JP2009219361A - 刈払い用コード - Google Patents
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Abstract
【課題】高い切草力を長期間維持することができると共に、簡単で比較的安価に製造可能な切草性の高い刈払い用コードを提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂に対し、フッ素系樹脂、硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末から選ばれた高比重添加剤の少なくとも1種を0.5〜30重量%添加し、紡糸延伸してなる見掛け比重が1.15〜2.00のモノフィラメントからなることを特徴とする刈払い用コードであり、前記モノフィラメントの直径が1.0〜5.0mm、かつ引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50〜150%であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアミド樹脂に対し、フッ素系樹脂、硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末から選ばれた高比重添加剤の少なくとも1種を0.5〜30重量%添加し、紡糸延伸してなる見掛け比重が1.15〜2.00のモノフィラメントからなることを特徴とする刈払い用コードであり、前記モノフィラメントの直径が1.0〜5.0mm、かつ引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50〜150%であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、モノフィラメントを高速回転させることにより草や芝などを刈り取る刈払い機に使用する刈払い用コードに関するものである。
近年、刈払い機のカッター刃としては、回転時に芝草以外の構造物との接触により、それらの構造物を傷つけないようにするため、あるいは安全上の点から、モノフィラメントを使用したコードカッターが多く使用される様になってきた。
前記コードカッターに使用されるモノフィラメントとしては、耐摩耗性に優れたポリアミドモノフィラメント(例えば、特許文献1参照)や、モノフィラメント表面に凹凸形状または鋭角を付与した角形形状からなる生分解性刈払い用コード(例えば、特許文献2参照)を使用することがすでに提案されている。
これら従来の刈払い用コードは、コード自体の耐久性を上げることにより刈払い用コードの交換頻度を少なくすることができるが、切草性に欠けるという問題を残していた。また、コード表面に凹凸形状または、鋭角を付与することにより切草性は改善できるものの、凹凸形状を付けることにより凹部が弱化しコードが切れてしまったり、角形形状は初期の段階は効果があるが、角形のエッジが直ぐに削れてしまったりして、効果がなくなることから、結果として切草性の改善効果がなくなってしまうといった問題を残していた。
刈払い用コードの素材として、本来高比重を持つPVDF等のフッ素系樹脂を単独で使用したモノフィラメントは、高比重の素材が故に切草性は改善されるが、PVDFを単独で刈払い用コードに使用した場合は、その融点の低さに起因して、草に当たったときの摩擦熱により強度低下をおこし、コードが直ぐに切れてしまうという問題があり、高融点のETFEやPFAなどを単独で使った場合は、耐熱性には優れるものの、刈払い用コードとして使用できる強力が得られないという問題があると共に、フッ素系ポリマーは原料が高価であるため、刈払い用コードの値段が高くなり過ぎて汎用するには無理があるという問題があった。
また、刈払い用コードの素材として、かなり高比重を持つポリエステルをモノフィラメントにして使った場合には、ポリエステルの特徴である賦形性の強さに起因して、草に当たった瞬間にモノフィラメントが折れ曲がってしまい、切草性が悪くなってしまうばかりか、モノフィラメントの剛性が強すぎて刈払い用コードをローターにセットするのが困難であることから、当該用途には不適とされていたのが現状である。
上記の通り、従来の刈払い用コードは、耐久性および切草性のいずれか一つの項目については改善できるものの、これら2つの特性を同時に解決したものではなかったため、耐久性および切草性の両者が併せて優れた刈り払い用コードの開発が望まれていた。
特許第3958985号公報
特開2003−230312号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、高い切草力を長期間維持することができると共に、簡単で比較的安価に製造可能な切草性の高い刈払い用コードを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、ポリアミド樹脂に対し、フッ素系樹脂、硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末から選ばれた高比重添加剤の少なくとも1種を0.5〜30重量%添加し、紡糸延伸してなる見掛け比重が1.15〜2.00のモノフィラメントからなることを特徴とする刈払い用コードが提供される。
なお、本発明の刈払い用コードにおいては、
前記モノフィラメントの直径が1.0〜5.0mm、かつ引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50〜150%であること、
