JP2009221873A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】NOx触媒においてアンモニアを生成し、且つ当該アンモニアを吸着触媒に吸着させる内燃機関の排気浄化システムにおいて、吸着触媒におけるアンモニアの吸着量を充分に確保し、NOxの選択還元能を向上させることのできる技術を提供する。
【解決手段】吸蔵還元型NOx触媒6および吸着酸化触媒7を通過する通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下であるときに、吸蔵還元型NOx触媒6においてアンモニアが生成され、且つ添加された燃料の少なくとも一部が吸蔵還元型NOx触媒6からすり抜けるように、燃料添加弁8に燃料を添加させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関、特に希薄燃焼を行う内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化する吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)を具備した排気浄化システムが公知である。このNOx触媒は、同触媒の周囲雰囲気が酸化雰囲気のときにNOxを吸蔵し、還元雰囲気のときに吸蔵しているNOxを還元する。また、NOx触媒の周囲雰囲気を還元雰囲気にすべく、NOx触媒よりも上流を流れる排気に燃料を添加する方法が公知である。
近年、排気エミッションを向上させるため、NOx触媒の下流に排気成分の吸着能を有する吸着触媒を配置する技術も提案されている。この技術では、NOx触媒に吸蔵されているNOx、或いは排気中のNOxからアンモニアを同触媒において生成させる。そして、このアンモニアを吸着触媒に吸着させることで、排気中のNOxを選択的に還元することができる。
特開2005−127257号公報 特表平11−511227号公報 特開2005−264927号公報 特開2005−163586号公報
吸着触媒におけるNOxの選択還元能を向上させるには、アンモニアの吸着量を充分に確保する必要がある。しかしながら、NOx触媒および吸着触媒を通過する通過ガス量が多いときに、NOx触媒においてアンモニアを生成させようとしても、アンモニアの吸着量を充分に確保することができない場合があった。すなわち、アンモニアを生成するためには、NOx触媒にリッチ度合いの高い還元雰囲気を形成し、且つ還元剤としての燃料とNOxとの反応時間を充分に確保する必要がある。しかしながら、通過ガス量が多いとそれが困難となり、アンモニアの生成量が不足する虞がある。
また、通過ガス量が多いと、吸着触媒に対して供給されるアンモニアのうち、吸着触媒をすり抜けるアンモニアの量が多くなり、吸着触媒に充分な量のアンモニアを吸着させることが困難となる。また、通過ガス量が多いと、排気中の酸素をNOx触媒において充分に消費することができず、酸素が比較的多く残存する排気が吸着触媒に流入する場合がある。その結果、吸着触媒に吸着されているアンモニアが酸素と反応することによって酸化され、NOxとして大気中に放出される虞がある。以上のように、従来においては、吸着触媒においてアンモニアの吸着量を充分に確保することが困難となり、NOxの選択還元能が低下するという実情があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、NOx触媒においてアンモニア生成し、且つ当該アンモニアを吸着触媒に吸着させる内燃機関の排気浄化システムにおいて、吸着触媒におけるアンモニアの吸着量を充分に確保し、NOxの選択還元能を向上させることのできる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、以下の手段を
採用する。
すなわち、内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の排気通路に設けられ、少なくとも排気中の燃料成分およびアンモニアの吸着能を有する吸着触媒と、
当該吸蔵還元型NOx触媒よりも上流を流れる排気に燃料を添加する燃料添加手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒周囲を還元雰囲気にすべく、前記燃料添加手段に燃料を添加させて当該吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の空燃比を低下させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記吸蔵還元型NOx触媒および前記吸着触媒を通過する通過ガス量が基準ガス量以下であるときに、当該吸蔵還元型NOx触媒においてアンモニアが生成され、且つ燃料の少なくとも一部が当該吸蔵還元型NOx触媒からすり抜けるように前記燃料添加手段に燃料を添加させる制御(以下、「NH生成・HCすり抜け制御」という)を実行することを特徴とする。
NH生成・HCすり抜け制御の実行によって、NOx触媒においてアンモニアが生成されると、このアンモニアは下流に配置される吸着触媒に供給および吸着される。これによれば、吸着触媒に流入する排気に含まれるNOxを、吸着しているアンモニアを還元剤として選択的に還元し、浄化することができる。
ここで、通過ガス量が多いときにNOx触媒でアンモニアを生成させても、吸着触媒におけるアンモニアの吸着率が低下し、生成されたアンモニアの多くが吸着触媒をすり抜けてしまう可能性が高い。アンモニアの吸着率とは、吸着触媒に吸着可能なアンモニアの吸着量を、同触媒に流入するアンモニアの総流入量で除した値で表すことができる。そこで、本発明では、通過ガス量が基準ガス量以下となる場合にNH生成・HCすり抜け制御を行い、上記不具合を解消することとした。
