JP2009223296A - 現像装置、電子写真画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 休止時間を設けた不連続な印字モードにおいても、画像濃度の変動を抑制することが出来る現像装置を提供する。
【解決手段】 該現像装置は、感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像剤と、該現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持・搬送された現像剤の量を規制するために該現像剤担持体に近接して配置された現像剤層厚規制手段を少なくとも有する。該現像剤として、結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有し、かつ、特定の飽和磁化、重量平均粒径および組成を有する負帯電性の一成分磁性トナーを用いる。該現像剤担持体として、バインダー樹脂と、第4級アンモニウム塩と、黒鉛化粒子と、導電性球状樹脂粒子とを含む表面層を具備し、かつ、特定の表面形状を有する現像剤担持体を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感光体又は静電記録誘導体等の静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために用いられる現像装置、及び電子写真画像形成装置に関するものである。
電子写真法は、一般的に光導電性物質を利用し、種々の手段により静電潜像担持体(感光体ドラム)上に静電潜像を形成する。次いで現像領域に現像バイアスを作用させ、該静電潜像を現像剤にて現像してトナー像を形成し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力により転写材にトナー画像を定着して複写物を得る。電子写真法における現像方法は、主としてキャリアが不要な一成分現像方法とキャリアを有する二成分現像方法に分けられる。一成分現像方法を用いた現像装置は、キャリアが不要なため、トナー劣化によるトナー交換を少なくすることができると共に、現像装置にトナーとキャリアの濃度調整機構等が不必要なため、現像装置自体を小型化・軽量化できるという利点がある。
ところで、特許文献1は、複写物の更なる高画質化のために、現像剤(トナー)の微粒子化、並びに現像剤の飽和磁化を小さくすることを開示している。
しかし、磁性体量を少なくし、且つ現像剤の微粒子化を行った場合、現像剤が現像スリーブ表面との鏡映力により不動状態となり、現像スリーブ上から感光ドラム上の潜像に現像されにくくなる、所謂チャージアップ現象が起こりやすくなる。その結果、画像濃度低下を招来することがある。
現像剤のチャージアップ対策として、特許文献2は、黒鉛化度p(002)が0.20〜0.95であり且つ押し込み硬さ値HUT[68]が15〜60である黒鉛化粒子を樹脂層に含有する現像剤担持体を提案している。黒鉛化粒子の持つ、現像剤への迅速且つ安定した帯電付与性を高める効果により、現像剤のチャージアップが改善される。
しかし、本発明者らが、上記特許文献2に記載の発明に係る現像剤担持体について検討したところ、小粒径かつ飽和磁化が小さい一成分磁性トナーと共に用いた場合においては、所定の印字モードで電子写真画像を形成したときに図6に示すように、休止後の画像濃度が休止前と比較して大きく変動する現象が発生した。ここで所定の印字モードとは、1000枚以上の連続耐久後、30分から2時間の休止時間を設けて、再度1000枚以上の連続耐久を行う印字条件である。この印字モードで電子写真画像を形成すると、休止前の画像濃度に比べて、休止後1枚目の画像濃度が非常に濃くなることが分かった。また、画像濃度は、その後に連続して画像形成を行うことで徐々に休止前の画像濃度に戻ることが分かった。
特開2005−157318号公報 特開2003−323042号公報
そこで本発明の課題は、上記したような不規則な画像濃度の変動を抑制することのできる現像装置、並びに電子写真画像形成装置を提供することにある。
上記した休止後に生じる画像濃度の増大について本発明者らの検討の結果、現像剤のチャージアップとの相関を見出した。すなわち、連続耐久によりチャージアップした現像剤が、休止時間を設けることで、鏡映力が弱まり、休止後の印字時に現像剤が現像されやすくなり、結果画像濃度が濃くなったものと考察した。
本発明者らは、上記の考察に基づき検討を重ねた結果、特定の現像剤と特定の表面形状を有する現像剤担持体との組み合わせが上記の課題の解決に有効であることを見出した。
即ち、本発明にかかる現像装置は、静電潜像を形成するための感光体ドラムと、該静電潜像を現像する現像剤と、該現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持・搬送された現像剤の量を規制するために該現像剤担持体に近接して配置された現像剤層厚規制手段を少なくとも有する現像装置において、該現像剤は、結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有し、磁場795.8kA/mにおける飽和磁化が20Am/kg以上40Am/kg以下であり、重量平均粒径(D)が4.0μm以上8.0μm以下であり、かつ、該磁性酸化鉄粒子が、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下である負帯電性の一成分磁性トナーであり、該現像剤担持体は、
少なくとも、基体と、該基体上に形成された表面層としての樹脂層と、該基体内部に配設された磁性部材とを有しており、該樹脂層は、該現像剤を負に摩擦帯電させるものであって、構造中に−NH基、=NH基、および−NH−結合から選ばれる少なくとも1つを有しているバインダー樹脂と、該樹脂層の該現像剤に対する負摩擦帯電付与性を低下させる第4級アンモニウム塩と、黒鉛化度p(002)が0.22≦p(002)≦0.75である黒鉛化粒子と、該樹脂層表面に凹凸を付与する粒子としての体積平均粒径が4.0μm乃至8.0μmの導電性球状炭素粒子とを含有し、該現像剤担持体の前記現像剤を担持する部分の全域が、該現像剤担持体の表面における1辺が0.50mmの正方形の領域について該正方形の一辺と平行な725本の直線と、該直線と直交する725本の直線とで等分したときの各直線の交点で測定される3次元高さの平均値(H)を基準として高さがD/4を越える独立した凸部を複数個有し、該凸部の該高さD/4における面積の総和が該領域の面積の5%以上30%以下であり、該凸部のみから求められる算術平均粗さRa(A)が0.25μm以上0.55μm以下であり、かつ、該凸部を除いて求められる算術平均粗さRa(B)が0.65μm以上1.20μm以下である表面形状を有していることを特徴とする。
また本発明にかかる電子写真画像形成装置は、上記の現像装置を具備していることを特徴とする。
本発明によれば、休止時間を設けた不連続な印字モードにおいても、画像濃度の変動を抑制することが出来る。
本発明の現像装置の実施形態を示す模式図である。 共焦点光学系レーザー顕微鏡の模式図である。 合焦時の共焦点光学系レーザー顕微鏡のレーザー光の様子を示した模式図である。 非合焦時の共焦点光学系レーザー顕微鏡のレーザー光の様子を示した模式図である。 本発明における磨き加工装置の一例の断面を示した模式図である。 休止時間を設けた不連続な印字モードにおける画像濃度の推移についての説明図である。 本発明にかかる現像剤担持体の樹脂層の表面の単位面積における[H+(D/4)]の高さでの切断面を模式的に示した平面図である。 図7における線分8−8での切断面を模式的に示した断面図である。 実施例において初期画質の評価に用いた画像の説明図である。
本発明者らは、休止時間を設けた不連続な印字モードの検討を進めた結果、1000枚以上の連続耐久後に30分間から2時間の休止時間を設けることで、休止前後の画像濃度に差が生じやすいことを見出した。この時の濃度差は、図6に示すように、連続印字耐久の休止前の画像濃度より休止後に再スタートした時の画像濃度が高くなり、およそ1000枚の連続印字で休止前の画像濃度に戻る現象である。
本発明においては、休止前後の画像濃度の変動を抑制させるべく、現像剤の電気的特性と現像剤担持体の構成材料及び表面形状について検討を行った。
画像濃度の変動を抑制させるためには、現像剤の摩擦帯電量を一定にすることが有効である。つまり、現像剤の摩擦帯電を迅速に行い、且つ過剰な摩擦帯電を抑制することが有効である。
そこで、本発明者等は、現像剤の磁性酸化鉄粒子と現像剤担持体の構成材料、及び現像剤の粒径と現像剤担持体の表面形状の関係に着目し、鋭意検討を進めた。その結果、特定の現像剤と特定の現像剤担持体とを組み合わせた現像装置が前記画像濃度の変動をより良く抑制できることを見出した。以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明について詳述する。
まず、本発明にかかる現像装置についての概略断面を示した図1を用いて説明する。本発明にかかる現像装置は、以下のものを具備している。
・現像剤116;
・該現像剤を収容している容器(現像容器)109;
・該現像剤を担持し、現像領域Dへ搬送するための現像剤担持体105;
・該現像剤担持体に担持・搬送された現像剤の量を規制するために該現像剤担持体に近接して配置された現像剤層厚規制部材(磁性ブレード)107。
そして、この現像装置は、磁性ブレード107により前記現像剤担持体105上に現像剤の層を形成しながら現像剤担持体105上の現像剤を静電潜像担持体106と対向する現像領域Dへと搬送する。次いで前記静電潜像担持体106の静電潜像を搬送された現像剤により現像し、トナー像を形成する。
<現像剤>
現像剤は、結着樹脂と、磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナー粒子とを有しており、かつ以下の各要件(A1)〜(A3)を満たしている負帯電性の一成分磁性トナーである。
(A1)磁場795.8kA/mにおける飽和磁化が20Am/kg以上40Am/kg以下であること。
(A2)重量平均粒径(D)が4.0μm以上8.0μm以下であること。
(A3)該磁性酸化鉄粒子が、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下であること。
<<要件(A1)>>
飽和磁化量が40Am/kgを超える場合には、磁性酸化鉄粒子を比較的多量に添加する必要があり、トナー粒子間での磁気的凝集性により必要過多の現像剤が現像されやすくなり、飛び散りの如き画像不良が発生しやすくなる。一方、飽和磁化量が20Am/kg未満の場合には、磁性部材による磁気的拘束力が弱まる為、現像剤担持体による搬送力の低下及び不安定化が生じやすく、飛び散りの如き画像不良が発生しやすくなる。
<<要件(A2)>>
本発明にかかる負帯電性の一成分磁性トナーは、重量平均粒径(D)が4.0μm以上8.0μm以下である。重量平均粒径(D)が4.0μm未満の場合は、トナー粒子一粒当たりに含有する磁性粉体の量が相対的に減少するため磁性酸化鉄粒子の使用の効果が少なくなる。また、トナー粒子の表面積が増えることにより、連続耐久時の現像剤のチャージアップが生じやすくなる。そのため、休止前後の画像濃度の変動の抑制に不利となる。一方、重量平均粒径(D)が8.0μmを超える場合にはトナー粒子の表面積が減ることにより、現像剤の帯電量不足が起こりやすくなる。そのため、画像濃度の変動や低下の抑制に不利となる。
<<要件(A3)>>
要件(A3)に関して、Fe元素溶解率とは磁性酸化鉄粒子を表面から溶解させていったときの溶解の程度を表す指標である。Fe元素溶解率が、0質量%の状態とは、磁性酸化鉄粒子が全く溶解されていない状態である。
Fe元素溶解率が10質量%の状態とは、磁性酸化鉄粒子の総Fe量に対して90質量%のFeが残存するようにその表面が溶解された状態である。したがって、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量とは、磁性酸化鉄粒子の、溶解された領域に存在している総Fe量を意味する。そして、割合Xとは、その総Fe量に占めるFe(2+)の割合である。
なお、Fe元素溶解率が100質量%とは、磁性酸化鉄粒子が完全に溶解された状態である。
割合Xが34%未満の場合は、連続耐久時の現像剤のチャージアップが起こりやすく、休止前後の画像濃度の変動が生じやすい。割合Xが50%を超えると、酸化の影響を受けやすく、同様に画像濃度の変動が生じやすい。
また、該磁性酸化鉄粒子は、以下で定義されるXとYとの比(X/Y)が1.00超で且つ1.30以下であることが好ましい。
X:全Fe量に対してFe元素溶解率が10質量%のときの、溶解された総Fe量に対するFe(2+)(以下「表面のFe(2+)」とも称す)の割合;
Y:残りの90質量%中における総Fe量に対するFe(2+)(以下「内部のFe(2+)」とも称す)の割合。
比X/Yは、磁性酸化鉄粒子の表面と内部とのFe(2+)存在割合比を示している。比X/Yが1.00超の場合、磁性酸化鉄粒子の内部より、表面の方が、割合としてFe(2+)量が多いため、現像剤のチャージアップを抑制する効果がより高まる。また、比X/Yが1.30以下の場合、磁性酸化鉄粒子の内部のFe(2+)量も適当となる為、Fe(2+)量のバランスが大きくは崩れず、摩擦帯電性が安定しやすい。
表面のFe(2+)量を高めた磁性酸化鉄粒子を有する現像剤に用いることで、上記の効果が得られることは、理論的には未だ明らかでないが以下のように推察される。
表面のFe(2+)量を本発明で規定した範囲内とした磁性酸化鉄粒子を現像剤に用いることで、Fe(2+)とFe(3+)との電荷授受が磁性酸化鉄粒子の表面近傍で効率的に行われる。その結果、磁性酸化鉄粒子中の電荷移動がスムーズになり、現像剤としての摩擦帯電性がより安定化すると考えられる。そして、本発明に用いられる現像剤担持体との相乗効果により、画像濃度の変動を抑制することが出来る。
また、表面のFe(2+)の割合Xをより安定的に本発明の範囲内に制御するには、磁性酸化鉄粒子中に金属元素を含有させてコア粒子とし、コア粒子表面に各種金属元素を含む被覆層を形成することが好ましい。金属元素の中でも、磁性酸化鉄粒子の内部にケイ素を含有し、磁性酸化鉄粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成させることが、本発明に用いられる現像剤担持体との摩擦帯電性が安定する為、特に好ましい。
コア粒子に含まれるケイ素の量は、磁性酸化鉄粒子全体に対し、ケイ素元素として0.20質量%以上1.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.25質量%以上、1.00質量%である。該被覆層に含まれるケイ素の量が磁性酸化鉄粒子の全体に対し、Si元素として0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましい。さらに、被覆層に含まれるアルミニウムの量が磁性酸化鉄粒子の全体に対しアルミニウム元素として0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上、0.25質量%以下である。金属元素の含有量を、上記範囲にすることで、本発明に用いられる現像剤担持体との摩擦帯電性が安定しやすい。また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、磁性トナー粒子中への分散性や黒味の面から、八面体状であることがより好ましい。
本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、平均一次粒子径が0.10μm以上0.30μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.10μm以上0.20μm以下である。磁性酸化鉄粒子の平均一次粒子径を0.20μm以下とすることで磁性トナー粒子中に磁性粉が均一に分散されやすく、現像剤のチャージアップを抑制する効果がより高まる。また、磁性酸化鉄粒子の平均一次粒子径を0.10μm以上とすることでFe(2+)の酸化を抑制しやすくなり、Fe(2+)の量を安定的に制御しやすくなる。
また、磁性酸化鉄粒子は、外部磁場795.8kA/mにおける磁化の値が86.0Am/kg以上であることが好ましく、より好ましくは87.0Am/kg以上である。この場合、現像スリーブ上における磁気穂立ちの形成が特に良好となり、良好な現像性が得られる。
磁性酸化鉄粒子の含有量は、現像剤の結着樹脂100質量部に対して、20質量部以上150質量部以下の量で用いられるのが好ましく、より好ましくは50質量部以上120質量部以下である。この範囲内にすることで、現像剤の飽和磁化量を所望の値に制御しやすくなる。
<<製造方法>>
本発明で用いられる磁性酸化鉄粒子の製造方法は、一般的なマグネタイト粒子の製造方法を用いることができるが、特に好ましい製造方法を以下に具体的に説明する。
本発明に用いる磁性酸化鉄粒子は、第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化して製造することができる。
第一鉄塩としては、水可溶性塩であれば利用でき、硫酸第一鉄、塩化第一鉄を挙げることができる。そして、好ましくは、この第一鉄塩に、最終的な磁性酸化鉄粒子総量に対して、ケイ素元素換算で0.20質量%以上1.50質量%以下となるように水溶性ケイ酸塩(例えばケイ酸ナトリウム)を添加し、混合する。
