JP2022034119A - 水産資材用複合モノフィラメント - Google Patents

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【課題】風によって流され難く、水中で浮き難く、また耐摩耗性を併せもち、取り扱いが容易な水産資材用モノフィラメントを提供する。【解決手段】芯鞘型複合モノフィラメントであって、該複合モノフィラメントは、芯部にフッ素系樹脂、鞘部にポリエステル系樹脂が配され、該複合モノフィラメントにおいてポリエステル系樹脂が占める割合が40~90体積%であり、該複合モノフィラメントの比重が1.4~1.6であることを特徴とする水産資材用モノフィラメント。【選択図】 図1

Description

本発明は、水産資材用複合モノフィラメントに関するものである。
釣糸等の水産資材に用いられる繊維の代表的なものとして比重1.00以下(約0.92~0.94)の超高強力ポリエチレン繊維、比重約0.91~0.96のポリオレフィン繊維、比重約1.01~1.15のポリアミド繊維、比重約1.27~1.39のポリエステル繊維等が挙げられる。
高強力ポリエチレン繊維は、一般的な合成繊維と比べて強力が高く様々な分野で使用されているが、欠点として比重が小さいという特性がある。比重が小さいと、風が吹くと容易に流され、且つ、水に浮いてしまう。釣糸として用いる場合、風が吹いていると竿~水面までの間が弛んでしまうと共に水に浮いてしまい弛むためアタリが分からなくなる。漁網として使おうとすると浮力の影響で網が浮こうとするのに加え、水流の影響で揺れが大きくなる。また単フィラメントが2dtex以下(1.13~1.51dtex)と極めて細いフィラメントをマルチフィラメントに加工したものであるため耐摩耗性に乏しく毛羽立ち易いという欠点もある。
ポリアミド繊維は、柔軟性に優れ、強度を有し、適度な伸びを有することから、水産資材としての基本的性能をバランスよく有するものであり、水産資材用途に多く用いられている。しかしながら、比重は、水や海水よりも若干大きいだけであることから、風や水流の影響を受けやすい。またポリアミド樹脂自体が、吸水性を有することから、水中での吸水し、寸法安定性に劣るという欠点がある。
ポリエステル繊維は、ポリアミドと比較すると比重も大きく風や水流の影響を受けにくく、定置網等の固定式漁網にはその特性を生かし使用されている。さらに、固定式漁網における特定の部位において、揺れにくくするために、より比重の大きいものが求められ、例えば、特許文献1には、ポリフッ化ビニリデン繊維とポリエステル繊維を混撚して比重を1.5~1.75としたものが提案されている。しかし、ポリフッ化ビニリデン自体は摩耗性が非常に悪いことから、混撚糸において、ポリフッ化ビニリデン繊維が、外的な摩耗に耐えられず早期に損傷が生じることから、糸としての耐久性に課題がある。
比重が最も高いものとして、ポリフッ化ビニリデンからなるモノフィラメント(いわゆるフロロカーボンテグス)が挙げられ、その比重は1.7以上と釣糸中で最も大きい。しかし、このフロロカーボンテグスを、サンドペーパー等で摩耗した際に、すぐに削れてしまい摩耗性に劣る。
特開2013-055910号公報
本発明は、風によって流され難く、水中で浮き難く、また耐摩耗性を併せもち、取り扱いが容易な水産資材用モノフィラメントを提供することを技術的な課題とする。
本発明者等は、上記課題を達成すべく検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、芯鞘型複合モノフィラメントであって、該複合モノフィラメントは、芯部にフッ素系樹脂、鞘部にポリエステル系樹脂が配され、該複合モノフィラメントにおいてポリエステル系樹脂が占める割合が40~90体積%であり、該複合モノフィラメントの比重が1.4~1.6であることを特徴とする水産資材用モノフィラメントを要旨とする。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の水産資材用モノフィラメントは、ポリエステル系樹脂とフッ素系樹脂とが芯鞘型に複合された芯鞘型複合モノフィラメントであり、芯部がフッ素系樹脂によって構成され、鞘部がポリエステル系樹脂により構成されることを必須とする。なお、芯鞘型における芯部の数は、1つであっても、2~5個程度の多芯であってもよいが、1つであることが好ましい。本発明において、比重の高いフッ素系樹脂を芯部に配し、硬く滑り性がよいポリエステル系樹脂を鞘部に配してフッ素系樹脂を覆うことにより、比重が高く、かつ摩耗に対して非常に強いものとなり、耐久性に優れる。
