JP2007085175A - 車両の燃料性状判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
燃料噴射制御に供する燃料性状を、必要なタイミングに精度良く提供することを目的とする。
【解決手段】
上記課題は、内燃機関の燃料を加熱する手段と、
前記加熱した燃料の温度と圧力に基づき、燃料の性状を判定する手段を有する車両の燃料性状判定装置において、
前記燃料性状の判定を、エンジン停止後の予め定める所定時間経過後に行うようにすることにより解決される。
また上記課題は、
さらに好ましくは、燃料給油判定手段を有し、燃料給油を判定してからエンジン始動の間に燃料性状の判定を行うことにより解決される。
【選択図】図10
燃料噴射制御に供する燃料性状を、必要なタイミングに精度良く提供することを目的とする。
【解決手段】
上記課題は、内燃機関の燃料を加熱する手段と、
前記加熱した燃料の温度と圧力に基づき、燃料の性状を判定する手段を有する車両の燃料性状判定装置において、
前記燃料性状の判定を、エンジン停止後の予め定める所定時間経過後に行うようにすることにより解決される。
また上記課題は、
さらに好ましくは、燃料給油判定手段を有し、燃料給油を判定してからエンジン始動の間に燃料性状の判定を行うことにより解決される。
【選択図】図10
Description
本発明は、車両の燃料性状判定装置に関し、特に燃料を加熱することにより燃料の性状を判定する燃料性状判定装置に関する。
車両の燃料を加熱して燃料の性状を判定するものとして特許文献1があり、該発明は、燃料に接して燃料性状のパラメータを検出する燃料性状パラメータ検出手段を有し、前記燃料パラメータ検出手段をエンジンルーム内の燃料噴射弁近傍に配置する、としている。
また、該発明の目的とするところは、実際に燃料噴射弁から噴射される燃料の性状を検出することにある。
一方、燃料判定の実行タイミングについては、アイドル時、機関停止直後との記載がある。
ここで、燃料の性状を検出後に、燃料性状が変化するケースとして、燃料の給油があり、給油する燃料の性状が、検出した燃料性状と異なる場合には、特許文献のような燃料性状検出を行っても燃料性状を反映した燃料噴射制御が、実際の燃料性状にそぐわないものとなる。
また、燃料を加熱し、その蒸気圧を検出することで燃料性状を判定する方法は、燃料性状判定手段の温度条件が安定していること、燃料に振動などの揺れが生じないことが必要となる。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、燃料噴射制御に供する燃料性状を、必要なタイミングに精度良く提供することを目的とする。
内燃機関の燃料を加熱する手段と、
前記加熱した燃料の温度と圧力に基づき、燃料の性状を判定する手段を有する車両の燃料性状判定装置において、
前記燃料性状の判定を、エンジン停止後の予め定める所定時間経過後に行うようにした。
前記加熱した燃料の温度と圧力に基づき、燃料の性状を判定する手段を有する車両の燃料性状判定装置において、
前記燃料性状の判定を、エンジン停止後の予め定める所定時間経過後に行うようにした。
これにより本発明は、燃料噴射制御に供する燃料性状を、必要なタイミングに精度良く提供することが可能となる。
エンジン停止後の所定時間経過後、または燃料給油を検出後の所定時間経過後に、燃料性状判定手段を起動し、該手段に故障がないことを検出した後に燃料性状判定制御を実行し、該実行により得られた燃料性状を不揮発性メモリに記憶し、該記憶値に基づいて、その後のエンジン始動から燃料噴射制御を行うよう構成して実現した。
本発明による実施例について、以下図面を参照して説明する。
まず、図1,図2により、動力装置の一形態であるガソリンエンジンシステムの動作について説明する。
図1は、本実施形態の筒内噴射内燃機関107の制御システムにおける全体構成を示したものである。シリンダ107bに導入される吸入空気は、エアクリーナ102の入口部102aから取り入れられ、内燃機関の運転状態計測手段の一つである空気流量計(エアフロセンサ)103を通り、吸気流量を制御する電制スロットル弁105aが収容されたスロットルボディ105を通ってコレクタ106に入る。前記エアフロセンサ103からは、前記吸気流量を表す信号が内燃機関制御装置であるコントロールユニット115に出力されている。
また、前記スロットルボディ105には、電制スロットル弁105aの開度を検出する内燃機関の運転状態計測手段の一つであるスロットルセンサ104が取り付けられており、その信号もコントロールユニット115に出力されるようになっている。