本発明における基準ガス量は、NH生成・HCすり抜け制御の実行の可否を判断するときの基準となる通過ガス量であり、同制御の実行が許容される通過ガス量の上限値と言うこともできる。また、基準ガス量は、NH生成・HCすり抜け制御を実行するに際して、吸着触媒におけるアンモニアの吸着率を高く維持するための観点から定めることができる。例えば、アンモニア吸着率の許容値を予め定めておくこともできる。そして、当該吸着率がその許容値以上となるような通過ガス量の上限値を実験的に求め、その値を基準ガス量として設定することもできる。
本発明では、NOx触媒を通過する排気の体積速度が低い状態で燃料添加手段による燃料添加を行うことができるので、NOx触媒の周囲に還元雰囲気が形成される期間をより長くすることができる。つまり、添加された燃料とNOxとの反応時間をより長く確保することができるので、NOx触媒におけるアンモニアの生成量を増やすことができる。
また、本発明においては、NOx触媒から燃料がすり抜ける程度の過剰な燃料がNOx触媒に対して供給されるので、NOx触媒の周囲雰囲気におけるリッチ度合いを、より高めることができる。その結果、NOx触媒におけるアンモニアの生成量を増やすことができる。なお、本発明においてアンモニアの生成の為に用いられるNOxは、NOx触媒に吸蔵されているNOxの他、NOx触媒に流入する排気に含まれるNOxも包含される。
上記のように、NOx触媒において大量に生成されたアンモニアは吸着触媒に供給される。その際、通過ガス量が基準ガス量以下に維持されているので、吸着触媒におけるアンモニアの吸着率は高く、供給されるアンモニアのうち大部分のアンモニアを吸着触媒に吸着させることができる。その結果、NOxの選択還元能を向上することができる。また、アンモニアが吸着触媒を多量にすり抜ける虞がないので、排気エミッションを向上するこ
とができる。
ここで、吸着触媒に流入する排気中の酸素、或いはNH生成・HCすり抜け制御の実行前(例えば、内燃機関の希薄燃焼運転時など)に吸着触媒に吸着された酸素について考える。吸着触媒に吸着されたアンモニアと酸素とが共存してしまうと、このアンモニアが酸化されてしまう可能性が高まる。その結果、アンモニアがNOxに変換され、NOxとして大気中に放出されてしまう。そうすると、NOxの選択還元能が低下するばかりか、排気エミッションが悪化する原因と成り得る。
これに対して、本発明では、以下の点から上記不具合を抑制することができる。すなわち、本発明におけるNH生成・HCすり抜け制御は、内燃機関から排出される排気の流量が少ないときに行われるため、排気がNOx触媒に流入する時点において、排気中の酸素の絶対量を少なくすることができる。その上、同制御の実行時には、NOx触媒の周囲にリッチ度合いの高い還元雰囲気が長期に亘り形成されるので、NOx触媒において排気中の酸素を好適に消費することができる。
さらに、燃料添加手段によって添加された燃料の一部はNOx触媒からすり抜けるため、当該燃料をアンモニアと共に吸着触媒に供給させることができる。ここで、通過ガス量は非常に少ないため吸着触媒における燃料の吸着率は高く維持されている。燃料の吸着率とは、吸着触媒に吸着可能な燃料の吸着量を同触媒に流入する燃料の総流入量で除した値で表すことができる。従って、吸着触媒に供給された燃料が多量に吸着触媒をすり抜けてしまう虞はない。
これによれば、もともと吸着触媒に酸素が吸着し、あるいは同触媒に流入する排気中に酸素が残存している場合であっても、吸着触媒に吸着させた燃料と酸素とを反応させることで、アンモニアが酸化されることを抑制することができる。その結果、吸着触媒に吸着したアンモニアがNOxとして放出されることを抑制し、アンモニアの吸着量を充分に確保することができる。
以上のように、本発明においてはNH生成・HCすり抜け制御を実行することによって、NOx触媒においてアンモニアを大量に生成することができる。また、吸着触媒に供給されたアンモニアが吸着触媒をすり抜け、あるいは酸化によってNOxとして放出されること抑制することができる。これにより、吸着触媒におけるアンモニアの吸着量を充分に確保できるので、吸着触媒におけるNOxの選択還元能を向上させることができる。また、吸着触媒に供給されたアンモニア、燃料が多量に大気中に放出されることがないので、排気エミッションを向上させることができる。
また、本発明においては、通過ガス量を変更可能なガス量変更手段を、さらに備え、制御手段は、内燃機関の運転状態が通過ガス量を基準ガス量以下に低減できる所定の低流量化可能状態であり、且つ通過ガス量が基準ガス量より多い場合に、ガス量変更手段に通過ガス量を基準ガス量以下に低減させてNH生成・HCすり抜け制御を実行しても良い。
これによれば、通過ガス量が基準ガス量より多い場合であっても、通過ガス量を基準ガス量以下にすることができるので、好適にNH生成・HCすり抜け制御を実行し、上記作用効果を奏することができる。なお、所定の低流量化可能状態としては、内燃機関の減速運転時、アイドル運転時、機関停止時、低負荷〜中負荷運転時等を例示できる。
また、本発明においては、NOx触媒よりも上流の排気通路に排気中の燃料成分を改質する改質触媒が備えられ、且つ燃料添加手段は当該改質触媒よりも上流を流れる排気に燃料を添加すると好適である。
そうすると、燃料添加手段により排気中に添加された燃料は改質触媒によって軽質化されるので、NOxの還元剤として好適なH、COを燃料から生成することができる。これにより、NH生成・HCすり抜け制御の実行に際してアンモニアの生成量をより好適に増やすことができる。また、通過ガス量が非常に少なくなる条件下においても、燃料を軽質化されることによって当該燃料を確実に吸着触媒まで到達させることができる。つまり、吸着触媒に燃料を確実に供給し、吸着させることができる。
