JP2009218161A - ガス拡散層、膜電極接合、固体高分子型燃料電池、およびこれらの製造方法 - Google Patents

ガス拡散層、膜電極接合、固体高分子型燃料電池、およびこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガス拡散層の表面の疎水性をガス拡散層内部の疎水性よりも高めることで、ガス拡散層の排水性を向上することを目的とする。
【解決手段】 導電性多孔質体と疎水性材料とからなるガス拡散層において、前記ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域の疎水性が前記領域に隣接して存在する前記ガス拡散層の内部の少なくとも一部の領域の疎水性よりも高いことを特徴とするガス拡散層。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガス拡散層、膜電極接合体、固体高分子型燃料電池、およびこれらの製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池を長時間駆動する場合、カソード反応(酸素還元反応)で生じる水が触媒層への燃料ガスの供給を妨げることにより発電反応が停止するという、いわゆる「フラッディング現象」が生じてしまう。
そこで、フラッディング現象を抑制し、触媒層に対して充分なガス供給を確保するために、ガス拡散層の疎水性を高める技術が用いられている。
特許文献1では、疎水性材料として、イオン交換基を実質的に有さない溶媒可溶性含フッ素重合体を含む溶液に触媒を有する導電性多孔質体を含浸させた後、真空中もしくは不活性ガス中で100〜200℃にて熱処理することで溶媒を除去し、疎水化したガス拡散電極を得ている。
また、特許文献2においては、触媒層を表面に有する導電性多孔質体に溶媒可溶性のフッ素系材料を付与し120℃でのアニール処理により疎水化処理を行っている。
WO01/022510 特開2005−93217
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、疎水性化合物を熱処理によって固定する場合、疎水性化合物はガス拡散層に均一に固定される。そのため、特許文献1や特許文献2に記載のガス拡散層は排水性が十分でないという問題があった。
そこで、本発明は、ガス拡散層の表面の疎水性をガス拡散層内部の疎水性よりも高めることで、ガス拡散層の排水性を向上することを目的とする。
本発明は、導電性多孔質体と疎水性材料とからなるガス拡散層において、前記ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域である領域(a)の疎水性が、前記ガス拡散層の内部の少なくとも一部の領域であって前記領域(a)に隣接して存在する領域である領域(b)の疎水性よりも高いことを特徴とするガス拡散層である。
前記ガス拡散層の表面に存在する疎水性材料の量が、前記ガス拡散層の内部に存在する疎水性材料の量よりも多いことが好ましい。
前記疎水性材料が、少なくとも一つの官能基を有するフッ素化合物であることが好ましい。
前記フッ素化合物の分子量が、10000以下であることが好ましい。
別の本発明は、前記ガス拡散層と、アノードと、カソードと、を有することを特徴とする膜電極接合体である。
別の本発明は、ガス拡散層と、アノードと、カソードと、燃料供給層と、を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池である。
前記固体高分子型燃料電池が、前記ガス拡散層に接触して存在する酸素供給層もしくは燃料供給層を有し、前記ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域が、前記ガス拡散層の前記酸素供給層と接触する部分を含むことが好ましい。
別の本発明は、導電性多孔質体の表面に少なくとも一つの官能基を有する疎水性化合物を付与する工程と、
前記疎水性化合物が付与された前記導電性多孔質体にUV光を照射して前記疎水性化合物を前記導電性多孔質体に固定する工程と、
を有することを特徴とするガス拡散層の製造方法である。
前記疎水性化合物の分子量が10000以下であることが好ましい。
前記導電性多孔質体の表面に少なくとも一つの官能基を有する疎水性化合物を付与する工程が、前記疎水性化合物を溶媒に溶解させた溶液を前記導電性多孔質体の表面に付与する工程であることが好ましい。
前記疎水性化合物が付与された前記導電性多孔質体にUV光を照射して前記疎水性化合物を前記導電性多孔質体に固定する工程が、前記疎水性化合物が付与された前記導電性多孔質体に200℃以下の温度を付与し、かつUVを照射して前記疎水性化合物を前記導電性多孔質体に固定する工程であることが好ましい。
前記疎水性化合物がフッ素化合物であることが好ましい。
前記導電性多孔質体が支持層とマイクロポーラス層とを有することが好ましい。
