路が作り込まれることが多く、このようなセパレータはしばしばバイポーラプレートと称される。
アノードとカソードは、多孔性炭素材料で作られるカーボンペーパーやカーボンクロスで作られており、これにPtまたはPt/Ru触媒を担持した炭素粉末が塗布されている。図1に図示されるように、多孔性炭素材料は非常に多数の細孔を有しており、燃料はこれらの細孔を通過することにより拡散せしめられ、固体高分子膜上でのフラックスが均一化される。
PEFCの発電メカニズムを簡単に説明すると次のようになる。PEFCの燃料としては水素やメタノールが用いられ、アノード側から供給される。水素は触媒の存在下で水素イオンと電子に分解し、水素イオンは固体高分子膜を伝ってカソード側へ移動する。カソード側からは、セパレータに作り込まれた流路及びカーボンペーパー内の細孔を介して酸素が供給され、固体高分子膜を伝って渡ってきた水素イオン及び電線を通じてアノード側から伝わってくる電子と反応して水が生成する。従って電子の流れが生成され、電力を得ることができる。カソード側で生成した水は、カーボンペーパー内の細孔を経由して、カソード側のセパレータに作り込まれた流路から排出される。
従来において、図1に描かれるような燃料電池を製造する場合、まず固体高分子膜がアノード及びカソードに挟まれた要素である膜/電極アセンブリ(Membrane Electrode Assembly;MEA)を製造し、これを流路が作り込まれた一対のセパレータ(バイポーラプレート)に挟み込むこむことによってセルを製造することが一般的であった。燃料電池セルの製造にあたり、現在では、ほとんどの要素を微細加工技術によって製造することができるようになっている。微細加工技術によって、セパレータやバイポーラプレートを製造し、それらに流路を形成することができる。また本願の出願人の一人である独立行政法人産業技術総合研究所は、その以前の特許出願(特願2006−45231,特開2007−227080)において、ナノインプリントプロセスによって、固体高分子膜に微細構造を形成することを提案している。
しかし、膜/電極アセンブリ(MEA)のみは、未だに微細加工技術によって製造することができない。これは、拡散層を形成するカーボンペーパーは、標準的な半導体加工技術によって製造できるものではないからである。
さらに、カーボンペーパーは比較的硬いため、MEAひいては燃料電池に柔軟性を持たせることができない。しかし、燃料電池は次世代のエネルギー源として様々な分野で利用されることが期待されており、その中には、燃料電池の形状が柔軟に変化しうるものでなることが好ましいものもある。たとえば本願発明者は、折り畳んだり腕に巻きつけたりすることができる燃料電池のアイディアを有している。
特開2007−227080号公報
本発明は、もともとこのような事情を改善するためになされたものであり、固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリからカーボンペーパーを除去することを目指してなされたものである。しかしながら、本発明は様々な実施形態を取り得ることができ、実施形態によっては上述の事情の一つまたはそれ以上を改善するだけでなく、別の課題に対する改善をも提供し、さらなる技術的効果をもたらしうるものもある。
本発明は、固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(膜/電極アセンブリ,MEA)において、電解質としての固体高分子膜の少なくとも一方の表面に微細凹凸構造を有する領域を少なくとも1つ形成すると共に、前記微細凹凸構造の少なくとも一部を、触媒の微粒子を担持させた担体粒子を主成分とする膜で被覆すること特徴とする。
表面微細凸凹構造は、電解質の表面積を大きく広げることに役立ち、従って反応領域の面積を拡大することに資する。その凹凸構造に触媒微粒子を担持させた担体粒子による被膜を直接形成することにより、凹凸構造の隅々まで触媒を行き渡らせることができ、凹凸構造により拡大した表面面積を非常に効率的に利用することができる。
さらに、燃料が、担体粒子間の隙間を通過する間に十分拡散することができるので、従来の多孔性炭素材料を用いたカーボンペーパーによる拡散層を用いる必要がない。従って、本発明によれば、従来の固体高分子型燃料電池用電極アセンブリで必要とされていた、カーボンペーパーを除去することができる。
さらに、従来はカーボンペーパー内の細孔に多量の触媒が入り込んでしまい、これらの触媒は反応に寄与することができず、無駄になっていた。触媒としてよく用いられる白金は高価であり、無駄を避けることは製造コストを下げる上で非常に重要である。本発明においては、カーボンペーパーを必要としないため、触媒が多孔性炭素材の細孔に入り込んで無駄になることがなく、従来のMEAよりも触媒の使用効率を向上することが期待できる。