ここで、NOx触媒に吸蔵されているNOx吸蔵量が過度に少ない場合には、NH生成・HCすり抜け制御を実行した場合に、所望される目標量のアンモニアを生成することができない可能性がある。そこで、本発明における制御手段は、NOx触媒に吸蔵されているNOx吸蔵量が目標量のアンモニアを生成するために要求される量(以下、「下限吸蔵量」という)以上である場合に、NH生成・HCすり抜け制御を実行すると好適である。
上記の目標量とはアンモニアを生成する際の目標とする量であり、予め求めておくことができる。本発明によれば、NOx吸蔵量が下限吸蔵量以上である場合に限りNH生成・HCすり抜け制御が実行されるので、確実に目標量のアンモニアをNOx触媒において生成することができる。
また、本発明において、制御手段がNH生成・HCすり抜け制御を実行する場合に、通過ガス量が基準ガス量より多いときと比較して、NOx触媒に流入する排気の空燃比が低くなるように燃料添加手段に燃料を添加させると好適である。そうすることによって、NOx触媒周囲のリッチ度合いがより一層高まるからである。これによれば、NOx触媒におけるアンモニアの生成量、およびNOx触媒からの燃料のすり抜け量を更に増加させることができる。その結果、吸着触媒におけるNOxの選択還元能、および排気エミッションを更に向上させることができる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明にあっては、NOx触媒においてアンモニアを生成し、且つ当該アンモニアを吸着触媒に吸着させる内燃機関の排気浄化システムにおいて、吸着触媒におけるアンモニアの吸着量を充分に確保し、NOxの選択還元能を向上させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明における第1の実施例について説明する。図1は本実施例におけるエンジン1と、その吸排気系の概略構成を示した図である。図1に示すエンジン1は、4サイクル・ディーゼルエンジンである。
エンジン1には吸気管2および排気管3(排気通路)が接続されており、この排気管2は図示しないマフラーに接続されている。吸気管2の途中には、該吸気管2内を流通する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ4が設けられている。このエアフロ
ーメータ4により、エンジン1への吸入空気量が測定される。また、吸気管2におけるエアフローメータ4よりも下流側には、吸気管2の流路断面積を変更可能なスロットル弁5が設けられている。スロットル弁5は、その弁開度が制御される事で、吸気管2を流れる吸気の流量が調節される。
排気管3の途中には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」という)6が備えられている。NOx触媒6は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元成分(例えば、燃料等)が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を有する。
排気管3におけるNOx触媒6の下流には、排気成分の吸着能および酸化能を有する吸着酸化触媒7が備えられている。本実施例における吸着酸化触媒7の詳しい機能、作用は後述するが、当該吸着酸化触媒7は、少なくとも排気中の燃料成分(HC)およびアンモニア(NH)の吸着能および酸化能を有する。
NOx触媒6よりも上流の排気管3には、排気中に燃料(HC)を添加する燃料添加弁8が設置されている。また、エンジン1には、該エンジン1の気筒内に、燃焼に供される燃料を供給する燃料噴射弁9が備えられている。
また、エンジン1には、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じて運転状態を制御するための電子制御ユニットであるECU(Electronic Control Unit)10が併設され
ている。このECU10は、エンジン1の制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成される。
上記ECU10には、エアフローメータ4の他、エンジン1のクランク角を検出するクランクポジションセンサ11や、アクセルペダルの踏み込み量に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ12等が電気配線を介して接続され、これらの出力信号がECU10に入力される。また、ECU10には、スロットル弁5、燃料添加弁8、燃料噴射弁9等が電気配線を介して接続され、これらがECU10によって制御される。ECU10は、クランクポジションセンサ11の出力値に基づいて機関回転数を検出し、アクセル開度センサ12の出力値に基づいてエンジン1の機関負荷を検出することができる。
次に、燃料添加弁8から排気中に燃料を添加する燃料添加制御について説明する。この燃料添加制御はECU10により実行される。ここで、NOx触媒6のNOx吸蔵容量には限りがあるため、NOx吸蔵量が当該吸蔵容量に達する前にNOx触媒6に吸蔵されているNOxを還元させるNOx還元処理が行われる。NOx還元処理では、燃料添加弁8から還元剤としての燃料を排気中に添加させることにより、NOx触媒6に流入する排気空燃比A/Fを低下させ、且つ還元剤としての燃料を供給する。
NOx触媒6には、NOxの他、排気中の硫黄酸化物(SOx)が吸蔵される。NOx触媒6に吸蔵されたSOxはNOxよりも放出され難く、NOx触媒6に蓄積されてしまう。その結果、SOxが吸蔵されている分だけNOxの吸蔵能が低下する硫黄被毒(SOx被毒)が起こる。そこで、NOx触媒6を高温(例えば600乃至650℃程度)まで昇温すると共に排気空燃比A/Fを低下させてSOx被毒を解消するSOx被毒回復処理が行われる。