次に、得られたケイ素成分を含有する第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して、水酸化第一鉄スラリーを生成させる。ここでアルカリ溶液は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液の如き水酸化アルカリ水溶液を用いることが出来る。
水酸化第一鉄スラリーを生成させる際のアルカリ溶液量は、求める磁性酸化鉄粒子の形状に応じて調整すればよい。具体的には、水酸化第一鉄スラリーのpHが8.0未満となるように調整すれば球状粒子が得られる。また、pH8.0以上9.5以下となるように調整すれば六面体状粒子が得られ、pH9.5を超えるように調整すれば八面体状粒子が得られるので、適宣調整する。
こうして得られた水酸化第一鉄スラリーから酸化鉄粒子を得るために、酸化性ガス、好ましくは空気をスラリー中に吹き込みながら酸化反応を行う。酸化性ガスの吹込み中はスラリーを加熱して、60〜100℃、特に80〜95℃に保つことが好ましい。
磁性酸化鉄粒子における割合Xを本発明の範囲内に制御するには、前記の酸化反応を制御することが重要である。具体的には、水酸化第一鉄の酸化の進行に合わせて酸化性ガスの吹き込み量を漸次減少させ、最終段階での吹き込み量を少なくすることが好ましい。このように多段階の酸化反応を行うことで酸化鉄粒子の表面のFe(2+)量を選択的に高めることが可能となる。酸化性ガスとして空気を用いる場合には、鉄元素100モルを含有するスラリーに対して、吹き込み量を以下のように制御することが好ましい。尚、吹き込み量は、下記の範囲で、漸次減少させる。
・水酸化第一鉄の50%が酸化鉄となるまで:10〜80リットル/min、好ましくは10〜50リットル/min;
・水酸化第一鉄の50%より高く75%以下が酸化鉄となるまで:5〜50リットル/min、好ましくは5〜30リットル/min;
・水酸化第一鉄の75%より高く90%以下が酸化鉄となるまで:1〜30リットル/min、好ましくは2〜20リットル/min;
・水酸化第一鉄の90%超が酸化鉄である段階:1〜15リットル/min、特に2〜8リットル/min。
次に、得られた酸化鉄粒子のスラリーにケイ酸ナトリウム水溶液と硫酸アルミニウム水溶液を同時に投入し、pHを5以上9以下に調整し、粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成する。得られた被覆層を有する磁性酸化鉄粒子のスラリーに対して、常法のろ過、洗浄、乾燥、粉砕処理を行い、磁性酸化鉄粒子を得る。また、磁性酸化鉄粒子は磁性トナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄粒子を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
次に、結着樹脂について記載する。結着樹脂としては、以下のものを用いることができる。スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。中でも好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂との混合物、またはポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂とが一部反応したハイブリッド樹脂。
ポリエステル樹脂、或いは上記ハイブリッド樹脂におけるポリエステル系ユニットを構成するモノマーとしては、以下の化合物が挙げられる。
アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェールA、下記構造式(1)で表されるビスフェノール誘導体及び下記構造式(2)式で示されるジオール類。
(上記構造式(1)中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)。
酸成分としては、以下のものが挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類またはその無水物;炭素数6以上18未満のアルキル基またはアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物。
また、ポリエステル樹脂或いはポリエステル系ユニットは、三価以上の多価カルボン酸またはその無水物及び/または三価以上の多価アルコールによる架橋構造を含むことが好ましい。三価以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、以下のものが挙げられる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物または低級アルキルエステル。三価以上の多価アルコールとしては、以下のものが挙げられる。1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール。
中でも、環境変動による摩擦安定性が高いために、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその無水物の如き芳香族系アルコールが特に好ましい。
スチレン系共重合樹脂或いはハイブリッド樹脂のスチレン系共重合樹脂ユニットを構成するビニル系モノマーとしては、次の化合物が挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
さらに、以下のものが挙げられる。マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの如きアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
スチレン系共重合樹脂或いはスチレン系共重合樹脂ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。芳香族ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類[ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの];ポリエステル型ジアクリレート化合物類(日本化薬社製「MANDA」)。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは0.03質量部以上5質量部以下用いることができる。これらの架橋剤のうち、結着樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
上記スチレン系共重合樹脂或いはスチレン系共重合樹脂ユニットの重合に用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエイト、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、tert−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−プチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート。
結着樹脂としてハイブリッド樹脂を用いる場合には、スチレン系共重合樹脂成分及び/またはポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含ませることが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちスチレン系共重合樹脂と反応し得るものとしては、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物が挙げられる。スチレン系共重合樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基またはヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
スチレン系共重合樹脂とポリエステル樹脂との反応方法としては、先に挙げたスチレン系共重合樹脂及びポリエステル樹脂の各々と反応可能なモノマー成分を含むポリマーの存在下で、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせる方法が好ましい。
このハイブリッド樹脂においては、ポリエステル系ユニットとスチレン系共重合ユニットとの質量比は、50/50から90/10であることが好ましく、より好ましくは60/40から85/15である。ポリエステル系ユニットとスチレン系共重合ユニットとの比率が上記の範囲内であると、良好な摩擦帯電性が得られやすく、保存性や離型剤の分散性も好適になりやすい。
また、該結着樹脂は、定着性の観点からテトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCにおける重量平均分子量Mwが5000以上100万以下、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1以上50以下であることが好ましい。
また、該結着樹脂のガラス転移温度は、定着性及び保存性の観点から45℃以上60℃以下であることが好ましく、より好ましくは45℃以上58℃以下である。
また、上記のような結着樹脂は単独で使用できる。また、軟化点の異なる2種類の高軟化点樹脂(H)と低軟化点樹脂(L)とを、質量比H/Lが100/0から30/70、好ましくはH/Lが100/0から40/60の範囲で混合して使用しても良い。高軟化点樹脂とは軟化点100℃以上の樹脂を示し、低軟化点樹脂とは軟化点100℃未満の樹脂を示す。このような系では、現像剤の分子量分布の設計を比較的容易に行うことができ、幅広い定着領域を持たせることができるので好ましい。また、上記の範囲であれば、混錬時の適度なシェアがかかるため、良好な磁性酸化鉄粒子の分散性を得やすい。
現像剤には、離型性を得るために必要に応じて離型剤(ワックス)を用いることができる。該ワックスとしては、磁性トナー粒子中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましく用いられる。必要に応じて一種または二種以上の離型剤を、併用してもかまわない。例としては次のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、以下のものが挙げられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合し、又は低圧下でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したワックス。中でも、分岐が少なくて小さい直鎖状飽和炭化水素であることが好ましく、特にアルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水素がその分子量分布からも好ましい。使用できる離型剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。
ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社);サゾールH1、H2、C80、C105、C77(;サゾール社);、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精蝋株式会社);ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)。
該離型剤を添加するタイミングは、磁性トナー粒子の製造中の溶融混練時であっても良いが、結着樹脂の製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。また、これらの離型剤は単独で使用しても併用しても良い。
該離型剤は結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。上記の範囲内であれば、離型効果を十分に得ることができる。また、磁性トナー粒子中における良好な分散性を得ることができ、感光体への現像剤付着や現像部材やクリーニング部材の表面汚染を抑制することができる。
現像剤には、その摩擦帯電性を安定化させるために電荷制御剤を含有させることができる。電荷制御剤の添加量は、その種類や他の磁性トナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に、結着樹脂100質量部当たり0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。電荷制御剤としては、現像剤を負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとがあり、本発明では、現像剤の種類や用途に応じて負帯電性に制御するものを一種又は二種以上用いることが好ましい。
現像剤を負帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属錯体(例えば、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩。その他にも、現像剤を負帯電性に制御するものとしては、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体が挙げられる。この中でも特に、安定な帯電性能が得られる芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体又は金属塩が好ましく用いられる。また、上記のものに加えて、電荷制御樹脂も用いることができる。
使用できる電荷制御剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。SpilonBlack TRH、T−77、T−95(保土谷化学社);BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学社)が挙げられる。
また、現像剤においては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために磁性トナー粒子に外添剤を添加することが好ましく、特にシリカ微粉末を外添することが好ましい。
シリカ微粉末は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m/g以上(特に50m/g以上400m/g以下)の範囲内のものが好ましい。磁性トナー粒子100質量部に対してシリカ微粉体0.01質量部以上8.00質量部以下で用いることが好ましく、より好ましくは0.10質量部以上5.00質量部以下である。前記シリカ微粉末のBET比表面積は、シリカ微粉末の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。測定には、比表面積測定装置(商品名:オートソーブ1;湯浅アイオニクス社製、商品名:GEMINI2360/2375;マイクロメティリック社製、商品名:トライスター3000;マイクロメティリック社製)等を用いることができる。
また、シリカ微粉末は、疎水化、摩擦帯電性コントロールの為に処理剤で処理されていてもよい。処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物、その他の有機ケイ素化合物が挙げられる。
現像剤には、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。このような外部添加剤としては、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラに対する離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子が挙げられる。
滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。
また研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。
流動性付与剤としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末が挙げられ、中でも疎水化処理したものが好ましい。
導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末が挙げられる。
またさらに、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明の現像剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、粉砕法によって以下のようにして得ることができる。先ず、結着樹脂、着色剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又は、ボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練する。冷却固化後、粉砕及び分級を行い、磁性トナー粒子を得る。更に、必要に応じて、磁性トナー粒子に外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、現像剤を得る。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