別の本発明は、前記ガス拡散層を製造する工程を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。
別の本発明は、前記ガス拡散層を製造する工程を有することを特徴とする燃料電池の製造方法である。
本発明によれば、排水性に優れたガス拡散層および該ガス拡散層を用いた固体高分子型燃料電池を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている材質、寸法、形状、配置等は、特に記載がない限りは、この発明の範囲を制限するものではない。
図1に、固体高分子型燃料電池セルの構造の一例を、プロトン伝導方向に平行かつ燃料電池セルの幅に平行な方向に切断した際の断面図を模式的に示す。ここで、燃料電池セルの幅とは、燃料電池セルが有する集電体(セパレータ)をプロトン伝導方向に垂直な断面で切断した断面図において、集電体(セパレータ)端部間の最も短い幅のこととする。
固体高分子型燃料電池セル1Sは、固体高分子電解質膜11、アノード触媒層12、カソード触媒層13、アノード側ガス拡散層14、カソード側ガス拡散層15、燃料供給層18、酸素供給層19、アノード側集電板16、カソード側集電板17、シール部材20、21を有している。
アノード触媒層12およびカソード触媒層13は、固体高分子電解質膜11に接触して対向して配置されている。アノード触媒層12が有する面のうち、前記固体高分子電解質膜11と接触している面と対向する面には、アノード側ガス拡散層14が接触して配置されている。また、カソード触媒層13が有する面のうち、前記固体高分子電解質膜11と接触している面と対向する面には、カソード側ガス拡散層15が接触して配置されている。アノード側ガス拡散層14が有する面のうち、アノード触媒層12と接触している面と対向する面には、燃料供給層18が接触して配置され、カソード側ガス拡散層15が有する面のうちカノード側触媒層13と接触している面と対向する面には、酸素供給層19が接触して配置されている。そして、燃料供給層18に接触してアノード側集電体16が配置され、酸素供給層19に接触してカソード側集電体17が設置されている。
本発明によって得られるガス拡散層は、カソード側ガス拡散層15に用いることが好ましい。これは、通常、カソードの反応によって水が発生するためである。以下、本発明の第一であるガス拡散層について説明する。
本発明の第一は、導電性多孔質体と疎水性材料とからなり、前記ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域である領域(a)の疎水性が、前記ガス拡散層の内部の少なくとも一部の領域であって前記領域(a)に隣接して存在する領域である領域(b)の疎水性よりも高いことを特徴とするガス拡散層である。
ここで、本発明において、「ガス拡散層の表面」とはガス拡散層が有する領域のうち最表面の領域のことであり、ガス拡散層外部から光をガス拡散層に照射した際に、光の当たる部分のことである。一方、「ガス拡散層内部」とは前記最表面以外のことであり、ガス拡散層外部から光をガス拡散層に照射した際に、光が当たらない部分のことである。また、前記ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域である領域(a)に隣接して存在する前記ガス拡散層の内部の少なくとも一部の領域である領域(b)は、前記ガス拡散層に存在する全ての点を座標で表した際に、該座標の平均値を座標とする点を通りかつ前記ガス拡散層の表面に平行な平面と、前記ガス拡散層の表面と、で挟まれる領域であることが好ましい。なお、本発明において「AとBとが隣接する」とは、Aの外側を取り囲む面の一部とBの外側を取り囲む面の一部とが一致していることである。このようなガス拡散層において、ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域である領域(a)の疎水性を前記領域(a)に隣接して存在する前記ガス拡散層の内部の少なくとも一部の領域である領域(b)の疎水性よりも高める。これにより、該表面と接触する燃料供給層や酸素供給層との疎水性の差がより大きくなり、ガス拡散層から燃料供給層や酸素供給層へスムーズに生成水を移動させることができるようになると推測される。また、燃料供給層や酸素供給層に溜まった生成水がガス拡散層側へ逆流することを防止することができると推測される。これらの結果、生成水による燃料や酸素の触媒層への供給が妨げられることがなく、燃料電池を安定に駆動させることができる。なお、前記ガス拡散層が有する前記表面は、前記ガス拡散層のうちの前記燃料供給層と接触する部分もしくは前記酸素供給層と接触する部分を含むことが好ましい。
以下、各部について説明する。
<導電性多孔質体>
