JP2009222013A - 燃料吸い上げ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料の上澄みを吸い上げることにより、水分や異物の吸い上げが低減される燃料吸い上げ装置を提供する。
【解決手段】可撓性の管部材21の吸入端部24は、燃料タンク11に貯えられている燃料に浮遊するフロート22に保持されている。そのため、吸入端部24はフロート22とともに燃料の液面位置の上下に追従して燃料タンク11の内部を移動する。これにより、吸入端部24は、フロート22と一体に燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動可能である。したがって、吸入端部24からは常に燃料の液面に追従して燃料の上澄みが吸い上げられ、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げが低減される。
【選択図】図1
【解決手段】可撓性の管部材21の吸入端部24は、燃料タンク11に貯えられている燃料に浮遊するフロート22に保持されている。そのため、吸入端部24はフロート22とともに燃料の液面位置の上下に追従して燃料タンク11の内部を移動する。これにより、吸入端部24は、フロート22と一体に燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動可能である。したがって、吸入端部24からは常に燃料の液面に追従して燃料の上澄みが吸い上げられ、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げが低減される。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料タンクに貯えられている燃料を吸い上げる吸入端側に設けられている燃料吸い上げ装置に関する。
従来、燃料タンクには、貯えられた燃料を吸い上げるための燃料吸い上げ装置が設けられている(燃料タンクについて、例えば特許文献1参照)。燃料吸い上げ装置は、燃料タンクに貯えられている燃料を吸い上げるための吸入管が設けられている。吸入管の端部に形成されている吸入端部は、燃料タンクの内部において燃料タンクの底端すなわち底部から所定の高さの位置に設けられている。特に、燃料タンク内における燃料が減少、すなわち液面が低下した場合でも、吸入管は燃料を吸い上げる必要がある。そのため、吸入管の吸入端部は、燃料タンクの底部の近傍に固定されている。
特開平10−239132号公報
しかしながら、近年の燃料噴射装置は、高圧噴射および高精度噴射など、燃料噴射の精度向上が要求されている。すなわち、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射装置は、高圧の燃料を高精度で噴射する必要がある。そのため、燃料噴射装置を構成する燃料ポンプやインジェクタには、高い精度が要求されている。一方、これらの燃料噴射装置は、精度を向上するほど燃料に微量に含まれる水分や異物の影響を受けやすくなる。燃料タンクの底部には、燃料に含まれる水分や異物が堆積しやすい。そのため、吸入管の吸入端部を燃料タンクの近傍に設けると、底部に堆積した水分や異物を吸い上げやすくなるという問題がある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料の上澄みを吸い上げることにより、水分や異物の吸い上げが低減される燃料吸い上げ装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、燃料を吸い込む吸入端部は、フロートに保持されている。また、吸入端部は、可撓性の管部材によって配管部と接続している。これにより、吸入端部は、燃料に浮遊するフロートの浮き沈みに追従して燃料の液面に位置する。したがって、燃料の上澄みを吸い上げることができ、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げを低減することができる。
請求項2記載の発明では、フロートが燃料タンクの底端側へ移動したとき、この底端と吸入端部との間には隙間L(図1参照)が形成される。これにより、吸入端部は、燃料タンクの底端に接することがない。そのため、燃料タンクの底端に堆積している水分や異物は吸入端部から吸い込まれにくい。したがって、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げを低減することができる。
請求項3記載の発明では、フロートから底端側へ突出するリブを有している。リブが燃料タンクの底端に接することにより、フロートと底端との間、すなわち吸入端部と底端との間にはリブの長さに対応する隙間が形成される。したがって、吸入端部と燃料タンクの底端との間に燃料を吸い込み可能な隙間を形成することができるとともに、底端に堆積する水分や異物の吸い上げを低減することができる。
