JP2017172061A - 芯鞘複合繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高沈降性と製網加工上問題のない十分な繊維強度を兼ね備え、かつ長期間漁網として使用しても強度低下のない優れた耐久性、耐候性を有する繊維を提供する。【解決手段】 比重が1以上の熱可塑性ポリマ−中に、比重が3以上の非鉛系無機微粒子が25〜85質量%含む芯成分と、該芯成分を覆うポリフッ化ビニリデンを含む鞘成分から構成され、該芯成分と該鞘成分の質量比率が芯/鞘=10/90〜60/40であり、比重が1.8以上である複合繊維。【選択図】なし

Description

本発明は高比重を備え、かつ耐久性に優れた複合繊維に関し、特に漁網などの水産用資材に好適な複合繊維に関する。
従来、漁網、漁業用ロ−プ等に代表される水産用資材として耐水性、耐腐食性、強力、耐摩耗性、耐久性等の点で天然繊維製品に比して優れた性質を示す合成繊維製品が利用されてきた。しかしながら、合成繊維製品は天然繊維製品に比して含水率が低く、とくに比重が比較的小さいために海水中での沈降性および潮流に対する保形性が劣り、その利用に多くの制約を受ける難点があった。
このような難点を克服する種々の提案がなされており、繊維やロ−プ類それ自体の比重を増大させて水中への沈降性を増す技術が最も注目されてきた。繊維やロ−プ類自体の比重を増大させるための一手段として、金属鉛やその化合物を繊維に練り込む技術があるが、鉛化合物等が繊維製造工程や加工工程においてガイドとの摩擦で繊維から脱落したり、漁網として使用中に海水に溶出して鉛公害の問題が発生する可能性があった。さらに使用済の漁網を廃棄する場合においても、廃棄焼却後に鉛を含む有害成分が残るなど同様の公害問題が発生する可能性があり、安易には廃棄処分できないという問題があった。一方鉛化合物を使用しない手段として、たとえば比較的比重の大きい塩化ビニリデン系繊維が使用されてきたが、水中への沈降性が不十分であった。このように、さらなる高比重で無公害性なども要求されるようになってきている。
このような要求に対しても種々の提案がなされており、その1つの手段として、延伸処理により高強度を発現する樹脂と高比重粉末との組み合わせによる繊維が考えられている。例えば特許文献1(特開平9−228151)には、比重が1以上の熱可塑性ポリマー中に比重が3以上の非鉛系無期微粒子が含有されてなる芯成分と、該芯成分を覆うポリエステルから成る鞘成分とより構成される複合繊維が記載され、かかる複合繊維によれば、高沈降性と製網加工上問題のない十分な繊維強度を兼ね備え、かつ長期間漁網として使用しても強度低下のない優れた耐久性、耐候性を有する繊維が得られる旨が記載されている。
また、釣り糸や漁網等の水産用資材として好適とされる繊維としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する場合がある。)からなる繊維が知られており、特許文献2(特開平9−119020)では、PVDFモノフィラメントの結節強度を高める技術として、芯層と鞘層の2層構造からなるポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントが記載されており、かかるフィラメントによれば、結節強度及び曲げ剛性に優れたフィラメントが得られる旨が記載されている。
特開平9−228151 特開平9−119020
特許文献1においては、繊維に鉛化合物を添加することなく1.6程度の比重を達成できるものの、定置網用繊維として求められる沈降性を満たすためにはまだ十分とは言えず、十分な沈降性を達成するためには少なくとも1.8以上の比重が求められるようになってきている。また、同時に、例えば漁網用途で求められる保形性を維持するため、該繊維が高強度であることや該繊維間での低摩擦性などの高耐久性も求められるようになってきている。しかし、鉛化合物を用いずに1.8以上の高比重と高耐久性とを両立する繊維を製造することは困難であった。
また、PVDFは高比重の繊維として知られているものの、PVDFのみからなる繊維では1.8以上の比重を達成することはできず、また単純にPVDFとPVDF以外の樹脂とを組み合わせて芯鞘構造とする場合には、異種樹脂界面における非親和性に起因する界面歪みの増大に伴い、糸質の低下や耐久性の低下が生じる等の問題があり、またその製造工程においても、フッ化水素の発生による作業環境の悪化等の問題があった。