ガス拡散層を構成する導電性多孔質体は、電子伝導性(導電性)を有し、かつ多孔質体である必要がある。これは、ガス拡散層が多孔質体であることによって、燃料ガスもしくは酸化剤ガスが触媒の反応領域へ均一かつ充分に供給されると共に、発電によって生じた過剰な生成水が触媒層から効率良く排出されるからである。また、導電性を有することにより、電極反応によって生じた電荷をセル外部に取り出す(集電する)ことが可能となる。なお、ここでの多孔質体とは多数の細孔を有する物質であり、多孔度(物質中の細孔の占める割合)が30%以上、好ましくは50%以上である。また、「導電性を有する」とは、電気抵抗率が1kΩ・cm以下、好ましくは1Ω・cm以下のものであるとする。なお、導電性多孔質体とは、前記規定を満たし、かつ疎水性材料が固定されて固体高分子型燃料電池のガス拡散層として機能するものである。したがって、導電性多孔質体は、導電性材料のみで構成されている必要はなく、表面に疎水性成分やプロトン伝導成分などが付着していても構わない。
このような導電性多孔質体の例を図2に示す。図2の導電性多孔質体は、支持層22とマイクロポーラス層23の二層によって構成されていることが好ましい。このような場合、支持層22は、細孔を有する導電性の炭素基材であることが好ましく、前記支持層が有する細孔の大きさは100nm〜90μmであることが好ましい。このような支持層は、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボン不織布等によって構成することができる。また、前記マイクロポーラス層は、支持層が有する細孔の平均径より小さい平均径を有する細孔を有し、細孔の大きさは1nm〜900nmであることが好ましい。このようなマイクロポーラス層は、導電性を有する炭素微粒子などで構成することができる。
<疎水性材料>
ガス拡散層表面の少なくとも一部の領域である領域(a)とガス拡散層の内部の少なくとも一部の領域である領域(b)との疎水性の差は、領域(a)に存在する疎水性材料の量と領域(b)に存在する疎水性材料の量の差が異なることによって生じることが好ましい。ここで、「疎水性材料」とは、疎水性化合物によって形成される材料であり、疎水性化合物は、少なくとも一つの官能基を有し、疎水性を有する化合物である。疎水性材料は、該疎水性化合物が有する官能基によって導電性多孔質体の表面に固定される。このような官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、カーボネート基、アミド基などが挙げられる。
また、このような疎水性化合物としては、フッ素化合物であることが好ましい。したがって、疎水性化合物における官能基以外の部分は、疎水性および化学的安定性の高さからフッ素およびカーボンからなる構造であることが好ましい。しかし、充分な疎水性および化学的安定性を有する構造であれば、このような構造に限られるものではない。
このようなフッ素化合物の例としては、パーフルオロアルコール、パーフルオロカルボン酸、デムナム(ダイキン工業社製)、クライトックス(デュポン社製)やノベックEGC−1720(3M社製)のような材料が挙げられるが、これに限られるものではない。なお、これらは一般的に表面処理剤と呼ばれるものである。
また、疎水性化合物は、より好ましくは、分子量が10000以下のフッ素化合物であることが好ましい。分子量が小さいことにより、溶媒に溶解しやすくなるため、溶媒に溶解させた状態で導電性多孔質体表面に接触させることができる。したがって、導電性多孔質体が、導電性多孔質体の細孔サイズや形状などの影響を受けること無く、微細な細孔内部もフッ素化合物と接触することができる。
また、本発明において、「疎水性材料」とは材料表面の水滴の接触角が60°以上である材料を指し、さらに好ましくは90°以上である。
以下、本発明の第二であるガス拡散層の製造方法について詳細に説明する。
本発明の第二のガス拡散層の製造方法は、
A)導電性多孔質体の表面に少なくとも一つの官能基を有する疎水性化合物を付与する工程と、
B)前記疎水性化合物が付与された前記導電性多孔質体にUV光を照射して前記疎水性化合物を前記導電性多孔質体に固定する工程と、
を有することを特徴とするガス拡散層の製造方法である。
A)の工程について
<疎水性化合物>
導電性多孔質体の表面に付与する疎水性化合物は、前述した疎水性材料を形成する疎水性化合物である。
導電性多孔質体への疎水性化合物の付与方法としては、細孔内部を含む導電性多孔質体の表面に上記疎水性化合物を付与することができる方法であれば、いずれの方法も採用することができる。このような付与方法としては、例えば、含浸、ディップコーティング、スピンコーティングなどが挙げられる。
疎水性化合物がフッ素化合物である場合には、導電性多孔質体に付与するフッ素化合物の量は、導電性多孔質体の量に対して、0.01〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%である。これは、以下の二つの理由によるものである。一つ目の理由は、付与するフッ素化合物の量が0.01重量%よりも少ないと、導電性多孔質体に充分な疎水性を保持させることが出来ない可能性があることによるものである。二つ目の理由は、30重量%よりも多い場合、充分に疎水性が付与されるものの、フッ素化合物自体には導電性がないため、得られたガス拡散層の電子伝導率が低下する場合があることによるものである。