本発明のある実施形態においては、反応流体の通り道となる流路を、表面微細凸凹構造に接続するように高分子膜上に形成する。この流路は、アノード側においては燃料の流路となり、カソード側においては酸素や水の流路となりうる。すなわちこの流路は、従来の燃料電池セルにおいてセパレータに形成されていた流路の役割を果たすことができる。そこで、セパレータに流路を形成する必要がなくなるため、セパレータを単なる樹脂の層とした燃料電池セルを形成することが可能になる。
本発明の好適な実施形態のいくつかは、添付の特許請求の範囲に特定されている。しかし本発明の実施形態は、特許請求の範囲や明細書及び図面に明示的に記載されるものに限定されず、本発明の思想を逸脱することなく、様々な形態をとることが可能である。本発明は、本願特許請求の範囲や明細書及び図面に明示的に開示されるか否かにかかわらず、これらの書類から教示されうるあらゆる新規かつ有益な構成を、その範囲に含むものである。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図2A〜Cは、本発明に従う固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(MEA)の一例を説明するための図である。図2Aは、MEAに用いられるプロトン交換膜(固体高分子膜)を示している。プロトン交換膜101の材料は、ナフィオン(登録商標)等のスルホン酸基を持ったフッ素系ポリマーが適しており、プロトンは水和されてスルホン酸基上を移動することができる。プロトン交換膜101の厚さは例えば50〜200ミクロンとすることができる。むろんこの数値は単なる典型例に過ぎず、本発明の実施形態がその他様々な厚さの固体高分子膜を使用しうることは言うまでもない。
プロトン交換膜101の表面には、孔102a〜cが形成されている。図2Aにおいては三つの孔しか描かれていないか、実際の実施においては非常に多くの孔が形成されることが好ましく、これらの孔によってプロトン交換膜101の表面の少なくとも一部は、非常に激しい凹凸構造を呈する。この凹凸構造は、プロトン交換膜101の表面積を大きく広げることに役立ち、従って反応領域の面積を拡大することに資する。
凹凸構造を形成するための102a〜cの寸法はナノメートルオーダーであることができ、例えば孔の直径を10nm、孔と孔との間隔も10nm、穴の深さを100nmとすることができる。言うまでもないが、これらの数値は、プロトン交換膜101上の凹凸構造の様子を読者にイメージしやすくするために挙げた単なる例に過ぎず、本発明の実施形態が様々な寸法・数値を取り得るものであることは留意すべきである。孔102a〜cを形成する方法としては、ナノインプリント技術を用いることができる。その他、電子ビーム描画やエッチングなどの方法を用いてもよい。
図2Bは、プロトン交換膜101上の凹凸構造を、触媒微粒子を担持した担体粒子で被覆した様子を示している。触媒としては白金(Pt)、又はルテニウム(Ru)−白金合金を用いることができ、担体粒子としてはカーボンの微粒子を用いることができる。このような触媒微粒子を担持したカーボン粒子は市販されており、例えば株式会社東陽テクニカのECシリーズを用いることが可能である。
図2Bに描かれるような触媒担持カーボン粒子層103を形成する方法には特に制限がない。一つの方法として、触媒微粒子を担持させたカーボン粒子をナフィオン溶液に混合し、その混合液をスピニングコーティング(spinning coating)法によってプロトン交換膜101の表面に塗布し、熱を加えてアルコール分を飛ばして被膜を形成するという方法を用いることができる。ナフィオン溶液を用いるのは、プロトン交換膜101がナフィオン製であるため、触媒被膜とプロトン交換膜との親和性を向上させるという利点があるためである。さらに、被膜が形成された後に、ナフィオンと触媒が非常に近接しうるという利点もある。
図2Bに描かれるような触媒担持カーボン粒子層103を形成する方法の別の例として、触媒微粒子を担持させたカーボン粒子を含む層を、プロトン交換膜101とは別の基板上に形成し、出来上がった層を孔102a〜cを含む凹凸面に押しつけ、圧力を加えつつ加熱することにより、凹凸面を被膜するという方法を採用することもできる。ただしこの方法は、スピニングコーティング法を利用する方法に比べて複雑であるので、主に研究開発において用いられるであろう。
図2Cは、図2Bの触媒担持カーボン粒子層103の形状の別の例を示すために載せた。図2Cの触媒担持カーボン粒子層105に見られるごとく、触媒担持カーボン粒子は孔102a〜cを完全に充填する必要はなく、孔102a〜cを含む凹凸面を覆うことが出来れば十分である。