燃料添加制御において、排気空燃比A/Fを低下させる際の目標となる目標空燃比A/Ftは、理論空燃比(ストイキ)〜リッチ空燃比の範囲で設定される。そして、ECU1
0は、機関回転数、機関負荷、吸入空気量を検出し、これらをパラメータとしてECU10のROMに予め記憶している燃料添加量マップへとアクセスし、燃料添加弁8に添加させる燃料添加量Qadを算出することができる。そして、ECU10は、算出された燃料添加量Qadを添加させるために必要な燃料添加弁8の開弁時間を算出し、燃料添加弁8の開閉についての制御を行う。本実施例においては燃料添加弁8が本発明における燃料添加手段に相当し、燃料添加制御を実行するECU10が本発明における制御手段に相当する。
なお、本実施例では、燃料添加弁8から燃料を排気管3に添加させて排気空燃比A/Fを低下させる実施形態について説明するが、エンジン1から排出される排気の空燃比を低下させることで排気空燃比A/Fを低下させる、いわゆる燃焼リッチ制御を行っても良い。また、燃料添加弁8による燃料添加と燃焼リッチ制御とを併せて実行することにより排気空燃比A/Fを目標空燃比A/Ftまで低下させても良い。燃焼リッチ制御を行う場合には、例えば燃料噴射弁9から主噴射を行った後の膨張行程若しくは排気行程中に再度燃料を噴射するポスト噴射を行うことによって、エンジン1から排出される排気の空燃比を低下させても良い。
次に、本実施例における吸着酸化触媒7について詳しく説明する。本実施例では、吸着酸化触媒7にアンモニアを吸着させることにより、排気中のNOxを選択的に還元する選択還元触媒として吸着酸化触媒7を機能させる。すなわち、本実施例では、燃料添加弁8からの燃料添加制御によってNOx触媒6に吸蔵されているNOxをNに還元する他、NOx触媒6に吸蔵されているNOx或いはNOx触媒6に流入する排気中のNOxからアンモニアを生成させる。このようにNOx触媒6において生成されたアンモニアは、排気の流れによって吸着酸化触媒7へと供給される。そして、吸着酸化触媒7にアンモニアを吸着させておくことで、吸着酸化触媒7に流入してくる排気中のNOxを還元することができる。
吸着酸化触媒7におけるNOxの選択還元能を向上させるには、アンモニアの吸着量を充分に確保する必要がある。しかしながら、NOx触媒6および吸着酸化触媒7を通過する通過ガス量(以下、単に「通過ガス量」という)が多いと、アンモニアの吸着量を充分に確保することが困難となる。その理由として、第一に、アンモニアを生成するためには、NOx触媒6の周囲をリッチ度合いの高い還元雰囲気に維持し、且つ燃料とNOxとの反応時間を充分に確保する必要がある。しかしながら、通過ガス量が多いとそれが困難となり、アンモニアの生成量自体が不足する可能性が高まる。
第二に、通過ガス量が多いと、吸着酸化触媒7に対して供給されるアンモニアのうち吸着酸化触媒7をすり抜けるアンモニアの量が多くなってしまう。第三に、通過ガス量が多いと酸素が残存したままの排気が吸着酸化触媒7に流入してしまう。その結果、吸着酸化触媒7に吸着されたアンモニアが酸化され、NOxとして排出されてしまう。
本実施例では上記不具合を解消するため、ECU10は、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下であるときに燃料添加弁8からの燃料添加を行い、NOx触媒6においてアンモニアを生成させ、且つ添加された燃料の少なくとも一部をNOx触媒6からすり抜けさせる制御(以下、「NH生成・HCすり抜け制御」という)を実行する。
基準ガス量VEbは、NH生成・HCすり抜け制御の実行の可否を判断するときの基準となる通過ガス量VEであり、同制御の実行が許容される通過ガス量VEの上限値である。例えば、基準ガス量VEbは、吸着酸化触媒7にアンモニアを供給する場合のアンモニアの吸着率が許容値以上に維持できるような通過ガス量VEの上限値を実験的に求めておき、その上限値を基準ガス量VEbとして採用することができる。アンモニアの吸着率
は、吸着酸化触媒7に吸着可能なアンモニアの吸着量を同触媒に流入するアンモニアの総流入量で除した値で表すことができる。また、上記許容値は予め実験等により適合値を求めておくことが可能である。
また、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下であるか否かの判定はECU10によって行われる。通過ガス量VEは、エンジン1への吸入空気量と相関がある。従って、ECU10は、エアフローメータ4の出力値に基づいて通過ガス量VEを測定することで、上記判定を行うことができる。なお、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下となる状況として、エンジン1の減速運転時、アイドル運転時、低負荷〜中負荷運転時、エンジン停止時等が想定できる。そして、ECU10は、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下であると判定された場合に、NOx触媒6においてアンモニアが生成し且つ添加燃料の一部がNOx触媒6からすり抜けるように、燃料添加弁8から燃料を添加させる。
図2は、燃料添加制御に係る燃料添加量Qadと通過ガス量VEとの関係を例示したマップである。図中の縦軸は燃料添加量Qadを表し、横軸は通過ガス量VEを表す。本実施例において燃料添加量Qadと通過ガス量VEとの関係は、通過ガス量VEが多いほど燃料添加量Qadが多くなる。通過ガス量VEが多いほど、排気空燃比A/Fを目標空燃比A/Ftまで低下させるためにより多くの燃料添加量Qadが必要となるからである。