<現像剤担持体105>
本発明にかかる現像剤担持体は、少なくとも、基体と、該基体上に形成された表面層としての樹脂層と、該基体内部に配設された磁性部材とを有している。そして該樹脂層は、下記(B1)〜(B4)を含有し、上記の現像剤を負に摩擦帯電させるものである。
(B1)構造中に−NH基、=NH基、および−NH−結合から選ばれる少なくとも1つを有しているバインダー樹脂;
(B2)該樹脂層の該現像剤に対する負摩擦帯電付与性を低下させる第4級アンモニウム塩;
(B3)黒鉛化度p(002)が0.22≦p(002)≦0.75である黒鉛化粒子;
(B4)該樹脂層表面に凹凸を付与する粒子としての体積平均粒径が4.0μm乃至8.0μmの導電性球状炭素粒子。
更に、該現像剤担持体は、前記現像剤を担持する部分の全域が以下の各要件(C1)〜(C3)を満たす表面形状を有している。
(C1)現像剤担持体の表面における1辺が0.50mmの正方形の領域について該正方形の一辺と平行な725本の直線と、該直線と直交する725本の直線とで等分したときの各直線の交点で測定される3次元高さの平均値(H)を基準として高さがD/4を越える独立した凸部を複数個有すること。
(C2)該凸部の該高さD/4における面積の総和が該領域の面積の5%以上30%以下であること。
(C3)該凸部のみから求められる算術平均粗さRa(A)が0.25μm以上0.55μm以下であり、かつ、該凸部を除いて求められる算術平均粗さRa(B)が0.65μm以上1.20μm以下であること。
<<要件(B)>>
本発明にかかる現像剤担持体の表面層としての樹脂層は、下記(B1)〜(B4)を含み、上記現像剤に対して負摩擦帯電付与性を有するものである。
(B1)構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合から選ばれる少なくとも1つを有しているバインダー樹脂;
(B2)該樹脂層の該現像剤に対する負摩擦帯電付与性を低下させる第4級アンモニウム塩;
(B3)黒鉛化度p(002)が0.22以上0.75以下の黒鉛化粒子。
(B4)樹脂層表面に凹凸を付与する粒子としての体積平均粒径が4.0μm以上8.0μm以下の導電性球状炭素粒子。
<<<要件(B3):黒鉛化粒子>>>
本発明に用いられる黒鉛化粒子は、黒鉛化度p(002)が0.22≦p(002)≦0.75である。黒鉛化度p(002)とは、Franklinのp値といわれるもので、黒鉛のX線回折スペクトルから得られる格子間隔d(002)を測定することで、d(002)=3.440−0.086(1−p2)で求められる。このp値は、炭素の六方網目平面積み重なりのうち、無秩序な部分の割合を示すもので、p値が小さいほど黒鉛化度は大きい。
黒鉛化度p(002)が0.22以上0.75以下であることで、現像剤への摩擦帯電性が良好となり、現像剤を迅速に摩擦帯電させることが出来る。また、黒鉛化粒子が前記の範囲内にあると、黒鉛化粒子の硬度が高く、樹脂層の耐摩耗性を向上させることが出来る。
p(002)が0.75を超える場合は、耐摩耗性には優れているが、導電性や潤滑性が低下して現像剤のチャージアップを発生しやすく、休止前後の画像濃度の変動が生じやすくなる。p(002)が0.22未満の場合は、黒鉛化粒子の耐摩耗性の悪化により樹脂層表面の耐摩耗性、樹脂層の機械的強度及び現像剤への帯電付与性が低下してしまう場合があり、画像濃度の変動が生じやすくなる。
このような黒鉛化粒子は、該黒鉛化粒子としては、メソカーボンマイクロビーズ粒子又はバルクメソフェーズピッチ粒子を焼成して得られた黒鉛化粒子が好ましく、耐摩耗性の点でバルクメソフェーズピッチ粒子を焼成して得られた黒鉛化粒子がより好ましい。これら粒子は光学的に異方性で、しかも単一の相からなる粒子であるため、該粒子を黒鉛化してなる黒鉛化粒子においては、黒鉛化度を高め且つ塊状(略球形)の形状を保持させることができる。メソカーボンマイクロビーズ粒子及びバルクメソフェーズピッチ粒子の光学的異方性は、芳香族分子の積層から生じるものであり、その秩序性が黒鉛化処理でさらに発達し、高度の黒鉛化度を有する黒鉛化粒子が得られる。
上記の方法で得られた黒鉛化粒子は、従来、現像剤担持体表面の樹脂層中に用いられていた、人造黒鉛、或いは天然黒鉛からなる結晶性グラファイトとは、該黒鉛化粒子の原材料及び製造工程が異なる。そのため、該黒鉛化粒子は従来用いていた結晶性グラファイトより黒鉛化度は若干低いものの、従来に用いられていた結晶性グラファイトと同様に高い導電性や潤滑性を有している。さらに粒子の形状が従来に用いられていた結晶性グラファイトの燐片状或いは針状とは異なり塊状であり、しかも粒子自身の硬度が比較的高いのが特徴である。従って、本発明で用いられる黒鉛化粒子は樹脂層中で均一に分散しやすくなるため、均一な表面粗度と耐摩耗性を樹脂層表面に与え、表面形状の変化を小さく抑えることができる。さらに、現像剤担持体表面の樹脂層中に該黒鉛化粒子を用いると、従来の結晶性グラファイトを用いた場合よりも現像剤への摩擦帯電付与能を向上することが可能となる。
本発明に用いられる黒鉛化粒子を得る原材料としてメソカーボンマイクロビーズ粒子を用いる場合、メソカーボンマイクロビーズ粒子を、破壊させない程度の温和な力で機械的に一次分散させておくことが好ましい。黒鉛化後の粒子の合一を防止し、また、均一な粒度を得ることができるためである。
この一次分散を終えたメソカーボンマイクロビーズ粒子は、不活性雰囲気下において200℃〜1500℃の温度で一次加熱処理され、炭化される。一次加熱処理を終えた炭化物は、やはり炭化物を破壊させない程度の温和な力で炭化物を機械的に分散させることが黒鉛化後の粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。
二次分散処理を終えた炭化物は、不活性雰囲気下において約2000℃〜3500℃で二次加熱処理することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。該メソカーボンマイクロビーズ粒子得る方法として、代表的なものを以下に示す。まず、石炭系重質油または石油系重質油を300℃〜500℃の温度で熱処理し、重縮合させて粗メソカーボンマイクロビーズ粒子を生成する。生成された粗メソカーボンマイクロビーズ粒子を濾過、静置沈降、遠心分離の如き処理によりメソカーボンマイクロビーズ粒子を分離した後、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き溶剤で洗浄し、さらに乾燥することによって得られる。
次に、本発明に用いられる黒鉛化粒子を得る原材料として、バルクメソフェーズピッチ粒子を用いる場合について説明する。バルクメソフェーズピッチ粒子を用いて黒鉛化する方法としては、先ず、バルクメソフェーズピッチ粒子を2μm〜25μmに微粉砕して、これを空気中で約200℃〜350℃で熱処理することにより、軽度に酸化処理する。この酸化処理によって、バルクメソフェーズピッチ粒子は表面のみ不融化され、次工程の黒鉛化熱処理時の溶融、融着が防止される。この酸化処理されたバルクメソフェーズピッチ粒子は酸素含有量が5質量%〜15質量%であることが好ましい。5質量%未満であると熱処理時の粒子同士の融着が促進されることがあり、また15質量%を超えると粒子内部まで酸化されてしまい、形状が破砕状のまま黒鉛化してしまい、球状のものが得られにくい場合がある。
次に上記の酸化処理したバルクメソフェーズピッチ粒子を窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下にて、約2000℃〜3500℃で熱処理することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
該バルクメソフェーズピッチ粒子を得る方法としては、以下の方法が挙げられる。コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行うことによってバルクメソフェーズピッチ粒子を得る方法。さらに、前記重質化処理後、微粉砕し、次いでベンゼンまたはトルエン等により溶剤可溶分を除去することでバルクメソフェーズピッチ粒子を得る方法。
本発明で用いられるバルクメソフェーズピッチ粒子はキノリン可溶分が95質量%以上であることが好ましい。95質量%未満のものを用いると、粒子内部が液相炭化しにくく、固相炭化するため粒子が破砕状のままとなり、球状のものが得られないことがある。
上記いずれの原材料を用いた黒鉛化粒子の生成方法においても、黒鉛化粒子の焼成温度は2000℃〜3500℃が好ましく、2300℃〜3200℃がより好ましい。焼成温度が2000℃未満の場合は、黒鉛化粒子の黒鉛化度が不十分であり、導電性や潤滑性が低下し、連続耐久時の現像剤のチャージアップが発生する場合があり、休止前後の画像濃度が変動しやすくなる。焼成温度が3500℃を超える場合は黒鉛化粒子の黒鉛化度が高すぎてしまう場合がある。そのため黒鉛化粒子の硬度が下がり、黒鉛化粒子の耐摩耗性の悪化により樹脂層表面の耐摩耗性、樹脂層の機械的強度及び現像剤への帯電付与性が低下することがあり、画像濃度が変動しやすくなる。また、前記のいずれの原材料から得られた黒鉛化粒子は、いずれの製法にかかわらず、分級により粒度分布をある程度均一にしておくことが、樹脂層の表面形状を均一にするために好ましい。
本発明に使用される黒鉛化粒子としては、樹脂層の裁断面で測定した時の、算術平均粒径(Dn)が0.50μm以上3.00μm以下であることが好ましい。樹脂層の表面への均一な粗さを付与する効果と帯電性能を高める効果が高く、前記した現像剤への迅速且つ安定した帯電が十分となる。また、樹脂層の摩耗に伴う現像剤のチャージアップ、現像剤汚染及び現像剤融着が発生し難くなる。そのため、画像濃度の変動や低下を有効に抑えることができる。更に、休止前後の画像濃度の変動をより一層有効に抑制することができる。
<<<導電剤>>>
本発明においては、樹脂層の体積抵抗値を調整する目的で、樹脂層中に前記の黒鉛化粒子と併用して、導電剤を分散含有させても良い。本発明に用いられる導電剤としては、個数平均粒径が1μm以下、好ましくは0.01〜0.8μmの導電性微粒子が挙げられる。該導電性微粒子の個数平均粒径が1μmを超える場合には、樹脂層の体積抵抗を低く制御しづらくなり、現像剤のチャージアップによる現像剤汚染が発生しやすくなる。
また、導電剤としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウムの如き金属酸化物、カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックの如きカーボンブラック、グラファイトの如き炭化物、金属繊維。
これらの中でも本発明においては、カーボンブラック、特には、導電性のアモルファスカーボンが好適に用いられる。電気伝導性に特に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電性を得ることができるためである。また、本発明において好適なこれらの導電性物質の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して1質量部〜100質量部の範囲とすることが好ましい。1質量部未満では樹脂層の抵抗値を所望のレベルに下げることは、通常困難である。100質量部を超える場合は、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体を用いた場合、樹脂層の強度(耐摩耗性)が低下することがある。
なお、樹脂層の体積抵抗は、好ましくは10Ω・cm以下、より好ましくは10−3Ω・cm以上10Ω・cm以下である。樹脂層の体積抵抗が10Ω・cmを超えると、連続耐久時に現像剤のチャージアップが発生する場合があり、休止 前後の画像濃度が変動しやすくなる。
<<<要件(B1)、要件(B2)>>>
本発明に用いる樹脂層には少なくとも構造中に、−NH基、=NH基、もしくは−NH−結合のいずれかを有するバインダー樹脂と、該バインダー樹脂の負摩擦帯電付与性を低下させる第4級アンモニウム塩を有している。
明確な理由は定かではないが、本発明で好適に用いられる第4級アンモニウム塩は、構造中に−NH基、=NH基、もしくは−NH−結合のいずれかを有する樹脂中に均一に分散される。この樹脂を加熱硬化させ架橋が進む際に、−NH基、=NH基または−NH−結合と何らかの相互作用を及ぼし、第4級アンモニウム塩がバインダー樹脂骨格中に入り込む。そして、第4級アンモニウム塩が取り込まれたバインダー樹脂は、第4級アンモニウムイオンのカウンターイオンの帯電極性が発現するようになる。その結果、当該樹脂層は、上記した本発明に係る現像剤を負に摩擦帯電させる性能(以降「負摩擦帯電付与性」ともいう)を有するものの、連続印字耐久時の現像剤の負摩擦帯電量が徐々に過剰となることを妨げる方向に働く。即ち、該樹脂層の該現像剤に対する負摩擦帯電付与性が低下する。その結果、該現像剤の負摩擦帯電量を制御することができる。
<<<要件(B1):バインダー樹脂>>>
−NH基を有する物質としては、以下のものが挙げられる。
・R−NHで表される第1アミンもしくはそれらを有するポリアミン、RCO−NHで表される第1アミドもしくはそれらを有するポリアミド。
=NH基を有する物質としては、以下のものが挙げられる。
・R=NHで表される第2アミンもしくはそれらを有するポリアミン、(RCO)=NHで表される第2アミドもしくはそれらを有するポリアミド。
−NH−結合を有する物質としては、以下のものが挙げられる。
・前述したポリアミン、ポリアミドの他に−NHCOO−結合を有するポリウレタンが挙げられる。以上の物質を1種又は2種以上、あるいは共重合体として含有し、工業的に合成された樹脂。
それらのうち汎用性の面から、アンモニアを媒体としたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が好ましく、樹脂層にしたときの強度の面でフェノール樹脂がより好ましい。−NH基、=NH基、もしくは−NH−結合のいずれかを有するフェノール樹脂としては、その製造工程において、触媒としてアンモニアの如く含窒素化合物を用いて製造されたフェノール樹脂が挙げられる。触媒である含窒素化合物は、重合反応に直接関与し反応終了後に於いてもフェノール樹脂中に存在する。例えば、アンモニア触媒の存在下にて重合された場合は、アンモニアレゾールと呼ばれる中間体が生成されることが一般的に確認されており、反応終了後においても下記構造式(3)のような構造としてフェノール樹脂中に存在する。
本発明に好適に用いられる含窒素化合物は、酸性触媒、塩基性触媒のいずれでもよい。酸性触媒としては、以下のものが挙げられる。硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、スルファミド酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、マレイン酸アンモニウムの如きアンモニウム塩又はアミン塩類。塩基性触媒としては、以下のものが挙げられる。アンモニア;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−ジn−ブチルアニリン、N,N−ジアミルアニリン、N,N−ジt−アミルアニリン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、ジn−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンの如きアミノ化合物;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンの如きピリジン及びその誘導体;キノリン化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールの如きイミダゾール及びその誘導体等の含窒素複素環式化合物。これらフェノール樹脂に関しては、IR(赤外吸収分光法)やNMR(核磁気共鳴分光法)等で測定することにより、その構造の分析を実施することが可能である。
ポリアミド樹脂としては、ナイロン6,66,610,11,12,9,13,Q2ナイロン、或いはこれらを主成分とするナイロンの共重合体、或いはN−アルキル変性ナイロン、N−アルコキシルアルキル変性ナイロン、いずれも好適に用いることができる。更にはポリアミド変性フェノール樹脂のようにポリアミドにて変性された各種樹脂、或いは、硬化剤としてポリアミド樹脂を用いたエポキシ樹脂、といったように、ポリアミド樹脂分を含有している樹脂であれば、いずれも好適に用いることができる。
ウレタン樹脂としてはウレタン結合を含んだ樹脂で有れば、いずれも好適に用いることができる。このウレタン結合はポリイソシアネートとポリオールとの重合付加反応によって得られる。
このポリウレタン樹脂の主原料となるポリイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。ジフェニレンメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソリアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、ジメチルジイソシアネート。
またポリウレタン樹脂の主原料となるポリオールとしては、以下のものが挙げられる。