請求項3記載の発明では、フロートから底端側へ突出するリブを有している。リブが燃料タンクの底端に接することにより、フロートと底端との間、すなわち吸入端部と底端との間にはリブの長さに対応する隙間が形成される。したがって、吸入端部と燃料タンクの底端との間に燃料を吸い込み可能な隙間を形成することができるとともに、底端に堆積する水分や異物の吸い上げを低減することができる。
請求項4記載の発明では、リブは筒状の側壁部を有している。この側壁部には、径方向に貫く開口部が設けられている。そのため、筒状の側壁部の先端すなわちフロートとは反対側の端部が燃料タンクの底端に接しても、開口部を経由して側壁部の内側に燃料が流入する。これにより、吸入端部と底端との間における隙間の確保と燃料の流入とが図られる。したがって、水分や異物の吸い上げを低減しつつ、燃料の上澄みを確実に吸い上げることができる。
燃料タンクから吸い上げられた燃料は、大部分が内燃機関へ噴射される一方で余剰となった燃料の一部が燃料タンクへ還流される。請求項5記載の発明では、還流された燃料が吐出する吐出部を備えている。吐出部からは、燃料ポンプやインジェクタで余剰となった燃料が還流される。そのため、吐出部から還流される燃料は温度が高い。燃料は温度によって密度が変化するため、噴射量の精度を確保する観点から吸入端部から吸い上げられる燃料の温度は可能な限り一定であることが望ましい。すなわち、吐出部から還流された高温の燃料が吸入端部から吸い上げられると、粘性の差によってインジェクタから噴射される燃料の噴射量精度が低下するおそれがある。そこで、請求項5記載の発明では、リブは吐出部と対向する位置に側壁部を有している。すなわち、リブは、少なくとも吐出部と対向する位置に側壁部を有している。言い換えると、リブは、突出部と対向する位置に開口部を有していない。これにより、吐出部から還流された高温の燃料は、少なくとも側壁部を回り込んで吸入端部側へ流れ、吸入端部へ直接流れることがない。したがって、還流された高温の燃料の吸い上げを低減することができ、燃料の噴射量の精度を高めることができる。
請求項6記載の発明では、フロートは、板厚方向に貫く通気孔を有している。フロートに筒状のリブを設けることにより、燃料に含まれる空気や気化した燃料はフロートのリブ側に溜まる。溜まった気体は、フロートに浮力を与え、燃料の液面に追従するフロートの円滑な移動を妨げる。フロートに通気孔を設けることにより、フロートのリブ側に溜まった気体は通気孔を経由して逃がされる。したがって、フロートに保持された吸入端部は燃料の液面に追従して円滑に移動することができる。
請求項7、8または9記載の発明では、フロートの移動を案内するガイド部を備えている。したがって、フロートおよび吸入端部は安定して移動することができる。
請求項10記載の発明では、フロートには捕集部材が設けられている。捕集部材は、燃料に含まれる異物を捕集する。したがって、異物の吸い上げをより低減することができる。
請求項10記載の発明では、フロートには捕集部材が設けられている。捕集部材は、燃料に含まれる異物を捕集する。したがって、異物の吸い上げをより低減することができる。
以下、本発明の燃料吸い上げ装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料吸い上げ装置を適用した燃料タンクを図1に示す。燃料吸い上げ装置10を適用した燃料タンク11は、図示しない燃料噴射装置に供給される燃料を貯える。第1実施形態の場合、ディーゼルエンジンに適用される燃料噴射装置について説明する。なお、燃料吸い上げ装置10を適用した燃料タンク11は、ディーゼルエンジンに限らずガソリンエンジンに適用することもできる。ディーゼルエンジンに適用する燃料噴射装置の場合、燃料噴射装置は燃料ポンプ、コモンレールおよびインジェクタなどを有している。燃料ポンプは、燃料吸い上げ装置10を経由して燃料タンク11から吸い上げた燃料を加圧してコモンレールへ吐出する。コモンレールは、燃料ポンプで加圧された燃料を蓄圧状態で貯える。インジェクタは、コモンレールに貯えられた高圧の燃料を、ディーゼルエンジンの燃焼室へ噴射する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料吸い上げ装置を適用した燃料タンクを図1に示す。燃料吸い上げ装置10を適用した燃料タンク11は、図示しない燃料噴射装置に供給される燃料を貯える。第1実施形態の場合、ディーゼルエンジンに適用される燃料噴射装置について説明する。なお、燃料吸い上げ装置10を適用した燃料タンク11は、ディーゼルエンジンに限らずガソリンエンジンに適用することもできる。ディーゼルエンジンに適用する燃料噴射装置の場合、燃料噴射装置は燃料ポンプ、コモンレールおよびインジェクタなどを有している。燃料ポンプは、燃料吸い上げ装置10を経由して燃料タンク11から吸い上げた燃料を加圧してコモンレールへ吐出する。コモンレールは、燃料ポンプで加圧された燃料を蓄圧状態で貯える。インジェクタは、コモンレールに貯えられた高圧の燃料を、ディーゼルエンジンの燃焼室へ噴射する。