触媒担持カーボン粒子層103,105において、各カーボン粒子の間には、燃料などが浸透しうるに十分な隙間が存在する。そして燃料は、この隙間を浸透していくにつれて拡散するため、層103,105は、従来のMEAにおいて多孔性カーボンペーパーが果たしていた拡散層の役割をも担う。従って本発明によるMEAは、従来は必要であったカーボンペーパーを取り除くことができる。
また、層103,105はカーボンの粒子層であるので導電性があり、従って電極としての役割を果たすことができる。
層103,105の厚さは、例えば数ミクロンのオーダーとすることができる。むろんこの数値は単なる典型例に過ぎず、本発明の実施形態が、その他様々な厚さの触媒担持カーボン粒子層を含むことは言うまでもない。
層103,105において、触媒担持カーボン粒子間の隙間を通ることができるのは、燃料だけではなく、酸素や水も当然通ることができる。このため触媒担持カーボン粒子層に被覆された凹凸構造は、アノード側に形成されてもよいし、カソード側に形成されてもよい。どちらの側に形成されても、触媒担持カーボン粒子層は、拡散層・触媒層・および電極の役割を果たすことができる。従って、触媒担持カーボン粒子層に被覆された凹凸構造は、好ましくはアノード側およびカソード側の両方に形成されることが好ましい。
図3A〜図3Cには、アノード側およびカソード側の両方に、触媒担持カーボン粒子層に被覆された凹凸構造が形成された実施形態が描かれている。プロトン交換膜111は、図2のプロトン交換膜101に対応するものであり、同じ材質のものであるが、孔102a〜cに対応する孔112a〜cが、プロトン交換膜の両面に形成されているところが異なっている。
図2の場合と同様に、実際には両面ともに極めて多くの孔が形成されており、これによって当該箇所は激しい凹凸構造を呈している。この凹凸構造に、上記と同様の触媒担持カーボン粒子層が113a,115a、上記と同様の方法で形成される。図3Bには図2Bと同じように、触媒担持カーボン粒子が孔112a〜cを完全に充填した実施例が描かれており、図3Cには図2Cと同じように、触媒担持カーボン粒子が孔112a〜cを完全に充填しない実施例が描かれている。触媒担持カーボン粒子層113a,115aは、図2の触媒担持カーボン粒子層103,105にそれぞれ対応するものであり、全く同様の物質及び同様の方法で形成することができる。
図2B,図2C,図3B,図3Cに描かれる構造体は、固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(MEA)として用いることができる。
続いて、図4を参照して別の実施例を説明する。図4には、本発明に従う固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(MEA)201が描かれている。MEA201のプロトン交換膜203は、前述の実施例に係るプロトン交換膜101,111と同じ材質のものとすることができる。符号207は、図2,図3を用いて説明したような、微細凹凸構造が触媒担持カーボン粒子層に被覆された領域を表しており、この領域において発電のための化学反応が行われる。そこで以後この領域を反応領域と称する。
図4に描かれるように、MEA201には互いに離間した反応領域207が複数設けられており、そして一の反応領域と他の反応領域とは、溝205で繋がっている。図4に描かれる各構造がアノード側にある場合、溝205は、燃料供給用の流路としての役割を果たすことができる。図4に描かれる各構造がカソード側にある場合は、溝205は酸素供給及び生成水排出のための流路としての役割を果たすことができる。すなわち溝205は、従来の燃料電池セルにおいて、セパレータに形成されていた流路の役割を果たすことができる。符号205a及び205bは、それぞれ反応流体の流入口と流出口を表す。
このほかMEA201の表面には、反応領域207とは異なる領域に、反応領域207における化学反応とは異なる化学反応を行うための領域209が形成されている。領域209は、様々な化学反応のために用いることができ、単なる例ではあるが、例えば燃料としてメタノールを用いた時に、発生するCOによって水素イオンの生成が阻害される水素中毒に対処するための構造を設けることができる。図示されていないが、領域207と領域209とは、流路205によって繋がっている。