ポリエチレンアジペートエステル、ポリブチレンアジペートエステル、ポリジエチレングリコールアジペートエステル、ポリヘキセンアジペートエステル、ポリカプロラクトンエステルの如きポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如きポリエーテルポリオール。
<<<要件(B2):第4級アンモニウム塩>>>
第4級アンモニウム塩としては、下記構造式(4)で表されるものが挙げられる。
上記構造式(4)において、R乃至Rは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルアルキル基を表し、Xは酸の陰イオンを表す。上記構造式(4)で、Xの酸イオンとしては、以下のものが挙げられる。有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸。
本発明に好適に用いられる第4級アンモニウム塩としては、下記の例示No.1〜19が挙げられる。
現像剤担持体上に上記の第4級アンモニウム塩と前記の特定の構造を有する樹脂を併用して形成した樹脂層を現像剤担持体上に設けることで、現像剤の過剰な摩擦帯電を防ぐ方向に働き、現像剤の負摩擦帯電量を制御することができる。これにより、現像剤担持体上での現像剤のチャージアップを防ぎ、現像剤の摩擦帯電安定性を保持できる。その結果、画像濃度の変動を抑制することが可能となる。
樹脂層中の第4級アンモニウム塩は、樹脂層中のバインダー樹脂100質量部に対して5質量部乃至50質量部、含有していることが好ましい。これにより、本発明に用いる現像剤の摩擦帯電量を安定した値に制御しやすくなる。第4級アンモニウム塩の含有量を上記の範囲内とすることによって、現像剤のチャージアップを有効に抑制できる。また、現像剤の摩擦帯電量が低くなりすぎることによる画像濃度の低下を抑制できる。
<<(B4):導電性球状炭素粒子>>
本発明で用いられる凹凸付与粒子は、体積平均粒径が4.0μm乃至8.0μmの導電性球状炭素粒子である。
該導電性球状炭素粒子は、現像剤担持体の樹脂層表面に後述する所望の表面形状を付与すると同時に、樹脂層の表面粗度の変化を少なくし、且つ現像剤汚染や現像剤融着を発生しにくくする為に添加するものである。また、該導電性球状炭素粒子は、樹脂層中に含有する黒鉛化粒子との相互作用により、黒鉛化粒子の帯電性能の効果をより高め、迅速且つ安定化した帯電性をより向上させ、画像濃度の変動を抑制する効果がある。
本発明に用いる導電性球状炭素粒子における球状とは、真球状に限られるものではなく、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5のものを意味している。本発明においては、長径/短径の比が1.0〜1.2の球状粒子を用いることがより好ましく、特に好ましくは真球状の粒子を使用する。球状粒子の長径/短径の比を上記数値範囲内とした場合、樹脂層中への球状粒子の分散性が良好である。そのため、樹脂層表面の粗さの均一化、現像剤への安定した帯電付与性能及び樹脂層の強度維持の点で有効である。
本発明において、導電性球状炭素粒子の長径及び短径の測定には、電子顕微鏡を用いて拡大倍率6,000倍で撮影した拡大写真を用いた。この拡大写真からランダムにサンプリングしたサンプル100個について長径及び短径を測定して、長径/短径の比を求め、その平均値をもって球状粒子の長径/短径の比とした。
導電性球状炭素粒子の体積平均粒径が4.0μm未満では、樹脂層表面に所望の粗さを付与する効果と帯電性能を高める効果が少なく、本発明に用いられる現像剤への迅速且つ安定な帯電が不十分となり、画像濃度の変動が生じやすい。また、現像剤の搬送力が弱くなり、画像濃度低下を生じやすくなるため好ましくない。体積平均粒径が8.0μmを超える場合には、樹脂表面が所望の粗さを得られず、本発明に用いられる現像剤の帯電が十分に行なわれにくくなってしまい、画像濃度の低下が生じやすくなる。
また、導電性球状炭素粒子の体積基準の粒度分布から求められる変動係数は、40%以下が好ましく、より好ましくは30%以下である。40%以下とすることで、所望の表面形状を付与させやすくなる。
本発明の導電性球状炭素粒子を得る方法としては、以下に示す様な方法が好ましいが、必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
本発明に使用される導電性球状炭素粒子を得る方法としては、球状樹脂粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。
球状樹脂粒子に用いられる樹脂としては、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル。
好ましい導電性球状炭素粒子を得る方法としては、まず、前記球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆する。次に被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成することで、炭素化及び/又は黒鉛化し内部が炭素化され、外部が黒鉛化された導電性球状炭素粒子を得る。この方法は、黒鉛化して得られる導電性球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなり、導電性が向上するため好ましい。上記の方法で得られる導電性球状炭素粒子は、焼成条件を変化させることによって、得られる導電性球状炭素粒子の導電性を制御することが可能であり、本発明において好ましく使用される。
<<要件(c−1)〜(c−3)>>
現像剤担持体の現像剤を搬送する部分の全域が有するべき表面形状を特定する要件(C1)〜(C3)について説明する。
<<<要件(C11)>>>
現像剤担持体の表面における1辺が0.50mmの正方形の領域について該正方形の一辺と平行な725本の直線と、該直線と直交する725本の直線とで等分したときの各直線の交点で測定される3次元高さの平均値(H)を基準として高さがD/4を越える独立した凸部を複数個有する。
ここで、3次元高さにより樹脂層の表面形状を特定する理由は以下による。
現像剤担持体の表面形状の測定方法としては、JIS(B0601−2001)で規定されている。JIS(B0601−2001)では、2次元の測定方法しか記載されておらず、本発明者らは、実際の現像剤担持体と現像剤との接触の現象を正確に捉えるには不十分と考えた。また、現像剤担持体は、粒径が数μmの現像剤との接触により摩擦帯電する。これらより、本発明者らは、微視的に現像剤担持体の表面形状は3次元で測定することが現像剤担持体と現像剤との現像性の関係性をより良く現すと考えた。
3次元高さは、共焦点光学系レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。共焦点光学系レーザー顕微鏡は、光源から出たレーザーを対象物にあて、対象物から反射したレーザーを共焦点位置にある受光素子での反射受光量が最大となる対物レンズ位置情報により対象物の形状を測定するものである。レンズの倍率によっても異なるが、1μm以下の間隔で現像剤担持体の表面形状を測定することが可能な為、微視的に測定するのに適している。
以下に、後述する実施例において現像剤担持体の樹脂層の表面形状の測定に使用した共焦点光学系レーザー顕微鏡(商品名:VK−8710;キーエンス社製)を例に、共焦点光学系レーザー顕微鏡の測定原理について詳述する。図2は、共焦点光学系レーザー顕微鏡の装置構成を示した模式図である。尚、図中のEは、レーザー光の経路を模式的に示している。レーザー光源201は点光源のため、X−Yスキャン光学系202を介して、観察領域を1024×768ピクセルに分割して観察対象物(現像剤担持体)209をスキャンする。各ピクセルの反射光は集光レンズ203を介して受光素子204で検出される。このとき、集光レンズ203と受光素子204との間に設けられたピンホール205により、合焦点位置以外からのレーザー光を排除することができる為、受光量により合焦位置の変位量(高さ情報)のセンシングが可能となる。具体的には、図3、4に示すように、合焦時は観察対象物309からの反射光がピンホール305を抜けて受光素子304に入り、ピンボケ時は観察対象物409からの反射光の一部のみがピンホール405を抜けて受光素子404に入る。この受光量の差により、合焦時と非合焦時の区別が可能となり、高さ情報が得られる。対物レンズ206を垂直(Z軸)方向に駆動しながらスキャンを繰り返すことにより各ピクセルのZ軸位置毎の反射光量を得る。最もレーザーの反射光量が強くかえってきた時をレンズの合焦点位置(対物レンズのフォーカスがあった位置)として、そのときのレーザーの反射光量をメモリに記憶すると共に、レンズ位置情報を高さ情報として記憶する。これにより、観察領域における3次元の高さのデータが得られる。なお、図2〜図4において、207、208、308及び408は、ハーフミラー、301及び401は、レーザー光源、303及び403は、集光レンズである。
3次元高さは、現像剤担持体表面における1辺が0.50mmの正方形の領域について、該正方形の一辺と平行な725本の直線と、該直線と直交する725本の直線とで等分したときの各直線の交点(725×725)の各々について測定した。そしてそれらの値の平均値(H)を樹脂層の凹凸状態を示す基準として設定する。そして、当該平均値(H)を基準として、前記した現像剤の重量平均粒径Dの1/4を越える高さの独立した凸部が該領域内に複数個あるようにする。即ち、本発明者らの検討によれば、H+(D/4)を越える高さの凸部が現像剤の摩擦帯電性に大きく寄与し、当該凸部以外の部分が現像剤の搬送性に大きく寄与していることを知見した。従って、H+(D/4)を越える高さを有する独立した凸部を上記領域内に複数個有することは、現像剤の摩擦帯電性を制御するうえで重要な前提となるものである。
<<<要件(C2)>>>
次に、要件(C2)にかかる、H+(D/4)を越える高さの凸部の、H+D/4における面積の総和の上記領域の面積に対する割合は、当該凸部と現像剤との接触機会が多いか、少ないかの目安となるものである。この値を5%以上30%以下、特には10%以上20%以下とすることにより当該凸部と現像剤との接触機会が適度なものとなる。そのため、現像剤の帯電性を制御するうえで極めて重要なものである。また、この数値範囲内とすることで、現像剤の搬送に寄与する高さがH+(D/4)以下の部分の面積も十分に確保されることとなる。そのため、本要件は、現像剤の良好な搬送性を維持する上でも極めて重要である。
<<<要件(C3)>>>
更に要件(C3)にかかる、上記H+(D/4)を越える高さの凸部のみから求められる算術平均粗さRa(A)は、上記要件(C1)及び(C2)にかかる規定の下で、当該凸部による現像剤の摩擦帯電性能を決定付けるものである。そして、上記Ra(A)を0.25μm以上0.55μm以下の範囲内とすることにより、当該凸部と現像剤との接触による摩擦帯電が適度なものとなる。その結果、過剰な摩擦帯電による現像剤のチャージアップを抑制しつつ、良好な画像形成に十分な程度に帯電させることができる。
一方、該凸部を除いて求められる算術平均粗さRa(B)は、本発明に係る現像剤担持体の現像剤の搬送性能を決定付けるものである。そして、上記Ra(B)を0.65μm以上1.20μm以下の範囲内とすることにより、現像剤を確実に搬送できる。また現像剤の搬送性が大きすぎることによる現像剤の帯電不良も抑制することができる。
また、表面層の表面形状として、上記したH+(D/4)を越える高さの凸部と、それ以外の部分とを分けることなく算出した算術平均粗さRa(Total)の値は、0.60μm以上1.40μm以下の範囲内とすることが好ましい。Ra(Total)を当該数値範囲内にすることで、本発明の凸部の算術平均粗さRa(A)、凸部の領域の面積、凹部の算術平均粗さRa(B)がより好ましい範囲に調整される。即ち、算術平均粗さRaが0.60μm以上では、現像剤の搬送力不足や現像剤の過剰な摩擦帯電を起こし難く、画像濃度の変動を更に抑制することが出来る。算術平均粗さRaが1.40μm以下では、現像剤の過剰な搬送や現像剤の摩擦帯電不良を起こし難く、画像濃度の変動を更に抑制することが出来る。
また、現像剤担持体の樹脂層のISO/FDIS14577に規定されるユニバーサル硬さ(HU)の平均値(U)が400N/mm以上650N/mm以下であることが好ましい。なお、本発明では、樹脂層の表面のユニバーサル硬さHUは、ISO/FDIS14577に準拠するフィッシャー・インストルメンツ社製フィッシャースコープH100V(商品名)により測定した。測定は、対面角度が136°である四角錘のダイヤモンド圧子を用いた。当該圧子を、測定荷重を段階的にかけて皮膜に押し込んで行き、荷重をかけた状態での押し込み深さh(単位:mm)を測定する。そして、試験荷重F(単位:N)と押し込み深さhを下記式(5)に代入してユニバーサル硬さHUを求める。ここで係数Kは1/26.43である。
HU=K×F/h [N/mm] ・・・式(5)
なお、ユニバーサル硬さHUは、他の硬さ(例えば、ロックウェル硬さ、ビッカース硬さ等)よりも微小な荷重で測定できる。また、弾性、塑性を有する材料に関しても、弾性変形や塑性変形分を含んだ硬度が得られるので、樹脂層の硬さを評価するのに好ましいものである。
樹脂層表面のユニバーサル硬さHUの平均値(U)を上記数値範囲内とすることにより、樹脂層の耐久性を十分に確保し、使用に伴う画像濃度の変動を有効に抑えることができる。また、この程度の硬度であれば、耐久性向上のための高硬度の粒子を多量に添加する必要がない。そのため、樹脂層の現像剤の摩擦帯電性を損うこともない。
<<樹脂層の製造方法>>
次に、上記要件(B1)〜(B4)及び(C1)〜(C3)を備えた現像剤担持体の樹脂層の製造方法について説明する。
上記の要件(B1)〜(B4)及び(C1)〜(C3)を充足した樹脂層は、例えば、樹脂層の各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、基体上に塗工し、乾燥固化あるいは硬化することにより形成することが可能である。さらに、乾燥固化あるいは硬化させて得た樹脂層の表面を後述する所定の方法により磨き加工することは、上記の要件を満たした現像剤担持体を得る上で極めて有効な方法である。
まず、前記した樹脂層をなす各成分の塗料中への分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如きビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。この時、ビーズの粒径としては、0.8mm以下が各成分を塗料液中へ均一に分散混合する為に好ましく、0.6mm以下がより好ましい。
また得られた塗料の基体への塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法の如き公知の方法が適用可能であるが、本発明に用いる現像剤担持体の樹脂層の表面形状を形成する為には、スプレー法が好ましい。
スプレー法により塗工する際の塗料を霧化させる方法としては例えば次のような方法が挙げられる。エアーにより霧化する方法;ディスク等を高速回転しメカ的に霧化する方法;塗料自体に圧力を与えて噴出させて外気と衝突させることにより霧化する方法;超音波振動により霧化する方法。これらの中でもエアーにより霧化するエアースプレー法は、塗料を微粒子化する力が強く、均一に塗工しやすい。その為、本発明にかかる現像剤担持体の樹脂層を形成する方法として好ましい。
エアースプレー法としては、基体をスプレーガンの移動方向に平行に垂直に立てて、基体を回転させつつ、基体とスプレーガンのノズル先端との距離を一定に保つ。そして、スプレーガンを一定速度で上昇もしくは下降させながら分散混合した塗料をエアースプレー法により基体に塗布する。スプレーガンの移動速度としては、10mm/s以上50mm/s以下が好ましい。この範囲内にすることで、塗工時のムラやシワが少なくなりやすく、均一に樹脂層を形成しやすい為好ましい。基体の回転速度としては、用いる基体の直径により、適宜設定することが好ましいが、500rpm以上2000rpm以下にすることで、塗工ムラが発生し難く、所望の表面形状が得られやすい。
また、基体とノズル先端との距離としては、使用する塗料により、適宜設定することが好ましいが、30mm以上70mm以下とすることで、所望の表面形状が得られやすくなる。なお樹脂層の表面の形状は、当該距離を基体から離すほどに粗面化する傾向にある。
さらにまた、樹脂層の膜厚は、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは4μm〜30μmとすることで、本発明に適した表面形状を有する均一な樹脂層を得ることが可能となる。
ところで、塗料中の固形分濃度を低下させると塗膜の表面の粗さは増す傾向にある。また、基体とスプレーガンのノズル先端との距離を離すと、やはり塗膜の表面の粗さは増す傾向にある。従って、本発明にかかる、特定の表面形状を有する樹脂層を形成する際は、塗料中の固形分濃度、及び基体とスプレーガンのノズル先端との距離の適宜調整することで、上記要件(c−1)〜(c−3)にかかる表面形状を有する樹脂層を製造することができる。
また、本発明に用いる現像剤担持体を得る上では、上記した所定の方法により得られた所定の表面形状を有する樹脂層に対して、研磨粒子を表面に担持した帯状研磨材で磨き加工することが好ましい。図5は本発明における磨き加工装置の一例を模式的に断面図で示したものである。現像剤担持体501を時計方向或いは反時計方向に回転させ、帯状研磨材502を送り出しローラ503から繰り出しながら現像剤担持体501に圧接させ、巻き取りローラ504へ向けて矢印Fの向きに移動させる。この際に帯状研磨材502は、現像剤担持体501との当接位置で現像剤担持体501を摺擦する。この摺擦により、主に現像剤担持体501の樹脂層の凸部が研磨され、本発明にかかる表面形状を形成しやすくなる。