B)の工程について
導電性多孔質体の表面に付与された疎水性化合物を固定する方法としては、UV光(紫外線)照射を用いる。UV光を照射する場合、ガス拡散層のUV光を照射した表面の疎水性をその他の部分(内部)に比べて特に高くすることができる。これは、UV光を照射した表面は、他の部分と比べて、より多くの疎水性化合物が固定されるためである。
また、疎水性化合物の固定は、疎水性化合物が有する官能基と導電性多孔質体が表面に有するヒドロキシル基やダングリングボンドなどの結合によって生じると考えられる。UV光を照射する場合は、200℃を超えるような高温環境とはせずに、これらの結合を促進させるのに充分な高いエネルギーを供給することができる。したがって、200℃を超えるような高温環境では劣化する可能性がある、疎水性化合物や、ガス拡散層用途として市販されている導電性多孔質体が表面に有するプロトン伝導成分を、劣化させることなく固定することができる。
なお、導電性多孔質体を疎水化する際は、導電性多孔質体が表面に有する熱的安定性の低いプロトン伝導成分や、導電性多孔質体の表面に付与された疎水性化合物を劣化させずに、表面の疎水性が最も高くかつUV光が届かない部分の疎水性も高い構成とすることが好ましい。UV光が届かない部分の疎水性も高い構成とすることで、触媒層で発生する水をより触媒層から排出させやすくすることができる。
このような構成となるよう疎水性化合物を固定する方法としては、導電性多孔体に疎水性化合物を付与した後、200℃以下の温度を付与し、かつUV光の照射を行う方法が挙げられる。なお、200℃以下の温度を付与し、かつUV光の照射を行う工程は、200℃以下の温度を付与する段階と、UV光の照射を行う段階を有するものである。200℃以下の温度を付与する段階とUV光の照射を行う段階とは、どちらを先に行っても良く、同時に行っても良いものとする。
UV光を照射する条件としては、疎水性化合物を付与した導電性多孔質体にUV光を一定時間照射することができ、かつ疎水性化合物と導電性多孔質体の間の反応を充分に行うことのできるものであれば、どのような条件でもよい。なお、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキシマランプなどを用いてUV光の照射を行う場合、効率的かつ簡易に行うことができる。
次に、固体高分子型燃料電池を構成するガス拡散層以外の要素について説明する。
固体高分子電解質膜11は、アノードで発生したプロトンをカソードに伝導する機能を有するものであり、プロトンの解離が可能な有機基を有する有機高分子からなる。プロトンの解離が可能な有機基としては、例えば、スルホン酸基、スルフィン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、リン酸基、水酸基などが挙げられる。また、これらの有機基を有する有機高分子としては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、ポリスチレンスルホン酸樹脂、スルホン化ポリアミドイミド樹脂、スルホン化ポリスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルイミド半透膜、パーフルオロホスホン酸樹脂、パーフルオロスルホン酸樹脂等が例示できる。パーフルオロスルホン酸ポリマーの例としてナフィオン(登録商標)(デュポン社製)が挙げられる。
アノード触媒層12は、燃料である水素から電子とプロトンを発生させる機能を有するものであり、カソード触媒層13は酸素とプロトンと電子から水を発生させる機能を有するものである。アノード触媒層12およびカソード触媒層13は、各々触媒材料とプロトン伝導成分を含む。なお、これらの触媒層には、疎水性材料、保水性材料もしくは造孔材などが含まれていても良い。
触媒材料には、白金酸化物あるいは白金酸化物と白金以外の金属元素の酸化物との複合酸化物、前記白金酸化物または複合酸化物を還元処理してなる白金、白金を含んだ多元金属、白金と白金以外の金属元素の酸化物との混合物、白金を含んだ多元金属と白金以外の金属元素の酸化物との混合物などが用いられる。前記白金以外の金属元素は、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Os、Ir、Au、La、Ce、Ndなどから選ばれる少なくとも一種類以上の金属元素である。
触媒の形状は、粒子形状、樹枝状形状、直方体形状、円柱形状などいずれの形状であっても良い。
また、上記触媒材料を担体である導電性材料に担持させたものを、触媒材料として用いることもできる。触媒担体としての導電性材料は、耐酸性に優れていることから、カーボンが一般的に用いられる。このようなカーボンとしては、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、活性炭、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が挙げられる。