図4にはプロトン交換膜203の片側の面しか描いていないが、もう一方の面にも同様の構造を形成することはもちろん可能であり、好ましいことでもある。両面に溝205,領域207,209が形成されたMEA201は、従来必要であったカーボンペーパーを全く必要とせずに、燃料および酸素を拡散して触媒およびプロトン交換膜が存在する領域まで送達することができる。このため、カーボンペーパーを使用せずともMEAを構成することができ、既存の微細加工技術を用いてMEAを製造するという、従来技術では不可能であったことが可能となる。さらに、カーボンペーパーを使用しないため、カーボンペーパー分の製造コストが削減できると共に、触媒担持カーボン粒子がカーボンペーパーの細孔内の奥深くに入り込んで触媒作用を発揮できなくなることがないため、高価な触媒を有効に使用することができる。そして、カーボンペーパーを使用しないために、MEA201に柔軟性を持たせることが可能となり、将来柔らかく変形可能な燃料電池を製造することが可能になりうる。
前述のように、溝205は、従来の燃料電池セルにおいて、セパレータに形成されていた流路の役割を果たすことができる。従って、従来のように、セパレータに燃料や反応ガスの流路を形成する必要は必ずしもない。そこで、本発明の実施形態のあるものでは、セパレータとしてナフロンPTFEシートを用い、これを構造205〜209が形成されたプロトン交換膜203の表面に被せて熱圧成形でプロトン交換膜203と一体化してしまう。従ってセパレータがプロトン交換膜に統合された一つの層と化した燃料電池セルが得られる。このような構造を有する燃料電池セルは、かつて存在しなかったものである。
以上、本発明の好適な実施形態のいくつかの例を図面を用いて説明してきたが、本発明の実施形態はこれらの例に限定されるわけではなく、本発明の思想を逸脱せずに、様々な形態を取り得ることは言うまでもない。例えば本発明の実施形態において、固体電解質に形成する凹凸構造の形状には特に制限がなく、図2や図3に描かれる凹凸構造が単なる例であるのはもちろんである。従って本発明の実施形態は、三角錐や四角錐、円錐、多角柱などの突起や陥没、あるいは不規則な形状の突起や陥没などによる、あらゆる形状の凹凸構造を含む。また、例えば図4を参照したとき、発電反応領域207やその他の化学反応のための領域209,流路205等の数、配置、形状等についても、本発明を実施する上で特に制限はなく、図4は本発明の理解を助ける目的のみで作られた、極めて単純な例示的実施形態を描いているに過ぎない。本発明の理解を助けるための別の非常に単純な例ではあるが、例えば流路205を、図5のような形状に形成し、その途中に発電反応領域207やその他の化学反応のための領域209を形成することも可能である。
本願出願当初の特許請求の範囲に特定される、本発明の好適な実施形態は、次の通りである。
(1)固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(Membrane Electrode Assembly;MEA)であって、固体高分子膜の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する領域を少なくとも1つ有すると共に、前記微細凹凸構造の少なくとも一部が、触媒の微粒子を担持させた担体粒子を主成分とする層で被覆されていることを特徴とする、電極アセンブリ。
(2)前記触媒は白金、又はルテニウム−白金合金であり、前記担体粒子はカーボンの粒子である、(1)に記載の電極アセンブリ。
(3)前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造に接続される、燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路が設けられていることを特徴とする、(1)または(2)に記載の電極アセンブリ。
(4)前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造を有する領域が少なくとも2つ設けられており、その一の領域と他の領域とは、前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に設けられた燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路によって繋がっていることを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(5)前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上における、前記微細凹凸構造を有する領域とは異なる部位に、他の化学反応を促進する領域が設けられていることを特徴とする、(3)又は(4)に記載の電極アセンブリ。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の電極アセンブリを備えると共に、該電極アセンブリにおいて前記担体粒子を主成分とする層を有する面が、セパレータとして機能する樹脂で覆われていることを特徴とする、燃料電池セル。