本発明の目的は、高比重化のための鉛化合物を用いることなく、1.8以上の高比重を達成できる繊維を提供することであり、高沈降性に優れ、かつ製網加工においても問題が無く、また例えば漁網として長期間使用しても優れた耐久性を示す繊維を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、芯鞘複合繊維において、芯成分に含まれる熱可塑性ポリマーと非鉛系無機微粒子の比重及び比率を特定の範囲とし、該芯成分を覆う鞘成分をPVDFとし、かつ該芯成分と鞘成分との質量比率を特定の範囲とすることで、上記の問題を生じることなく高沈降性を達成でき、かつ本発明の構成とした場合には鞘成分のPVDFが良好な低摩擦性を発揮するため、例えば該複合繊維を漁網として使用した場合であっても強度劣化が少なく高い保形性を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、比重が1以上の熱可塑性ポリマ−中に、比重が3以上の非鉛系無機微粒子を25〜85質量%含む芯成分と、該芯成分を覆うポリフッ化ビニリデンを含む鞘成分から構成され、該芯成分と該鞘成分の質量比率が芯/鞘=10/90〜60/40であり、比重が1.8以上ある複合繊維である。
また、前記非鉛系無機微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウムおよび酸化鉄微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の微粒子であってもよい。
本発明の複合繊維は、とくに海水中での高沈降性と漁網の保形性の両立を達成する。すなわち、安全性を保有し、かつ繊維間で働く摩擦が小さいため、たとえば、本発明の複合繊維を漁網として使用する場合、繊維が損傷しにくく、高疲労性、高耐久性が達成される。
本発明における複合繊維の断面に関する、一実施形態の模式図。 本発明における複合繊維の断面に関する、一実施形態の模式図。
本発明の複合繊維は、比重が1以上の熱可塑性ポリマ−中に、比重が3以上の非鉛系無機微粒子を25〜85質量%含む芯成分と、該芯成分を覆うポリフッ化ビニリデンを含む鞘成分から構成され、該芯成分と該鞘成分の質量比率が芯/鞘=10/90〜60/40であり、繊維比重が1.8以上である。
複合繊維を高比重化するために、比重1以上の熱可塑性ポリマー中に、比重が3以上の非鉛系無機微粒子を含有させることが必須である。含有させる非鉛系無機微粒子の比重として、好ましくは比重が3以上10以下であり、より好ましくは比重が3以上6以下である。比重が3未満の非鉛系無機微粒子を使用する場合は、目的の繊維比重を達成するために繊維中の該無機微粒子の含有量を高め、しかも複合繊維における芯成分の複合比率を大きくしなければならず、たとえ目的とする繊維比重の繊維が得られたとしても曳糸性、延伸性等の工程性が不良で、繊維強力も低いものしか得られないので漁網としての用途には不適となる。
本発明の複合繊維の比重が1.8未満の場合、海水中での高沈降性と漁網の保形性を達成することが困難である。複合繊維は、高疲労性、高耐久性、安全性を保有し、かつ繊維間に働く摩擦が小さい特徴を有し、さらに漁網としての使用時に繊維が損傷しにくい特徴を有する。
該無機微粒子の種類としては非鉛系金属の微粒子またはその化合物の微粒子を挙げることができる。「非鉛系金属」とは、鉛や錫等環境問題を極めて起こしやすい金属以外の金属を意味しており、具体的にはチタン、鉄、銅、亜鉛、銀、バリウム、ジルコニウム、マンガン、アンチモン、タングステン等の金属やその酸化物、塩などを挙げることができる。本発明においては、無機微粒子としてかかる金属やその酸化物、塩などから所望に応じて適宜選択することができるが、微粒子の比重、ポリマ−中での微粒子の分散性、ポリマ−の熱分解を促進させることのない非触媒性等の点で二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウム、酸化鉄等を使用することが好ましい。さらに該無機微粒子は1種類のみならず、2種類以上を混合して使用することもできる。
また該無機微粒子の芯成分中の含有量は25〜85質量%であることが必要である。含有量のより好ましい範囲は30〜80質量%であり、さらに好ましい範囲は45〜75質量%である。該含有量が25質量%未満の場合は目的とする繊維比重を得るためには複合繊維における芯成分比率を大きくしなければならず、繊維強力の低いものしか得られなくなる。一方、該含有量が85質量%を越える場合は紡糸時のポリマ−溶融流動性が悪くなり、糸切れが頻発する。