また、当接位置における現像剤担持体への押し付け荷重を0.1N以上0.5N以下にすることが、樹脂層の表面形状を制御する上で好ましい。
帯状研磨材の幅としては、3cm以上10cm以下が好ましい。この範囲内の幅の帯状研磨材を矢印Fの向きへの移動と共に、軸方向へ移動させることで摺擦ムラを少なくすることが出来、本発明の樹脂層の凸部の面積の総和及び凸部の算術平均表面粗さを制御しやすくなる。帯状研磨材を軸方向へ移動させる速度としては、使用する帯状研磨材により、適宜設定することが好ましいが、5mm/s以上60mm/s以下にすることで、所望の表面形状が得られやすくなる。
帯状研磨材を矢印Fの向きに移動させる速度としては、5mm/s以上60mm/s以下にすることが好ましい。この範囲内にすることで、適度に帯状研磨材の新しい面で現像剤担持体と摺擦される為、摺擦ムラが発生し難く、所望の表面形状が得られやすい。
現像剤担持体の回転速度としては、用いる現像剤担持体の直径により、適宜設定することが好ましいが、500rpm以上2000rpm以下にすることで、摺擦ムラが発生し難く、所望の表面形状が得られやすい。
本発明に用いる帯状研磨材としては、酸化アルミニウム、シリコンカーバイト、酸化クロム、ダイヤモンドの如き研磨粒子をポリエステルの如きフィルムに塗布・固定したものを用いることができる。また、該研磨粒子の一次平均粒径としては、0.5μm乃至15.0μmであるものが好ましい。一次平均粒径が上記数値範囲内にあるような研磨粒子を用いて研磨することで、樹脂層の凸部の算術平均粗さRa(A)を0.25μm以上0.55μm以下に制御することが容易となる。
<<基体>>
本発明に用いる現像剤担持体の基体としては、円筒状部材、円柱状部材、ベルト状部材がある。中でも金属のような剛体の円筒管もしくは中実棒は、加工精度と耐久性が優れている為好ましい。このような基体はアルミニウム、ステンレス鋼、真鍮の如き非磁性の金属又は合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨、研削の如き加工を施したものが好適に用いられる。また、前記基体上にゴム層又は樹脂層を形成したものを、本発明の基体として用いても良い。
これらの基体は画像の均一性を良くするために、高精度に成型あるいは加工されて用いられる。例えば長手方向の真直度が30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下であることが好適である。現像剤担持体(スリーブ)と感光ドラムとの間隙の振れとしては、垂直面に対し均一なスペーサーを介して突き当て、スリーブを回転させた場合の垂直面との間隙の振れも30μm以下、好ましくは20μm以下、さらには10μm以下であることが好ましい。現像担持体の基体は、材料コストや加工のしやすさからアルミニウムが好ましく用いられる。
また、本発明に用いられる基体は、樹脂層の表面形状を制御する上で、JIS(B0601−2001)に基づき測定された算術平均粗さRa(基準長さ(lr)=4mm)が0.5μm以下であることが好ましい。
<電子写真画像形成装置、電子写真画像形成方法>
最後に本発明にかかる現像装置を用いた電子写真画像形成装置並びにそれを用いた電子写真画像形成方法について図1を用いて説明する。
静電潜像を担持する静電潜像担持体106、例えば、感光ドラム106は、矢印B方向に回転する。現像剤担持体105は、現像容器109に収容された磁性トナー粒子を有する現像剤(磁性トナー)116を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体105と感光ドラム106とが対向している現像領域Dに現像剤を搬送する。現像剤担持体105においては、現像剤を現像剤担持体105上に磁気的に吸引しかつ保持するため、現像スリーブ103内に磁性部材(マグネットローラ)104が配置されている。なお、現像スリーブ103は、基体102である金属円筒管上に樹脂層101が被覆形成されている。
現像容器109内へ、現像剤補給容器(不図示)から現像剤供給部材(スクリューなど)115を経由して現像剤が送り込まれてくる。現像容器109は、第一室112と第二室111に分割されており、第一室112に送り込まれた現像剤は攪拌搬送部材110により現像容器109及び仕切り部材113により形成される隙間を通過して第二室111に送られる。現像剤はマグネットローラ104による磁力の作用により現像剤担持体105上に担持される。第二室111中には現像剤が滞留するのを防止するための攪拌部材114が設けられている。
現像剤が磁性トナー粒子を含む場合、磁性トナー粒子相互間及び現像剤担持体105表面の樹脂層101との摩擦により、感光ドラム106上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Dに搬送される現像剤の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材107としての強磁性金属製の磁性ブレード(ドクターブレード)が装着されている。磁性ブレード107は、通常、現像剤担持体105の表面から約50μm以上500μm以下の間隙を有して現像剤担持体105に対向するように現像容器109に装着される。マグネットローラ104の磁極N1からの磁力線が磁性ブレード107に集中することにより、現像剤担持体105上に現像剤の薄層が形成される。なお、本発明においては、この磁性ブレード107に替えて非磁性の現像剤層厚規制部材を使用することもできる。
現像剤担持体105上に形成される現像剤の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体105と感光ドラム106との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
また、現像剤担持体105に担持された現像剤を飛翔させるため、現像剤担持体105にはバイアス手段としての現像バイアス電源108により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体105に印加するのが好ましい。
現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体105に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体105に印加するのが好ましい。
以下実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の配合における部、%は、特にことわらない限り、それぞれ質量部、質量%である。
以下に、本発明に関わる物性の測定方法について説明する。
<現像剤>
(i)現像剤(磁性トナー)の飽和磁化
振動試料型磁力計(商品名:VSM−P7;東英工業社製)を使用し、試料温度25℃、外部磁場795.8kA/mにて測定した。
(ii)現像剤(磁性トナー)の重量平均粒径D4
粒径測定装置(商品名:コールターマルチサイザーIII;ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。電解液としては、1級塩化ナトリウムを用いて調製した約1%NaCl水溶液を使用した。電解液約100ml中に、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩約0.5mlを加え、さらに測定試料約5mgを加え試料を懸濁する。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記測定装置により、100μmアパーチャーを用いて、測定試料の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。この結果より、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D)を求めた。
(iii)磁性酸化鉄粒子がFe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合X
3.8リットルの脱イオン水に試料である磁性酸化鉄粒子25gを加え、ウォーターバスで温度40℃に保ちながら撹拌速度200回転/minで撹拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬(濃度35%)424mlを溶解した塩酸水溶液(脱イオン水)1250mlを加え、撹拌下、磁性酸化鉄粒子を溶解する。溶解開始から磁性酸化鉄粒子が全て溶解して透明になるまで、10分毎に塩酸水溶液50mlを分散する磁性酸化鉄粒子ごとサンプリングし、直ちに0.1μmメンブランフィルターで濾過して、濾液を採取する。採取した濾液の25mlを用いて、島津製作所製プラズマ発光分析装置ICP S2000によってFe元素の定量を行う。そして、採取された各サンプルに関して、磁性酸化鉄粒子のFe元素溶解率(質量%)を下記式(6)によって算出する。
また、Fe(2+)の濃度は採取したろ液の残り25mlを用いて測定する。この25mlの液に脱イオン水75mlを加えて試料を調製して、指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加える。そして0.05モル/リットルの重クロム酸カリウムを用いて酸化還元滴定し、該試料が青紫色に着色したところを終点として滴定量を求め、滴定量から、Fe(2+)(mg/リットル)濃度を算出する。
上述の方法で求めた各採取サンプル中の鉄元素濃度と、同じ時点でのサンプルより求められたFe(2+)の濃度とを用いて、下記式(7)から、そのサンプルが採取された時点でのFe(2+)の割合を算出する。
そして、各採取サンプルについて、得られたFe元素溶解率とFe(2+)の割合とをプロットし、各点を滑らかに結んで、Fe元素溶解率対Fe(2+)の割合のグラフを作成する。このグラフを用いて、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合X(%)を求める。
(iv)Fe(2+)の含有割合の比(X/Y)の算出
割合X(%)に関しては、上述した方法により求める。
Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解されたFe量を除く残りの90質量%中の総Fe量に占めるFe(2+)の割合Y(%)に関しては、以下の方法で算出する。
即ち、上述したXの測定において得た、磁性酸化鉄粒子が完全に溶解した時の鉄元素濃度(mg/リットル)と、Fe元素溶解率10質量%の時の鉄元素濃度(mg/リットル)との差を、残りの90質量%中の鉄元素濃度(mg/リットル)とする。
上述のXの測定で得た、磁性酸化鉄粒子が完全に溶解した時のFe(2+)の濃度(mg/リットル)と、Fe元素溶解率10質量%の時のFe(2+)の濃度(mg/リットル)との差を、残りの90質量%中におけるFe(2+)の濃度(mg/リットル)とする。こうして得た値を用いて、下記式(8)より、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解されたFe量を除く残り90質量%中の総Fe量に占めるFe(2+)の割合Y(%)を算出する。
上記により算出した割合X(%)、Y(%)を用いて、比(X/Y)を算出する。
(v)磁性酸化鉄粒子の総異種元素(例えばケイ素)含有量の定量
サンプル1.00gに特級塩酸試薬(濃度35%)16mlが溶解した塩酸水溶液26mlを加え、サンプルを加熱(80℃以下)溶解し、その後室温まで放冷する。特級フッ酸試薬(濃度4%)2mlを溶解したフッ酸水溶液を4ml添加後、20分放置する。Triton X−100(10%濃度)(ACROS ORGANICS社製)を10ml添加後、100mlポリメスフラスコへ移し、純水を添加し、全溶液を100mlに合わせる。
島津製作所製プラズマ発光分析装置ICP S2000を使用し、溶液試薬中の異種元素(例えばケイ素)量を定量する。
(vi)被覆層中の異種元素(例えばケイ素、アルミニウム)量の定量
サンプル0.900gを秤量し、1モル/リットル−NaOH溶液25mlを加える。液を撹拌しながら温度45℃に加温し、磁性酸化鉄粒子表面の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)を溶解する。未溶解物を濾別した後、溶出液に純水を加えて125mlとし、溶出液に含まれるケイ素やアルミニウムを上記プラズマ発光分析(ICP)で定量する。被覆層の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)は以下の式(9)を用いて算出する。
(vii)コア粒子の異種元素(例えば、ケイ素)量の定量
上記(オ)の総異種元素含有量と上記(カ)の被覆層中の異種元素量の差をコア粒子の異種元素量とした。
(viii)磁性酸化鉄粒子の個数平均一次粒子径の測定
走査型電子顕微鏡(倍率40000倍)で磁性酸化鉄粒子を観察し、200個の粒子のフェレ径を計測し、その個数平均粒子径を求める。本実施例においては、走査型電子顕微鏡としては、S−4700(日立製作所製)を用いた。
(ix)結着樹脂の軟化点の測定
結着樹脂の軟化点はJIS K 7210に示される測定方法に則り、流動特性評価装置(商品名:フローテスタCFT−500D;島津製作所社製)を用いて測定する。具体的な測定方法を以下に示す。上記流動特性評価装置により1cmの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1960N/m(20kg/cm)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。このときのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を作成する。当該曲線の高さをhとするとき、h/2に対する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
(x)GPCによる分子量分布の測定
温度40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、10以上10以下程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
標準ポリスチレン試料の例としては、以下のものが挙げられる。
TSK標準ポリスチレン(商品名;東ソー社製)のタイプF−850,F−450,F−288,F−128,F−80,F−40,F−20,F−10,F−4,F−2,F−1,A−5000,A−2500,A−1000,A−500。
また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせるのが良い。市販のポリスチレンゲルカラムとしては、例えば以下のものが挙げられる。Shodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800P(何れも商品名;昭和電工社製);TSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSK guard column(何れも商品名;東ソー社製)。
また、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整し、温度25℃で数時間放置する。その後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ約0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が5mg/mlとなるように調整する。
(xi)結着樹脂のガラス転移温度の測定
示差走査型熱量計(DSC)(商品名:MDSC−2920;TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定する。
測定試料としては、2mg以上10mg以下、好ましくは約3mgを精密に秤量したものを用いる。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させる。2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
(xii)THF不溶分の測定
1.0gの結着樹脂を秤量し(“W1”gとする)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、THF200mlを用いて20時間ソックスレー抽出する。その後、抽出された成分を温度40℃で20時間真空乾燥した後、秤量し(“W2”gとする)、以下の式(10)に従って計算する。
THF不溶分(質量%)=〔(W1−W2)/W1〕×100 ・・・式(10)
<現像剤担持体>
(xiii)共焦点光学系レーザー顕微鏡を用いた樹脂層の表面形状の測定
樹脂層の表面形状の測定は、測定部「VK−8710」(株式会社キーエンス;商品名)とコントローラ「VK−8700」と制御用パソコンを接続した装置を用いた。更に観察アプリケーションソフト(商品名:VK−H1V1;株式会社キーエンス製)、形状解析アプリケーションソフト(商品名:VK−H1A1;株式会社キーエンス製)により、樹脂層の表面形状の解析を行った。