前記モノフィラメントの断面形状の少なくとも一部に鋭角な角部が形成されていること刈払い用コードの直径が1.0〜5.0mmかつ引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50%〜150%以下であること、および
刈払い用コードの断面形状の少なくとも一部に鋭角な角が形成されていること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことによりさらに優れた効果を取得することができる。
前記モノフィラメントの直径が1.0〜5.0mm、かつ引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50〜150%であること、
前記モノフィラメントの断面形状の少なくとも一部に鋭角な角部が形成されていること刈払い用コードの直径が1.0〜5.0mmかつ引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50%〜150%以下であること、および
刈払い用コードの断面形状の少なくとも一部に鋭角な角が形成されていること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことによりさらに優れた効果を取得することができる。
本発明によれば以下に説明するとおり、刈払い用コードの見掛け比重を高くすることにより、ローターにセットした刈払い用コードを回転させ草に当てて草を切るときの衝撃力を増した刈払い用コードを提供することができる。したがって、高い切草性を長期間維持することができると共に、簡単で比較的安価に製造可能な切草性の高い刈払い用コードを得ることができる。
以下、本発明の刈払い用コードについて具体的に説明する。
本発明の刈払い用コードは、ポリアミド樹脂に対して、フッ素系樹脂、硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末から選ばれた高比重添加剤の少なくとも1種を0.5〜30重量%添加し、紡糸延伸してなる見掛け比重が1.15〜2.00のモノフィラメントからなることが重要である。
本発明で使用するポリアミド樹脂には特に制限はなく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびこれらを主な成分とした共重合などが例示されるが、なかでも比較的融点が高く摩擦熱に強いこと、高強度なモノフィラメントが得られやすいことからナイロン6の適用が好ましい。
本発明において、ポリアミド樹脂に添加される高比重添加剤としては、フッ素系樹脂、硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末から選ばれた少なくとも1種を選択することができるが、フッ素系ポリマーと、硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末とを併用することが、強度低下を防ぎつつ紡糸をするために特別な設備を必要としないことから好ましい。
これら高比重添加剤のポリアミド樹脂に対する添加量は、総量として0.5〜30重量%の範囲が好ましく、より好ましくは2.5〜20重量%の範囲である。
高比重添加剤の量が0.5重量%未満では、切草性を十分改善するまで刈払い用コードの比重を高くすることができず、30重量%より多いと、刈払い用コードとして使用できる強力が得られないことから好ましくない。
ここで、高比重添加剤として挙げた硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末の粒子径としては、レーザー解析散乱法により測定した平均粒径(累積粒度分布率50%(D50))が1.0〜5.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1.5〜3μmの範囲である。
平均粒径が1.0μmより小さいと紡糸時に二次凝集してしまい、紡糸性が悪くなるばかりか、でき上がったモノフィラメントの強度が低下する傾向が招かれ、逆に平均粒径が5.0μmより大きいとモノフィラメントの延伸時にフィッシュアイを生じやすく、そのフィッシュアイを基点に糸切れを生じるという好ましくない傾向となる。
本発明の刈払い用コードの見掛け比重は、1.15〜2.00、好ましくは1.2〜1.4の範囲であることが重要であり、見掛け比重が1.15より低い場合は切草性の改善効果が得られず、2.00より高くすると刈払い用コードとして使用できる強力が得られないことから好ましくない。
また、本発明の刈払い用コードにおいては、その直径が1.0〜5.0mm、好ましくは1.5〜3.0mmの範囲、引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50〜150%、好ましくは80〜130%の範囲であることが、いずれも好ましい条件として挙げられる。
直径を1.0mmより細くすると、見掛け比重を高くしてもモノフィラメントの絶対重量が低くなりすぎて切草性が悪くなるばかりか、強力も低いことから直ぐに切れてしまう傾向となり、5.0mmより太くすると、ローターにセットした刈払い用コードを回転させ草に当てて草を切るときの接触面が大きくなることにより衝撃力が分散してしまい、草が切れずに倒れてしまうために切草性が低下する傾向となる。