該無機微粒子の粒子径は、一次粒子の平均粒子径が5μm以下であることが望ましい。粒子径が5μmを越えると紡糸・延伸時に断糸や毛羽が多発しやすくなる。該粒子径があまり小さくなると、ポリマ−中に微粒子を添加させる時に、成形加工時の熱により熱凝集が発生して逆に粗大粒子化したり、紡糸時にポリマ−溶融ラインの配管中で微粒子の熱凝集が発生しやすくなり、ラインが詰まるというトラブルが多発しやすくなる。したがって、該無機微粒子の一次粒子の平均粒子径は0.05μm以上であることが好ましい。
該無機微粒子としてまず二酸化チタンを使用する場合について説明する。二酸化チタンは、結晶形によりアナタ−ゼ型(Anatase)、ルチル型(Rutile)、ブルカイト型(Brookite)の3つの形態があり、一般に顔料として使用されているのはアナタ−ゼ型とルチル型である。とくに、合成繊維には工程上の摩耗性に及ぼす硬度の関係と溶剤または分散媒に対する分散性の問題からアナタ−ゼ型が主として使用されているが、比重が高い点、耐光性に優れている点において本発明においてはルチル型を使用することが好ましい。この場合、モ−ス硬度がルチル型のほうがアナタ−ゼ型のものより大きく、工程上の摩耗等のトラブルが発生する懸念があるが、本発明の複合繊維においては、無機微粒子を含有する芯成分を鞘成分で実質的に覆っているので、紡糸時のノズル口金の摩耗や加工工程中のガイド類やロ−ラ類の摩耗損傷等の問題はない。
また、二酸化チタンは他の無機微粒子に比べ、ポリマ−中に高含有率で添加しても、ポリマ−の溶融押出時に熱凝集が起こり難く、溶融ポリマ−ライン中でのコンタミによる詰まりが発生しにくく、紡糸時のフィルタ−詰まりも少なく、かつ紡糸・延伸時の糸切れの発生も少ない。かかる二酸化チタンの表面はチタン、アルミナ、シリカ等の無機系または有機系化合物によりコ−ティング処理が施されていてもよく、表面コ−ティング処理がなされた微粒子を使用すると耐熱性や微粒子分散性をさらに向上させることができるので好ましい。
二酸化チタンは単独で使用してもよいし、比重が3以上でかつ平均粒子径が5μm以下の他の微粒子と併用してもよい。また併用する微粒子が、上述したような熱凝集の問題を生じ易いものであっても、二酸化チタンを15質量%以上、とくに40質量%以上使用することにより分散性の向上が期待できる。他の微粒子としては、たとえば酸化錫(スズ石)等に比して毒性の少ない酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウム、リトポン、酸化マグネシウム等を使用することができる。なお、二酸化チタンは紫外線によるチタン原子の励起により芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−の劣化を促進しやすいので酸化防止剤を併用することが好ましい。
次に無機微粒子として酸化鉄を使用する場合について説明する。酸化鉄には色調が黒色のマグネタイトすなわち磁鉄鉱(Fe)、茶色のγ型ヘマタイト、赤褐色のα型ヘマタイト等があるが、漁網などの水産用資材に好適な複合繊維としては、色相を黒色系にすると魚に警戒感を与えないため、漁獲高に好結果を与えることができ、黒色を呈する磁鉄鉱を使用することが好ましい。磁鉄鉱を他の無機微粒子と併用する場合には、使用する無機微粒子全体の20質量%以上を磁鉄鉱にすると染色処理等を簡素化または省略することができるが、この場合においても鞘成分に原着を使用することは何等差支えない。
また酸化鉄の粒子形状としては球状、八面体状、六面体状、多面体状等があり、いずれの形状をも使用することができるが、球状の酸化鉄微粒子を使用すると芯成分中での分散性が最も良好となり望ましい。とくに、無機微粒子を多量にポリマ−中に添加する場合には、球状微粒子の使用が顕著な効果を奏し、凝集による紡糸時のフィルタ−詰まりの発生も少なく、しかも紡糸・延伸時の糸切れ発生も少ない。
さらに該酸化鉄は、シリカやフェライト等の有機系または無機系化合物により表面コ−ティング処理が施されていてもよく、表面コ−ティング処理がなされた微粒子を使用するとポリマ−の熱分解が抑制され、微粒子分散性をさらに向上させることができるので好ましい。
酸化鉄は芯成分中に含有される無機微粒子として単独で使用されてもよいが、芯成分中でその含有率が25質量%を越えると粒子形状、粒子径の適切な酸化鉄を用いても溶融押出時のライン中での熱凝集によるコンタミの発生や、激しい場合には配管の詰まり等のトラブルが生じる場合がある。芯成分中に含有される無機微粒子として酸化鉄を使用し、25質量%を越える含有率にするためには酸化鉄と他の微粒子とを併用することが好ましい。とくに細デニ−ルの糸を製造する場合等では、溶融ポリマ−のライン中での滞留時間が長くなり、ライン詰まりのトラブル発生の原因ともなる。