現像剤担持体を測定部のステージに乗せ、ステージの高さを制御してピント調節を行った。この時の対物レンズの倍率は、20倍とした。また、円筒状の現像剤担持体を測定する為、円弧の頂点が測定位置となるようステージを制御した。尚、ピントの確認は、観察アプリケーションソフト上で行った。
次に、観察アプリケーションソフト上で、Z軸方向の測定範囲をレンズ位置調整によって行った。レンズ位置を上方へ移動させていき、観察領域すべてでピントがずれる位置(高さ)にする。そのときのレンズ位置をZ軸方向の測定上限としてセットする。同様にレンズを下方へ移動させていき、観察領域すべてでピントがずれる位置(高さ)をZ軸方向の測定下限としてセットする。上下限をセットした後、Z軸方向の測定ピッチを0.1μmとし、1024×768ピクセル(706.56μm×529.92μm)の高さデータ(3次元データ)を取得した。取得した高さデータにおいて、測定値が0のピクセルが存在すれば、樹脂層が正しく測定されていない為、測定下限を更に下方へ移動させ再度測定を行うこととした。同様に、測定値が測定上下限の幅と同じ値のピクセルが存在した時は、測定上限を更に上方へ移動させ再度測定を行うこととした。
取得した3次元データは、形状解析アプリケーションソフト上で解析を行った。まず、測定時のノイズを除去する為、フィルタ処理及び傾き補正を行った。フィルタ処理は、5×5ピクセルを単位として単純平均を行うことで平滑化して行った。傾き補正は、面傾き補正と2次曲面補正を行った。面傾き補正は、全領域の高さデータを元に、最小二乗法で近似平面を求め、求めた近似平面が水平になるように傾きを補正することで行った。2次曲面補正は、全領域の高さデータを元に、最小二乗法で近似曲面を求め、求めた近似曲面が水平になるように傾きを補正することで行った。
尚、本発明において、現像剤担持体の表面の3次元高さは、現像剤担持体の表面における一辺が当該現像剤担持体の回転方向に対して平行な一辺0.50mmの正方形の領域について、該正方形の一辺と平行な725本の直線と、該直線と直交する725本の直線とで等分したときの各直線の交点(725×725=525625点)で測定した。そして高さの平均値(H)は、これらの測定値のからノイズを除去したデータより求めた平均値である。
また、H+(D/4)を越える高さを有する凸部の、H+(D/4)の高さにおける面積の総和は、ノイズを除去した3次元データより、形状解析アプリケーションソフトの体積・面積のプログラムを用いて測定した。まず、観察領域から、測定する領域を指定した。指定する領域は、0.50mm×0.50mmであり、観察領域の中心を基準となるようにした。次に、下限高さにH+(D/4)を入力し、上下限の面積を含めた表面積から上下限の面積を含めない表面積を引くことで、H+(D/4)の高さに相当する断面の領域の総面積を算出した。
算術平均粗さは、ノイズを除去した3次元データより、形状解析アプリケーションソフトの表面粗さのプログラムを用いて測定した。観察領域から、測定する領域を指定した。指定する領域は、0.50mm×0.50mmであり、観察領域の中心を基準となるようにした。算術平均粗さRaは、下記式(11)により定義される。
(Znは、「各点の高さ−基準面の高さ」を示し、Nは指定した領域のピクセル数(725×725)を示す。尚、基準面の定義は、指定した領域の725×725ピクセルの全データを平均した高さの平面とした。)
尚、JIS B 0601−2001で規定しているカットオフ値(λc=0.8mm)を使用しても、測定結果にほとんど差がなかったことから、カットオフ無しの値を測定値とした。
同様に、現像剤担持体の軸方向に10点×周方向に10点の100点測定を行い、その平均値を、樹脂層の表面形状から求められる算術平均粗さRaとした。
Ra(A)は、しきい値の下限にH+(D/4)の値を入力することで求めた。Ra(B)は、しきい値の上限にH+(D/4)の値を入力することで求めた。しきい値を入力することで、しきい値により選択されたピクセルのみで上記算術平均粗さの測定を行うことになる。解析は、ノイズを除去した3次元データを用い、解析する領域の指定方法や算術平均粗さの測定方法は、上記と同様の方法で行った。同様に、現像剤担持体の軸方向に10点×周方向に10点の100点測定を行い、その平均値を、樹脂層の表面形状から求められる算術平均粗さRa(A)及びRa(B)とした。
(xiv)樹脂層のユニバーサル硬さ
樹脂層表面のユニバーサル硬さHUは、ISO/FDIS14577に準拠するフィッシャー・インストルメンツ社製のフィッシャースコープH100V(商品名)を用いる表面被膜物性試験から求めた。測定には、対面角度が136°に規定されている四角錘のダイヤモンド圧子を使用した。そして、当該圧子を、測定荷重F(単位:N)を段階的にかけて測定試料に押し込んでいき、荷重をかけた状態での押し込み深さh(単位:mm)を測定する。測定値hを下記式(12)に代入してユニバーサル硬さHUを求める。
HU=K×F/h [N/mm] ・・・式(12)
ここで、Kは定数であり、1/26.43である。
測定用試料は、基体表面に樹脂層を形成した試料を用いるが、測定精度を向上させるためには、樹脂層表面が平滑である方がよいので、研磨処理等の平滑化処理を施した後測定することが、更に好ましい。したがって、本発明においては、樹脂層表面をラッピングフィルムシート#2000(商品名、住友スリーエム、研磨粒子に9μmの酸化アルミニウムを使用)にて研磨処理を施し、研磨処理後の表面粗さRaが0.2μm以下になるように調整したものを測定した。
試験荷重Fおよび圧子の最大押し込み深さhは、樹脂層表面の表面粗さの影響を受けず、且つ下地の基体の影響を受けない程度の範囲が好ましいので、本発明においては、圧子の最大押し込み深さhを1μm〜2μm程度になるよう試験荷重Fをかけて測定した。なお、測定環境は23℃、50%とし、測定回数は異なる測定点にて100回とし、その測定値から求めた平均値を樹脂層のユニバーサル硬さUとした。
(xv)導電性球状炭素粒子の体積平均粒径
導電性球状炭素粒子の粒径の測定装置として、レーザー回折型粒度分布計(商品名:コールターLS−230型粒度分布計;ベックマン・コールター株式会社製)を用いた。測定には、少量モジュールを用い、測定溶媒はイソプロピルアルコール(IPA)を使用した。まず、IPAにて測定装置の測定系内を約5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行した。次にIPA50ml中に、測定試料約10mgを加える。試料を懸濁した溶液を超音波分散機で約2分間分散処理し、試料液を得た後、測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%乃至55%になるように測定系内の試料濃度を調整した。その後に測定を行い、体積分布から算術した体積平均粒径を求めた。
(xvi)黒鉛化粒子の黒鉛化度
黒鉛化度p(002)は、マックサイエンス社製の強力型全自動X線回折装置“MXP18”システム(商品名)により、黒鉛のX線回折スペクトルから得られる格子間隔d(002)を測定し、下記式(13)で求める。
d(002)=3.440−0.086〔1−p(002)2〕 ・・・式(13)
格子間隔d(002)は、CuKαをX線源とし、CuKβ線はニッケルフィルターにより除去している。標準物質に高純度シリコンを使用し、C(002)及びSi(111)回折パターンのピーク位置から、格子間隔d(002)は、算出する。主な測定条件は以下のとおりである。
X線発生装置:18kw
ゴニオメータ:横型ゴニオメータ
モノクロメータ:使用
管電圧:30.0kV
管電流:10.0mA
測定法:連続法
スキャン軸:2θ/θ
サンプリング間隔:0.020deg
スキャン速度:6.000deg/min
発散スリット:0.50deg
散乱スリット:0.50deg
受光スリット:0.30mm。
(xvii)樹脂層の裁断面から求める黒鉛化粒子の算術平均粒径
集束イオンビーム(商品名:FB−2000C;株式会社日立製作所製)を用いて、現像剤担持体の断面を、現像剤担持体の軸方向に対して垂直面で20nm毎に切断した。切断した各裁断面を、電子顕微鏡(商品名:H−7500;株式会社日立製作所製)を用いて撮影した。撮影した複数枚の画像より各粒子において、長径と短径の和が最大となる画像の測定値をその粒子の形状として、100個の黒鉛化粒子の粒子径をそれぞれ測定した。当該粒子の粒子径は、測定した粒子の長径と短径の平均値とした。各粒子径により、算術平均粒子径を求めた。尚、測定倍率は、10万倍とした。
(1)現像剤(磁性トナー)の製造
<結着樹脂a−1の製造例>
ポリエステルユニットを生成するためのモノマーとしての下記成分及び触媒としての2−エチルヘキサン酸錫を4つ口フラスコに投入した。
テレフタル酸 25mol%;
ドデセニルコハク酸 15mol%;
無水トリメリット酸 7mol%;
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 32mol%;
(プロピレンオキサイド2.5mol付加物)
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 22mol%。
(エチレンオキサイド2.5mol付加物)
当該4つ口フラスコに減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて温度130℃で攪拌した。撹拌中に、上記モノマー成分100質量部に対してスチレン系共重合樹脂ユニットを生成するための下記の組成のモノマー成分の25質量部を重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)と混合したものを滴下ロートから4時間かけて当該4つ口フラスコ中に滴下した。
スチレン 83質量%;
2−エチルヘキシルアクリレート 15質量%;
アクリル酸 2質量%。
上記材料を温度130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応させた。反応終了後、生成物を容器から取り出し、粉砕し、ポリエステル樹脂成分、スチレン系共重合成分、及び、ハイブリッド樹脂成分を含有した結着樹脂a−1を得た。結着樹脂a−1の諸物性を表1に示す。
<結着樹脂a−2の製造例>
ポリエステルユニットを生成するためのモノマーとしての下記成分及び触媒として2−エチルヘキサン酸錫を4つ口フラスコに投入した。
テレフタル酸 27mol%;
ドデセニルコハク酸 13mol%;
無水トリメリット酸 2mol%;
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 32mol%;
(プロピレンオキサイド2.5mol付加物)
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 26mol%。
(エチレンオキサイド2.5mol付加物)
当該4つ口フラスコに減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて温度130℃の温度で攪拌した。撹拌中に、上記モノマー成分100質量部に対してスチレン系共重合樹脂ユニットを生成するための下記の組成のモノマー成分の25質量部を重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)と混合したものを滴下ロートから4時間かけて当該4つ口フラスコ中に滴下した。
スチレン 83質量%;
2−エチルヘキシルアクリレート 15質量%;
アクリル酸 2質量%。
上記材料を温度130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し後粉砕し、ポリエステル樹脂成分、スチレン系共重合成分、及び、ハイブリッド樹脂成分を含有した結着樹脂a−2を得た。結着樹脂a−2の諸物性を表1に示す。
<磁性酸化鉄粒子b−1の製造例>
硫酸第一鉄を用い、Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄水溶液50Lを調製した。また、ケイ酸ナトリウムを用い、Si4+を0.23mol/L含有するケイ酸ナトリウム水溶液10Lを調製し、これを前記硫酸鉄水溶液に添加し、混合した。次いで、混合した水溶液に5.0mol/LのNaOH水溶液42Lを撹拌混合し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリーをpH12.0、温度90℃に調整し、30L/minの空気を吹き込み、水酸化第一鉄の50%が磁性酸化鉄粒子になるまで酸化反応を行った。次いで、磁性酸化鉄粒子が75%生成するまで20L/minの空気を吹き込んだ。次いで磁性酸化鉄粒子が90%生成するまで9L/minの空気を吹き込んだ。更に、磁性酸化鉄粒子の割合が90%を超えた時点で、空気を6L/min吹き込んで酸化反応を完結させ、八面体形状のコア粒子を含むスラリーを得た。
得られたコア粒子を含むスラリーに、ケイ酸ナトリウムの水溶液(Siを13.4質量%含有)を0・094Lと、硫酸アルミニウム水溶液(Alを4.2質量%含有)を0.288L同時に投入する。その後、スラリーの温度を80℃に、pHを希硫酸によって5以上9以下に調整し、コア粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成した。得られた磁性酸化鉄粒子を常法により濾過し、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子b−1を得た。磁性酸化鉄粒子b−1の諸物性を表3に示す。
<磁性酸化鉄粒子b−2乃至b−6の製造例>
磁性酸化鉄粒子b−1の製造例において、製造条件を表2の如く調整することで磁性酸化鉄粒子b−2乃至b−6を得た。得られた磁性酸化鉄粒子b−2乃至b−6の物性値を表3に示す。
なお、表2中の吹き込み空気量における各段数は以下に示す状態を表す。
1段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が0%以上50%以下;
2段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が50%超、75%以下;
3段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が75%超、90%以下;
4段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が90%超、100%まで。
<磁性酸化鉄粒子b−7の製造例>
磁性酸化鉄粒子b−1の製造例において、水酸化第一鉄スラリーのpHを11.5に調整し、酸化反応を多段階にせず、90℃にて30L/minの条件で酸化反応を完結させた以外は同様にして、磁性酸化鉄粒子b−7を得た。得られた磁性酸化鉄粒子b−7の物性値を表3に示す。
<現像剤c−1の製造例>
下記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。この時、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
・結着樹脂a−1 90質量部;
・結着樹脂a−2 10質量部;
・磁性酸化鉄粒子b−1 65質量部;
・ワックス[フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク温度105℃、数平均分子量1500、重量平均分子量2500)] 4質量部;
・下記構造式(14)の構造を有する電荷制御剤(負帯電性の電荷制御剤) 2質量部
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D)6.1μmの負帯電性の磁性トナー粒子を得た。得られた磁性トナー粒子100質量部に対し、下記の各物質を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、負帯電性の現像剤c−1を得た。現像剤c−1の構成と物性を表4に示す。
・疎水性シリカ微粉末(BET比表面積140m/g、シリカ母体100質量部に対してヘキサメチルジシラザン(HMDS)30質量部及びジメチルシリコーンオイル10質量部で疎水化処理):1.0質量部;
・チタン酸ストロンチウム(個数平均粒径1.2μm):3.0質量部。
<現像剤c−2乃至c−17の製造例>
表4に記載の処方とした以外は実施例1と同様に現像剤c−2乃至c−17を得た。現像剤c−2乃至c−17の構成と物性を表4に示す。
(2)現像剤担持体の製造
<黒鉛化粒子>
<<黒鉛化粒子d−1の製造例>>
コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加及び重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチを微粉砕し、それを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて焼成温度3000℃で熱処理し、更に分級して黒鉛化粒子d−1を得た。黒鉛化粒子d−1の諸物性を表5に示す。
<<黒鉛化粒子d−2の製造例>>
石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において1200℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、マトマイザーミルで二次分散を行った後窒素雰囲気下において焼成温度3100℃で熱処理し、更に分級して黒鉛化粒子d−2を得た。黒鉛化粒子d−2の諸物性を表5に示す。