本発明における複合モノフィラメントを構成するポリエステル系樹脂としては、分子内にエステル結合を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば芳香族ポリエステルでは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等が挙げられ、また、脂肪族ポリエステルでは、例えばポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。また、本発明における目的を阻害しない範囲であれば、上記したポリエステル同士のブレンドや、上記したポリエステルと共重合したポリエステルとをブレンドしたものであってもよい。共重合できる他の成分としては、ジカルボン酸では、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フタル酸、セバシン酸、アジピン酸、コハク酸等が挙げられ、ジオール成分では、エタンジオール、プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の相対粘度としては、耐摩耗性や強伸度等を考慮して、1.4以上がよい。
本発明における複合モノフィラメントの芯部を構成するフッ素系樹脂は、比重が1.7以上の熱可塑性のフッ素系樹脂であればよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体などが挙げられる。なかでも、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が最も好ましい。
本発明において、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とは、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーまたはフッ化ビニリデンを主成分とするポリフッ化ビニリデンコポリマーを意味する。ポリフッ化ビニリデンコポリマーの具体例としては、フッ化ビニリデンを主成分とし、テトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロイソプロポキシエチレン等を共重合としたコポリマーが挙げられる。また、複合繊維の芯部または鞘部に配するポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、異なる2種以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂をブレンドしたブレンド体であってもよい。さらには、ポリフッ化ビニリデン系樹脂には、製糸性あるいは糸質物性、透明性等を向上させる目的で、熱安定剤、着色剤、抗酸化剤、可塑剤等を含有させてもよい。
また、本発明の目的を達成しうる範囲であれば、複合モノフィラメントを構成するそれぞれの樹脂に、必要に応じて、例えば結晶核剤、艶消し剤、顔料、耐光剤、耐候剤、酸化防止剤、抗菌剤、香料、熱安定剤、可塑剤、染料、界面活性剤、表面改質剤、各種無機電解質及び有機電解質、微粉体、難燃剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明における複合モノフィラメントの比重は、1.4~1.6である。モノフィラメントの比重が1.4~1.6であることにより、モノフィラメントを構成するポリエステル系樹脂とフッ素系樹脂とを芯鞘型形態として複合し、かつ両ポリマーが有する能力を最大限に発揮することができる。比重が1.4未満であると、ポリエステル繊維と近似する比重であり、本発明の目的を達成できない。比重が1.6を超えると、モノフィラメントに占めるポリエステル系樹脂の割合が低い傾向となり、目的とする実用強度を有する水産資材用モノフィラメントが得られにくくなるため好ましくない。