引張破断伸度が50%未満では、刈払い用コードが草に当たったときの衝撃力を吸収することができずにコードが切れてしまう傾向となり、150%以上では、刈払い用コードが草に当たったときの衝撃をコードが伸びることにより吸収してしまうために切草性が低下する傾向となる。
さらに、本発明の刈払い用コードにおいては、その断面形状の少なくとも一部に鋭角な角部を形成することが、ローターにセットした刈払い用コードを回転させ草に当てて草を切るときの接触面が小さくなり、衝撃力が集中することから切草性の改善効果が得られることから好ましい。
ここで、少なくとも断面形状の一部に鋭角な角部を持つ断面形状としては三角形、四角形、五角形などの多角形もしくは菱形、台形、星形などの異形断面が上げられる。また、鋭角の角部とは、角の角度が概ね120°以下および先端の曲率Rが0.3mm以下である形状を言う。
ここで、少なくとも断面形状の一部に鋭角な角部を持つ断面形状としては三角形、四角形、五角形などの多角形もしくは菱形、台形、星形などの異形断面が上げられる。また、鋭角の角部とは、角の角度が概ね120°以下および先端の曲率Rが0.3mm以下である形状を言う。
本発明の刈払い用コードの製造方法としては、例えば次の方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
まず、乾燥されたポリアミドに対し、フッ素系ポリマー、硫酸バリウム粉末、タングステン粉末から選ばれた少なくとも1種の高比重添加剤をそれぞれ計量混合し、またはそれぞれ計量混合しながらエクストルーダー型紡糸機に供給して、220〜290℃の紡糸温度で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて高比重未延伸モノフィラメントを作成し、続いて延伸浴温度50〜80℃、延伸倍率1.2〜3.0倍に延伸することにより好適に得ることができる。
なお、必要に応じて乾燥したポリアミド樹脂と、タングステン粉末、硫酸バリウム粉末などを予めそれぞれ計量し、または計量しながら2軸型エクストルーダーに供給し、使用したポリアミド樹脂の融点より20〜60℃高い温度で溶融混練した後、エクストルーダーの先端ノズルから押し出し、冷却槽で冷却したガットをカットして高比重添加剤を所定量含有するマスターバッチを作成して使用することができる。
この場合におけるポリアミド中の高比重添加剤の含有量は、刈払い用コードに含有させたい濃度より高濃度に設定したマスターバッチとする。
本発明の刈払い用コードは、その目的に応じて染料、顔料、耐候剤、老化防止剤、抗酸化剤、柔軟化剤、耐摩耗剤などを含有することができる。
かくして得られる本発明の刈払い用コードは、それ自体の見掛け比重を高くすることにより、ローターにセットしたコードを回転させ草に当てて草を切るときの衝撃力を増したものであり、これにより、高い切草性を長期間維持することができると共に、簡単で比較的安価に製造可能な切草性の高い刈払い用コードが実現できたといえる。
以下に、本発明の刈払い用コードを実施例に基づいてさらに詳しく説明する。なお、実施例における刈払い用コードの評価は以下の方法で行った。
[直径測定]
ミツトヨ社製デジタルマイクロメーターを使用し、刈払い用コードの直径を長径、短径それぞれ5回測定の平均直径を算出した。
ミツトヨ社製デジタルマイクロメーターを使用し、刈払い用コードの直径を長径、短径それぞれ5回測定の平均直径を算出した。
[破断強伸度]
JIS L1013の規定に準じて、刈払い用コードを20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置後、(株)島津製作所社製オートグラフ(AG−1000G型)引張試験機を使用して、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で引張破断強度および破断伸度を求めた。
JIS L1013の規定に準じて、刈払い用コードを20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置後、(株)島津製作所社製オートグラフ(AG−1000G型)引張試験機を使用して、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で引張破断強度および破断伸度を求めた。
[見かけ比重]
JISZ8807の定義に準じて測定した。すなわち、小さく切った資料片を液体中に沈め、液体の比重を変化させ、試料が丁度液体中に浮遊するように調整し、この液体の比重を測定することにより、試料の比重を求めた。
JISZ8807の定義に準じて測定した。すなわち、小さく切った資料片を液体中に沈め、液体の比重を変化させ、試料が丁度液体中に浮遊するように調整し、この液体の比重を測定することにより、試料の比重を求めた。
[切草性評価]
コード式草刈り機(電動式)のローターに草刈り用コードを20cmローター外へ出るようにセットし、2m四方に区切った区画一面に生えた発芽後3ヶ月経過した牧草オーチャードグラスのナツミミドリ種を実際に刈り取り、刈り取りに掛かる時間を計測した。刈り取りに掛かる時間が少ないほど切草性が良好であることを示す。
コード式草刈り機(電動式)のローターに草刈り用コードを20cmローター外へ出るようにセットし、2m四方に区切った区画一面に生えた発芽後3ヶ月経過した牧草オーチャードグラスのナツミミドリ種を実際に刈り取り、刈り取りに掛かる時間を計測した。刈り取りに掛かる時間が少ないほど切草性が良好であることを示す。
[実施例1]