ここで、燃料添加量Qadと通過ガス量VEとの関係を示すLは、通過ガス量VEが基準ガス量VEbのときを境に傾きが変化している。ここで、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下のときをL1、基準ガス量VEbよりも多いときをL2で表す。L1はNH生成・HCすり抜け制御の実行時における通過ガス量VEと燃料添加量Qadとの関係を表し、L2は同制御の非実行時における通過ガス量VEと燃料添加量Qadとの関係を表すことになる。なお、NH生成・HCすり抜け制御の非実行時における燃料添加量Qadとは、NOx触媒6において積極的にアンモニアの生成を行わず、NOx還元処理やSOx被毒回復処理等に係る燃料添加制御が実行されるときに燃料添加弁8から添加される燃料添加量である。
図中においてL1とL2とを比較すると、通過ガス量VEに対する燃料添加量Qadの割合は前者(L1)の方が高い。つまり、本実施例では、ECU10がNH生成・HCすり抜け制御を実行する場合に、通過ガス量VEが基準ガス量VEbより多いときと比較して、排気空燃比A/Fが低くなる(リッチになる)ように燃料添加弁8から燃料を添加させる。なお、図2において図示したL1、L2との傾きの差は適宜変更することができる。また、図中のL1、L2は直線的に表されているが、曲線的に表されても良い。
このように、NH生成・HCすり抜け制御の実行時には、同制御非実行時に比べて目標空燃比A/Ftをリッチ側に設定することで、NOx触媒6の周囲に一層リッチ度合いの高い還元雰囲気を形成することができる。その上、NOx触媒6を通過する排気の体積速度は低く維持されるため、添加された燃料とNOxとの反応時間が長く確保される。その結果、NOx触媒6において生成されるアンモニアの生成量を増やすことができる。
NH生成・HCすり抜け制御の実行時に添加された添加燃料は、NOx触媒6に吸蔵されているNOxの還元、アンモニアの生成に使用され、残りの一部がNOx触媒6をすり抜ける。NH生成・HCすり抜け制御においては、燃料添加弁8から過剰な燃料を添加させることで、同制御の非実行時に比べてNOx触媒6からの燃料のすり抜け量を増加させることができる。
このように、NOx触媒6をすり抜けた燃料、およびアンモニアは吸着酸化触媒7に供給される。その際、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下に維持されているので、吸着
酸化触媒7における燃料およびアンモニアの吸着率は高い。従って、NOx触媒6をすり抜けた燃料、およびアンモニアの殆どが吸着酸化触媒7に吸着される。吸着酸化触媒7における燃料の吸着率は、吸着酸化触媒7に吸着可能な燃料の吸着量を、同触媒に流入する燃料の総流入量で除した値で表すことができる。これによれば、吸着酸化触媒7から多量のアンモニア、あるいは燃料がすり抜ける虞がなく、エミッションを向上することができる。
次に、本制御において、添加燃料の一部をNOx触媒6からすり抜けさせ、吸着酸化触媒7に吸着させる狙いについて説明する。エンジン1はディーゼルエンジンであるため、吸着酸化触媒7には、エンジン1の希薄燃焼運転時において排出された排気中の酸素が多く吸着されている。このような状態で、吸着酸化触媒7にアンモニアを吸着させても、このアンモニアが酸化されてしまいNOxとして放出されてしまう。その結果、アンモニアの吸着量が減少しNOxの選択還元能が低下するばかりか、排気エミッションが悪化することが懸念される。
そこで、本実施例におけるNH生成・HCすり抜け制御では、添加燃料をアンモニアと共に吸着酸化触媒7に供給、吸着させることで、上記不具合が生じることを抑制する。すなわち、吸着酸化触媒7に吸着されている酸素、および排気中に残存し新たに吸着酸化触媒7に流入する酸素を、吸着酸化触媒7に吸着させた燃料と反応させることで、アンモニアの酸化を抑制する。その結果、アンモニアの吸着量の確保、および排気エミッションの向上を実現することができる。
更に、NH生成・HCすり抜け制御は、エンジン1から排出される排気の流量が少ないときに行われるため、排気がNOx触媒6に流入する時点において、排気中の酸素の絶対量は少ない。その上、NOx触媒6周囲には非常にリッチ度合いの高い還元雰囲気が長期に亘り形成されるため、NOx触媒6に流入した排気中の酸素の多くを同触媒上で消費させることができる。これによれば、吸着酸化触媒7においてアンモニアが酸化することをより好適に抑制することができる。
以上のように、本実施例におけるNH生成・HCすり抜け制御では、NOx触媒6においてアンモニアを大量に生成し、吸着触媒6にこのアンモニアを供給することが可能である。また、吸着酸化触媒7に供給されたアンモニアが吸着酸化触媒7をすり抜けたり、酸化されることによってNOxとして放出されること抑制できる。これにより、吸着酸化触媒7におけるアンモニアの吸着量を充分に確保でき、吸着酸化触媒7におけるNOxの選択還元能を向上させることができる。
次に、本発明における第2の実施例について説明する。図3は、本実施例におけるエンジン1と、その吸排気系の概略構成を示した図である。ここで、図1に示した構成と同等の構成については、同一符号を付すことで説明を割愛する。図3に示すように、本実施例における排気浄化システムでは、排気管3における燃料添加弁8とNOx触媒6と間には、燃料添加弁8からの添加燃料を改質する燃料改質触媒13が設けられている。燃料改質触媒13は、燃料(炭化水素:HC)を部分酸化させてHやCOを生成する機能を有する。本実施例においては燃料改質触媒13が本発明における改質触媒に相当する。
燃料改質触媒13の外径は排気管3の内径よりも小さい。つまり、燃料改質触媒13における排気の流れ方向と垂直方向の断面積は、排気管3における排気の流れ方向と垂直方向の断面積よりも小さい。このような構成により、燃料改質触媒13の外周面と排気管3の内周面との間を排気が流れる構成となっている。
