JP2009222017A - 内燃機関のアルコール濃度判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合燃料におけるアルコール濃度推定値の精度を向上させることのできる内燃機関のアルコール濃度判定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関10はアルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能であって、混合燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、吸気通路20を流通する吸入空気量を検出するエアフロメータ20aが設けられている。そして、内燃機関10の運転状態が所定運転状態であるときに、エアフロメータ20aにより検出される実吸入空気量と推定アルコール濃度に対応する判定吸入空気量とのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定する。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関10はアルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能であって、混合燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、吸気通路20を流通する吸入空気量を検出するエアフロメータ20aが設けられている。そして、内燃機関10の運転状態が所定運転状態であるときに、エアフロメータ20aにより検出される実吸入空気量と推定アルコール濃度に対応する判定吸入空気量とのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定する。
【選択図】図1
Description
この発明は、アルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能な内燃機関のアルコール濃度判定装置に関する。
近年、アルコールとガソリンとを任意の割合で混合させた混合燃料を使用することのできる内燃機関が注目されている。こうした内燃機関では、使用されるアルコールとガソリンとで理論空燃比、発熱量、気化潜熱等の様々な性質が異なるため、混合燃料のアルコール濃度に応じた制御を行う必要がある。そこで従来、混合燃料のアルコール濃度を推定する種々の構成が提案されている。例えば、特許文献1に記載の構成では、設定された目標空燃比と検出された実空燃比との比率に基づいて混合燃料のアルコール濃度を推定する構成が開示されている。
特開2005−48625号公報
しかしながら、特許文献1に記載される構成に代表されるアルコール濃度を推定する構成において、推定されたアルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれている場合には、機関運転状態の悪化やドライバビリティの悪化を招くおそれがある。このため、アルコール濃度推定値と真値とがずれていることを検証することにより、その推定値の精度を向上させることが望まれる。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、混合燃料におけるアルコール濃度推定値の精度を向上させることのできる内燃機関のアルコール濃度判定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、アルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能であって、混合燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、吸気通路を流通する吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段とを備える内燃機関のアルコール濃度判定装置において、前記機関の運転状態が所定運転状態であるときに、前記吸入空気量検出手段により検出される実吸入空気量と前記アルコール濃度推定手段により推定された推定アルコール濃度に対応する判定吸入空気量とのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定するアルコール濃度判定手段を備えることを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、アルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能であって、混合燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、吸気通路を流通する吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段とを備える内燃機関のアルコール濃度判定装置において、前記機関の運転状態が所定運転状態であるときに、前記吸入空気量検出手段により検出される実吸入空気量と前記アルコール濃度推定手段により推定された推定アルコール濃度に対応する判定吸入空気量とのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定するアルコール濃度判定手段を備えることを要旨とする。
