JP2009180166A - オイルレベルゲージ付きの内燃機関 - Google Patents

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Tatsuhiro Terada
竜啓 寺田
Kazunori Ueno
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Abstract

【課題】錆の発生を抑制することのできるオイルレベルゲージ付きの内燃機関を提供する。
【解決手段】内燃機関10は、その内部および外部を連通する貫通孔22と、車両上方側の端部が内燃機関10の外部に向けて開口するように貫通孔22に取り付けられたサポートパイプ23と、同サポートパイプ23に一端が挿入されて固定されたガイドパイプ21と、サポートパイプ23およびガイドパイプ21の間をシールするOリング24とを有する。オイルレベルゲージ20がガイドパイプ21に挿入されて固定される。サポートパイプ23における上記Oリング24との接触部分より車両上方側の位置に、同サポートパイプ23の内部と外部とを連通する連通口26が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、オイルパン内のオイルを調べるためのオイルレベルゲージが設けられたオイルレベルゲージ付きの内燃機関に関するものである。
オイルレベルゲージが設けられる内燃機関には、その側壁に、同オイルレベルゲージを取り付けるための貫通孔が形成されている。オイルレベルゲージは、この貫通孔に挿入された状態で内燃機関に取り付けられており、同内燃機関に取り付けられた際にその先端がオイルパン内に備蓄されたオイルに浸かるようになっている。そして、こうした内燃機関では、一旦取り付けたオイルレベルゲージを取り外すとともに同オイルレベルゲージの先端に付着したオイルを目視することによって、オイルパン内のオイルの量や状態を確認することが可能になっている。
上記内燃機関としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この内燃機関には、その側壁に形成された貫通孔に、サポートパイプが挿入されて固定されている。また、このサポートパイプに、ガイドパイプが挿入されて固定されている。サポートパイプとガイドパイプとの間にはシール部材が設けられており、このシール部材により、サポートパイプとガイドパイプとの間隙を介した内燃機関の内部から外部へのガスやオイルの漏れがシールされる。
通常、上記サポートパイプやガイドパイプはその上方側の端部が内燃機関の外部に向けて開口するように配設される。そして、ガイドパイプにその機関外部側の端部からオイルレベルゲージが挿入されることによって、同オイルレベルゲージが内燃機関に取り付けられる。
特開2002−106317号公報
ところで上記内燃機関ではサポートパイプとガイドパイプとの間に隙間が形成されるために、サポートパイプの内面とガイドパイプの外面とシール部材とによって、上方が開口した空間が区画形成されることが避けられない。そして、ガイドパイプを伝って上記空間に水が流入したり同空間における水分の凝縮によって水が発生したりするなどして、そうした空間に水が溜まるようなことがあると、サポートパイプやガイドパイプに錆が発生してしまう可能性がある。こうした錆の発生は、例えばサポートパイプやガイドパイプの耐久性能の低下を招くなど、種々の不都合の発生原因となるおそれがあるために好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、錆の発生を抑制することのできるオイルレベルゲージ付きの内燃機関を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、機関内部および機関外部を連通する貫通孔と、上方側の端部が機関外部に向けて開口するように前記貫通孔に取り付けられたサポートパイプと、同サポートパイプに一端が挿入されて固定されたガイドパイプと、前記サポートパイプおよび前記ガイドパイプの間に配設されてそれらパイプ間をシールするシール部材とを有し、前記ガイドパイプにその機関外部側の端部からオイルレベルゲージが挿入されて取り付けられるオイルレベルゲージ付きの内燃機関において、前記サポートパイプの前記シール部材との接触部分より上方側の位置に、同サポートパイプの内部と外部とを連通する連通口が形成されることをその要旨とする。