(7)(1)から(5)のいずれかに記載の電極アセンブリ、又は (6)に記載の燃料電池セルを少なくとも一つ備える燃料電池。
(8)固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(Membrane Electrode Assembly;MEA)を製造する方法であって、固体高分子膜の少なくとも一方の表面に微細凹凸構造を有する領域を少なくとも1つ形成すると共に、前記微細凹凸構造の少なくとも一部を、触媒の微粒子を担持させた担体粒子を主成分とする膜で被覆すること特徴とする、製造方法。
(9)前記微細凹凸構造をナノインプリントプロセスによって形成することを含む、(8)に記載の製造方法。
(10)前記触媒は白金、又はルテニウム−白金合金であり、前記担体粒子はカーボンの粒子であって、前記被覆を行うべく、前記触媒微粒子を担持させたカーボン粒子をナフィオン溶液に混合し、該混合液をスピニングコーティング法によって前記微細凹凸構造を有する領域に塗布することを含む、(8)又は(9)に記載の製造方法。
(11)前記触媒は白金、又はルテニウム−白金合金であり、前記担体粒子はカーボンの粒子であって、前記被覆を行うべく、前記触媒微粒子を担持させたカーボン粒子を含む層を前記固体高分子膜とは別の基板上に形成し、前記形成した層を前記固体高分子膜の前記微細凹凸構造に押しつけることを含む、(8)又は(9)に記載の製造方法。
(12)前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造に接続される、燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路を形成することを含む、(8)から(11)のいずれかに記載の製造方法。
(13)前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造を有する領域を少なくとも2つ形成すると共に、その一の領域と他の領域とを結ぶ、燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路を形成することを含む、(8)から(12)のいずれかに記載の製造方法。
(14)前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上における、前記微細凹凸構造を有する領域とは異なる部位に、他の化学反応を促進する領域を形成することを含む、(8)から(13)のいずれかに記載の製造方法。
(15)固体高分子型燃料電池セルを製造する方法であって、(1)から(5)のいずれかに記載の電極アセンブリにセパレータを形成すべく、その表面を樹脂で被覆することを特徴とする、製造方法。
従来の固体高分子型燃料電池用電極アセンブリの典型例を描いた図 本発明に従う固体高分子型燃料電池用電極アセンブリの一例を説明するための図 本発明に従う固体高分子型燃料電池用電極アセンブリの別の例を説明するための図 本発明に従う固体高分子型燃料電池用電極アセンブリのさらに別の例を説明するための図 本発明に従う固体高分子型燃料電池用電極アセンブリのさらに別の例を説明するための図
符号の説明
101,111 プロトン交換膜
102a−c 孔
103,105 触媒担持カーボン粒子層
112a−c 孔
203 プロトン交換膜
205 溝
207 反応領域

Claims (15)

  1. 固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(Membrane Electrode Assembly;MEA)であって、固体高分子膜の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する領域を少なくとも1つ有すると共に、前記微細凹凸構造の少なくとも一部が、触媒の微粒子を担持させた担体粒子を主成分とする層で被覆されていることを特徴とする、電極アセンブリ。
  2. 前記触媒は白金、又はルテニウム−白金合金であり、前記担体粒子はカーボンの粒子である、請求項1に記載の電極アセンブリ。
  3. 前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造に接続される、燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電極アセンブリ。