燃料タンク11は、底端側の底部12、上端側の天部13、蓋部14および側壁部15を有している。底部12、天部13および側壁部15は一体の容器状に形成されている。天部13は、一部に開口を有しており、この開口を蓋部14が密閉している。また、天部13には、注入部16が一体に設けられている。燃料は、注入部16を経由して外部から燃料タンク11の内部へ注入される。
燃料タンク11には、配管部17およびリターン配管部18が設けられている。配管部17は、燃料タンク11と図示しない外部の燃料ポンプとを接続している。リターン配管部18は、図示しない外部の燃料ポンプ、コモンレールおよびインジェクタなどと燃料タンク11とを接続している。燃料噴射装置の燃料ポンプ、コモンレールおよびインジェクタなどで余剰となった燃料は、リターン配管部18を経由して燃料タンク11へ還流される。配管部17およびリターン配管部18は、燃料タンク11の蓋部14を貫いている。これにより、配管部17およびリターン配管部18の端部は、燃料タンク11の内部に位置している。リターン配管部18の端部は、還流された燃料を吐出する吐出部19を形成している。
燃料タンク11には、配管部17およびリターン配管部18が設けられている。配管部17は、燃料タンク11と図示しない外部の燃料ポンプとを接続している。リターン配管部18は、図示しない外部の燃料ポンプ、コモンレールおよびインジェクタなどと燃料タンク11とを接続している。燃料噴射装置の燃料ポンプ、コモンレールおよびインジェクタなどで余剰となった燃料は、リターン配管部18を経由して燃料タンク11へ還流される。配管部17およびリターン配管部18は、燃料タンク11の蓋部14を貫いている。これにより、配管部17およびリターン配管部18の端部は、燃料タンク11の内部に位置している。リターン配管部18の端部は、還流された燃料を吐出する吐出部19を形成している。
燃料吸い上げ装置10は、管部材21、フロート22およびリブ23を有している。管部材21は、一方の端部が配管部17に接続している。すなわち、管部材21の一方の端部は、配管部17の燃料タンク11側の端部に接続している。管部材21は、他方の端部が燃料タンク11の内部に開放している。燃料は、この管部材21の開放している側の端部から管部材21に吸い上げられる。これにより、管部材21の開放している側の端部は、吸入端部24を形成している。管部材21は、可撓性を有する金属あるいは樹脂により形成されている。管部材21は、可撓性を有する材料により、例えば渦巻き状に形成されている。そのため、管部材21の吸入端部24は、燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動可能である。
フロート22は、燃料タンク11の内部に貯えられている燃料に浮遊可能である。フロート22は、板状に形成されている。フロート22は、板厚方向に貫く穴部25を有している。管部材21は、吸入端部24側がこのフロート22の穴部25を貫いている。管部材21は、フロート22に固定されている。これにより、管部材21の吸入端部24は、フロート22によってフロート22の底部12側に保持されている。
フロート22は、燃料タンク11の内部に貯えられている燃料に浮遊可能である。フロート22は、板状に形成されている。フロート22は、板厚方向に貫く穴部25を有している。管部材21は、吸入端部24側がこのフロート22の穴部25を貫いている。管部材21は、フロート22に固定されている。これにより、管部材21の吸入端部24は、フロート22によってフロート22の底部12側に保持されている。
リブ23は、フロート22の底部12側に設けられている。第1実施形態の場合、リブ23はフロート22と一体に形成されている。リブ23は、フロート22から底部12側に伸びている。リブ23は、内部に空間を形成する筒状の側壁部26を有している。リブ23は、フロート22と反対側の端部が開口した筒状である。リブ23は、円筒状に形成してもよく、角筒状に形成してもよい。リブ23は、周方向の一部に筒状の側壁部26を貫いて外周側と内周側とを接続する開口部27を有している。リブ23の外周側の燃料は、開口部27を経由してリブ23の内周側へ流入する。開口部27は、図2に示すように底部12側の端部とフロート22との間に設けてもよく、図3に示すように側壁部26の底部12側の端部からフロート22側へ伸びて設けてもよい。
リブ23は、フロート22と反対側の端部28が燃料タンク11の底部12の内壁に接触可能である。リブ23の端部28が底部12の内壁に接したとき、底部12とフロート22との間にはリブ23によって所定の距離すなわちリブ23の長さに対応する距離が確保される。また、管部材21の吸入端部24は、リブ23の端部28とフロート22との間に位置している。そのため、リブ23の端部28が底部12の内壁に接したとき、吸入端部24と底部12の内壁との間には所定の隙間Lが確保される。