酸化鉄と併用する他の微粒子は、比重が3以上で、かつ一次粒子の平均粒子径が5μm以下、しかも熱凝集性が余りなく、コスト的にも高価でないものを選択することが好ましい。好適な例としては二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、アルミナ、フェライト、リトポン、酸化銅、酸化マグネシウム等挙げられ、中でも芯成分中の無機微粒子の分散性等の点で二酸化チタンがとくに好ましい。酸化鉄と二酸化チタンとを併用する場合の混合率は、芯成分に対する合計含有量が25〜85質量%の範囲内であれば任意に変更しても紡糸性、延伸性等良好で大きなトラブルの発生もなく、目的とする繊維を得ることができる。好適な混合率の例を挙げると酸化鉄/二酸化チタン=20/80〜70/30(質量比)である。たとえば、芯成分中の微粒子の合計量が70質量%の場合、酸化鉄を30質量%、二酸化チタンを40質量%にすると、分散性が向上でき、合計量が60質量%の場合、酸化鉄を30質量%、二酸化チタンを30質量%にすると、得られた繊維の色相が好ましいものとなる。
このように、芯成分中の微粒子の含有量が25質量%以上の高含有量で、しかもその中に酸化鉄を高添加する場合には二酸化チタンを併用して添加することにより、溶融押出時のライン詰まり等のトラブルがなく、しかも芯成分中の分散性が良好で、工程中の糸切れも少ない繊維が得られる。
本発明は優れた耐久性と高比重を兼ね備えた複合繊維を提供すると同時に、種々の色相に対応できる複合繊維を提供することを目的としている。しかしながら、上述のように、無機微粒子として酸化鉄のような着色微粒子を高含有率で使用した場合、色相を自由に変更することができにくくなるが、無機微粒子として二酸化チタンを使用すると、二酸化チタンが白色であり、このような白色系微粒子を芯成分中に添加し、鞘成分であるポリフッ化ビニリデンに所望の色の顔料等を配合することで芯成分の色に邪魔されることなく目的とする色相を発現させることができるのである。
本発明において芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−は比重が1以上であることが必要である。該熱可塑性ポリマ−の比重が1未満の場合、繊維の比重を高めるためには微粒子の含有量を多くせざるを得ず、工程通過性を乱す。
また、一般に無機微粒子を高含有率で含有するポリマ−を溶融紡糸する際、特異な粘性挙動のために極めて紡糸調子が悪化することが問題となる。かかる粘性挙動とは低剪断下では溶融粘度が高く、一方高剪断下では溶融粘度は低くなるという、いわゆるチクソトロピ−性を示す。紡糸パックに、無機微粒子を高含有率で含有するポリマ−が供給される導入部においては剪断速度が10 sec−1オ−ダ−であるが、ノズル孔に分配される分流板では10 sec−1オ−ダ−、さらには鞘成分であるポリマ−と合流して押し出されるノズルでは10 sec−1オ−ダ−にも達する。チクソトロピ−性の顕著なポリマ−流は、この大きな剪断速度の変化の下で溶融粘度に大きな斑が生じ、ノズル単孔辺りの吐出量が変動し、芯鞘のバランスが崩れるために極めて紡糸が困難となる。本発明ではかかる点をも検討した結果、無機微粒子を多量に含有する芯成分と鞘成分であるポリエステルの溶融粘度が重要であることを見い出した。すなわち、280℃における剪断速度が1.0×10 〜5×10 sec−1の全領域において、芯成分の溶融粘度aと鞘成分であるポリフッ化ビニリデンの溶融粘度bとの比(a/b)が4.0〜0.1の範囲にあることが望ましい。かかる範囲に芯成分と鞘成分の溶融粘度比がある場合にのみ、無機微粒子を多量に含有する芯成分と鞘成分の合流が円滑に行われ、複合紡糸・延伸性等の操業性も向上する。しかも無機微粒子が芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−中に均一に分散され、目的とする複合繊維を操業性よく製造することが可能となる。好ましい溶融粘度比(a/b)は1.5〜0.8である。
かかる溶融粘度比(a/b)を調整するには、まず芯成分のチクソトロピ−性を極力抑制した上で、鞘成分のポリマ−の極限粘度を設定することが望ましい。芯成分のチクソトロピ−性の抑制手段としては、無機微粒子の表面積を小さくすべく球形のものを選択して粒子径を大きくするか、極力比重の高いものを選択し無機微粒子の添加率を下げること;芯成分のポリマ−の分子量、融点の適性化;芯成分のポリマ−と無機微粒子との親和性を向上させるべくカップリング剤を添加することなどを挙げることができる。