<<黒鉛化粒子d−3乃至d−7の製造例>>
黒鉛化粒子d−1及びd−2の製造例において、黒鉛化粒子の原材料及び焼成温度を表2の如く調整することで黒鉛化粒子d−3乃至d−7を得た。得られた黒鉛化粒子d−3乃至d−7の物性値を表5に示す。
<導電性球状炭素粒子>
導電性球状炭素粒子として以下のものを使用した。
・e−1:
ニカビーズPC−0520(商品名;日本カーボン株式会社)を分級したものを用いた。(体積平均粒径=5.9μm)
・e−2:
ニカビーズPC−0520(商品名;日本カーボン株式会社)を分級したものを用いた。(体積平均粒径=4.1μm)
・e−3:
ニカビーズPC−0520(商品名;日本カーボン株式会社)を分級したものを用いた。(体積平均粒径=8.0μm)
・e−4:
ニカビーズPC−0520(商品名;日本カーボン株式会社)を分級したものを用いた。(体積平均粒径=3.7μm)
・e−5:
ニカビーズPC−1020(商品名;日本カーボン株式会社)を分級したものを用いた。(体積平均粒径=8.5μm)。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとして、トーカブラック#5500(商品名、東海カーボン株式会社製)を用いた。
<第4級アンモニウム塩>
第4級アンモニウム塩として以下のものを使用した。
・f−1:
表1の例示1の化合物を用いた。
・f−2:
表1の例示2の化合物を用いた。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂として以下のものを使用した。
・l−1:
アンモニア触媒を使用して合成されたレゾール型フェノール樹脂のメタノール40%含有溶液(商品名:J−325;大日本インキ株式会社)を用いた。
・l−2:
NaOH触媒を使用して合成されたレゾ−ル型フェノール樹脂(商品名:GF9000;大日本インキ化学工業社製)を用いた。
・l−3:
ポリオール(商品名:ニッポラン5037;日本ポリウレタン工業製)と硬化剤(商品名:コロネートL;日本ポリウレタン工業製)を10:1で配合したものを用いた。
(3)実施例
(実施例1)
<現像剤担持体g−1の製造>
先に調製した現像剤c1と組み合わせる現像剤担持体g−1を以下の方法により製造した。先ず、下記の各材料を、混合し、横型サンドミル(直径0.6mmのガラスビーズを充填率85%)にて処理し、一次分散液h−1を得た。
バインダー樹脂l−1 166.7質量部(固形分100質量部);
黒鉛化粒子b−1 90質量部;
カーボンブラック 10質量部;
メタノール 133.3質量部。
次いで、下記の各材料を混合し、縦型サンドミル(直径0.8mmのガラスビーズを充填率50%)にて処理して二次分散液i−1を得た。更にこの分散液をメタノールで希釈して固形分37%の塗工液j−1を得た。
一次分散液h−1 400質量部(固形分200質量部);
バインダー樹脂l−1 250質量部(固形分150質量部);
第4級アンモニウム塩f−1 62.5質量部;
導電性球状炭素粒子 95質量部;
メタノール 250質量部。
基体として長さ320mm、外径24.5mmのアルミニウム製円筒管(Ra=0.3μm;基準長さ(lr)=4mm)を用意した。当該基体の両端部6mmをマスキングした後、当該基体を、その軸が鉛直と平行となるように配置した。そして、当該基体を1200rpmで回転させ、エアスプレーガン(商品名:GP05−23;メサック社製)を30mm/秒で下降させながら塗布して硬化後の厚さが12μmとなるように塗膜を形成した。続いて150℃の熱風乾燥炉中で30分間加熱して塗膜を硬化させて現像剤担持体中間体k−1を作製した。次いで、図5に示した装置を用いて現像剤担持体中間体k−1の表面の磨き加工を行った。研磨材として幅5cmのテープ状の研磨材(商品名:ラッピングフィルムシート#3000;住友スリーエム株式会社製)を用いた。そして、テープ巻き取り速度15mm/秒、スリーブの軸方向への送り速度30mm/秒、現像剤担持体中間体k−1への押し付け荷重0.2N、現像剤担持体中間体k−1の回転数1000rpmにて磨き加工を行った。そして表6に示した特定の表面形状を有する現像剤担持体g−1を得た。尚、上記テープ状の研磨材は、研磨粒子として一次平均粒径が5μmの酸化アルミニウムを用いたものである。
<電子写真画像形成装置の形成、及びそれを用いた画像評価>
得られた現像剤担持体g−1にマグネットローラを挿入し、両端にフランジを取り付けて、電子写真画像形成装置(商品名:iR6010;商品名、キヤノン株式会社製)の現像器の現像ローラとして装着した。なお、磁性ドクターブレードと現像剤担持体g−1との間隙は250μmとした。
また、上記の電子写真画像形成装置に現像剤として現像剤c−1を投入し、下記の画像評価を行った。即ち、印字比率5%の文字画像をA4横送りで5000枚連続複写の画出し試験を行い、1時間休止させ、休止後1000枚連続複写の画出し試験を行った。その後49万5000枚までは、現像剤補給や用紙の補充の間は、一次停止させながら連続複写の画出し試験を行った。さらに、50万枚まで連続複写の画出し試験を行い、1時間休止させ、休止後1000枚連続複写の画出し試験を行った。画像評価は、初期画像濃度、初期画質、5000枚時の休止前後の濃度差、5000枚時の休止後の濃度回復、50万枚時の休止前後の濃度差、50万枚時の休止後の濃度回復、5000枚時と50万枚時との画像濃度差であり、下記評価方法及び評価基準で判定した。画像評価は、常温常湿環境(23℃、50%RH;N/N)で実施した。尚、画像評価には、A4のオフィスプランナー用紙(キヤノン販売製;64g/m)を使用した。その結果を表7に示す。
(1)初期画像濃度
画出し試験において初期にベタ画像を出力し、その濃度を5点測定して平均値を取って画像濃度とし、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。その結果から、下記基準にて評価した。なお、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いた。
A:1.40以上。
B:1.30以上、1.40未満。
C:1.00以上、1.30未満。
D:1.00未満。
(2)初期画質
画出し試験の初期において、サイズが4ポイントの、図9に示した漢字の画像を出力し、画像のカスレや飛び散りを目視評価し、下記基準にて画質を評価した。
A:倍率が10倍のルーペで見ても飛び散りのない鮮明な画像である。
B:目視で見る限り鮮明な画像である。
C:若干飛び散りが見られるものの実用上問題ない。
D:飛び散り以外に文字のカスレが目立つ。
(3)5000枚時の休止前後の濃度差
画出し試験において5000枚時にベタ画像を出力し、(1)の評価同様に画像濃度を測定した。5000枚時のベタ画像を出力後、電源を入れたままで複写機1時間休止させ、休止後にベタ画像を出力し、(1)の評価同様に画像濃度を測定した。5000枚時の画像濃度と休止後の画像濃度の差分を下記基準に基づいてランク付けを行い評価した。
A:濃度差が0.10未満。
B:濃度差が0.10以上0.15未満。
C:濃度差が0.15以上0.20未満。
D:濃度差が0.20以上。
(4)5000枚時の休止後の濃度回復
画出し試験において、(3)の画出し試験後更にベタ画像を1000枚出力し、(1)の評価同様に画像濃度を測定した。休止前の画像濃度との差が0.05以内になった枚数を画像濃度が回復した時とし、下記基準に基づいてランク付けを行い評価した。
A:画像濃度が10枚以下で回復。
B:画像濃度が10枚超100枚以下で回復。
C:画像濃度が100枚超500以下で回復。
D:画像濃度が500枚超1000枚以下で回復。
E:1000枚時でも画像濃度が回復しない。
(5)50万枚時の休止前後の濃度差
画出し試験において、(3)と同様に50万枚時の休止前後の濃度差を下記基準に基づいてランク付けを行い評価した。
A:濃度差が0.10未満。
B:濃度差が0.10以上0.15未満。
C:濃度差が0.15以上0.20未満。
D:濃度差が0.20以上。
(6)50万枚時の休止後の濃度回復
画出し試験において、(4)と同様に50万枚時の休止後の濃度回復を下記基準に基づいてランク付けを行い評価した。
A:画像濃度が10枚以下で回復。
B:画像濃度が10枚超100枚以下で回復。
C:画像濃度が100枚超500以下で回復。
D:画像濃度が500枚超1000枚以下で回復。
E:1000枚時でも画像濃度が回復しない。
(7)1万枚時と50万枚時との濃度差
画出し試験において、1万枚時の休止前の画像濃度と50万枚時の休止前の画像濃度との差分を下記基準に基づいてランク付けを行い評価した。
A:濃度差が0.10未満。
B:濃度差が0.10以上0.15未満。
C:濃度差が0.15以上0.20未満。
D:濃度差が0.20以上。
(実施例2〜8)
上記現像剤担持体g−1と組み合わせる現像剤を表6に示したように変えた。各現像剤との関係における現像剤担持体g−1の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、各々の組み合わせにかかる電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例9)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−2を以下のように製造した。即ち、上記した現像剤担持体g−1の製造に用いた黒鉛化粒子d−1を黒鉛化粒子d−2に変えた以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−2を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−2の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−2とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例10)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−3を以下のように製造した。即ち、上記した現像剤担持体g−1の製造に用いた黒鉛化粒子d−1を黒鉛化粒子d−3に変えた以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−3を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−3の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−3とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例11)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−9を以下のように製造した。即ち、テープ状の研磨材として一次平均粒径が3μmであるテープ状の研磨材(商品名:ラッピングフィルムシート#4000;住友スリーエム株式会社製)を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−9を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−9の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−9とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例12)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−10を以下のように製造した。即ち、テープ状の研磨材として一次平均粒径が9μmであるテープ状の研磨材(商品名:ラッピングフィルムシート#2000;住友スリーエム株式会社製)を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−10を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−10の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−10とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例13)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−12を以下のように製造した。即ち、上記した現像剤担持体g−1の製造に用いた導電性球状炭素粒子e−1を導電性球状炭素粒子e−2、120質量部に変えた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−12を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−12の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−10とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例14)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−11を以下のように製造した。即ち、上記した現像剤担持体g−1の製造に用いた導電性球状炭素粒子e−1を導電性球状炭素粒子e−3、70質量部に変えた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−11を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−11の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−11とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例15)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−22を以下のように製造した。即ち、上記した現像剤担持体g−1の製造に用いた4級アンモニウム塩f−1を4級アンモニウム塩f−2に変えた。また、導電性球状炭素粒子e−1を導電性球状炭素粒子e−2を30質量部とした。更に、テープ状の研磨材として一次平均粒径が3μmであるテープ状の研磨材(商品名:ラッピングフィルムシート#4000;住友スリーエム株式会社製)を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−22を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−22の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−22とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例16)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−23を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−22の製造に用いた導電性球状炭素粒子e−2に代えて導電性球状炭素粒子e−3、125質量部を用いた。更に、テープ状の研磨材として一次平均粒径が9μmであるテープ状の研磨材(商品名:ラッピングフィルムシート#2000;住友スリーエム株式会社製)を用いた。それ以外は現像剤担持体g−22と同様にして現像剤担持体g−23を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−23の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−22とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例17)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−15を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いた4級アンモニウム塩f−1の量を12.5質量部、導電性球状炭素粒子e−1の量を80質量部とした。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−15を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−15の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−15とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例18)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−16を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いた4級アンモニウム塩f−1の量を125質量部、導電性球状炭素粒子e−1の量を115質量部とした。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−16を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−16の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−16とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例19〜22)