フロート22は、穴部25に加えて通気孔29を有している。通気孔29は、フロート22を板厚方向に貫いている。これにより、リブ23の内周側は、通気孔29を経由してフロート22の外側に接続している。フロート22とリブ23との間に形成された空間に溜まった空気や気化した燃料の気泡は、通気孔29を経由して外側に排出される。これにより、フロート22とリブ23との間に形成される空間に気体が溜まらない。
フロート22に保持されている吸入端部24は、燃料タンク11の内部における燃料の液面位置の変化によって図1の上下すなわち底部12と天部13との間を移動する。燃料タンク11に貯えられている燃料は、リブ23の開口部27を経由して側壁部26の内側へ流入し、吸入端部24から吸い上げられる。燃料タンク11の内部における燃料が減少し、燃料の液面位置が底部12に近づくと、リブ23の端部28は底部12の内壁に接する。これにより、リブ23と一体のフロート22は、底部12側への移動が規制される。これとともに、フロート22に保持されている管部材21の吸入端部24も、底部12側への移動が規制される。上述のように吸入端部24は、リブ23の端部28よりもフロート22側に保持されている。そのため、リブ23の端部28が底部12の内壁に接しているとき、吸入端部24と底部12の内壁との間には所定の隙間Lが確保される。
第1実施形態では、リブ23を構成する側壁部26は、リターン配管部18の吐出部19側に設けられている。すなわち、リブ23の側壁部26は、リターン配管部18の吐出部19と対向する側を遮っている。言い換えると、リブ23の開口部27は、リターン配管部18の吐出部19と対向する位置に設けられていない。リターン配管部18は、上述のように燃料噴射装置の燃料ポンプ、コモンレールあるいはインジェクタで余剰となった燃料が還流される。そのため、リターン配管部18から還流される燃料の温度は、燃料タンク11に貯えられている燃料の温度よりも高い。燃料は温度によって粘性が変化するため、温度が変化すると、インジェクタから噴射される燃料の噴射量に影響を与える。したがって、燃料タンク11から吸い上げられる燃料は、可能な限り温度の変化が小さいことが望ましい。
リターン配管部18の吐出部19側にリブ23の側壁部26を設けることにより、リターン配管部18の吐出部19と管部材21の吸入端部24との間には側壁部26が位置する。そのため、リターン配管部18の吐出部19から吐出された高温の燃料は、側壁部26によって吸入端部24側への移動が妨げられる。すなわち、吐出部19から吐出された燃料は、吸入端部24側へ流れるとき、側壁部26を回り込まなければならない。その結果、リターン配管部18の吐出部19から吐出された高温の燃料は、管部材21の吸入端部24から吸い上げられにくくなる。
以上説明したように、第1実施形態では、フロート22に保持されている管部材21の吸入端部24は、フロート22とともに燃料タンク11に貯えられている燃料の液面に浮遊している。これにより、吸入端部24は、燃料の液面位置の上下に追従して燃料タンク11の内部を移動する。そのため、吸入端部24は、フロート22とともに燃料の液面の近傍に位置する。また、管部材21は、可撓性がある材料で図1の上下方向へ変形可能な形状に形成されている。そのため、管部材21は、フロート22の移動にともなって天地方向の全長が変化する。これにより、吸入端部24は、フロート22と一体に燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動可能である。したがって、吸入端部24からは常に燃料の液面に追従して燃料の上澄みを吸い上げることができ、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げを低減することができる。
また、第1実施形態では、リブ23が燃料タンク11の底部12の内壁に接したとき、フロート22と底部12の内壁との間にリブ23の長さに対応する隙間が確保される。また、フロート22に保持されている管部材21の吸入端部24も、底部12の内壁との間に隙間Lが確保される。そのため、液面位置の低下にともないフロート22が底部12側へ移動し、リブ23の端部28が底部12の内壁に接しているときでも、吸入端部24のさらなる底部12側への移動が低減される。このように吸入端部24と底部12の内壁との間に隙間Lを確保することにより、燃料タンク11の底部12付近の燃料は、吸入端部24から吸い上げられない。したがって、燃料タンク11の底部12に堆積している水分や異物の吸入を低減することができる。
さらに、第1実施形態では、フロート22は通気孔29を有している。通気孔29は、フロート22とリブ23との間に形成される空間に溜まる気体を排出する。フロート22とリブ23との間に形成される空間には、燃料に含まれる空気や気化した燃料が気泡となって溜まる。気泡となって溜まった空気は、フロート22に浮力を与える。この浮力によってフロート22には天部13方向の力が加わり、フロート22およびフロート22に保持された吸入端部24の底部12側への移動が妨げられる。通気孔29を設けることにより、フロート22とリブ23との間に形成される空間に溜まる空気は通気孔29から排出される。したがって、フロート22に加わる不要な浮力を低減することができ、フロート22およびフロート22に保持された吸入端部24の円滑な移動を確保することができる。