前記コレクタ106に吸入された空気は、筒内噴射内燃機関107の各シリンダ107bに接続された各吸気管101に分配された後、前記シリンダ107bの燃焼室107cに導かれる。
一方、ガソリン等の燃料は、燃料タンク108から燃料ポンプ109により一次加圧されて燃料圧力レギュレータ110により一定の圧力に調圧されるとともに、高圧燃料ポンプ111でより高い圧力に二次加圧されてコモンレールへ圧送される。
前記高圧燃料は各シリンダ107bに設けられているインジェクタ112から燃焼室
107cに噴射される。該燃焼室107cに噴射された燃料は、点火コイル113で高電圧化された点火信号により点火プラグ114で着火される。
107cに噴射される。該燃焼室107cに噴射された燃料は、点火コイル113で高電圧化された点火信号により点火プラグ114で着火される。
また、排気弁のカムシャフトに取り付けられたカム角センサ116は、カムシャフトの位相を検出するための信号をコントロールユニット115に出力する。ここで、カム角センサは吸気弁側のカムシャフトを取り付けてもよい。また、内燃機関のクランクシャフトの回転と位相を検出するためにクランク角センサ117をクランクシャフト軸上に設け、その出力をコントロールユニット115に入力する。
さらに、排気管119中の触媒120の上流に設けられた空燃比センサ118は、排気ガスを検出し、その検出信号がコントロールユニット115に出力する。
該コントロールユニット115の主要部は、図2に示すように、MPU203,ROM202,RAM204及びA/D変換器を含むI/O LSI201等で構成され、内燃機関の運転状態を計測(検出)する手段の一つであるエアフロセンサ103,燃料圧力センサ121を含む各種のセンサ等からの信号を入力として取り込み、所定の演算処理を実行し、この演算結果として算定された各種の制御信号を出力し、前記各インジェクタ112,点火コイル113等に所定の制御信号を供給して燃料供給量制御,点火時期制御を実行するものである。
かかるエンジン制御において、燃料であるガソリンの揮発性に関する燃料の性状が、エンジン作動の挙動に影響を与える。図15は、横軸に燃料の温度、縦軸に燃料の飽和蒸気圧を示したもので、飽和蒸気圧が高いほど、燃料の揮発性は高いものとなる。飽和蒸気圧は、一般的に燃料温度が高くなるほど高い値を示すが、その特性は、図中の1501,
1502,1503に示すように燃料の組成により異なる。例えば、気温の低い冬季には飽和蒸気圧の高い特性1501が市場に投入され、気温の高い夏季には飽和蒸気圧が中間の1502が市場に投入される。さらに、燃料タンク中に長時間放置され、揮発成分の蒸発が進んだ燃料では、1503のように低い飽和蒸気圧を示す場合もある。
1502,1503に示すように燃料の組成により異なる。例えば、気温の低い冬季には飽和蒸気圧の高い特性1501が市場に投入され、気温の高い夏季には飽和蒸気圧が中間の1502が市場に投入される。さらに、燃料タンク中に長時間放置され、揮発成分の蒸発が進んだ燃料では、1503のように低い飽和蒸気圧を示す場合もある。
したがって、エンジン制御では、幅広い揮発性燃料性状に対応できることが必要となる。
一方、揮発性によりエンジン制御が受ける制御性の一例を、図5を用いて説明する。図は、エンジンのクランキングから燃焼を開始し自発回転を開始するまでの始動フェーズにおいて、エンジンの各気筒に噴射する燃料噴射量を横軸に、縦軸に始動に要する時間である始動時間、および始動フェーズにおいてエンジンが排出するHCなどの排気成分の量であるエミッションを示している。
エンジンが健全に燃焼を行うためには、適切な空燃比の混合気が供給されることが必要であるが、供給燃料のうち混合気を形成するのは、主に気化した成分である。燃料が気化する率の大きな因子に揮発性があり、したがって燃料の飽和蒸気圧が供給空燃比に影響を与える。また、混合気の空燃比が適切でない場合には、燃焼が健全でなくなるため、所望の爆発力が得られなくなるとともに、燃焼に寄与しない燃料が、未燃分燃料すなわちHCとして排出される。
かかる現象は、図5中の実線501で示す現象として現れる。始動フェーズ中にエンジンが吸入する空気量は燃料供給量に関わらず一定であるから、横軸である燃料噴射量を多くすると混合気の空燃比がリッチに、燃料噴射量を少なくすると混合気の空燃比がリーンになる。前述のとおり、燃焼には適切な空燃比が存在するので、最適な燃料噴射量503を境に、リーンな空燃比になるにつれ所望の爆発力が得られなくなるため、始動時間が長くなり、かつ燃焼に寄与しない燃料量が多くなるため、エミッションが多くなる。また、最適な燃料噴射量503を境に、リッチな空燃比の所定の範囲までは所望の爆発力を得ることができるが、それ以上にリッチとなると、オーバーリッチ状態となるため所望の爆発力が得られなくなり、始動時間が長くなる。かつ燃焼に寄与しない燃料量が多くなるため、エミッションが多くなる。