  4. 前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造を有する領域が少なくとも2つ設けられており、その一の領域と他の領域とは、前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に設けられた燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路によって繋がっていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電極アセンブリ。
  5. 前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上における、前記微細凹凸構造を有する領域とは異なる部位に、他の化学反応を促進する領域が設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の電極アセンブリ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の電極アセンブリを備えると共に、該電極アセンブリにおいて前記担体粒子を主成分とする層を有する面が、セパレータとして機能する樹脂で覆われていることを特徴とする、燃料電池セル。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の電極アセンブリ、又は 請求項6に記載の燃料電池セルを少なくとも一つ備える燃料電池。
  8. 固体高分子型燃料電池用の電極アセンブリ(Membrane Electrode Assembly;MEA)を製造する方法であって、固体高分子膜の少なくとも一方の表面に微細凹凸構造を有する領域を少なくとも1つ形成すると共に、前記微細凹凸構造の少なくとも一部を、触媒の微粒子を担持させた担体粒子を主成分とする膜で被覆すること特徴とする、製造方法。
  9. 前記微細凹凸構造をナノインプリントプロセスによって形成することを含む、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記触媒は白金、又はルテニウム−白金合金であり、前記担体粒子はカーボンの粒子であって、
    前記被覆を行うべく、前記触媒微粒子を担持させた前記カーボン粒子をナフィオン溶液に混合し、該混合液をスピニングコーティング法によって前記微細凹凸構造を有する領域に塗布することを含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記触媒は白金、又はルテニウム−白金合金であり、前記担体粒子はカーボンの粒子であって、
    前記被覆を行うべく、前記触媒微粒子を担持させた前記カーボン粒子を含む層を前記固体高分子膜とは別の基板上に形成し、前記形成した層を前記固体高分子膜の前記微細凹凸構造に押しつけることを含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
  12. 前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造に接続される、燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路を形成することを含む、請求項8から11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上に、前記微細凹凸構造を有する領域を少なくとも2つ形成すると共に、その一の領域と他の領域とを結ぶ、燃料供給用の流路、又は酸素供給及び水排出用の流路を形成することを含む、請求項8から12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記固体高分子膜の前記少なくとも一方の表面上における、前記微細凹凸構造を有する領域とは異なる部位に、他の化学反応を促進する領域を形成することを含む、請求項8から13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 固体高分子型燃料電池セルを製造する方法であって、請求項1から5のいずれかに記載の電極アセンブリにセパレータを形成すべく、その表面を樹脂で被覆することを特徴とする、製造方法。
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KR101825888B1 (ko) * 2017-09-06 2018-03-22 한국에너지기술연구원 고분자연료전지 백금 용해시 발생되는 이오노머 재배열을 억제할 수 있는 전극 제조방법
WO2019017538A1 (ko) * 2017-07-19 2019-01-24 한국에너지기술연구원 고분자연료전지 백금 용해시 발생되는 이오노머 재배열을 억제할 수 있는 전극 제조방법

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