さらに、第1実施形態では、リブ23の側壁部26をリターン配管部18の吐出部19と対向する側に設けている。これにより、還流された高温の燃料が吸入端部24から吸い上げられにくくなる。したがって、吸い上げられる燃料の温度の上昇が抑制され、燃料噴射装置における燃料噴射量の精度の低下を抑制することができる。
以上のように、第1実施形態では、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げが低減される。そのため、吸い上げられた燃料が供給される燃料噴射装置に対する水分や異物の流入が低減される。したがって、燃料噴射装置による高圧かつ高精度の燃料の噴射を達成することができる。
以上のように、第1実施形態では、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げが低減される。そのため、吸い上げられた燃料が供給される燃料噴射装置に対する水分や異物の流入が低減される。したがって、燃料噴射装置による高圧かつ高精度の燃料の噴射を達成することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料吸い上げ装置のフロートおよびリブを図4に示す。
第2実施形態では、リブ23はフロート22の周方向において一部に設けられている点で第1実施形態と異なる。すなわち、第1実施形態では、図2および図3に示すようにリブ23の側壁部26はフロート22の周方向へ連続する筒状に形成されている。これに対し、第2実施形態では図4に示すようにリブ23はフロート22の周方向において一部にのみ設けられている。リブ23は、底部12の内壁と接することによりフロート22と底部12の内壁との間、および吸入端部24と底部12の内壁との間の距離を確保している。そのため、リブ23は、その機能が確保されればフロート22の周方向へ連続して設けなくてもよい。
第2実施形態の場合も、リブ23の側壁部26をリターン配管部18の吐出部19側に設けることが望ましい。これにより、側壁部26は、吐出部19から吸入端部24への燃料の流れを遮ることができる。
本発明の第2実施形態による燃料吸い上げ装置のフロートおよびリブを図4に示す。
第2実施形態では、リブ23はフロート22の周方向において一部に設けられている点で第1実施形態と異なる。すなわち、第1実施形態では、図2および図3に示すようにリブ23の側壁部26はフロート22の周方向へ連続する筒状に形成されている。これに対し、第2実施形態では図4に示すようにリブ23はフロート22の周方向において一部にのみ設けられている。リブ23は、底部12の内壁と接することによりフロート22と底部12の内壁との間、および吸入端部24と底部12の内壁との間の距離を確保している。そのため、リブ23は、その機能が確保されればフロート22の周方向へ連続して設けなくてもよい。
第2実施形態の場合も、リブ23の側壁部26をリターン配管部18の吐出部19側に設けることが望ましい。これにより、側壁部26は、吐出部19から吸入端部24への燃料の流れを遮ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による燃料吸い上げ装置を図5に示す。
第3実施形態では、フロート22は、管部材21が貫く穴部25に加えてリターン配管部18が貫く案内穴部31を有している。案内穴部31は、内径がリターン配管部18の外径よりも大きい。そのため、リターン配管部18とフロート22との間には、隙間が形成される。これにより、フロート22は、リターン配管部18により径方向の移動が規制されるものの、リターン配管部18の延伸方向への移動が許容される。このように、フロート22の案内穴部31にリターン配管部18を挿入することにより、フロート22はリターン配管部18に案内されながら図5の上下方向へ移動可能である。
本発明の第3実施形態による燃料吸い上げ装置を図5に示す。
第3実施形態では、フロート22は、管部材21が貫く穴部25に加えてリターン配管部18が貫く案内穴部31を有している。案内穴部31は、内径がリターン配管部18の外径よりも大きい。そのため、リターン配管部18とフロート22との間には、隙間が形成される。これにより、フロート22は、リターン配管部18により径方向の移動が規制されるものの、リターン配管部18の延伸方向への移動が許容される。このように、フロート22の案内穴部31にリターン配管部18を挿入することにより、フロート22はリターン配管部18に案内されながら図5の上下方向へ移動可能である。
