JP2009221312A - 付加型シリコーン接着剤組成物 - Google Patents

付加型シリコーン接着剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2009221312A
JP2009221312A JP2008065931A JP2008065931A JP2009221312A JP 2009221312 A JP2009221312 A JP 2009221312A JP 2008065931 A JP2008065931 A JP 2008065931A JP 2008065931 A JP2008065931 A JP 2008065931A JP 2009221312 A JP2009221312 A JP 2009221312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
addition
formula
natural number
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008065931A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5131464B2 (ja
Inventor
Takashi Akeda
隆 明田
Hiroyasu Hara
寛保 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2008065931A priority Critical patent/JP5131464B2/ja
Publication of JP2009221312A publication Critical patent/JP2009221312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5131464B2 publication Critical patent/JP5131464B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】より低温で短時間での接着発現を可能とする、エラストマー状硬化物(シリコーンゴム硬化物)を与える付加型シリコーン接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)一分子中に2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、
(D)下記式(1)で表される化合物、
Figure 2009221312

(x、yは0〜6の自然数で、x+yは1〜6。nは1〜10の自然数。)
(E)ニトリル化合物、
(F)接着付与成分
を配合してなる付加型シリコーン接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、より低温で、短時間での接着発現を可能とする、エラストマー状硬化物(シリコーンゴム硬化物)を与える付加型シリコーン接着剤組成物に関する。
従来の付加硬化型シリコーン接着剤は、硬化させる際に温度を必要とし、その温度も100℃以上である。この条件では温度条件を管理した装置の導入、維持管理などが発生する。また温度を一定に保つためにエネルギーも必要となる。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特公平7−039571号公報 特許第3663324号公報 特開2007−131750号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、より低温(例えば60℃以下)で短時間での接着発現を可能とする、エラストマー状硬化物(シリコーンゴム硬化物)を与える付加型シリコーン接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、接着向上剤として、下記一般式(1)
Figure 2009221312
(式中、xは0〜6の自然数、yは0〜6の自然数で、x+yは1以上6以下である。nは1〜10の自然数である。)
で表される化合物を配合することを検討した。室温(23℃±20℃)付近での接着性向上には、一般式(1)で表される化合物を添加することが良いことは既に分かっていたが、これを用いると室温付近での硬化性が遅くなることが確認されていた。通常の低温(例えば室温から60℃以下)での加熱硬化型シリコーン接着剤の硬化は、硬化温度にもよるが、おおよそ60〜120分程度を加熱硬化条件としていることが多く、一般式(1)で表される化合物を添加しても、これとほぼ同等の硬化条件(硬化時間)となることが望まれる。
そこで、本発明者らは、更なる検討を重ねた結果、付加型シリコーン接着剤組成物に、接着向上剤として一般式(1)で表される化合物を配合し、更にニトリル化合物を添加することによって、低温で、より短時間での接着発現が可能となることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基1個当たり0.1〜5.0個となる量、
(C)触媒量のヒドロシリル化反応触媒、
(D)下記一般式(1)で表される化合物、
Figure 2009221312
(式中、xは0〜6の自然数、yは0〜6の自然数で、x+yは1以上6以下である。nは1〜10の自然数である。)
(E)ニトリル化合物、
(F)接着付与成分
を配合してなることを特徴とする付加型シリコーン接着剤組成物を提供する。
本発明の付加型シリコーン接着剤組成物は、低温で、より短時間での接着発現が可能である。
本発明の付加型シリコーン接着剤組成物は、
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、
(D)下記一般式(1)で表される化合物、
Figure 2009221312
(式中、xは0〜6の自然数、yは0〜6の自然数で、x+yは1以上6以下である。nは1〜10の自然数である。)
(E)ニトリル化合物、
(F)接着付与成分
を配合したオルガノポリシロキサン組成物からなるものである。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に平均2個以上(通常2〜50個)、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個程度のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する。(A)成分のオルガノポリシロキサンのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基が挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。(A)成分のアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンにおいて、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられ、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
このような(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等が挙げられるが、基本的に主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