ここで、実線501は揮発性が高い、いわゆる軽質の燃料であるが、揮発性の低い、いわゆる重質の燃料における前述の特性を、破線502に示す。特性502は、前述の特性501と定性的に同じ傾向を示すが、最適な燃料噴射量が503より多い504となる。これは、前述の通り重質の燃料では、噴射した燃料のうち気化する割合が低く、よって同じ混合気の状態を得るために必要な燃料噴射量が多くなるためである。
前述のように、エンジン制御では、幅広い揮発性燃料性状に対応できることが必要となるため、燃料性状が未知である場合には、重質または軽質の場合にエミッションまたは始動時間が増大する、503から504の間の燃料噴射量を予め設定せざるを得ない。かかる事態を回避するためには、始動開始以前に燃料性状を既知とし、燃料性状に応じて燃料噴射量を定めれば良い。
また、かかる現象の、エンジンの温度状態に対する感度を、図14により説明する。図中の横軸はエンジンの暖機状態を示すエンジン水温であり、縦軸は前述の最適燃料噴射量である。また、実線1401が軽質時の特性、破線1402が重質時の特性である。エンジンが完全暖機状態にあるときは、噴射した燃料が加熱され、高い揮発性を発揮するため、最適燃料噴射量が小さく、かつ重質,軽質による差も殆どない。一方、エンジン水温が低くなるにつれ揮発性が低くなるため、最適燃料噴射量が増大するとともに、重質,軽質の差も大きくなる。したがって、エンジンが完全暖機状態にあるときの再始動以外の領域における始動では、燃料性状が既知であるようにしたい。
燃料性状を検出する手段としては、燃料中の所定の成分濃度を知る方法もあるが、目的とする検出性状は揮発性の代表値である飽和蒸気圧であり、これを直接検出する方法が良い。その方法の一例を、図4を用いて説明する。図中の401は燃料を蓄積する燃料室で、燃料402は逆止弁404を介し図の左側から圧送され、液体として燃料室に存在し、開閉弁405が開状態にあるときは、該弁を介して図の右側へと流れ、逐次新流入燃料に置換される。開閉弁405を閉状態とすると、404は逆止弁であるため燃料室401は閉空間となる。403は燃料室401を覆うヒータであり、燃料を加熱できる。406は燃料室401内の圧力を計測する圧力センサであり、407は燃料室の温度を計測する温度センサである。
かかる構造において、ヒータ403により燃料を加熱すると、図15で説明した燃料の特性により、燃料の温度が上昇するに伴って、燃料の揮発性に応じて燃料室内圧力が上昇し、燃料室内の温度と圧力はそれぞれセンサ407,406により計測される。したがって、図3に示すように、検出圧力と燃料温度の関係を予め記憶しておき、計測値がいずれの範囲に分布するかにより燃料性状を判定することが可能となる。すなわち、図3中の
301が軽質燃料、303が重質燃料、302が中間性状の燃料である。
301が軽質燃料、303が重質燃料、302が中間性状の燃料である。
かかる燃料性状判定の制御方法を、図6により、より詳細に説明する。圧力センサおよび温度センサからの信号は、それぞれ処理603および605に入力され、それぞれ圧力と温度の物理値としての認識値に変換される。温度認識値はヒータ制御である処理607に入力され、燃料室の温度を所望の温度に導くようヒータ制御信号を出力する。具体的な制御例としては、目標温度に向けてフィードバック制御を行い、ヒータ駆動のON,OFF信号をPWM出力であるデューティ信号で出力するといった方法である。
一方、温度と圧力の認識値は、燃料性状判定である処理606に入力される。また、処理606は燃料性状判定許可処理601から、判定に好適な条件と判断したことを受け起動される。処理606は、図3で説明したような、温度と圧力に基づく燃料性状判定を出力する。
ここで、温度センサ、または圧力センサの入力値に故障が生じた場合、例えば入力信号線の断線や電気的ショート,センサ本体の故障など、を処理602および処理604でそれぞれ診断し、故障が生じている場合には、故障と判定する。具体的には、電圧入力が正常範囲にない、環境条件からあり得ない信号が入力している、などの状態を検知し故障と判定する。
かかる場合には、処理606において正常な燃料性状判定を行うことができないため、処理608において、温度センサ,圧力センサのいずれかが故障状態にあるかを判定し、故障状態にある場合には、処理609において、燃料性状値を、処理606からの出力からフェイルセーフ値に切り替える。フェイルセーフ値はいかなる燃料性状の燃料に対しても必要最小限の始動時性能が確保できるよう適宜選定しておく。