上述のような条件、すなわち比重、融点、溶融粘度を満足する熱可塑性ポリマ−としてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリヘキサメチレンテレフタレ−ト等のポリエステルを挙げることができる。
本発明のように、無機微粒子を高添加する場合には、該無機微粒子とポリマ−とのヌレ性およびポリマ−中での分散性が良好で、紡糸性、延伸性が最も良好な熱可塑性ポリマ−を使用することが好ましく、かかる観点から本発明においては融点が適当であるポリアミド、とくにナイロン6を主成分とするポリアミドかポリブチレンテレフタレートを使用することが好ましい。好適な例として用いるナイロン6の重合度は、数平均分子量で約22000以下、とくに20000以下6000以上であることが好ましい。重合度が高すぎると、無機微粒子を高添加した芯成分の溶融粘度が高くなりすぎ、トラブルが発生したり、無機微粒子の分散不良が生じやすい。また、実際に無機微粒子を高添加したポリマ−を溶融押出して繊維化する際、溶融粘度が高すぎると設備上のトラブルが多発しやすくなると同時に断糸が多発してくるため好ましくない。一方、重合度が低すぎると溶融粘度が鞘成分に対して低くなりすぎるため芯鞘界面の形成が困難となる。
芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−としてポリエステルを使用する場合は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,4ブタンジオール、ポリエチレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオール;ビスフェノールAまたはビスフェノ−ルSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオ−ル;シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ルなどのジオール成分を用いて形成された繊維形成性ポリエステルを挙げることができる。さらに、これらに少量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤等を含んでいてもよい。
かかるポリエステルの極限粘度〔η〕は0.6以上であることが好ましい。なお、極限粘度はフェノ−ル/テトラクロロエタンの等重量混合溶媒中、30℃で測定した値である。極限粘度〔η〕が0.6未満であれば繊維強度が低下し目的とする耐久性が得られない。本発明における極限粘度は、紡糸後の繊維中の芯成分であるポリエステルの極限粘度である。すなわち、紡糸時に熱分解または加水分解等で重合度低下が生じる場合は、その分を見込んだやや高めの重合度のポリエステルを用いて繊維化しなければならないことはいうまでもないことである。
本発明において鞘成分であるポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンを主体としてなり、フッ化ビニリデンの単独重合体或いはフッ化ビニリデンに共重合成分としてテトラフルオロエチレン、モノクロルトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレンまたはパーフルオロイソプロポキシエチレン等が共重合された共重合体である。ポリフッ化ビニリデンには可塑剤、染料、顔料、無機粒子等の添加剤が含まれていてもよい。
ところで、本発明においては鞘成分であるポリフッ化ビニリデンに着色剤を添加して、前述したような漁網用途に適した色相にすることができ、該ポリフッ化ビニリデンの溶融紡糸温度に耐え得る耐熱性を有する有機顔料や無機顔料を適宜使用することができる。具体的には、カ−ボンブラック、アントラキノン系褐色着色剤、アントラキノン系紫色着色剤、ベンゾキノン系赤色着色剤、通常の原着用着色剤を使用することができ、これらの着色剤は単独または2種類以上併用して添加率0.1〜5質量%の範囲内でポエフッ化ビニリデンに配合され得る。該着色剤の添加量が0.1質量%未満の場合には十分な「色相」や「ツヤ」を呈する漁網用原着糸を得ることが困難であり、また添加量が5質量%を越えると強力の低下が大きくなるので好ましくない。