管部材21は、可撓性を有しているため、燃料の液面にしたがって図5の上下方向に移動するだけでなく液面に平行な移動も可能である。フロート22の案内穴部31にリターン配管部18を挿入することにより、フロート22の液面方向への移動は規制される。これにより、フロート22およびフロート22に保持された吸入端部24は、燃料の液面にしたがう上下方向への追従精度が向上する。したがって、フロート22およびフロート22に保持された吸入端部24は燃料タンク11の内部を燃料の液面に追従してより円滑に移動することができる。
また、第3実施形態では、案内穴部31の内径は、リターン配管部18の外径よりも大きい。そのため、フロート22とリターン配管部18との間には隙間が形成される。これによりフロート22の円滑な移動が確保されるだけでなく、フロート22とリブ23との間に溜まった気泡はこの隙間を経由して排出される。したがって、案内穴部31を通気孔として利用することができ、フロート22の円滑な移動を確保することができる。
また、第3実施形態では、案内穴部31の内径は、リターン配管部18の外径よりも大きい。そのため、フロート22とリターン配管部18との間には隙間が形成される。これによりフロート22の円滑な移動が確保されるだけでなく、フロート22とリブ23との間に溜まった気泡はこの隙間を経由して排出される。したがって、案内穴部31を通気孔として利用することができ、フロート22の円滑な移動を確保することができる。
(第4、第5実施形態)
本発明の第4実施形態、第5実施形態による燃料吸い上げ装置をそれぞれ図6または図7に示す。
第4実施形態では、図6に示すように燃料タンク11は、ガイド部41を有している。ガイド部41は、燃料タンク11の底部12から天部13側へ燃料タンク11の途中まで伸びている。ガイド部41は、内径がフロート22およびリブ23の外径よりもやや大きく形成されている。これにより、フロート22は、ガイド部41に案内されて燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動する。ガイド部41は、底部12側の端部近傍に開口部42を有している。燃料タンク11に貯えられている燃料は、開口部42を経由してガイド部41の内側へ流入する。なお、ガイド部41は、フロート22の外周側において全周を覆う必要はない。すなわち、フロート22の外周側において、周方向へ不連続な柱状のガイド部41を設け、フロート22の移動を案内する構成としてもよい。
本発明の第4実施形態、第5実施形態による燃料吸い上げ装置をそれぞれ図6または図7に示す。
第4実施形態では、図6に示すように燃料タンク11は、ガイド部41を有している。ガイド部41は、燃料タンク11の底部12から天部13側へ燃料タンク11の途中まで伸びている。ガイド部41は、内径がフロート22およびリブ23の外径よりもやや大きく形成されている。これにより、フロート22は、ガイド部41に案内されて燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動する。ガイド部41は、底部12側の端部近傍に開口部42を有している。燃料タンク11に貯えられている燃料は、開口部42を経由してガイド部41の内側へ流入する。なお、ガイド部41は、フロート22の外周側において全周を覆う必要はない。すなわち、フロート22の外周側において、周方向へ不連続な柱状のガイド部41を設け、フロート22の移動を案内する構成としてもよい。
第5実施形態では、図7に示すように燃料タンク11は、ガイド部43を有している。ガイド部43は、燃料タンク11の天部13側から底部12側へ燃料タンク11の途中まで伸びている。第4実施形態の場合、ガイド部43は蓋部14と一体に設けられている。ガイド部43は、内径がフロート22およびリブ23の外径よりもやや大きく形成されている。これにより、フロート22は、ガイド部43に案内されて燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動する。ガイド部43を蓋部14から底部12側へ形成することにより、ガイド部43の蓋部14と反対側の端部44と底部12との間には隙間が形成される。これにより、ガイド部43に開口部などを形成することなく、燃料タンク11に貯えられている燃料はガイド部43の内側へ流入する。
第4実施形態および第5実施形態では、フロート22は外周側に設けられているガイド部41またはガイド部43によって移動が案内される。したがって、フロート22およびフロート22に保持された吸入端部24は安定して移動することができる。
第4実施形態および第5実施形態では、フロート22は外周側に設けられているガイド部41またはガイド部43によって移動が案内される。したがって、フロート22およびフロート22に保持された吸入端部24は安定して移動することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による燃料吸い上げ装置を図8に示す。