かかる制御の動作の一例を、図13を用いて説明する。図は横軸に時間を取り、縦軸に、処理607からの出力であるヒータ制御デューティ,燃料温度,燃料室内の圧力を示している。時刻1301から燃料性状判定の動作を開始し、まず前述のヒータ制御のフィードバック制御により、ヒータ制御デューティが出力の最大値となり、ヒータにより燃料室内の燃料が加熱される。よって燃料の温度が上昇を始め、それに伴い燃料室の圧力が燃料性状に伴って上昇し始める。ヒータ制御のフィードバック制御は燃料温度を、燃料性状によって圧力に最も差が生じる所定範囲である1303,1304の間となるように制御する。したがって、ヒータ制御デューティは温度の上昇に伴って図のように低下し、温度を所定範囲1303,1034の間に保持する範囲に安定する。したがって温度も所定範囲1303,1034の間に安定し、それに伴い燃料室圧力がやや遅れて安定状態となる。燃料圧力が安定したことを時刻1302で判定すると、処理606により燃料性状を判定する。
かかる制御により判定された燃料性状は、図7に示すように燃料噴射制御に引き渡され、図5で説明したように、始動時の燃料噴射量の算出に供せられる。また、燃料性状は始動時の燃料噴射量計算のみでなく、始動後の燃料噴射量算出、例えば加減速の際の応答遅れ補償などにも使用できることは言うまでもない。
以上説明した燃料性状判定において、燃料性状の検出に与える外乱について図8を用いて説明する。燃料室が密閉状態にあるとき、外部からの加減速が加わると、図のように液面の揺れが発生するが、これに伴い燃料の蒸発が助長され、図のように燃料室圧力が増大する。その程度は、図9に示すように、加速度が大きいほど高い蒸気圧を示す。したがって、燃料性状判定中に液面の揺れが発生すると、実際の燃料性状より軽質側に燃料性状を誤検出する現象が発生する。燃料性状判定手段は車両に搭載されるものであるから、車両の運転中は加速,減速,旋回,悪路など、加減速が発生することは回避しがたい。
また、他の燃料性状誤検出現象として、燃料の給油がある。すなわち、燃料性状を判定した後給油を行い、かつ燃料性状判定した燃料と、給油した燃料の燃料性状が異なる場合には、判定した燃料性状が、実際の燃料性状と異なる。
さらに、他の燃料性状誤検出現象として、燃料室の温度条件ばらつきがある。温度センサにより検出する温度は、燃料室内の燃料の平均温度であるべきであるが、車両の運転中および運転直後では、運転の状態により車両内にさまざまな温度分布が発生する。例えば、エンジン及び排気管は燃焼により高い温度となっており、その周囲はその熱の授受により周囲温度より高い温度状態となるが、その温度は運転状態によりまちまちである。かかる温度分布がある場合には、温度センサが検出する温度が、燃料室内の燃料の平均温度でない場合がある。
以上説明した燃料性状の誤検出を回避するためには、車両が完全に静止状態であること、給油を行った場合はその後であること、車両が熱的に安定した状態であること、が必要である。したがって、燃料性状の判定は、エンジン停止後の予め定める所定時間経過後に行うのが良い。さらに給油判定手段があれば、燃料給油を判定してからエンジン始動の間に、燃料性状の判定を行うのが良い。
以下にその具体的な方法について説明する。図10は、車両の運転状態と、燃料性状判定のタイミングを示す図で、車両電源投入は、運転者が操作するイグニッションスイッチであり、車両の運転を意図するときにONされる。図では図示しない左側から運転が実行されているため、車両電源投入はONであり、タイミング1001において運転を終了し車両電源をOFFとする。
一方、燃料性状判定は、タイミング1001から所定時間A経過した後のタイミング
1002から、図13で説明したような燃料性状判定の所定の動作を行い、燃料正常を判定する。判定した結果は、タイミング1003以降に行われる車両の運転において、前述の始動時燃料制御他の制御に供される。
1002から、図13で説明したような燃料性状判定の所定の動作を行い、燃料正常を判定する。判定した結果は、タイミング1003以降に行われる車両の運転において、前述の始動時燃料制御他の制御に供される。
ここで、所定時間Aは、前述の車両が完全に静止状態であること、給油を行った場合はその後であること、車両が熱的に安定した状態であること、が満たされるように適宜選定されている。車両の実使用状態で、所定時間経過すれば、車両が完全に静止状態であり、給油の実行が終了し、熱的に安定した状態になると判断できれば、本処理の例が適用できる。