内燃機関の各種制御は、アルコール濃度推定手段による推定アルコール濃度に基づき実行されるため、推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれている場合には、内燃機関の所定の運転状態を維持するために実際に必要とされる吸入空気量が推定アルコール濃度に基づき推定される判定吸入空気量とずれることになる。
したがって、上記構成によるように、機関の運転状態が所定運転状態であるときに、実吸入空気量と推定アルコール濃度に対応する判定吸入空気量とのずれ量に基づき推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することができる。これにより、アルコール濃度推定値と真値とがずれていることを検証することができ、ひいてはアルコール濃度推定値の精度を向上させることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のアルコール濃度判定装置において、前記アルコール濃度判定手段は、前記機関の回転数が目標回転数に維持されているときの前記実吸入空気量と前記判定吸入空気量とのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することを要旨とする。
アルコール濃度推定手段による推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれている場合には、内燃機関の回転数が目標回転数に維持されているときに実際に必要とされる吸入空気量が推定アルコール濃度に基づき推定される判定吸入空気量とずれることになる。
したがって、上記構成によるように、機関の回転数が目標回転数に維持されているときの実吸入空気量と判定吸入空気量とのずれ量に基づき推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関のアルコール濃度判定装置において、前記アルコール濃度判定手段は、前記機関の運転状態がアイドル運転状態であることを条件として前記判定を実行することを要旨とする。
上記構成によれば、機関の運転状態がアイドル運転状態であることを条件として上記判定を実行する。したがって、必要とされる吸入空気量が経時的に大きく変動しないため、前記判定を実行することが容易になる。
請求項4に記載の発明は、アルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能であって、前記混合燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段を備える内燃機関のアルコール濃度判定装置において、前記アルコール濃度推定手段により推定された推定アルコール濃度に対応する出力トルクと、前記機関の実際の出力トルクとのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することを要旨とする。
内燃機関の各種制御は、アルコール濃度推定手段による推定アルコール濃度に基づき実行されるため、推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれている場合には、推定アルコール濃度に対応する出力トルクと実際の出力トルクとがずれることになる。
したがって、上記構成によるように、アルコール濃度推定手段により推定された推定アルコール濃度に対応する出力トルクと、機関の実際の出力トルクとのずれ量に基づき推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することができる。これにより、アルコール濃度推定値と真値とがずれていることを検証することができ、ひいてはアルコール濃度推定値の精度を向上させることができるようになる。
なお、推定アルコール濃度に対応する出力トルクは、例えば機関回転数を目標回転数に維持するのに必要と推定される吸入空気量や燃料噴射量を用いることができる。
具体的には、請求項5に記載されるように、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関のアルコール濃度判定装置において、燃焼室の混合気の空燃比を内燃機関の運転状態に応じた目標空燃比に収束させるべく前記空燃比を調整する空燃比フィードバック制御手段を更に備えるようにすることができる。
具体的には、請求項5に記載されるように、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関のアルコール濃度判定装置において、燃焼室の混合気の空燃比を内燃機関の運転状態に応じた目標空燃比に収束させるべく前記空燃比を調整する空燃比フィードバック制御手段を更に備えるようにすることができる。
以下、本発明にかかる内燃機関のアルコール濃度判定装置を具体化した一実施形態について図1〜3に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる内燃機関のアルコール濃度判定装置の適用対象となるフレキシブルフューエルビークル(FFV)用の内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)及びその周辺構成を示している。なお、FFVとは、アルコール燃料のみ(混合燃料中のアルコール燃料の割合が「100%」の場合)や、ガソリン燃料のみ(混合燃料中のガソリン燃料の割合が「100%」の場合)、或いはアルコールとガソリンとが混合された混合燃料を使用可能な車両のことをいう。なお、以下の説明において単に「燃料」という場合には、アルコールとガソリンとが混合された混合燃料を示すものとする。