(A)成分の25℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、100〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に、300〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定することができる。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R12SiOで示されるシロキサン単位と式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:R2SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、及びこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。
ここで、上記式中のR1はアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。また、上記式中のR2はアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基などが挙げられる。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
本発明の組成物に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜150個程度)、より好ましくは3〜100個程度のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を含有するものであり、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
a3 bSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0<a<2、0.8≦b≦2かつ0.8<a+b≦3となる数であり、好ましくは0.05≦a≦1、1.5≦b≦2かつ1.8≦a+b≦2.7となる数である。また、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、2〜300個、特に3〜200個、とりわけ4〜100個程度が好ましい。)
式中、R3の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、前記のR1として例示したものと同様のものが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜7のものであり、好ましくはメチル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン等のシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等;R3 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意にR3 3SiO1/2単位、R3 2SiO2/2単位、R3(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はR3SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、R3は前記と同じである)などの他、これらの例示化合物においてメチル基の一部又は全部をエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基で置換したものなどが挙げられ、更には下記式:
Figure 2009221312
(但し、R3は前記と同じであり、c,dはそれぞれ0又は1以上の整数である。)
等で表されるものが挙げられる。
本発明の組成物に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、下記一般式:R3SiHCl2及びR3 2SiHCl(式中、R3は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解し、或いは該クロロシランと下記一般式:R3 3SiCl及びR3 2SiCl2(式中、R3は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン中のアルケニル基1モル当たり、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)が、通常0.1〜5モルとなるような量、好ましくは0.2〜2.0モルとなるような量である。SiH基量が少なすぎると硬化物が柔らかすぎて強度不足となり、多すぎると架橋のバランスがくずれて硬化物のゴム強度が著しく低下(ゴム劣化)してしまう。
(C)ヒドロシリル化反応触媒
本発明に用いるヒドロシリル化反応触媒は、前記の(A)成分のアルケニル基と(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。
その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどの白金族金属系触媒が挙げられる。
(C)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)成分及び(B)成分の合計量に対する白金族金属の質量換算で、通常1,000ppm以下(例えば0.1〜1,000ppm)、好ましくは0.1〜500ppm、特には0.5〜200ppm程度でよい。
(D)下記一般式(1)で表される化合物
Figure 2009221312
(式中、xは0〜6の自然数、yは0〜6の自然数で、x+yは1以上6以下である。nは1〜10の自然数である。)
上記一般式(1)で表される化合物は、接着付与成分として必須のもので、室温付近での接着性向上に効果を奏するものであり、該化合物は、ベンゼン環にアリルエステル化合物が付加されているものである。また、前述のアリル基はトリアルコキシシリル基で封鎖されていても構わない。
具体的な一例を以下に示す。
Figure 2009221312
Figure 2009221312
(D)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜5質量部、好ましくは0.05〜4質量部、更に好ましくは0.2〜2質量部である。配合量が少なすぎると室温付近での接着性が十分発現せず、多すぎると配合量の増大に伴う接着性の向上効果が得られず、不経済となる。
(E)ニトリル化合物
ニトリル化合物は、上記(D)成分を配合する際の低温(例えば室温付近〜60℃以下)での硬化遅延を改善するために配合されるものである。ニトリル化合物の構造は特に制限されず、一般的に知られているニトリル化合物のうち、飽和又は不飽和の脂肪族ニトリル、飽和又は不飽和の脂肪族ジニトリル、アリール基又はアラルキル基等を置換基として有する芳香族ニトリルなどが例として挙げられる。それぞれの具体例を以下に示す。なお、下記に示す化合物はあくまでも一例であり、これらに限定されるものではない。
(脂肪族ニトリル)
アセトニトリル「CH3CN」、プロピオニトリル「CH3CH2CN」、ブチロニトリル「CH3(CH22CN」、アクリロニトリル「CH2=CHCN」、クロトンニトリル「CH3CH=CHCN」