上記構成では、サポートパイプの内面とガイドパイプの外面とシール部材によって、上方が開口した空間が区画形成されてしまう。上記構成によれば、そうした空間にガイドパイプを伝って水が流入したり同空間における水分の凝縮によって水が発生したりした場合に、サポートパイプに形成された連通口を介して上記空間内の水を該サポートパイプの外部に流出させることができる。そのため、上記空間の内部に水が溜まることを抑制することができ、錆の発生を抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオイルレベルゲージ付き内燃機関において、前記連通口は前記シール部材の配設部分に近接する位置に形成されることをその要旨とする。
上記構成によれば、前記シール部材の配設部分に近接する位置、すなわち前記空間の底部に近い位置に連通口が形成されるために、同空間内の水を好適にサポートパイプの外部に流出させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のオイルレベルゲージ付き内燃機関において、前記サポートパイプは上下方向に対して傾斜した方向に延設され、
前記シール部材はOリングであり、前記連通口は、前記サポートパイプの中心線と直交する面における同サポートパイプの仮想断面において最も下方側に位置する部分に形成されることをその要旨とする。
上記構成によれば、前記空間の中でも水が集まり易い部分に連通口を形成することができ、同空間内の水を好適にサポートパイプの外部に流出させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオイルレベルゲージ付き内燃機関において、前記内燃機関は車両に搭載されるものであり、前記上方側の位置は、前記車両が水平な路面に停止した状況での鉛直方向における上方側の位置であることをその要旨とする。
上記構成によれば、車両に搭載される内燃機関において前記空間の内部の水を外部に好適に流出させることができ、サポートパイプやガイドパイプにおける錆の発生を抑制することができる。
以下、本発明にかかるオイルレベルゲージ付きの内燃機関を具体化した一実施の形態について説明する。
図1および図2に、本実施の形態にかかる内燃機関の概略構成を示す。なお図2は、図1の矢印A方向から見た内燃機関の概略構成を示している。
図1および図2に示すように、内燃機関10は駆動源として車両1に搭載されるものである。内燃機関10の最も車両上方側の部分は、吸気バルブや排気バルブなどの動弁系(図示略)が内部に設けられたシリンダヘッド11によって構成されている。
シリンダヘッド11の車両下方側にはピストン(図示略)などが内部に設けられたシリンダブロック12が取り付けられており、このシリンダブロック12の車両下方側にはクランクシャフト13が支持されたクランクケース14が設けられている。
クランクケース14の車両下方側にはオイルパン15が取り付けられている。このオイルパン15の内部にはオイルが備蓄されており、このオイルがオイルポンプ(図示略)によって内燃機関10の各部に圧送されるようになっている。また、内燃機関10の各部において使用された後のオイルは、同内燃機関10の内部を流れ落ちてオイルパン15の内部に溜まるようになっている。
内燃機関10には、オイルパン15の内部のオイルの量や状態を調べるためのオイルレベルゲージ20が取り付けられている。具体的には、オイルパン15に連通されるガイドパイプ21が内燃機関10に取り付けられており、上記オイルレベルゲージ20は、ガイドパイプ21にその機関外部側の端部から挿入されて案内されることにより、その先端がオイルパン15内のオイルに浸かった状態で内燃機関10に取り付けることが可能になっている。
以下、オイルレベルゲージ20を取り付けるための構造について詳細に説明する。
図3に、ガイドパイプ21の一端が内燃機関10に固定されている部分およびその周辺の断面構造を拡大して示す。
同図3に示すように、内燃機関10のクランクケース14には、同クランクケース14の内部と外部とを連通する貫通孔22が形成されている。この貫通孔22には、サポートパイプ23が挿入された状態で固定されている。サポートパイプ23は、直線状に延びる管形状のものであり、車両下方側の端部がクランクケース14の内部に向けて開口するとともに車両上方側の端部が内燃機関10の外部に向けて開口するように設けられている。なお、サポートパイプ23の車両上方側の端部は先端に向かうほど内径が大きくなる、いわゆる漏斗形状に形成されている。