以上説明した処理のフロー図を、図17に示す。まず、ステップ1701において、エンジン停止状態であるかを判別する。具体的には車両電源投入状態か、を判別する等がある。ここで、エンジン停止状態にない場合はフローを終了するが、エンジン停止状態にある場合はステップ1702に進み、エンジン停止状態の時間を計測する。具体的には、エンジン停止状態にないときに0を設定し、ステップ1702において所定時間ごとにカウントアップするタイマを起動する等がある。
次のステップ1703では、計測している時間が所定時間に至ったか、を判定する。ここで所定時間とは、図10のAのことである。計測時間が所定時間Aに至るまでは計測時間が計測され、所定時間Aに至ったときはステップ1704に進み、燃料性状判定を起動するようにしている。
ここで、かかる燃料性状判定を実行するにあたり、車両の電源供給方法について、図
19を用いて説明する。図中の1903は、エンジンコントロールユニットのような演算手段であり、燃料性状判定手段1904を含んでいる。1903は、電源供給手段1901から電源の供給を受けているときに起動する。1901は、図10の車両電源投入がONであるとき、電源を供給するようにしている。その場合には、図10のタイミング1002では電源供給していないため、1904は起動できない。よって、図19では時間計測手段1902を設けている。1902は、図10の所定時間Aを計測し、タイミング1002以降燃料性状判定の動作が終了するまで、1901に対し電源供給を要求するようにしている。したがって、1904において燃料性状判定の動作が終了するまで電源が供給されるため、燃料性状判定の動作が可能となる。
19を用いて説明する。図中の1903は、エンジンコントロールユニットのような演算手段であり、燃料性状判定手段1904を含んでいる。1903は、電源供給手段1901から電源の供給を受けているときに起動する。1901は、図10の車両電源投入がONであるとき、電源を供給するようにしている。その場合には、図10のタイミング1002では電源供給していないため、1904は起動できない。よって、図19では時間計測手段1902を設けている。1902は、図10の所定時間Aを計測し、タイミング1002以降燃料性状判定の動作が終了するまで、1901に対し電源供給を要求するようにしている。したがって、1904において燃料性状判定の動作が終了するまで電源が供給されるため、燃料性状判定の動作が可能となる。
ここで、手段1901,1903は、車両全体の構成によりエンジンコントロールユニットの中に設けても良いし、エンジンコントロールユニット外に設けても良く、コスト等諸条件を考慮し適宜選定できる。
また、図10において燃料性状判定実施後、次回の車両電源投入タイミング1003までの間、図19で説明した方法では、1903に対し電源が供給されないため、判定した燃料性状がタイミング1003まで保持されない場合がある。かかる場合に対応するため、判定した燃料性状は不揮発性のメモリに記憶しておき、タイミング1003から開始する燃料制御において参照し用いるようにするのが良い。
さらに、燃料の給油を判定する手段を有する場合の制御例を、図11を用いて説明する。給油が実行された事は、例えば燃料タンク中の燃料の量を検出する手段があれば、燃料量の急増を検出することで給油を判定することが可能であるし、給油口を開いたことを検出する方法などが考えられる。
給油が図中に示すタイミングで実施されると、前述したような方法により、図中に示すタイミングで給油判定が成立する。したがって、燃料性状判定を実施するタイミングは、給油判定後に、車両が完全に静止状態であること、車両が熱的に安定した状態であることを満たすよう適宜設定する所定時間B経過後に燃料性状判定を実施するようにしている。
したがって、本処理によれば、車両が完全に静止状態であること、給油を行った場合はその後であること、車両が熱的に安定した状態であることを満たした状態で燃料性状判定を実行できる。
なお、かかる例を実施するために、給油判定手段は、車両電源投入ON,OFFに関わらず実施する構造としている。また、給油判定手段が、車両電源投入OFF時に電源供給を受けない場合においても、給油判定が可能な例について図16により説明する。例えば燃料タンク中の燃料の量を検出する手段があれば、給油判定手段が電源供給を受けなくなる直前の燃料量を不揮発性のメモリに記憶すれば、電源供給を受け始めた直後の燃料量を、該電源供給を受けなくなる直前の燃料量と比較し、該電源供給を受け始めた直後の燃料量が、該電源供給を受けなくなる直前の燃料量に対し有意に増加していれば、給油判定手段が電源供給を受けていない間に燃料供給があったことを知ることができる。よって、かかる方法によって、車両電源投入OFF後所定時間A経過後の、図中の給油判定成立のタイミングにおいて、図のように所定時間A中に給油が実行された場合には、給油を判定することができる。かかる方法によって燃料性状判定は、車両が完全に静止状態であること、給油を行った場合はその後であること、車両が熱的に安定した状態であることを満たした状態で燃料性状判定を実行できる。