とくに、現在必要とされる漁網用原着糸の色相の大部分が黒色であるが、このような場合、カ−ボンブラックを鞘成分であるポリフッ化ビニリデンに0.1〜3質量%添加することが好ましい。カ−ボンブラックは紫外線を吸収し樹脂劣化を防ぐ効果があり、繊維の耐候性、すなわち経時的な繊維強度の低下を防止でき、相乗的な効果を発現することができる。また、繊維形成後に所望の色に染色することも可能である。
本発明の複合繊維は、上述したような無機微粒子を含有した芯成分を鞘成分であるポリフッ化ビニリデンで実質的に覆った断面形状をしている。ここで「実質的に覆った断面形状」とは繊維表面周長の80%以上、好ましくは90%以上が鞘成分で占められていることを示す。紡糸・延伸工程におけるガイドやロ−ラの摩擦および糸切れをより一層防ぎ、芯成分と鞘成分との界面剥離の問題を解決するために、本発明においては芯成分が鞘成分で完全に覆われていることが好ましく、かかる断面形状としては同芯芯鞘型、偏芯芯鞘型、多芯芯鞘型などがあり、芯の数としては1〜4を挙げることができる。
芯成分と鞘成分との複合質量比率は前者/後者=10/90〜60/40、好ましくは前者/後者=15/85〜40/60である。鞘成分の複合質量比率が少なすぎると繊維強度の低下が生じ、一方、鞘成分の複合質量比率が多すぎると繊維比重を高くする効果が十分発揮できなくなる。
PVDFを鞘成分とする芯鞘複合繊維の製造工程においては、フッ化水素の発生による作業環境の悪化や、異種樹脂界面における非親和性に起因する界面歪みの増大に伴い、糸質の低下や耐久性の低下などの問題によりその製造が困難となる場合があるが、本発明者らは、ポリフッ化ビニリデンの加熱溶融工程において温度を240〜285℃の範囲とし、かつ滞留時間を3分以下と短くすることで、フッ化水素発生による作業環境悪化や糸切れによる工程不調を生じることなく、本構成の芯鞘複合繊維の製造が可能となることを見出した。
本発明の芯鞘複合繊維の製造方法は、上記条件以外の点については特に限定されないが、その製造工程において上記条件下鞘成分であるポリフッ化ビニリデンと芯成分とを別々の溶融系で加熱溶融しておき、それぞれ通常の押出紡糸装置により紡糸口金まで送り、紡糸口金直前で両成分を所望の芯鞘型の複合形状に合わせて合流させ、押し出して得られる糸条を巻取り、さらに延伸、熱処理することにより得られる。また紡糸口金から押し出した後、巻き取ることなく直ちに延伸する方法や、紡糸口金から押し出した後、高速で巻取り、そのまま製品とする方法も用いることができる。
具体的にはおおよそ3000m/分以下の速度で引取り、一旦これを巻き取った後に延伸するいわゆるPOYやFOY延伸法、または巻き取ることなく延伸するスピンドロ−法、さらには4000m/分以上の高速で引き取るDSY法、あるいはDSY法においてノズルと引取りロ−ラの間にヒ−タ−を設け、延伸しながら引き取る方法などが採用される。中でも好ましいのは、300〜3000m/分、さら好ましくは600〜2000m/分で引き取り延伸し(FOYでもスピンドロ−でも良い)、ついで熱処理する方法である。該速度が300m/分未満では、未延伸糸の配向度が低く、所望の繊維強度を得るためには延伸倍率を上げる必要が生じ、その結果、繊維中に多数のボイドが発生し、繊維の高比重化が十分達成できない場合がある。一方該速度が4000m/分を越える、いわゆるDSYといわれる領域で引き取る場合は、延伸熱処理操作を実施しなくても目標物性が得られることもあるが、前述した引取り速度で引取り延伸熱処理する方法に比較し繊維強度が低下することは避けられない。
延伸は一段延伸でも二段延伸でもよい。また延伸倍率は紡糸速度により様々に変化するので一義的に特定できないが、破断に至る倍率の75〜85%程度の倍率を採用することが好ましい。とくに、本発明の繊維の製造において特徴的な点は延伸後の熱処理である。すなわち、芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−の(融点−80)℃以上、鞘成分であるポリフッ化ビニリデンの(融点−5)℃以下の温度で熱処理を施すことに特徴があり、かかる熱処理温度としては毛羽が発生しない範囲で高めに設定する方が繊維比重は高く、かつ強度、タフネスの大きい繊維が得られる。芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−の融点に近いか、もしくはそれ以上の温度で加熱されることにより、繊維が収縮しつつ延伸時に発生した繊維中での無機微粒子周辺のボイドがある程度修復されるためと推定され、また熱処理温度を高めることにより繊維の機械的性質を発現させる鞘成分の結晶化が促進されるためと推定される。