図1は、本発明にかかる内燃機関のアルコール濃度判定装置の適用対象となるフレキシブルフューエルビークル(FFV)用の内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)及びその周辺構成を示している。なお、FFVとは、アルコール燃料のみ(混合燃料中のアルコール燃料の割合が「100%」の場合)や、ガソリン燃料のみ(混合燃料中のガソリン燃料の割合が「100%」の場合)、或いはアルコールとガソリンとが混合された混合燃料を使用可能な車両のことをいう。なお、以下の説明において単に「燃料」という場合には、アルコールとガソリンとが混合された混合燃料を示すものとする。
同図1に示されるように、内燃機関10の気筒11には、ピストン12が往復動可能に収容されているとともに、同ピストン12の頂面と気筒11の内周面とによって燃焼室13が区画形成されている。また、内燃機関10には、同機関10を冷却する冷却水が流通するウォータジャケット16が設けられるとともに、同ウォータジャケット16を流れる冷却水の温度を検出する水温センサ16aが取り付けられている。
吸気通路20には、同吸気通路20を流通する吸入空気量Qaの流量を調整するスロットルバルブ21と、同スロットルバルブ21を開閉駆動するアクチュエータ22が設けられている。また、このスロットルバルブ21にはその開度を検出するスロットル開度センサ21aが取り付けられるとともに、吸気通路20において同スロットルバルブ21の上流側の部分には、同通路20を流通する吸入空気量Qaを検出するエアフロメータ20aが取り付けられている。このエアフロメータ20aが吸入空気量検出手段に相当する。
さらに、この吸気通路20には、同通路20に燃料を噴射する燃料噴射弁40が設けられている。この燃料噴射弁40から噴射される燃料は吸気通路20を流通する空気と混合されて上記燃焼室13に供給される。このように燃焼室13に供給された混合気は点火プラグ14により点火されて燃焼し、燃焼後の排気が排気通路30に排出される。この排気通路30には、同排気通路30を流通する排気中の酸素および未燃燃料の濃度に応じた値を出力する空燃比センサ30aが取り付けられている。なお、混合気が燃焼してピストン12が往復動することにより、クランクシャフト15が回転する。このクランクシャフト15には、機関回転数NEを検出するクランクポジションセンサ15aが取り付けられている。
燃料タンク60には、アルコールとガソリンとが混合された混合燃料が貯留される。この貯留されている燃料は、図示しない燃料ポンプにより燃料通路62を通じて燃料噴射弁40に供給される。この燃料タンク60には、燃料が補給されると信号を出力する給油センサ61が取り付けられている。
内燃機関10には、上述した各種センサの他、機関10の運転状態を把握するための各種センサが設けられている。例えば、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダル踏込量センサ51等が設けられている。そして、これら各種センサから出力される信号は、内燃機関10の各種装置を総括的に制御する電子制御装置50に入力される。
電子制御装置50は、演算装置、駆動回路の他、各種制御の演算結果やその演算に用いられる関数マップ等を記憶する記憶装置等を備えている。そして、この電子制御装置50は、各種センサからの出力信号に基づき内燃機関10の運転状態を把握するとともに、燃料噴射弁40の燃料噴射量制御や燃料噴射時期制御、点火プラグ14の点火時期制御、スロットルバルブ21を開閉するアクチュエータ22の駆動量制御等の各種制御を実行する。燃料噴射量制御の一態様としては、例えば、燃焼室13の混合気の空燃比AFを内燃機関10の運転状態に応じた目標空燃比AFtに収束させるべく、空燃比センサ30aを含む各種センサからの信号に基づき燃料噴射量を制御して空燃比AFを調整する空燃比フィードバック制御が挙げられる。この空燃比フィードバック制御が空燃比フィードバック制御手段として電子制御装置50によって実行される制御に相当する。
また、電子制御装置50は、燃料タンク60内の燃料のアルコール濃度ACを推定する「アルコール濃度推定処理」を実行する。このアルコール濃度推定処理は、給油センサ61からの信号に基づき燃料タンク60に燃料が補給されたと判断されるときに実行されるとともに、機関10の稼働中における所定の要求時に繰り返し実行される。なお、このアルコール濃度推定処理は、空燃比学習に基づきアルコール濃度ACを推定する公知の処理であって、具体的には、空燃比センサ30aの信号に基づき把握される実際の空燃比AFと目標空燃比AFtとのずれに基づき空燃比学習を実行し、学習された空燃比に基づきアルコール濃度ACeが推定される。
さらに、アルコール濃度推定処理に基づき推定された推定アルコール濃度ACeの妥当性、すなわち推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれているか否かを判定する「アルコール濃度判定処理」を実行する。なお、本実施形態において、電子制御装置50により実行される「アルコール濃度推定処理」がアルコール濃度推定手段としての処理に相当するとともに、「アルコール濃度判定処理」がアルコール濃度判定手段としての処理に相当する。
以下、図2および図3を参照して、「アルコール濃度判定処理」の実行手順について詳述する。同図2のフローチャートに示される一連の処理は、所定の周期をもって繰り返し実行される。