(脂肪族ジニトリル)
マロンニトリル「NCCH2CN」、スクシノニトリル「NCCH2CH2CN」
(芳香族ニトリル)
ベンゾニトリル「C65CN」、シアン化ベンジル「C65−CH2CN」
(E)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.8質量部であり、更に好ましくは0.1〜0.5質量部である。配合量が少なすぎると低温での硬化促進の効果が発現されない場合があり、多すぎると硬化が速すぎたり、不経済となり、また引火点が低下してしまう場合がある。
(F)接着付与成分
本発明の付加硬化型シリコーン接着剤組成物においては、低温での接着性を更に向上又は促進させるために、接着付与成分としての有機ケイ素化合物を配合する。この有機ケイ素化合物としては、分子中にアルコキシ基を含有し、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基から選ばれる官能性基を有するオルガノアルコキシシラン(例えば、
Figure 2009221312
など)や、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を1個以上有し、かつケイ素原子に直結したアルコキシ基及び/又は炭素原子を介してケイ素原子に結合したオキシラン基を有する、好ましくはケイ素原子数2〜30個、特に4〜20個程度の、直鎖状又は環状のオルガノポリシロキサンなどの有機ケイ素化合物が好適に用いられる。シロキサン化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2009221312
(F)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部とすることができるが、(F)成分が一分子中にヒドロシリル基(SiH基)を有するものである場合には、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)と(F)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)との合計のモル比が0.1〜5、特に0.2〜4、更には0.3〜3.5となる量で(F)成分を配合することが好ましい。
(F)成分の配合量が少なすぎると低温での接着性が十分発現しない場合があり、多すぎると不経済であったり、また耐熱用途への適用の際に硬化物の劣化が激しくなる場合がある。
本発明の組成物には、上記成分以外に、その他の成分として、補強性のある微粉末状のシリカを配合することが推奨される。この微粉末シリカは硬化物の機械的強度を補強するためのもので、従来シリコーンゴムに使用されている公知のもので良く、例えば、煙霧質シリカ、沈降シリカ、焼成シリカ、石英粉末、珪藻土などがある。これらは1種を単独で用いても2種以上併用しても良い。これらのシリカ粒子は、通常BET法による比表面積が50m2/g以上、特に50〜500m2/g程度のものが一般的である。このような微粉末シリカはそのまま使用しても良いが、本発明組成物に良好な流動性を付与させるためメチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどの有機ケイ素化合物で処理したものを使用することが好ましい。
なお、微粉末シリカの配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常、100質量部以下(即ち、0〜100質量部)、好ましくは1〜50質量部とすることができる。
また、接着性を更に向上させるために、ベンゼン環にエステル基が結合している化合物など、接着性を向上させるものであれば添加しても構わない。
更に、本発明の組成物には、上記成分以外に、必要に応じて、例えば、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤;補強性のシリコーンレジン;ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機充填剤などを添加することができる。これらの無機充填剤の使用量は、通常、該無機充填剤を除く成分の合計量100質量部当たり、0〜200質量部である。
本発明の付加型シリコーン接着剤組成物は、常法に準じて製造することができ、1成分系(1液型組成物)だけではなく、使用直前に混合してから用いる2成分系以上(2液型以上)の組成物でもよい。
また、本発明の付加型シリコーン接着剤組成物の硬化条件は、120〜200℃程度の高温加熱下においてももちろん硬化可能であるが、好ましくは10〜120℃、より好ましくは10〜80℃、特に10〜60℃で12分〜24時間、特に30分〜3時間と、低温かつ短時間の加熱で十分な接着力が発現するものである。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、粘度はBH型回転粘度計により測定した25℃における値を示す。
[実施例1〜9、比較例1〜4]
下記の原料を使用し、検討を行った。
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン
下記式で表されるビニル基含有の直鎖状オルガノポリシロキサン
Vi(Me)2Si−(OSiMe2n−OSi(Me)2Vi
(式中、Meはメチル基であり、Viはビニル基であり、nは該シロキサンの25℃における粘度を10,000mPa・sとする数である。)
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2009221312
(C)ヒドロシリル化反応触媒
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液
白金元素含有量0.5質量%
(D)一般式(1)で表される化合物
(D−1)
Figure 2009221312
(D−2)
Figure 2009221312
(D−3)
Figure 2009221312
(D−4)
Figure 2009221312
(E)ニトリル化合物
(E−1)
アセトニトリル
(E−2)
ベンゾニトリル
(E−3)
マロンニトリル
(E−4)
アクリロニトリル
(F)有機ケイ素化合物
下記式で表されるエポキシ基含有有機ケイ素化合物
Figure 2009221312
(G)補強性レジン
信越化学工業(株)製補強性レジン
(H)補強性シリカ
信越化学工業(株)製補強性ヒュームドシリカ(BET比表面積:210m2/g)
実験方法
上記の原料を表1の配合組成で調製したシリコーン接着剤組成物を、アルミニウム板上に厚さが2mmとなる量で塗布して室温(23℃)で放置してタックフリータイムを調べた。タックフリータイムの測定方法は、指触法である。指触法は、シリコーン組成物を指で触り、指に付かなくなる時間を測定した。
また接着性は、表1に示す各材質の被着体上(板上)に、幅3cm×長さ10cm×厚さ3cmとなるようにシリコーン接着剤組成物を塗布し、室温(23℃)で放置して硬化させ、各被着体上にシリコーン硬化物層が積層された試験片を作製し、該試験片のシリコーン接着剤(シリコーン硬化物層)とアルミニウム板の間にカミソリ刃を入れて接着しているか否かの確認を行った。確認を行った時間は、接着剤塗布後24時間経過してからである。
Figure 2009221312