また、本実施例における燃料添加弁8は、燃料の噴射孔が燃料改質触媒13の上流側端面と対向するように燃料改質触媒13に近接して配置されている。これにより、燃料添加弁8からの燃料を効率良く燃料改質触媒13に供給し、燃料の軽質化・改質を行うことができる。
次に、本実施例におけるNH生成・HCすり抜け制御の特徴について説明する。本実施例において、ECU10は、エンジン1の運転状態が、通過ガス量VEを基準ガス量VEb以下に低減できる低流量化可能状態(所定の低流量化可能状態)であるかどうかを判定する。そして、エンジン1の運転状態が低流量化可能状態であり、且つ通過ガス量VEが当該基準ガス量VEbより多い場合に、スロットル弁5の開度を減少させて通過ガス量VEを基準ガス量VEb以下に低減させる。本実施例においてはスロットル弁5が本発明におけるガス量変更手段に相当する。なお、本実施例では、低流量化可能状態としてエンジン1の減速運転時、アイドル運転時を例として説明する。
図4は、第一のNH生成・HCすり抜け制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、エンジン1の稼働時に所定周期毎にECU10により実行される。本ルーチンが実行されると、ステップS101において、エンジン1の運転状態が低流量化可能状態であるか否かが判定される。具体的には、エンジン1が減速運転中、またはアイドル運転中であるかどうかが判定される。そして、エンジン1が減速運転中、またはアイドル運転中である場合にはステップS102に進み、そうでないと判定された場合には本ルーチンを一旦終了する。
ここで、エンジン1の運転状態が減速運転中であるかどうか、またアイドル運転中であるかどうかの判定は、公知の方法によって検出することができる。例えば、ECU10は、アクセル開度センサ12の出力値に基づいてアクセルペダルの踏み込み量や、ブレーキ開度センサ(不図示)の出力値に基づいてブレーキペダルの踏み込み量を検出し、これらの検出結果に基づいてエンジン1が減速運転中かどうかを判断することができる。また、例えば車速を検出する車速センサ(不図示)からの出力値と、上記ブレーキ開度センサから出力値とに基づいて、エンジン1がアイドル運転中であるかどうかを判断することができる。なお、これらは例示であり他の種々の方法を採用することができる。
ステップS102では、エアフローメータ4の出力値に基づいて通過ガス量VEを取得し、通過ガス量VEが基準ガス量VEbよりも多いか否かが判定される。ここで、肯定判定された場合(VE>VEb)には、通過ガス量VEを減少させる必要があると判断され、ステップS103に進む。一方、否定判定された場合(VE≦VEb)には、通過ガス量VEを減少させる必要がないと判断され、ステップS104に進む。
ステップS103では、ステップS102で取得された通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下となるように、現在のスロットル弁5の開度に基づいてスロットル弁5の開度を減少させる目標値(以下、「目標絞り量」という)を算出する。そして、ECU10は、スロットル弁5を、上記目標絞り量だけ閉弁方向に制御する。
ステップS104では、図2に示したマップを参照し、燃料添加弁8から添加させる燃料添加量Qadを算出する。ここで、上記ステップS102において否定判定されていた場合には、ステップS102で取得した通過ガス量VEの値を上記マップに代入して燃料添加量Qadを算出することができる。また、ステップS103においてスロットル弁5が閉弁方向に制御された場合には、当該閉弁制御された後における通過ガス量VEを推定、或いは再び通過ガス量VEを取得し、その値を上記マップに代入して燃料添加量Qadを算出することができる。
ステップS105では、ECU10が燃料添加弁8に指令を出し、ステップS104において算出された燃料添加量Qadに基づいて燃料添加制御を実行する。そして、本ステップの処理が終了すると、本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本制御によればエンジン1の運転状態が低流量化可能状態である場合には、通過ガス量VEが当該基準ガス量VEbより多い場合であっても、スロットル弁5の開度を減少させて通過ガス量VEを基準ガス量VEb以下に低減させることができる。これにより、NOx触媒6においてアンモニアを大量に生成し、このアンモニアを燃料と共に吸着触媒7に対して供給できる。
本実施例では添加燃料を燃料改質触媒13において軽質化することができるので、NOx触媒6に対して還元性の高いHやCOをより多く供給することが可能である。その結果、アンモニアの生成量の更なる増加とNOx触媒6から流出する排気中の酸素量の更なる低減を実現できる。また、液体の添加燃料を軽質化することによって、通過ガス量VEが非常に少ない状態であっても確実に添加燃料を吸着酸化触媒7まで到達させることができる。
その結果、吸着酸化触媒7に吸着されるアンモニアの吸着量を充分に確保することが可能となり、吸着酸化触媒7におけるNOxの選択還元能を好適に向上させることができる。従って、エンジン1が減速運転状態、またはアイドル運転状態から加速した際に、NOx触媒6をすり抜けてきたNOxを吸着酸化触媒7において確実に浄化させることができる。
なお、本実施例においては、エンジン1の低流量化可能状態として減速運転時、アイドル運転時を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン1の運転状態が低負荷〜中負荷運転状態である場合においても、上記低流量化可能状態であると判定することもできる。この場合に、エンジン1の機関負荷と通過ガス量VEとの関係を実験等によって求めておき、低流量化可能状態として判定され得る機関負荷の上限値を設定しておくと好適である。そうすれば、アクセル開度センサ12の出力値に基づいて機関負荷を検出し、その検出結果値と上記上限値との対比によって、運転状態が低流量化可能状態であるかどうかを好適に判定できる。