本発明においては、複合モノフィラメントにおいて、ポリエステル系樹脂が占める割合は40~90体積%である。複合モノフィラメントにおいて、ポリエステル系樹脂が占める割合が40体積%以上とすることにより、水産資材用モノフィラメントとして実用強度を発揮し、かつ優れた耐摩耗性を有し、耐久性に優れたものとなる。一方、ポリエステル系樹脂が占める割合が90体積%以下とすることにより、風に流されにくく、水中で浮き難い水産資材用モノフィラメントを得ることができる。
本発明の水産資材用モノフィラメントの糸径は0.1mm~2.0mm程度がよい。
本発明の水産資材用モノフィラメントは、上記のように比重が高く、流されにくいため、水中で固定して用いることを要する水産資材用途に好適に使用できる。また、摩擦に対して耐久性が高く、使用時に海底の凹凸や、岩肌や流木と触れる水産資材用途に使用できる。漁網であれば、定置網等の固定式漁網に好適に使用できる。また、釣糸にも好適である。釣糸のハリスに特に好適に使用できる。
本発明の水産資材用モノフィラメントは、例えば、以下の方法により得ることができる。まず、芯鞘型複合ノズルを用い、鞘部にポリエステル系樹脂を配し、芯部にフッ素系樹脂を配し、ポリエステル系樹脂の比率が40~90体積%となるように計量して溶融紡糸する。
溶融紡糸の際の紡糸速度は、12~30m/分とする。紡糸速度が30m/分を超えると、粘性の高いフッ素系樹脂は、紡糸速度が高過ぎて、その紡糸速度での塑性変形に追随できず均一に変形できなくなって、延伸方向に太細の斑が生じ、糸径斑および延伸切れの原因となってしまう。一方、紡糸速度が12m/分未満であると、ポリエステル系樹脂に対して紡糸速度が遅すぎることから、ポリエステル系樹脂において延伸斑(太細)が発生し、糸径斑および延伸切れの原因となる。
フッ素系樹脂からなるモノフィラメントを製造する場合、溶融紡糸時の紡糸速度は、数m/分から10m/分程度に設定することが一般的である。これは、フッ素系樹脂の溶融粘性が高いことから、紡糸時に延伸斑が生じないようにするために、低い速度で紡糸することを要するためである。しかしながら、本発明においては、紡糸速度を上記特定の範囲とすることにより、フッ素系樹脂とポリエステル系樹脂とを複合したモノフィラメントにおいて、水産資材用として必要な性能を具備させることができる。
次いで、溶融紡糸した糸条は、50~70℃の浴中で冷却した後、65~95℃の温水浴中で第一段延伸を行う。溶融紡糸した糸条の冷却は、上記した温度の水浴であっても、エチレングリコール浴であってよいが、取り扱い性が良好であることから水浴が好ましい。
一般に、フッ素系樹脂からなるモノフィラメントを製造する場合、溶融紡糸後の冷却は、エチレングリコール浴中(約20~80℃)で行い、次いで、第一段延伸を150~170℃のグリセリン浴中で行う。しかしながら、本発明の複合モノフィラメントを得るためには、溶融紡糸した糸条は、50~70℃の浴中で冷却した後、65~95℃の温水浴中で第一段延伸を行う。第一段延伸の際、150~170℃のグリセリン浴中で行うと、実用的な機械的強力および結節強力を有する複合モノフィラメントを得ることができない。これは、150~170℃のグリセリン浴中において、複合モノフィラメントを構成するポリエステル系樹脂がスーパードローの状態となり、良好な結晶構造を形成しないためであると考える。なお、グリセリンの温度を100℃程度に下げると粘性が高すぎて取り扱い性が悪く製造工程の妨げとなり、後工程において糸表面に付着したグリセリンを完全に除去することが困難であることから、第二段延伸以降の熱処理において、フィラメント表面が荒れたものとなり、品質に劣ったものとなる。本発明において、第一段延伸の際の延伸倍率は、3.0~4.5倍が好ましい。