この一連の処理では、まず、アイドル運転状態か否かが判定される(ステップS101)。具体的には、クランクポジションセンサ15aの出力信号に基づき検知される機関回転数NE、アクセルペダル踏込量センサ51の出力信号に基づき検知されるアクセルペダル踏み込み量等によって判断される。そして、アイドル運転状態ではない旨判定された場合には(ステップS101:NO)、本処理を一旦終了する。
一方、アイドル運転状態である旨判定された場合には(ステップS101:YES)、続いてアルコール濃度推定処理が終了したか否かが判断される(ステップS102)。具体的には、別処理として実行される上述したアルコール濃度推定処理の実行状況を把握することにより判断される。ここで、アルコール濃度推定処理の終了とは、給油センサ61からの信号に基づき燃料タンク60に燃料が補給されたと判断された後、「アルコール濃度推定処理」の一連の処理が少なくとも1回終了し、燃料タンク60内の燃料の推定アルコール濃度ACeが決定されている状態をいう。そして、アルコール濃度推定処理が終了していない旨判断された場合には(ステップS102:NO)、本処理を一旦終了する。
一方、アルコール濃度推定処理が終了している旨判定された場合には(ステップS102:YES)、この推定されたアルコール濃度ACeに基づき内燃機関10の各種制御が実行されていると判断することができる。例えば、推定アルコール濃度ACeに応じた理論空燃比が目標空燃比AFtとして設定されるとともに、この目標空燃比AFtに実際の空燃比AFが収束するように空燃比フィードバック制御が実行されていると判断することができる。
そこで、このようにアルコール濃度推定処理が終了している旨判定された場合には(ステップS102:YES)、続いて、機関回転数NEが目標回転数NEtに維持されているか否かが判定される(ステップS103)。具体的には、クランクポジションセンサ15aの出力信号に基づき検知される機関回転数NEが目標回転数NEtに所定期間T以上維持されるか否かで判断される。この所定期間Tは、機関回転数NEが目標回転数NEtとなった状態で安定していることを判定することのできる期間として予め設定されている。また、目標回転数NEtは、機関10の暖機が完了している状態における回転数が機関10の負荷を考慮した上で設定される。
そして、機関回転数NEが目標回転数NEtに維持されていない旨判定された場合には(ステップS103:NO)、本処理を一旦終了する。なお、機関10の負荷は、同機関10の補機(図示略)の作動状態等の種々の要因によって変化するため、所定期間Tの間において機関10の負荷が変動する場合も考え得る。このような場合には、負荷に応じて決定される目標回転数NEtと実際の機関回転数NEとのずれが発生するため、上記ステップS103の判定処理は否定処理がされる(ステップS103:NO)。すなわち、上記ステップS103の判定処理により、内燃機関10の運転状態が所定の運転状態に安定して維持されているか否かを判定することができる。
ここで、機関回転数NEが目標回転数NEtに維持されている旨判定された場合には(ステップS103:YES)、このように機関回転数NEが目標回転数NEtに維持されているときの実吸入空気量Qaを検出する(ステップS104)。具体的には、エアフロメータ20aの出力信号に基づき実吸入空気量Qaを検出する。この実吸入空気量Qaが、内燃機関10の所定の運転状態を維持するために実際に必要とされる吸入空気量に相当する。
続いて、実吸入空気量Qaと判定吸入空気量Qadとのずれ量ΔQaを算出する(ステップS105)。具体的には、図3を参照して推定アルコール濃度ACeに対応する判定吸入空気量Qadを決定するとともに、この判定吸入空気量Qadと上記実吸入空気量Qaとのずれ量ΔQa(ΔQa←|Qa−Qad|)を算出する。この判定吸入空気量Qadが推定アルコール濃度に基づき推定される判定吸入空気量に相当する。
図3は、推定アルコール濃度ACeと判定吸入空気量Qadとの関係を示したマップでであって、アルコール濃度が把握された混合燃料を使用して必要とされる吸入空気量を計測する実験結果に基づき予め決定されている。この必要とされる吸入空気量は、アルコール濃度に応じて変化する理論空燃比、発熱量等によって変化し、図3に示されるようにアルコール濃度が高くなると次第に低くなる傾向を示す。なお、推定アルコール濃度ACeと判定吸入空気量Qadとの関係は機関10の負荷によって変動するため、機関10の負荷に対応したマップがそれぞれ記憶されている。
そして、算出されたずれ量ΔQaは所定値α未満か否かが判定される(ステップS106)。この所定値αは、実吸入空気量Qaが判定吸入空気量Qadに対して妥当ではないことを判断することができる最小値が予め設定されている。そして、ずれ量ΔQaが所定値α未満である旨判定された場合には(ステップS106:YES)、実吸入空気量Qaは、推定アルコール濃度ACeに対応する判定吸入空気量Qadに対して妥当であると判断することができる。したがって、推定アルコール濃度ACeが妥当である、つまり推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれていないと判定し(ステップS107)、一連の処理を終了する。
一方、算出されたずれ量ΔQaは所定値α未満ではない旨、すなわちずれ量ΔQaが所定値α以上である旨判定された場合には(ステップS106:NO)、実吸入空気量Qaは、推定アルコール濃度ACeに対応する判定吸入空気量Qadに対して妥当ではないと判断することができる。