前記ガイドパイプ21は管形状のものである。このガイドパイプ21の車両下方側の端部はサポートパイプ23に挿入されており、同ガイドパイプ21の車両上方側の部分が内燃機関10(本実施の形態では、シリンダヘッド11の側壁)に固定されている(図1および図2参照)。そして、前記オイルレベルゲージ20は、ガイドパイプ21の車両上方側の端部から挿入されて取り付けられる。
サポートパイプ23とガイドパイプ21との間にはOリング24が取り付けられている。具体的には、ガイドパイプ21の車両下方側の端部の近傍にその外周面の周囲全周にわたって延びる円環形状の溝25が形成されており、この溝25にOリング24が嵌め込まれている。そして、このOリング24は、ガイドパイプ21の溝25の内面とサポートパイプ23の内面との間で前記Oリング24が挟持されている。このように配設されたOリング24によってサポートパイプ23とガイドパイプ21との間隙がシールされることにより、同間隙を通じてクランクケース14内のガスやオイルが内燃機関10の外部に漏れることが抑えられる。
ところで、本実施の形態にかかる内燃機関10では、ガイドパイプ21の外面とサポートパイプ23の内面とOリング24とによって、上方が開口した空間が区画形成されてしまう。そして、その空間にガイドパイプ21を伝って水が流入したり同空間における水分の凝縮によって水が発生したりするなどして、そうした空間に水が溜まるようなことがあると、ガイドパイプ21やサポートパイプ23に錆が発生してしまう可能性がある。
この点をふまえて、本実施の形態では、サポートパイプ23の上記Oリング24との接触部分より車両上方側の位置(詳しくは、車両1が水平な路面に停止した状況での鉛直方向における上方側の位置)に、同サポートパイプ23の内部と外部とを連通する連通口26が形成されている。
こうした連通口26を形成することにより、上記空間の内部に水が流入したり発生したりした場合に、同連通口26を介して上記空間内の水がサポートパイプ23の外部に流出するようになる。そのため、上記空間の内部に水が溜まることが抑制されて、サポートパイプ23やガイドパイプ21に錆が生じることが抑制されるようになる。
これにより、サポートパイプ23やガイドパイプ21の耐久性能の低下が抑制されるようになる。なお、ガイドパイプ21は交換されることのある部品であり、サポートパイプ23に錆が生じた状態でガイドパイプ21の交換作業が行われると、その交換に際して錆びた部分にOリング24が接触して損傷する可能性があり、場合によってはOリング24のシール機能が低下してしまうおそれもある。本実施の形態によれば、そうしたOリング24のシール機能の低下が抑制されるようになる。
また上記内燃機関10では、上記連通口26が、サポートパイプ23の上記Oリング24との接触部分より車両上方側の位置の中でも同Oリング24の配設部分(詳しくは、ガイドパイプ21の溝25が形成された部分)に近接する位置に形成されている。このように本実施の形態では、Oリング24の配設部分に近接する位置、すなわち上記空間の底部に近い位置に上記連通口26が形成される。これにより、上記空間の内部をその底部に向けて流れ落ちたり垂れ落ちたりした水が、同底部に近い部分に設けられた連通口26からサポートパイプ23の外部へと流出するようになる。そのため、サポートパイプ23における上記Oリング24の配設部分から遠い位置、すなわち車両上方側の位置に連通口が形成される内燃機関と比較して、上記空間の内部の水がサポートパイプ23の外部に好適に流出するようになる。
ここで、サポートパイプ23の中心線Lと直交する面Sにおける同サポートパイプ23の仮想断面を車幅方向(具体的には、図3における矢印B方向)から見た断面構造を図4に示す。
同図4に示すように、車両上下方向に対して傾斜した方向に延設されたサポートパイプ23にあって上記連通口26が、上記仮想断面(図4中に斜線で示す面)において最も車両下方側に位置する部分に形成される。この連通口26が形成される部分は、上述したOリング24の配設部分に近接する位置の中でも、サポートパイプ23の内面を水が伝い落ちる場合において同水が通過しやすい部分であり、また上記空間の底部に水が流れ落ちた場合において同水が集まり易い部分に近い部分である。このように本実施の形態にかかる内燃機関10では、上記空間の中でも水が集まり易い部分に連通口26が形成されるために、同空間内の水がサポートパイプ23の外部に好適に流出するようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)サポートパイプ23の上記Oリング24との接触部分より車両上方側の位置に、同サポートパイプ23の内部と外部とを連通する連通口26を形成するようにした。そのため、前記空間の内部に水が溜まることを抑制することができ、ガイドパイプ21やサポートパイプ23における錆の発生を抑制することができる。