これらの中でも触媒材料は、白金からなる樹枝状構造体であることが好ましい。
触媒層に含まれるプロトン伝導成分としては、上記電解質を用いることができる。
固体高分子型燃料電池に用いる燃料としては、例えば、水素、改質水素、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、燃料としては水素もしくはメタノールであることが好ましい。また、酸化剤としては空気若しくは酸素を用いることが好ましい。
次に、前記製造方法によって製造されるガス拡散層を用いた固体高分子型燃料電池の製造方法について図1を用いて述べる。
まず、アノード触媒層12およびカソード触媒層13の製造方法および膜電極接合体24の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、アノード触媒層12およびカソード触媒層13をまとめて触媒層と呼ぶ場合がある。
触媒層を形成する方法としては、例えば、以下の2つの方法が挙げられる。
一つ目の方法としては、触媒材料を含む溶液を付与し形成する方法である。例えば、触媒材料に溶媒を混合してスラリーを作製し、固体高分子電解質膜11の表面に、所定の膜厚となるように塗布し乾燥させて得る方法である。二つ目の方法としては、蒸着法やスパッタ法を用いる方法である。例えば、転写基板上に、触媒材料を蒸着法やスパッタ法などにより付与することで触媒の構造体を形成した後に、プロトン伝導成分の塗布や撥水処理を行い、転写基板上に形成された触媒の構造体を固体高分子電解質膜11の表面に転写して、触媒層を得る方法などが挙げられる。なお、転写を用いず、固体高分子電解質膜11に直接蒸着法もしくはやスパッタ法を行って、触媒層を形成することもできる。また、触媒層は、触媒前駆体である触媒の酸化物からなる構造体を形成した後に還元して得ることもできる。
膜電極接合体24は、固体高分子電解質膜11の対向する二つの面の各々に上記のように2つの触媒層(アノード触媒層12およびカソード触媒層13)を形成し、加熱圧着することで得ることができる。
次に、膜電極接合体24が有するカソード触媒層13に、前記方法により作製したカソード側ガス拡散層15を接触させて設置する。なお、ここでは、カソード側拡散層15に、前述の方法により作製したガス拡散層を用いる場合を例にとって説明するが、前述したように、前記方法により作製したガス拡散層は、アノード側ガス拡散層14、カソード側ガス拡散層15のいずれか一方のみに用いても良いし、両方に用いても良い。
カソード側ガス拡散層15が有する面のうち、カソード触媒層13と接触する面と対向する面には、酸素供給層19を配置する。酸素供給層19は、酸化剤(空気もしくは酸素)を取り込み、カソード側ガス拡散層15およびカソード触媒層13に供給する役割を有するものである。なお、酸素供給層19が大気に開放されている場合は、酸素供給層19が有する側面のうちプロトン伝導方向と平行な側面に開口部を有していることが好ましい。酸素供給層の例としては、発泡金属からなる層などが挙げられる。
また、アノード触媒層12の表面には、アノード側ガス拡散層14を配置させ、図1のように各燃料電池構成部材を配列させ、集電体の両端から圧力をかけて各部材を接触させる。例えば、燃料電池セルもしくはスタックの両端にエンドプレートを配置し、エンドプレート間にボルトなどを用いて締結することで実現することが出来る。加える圧力(締結圧)は大きいほど、各部材間の接触抵抗を低減させることが出来るが、多孔質部材(ガス拡散層やガス供給層など)の空孔を潰してしまうおそれがある。また、エンドプレートが大きく、重くなり、燃料電池重量やサイズが増大するおそれがある。そのため、各用途に応じて適宜締結圧力を制御する必要がある。
また、酸素供給層19とカソード側集電体17の間には、吸水層を設置することが好ましい。図3に、吸水層を設置した場合の燃料電池セルの構成の一例を、プロトン伝導方向に平行かつ燃料電池セルの幅に平行な方向に切断した際の断面を模式的に示す。吸水層26は、酸素供給層19よりも液体水を保持する安定性が高く、親水性が高い材料からなることが好ましい。なお、図3に示すように、前記燃料電池セル2Sが有する酸素供給層19が開口部25を有する場合は、前記吸水層26の端部は、前記開口部25を含む平面に存在するもしくは前記開口部25を含む平面を基準として前記燃料電池セル2Sとは反対側に存在することが好ましい。このような構成をとることにより、酸素供給層19に溜まった生成水をより効率的に燃料電池セル2Sの外へ排出することが出来る。
なお、上記のような燃料電池セル1Sもしくは燃料電池セル2Sを複数積層し、該積層体をエンドプレートで挟み込み、締結することで燃料電池スタックを作製することも可能である。このような場合、燃料電池セル1Sもしくは2Sが有するアノード側集電板16およびカソード側集電板17は、隣の燃料電池セルとの仕切り(セパレータ)としての機能と集電体として集電する機能を兼ねる場合がある。