東レ社製ナイロン6樹脂(CM1041融点=220℃、比重=1.14)96重量%に対して、高比重添加剤としてソルベイ社製ポリフッ化ビニリデン樹脂(Solef1012融点=174℃、比重=1.78)5重量%をドライブレンドで混合した原料を、エクストルーダー型紡糸機に供給して、250℃の紡糸温度で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて本発明の高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度75℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
東レ社製ナイロン6樹脂(CM1041融点=220℃、比重=1.14)96重量%に対して、高比重添加剤としてソルベイ社製ポリフッ化ビニリデン樹脂(Solef1012融点=174℃、比重=1.78)5重量%をドライブレンドで混合した原料を、エクストルーダー型紡糸機に供給して、250℃の紡糸温度で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて本発明の高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度75℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
ベース原料を東レ社製6/66共重合ナイロン樹脂(CM6041融点=200℃比重=1.14)、高比重添加剤をダイキン工業社製ETFE樹脂(EP−520融点=260℃、比重=1.8810重量%をドライブレンドで混合した原料に変更した以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
ベース原料を東レ社製6/66共重合ナイロン樹脂(CM6041融点=200℃比重=1.14)、高比重添加剤をダイキン工業社製ETFE樹脂(EP−520融点=260℃、比重=1.8810重量%をドライブレンドで混合した原料に変更した以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
高比重添加剤にタングステン粉末を用いたマスターバッチを使い、糸中のタングステン粉末量が20重量%になるようにブレンドした以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
高比重添加剤にタングステン粉末を用いたマスターバッチを使い、糸中のタングステン粉末量が20重量%になるようにブレンドした以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
高比重添加剤に硫酸バリウムを用いたマスターバッチを使い、糸中の硫酸バリウム量が25重量%になるようにブレンドした以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
高比重添加剤に硫酸バリウムを用いたマスターバッチを使い、糸中の硫酸バリウム量が25重量%になるようにブレンドした以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例4の原料にETFE樹脂をさらに5重量%ブレンドした以外は、実施例1と同様
の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
実施例4の原料にETFE樹脂をさらに5重量%ブレンドした以外は、実施例1と同様
の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[実施例6]
モノフィラメントの断面形状を星形にした以外は実施例1と同様の方法で断面の外接円の直径が2.40mmで、星形凸部先端の角度60°で先端の曲率Rが0.2mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
モノフィラメントの断面形状を星形にした以外は実施例1と同様の方法で断面の外接円の直径が2.40mmで、星形凸部先端の角度60°で先端の曲率Rが0.2mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
高比重添加剤の添加を省略した以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
高比重添加剤の添加を省略した以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
高比重添加剤の代わりに、比重の軽い三井化学社製ポリエチレン樹脂(ハイゼックス2100J融点=120℃、比重=0.92)を添加した以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
高比重添加剤の代わりに、比重の軽い三井化学社製ポリエチレン樹脂(ハイゼックス2100J融点=120℃、比重=0.92)を添加した以外は、実施例1と同様の方法で直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
刈払い用コードの素材として、ポリアミドの代わりにソルベイ社製PVDF樹脂(Solef1012:融点=174℃、比重=1.78)をエクストルーダー型紡糸機に供して、紡糸温度230℃で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度85℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