かかる熱処理温度が鞘成分であるポリフッ化ビニリデンの(融点+10℃)を越えると断糸が多発し、芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−の(融点−100)℃未満の場合は上述の無機微粒子周辺のボイドを充分に修復することが困難である。好ましい熱処理温度は芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−の(融点−60)℃以上、鞘成分であるポリフッ化ビニリデンの(融点+5)℃以下である。具体例を示すと、芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−がナイロン6の場合、熱処理温度を160℃以上、180℃以下にすることが望ましい。
また、延伸を安定化させ、かつ無機微粒子周辺のボイドの発生を抑制するには延伸時の加熱を熱ロ−ル等の接触加熱方式に加えてスチ−ムジェットや空気加熱等の非接触加熱方式を併用することが好ましい。これは、芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−の融点よりも十分高い温度で芯成分の流動性を高めた状態で延伸しようというものであり、たとえば芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−がナイロン6であるときには250℃以上、好ましくは300℃以上、さらに好ましくは350℃以上の温度スチ−ムジェットを用いて加熱延伸することが好ましい。なお、かかるスチ−ムジェットの温度は、本発明における熱処理温度そのものを示すものではなく、本発明における熱処理温度とは接触加熱温度を意味するものである。これらの知見から、芯成分を構成する熱可塑性ポリマ−の融点は鞘成分であるポリフッ化ビニリデンの融点より20℃以上、とくに30℃以上高いことが必要となり、必然的に該熱可塑性ポリマ−の融点は200℃以上が必要となる。
本発明の複合繊維は単独または他の繊維と混用して広汎な用途に使用され得る。他の繊維と混用する場合には、混繊、合糸、合撚、交織、交編、その他あらゆる手段を用いることができ、さらに得られた布帛は必要に応じて種々後加工処理を施して各種の用途に供することができる。本発明の複合繊維の好適な用途としては、従来にない高比重である特徴を最大限に生かせる刺網類、曳網類、旋網類、建網類、敷網類等各種魚網用途に好適である。とくに、サケ、ブリ、マグロ、アジ、サバ、イワシ、スズキ、イカ等の定置網用として最適である。
上述の魚網用途以外の用途として土木工事等で使用されるシルトプロテクタ−用を始め、従来にない高比重性能を保持したフッ素系繊維として各種産業資材用途への応用が可能である。また産業資材用途以外にもカ−テン、暗幕等非衣料分野への応用も好適である。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお、実施例中における各物性値は以下の方法により測定したものである。
(1)ポリエステルの極限粘度〔η〕:フェノ−ルとテトラクロロエタンの等重量混合溶媒を用い、30℃で測定した。
(2)ナイロンの数平均分子量:ウオ−タ−ズ社製HLC−510によるGPCクロマトグラムにより測定した。
(3)無機微粒子の平均粒径:堀場製作所社製の遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−500により測定した。
(4)繊維比重:試料を3gかせ取りし、ガス置換式密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用いて密度測定を行い算出した。
(5)繊維強度および伸度:島津製作所社製の引張試験機(オ−トグラフIM−100)を用い、20℃、65RH%で測定した。
(6)ポリマ−の溶融粘度(ポイズ):(株)東洋精機製キャピログラフ1C型を用い、300℃で測定した。
(7)紡糸性・延伸性:
以下の基準に従って紡糸性・延伸性評価を行った。
○:24時間の連続紡糸を行い、紡糸時・延伸時の断糸が1回以下の頻度で発生し、得られた繊維に毛羽・ループが全く発生していないか、あるいは僅かに発生したものの、紡糸性・延伸性がほぼ良好である
△:24時間の連続紡糸を行い、紡糸時・延伸時の断糸が3回まで発生し、紡糸性・延伸性が不良である
×:24時間の連続紡糸を行い、紡糸時・延伸時の断糸が3回よりも多く発生し、紡糸性・延伸性が極めて不良である