(2)上記Oリング24の配設部分に近接する位置、すなわち上記空間の底部に近い位置に連通口26を形成するようにしたために、同空間内の水を好適にサポートパイプ23の外部に流出させることができる。
(3)連通口26を、サポートパイプ23の中心線Lと直交する面Sにおける同サポートパイプ23の仮想断面において最も車両下方側に位置する部分に形成するようにした。そのため、上記空間の中でも水が集まり易い部分に連通口26を形成することができ、同空間内の水をサポートパイプ23の外部に好適に流出させることができる。
(4)車両1に搭載される内燃機関10において上記空間の内部の水を外部に好適に流出させることができ、サポートパイプ23やガイドパイプ21における錆の発生を抑制することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・サポートパイプ23を固定するための貫通孔をシリンダブロック12に形成するようにしてもよい。
・サポートパイプ23における上記Oリング24の配設部分から若干離れた位置に連通口を形成するようにしてもよい。
・連通口26を、サポートパイプ23の中心線Lと直交する面Sにおける同サポートパイプ23の仮想断面において最も下方側に位置する部分以外の部分に形成するようにしてもよい。
・ガイドパイプ21とサポートパイプ23との間をシールするシール部材として、例えば液状ガスケットを塗布するなど、Oリング24以外のものを設けるようにしてもよい。
・本発明は、サポートパイプが車両上下方向に延設される内燃機関にも適用することができる。
・本発明は、車両に搭載される内燃機関の他、船舶に搭載される内燃機関や定置動力用の内燃機関にも適用することが可能である。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の部分断面構造を示す部分断面図。 図1の矢印A方向から見た内燃機関の側面構造を示す側面図。 ガイドパイプの固定部分およびその周辺の断面構造を拡大して示す断面図。 サポートパイプの中心線と直交する面における同サポートパイプの仮想断面を図3の矢印B方向から見た断面構造を示す断面図。
符号の説明
1…車両、10…内燃機関、11…シリンダヘッド、12…シリンダブロック、13…クランクシャフト、14…クランクケース、15…オイルパン、20…オイルレベルゲージ、21…ガイドパイプ、22…貫通孔、23…サポートパイプ、24…Oリング、25…溝、26…連通口。

Claims (4)

  1. 機関内部および機関外部を連通する貫通孔と、上方側の端部が機関外部に向けて開口するように前記貫通孔に取り付けられたサポートパイプと、同サポートパイプに一端が挿入されて固定されたガイドパイプと、前記サポートパイプおよび前記ガイドパイプの間に配設されてそれらパイプ間をシールするシール部材とを有し、前記ガイドパイプにその機関外部側の端部からオイルレベルゲージが挿入されて取り付けられるオイルレベルゲージ付きの内燃機関において、
    前記サポートパイプの前記シール部材との接触部分より上方側の位置に、同サポートパイプの内部と外部とを連通する連通口が形成される
    ことを特徴とするオイルレベルゲージ付きの内燃機関。
  2. 請求項1に記載のオイルレベルゲージ付き内燃機関において、
    前記連通口は前記シール部材の配設部分に近接する位置に形成される
    ことを特徴とするオイルレベルゲージ付きの内燃機関。
  3. 請求項1または2に記載のオイルレベルゲージ付き内燃機関において、
    前記サポートパイプは上下方向に対して傾斜した方向に延設され、
    前記シール部材はOリングであり、
    前記連通口は、前記サポートパイプの中心線と直交する面における同サポートパイプの仮想断面において最も下方側に位置する部分に形成される
    ことを特徴とするオイルレベルゲージ付きの内燃機関。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のオイルレベルゲージ付き内燃機関において、
    前記内燃機関は車両に搭載されるものであり、
    前記上方側の位置は、前記車両が水平な路面に停止した状況での鉛直方向における上方側の位置である
    ことを特徴とするオイルレベルゲージ付きの内燃機関。
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