現像剤担持体g−1と組み合わせる現像剤を表6に示したように変えた。各現像剤との関係における現像剤担持体g−1の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、各々の組み合わせにかかる電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例23)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−24を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いたバインダー樹脂I−1をバインダー樹脂I−3に変えた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−24を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−24の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−24とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例24)
現像剤c−3と組み合わせる現像剤担持体g−21を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いた導電性球状炭素粒子e−1に代えて導電性球状炭素粒子e−2、25質量部を用いた。また、テープ状の研磨材として一次平均粒径が9μmであるテープ状の研磨材(商品名:ラッピングフィルムシート#2000;住友スリーエム株式会社製)を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−21を製造した。現像剤c−3との関係における現像剤担持体g−21の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−3及び現像剤担持体g−21とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例25)
現像剤c−3と組み合わせる現像剤担持体g−20を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いた導電性球状炭素粒子e−1に代えて導電性球状炭素粒子e−2、30質量部を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−20を製造した。現像剤c−3との関係における現像剤担持体g−20の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−3及び現像剤担持体g−20とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例26)
現像剤c−2と組み合わせる現像剤担持体g−18を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いた導電性球状炭素粒子e−1に代えて導電性球状炭素粒子e−3、125質量部を用いた。また、テープ状の研磨材として一次平均粒径が3μmであるテープ状の研磨材(商品名:ラッピングフィルムシート#4000;住友スリーエム株式会社製)を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−18を製造した。現像剤c−2との関係における現像剤担持体g−18の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−2及び現像剤担持体g−18とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例27)
現像剤c−2と組み合わせる現像剤担持体g−19を以下のように製造した。即ち、上記実施例26にかかる現像剤担持体g−18の製造において用いた導電性球状炭素粒子e−3の量を150質量部とした。それ以外は現像剤担持体g−18と同様にして現像剤担持体g−19を製造した。現像剤c−2との関係における現像剤担持体g−19の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−2及び現像剤担持体g−19とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例28)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−6を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いた黒鉛化粒子d−1を黒鉛化粒子d−4に変えた。また、4級アンモニウム塩f−1を4級アンモニウム塩f−2に変えた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−6を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−6の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−6とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(実施例29)
現像剤c−1と組み合わせる現像剤担持体g−7を以下のように製造した。即ち、現像剤担持体g−1の製造において用いた黒鉛化粒子d−1を黒鉛化粒子d−5に変えた。また、4級アンモニウム塩f−1を4級アンモニウム塩f−2に変えた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−7を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−7の表面形状を表す各種の数値を表6に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−7とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表7に示す。
(比較例1〜5)
現像剤担持体g−1と組み合わせる現像剤を表8に示したように変えた。各現像剤との関係における現像剤担持体g−1の表面形状を表す各種の数値を表9に示す。また各々の組み合わせにかかる電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例6)
現像剤担持体g−1の製造に用いた黒鉛化粒子d−1を黒鉛化粒子d−6に変えた以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−4を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−4の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−4とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例7)
現像剤担持体g−1の製造に用いた黒鉛化粒子d−1を黒鉛化粒子d−7に変えた以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−5を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−5の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−5とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例8)
実施例28にかかる現像剤担持体g−6を現像剤c−3と組み合わせた。現像剤c−3との関係における現像剤担持体g−6の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−6とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例9)
実施例12にかかる現像剤担持体g−10を現像剤c−2と組み合わせた。現像剤c−2との関係における現像剤担持体g−10の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−2及び現像剤担持体g−10とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例10)
現像剤担持体g−1の製造に用いた導電性球状炭素粒子e−1に代えて導電性球状炭素粒子e−4、125質量部を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−13を製造した。現像剤c−2との関係における現像剤担持体g−13の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−2及び現像剤担持体g−13とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例11)
現像剤担持体g−1の製造に用いた導電性球状炭素粒子e−1に代えて導電性球状炭素粒子e−5、65質量部を用いた。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−14を製造した。現像剤c−3との関係における現像剤担持体g−14の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−3及び現像剤担持体g−14とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例12)
実施例15にかかる現像剤担持体g−22を現像剤c−3と組み合わせた。現像剤c−3との関係における現像剤担持体g−22の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−3及び現像剤担持体g−22とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例13)
実施例16にかかる現像剤担持体g−23を現像剤c−2と組み合わせた。現像剤c−2との関係における現像剤担持体g−23の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−2及び現像剤担持体g−23とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例14)
現像剤担持体g−1の製造に用いた4級アンモニウム塩を用いず、また導電性球状炭素粒子e−1の量を80質量部とした。それ以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−17を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−17の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−17とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
(比較例15)
現像剤担持体g−1の製造に用いたバインダー樹脂I−1をバインダー樹脂I−2に変えた以外は現像剤担持体g−1と同様にして現像剤担持体g−25を製造した。現像剤c−1との関係における現像剤担持体g−25の表面形状を表す各種の数値を表8に記載した。また、現像剤c−1及び現像剤担持体g−25とを組合せた電子写真画像形成装置を用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を行った。その結果を表9に示す。
また、上記実施例、比較例に用いた現像剤担持体g1〜g7、g9〜g25のRa(Total)、黒鉛化粒子の算術平均粒径(Dn)及びユニバーサル硬さ(HU)を表10に示す。
101 樹脂層
102 基体
103 現像スリーブ
104 磁性部材(マグネットローラ)
105 現像剤担持体
106 静電潜像担持体(感光ドラム)
107 現像剤層規制部材(磁性ブレード)
108 現像バイアス電源
109 現像容器
110 撹拌搬送部材
111 第二室
112 第一室
113 仕切り部材
114 撹拌部材
115 現像剤供給部材
116 現像剤(磁性トナー)
201 301 401 レーザー光源
202 X−Yスキャン光学系
203 303 403 集光レンズ
204 304 404 受光素子
205 305 405 ピンホール
206 対物レンズ
207 ハーフミラー
208 308 408 ハーフミラー
209 309 409 観察対象物(現像剤担持体)
501 現像剤担持体
502 帯状研磨材
503 送り出しローラ
504 巻き取りローラ

Claims (7)

  1. 感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像剤と、該現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持・搬送された現像剤の量を規制するために該現像剤担持体に近接して配置された現像剤層厚規制手段を少なくとも有する現像装置において、
    該現像剤は、
    結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有し、
    磁場795.8kA/mにおける飽和磁化が20Am/kg以上40Am/kg以下であり、重量平均粒径(D)が4.0μm以上8.0μm以下であり、かつ、
    該磁性酸化鉄粒子が、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下である負帯電性の一成分磁性トナーであり、
    該現像剤担持体は、少なくとも、基体と、該基体上に形成された表面層としての樹脂層と、該基体内部に配設された磁性部材とを有しており、該樹脂層は、該現像剤を負に摩擦帯電させるものであって、
    構造中に−NH基、=NH基、および−NH−結合から選ばれる少なくとも1つを有しているバインダー樹脂と、
    該樹脂層の該現像剤に対する負摩擦帯電付与性を低下させる第4級アンモニウム塩と、
    黒鉛化度p(002)が0.22≦p(002)≦0.75である黒鉛化粒子と、
    該樹脂層表面に凹凸を付与する粒子としての体積平均粒径が4.0μm乃至8.0μmの導電性球状炭素粒子とを含有し、
    該現像剤担持体の前記現像剤を担持する部分の全域が、該現像剤担持体の表面における1辺が0.50mmの正方形の領域について該正方形の一辺と平行な725本の直線と、該直線と直交する725本の直線とで等分したときの各直線の交点で測定される3次元高さの平均値(H)を基準として高さがD/4を越える独立した凸部を複数個有し、該凸部の該高さD/4における面積の総和が該領域の面積の5%以上30%以下であり、該凸部のみから求められる算術平均粗さRa(A)が0.25μm以上0.55μm以下であり、かつ、該凸部以外の部分から求められる算術平均粗さRa(B)が0.65μm以上1.20μm以下である表面形状を有していることを特徴とする現像装置。
  2. 前記磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解されたFe量を除く残りの90質量%中の総Fe量に占めるFe(2+)の割合をYとした時、比(X/Y)が、1.00より大きく1.30以下である請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記バインダー樹脂がフェノール樹脂である請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤担持体の現像剤を担持する部分は、該現像剤担持体の表面における一辺が0.50mmの正方形の領域について該正方形の一辺と平行な725本の直線と、該直線と直交する725本の直線とで等分したときの各直線の交点で測定される3次元高さから求めた算術平均粗さRa(Total)が0.60μm以上1.40μm以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置。
  5. 前記樹脂層の断面を電子顕微鏡で測定した時の、該黒鉛化粒子の算術平均粒径(Dn)が0.50μm以上3.00μm以下であり、
    該樹脂層の表面のユニバーサル硬さ(HU)の平均値(U)が400N/mm以上650N/mm以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置。
  6. 該樹脂層は研磨粒子を表面に担持した帯状研磨材を用いて磨き加工されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置を具備していることを特特徴とする電子写真画像形成装置。
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