また、エンドプレートが有する一つの平面上に複数の燃料電池セル1Sもしくは2Sを配置させて平面型燃料電池を作製することができる。
以下、本発明をいくつかの実施例をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
本実施例は、導電性多孔質体にNovec EGC−1720(登録商標)(住友3M社製、分子量:約2000)を用いてフッ素化合物を付着させた後、UV光を照射することでガス拡散層を作製し、膜電極接合体を挟んで対向して設置させて燃料電池セルを作製した例について述べる。
導電性多孔質体としては、LT1200N(マイクロポーラス層付きカーボンペーパー、E−TEK社製)を用意し、フッ素化合物であるノベックEGC−1720溶液に含浸させて導電性多孔質体表面および内部にフッ素化合物を付着させた。十分に乾燥させ、溶媒を完全に除去した後、UV光を照射することでフッ素化合物を導電性多孔質体に固定してガス拡散層を得た。UV光の照射は、100W/cmの高圧水銀ランプを用い、照射距離を固定して1時間の照射時間にて行った。
次に、膜電極接合体の作製方法について説明する。
まず、転写基板であるPTFEシート(日東電工製、ニトフロン(登録商標))上に反応性スパッタ法により、触媒前駆体である白金酸化物の樹枝状構造体を2μmの厚さに形成した。反応性スパッタは、全圧5Pa、酸素流量比(QO/(QAr+QO))70%、基板温度25℃、RF投入パワーは、5.4W/cm の条件にて行った。得られた白金酸化物の樹枝状構造体を2%H/He雰囲気0.1MPaにて30分間の還元処理を行い、白金酸化物の樹枝状構造体を白金の樹枝状構造体とした。続いて、得られた白金の樹枝状構造体の表面に、プロトン伝導成分として5wt.%のNafion(登録商標)溶液(和光純薬工業製)を50μl滴下し、真空中にて溶媒を揮発させた。これにより、白金の樹枝状構造体の表面に電解質チャネルを形成し、電解質チャネルを表面に有する白金の樹枝状構造体を得た。
次に、電解質チャネルを表面に有する白金の樹枝状構造体を所定面積に切り出し、ナフィオン(登録商標)膜(N112、デュポン社製)を挟んで対向して配置させ触媒層を形成し、ホットプレス(8MPa、150℃、10分間)を行い、PTFEシートを剥離することで膜電極接合体を得た。なお、この際のPt担持量は約0.65mg/cmであった。Pt担持量は蛍光X線分析により測定した。
この多孔質白金膜電極接合体のカソード側に上記作製したガス拡散層を配置し、アノード側には未処理のLT1200N(フッ素化合物を固定させていない導電性多孔質体)を配置して、図3に示した構成の燃料電池セルを形成して電気化学的評価を行った。酸素供給層としては、長さ28mm、幅10mm、厚み2mmの発泡金属を用いた。また、エンドプレートとしては、長さ37mm幅10mmのものを用いた。アノード電極側に水素ガスをデッドエンドで充填し、カソード側は空気に開放し、燃料電池のセル温度を25℃、相対湿度を50%として、0.4A/cmの定電流駆動を行い、燃料電池セルの電圧の経時変化を測定した。
比較例1
実施例1において、導電性多孔質体LT1200NのノベックEGC−1720処理(ノベックEGC−1720の付与)を省略した以外は、同じ方法で燃料電池セルを作製し、実施例1と同様の条件でセル電圧の経時変化を測定した。
比較例2
実施例1において、導電性多孔質体LT1200NのノベックEGC−1720処理の後、UV光の照射を省略した以外は、同じ方法で燃料電池セルを作製し、実施例1と同様の条件で燃料電池セル電圧の経時変化を測定した。
比較例3
実施例1において、導電性多孔質体LT1200NのノベックEGC−1720処理の後、UV照射の代わりに200℃での熱処理を行った以外は、同じ方法で燃料電池セルを作製し、実施例1と同様の条件で燃料電池セルの電圧の経時変化を測定した。
実施例1および比較例1〜3の定電流駆動の結果を図4に示す。図4から、実施例1、比較例3、比較例2、比較例1の順に燃料電池セルの長時間駆動が行えることがわかる。過剰な水が生成すると、ガス拡散層中の細孔を閉塞し、触媒層へのガス供給を妨げる。これに伴い、燃料電池セル電圧の低下が起こり、ついには電流を流すことができなくなってしまう(フラッディング現象)。
実施例1と比較例1との比較から導電性多孔質体の疎水性を高めることで、燃料電池セルの耐久性が上がることがわかる。これは、導電性多孔質体の疎水性を向上することで、カソード触媒層から発生する過剰生成水をガス拡散層を通して外部に効率的に排出できることによるものであると考えられる。また、実施例1と比較例2との比較から、UV光を照射することで、フッ素化合物をより多くガス拡散層表面に固定させ、ガス拡散層の疎水性を向上させることができることがわかる。また、実施例1と比較例3との比較から、フッ素化合物の導電性多孔質体への固定方法は200℃の熱処理で行うよりもUV光の照射によって行う方が好ましいことがわかる。