さらに、燃料タンク内の燃料性状が変化する原因が主に給油による場合には、燃料性状判定は、給油が実行されたときのみに行えば十分であり、図16で説明した例によれば、燃料性状判定は給油判定が成立したときのみに実行するようにすれば、必要のない燃料性状判定の実行を防止することができる。
また、図10と図11において、それぞれ車両電源投入OFFからの所定時間と、給油判定成立後所定時間経過後に燃料性状判定を実施する例を説明したが、両者が並存する場合について、図12により説明する。前述のように、燃料性状判定を精度良く実行するためには、車両が完全に静止状態であること、給油を行った場合はその後であること、車両が熱的に安定した状態であることを満たす必要があるが、これらを確実に実現するためには、図10と図11のそれぞれの所定時間A,Bとも経過後とすると確実である。したがって、図12では、所定時間A,Bともに経過した時点で燃料性状判定を実施するようにしている。所定時間A経過とB経過のいずれが早く成立するかは車両の運転状態によって異なる。図では車両電源投入OFFが給油実施より遅い例であり、よって所定時間A経過成立が、所定時間B経過成立より遅いタイミングとなっている。給油実施が車両電源投入OFFより遅い場合には、所定時間B経過成立が、所定時間A経過成立より遅いタイミングとなり、かかる場合には所定時間B経過成立時点から燃料性状判定を実施する。
かかる動作のフローチャートは図18に示すものとなる。まず処理1801と処理1802によって、エンジン停止からの時間を計測する。すなわち、処理1802は処理1801の判定結果がYESのときに実行されるので、エンジン停止後の経過時間を計測することができる。
次に、図に示す処理の流れによって、処理1801,1802の結果とは独立に処理
1803,1804を実行する。すなわち、処理1801,1802の構成と同様の構成とし、給油判定成立からの経過時間を計測する。
1803,1804を実行する。すなわち、処理1801,1802の構成と同様の構成とし、給油判定成立からの経過時間を計測する。
その後、処理1805でエンジン停止後の経過時間が所定値以上経過したかを判定し、YESの場合は処理1806で給油判定後の経過時間が所定値以上経過したかを判定する。そして、処理1805,処理1806ともYESである場合に燃料性状判定を起動する。よって、処理1085,1806,1807によって、図12中の所定時間A,所定時間Bともに経過後に燃料性状判定を実施することができる。
また、前述の車両が完全に静止状態であること、給油を行った場合はその後であること、車両が熱的に安定した状態であることは、燃料性状判定を開始する時点で確認することも可能である。具体的には、図10のタイミング1002のタイミングであり、判定の具体的方法は、例えば燃料タンクの燃料量が安定しており、給油作業中でないこと、車両のエンジン水温,吸気温度,大気温度など、車両各部の温度が所定の関係にあり、熱的に安定した状態であること、車両の速度が0であり、車両が完全に静止状態であること、などが考えられる。
かかる条件が満たされている場合は燃料性状判定が精度良く行えるので、判定を実施すればよいが、かかる条件が満たされていない場合は、燃料性状判定を行っても精度が確保できない可能性があるため無意味である。したがって、かかる場合は燃料性状判定を行わなければよい。しかし、次回の始動時には燃料性状を把握しておく必要があるため、かかる場合には、図20に示すような処理を実行するのがよい。
すなわち、電源投入OFFから所定時間A経過後のタイミング2002において、前述の燃料性状判定実行可否の判定を行う。該判定には所定の時間を要する場合があり、図中のタイミング2003で終了する。ここで、燃料性状判定を実行不可と判定した場合は、さらに所定時間Bの経過を待ち、タイミング2004において、再び燃料性状判定実行可否の判定を行い、実行可能と判定すれば燃料性状を判定する。図はかかる場合を示している。ここで、タイミング2004で実施する燃料性状判定実行可否判定において、判定不可の判定となった場合には、再び所定時間Bの経過を待ち、燃料性状判定実行可否判定を繰り返すのが良いが、他の理由、例えば車両の電源供給能力などで燃料性状判定実行可否判定を繰り返すことが不可能な場合は、それを判定し所定時間Bの計測を行わない、燃料性状判定実行可否判定の試行回数に上限を設ける、などとするのが良い。