なお、本実施例においては、スロットル弁5の開度を減少させて通過ガス量VEを減少させているが、その他の方法で通過ガス量VEを減少させても良いのは勿論である。例えば、本排気浄化システムにおいて、NOx触媒6よりも上流の排気管3を流れる排気の一部を吸気管2に再循環させる再循環装置(EGR装置)を備えていても良い。その場合には、再循環ガス(EGRガス)を増量させることによって通過ガス量VEを減少させても良い。例えば、上記EGR装置は、燃料添加弁8の上流の排気管3および吸気管2を接続するEGR管と、EGR管を流れる排気の流量を調節可能なEGR弁とを有している場合、EGR弁の開度を増加させることによって通過ガス量VEを減少させることができる。なお、EGR管と排気管3とが燃料添加弁8よりも上流の部分で接続されることで、燃料添加弁8から添加された燃料が吸気管2に再循環されるのを抑制できる。
次に、本発明における第3の実施例について説明する。本実施例においては、適用対象となるエンジン1や、その他ハードウェアの基本構成については、実施例2と共通であり、その説明を割愛する。本実施例におけるNH生成・HCすり抜け制御はエンジン1を停止させる時に実行されることを特徴とする。すなわち、エンジン1に対してエンジン停止指令が出され、燃料噴射弁9からエンジン1の気筒への燃料供給が停止される際に、NH生成・HCすり抜け制御を実行する。
また、本実施例においては、NOx触媒6に吸蔵されているNOx吸蔵量Qnoxを推定し、推定されたNOx吸蔵量Qnoxが下限吸蔵量Qnoxm以上である場合に、NH生成・HCすり抜け制御を実行することとした。NOx吸蔵量Qnoxが過度に少ない場合には、NH生成・HCすり抜け制御において所望される量のアンモニアを生成することが困難となるからである。下限吸蔵量Qnoxmとは、目標量のアンモニアを生成するために要求されるNOx吸蔵量Qnoxである。NOx触媒6にて生成させるアンモニアの目標量、およびこれに対応する下限吸蔵量Qnoxmは予め実験等によって求めておくことができる。
図5は、第二のNH生成・HCすり抜け制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、エンジン1の稼働時に所定周期毎にECU10により実行される。
本ルーチンが実行されると、ステップS201において、エンジン1に対してエンジン停止指令が出されているか否かが判定される。具体的には、イグニッション(IG)のON/OFFを検出するイグニッションスイッチ(不図示)からの出力信号に基づき、イグニッションのOFFが検出されたか否かが判定される。本ステップにおいて、肯定判定された場合(IG−OFF)には、ステップS202に進む。一方、肯定判定された場合(IG−ON)には、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS202では、NOx触媒6に吸蔵されているNOx吸蔵量Qnoxを推定し、推定されたNOx吸蔵量Qnoxが下限吸蔵量Qnoxm以上であるか否かを判定する。本ステップにおいて、肯定判定された場合(Qnox≧Qnoxm)には、ステップS203に進む。一方、否定判定された場合(Qnox<Qnoxm)には、NOx触媒6において目標量のアンモニアを生成することが困難であると判断されるため、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS203では、エアフローメータ4の出力値に基づいて通過ガス量VEを取得し、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下であるか否かが判定される。本ステップにおいて、肯定判定された場合(VE≦VEb)には、ステップS204に進む。一方、否定判定された場合(VE>VEb)には、再びステップS203に戻る。すなわち、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下となるまでステップS203の処理が繰り返される。
ここで、上述したステップS201では、エンジン1のイグニッションのOFFが検出されているため、ステップS203において取得された通過ガス量VEは基準ガス量VEb以下になっている可能性が高い。エンジン1のイグニッションがOFFされる直前の運転状態としてはアイドル運転であることが多いからである。なお、ステップS203において否定判定された場合には、第一のNH生成・HCすり抜け制御ルーチンで説明したステップS103の処理の様に、通過ガス量VEが基準ガス量VEb以下となるようにスロットル弁5を閉弁方向に制御することもできる。これにより、ステップS203の処理が肯定判定(VE≦VEb)されるため、ステップS204に進むことになる。
ステップS204では、ステップS203で取得した通過ガス量VEをパラメータとして図2に示したマップを参照し、燃料添加弁8に添加させる燃料添加量Qadを算出する。ステップS205では、ECU10が燃料添加弁8に指令を出し、ステップS204において算出された燃料添加量Qadに基づいて燃料添加制御を実行する。続くステップS206では、ECU10が燃料噴射弁9に指令信号を出力し、エンジン1への燃料の供給停止(フューエルカット)を実行させる。その結果、エンジン1が停止する。本ステップの処理が終了すると、本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本制御によれば、NOx触媒6におけるNOx吸蔵量Qnoxが下限吸蔵量Qnoxm以上であるときに限りNH生成・HCすり抜け制御が実行されるので、NOx触媒6において目標量のアンモニアを確実に生成することができる。その結果、エンジン1が再始動された際に、NOx触媒6をすり抜けてきたNOxを吸着酸化触媒7において確実に浄化することができる。