刈払い用コードの素材として、ポリアミドの代わりにソルベイ社製PVDF樹脂(Solef1012:融点=174℃、比重=1.78)をエクストルーダー型紡糸機に供して、紡糸温度230℃で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度85℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[比較例4]
刈払い用コードの素材として、ポリアミドの代わりにダイキン工業社製ETFE樹脂(EP―520:融点=174℃、比重=2.00)をエクストルーダー型紡糸機に供して紡糸温度300℃で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度85℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
刈払い用コードの素材として、ポリアミドの代わりにダイキン工業社製ETFE樹脂(EP―520:融点=174℃、比重=2.00)をエクストルーダー型紡糸機に供して紡糸温度300℃で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度85℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
[比較例5]
刈払い用コードの素材として、ポリアミドの代わりに東レ社製PET樹脂(T750M:融点=260℃、比重=1.38)をエクストルーダー型紡糸機に供して紡糸温度300℃で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度90℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
刈払い用コードの素材として、ポリアミドの代わりに東レ社製PET樹脂(T750M:融点=260℃、比重=1.38)をエクストルーダー型紡糸機に供して紡糸温度300℃で溶融混練した後、エクストルーダー先端のノズルから押し出し、冷却水槽に導いて高比重未延伸モノフィラメントを得た。続いて延伸浴温度90℃、延伸倍率2.2倍に延伸することにより直径2.40mmのモノフィラメントを作成した。
得られたモノフィラメントを刈払い用コードとして使用した場合の評価結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本発明の刈払いコード(実施例1〜6)は、いずれもポリアミド樹脂をベース原料にし、見かけ比重が高いことから極めて高い切草性を長期間維持することができると共に、簡単で比較的安価に製造可能な切草性の高い刈払い用コードであることがわかる。
一方、高比重添加剤を添加していない比較例1、逆に低比重添加剤を添加した比較例2では、刈払いコードの見かけ比重が本発明の見かけ比重を満たしていないことから、実際に草刈りをしたときの切草性が悪く実用性に欠けるものであった。
また、刈払い用コードの素材として、高比重のPVDF樹脂を使った刈払い用コード(比較例3)は、摩擦熱により刈払い用コードが劣化してしまい、草刈りの途中で切れてしまうばかりか、原料樹脂が高価なため、刈払い用コードを作成するときのコストが高くなり過ぎて実用性に欠けるものであった。
刈払い用コードの素材としてETFE樹脂を使った刈払い用コード(比較例4)は、刈払い用コードとして使用に耐える強度が得られず、草刈りの途中で切れてしまうばかりか、原料樹脂が高価なため、刈払い用コードを作成するときのコストが高くなり過ぎて実用性に欠けるものであった。
刈払い用コードの素材として高比重ポリエステルモノフィラメントを使った場合(比較例5)は、ポリエステルの特徴である賦形性の強さに起因して、草に当たった瞬間にモノフィラメントが折れ曲がってしまい、切草性が悪くなってしまうことから実用性に欠けるものであった。
以上説明したように、本発明の刈払い用コードは、それ自体の見掛け比重を高くすることにより、ローターにセットしたコードを回転させ草に当てて草を切るときの衝撃力を増したものであり、高い切草性を長期間維持することができると共に、簡単で比較的安価に製造可能な切草性の高い刈払い用コードが実現できた点で、その実用性が極めて高い。
Claims (3)
- ポリアミド樹脂に対し、フッ素系樹脂、硫酸バリウム粉末およびタングステン粉末から選ばれた高比重添加剤の少なくとも1種を0.5〜30重量%添加し、紡糸延伸してなる見掛け比重が1.15〜2.00のモノフィラメントからなることを特徴とする刈払い用コード。
- 前記モノフィラメントの直径が1.0〜5.0mm、かつ引張強度が1.0cN/dtex以上、引張破断伸度が50〜150%であることを特徴とする請求項1に記載の刈払い用コード。
- 前記モノフィラメントの断面形状の少なくとも一部に鋭角な角部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の刈払い用コード。
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2008
- 2008-03-13 JP JP2008063948A patent/JP2009219361A/ja active Pending
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