したがって、推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれていると判定し(ステップS108)、次いで、アルコール濃度推定処理の再実行を命令する(ステップS109)。これにより、別ルーチンで実行されるアルコール濃度推定処理の再実行を開始させ、一連の処理を終了する。
以上説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)内燃機関10の各種制御は、推定アルコール濃度ACeに基づき実行されるため、推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれている場合には、内燃機関10の所定の運転状態を維持するために実際に必要とされる吸入空気量Qaが推定アルコール濃度ACeに基づき推定される判定吸入空気量ACdとずれることになる。したがって、上記実施形態によるように、機関10の運転状態がアイドル運転状態であるとき(ステップS101:YES)に、実吸入空気量Qaと判定吸入空気量Qadとのずれ量ΔQaに基づき推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACeとずれていることを判定することができる(ステップS108)。これにより、アルコール濃度推定値ACeと真値(実際のアルコール濃度)ACとがずれていることを検証することができ、ひいてはアルコール濃度推定値ACeの精度を向上させることができるようになる。
(1)内燃機関10の各種制御は、推定アルコール濃度ACeに基づき実行されるため、推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれている場合には、内燃機関10の所定の運転状態を維持するために実際に必要とされる吸入空気量Qaが推定アルコール濃度ACeに基づき推定される判定吸入空気量ACdとずれることになる。したがって、上記実施形態によるように、機関10の運転状態がアイドル運転状態であるとき(ステップS101:YES)に、実吸入空気量Qaと判定吸入空気量Qadとのずれ量ΔQaに基づき推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACeとずれていることを判定することができる(ステップS108)。これにより、アルコール濃度推定値ACeと真値(実際のアルコール濃度)ACとがずれていることを検証することができ、ひいてはアルコール濃度推定値ACeの精度を向上させることができるようになる。
(2)推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれている場合には、内燃機関10の回転数NEが目標回転数NEtに維持されているときに実際に必要とされる吸入空気量Qaが推定アルコール濃度に基づき推定される判定吸入空気量Qadとずれることになる。したがって、上記実施形態によるように、機関回転数NEが目標回転数NEtに維持されているとき(ステップS103:YES)の実吸入空気量Qaと判定吸入空気量Qadとのずれ量ΔQaに基づき推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれていると判定することができる(ステップS108)。
(3)機関10の運転状態がアイドル運転状態であることを条件として(ステップS101:YES)アルコール濃度判定処理を実行する。したがって、必要とされる吸入空気量が経時的に大きく変動しないため、前記判定処理を実行することが容易になる。
(4)推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれている旨判定された場合に(ステップS108)、アルコール濃度推定処理の再実行を命令する(ステップS109)ため、アルコール濃度の推定値ACeの精度を向上させることができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる内燃機関のアルコール濃度判定装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
なお、この発明にかかる内燃機関のアルコール濃度判定装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、吸入空気量検出手段としてエアフロメータ20aを設ける例を示したが、吸気通路20内の圧力を検出する吸気管圧力センサを設けるとともに、同センサの出力信号に基づき吸入空気量Qaを検出する態様を採用してもよい。この場合には、推定アルコール濃度に対する吸気管圧力を予めマップとして記憶するとともに、図3に示すマップに替わって参照することにより、吸気管圧力に基づきアルコール濃度判定処理を実行する態様を採用してもよい。
・上記実施形態では、アルコール濃度推定手段として空燃比学習に基づいてアルコール濃度推定処理を実行する例を示した。しかし、アルコール濃度推定手段としては、この例に限られず、他の手段によってアルコール濃度が推定される態様であってもよい。この場合であっても、推定されたアルコール濃度を上述したアルコール濃度判定処理によって判定することにより、上記(1)〜(4)の作用効果を奏することができる。例えば、アルコール濃度推定手段として燃料のアルコール濃度に応じた信号を出力するアルコール濃度センサを燃料通路62に設けるとともに、同センサの出力信号に基づきアルコール濃度を推定する態様を採用してもよい。