Claims (3)

  1. (A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基1個当たり0.1〜5.0個となる量、
    (C)触媒量のヒドロシリル化反応触媒、
    (D)下記一般式(1)で表される化合物、
    Figure 2009221312
    (式中、xは0〜6の自然数、yは0〜6の自然数で、x+yは1以上6以下である。nは1〜10の自然数である。)
    (E)ニトリル化合物、
    (F)接着付与成分
    を配合してなることを特徴とする付加型シリコーン接着剤組成物。
  2. 1成分系である請求項1記載の組成物。
  3. 2成分系である請求項1記載の組成物。
JP2008065931A 2008-03-14 2008-03-14 付加型シリコーン接着剤組成物 Expired - Fee Related JP5131464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008065931A JP5131464B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 付加型シリコーン接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008065931A JP5131464B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 付加型シリコーン接着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009221312A true JP2009221312A (ja) 2009-10-01
JP5131464B2 JP5131464B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=41238432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008065931A Expired - Fee Related JP5131464B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 付加型シリコーン接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5131464B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2452994A1 (en) 2010-11-12 2012-05-16 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Addition curable silicone adhesive composition
JP2013018850A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 付加硬化型シリコーン接着剤組成物及び接着方法
CN106244091A (zh) * 2016-08-23 2016-12-21 江苏天辰新材料股份有限公司 一种高强度脱醇型双组份室温硫化硅橡胶建筑密封剂及其制备方法
CN109439274A (zh) * 2018-11-02 2019-03-08 烟台德邦科技有限公司 一种耐油密封胶的制备方法
CN109593352A (zh) * 2018-11-13 2019-04-09 惠州市沃特新材料有限公司 超低吸水耐寒耐磨尼龙复合材料及其制备方法和应用
KR20200075002A (ko) 2017-11-16 2020-06-25 다우 실리콘즈 코포레이션 1액형 경화성 실리콘 조성물
KR20210146355A (ko) 2019-04-02 2021-12-03 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 부가 경화형 실리콘 접착제 조성물

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61211364A (ja) * 1985-03-15 1986-09-19 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコ−ン組成物
JPH0218451A (ja) * 1988-07-06 1990-01-22 Toshiba Silicone Co Ltd ポリオルガノシロキサン組成物
JPH0218452A (ja) * 1988-07-06 1990-01-22 Toshiba Silicone Co Ltd 接着性ポリオルガノシロキサン組成物
JPH02147663A (ja) * 1988-11-29 1990-06-06 Shin Etsu Chem Co Ltd オルガノポリシロキサン組成物
JPH03163183A (ja) * 1989-11-22 1991-07-15 Shin Etsu Chem Co Ltd 接着性オルガノポリシロキサン組成物
JP2004292777A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム接着剤組成物
JP2005042099A (ja) * 2003-07-09 2005-02-17 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム組成物並びに発光半導体被覆保護材及び発光半導体装置
JP2006335926A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Shin Etsu Chem Co Ltd 圧着性異方導電性樹脂組成物及び弾性異方導電部材
JP2007204644A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Two-One:Kk 架橋可能なゴム組成物および成形品およびその製造方法。