第一段延伸を行った糸条は、次いで、100~250℃で第二段延伸と弛緩熱処理を行うことによって、本発明の水産資材用モノフィラメントを得ることができる。100~250℃で第二段延伸および弛緩熱処理により、前述した第一段延伸によってポリエステル系樹脂中に形成した結晶構造がさらに配向することによって、実用的な機械的強力および結節強力を有するモノフィラメントを得ることができる。第二段延伸の延伸倍率は1.3~2.0倍が好ましく、さらに必要に応じて第三段延伸を行い、全延伸倍率は5.0~7.0倍が好ましい。なお、必要に応じて行う第三段延伸は1倍を超え、1.5倍以下がよい。
第二段延伸および弛緩熱処理は、100℃であれば温水バス中にて行うとよい。100℃を超える温度で行う場合は、加熱ヒーターを用いた乾熱雰囲気下で熱延伸するとよい。熱延伸および弛緩熱処理後は、巻取って、本発明の複合モノフィラメントが得られる。
本発明の水産資材用モノフィラメントは、フッ素系樹脂が芯部、ポリエステル系樹脂が鞘部を形成する芯鞘複合型に複合されて構成してなるものであって、水産資材用として好適な比重を有することから、水中で流されにくく、耐摩耗性に優れ、耐久性に優れたものである。
耐摩耗性を測定する屈曲型摩耗試験の概略斜視図である。
次に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、下の実施例に限定されるものではない。また、実施例における特性値等の測定方法は次のとおりである。
1.引張試験
室温下で24時間以上静置した後、引張試験機で最大強力と破断伸度を測定した。引張試験の条件は、試験速度は300mm/min、つかみ間隔は250mmとし、n=5で測定した平均値を最大強力(N)、破断伸度(%)とした。
2.耐摩耗性(屈曲型摩耗試験)
摩耗体として直径20mmの金属丸棒の側面にサンドペーパー#1500を貼り付けたものを用い、この摩耗体に対して、試験サンプルを90度の角度で接触させ、試料サンプルの一端に所定荷重をかけて、ストローク幅120mm、ストローク速度35回/分で往復摩擦させ、試験サンプルが破断に至るまでの往復回数を計測した。試験サンプルはn=3で計測し、計測値の平均値を耐摩耗性の摩耗回数とした。なお、所定荷重は、試験サンプルの断面積(mm)当たり4.13kgとした。たとえば、線径0.28mmであれば、255gの荷重を使用した。
なお、図1に、耐摩耗性を測定する屈曲型摩耗試験の概略斜視図を示す。
3.比重
サンプルとして約3gを用意し、真密度測定装置BELPycno(マイクロトラック・ベル社製)を用いて、密度を測定して比重を求めた。
実施例1
鞘部に配するポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ製、商品名「NEH2070」相対粘度ηrel=1.55)を準備した。また、芯部に配するフッ素系樹脂として、ポリフッ化ビニリデン樹脂(3M社製 商品名「Dyneon PVDF6010/0000」)を準備した。
ポリエステル系樹脂(鞘部)/フッ素系樹脂(芯部)=80/20(体積比)となるように計量し、ポリマー温度を265℃で1.5mmφ×6Hの紡糸口金から、紡糸速度17.4m/分の条件で溶融紡糸した(芯部の数は1つ)。溶融紡糸した糸条は、速度17.4m/分で60℃の水浴中で冷却した後、巻き取ることなく、85℃の温浴中にて3.4倍で延伸し(第一段延伸)、次いで巻き取ることなく、140℃の乾熱雰囲気中にて1.7倍で延伸し(第二段延伸)、その後、リラックスさせた後、巻き取った(総延伸倍率5.8倍)。得られた芯鞘型複合モノフィラメントは、糸径0.288mm、繊度956dtex、引張強さ768N/mm、伸度18.7%、結節強度484N/mm、比重1.47であった。耐摩耗性の評価結果は表1に示した。
比較例1
フッ素系樹脂として、ポリフッ化ビニリデン樹脂(3M社製 商品名「Dyneon PVDF6010/0000」)を、ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ製、商品名「NEH2070」相対粘度ηrel=1.55)を準備し、フッ素系樹脂を鞘部に配し、ポリエステル系樹脂を芯部に配した。