・また、アルコール濃度推定手段を複数設ける態様を採用してもよい。この場合には、いずれかのアルコール濃度推定手段によって推定された推定アルコール濃度について上述したアルコール濃度判定処理によって判定するとともに、実際のアルコール濃度とずれている旨判定された場合(ステップS108)には、ステップS109において、他のアルコール濃度推定手段によってアルコール濃度を推定するように命令するようにしてもよい。
・上記実施形態では、ステップS108において推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれている旨判定された場合には、続いてステップS109においてアルコール濃度推定処理の再実行を命令する例を示した。しかし、ステップS109において所定期間を経過した後にアルコール濃度推定処理を再実行するように命令するようにしてもよい。これは、アルコール濃度の推定の再実行を待機することにより、アルコール濃度推定手段を含む内燃機関及び周辺構成の安定化等を図るためである。例えば、燃料タンク60に燃料が補給された直後には、燃料通路62や燃料噴射弁40の燃料が補給後の燃料タンク60の燃料に十分に置換されていない場合がある。かかる場合に推定されたアルコール濃度について上記アルコール濃度判定処理が実行されると、実際のアルコール濃度とずれている旨判定されることがある。したがって、燃料が置換されたと考えられる所定期間経過後にアルコール濃度を再度推定することにより、アルコール濃度推定値の精度を向上させることができるようになる。
・上記実施形態では、ステップS101においてアイドル運転状態であるか否かを判定するとともに、ステップS103において機関回転数NEが目標回転数NEtに維持されているか否かを判定することにより、内燃機関10の運転状態が所定の運転状態で安定して維持されているか否かを判定する例を示した。しかし、ステップS103において目標回転数NEtを機関10のアイドル運転時の目標回転数に設定することにより、ステップS101の判定処理を行なわずに同様の判定処理を実行することもできる。
・また、上記実施形態では、上述したステップS103において機関回転数NEが目標回転数NEtに所定期間T以上維持されていることを判定することにより、内燃機関10の運転状態が所定運転状態(アイドル運転状態)に維持されていることを判定する例を示した。すなわち、所定期間Tおよび目標回転数NEtを適切に設定することにより、空燃比フィードバック制御によって空燃比AFが目標空燃比AFtに収束しているか、内燃機関10の暖機が完了したか、機関10の負荷変動が十分小さいか、等を含めて内燃機関10の運転状態が安定していることを判断していた。しかし、このステップS103の判定処理に先だって、これらの判定処理(空燃比フィードバック制御によって空燃比AFが目標空燃比AFtに収束しているか、内燃機関10の暖機が完了したか、機関10の負荷変動が十分小さいか等)を実行するとともに、これらが肯定判定されたときにステップS103における判定(機関回転数NEが目標回転数NEtに維持されているか否か)を実行することもできる。例えば、内燃機関10の暖機が完了したことは、水温センサ16aによって検知される機関冷却水温によって判断することができる。
・上記実施形態では、アイドル運転状態であることを条件としてアルコール濃度判定処理を実行する例を示したが、内燃機関10の運転状態についてはアイドル運転状態に限られない。要するに、内燃機関10の運転状態が所定運転状態に維持される場合であれば、このときの実吸入空気量と推定アルコール濃度に対応する判定吸入空気量とのずれ量に基づき推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することが可能である。
・上記実施形態では、機関10の運転状態が所定運転状態に維持されるときの吸入空気量に基づいて推定アルコール濃度ACeが実際のアルコール濃度ACとずれていることを判定する例を示した。しかし、推定アルコール濃度に対応する出力トルクを予め設定して記憶するともに、この推定アルコール濃度に対応する出力トルクと、機関の実際の出力トルクとのずれ量に基づき推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することも可能である。すなわち、内燃機関の各種制御は、アルコール濃度推定手段による推定アルコール濃度に基づき実行されるため、推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれている場合には、推定アルコール濃度に対応する出力トルクと実際の出力トルクとがずれることになる。したがって、上述したように、推定アルコール濃度に対応する出力トルクと、機関の実際の出力トルクとのずれ量に基づき推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定することができる。なお、推定アルコール濃度に対応する出力トルクは、例えば機関回転数を目標回転数に維持するのに必要と推定される吸入空気量や燃料噴射量を用いることができる。この場合であっても、アルコール濃度推定値と真値とがずれていることを検証することができ、ひいてはアルコール濃度推定値の精度を向上させることができるようになる。
10…内燃機関、11…気筒、12…ピストン、13…燃焼室、14…点火プラグ、15…クランクシャフト、15a…クランクポジションセンサ、16…ウォータジャケット、16a…水温センサ、20…吸気通路、21…スロットルバルブ、21a…スロットル開度センサ、22…アクチュエータ、30…排気通路、30a…空燃比センサ、40…燃料噴射弁、50…電子制御装置、51…アクセルペダル踏込量センサ、60…燃料タンク、61…給油センサ、62…燃料通路。
Claims (5)
- アルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能であって、混合燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、吸気通路を流通する吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段とを備える内燃機関のアルコール濃度判定装置において、
前記機関の運転状態が所定運転状態であるときに、前記吸入空気量検出手段により検出される実吸入空気量と前記アルコール濃度推定手段により推定された推定アルコール濃度に対応する判定吸入空気量とのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定するアルコール濃度判定手段を備える
ことを特徴とする内燃機関のアルコール濃度判定装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のアルコール濃度判定装置において、
前記アルコール濃度判定手段は、前記機関の回転数が目標回転数に維持されているときの前記実吸入空気量と前記判定吸入空気量とのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定する
ことを特徴とする内燃機関のアルコール濃度判定装置。 - 請求項1又は2に記載の内燃機関のアルコール濃度判定装置において、
前記アルコール濃度判定手段は、前記機関の運転状態がアイドル運転状態であることを条件として前記判定を実行する
ことを特徴とする内燃機関のアルコール濃度判定装置。 - アルコールとガソリンとを混合した混合燃料を使用可能であって、前記混合燃料のアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段を備える内燃機関のアルコール濃度判定装置において、
前記アルコール濃度推定手段により推定された推定アルコール濃度に対応する出力トルクと、前記機関の実際の出力トルクとのずれ量に基づき前記推定アルコール濃度が実際のアルコール濃度とずれていることを判定する
ことを特徴とする内燃機関のアルコール濃度判定装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関のアルコール濃度判定装置において、
燃焼室の混合気の空燃比を内燃機関の運転状態に応じた目標空燃比に収束させるべく前記空燃比を調整する空燃比フィードバック制御手段を更に備える
ことを特徴とする内燃機関のアルコール濃度判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008069948A JP2009222017A (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | 内燃機関のアルコール濃度判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008069948A JP2009222017A (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | 内燃機関のアルコール濃度判定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009222017A true JP2009222017A (ja) | 2009-10-01 |
Family
ID=41239041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008069948A Pending JP2009222017A (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | 内燃機関のアルコール濃度判定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009222017A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011252415A (ja) * | 2010-06-01 | 2011-12-15 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
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2008
- 2008-03-18 JP JP2008069948A patent/JP2009222017A/ja active Pending
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JP2011252415A (ja) * | 2010-06-01 | 2011-12-15 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
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