なお、上記制御では、エンジン1のフューエルカットを実行する直前にNH生成・HCすり抜け制御に係る燃料添加を行っているがこれらの順番を入れ替えたり、燃料添加のタイミングをその他の異なるタイミングに変更しても構わない。例えば、上述したステップS203〜S205までの一連の処理を行う前にステップS206の処理、エンジン1のフューエルカットを実行しても良い。この場合には、エンジン1のクランクシャフト(出力軸)が停止するまでの過渡状態や、このクランクシャフトが完全に停止した直後に燃料添加弁8からの燃料添加が行われることになる。このように、通過ガス量VEが極めて低い状態(排気の流れが殆ど内状態)であっても、本実施例においては燃料添加弁8から添加された燃料を吸着酸化触媒7へと好適に供給することが可能である。これは、燃料添加弁8から添加された燃料を燃料改質触媒13において気化膨脹させることによって、この燃料が吸着酸化触媒7に到達し易くなるからである。このように、通過ガス量VEが極めて低い状況下で燃料添加制御を行う場合には、添加燃料を燃料改質触媒13において気化膨脹させることは、極めて有効と考えられる。
なお、本実施例においては、エンジン1に対しエンジン停止指令が出されているか否かを、イグニッション(IG)のON/OFFに基づいて判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン1が搭載される車両が、いわゆるアイドリングストップ機能を有するエコラン車や、ハイブリッド車である場合には、車両の一時停車時等にエンジン1が自動で停止される場合がある。また、ハイブリッド車においては、車両の走行中であっても、その走行条件によってエンジン1が自動で停止される場合がある。このように、エンジン1が自動停止される場合においても本発明を適用することができるのは勿論である。
実施例1におけるエンジンと、その吸排気系の概略構成を示した図である。 燃料添加制御に係る燃料添加量Qadと通過ガス量VEとの関係を例示したマップである。 実施例2におけるエンジンと、その吸排気系の概略構成を示した図である。 第一のNH生成・HCすり抜け制御ルーチンを示したフローチャートである。 第二のNH生成・HCすり抜け制御ルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
1・・・エンジン
2・・・吸気管
3・・・排気管
4・・・エアフローメータ
5・・・スロットル弁
6・・・吸蔵還元型NOx触媒
7・・・吸着酸化触媒
8・・・燃料添加弁
9・・・燃料噴射弁
10・・ECU
11・・クランクポジションセンサ
12・・アクセル開度センサ
13・・燃料改質触媒

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の排気通路に設けられ、少なくとも排気中の燃料成分およびアンモニアの吸着能を有する吸着触媒と、
    当該吸蔵還元型NOx触媒よりも上流を流れる排気に燃料を添加する燃料添加手段と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒周囲を還元雰囲気にすべく、前記燃料添加手段に燃料を添加させて当該吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の空燃比を低下させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記吸蔵還元型NOx触媒および前記吸着触媒を通過する通過ガス量が基準ガス量以下であるときに、当該吸蔵還元型NOx触媒においてアンモニアが生成され、且つ燃料の少なくとも一部が当該吸蔵還元型NOx触媒からすり抜けるように前記燃料添加手段に燃料を添加させる制御を実行することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記通過ガス量を変更可能なガス量変更手段を、さらに備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の運転状態が前記通過ガス量を前記基準ガス量以下に低減できる所定の低流量化可能状態であり、且つ当該通過ガス量が当該基準ガス量より多い場合に、前記ガス量変更手段に当該通過ガス量を当該基準ガス量以下まで低減させて前記制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記吸蔵還元型NOx触媒よりも上流の排気通路に排気中の燃料成分を改質する改質触媒が備えられ、且つ前記燃料添加手段は当該改質触媒よりも上流を流れる排気に燃料を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記制御手段は、前記吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されているNOx吸蔵量が目標量のアンモニアを生成するために要求される量以上である場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記制御手段が前記制御を実行する場合に、前記通過ガス量が前記基準ガス量より多いときと比較して、前記排気の空燃比が低くなるように前記燃料添加手段に燃料を添加させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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