図4に示す結果より、実施例1に示したEGC−1720を含浸後UV光を照射したガス拡散層は、各比較例よりも長時間駆動できていることが分かる。したがって、EGC−1720を含浸後、UV光を照射したガス拡散層は最も生成水排出機能が高いことが示された。
実施例2
本実施例は、導電性多孔質体に、フッ素化合物を付着させ、200℃で熱処理した後にUV光を照射してガス拡散層を形成し、酸素供給層とカソード側ガス拡散層に吸水層を設置して燃料電池セルを作製した例について述べる。
実施例1と同様に、導電性多孔質体LT1200N(E−TEK社製)にノベックEGC−1720(3M社製)を用いてフッ素化合物を付着させて200℃で熱処理した後に、UV光の処理を行った。膜電極接合体も実施例1と同様のものを用いた。
膜電極接合体のカソード触媒層側に上記作製したガス拡散層を、アノード触媒層側には未処理のLT1200Nを配置して、図3に示した構成の燃料電池セルを形成して電気化学的評価を行った。酸素供給層としては、長さ28mm、幅10mm、厚み2mmの発泡金属を用いた。また、エンドプレートとしては、長さ37mm幅10mmのものを用い、これをセルの長さおよび幅とした。酸素供給層の酸素極側集電体と接触する面に長さ10mm、幅2.5mm、深さ500μmの溝を、前記酸素供給層が有する10mmの幅と平行な方向に等間隔に4本形成した。該溝に長さ20mm、幅2.5mm、厚さ500μmにカットした吸水材料を左右5mmづつセルからはみ出すように設置して吸水層とした。ここで、吸水材料には、アンビック社製液体拡散不織布Pタイプを使用した。
アノード触媒層側に水素ガスをデッドエンドで充填し、カソード触媒層側は空気に開放し、セル温度25℃、相対湿度50%の条件にて、0.4A/cm2の定電流駆動を行い、セル電圧の経時変化を測定した。
比較例4
実施例2において、カソード触媒層側に未処理(ノベックEGC−1720の処理を行っていない)のLT1200Nを用いた以外は、すべて同様にして燃料電池セルを作製し、セル温度25℃、相対湿度50%の条件にて、0.4A/cm2の定電流駆動を行い、セル電圧の経時変化を測定した。
実施例2および比較例4の定電流駆動の結果を図5に示す。酸素供給層に接触させて設置した吸水層の効果により、図4に示した結果よりも長時間安定して駆動することが分かる。実施例2と比較例4を比較すると、実施例2の方が電圧値の降下幅が小さい。これは、吸水層を配置する場合であっても、本発明によって得られたガス拡散層を用いた場合の方が、フッ素化合物を固定していない導電性多孔質体をガス拡散層として用いる場合と比較して、隣接する酸素供給層および吸水層に生成水を排出する機能が向上することを示している。
実施例3
本実施例は、導電性多孔質体をノベックEGC−1720(3M社製)を用いてフッ素化合物を付着させた後、UV光を照射することでガス拡散層を作製し、その最表面の化学組成をEDX(Energy Dispersion X−ray Spectroscopy:エネルギー分散型X線分析)により分析した。
導電性多孔質体として、撥水処理を行っていないカーボンペーパー(TGP−H−060、東レ社製)をノベックEGC−1720溶液に含浸させてカーボンペーパーにフッ素化合物を付着させた。十分に乾燥させ、溶媒を完全に除去した後にUV光の照射を行った。UV光の照射は、100W/cmの高圧水銀ランプを用い、照射距離を固定して1時間の照射時間にて行った。その後、カーボンペーパーに固着されていないフッ素化合物を取り除くため、HFE−7100(3M社製)に含浸させて洗浄し、十分に乾燥させて得られたカーボンペーパーを最表面EDX分析用サンプルとした。
比較例5
実施例3において、UV光を照射するプロセスを除いた以外は全て同じようにしてカーボンペーパーの撥水処理を行い、得られたカーボンペーパーを最表面EDX分析用サンプルとした。
実施例3および比較例5のカーボンペーパーについて最表面のEDX分析を行った結果、実施例3のF量は比較例5と比べて約10%多いことが分かった。これは、UV光の照射により、フッ素化合物とカーボンペーパー表面の固定反応が促進され、UV光の照射されない場合と比べて、より多くのフッ素化合物がカーボンペーパーに固定された結果だと考えられる。この結果から、ガス拡散層にフッ素化合物を付着後にUV光の照射を行うことにより、ガス拡散層の内部に比べてガス拡散層表面(UV光が照射される部分)の疎水性が高いことが分かる。このような構成をとることにより、燃料電池反応によって生成した水をガス拡散層から酸素供給層へ効率的に排出することが可能となり、燃料電池を長時間安定に発電させることができる。
本発明によって得られるガス拡散層は、固体高分子型燃料電池の発電によって生成する水を排水する効果が高い。したがって、燃料電池によって駆動する携帯電話、ノート型パソコンおよびデジタルカメラなどの電気機器の長時間駆動を可能とする。