フッ素系樹脂(鞘部)/ポリエステル系樹脂(芯部)=20/80(体積比)となるように計量し、ポリマー温度を265℃で1.5mmφ×6Hの紡糸口金から、紡糸速度17.4m/分の条件で溶融紡糸した(芯部の数は1)。溶融紡糸した糸条は、速度17.4m/分で60℃の水浴中で冷却した後、巻き取ることなく、85℃の温浴中にて3.4倍で延伸し(第一段延伸)、次いで巻き取ることなく、225℃の乾熱雰囲気中にて1.7倍で延伸し(第二段延伸)、その後、リラックスさせた後、巻き取った(総延伸倍率5.8倍)。得られた芯鞘型複合モノフィラメントは、糸径0.284mm、繊度959dtex、引張強さ680N/mm、伸度23.1%、結節強度461N/mm、比重1.46であった。耐摩耗性の結果を表1に示した。なお、屈曲型摩耗試験では、往復摩耗1回目でモノフィラメントが割けた状態となり、これは、摩耗箇所において鞘部が剥離したことにより割けた状態となったものであり、複合モノフィラメントの形態を維持することができず、耐摩耗性なしと判断した。
比較例2
ポリフッ化ビニリデン樹脂(3M社製 商品名「Dyneon PVDF6012/0000」)のみを用い、ポリフッ化ビニリデンのみからなる単成分のモノフィラメントを製造した。すなわち、ポリマー温度250℃で1.1mmφ×6Hの紡糸口金から、紡糸速度5.4m/分の条件で溶融紡糸した(単層のフィラメント)。溶融紡糸した糸条は、速度5.4m/分で60℃のエチレングリコール浴中で冷却した後、巻き取ることなく、157℃のグリセリン浴中にて3.3倍で延伸し(第一段延伸)延伸し、さらに巻き取ることなく、160℃の乾熱雰囲気中にて1.4倍で延伸し(第二段延伸)、さらに巻き取ることなく170℃の乾熱雰囲気中にて1.28倍で延伸し(第三段延伸)、その後、リラックスさせた後、巻き取った(総延伸倍率5.9倍)。得られたモノフィラメントは、糸径0.305mm、繊度1214dtex、引張強さ872N/mm、切断伸度24.3%、結節強度563N/mm、比重1.78であった。耐摩耗性の結果を表1に示した。なお、往復摩耗94回で破断し、耐摩耗性は極めてよくなかった。
比較例3
ポリアミド系樹脂として、ナイロン6・66共重合樹脂(DSM社製、商品名「ノバミッド2030J」)のみを用い、ポリアミド系樹脂のみからなる単成分のモノフィラメントを製造した。すなわち、ポリマー温度を275℃で1.5mmφ×13Hの紡糸口金から、紡糸速度20m/分の条件で溶融紡糸した。溶融紡糸した糸条は、速度20m/分で12℃の水浴中で冷却した後、巻き取ることなく、95℃の温浴中にて3.4倍で延伸し(第一段延伸)、次いで巻き取ることなく、185℃の乾熱雰囲気中にて1.6倍で延伸し(第二段延伸)、更に巻き取ることなく、190℃の乾熱雰囲気中にて1.1倍で延伸し(第二段延伸)その後、リラックスさせた後、巻き取った(総延伸倍率6.0倍)。得られた複合モノフィラメントは、糸径0.290mm、繊度756dtex、引張強さ910N/mm、伸度29.9%、結節強度818N/mm、比重1.14であった。耐摩耗性の結果を表1に示した。
Figure 2022034119000002


本発明の実施例1の芯鞘型複合モノフィラメントは、水産資材として良好に用いうる比重を有するものであって、実用的な引張強さ、結節強度を有し、かつ極めて優れた耐摩耗性を示した。

Claims (4)

  1. 芯鞘型複合モノフィラメントであって、該複合モノフィラメントは、芯部にフッ素系樹脂、鞘部にポリエステル系樹脂が配され、該複合モノフィラメントにおいてポリエステル系樹脂が占める割合が40~90体積%であり、該複合モノフィラメントの比重が1.4~1.6であることを特徴とする水産資材用モノフィラメント。
  2. フッ素系樹脂がポリフッ化ビニリデン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の水産資材用複合モノフィラメント。
  3. 請求項1または2記載の複合モノフィラメントによって構成されることを特徴とする釣糸。
  4. 請求項1または2記載の複合モノフィラメントによって構成されることを特徴とする釣糸のハリス。
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