第6実施形態では、図8に示すように燃料タンクは、ガイド部51を有している。ガイド部51は、燃料タンク11の天部13側から底部12側へ燃料タンク11の途中まで伸びている。ガイド部51は、棒状に形成されている。ガイド部51は、蓋部14と一体に形成されている。フロート22は、第3実施形態と同様に案内穴部52を有している。ガイド部51の外径は、案内穴部52の内径よりもやや小さく形成されている。これにより、フロート22は、ガイド部51に案内されて燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動する。ガイド部51は、底部12側の端部にストッパ53を有している。そのため、フロート22にリブを設けなくても、フロート22はストッパ53と接することにより底部12側への移動が規制される。これにより、吸入端部24の底部12側の移動も規制される。
本発明の第6実施形態による燃料吸い上げ装置を図8に示す。
第6実施形態では、図8に示すように燃料タンクは、ガイド部51を有している。ガイド部51は、燃料タンク11の天部13側から底部12側へ燃料タンク11の途中まで伸びている。ガイド部51は、棒状に形成されている。ガイド部51は、蓋部14と一体に形成されている。フロート22は、第3実施形態と同様に案内穴部52を有している。ガイド部51の外径は、案内穴部52の内径よりもやや小さく形成されている。これにより、フロート22は、ガイド部51に案内されて燃料タンク11の内部において底部12と天部13との間を移動する。ガイド部51は、底部12側の端部にストッパ53を有している。そのため、フロート22にリブを設けなくても、フロート22はストッパ53と接することにより底部12側への移動が規制される。これにより、吸入端部24の底部12側の移動も規制される。
第6実施形態では、フロート22は案内穴部52を貫くガイド部51によって移動が案内される。したがって、フロート22およびフロート22に保持された吸入端部24は安定して移動することができる。
なお、第6実施形態では、ガイド部51を蓋部14と一体に形成する例について説明したが、ガイド部51は底部12から天部13側へ伸びて燃料タンク11と一体に形成してもよい。
なお、第6実施形態では、ガイド部51を蓋部14と一体に形成する例について説明したが、ガイド部51は底部12から天部13側へ伸びて燃料タンク11と一体に形成してもよい。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による燃料吸い上げ装置を図9に示す。
第7実施形態では、図9に示すように下方リブ61および上方リブ62を有している。下方リブ61および上方リブ62は、フロート22と一体に形成されている。下方リブ61は、フロート22から底部12側へ伸びている。下方リブ61は、フロート22と反対側の端部が底部12の内壁と接することにより、フロート22の底部12側への移動を規制する。すなわち、下方リブ61は、第1実施形態におけるリブ23と同様の構成である。一方、上方リブ62は、フロート22から天部13側へ伸びている。上方リブ62は、フロート22と反対側の端部が天部13と接することにより、フロート22の天部13側への移動を規制する。
本発明の第7実施形態による燃料吸い上げ装置を図9に示す。
第7実施形態では、図9に示すように下方リブ61および上方リブ62を有している。下方リブ61および上方リブ62は、フロート22と一体に形成されている。下方リブ61は、フロート22から底部12側へ伸びている。下方リブ61は、フロート22と反対側の端部が底部12の内壁と接することにより、フロート22の底部12側への移動を規制する。すなわち、下方リブ61は、第1実施形態におけるリブ23と同様の構成である。一方、上方リブ62は、フロート22から天部13側へ伸びている。上方リブ62は、フロート22と反対側の端部が天部13と接することにより、フロート22の天部13側への移動を規制する。
第7実施形態の場合、フロート22は、可撓性の管部材71に固定されている。管部材71は、接続部72において配管部17の端部に固定されている。これにより、可撓性の管部材71は、配管部17との接続部72を支点として自由に揺動可能である。すなわち、管部材71は、燃料タンク11に貯えられている燃料の液面が変化すると、配管部17との接続部72を支点として円弧状に移動する。図9には、説明の簡単のため、フロート22と一体の下方リブ61が底部12の内壁に接した状態、およびフロート22と一体の上方リブ62が天部13の内壁に接した状態の双方を示している。
第7実施形態では、管部材71に吊り下げられたフロート22は、燃料の液面にしたがって燃料タンク11の内部を揺動する。したがって、吸入端部24からは常に燃料の液面に追従して燃料の上澄みを吸い上げることができ、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げを低減することができる。
第7実施形態では、管部材71に吊り下げられたフロート22は、燃料の液面にしたがって燃料タンク11の内部を揺動する。したがって、吸入端部24からは常に燃料の液面に追従して燃料の上澄みを吸い上げることができ、燃料に含まれる水分や異物の吸い上げを低減することができる。