単セル構造の固体高分子型燃料電池の一例をプロトン伝導方向と平行な断面で切断した模式断面図である。 導電性多孔質体の一例をプロトン伝導方向と平行な方向で切断した模式断面図である。 吸水層を設置した場合の燃料電池セルの構成の一例を、プロトン伝導方向に平行かつ燃料電池セルの幅に平行な方向に切断した模式断面図である。 実施例1および比較例1〜3の固体高分子型燃料電池の定電流駆動特性を示すグラフである。 実施例2および比較例4の固体高分子型燃料電池の定電流駆動特性を示すグラフである。
符号の説明
1S、2S 燃料電池セル
11 固体高分子電解質膜
12 アノード触媒層
13 カソード触媒層
14 アノード側ガス拡散層
15 カソード側ガス拡散層
16 アノード側集電板
17 カソード側集電板
18 燃料供給層
19 酸素供給層
20、21 シール部材
22 支持層
23 マイクロポーラス層
24 膜電極接合体
25 開口部
26 吸水層

Claims (15)

  1. 導電性多孔質体と疎水性材料とからなるガス拡散層において、前記ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域である領域(a)の疎水性が、前記ガス拡散層の内部の少なくとも一部の領域であって前記領域(a)に隣接して存在する領域である領域(b)の疎水性よりも高いことを特徴とするガス拡散層。
  2. 前記ガス拡散層の表面に存在する疎水性材料の量が、前記ガス拡散層の内部に存在する疎水性材料の量よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のガス拡散層。
  3. 前記疎水性材料が、少なくとも一つの官能基を有するフッ素化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のガス拡散層。
  4. 前記フッ素化合物の分子量が、10000以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス拡散層。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のガス拡散層と、アノードと、カソードと、を有することを特徴とする膜電極接合体。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のガス拡散層と、アノードと、カソードと、燃料供給層と、を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  7. 前記固体高分子型燃料電池が、前記ガス拡散層に接触して存在する酸素供給層もしくは燃料供給層を有し、前記ガス拡散層の表面の少なくとも一部の領域が、前記ガス拡散層の前記酸素供給層と接触する部分を含むことを特徴とする請求項6に記載の固体高分子型燃料電池。
  8. 導電性多孔質体の表面に少なくとも一つの官能基を有する疎水性化合物を付与する工程と、
    前記疎水性化合物が付与された前記導電性多孔質体にUV光を照射して前記疎水性化合物を前記導電性多孔質体に固定する工程と、
    を有することを特徴とするガス拡散層の製造方法。
  9. 前記疎水性化合物の分子量が10000以下であることを特徴とする請求項8に記載のガス拡散層の製造方法。
  10. 前記導電性多孔質体の表面に少なくとも一つの官能基を有する疎水性化合物を付与する工程が、前記疎水性化合物を溶媒に溶解させた溶液を前記導電性多孔質体の表面に付与する工程であることを特徴とする請求項8または9に記載のガス拡散層の製造方法。
  11. 前記疎水性化合物が付与された前記導電性多孔質体にUV光を照射して前記疎水性化合物を前記導電性多孔質体に固定する工程が、前記疎水性化合物が付与された前記導電性多孔質体に200℃以下の温度を付与し、かつUVを照射して前記疎水性化合物を前記導電性多孔質体に固定する工程であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のガス拡散層の製造方法。
  12. 前記疎水性化合物がフッ素化合物であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のガス拡散層の製造方法。
  13. 前記導電性多孔質体が支持層とマイクロポーラス層とを有することを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のガス拡散層の製造方法。
  14. 請求項8〜13のいずれかに記載のガス拡散層を製造する工程を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  15. 請求項8〜13のいずれかに記載のガス拡散層を製造する工程を有することを特徴とする燃料電池の製造方法。
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