(8)沈降性評価:
水深30cmの深さを有する水槽中に、長さ5cmの繊維サンプルを水面から垂直に落下させて、サンプルが30cm下の水槽底部に達するまでの時間(30cm深さまで沈降する時間)を測定した。
○:9秒以下
×:9秒より大
(9)動摩擦係数:
繊維と繊維との間に働く摩擦の動摩擦係数はJIS−L1015に準じて、レーダー式摩擦試験機により測定し、計10回の平均値を求めた。
[実施例1]
芯成分に、平均粒子径0.35μmの二酸化チタン(チタン工業(株)社製、ルチル型、比重4.2)50質量%含有し極限粘度〔η〕=0.68のポリエチレンテレフタレ−トを使用し、鞘成分はポリフッ化ビニリデン(PVDF)(アルケマ社製 Kynar K705)にカーボンブラック0.3質量%を二軸混練機で溶融混練してストランド状に押出し、ストランドを切断してペレット化し、90℃で真空乾燥して水分を180ppmにした。
芯成分および鞘成分を別々の溶融押出機で溶融押出しを行い、紡糸温度280℃、複合質量比率(芯成分/鞘成分)20/80の同芯芯鞘型となるようにノズル部で合流し、ノズル口径0.4mmφ、8ホ−ルのノズルを用いて吐出させ、1000m/分の速度で巻き取った。
得られた紡糸原糸をホットロ−ラ温度65℃、ホットプレ−ト温度130℃、延伸倍率3.5倍で延伸し、つづいて3%のオ−バ−フィ−ドを入れながらホットロ−ラ温度160℃で熱処理した後、75デニ−ル/8フィラメントのマルチフィラメントを巻き取った。このマルチフィラメント糸の断面形状を顕微鏡観察したところ、芯鞘複合比率がいずれの繊維においてもまた長さ方向においてもほぼ一定であり、毛羽もなかった。また紡糸・延伸工程における糸切れの発生も認められなかった。
[実施例2〜6]
芯成分のポリマー種、微粒子種、微粒子添加量、断面形状を表1に示す通り変更した以外は実施例1と同様の手法で紡糸、延伸を実施した。得られた結果は表1に示す。
なお、表1中、PETはポリエチレンテレフタレート(クラレ社製、品名クラペット)、Ny6はナイロン6 (宇部興産社製、品名UBEナイロン1015B)、Ny66はナイロン6,6(宇部興産社製、品名UBEナイロン2015B)である。
[比較例1]
芯成分、鞘成分ともにポリフッ化ビニリデン(PVDF)100%を使用し、通常の丸断面にて実施例1と同様の手法で紡糸、延伸を実施した。
[比較例2〜6]
芯成分の酸化チタン含有量と芯鞘複合比率を表1に示す通り変更した以外は実施例1と同様の手法で紡糸、延伸を実施した。得られた結果は表1に示す。
比較例1では芯成分、鞘成分ともにポリフッ化ビニリデン(PVDF)100%の構成としているが、比重が1.8に満たないため、沈降性に劣る結果となった。
比較例2では微粒子添加量が25質量%に満たないため、比重が1.8以上とならず、沈降性に劣る結果となった。
比較例3では微粒子添加量が85質量%を超えるため、紡糸性、延伸性が不良で毛羽、断糸が多発し、性能評価できるレベルの繊維を得ることはできなかった。
比較例4では複合比率が芯/鞘=10/90〜60/40の範囲を外れ、鞘成分の比率が高すぎるため、比重が1.8以上とならず、沈降性に劣る結果となった。
比較例5では複合比率が芯/鞘=10/90〜60/40の範囲を外れ、芯成分の比率が高すぎるため、紡糸性、延伸性とも不良であった。
比較例6では鞘成分がポリエチレンテレフタレート(PET)であるため、動摩擦係数が大きく、繊維同士の低摩擦性が劣る結果となった。
本発明によれば、無機微粒子が高添加された芯成分とポリフッ化ビニリデンからなる鞘成分による複合繊維を得ることにより、従来にない高比重を備え、しかも定置網用繊維として公害問題がなく、かつ好適な色相を有した複合繊維を提供することができる。
1 芯成分
2 鞘成分

Claims (2)

  1. 比重が1以上の熱可塑性ポリマ−中に、比重が3以上の非鉛系無機微粒子を25〜85質量%含む芯成分と、該芯成分を覆うポリフッ化ビニリデンを含む鞘成分から構成され、該芯成分と該鞘成分の質量比率が芯/鞘=10/90〜60/40であり、比重が1.8以上である、複合繊維。
  2. 前記非鉛系無機微粒子が、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウムおよび酸化鉄微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の微粒子である、請求項1記載の複合繊維。
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