(その他の実施形態)
上述の複数の実施形態では、吸入端部24から燃料を吸い上げる例について説明した。しかし、吸入端部24、リブ23の端部28または開口部27に異物を捕集する捕集部材を取り付けてもよい。捕集部材は、例えばメッシュ状の金属や樹脂、あるいは複数の孔を有する樹脂フィルムなどによって形成される。捕集部材を取り付けることにより、燃料に含まれている異物は捕集部材によって捕集され、吸入端部24から燃料とともに吸い上げられにくくなる。したがって、燃料タンク11から排出された燃料に含まれる異物によって燃料噴射装置が受ける影響を低減することができる。
上述の複数の実施形態では、吸入端部24から燃料を吸い上げる例について説明した。しかし、吸入端部24、リブ23の端部28または開口部27に異物を捕集する捕集部材を取り付けてもよい。捕集部材は、例えばメッシュ状の金属や樹脂、あるいは複数の孔を有する樹脂フィルムなどによって形成される。捕集部材を取り付けることにより、燃料に含まれている異物は捕集部材によって捕集され、吸入端部24から燃料とともに吸い上げられにくくなる。したがって、燃料タンク11から排出された燃料に含まれる異物によって燃料噴射装置が受ける影響を低減することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
図面中、10は燃料吸い上げ装置、11は燃料タンク、12は底部(底端)、17は配管部、19は吐出部、21、71は管部材、22はフロート、23はリブ、24は吸入端部、26は側壁部、27は開口部、29は通気孔、41、43、51はガイド部、61は下方リブ(リブ)を示す。
Claims (10)
- 燃料タンクの内部に設けられている燃料吸い上げ装置であって、
燃料を吸い込む吸入端部と、
前記燃料タンクの外部に接続する配管部と前記吸入端部とを接続する可撓性の管部材と、
前記吸入端部を保持し、前記吸入端部とともに前記燃料タンクの内部に貯えられている燃料に浮遊可能なフロートと、
を備えることを特徴とする燃料吸い上げ装置。 - 前記フロートが前記燃料タンクの底端側へ移動したとき、前記燃料タンクの底端と前記吸入端部との間に隙間を形成することを特徴とする請求項1記載の燃料吸い上げ装置。
- 前記フロートに設けられ、前記フロートから前記底端側へ突出するリブをさらに備えることを特徴とする請求項2記載の燃料吸い上げ装置。
- 前記リブは、前記フロートとは反対側が開口した筒状の側壁部と、前記側壁部の周方向の一部に径方向へ貫く開口部とを有することを特徴とする請求項3記載の燃料吸い上げ装置。
- 前記燃料タンクの内部に設けられ、前記燃料タンクの外部から前記燃料タンクへ還流する燃料が吐出する吐出部をさらに備え、
前記リブは、前記吐出部と対向する位置に前記側壁部を有することを特徴とする請求項4記載の燃料吸い上げ装置。 - 前記フロートは、板厚方向に貫き前記底端側の気体を逃がす通気孔を有することを特徴とする請求項4または5記載の燃料吸い上げ装置。
- 前記燃料タンクの底端側から上端側への前記フロートの移動を案内するガイド部をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の燃料吸い上げ装置。
- 前記ガイド部は、前記フロートの外周側に設けられ、前記燃料タンクの底端と上端との間に伸びていることを特徴とする請求項7記載の燃料吸い上げ装置。
- 前記ガイド部は、前記フロートを貫いて設けられ、前記燃料タンクの底端と上端との間に伸びていることを特徴とする請求項7記載の燃料吸い上げ装置。
- 前記フロートに設けられ、吸い上げられる燃料に含まれる異物を捕集する捕集部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載の燃料吸い上げ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008069844A JP2009222013A (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | 燃料吸い上げ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101270544B1 (ko) | 2011-01-04 | 2013-06-03 | 선보공업주식회사 | 헬리콥터 급유 시스템 |
CN110735744A (zh) * | 2019-09-17 | 2020-01-31 | 上海蓝魂环保科技有限公司 | 一种具有过滤作用的船舶燃料油供应系统 |
-
2008
- 2008-03-18 JP JP2008069844A patent/JP2009222013A/ja active Pending
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