特に燃料を加熱することにより燃料の性状を判定する燃料性状判定装置に関し、燃料噴射制御に供する燃料性状を、必要なタイミングに精度良く提供する場合に適用できる。
101…吸気管、102…エアクリーナ、103…エアフロセンサ、104…スロットルセンサ、105…スロットルボディ、106…コレクタ、107…筒内噴射内燃機関、109…燃料ポンプ、111…高圧燃料ポンプ、112…インジェクタ、113…点火コイル、114…点火プラグ、115…コントロールユニット、116…カム角センサ、
117…クランク角センサ、118…空燃比センサ、201…I/O LSI、401…燃料室、402…燃料、403…ヒータ、404…逆止弁、405…開閉弁、406…圧力センサ、407…温度センサ。
117…クランク角センサ、118…空燃比センサ、201…I/O LSI、401…燃料室、402…燃料、403…ヒータ、404…逆止弁、405…開閉弁、406…圧力センサ、407…温度センサ。
Claims (5)
- 内燃機関の燃料を加熱する手段と、
前記加熱した燃料の温度と圧力に基づき、燃料の性状を判定する手段を有する車両の燃料性状判定装置において、
前記燃料性状の判定を、エンジン停止後の予め定める所定時間経過後に行うことを特徴とする車両の燃料性状判定装置。 - 請求項1に記載の車両の燃料性状判定装置において、前記検出した燃料性状の検出結果を、不揮発性のメモリに記憶し、該記憶値に基づいて、エンジン始動以降の燃料噴射制御を行うことを特徴とする車両の燃料性状判定装置。
- 請求項1に記載の車両の燃料性状判定装置において、前記装置は、さらに燃料給油判定手段を有し、燃料給油を判定してからエンジン始動の間に、燃料性状の判定を行うことを特徴とする車両の燃料性状判定装置。
- 請求項1に記載の車両の燃料性状判定装置において、前記装置は、さらに燃料性状判定装置の故障を検出する手段を有し、前記故障を検出する手段が故障を検出したとき、予め定める所定燃料性状を認識することを特徴とする車両の燃料性状判定装置。
- 請求項1に記載の車両の燃料性状判定装置において、前記装置は、さらに燃料性状判定の実行可否を判断する手段を有し、前記実行可否を判断する手段が燃料性状判定実行不可と判断したとき、さらに予め定める所定時間経過後に燃料性状判定を行うことを特徴とする車両の燃料性状判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005271285A JP2007085175A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 車両の燃料性状判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005271285A JP2007085175A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 車両の燃料性状判定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007085175A true JP2007085175A (ja) | 2007-04-05 |
Family
ID=37972421
Family Applications (1)
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JP2005271285A Pending JP2007085175A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 車両の燃料性状判定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007085175A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012172904A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃焼装置 |
-
2005
- 2005-09-20 JP JP2005271285A patent/JP2007085175A/ja active Pending
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JP2012172904A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃焼装置 |
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