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61211364A (ja) * 1985-03-15 1986-09-19 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコ−ン組成物
JPH0218451A (ja) * 1988-07-06 1990-01-22 Toshiba Silicone Co Ltd ポリオルガノシロキサン組成物
JPH0218452A (ja) * 1988-07-06 1990-01-22 Toshiba Silicone Co Ltd 接着性ポリオルガノシロキサン組成物
JPH02147663A (ja) * 1988-11-29 1990-06-06 Shin Etsu Chem Co Ltd オルガノポリシロキサン組成物
JPH03163183A (ja) * 1989-11-22 1991-07-15 Shin Etsu Chem Co Ltd 接着性オルガノポリシロキサン組成物
JP2004292777A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム接着剤組成物
JP2005042099A (ja) * 2003-07-09 2005-02-17 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム組成物並びに発光半導体被覆保護材及び発光半導体装置
JP2006335926A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Shin Etsu Chem Co Ltd 圧着性異方導電性樹脂組成物及び弾性異方導電部材
JP2007204644A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Two-One:Kk 架橋可能なゴム組成物および成形品およびその製造方法。

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2452994A1 (en) 2010-11-12 2012-05-16 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Addition curable silicone adhesive composition
JP2013018850A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 付加硬化型シリコーン接着剤組成物及び接着方法
CN106244091A (zh) * 2016-08-23 2016-12-21 江苏天辰新材料股份有限公司 一种高强度脱醇型双组份室温硫化硅橡胶建筑密封剂及其制备方法
KR20200075002A (ko) 2017-11-16 2020-06-25 다우 실리콘즈 코포레이션 1액형 경화성 실리콘 조성물
CN109439274A (zh) * 2018-11-02 2019-03-08 烟台德邦科技有限公司 一种耐油密封胶的制备方法
CN109439274B (zh) * 2018-11-02 2020-11-10 烟台德邦科技有限公司 一种耐油密封胶的制备方法
CN109593352A (zh) * 2018-11-13 2019-04-09 惠州市沃特新材料有限公司 超低吸水耐寒耐磨尼龙复合材料及其制备方法和应用
KR20210146355A (ko) 2019-04-02 2021-12-03 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 부가 경화형 실리콘 접착제 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP5131464B2 (ja) 2013-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101333017B1 (ko) 경화성 실리콘 조성물
JP5025917B2 (ja) 硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JP5131464B2 (ja) 付加型シリコーン接着剤組成物
JP4634866B2 (ja) 付加反応硬化型シリコーンゴム用接着剤
JP5282400B2 (ja) 付加硬化型シリコーン接着剤組成物及びその硬化物
JP5609846B2 (ja) 付加硬化型シリコーン接着剤組成物
JP2007009189A (ja) 付加型シリコーン接着剤組成物
JP4430470B2 (ja) 付加反応硬化型シリコーンゴム組成物
JP4875251B2 (ja) シリコーンゲル組成物
US20070100065A1 (en) Silicone rubber composition for sealing stitched air bag
JP2007002088A (ja) 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物
JP4455218B2 (ja) 自己接着性付加反応硬化型シリコーン組成物
JP2017165931A (ja) 付加硬化性シリコーンゴム組成物及び硬化物
JP2006056986A (ja) 二液硬化型シリコーン組成物
JP5115716B2 (ja) 低比重シリコーンゴム接着剤組成物
JP5673402B2 (ja) 付加硬化型シリコーン接着剤組成物及び接着方法
JP6468115B2 (ja) 付加硬化性シリコーンゴム組成物及び硬化物
JP5910210B2 (ja) フロロシリコーンゴム組成物、フロロシリコーンゴム層と熱可塑性樹脂層とからなる一体成形体、及びその一体成形体を製造する方法
JP2009269968A (ja) シリコーン接着剤
JP5024552B2 (ja) 付加反応触媒及び付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物
JP5142076B2 (ja) シリコーン接着剤
KR20060126383A (ko) 부가형 실리콘 접착제 조성물
JP5120776B2 (ja) 付加反応硬化型シリコーンゴム用接着剤
JP4190460B2 (ja) 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物
JP2011137103A (ja) 硬化性シリコーン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121010

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121023

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5131464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees