JP2009217682A - 車両用表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のインストルメントパネルに簡単に組み付けられ且つ装置のコストダウンを図る。
【解決手段】車両用表示装置1が、車両のウインドシールド2に対向するように前記車両のインストルメントパネル3の表面に設けられ且つ前記車両前方の実像に重畳させる複数のドット情報Vを前記ウインドシールド2に列又は格子状に並べて選択的に表示する表示手段10と、前記車両を運転する運転者に通知すべき通知対象情報を取得する通知対象情報取得手段21aと、前記通知対象情報取得手段21aが取得した通知対象情報に対応して予め定められた前記ドット情報Vを前記表示手段10に表示させる表示制御手段21bと、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】車両用表示装置1が、車両のウインドシールド2に対向するように前記車両のインストルメントパネル3の表面に設けられ且つ前記車両前方の実像に重畳させる複数のドット情報Vを前記ウインドシールド2に列又は格子状に並べて選択的に表示する表示手段10と、前記車両を運転する運転者に通知すべき通知対象情報を取得する通知対象情報取得手段21aと、前記通知対象情報取得手段21aが取得した通知対象情報に対応して予め定められた前記ドット情報Vを前記表示手段10に表示させる表示制御手段21bと、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両のインストルメントパネルの表面に設けられた表示手段によって車両のウインドシールドにドット情報を表示する車両用表示装置に関するものである。
近年、運転者の視認性向上のために、車両前方の前景に虚像を重畳表示させる、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置と呼ばれる投影型表示ユニットが一部の車種で採用されている。HUD装置は、特許文献1、2等に示すように、車両のインストルメントパネル(以下、インパネともいう)内に表示源と反射部材を配置し、表示源の表示光を反射部材で車両のウインドシールドやインパネの上面から突出するコンバイナ(反射部)等で運転者に向けて反射させ、運転者の運転視界内で表示内容を視認させている。
また、人間が外部から受け取る情報のメインは視覚を通じてのものといわれており、車両を運転している場合には、視覚の重要性が非常に高くなっている。そのため、進行方向に控える障害物を早く察知すればするほど、余裕を持って対応できるため、夜間や悪条件下での視界確保を目的とし、安全な走行を支援する夜間運転視界支援装置(ナイトビジョン)が提案されている。
この夜間運転視界支援装置は、車体前部に設置した赤外線カメラ、制御部(コンピュータ)、上述したHUD装置等を有して構成されている。そして、夜間運転視界支援装置は、赤外線カメラによって撮像された映像をHUD装置で映し出すことで、車両前方の障害物等を運転者に認識させている。
特許文献3に示すウインドシールドに表示する車両用表示装置は、車両前方の障害物を検出する障害物検出手段と、ドライバの視線を検出する視線方向検出手段を有し、障害物に関する情報の表示位置を、障害物の存在方向に徐々に移動してドライバの視線を誘導している。また、特許文献4に示すHUD装置は、対象物が検知された障害物である場合には、その障害物との距離が一定の距離以下になった場合にその障害物に対して視線を誘導する表示を行っている。
特開2002−211274号公報
特開2004−130916号公報
特開2002−19491号公報
特開2003−291688号公報
しかしながら、上述した従来のHUD装置は、運転中の運転者による実像と虚像とを視認する際の目の焦点合わせの労力を低減するために虚像を遠方に表示する必要があり、1又は複数の反射部材を用いて虚像の表示距離を確保する必要があった。そのため、高価な反射部材はHUD装置の必須構成となってしまい、HUD装置のコストダウンを図るのが困難であった。さらに、反射部材については、HUD装置への組み付け精度管理が必要となるという問題があった。また、従来のHUD装置でウインドシールドの広域にわたって表示させようとした場合、特許文献4等に示すように投射器をインストルメントパネル内に収容することができず、車内のレイアウト、デザイン等に影響を与えてしまうという問題があった。
また、HUD装置をインストルメントパネル内に収納するために、車両ボディや空調部材などと干渉しないように、実装のためのスペースをインストルメントパネル内に確保する必要があった。さらに、従来の虚像は、運転者の運転視界を妨げないために、ウインドシールド等における表示位置と表示サイズは限定されてしまい、運転中の運転者に虚像の内容を咄嗟に認識させることが困難であった。また、夜間運転視界支援装置は、画像、映像等を表示するために表示領域は限られたものになり、視認性が良くないという問題があった。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、車両のインストルメントパネルに簡単に組み付けられ且つ装置のコストダウンを図ることができる車両用表示装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の車両用表示装置は、図1の基本構成図に示すように、車両のウインドシールド2に対向するように前記車両のインストルメントパネル3の表面に設けられ且つ前記車両前方の実像に重畳させる複数のドット情報Vを前記ウインドシールド2に列又は格子状に並べて選択的に表示する表示手段10と、前記車両を運転する運転者に通知すべき通知対象情報を取得する通知対象情報取得手段21aと、前記通知対象情報取得手段21aが取得した通知対象情報に対応して予め定められた前記ドット情報Vを前記表示手段10に表示させる表示制御手段21bと、を有することを特徴とする。
上記請求項1に記載した本発明の車両用表示装置によれば、通知対象情報取得手段21aによって通知対象情報が取得されると、表示制御手段21bは該通知対象情報に対応したドット情報Vを表示手段10に表示させるので、ウインドシールド2上の任意の箇所に、通知対象情報に対応したドット情報Vが表示される。
請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の車両用表示装置において、前記表示手段10が、前記車幅方向における前記運転者の運転視界よりも広い範囲で列又は格子状に配置され且つ前記複数のドット情報Vの各々を表示する複数の点光源11を有し、前記表示制御手段21bが、前記通知対象情報に対応した前記点光源11を点灯させる手段であることを特徴とする。
上記請求項2に記載した本発明の車両用表示装置によれば、表示手段10を構成する複数の点光源11は、車幅方向における運転者の運転視界よりも広い範囲で列又は格子状に配置されるので、通知対象情報に対応したドット情報Vをウインドシールド2の広範囲にわたって選択的に表示させることができる。
請求項3記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載の車両用表示装置において、車両前方の障害物を検知する障害物検知手段30を有し、前記通知対象情報取得手段21aが、前記障害物検知手段30によって検知された障害物の位置を示す通知対象情報を取得する手段であり、前記表示制御手段21bが、前記表示手段10によって選択的に表示される複数のドット情報Vの中から、前記通知対象情報取得手段21aが取得した通知対象情報に基づいて前記障害物の近くに表示又は重畳表示されるドット情報Vを選択して前記表示手段10に表示させる手段であることを特徴とする。
上記請求項3に記載した本発明の車両用表示装置によれば、障害物検知手段30によって障害物が検知されると、その障害物の位置を示す通知対象情報が取得される。そして、表示制御手段21bはウインドシールド2上においてその障害物の実像の近くに表示される、又は、障害物に重畳表示されるドット情報Vを、前記通知態様情報に基づいて選択して表示手段10に表示させる。
請求項4記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用表示装置において、前記ウインドシールドの予め定められた表示対象領域に、前記ドット情報を表示するか否かを示す領域設定情報を記憶する領域設定情報記憶手段24を有し、前記表示制御手段21bが、前記領域設定情報記憶手段24に記憶している領域設定情報に基づいて前記ドット情報を表示すべき表示対象領域を特定し、該特定した領域にドット情報Vを表示するように前記表示手段10に制御する手段であることを特徴とする。
上記請求項4に記載した本発明の車両用表示装置によれば、領域設定情報記憶手段24にドット情報を表示することを示す領域設定情報が記憶されると、表示制御手段21bによってドット情報を表示すべき表示対象領域が特定され、その領域にのみドット情報が表示される。
以上説明したように請求項1に記載した本発明の車両用表示装置によれば、複数のドット情報の中から通知対象情報に対応したドット情報を選択してウインドシールド上に表示するようにしたことから、表示手段をインストルメントパネルの表面に配置することが可能となるため、従来のヘッドアップディスプレイ装置のように組み付け精度や実装のためのスペース確保という問題を解消することができる。また、ドット情報を選択的にウインドシールドに表示すればよいため、表示手段とウインドシールドとの対向距離が近くても問題がなくなり、反射部材等を用いることなく表示手段を直接投射でき、ウインドシールド上の広範囲にわたって表示しても、視認性の低下を防止することができる。さらに、所望のドット情報を表示することで、運転者の意識、視点等を通知対象情報に向けさせ、且つ、運転者にドット情報等を直感的に把握させることができる。従って、車両のインストルメントパネルに簡単に組み付けられ且つ装置のコストダウンを図ることができる。
請求項2に記載した本発明の車両用表示装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、表示手段を構成する複数の点光源を、運転視界よりも広い範囲で列又は格子状に配置するようにしたことから、通知対象情報をウインドシールドの広範囲にわたって選択的に表示することができるため、車両前方の実像にドット情報を関連付けて表示又は重畳表示することができる。従って、ウインドシールドにおける広範囲で、運転者の意識、視点等を移動させることができるため、効果的に運転者の運転を支援することができる。
請求項3に記載した本発明の車両用表示装置によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、検知した障害物の実像に関連付けて表示又は重畳表示するように、選択したドット情報をウインドシールドに表示するようにしたことから、そのドット情報の表示によって運転者の注意、視点等を障害物に移動させることができるため、運転者の安全運転等の支援を行うことができる。
請求項4に記載した本発明の車両用表示装置によれば、請求項1〜3の何れか1項に記載の発明の効果に加え、領域設定情報の設定内容によってドット情報を表示すべき表示対象領域を特定可能とし、その表示対象領域にドット情報を表示するか否かを選択可能としたことから、運転者の好み、必要性等に応じて当該領域にドット情報を表示することができる。また、運転者の視野領域に表示対象領域又はそれ以外の領域を対応させることで、ドット情報が運転者の視界の妨げになることを防止できる。従って、運転者の運転中等における視認性の向上に貢献することができる。
以下、図1に示す本発明に係る車両用表示装置の一実施形態を、図2〜図11の図面を参照して以下に説明する。
図2において、車両用表示装置1は、表示部10と、制御部20と、障害物検知部30と、操作部40と、を有して構成している。そして、表示部10と障害物検知部30と操作部40の各々は、各種インタフェース(図示せず)等を介して制御部20と電気的に接続している。
表示部10は、請求項中の表示手段に相当し、図2に示すように、車両のウインドシールド2に対向するように、車両のインストルメントパネル(インパネ)3の上面31に設けられている。表示部10は、図3に示すように、LED、バルブ等の複数の点光源11を有している。複数の点光源11は、車両前方の障害物、前景等の実像に重畳表示させる複数のドット情報Vをウインドシールド3上に車幅方向に延びる列として選択的に表示されるように、車幅方向に並べられてインパネ3に設けられている。また、複数の点光源11は、複数のドット情報Vが車幅方向の任意の直線上に位置するように、ウインドシールド3の車幅方向の断面形状等を考慮して配置している。このように複数の点光源11は、、ウインドシールド2とインパネ3の形状に基づいて補正された配置としている。
複数の点光源11は、配線板12に実装され、該配線板12を収容するケース13がインパネ3に装着されることで、インパネ3の上面31に連なるように、インパネ3の開口部32に位置付けられて配置される。これにより、表示部10はインパネ3の上面31に一体に組み込まれることになる。そして、ケース13は、透光性の合成樹脂等で形成されたカバー14によって覆われており、該カバー14は外光等を反射しない無反射となっている。
また、本実施形態では、アイポイントEPと表示部10との間のインパネ3の上面31には、当該上面31からウインドシールド3に向かって隆起する遮蔽部33を形成している。これにより、表示部10がアイポイントEPから直接目視されるのを防止している。
制御部20は、図2に示すように、公知であるCPU(中央処理装置)21、ROM(読み出し専用メモリー)22、及びRAM(随時書き込み読み出しメモリー)23を含むマイクロコンピュータから構成されている。ROM22は、CPU21を図1に示す通知対象情報取得手段及び表示制御手段として機能させるための後述する表示制御処理プログラム等の各種プログラムを記憶している。CPU21はROM22に記憶されている表示制御処理プログラム等にしたがって本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。RAM23には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等が適宜記憶される。
また、制御部20には、装置本体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)24を電気的に接続しており、このメモリ24には、表示モード情報、表示領域定義情報等の各種情報が記憶されている。表示モード情報は、表示を行うか否かを示す情報であり、操作部40による運転者等の操作に応じてON/OFF状態が切り替えられて設定される。
表示領域定義情報は、上述した複数の点光源11によって表示可能なウインドシールド2上における表示領域と、この表示領域における各点光源11の表示位置とを関連付ける表示領域定義情報等の各種情報が記憶される。なお、表示領域定義情報は、車両用表示装置1が搭載される車両の種類、ウインドシールド2の形状、種類等に対応したものとなっている。
障害物検知部30は、請求項中の障害物検知手段に相当し、例えばレーザーレーダ、超音波センサ等を用いて障害物の検知やその位置(距離)を測定し、その位置を示す位置データ等を制御部20に出力する。なお、本実施形態における位置データは、車両の所定ポイントに対する相対位置を示すデータとなっている。また、障害物検知部30は、熱赤外線センサ等を用いて人体の有無を検出し、その検出結果を人体検出データとして制御部20に出力する。そして、本実施形態では、制御部20が位置データ、人体検出データ等を通知対象情報として取得している。
なお、障害物検知部30としては、障害物等を検知できれば、種々異なる実施形態が可能であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、ビデオカメラ等の2台のカメラを用いて、これらのカメラが撮像した画像データを制御部20に出力し、その画像データから制御部20で障害物を画像処理によって認識するなど種々異なる実施形態とすることができる。
操作部40は、車両用表示装置1における各種設定等を操作するための複数のスイッチ、ボタン等を有して構成しており、運転者等が操作可能なように車内に設けられている。そして、操作部40は、運転者等による操作内容を示す操作信号を制御部20に出力する。
次に、上述した構成の車両用表示装置1が障害物としての車両前方の歩行者に対応したドット情報Vを表示するの表示例を、図4に示す図面を参照して以下に説明する。
図4に示す表示例では、ウインドシールド2の下方のインパネ3寄りに、直線的に複数のドット情報Vを表示する場合、障害物5に対応したドット情報Vのみを表示させる。そして、障害物5までの距離が近い場合は、複数(図4中では4つ)のドット情報Vを表示させ、遠い場合はそれよりも少ない数(図4中では2つ)のドット情報Vを表示させている。
なお、ドット情報Vの表示数は、障害物5までの距離とは関係無しに同一数としたり、通知対象情報の種類等に応じて変化させるなど種々異なる表示形態とすることができる。また、ドット情報Vの表示形態は、任意に設定できるものであり、運転者が目視したときにドット形状が視認可能且つ運転者の前方視野を妨げない形状で表示するや、ドット情報Vを透視可能とするなど種々異なる表示形態とすることができる。
まず、車両用表示装置1のCPU21が実行する表示制御処理の一例を、図5に示すフローチャートを参照して以下に説明する。なお、この処理は、電源断、終了要求の発生等に応じて強制終了されることを前提としている。
車両用表示装置1の起動に応じてCPU21が表示制御処理プログラムを実行すると、ステップS10において、メモリ24の表示モード情報の設定状態に基づいて、表示モードがON状態であるか否かが判定される。ON状態ではないと判定された場合(S10でN)、この判定処理が繰り返される。一方、ON状態であると判定された場合(S10でY)、ステップS11において、障害物検知部30によって検知された距離データ等が存在すれば、そのデータが通知対象情報として取得されてメモリ24に記憶され、その後ステップS12に進む。
ステップS12において、メモリ24の通知対象情報の距離データの有無等に基づいて、車両前方に障害物5があるか否かが判定される。障害物5がないと判定された場合(S12でN)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、障害物5があると判定された場合(S12でY)、ステップS13に進む。
ステップS13において、メモリ24の表示領域定義情報と取得された通知対象情報の位置データ等に基づいて、ウインドシールド2における障害物5の視認位置が推測され、その視認位置に対応したドット情報Vが特定されてRAM23に記憶され、その後ステップS14に進む。なお、ドット情報Vの特定方法については、例えば、その障害物5の大小、距離の遠近等に対応した定義テーブル等を予めROM22等に記憶しておき、その定義テーブル等に基づいて表示するドット情報Vの数、位置等を特定する、ウインドシールド2における領域を特定して該領域に対応するドット情報Vを特定するなど種々異なる実施形態とすることができる。
ステップS14において、RAM23に特定されたドット情報Vに対応する点光源11の点灯とそれ以外の点光源11の消灯が表示部10に要求されることで、表示部10は該当する点光源11のみを点灯させて、ウインドシールド2の障害物5に対応した位置にドット情報Vが表示され、その後ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。
以上説明したようにCPU21は表示制御処理を実行することで、CPU21が請求項中の表示制御手段及び通知対象情報取得手段として機能することになる。
次に、上述した構成の車両用表示装置1の動作(作用)の一例を、図4の図面等を参照して以下に説明する。
車両用表示装置1は、メモリ24の表示モード情報がON状態であると、障害物検知部30によって障害物(歩行者)5の検知を行う。そして、図4に示すように、車両が走行している車線且つ車両の近くにいる歩行者5aと、対向車線且つ車両の遠方の歩行者5bとを検知した場合、それらの位置データに基づいて、歩行者5aに対応する4つのドット情報Vと、歩行者5bに対応する2つのドット情報Vを特定し、それに対応する点光源11を点灯させる。
その結果、車両のウインドシールド2において、各点光源11が発した光は運転者のアイポイントEPに向かって反射することで、インパネ3寄りの左前方には4つのドット情報Vが表示され、且つ、右前方には2つのドット情報Vが表示される。よって、運転者は、表示されたドット情報Vの上方に視線を移動することで、障害物5の接近を認識できる。また、運転者は、ウインドシールド2に表示されたドット情報Vの数によって障害物5の接近度合いを判断できるため、注意すべき方向に視線を速やかに移動することができる。
以上説明した車両用表示装置1によれば、複数のドット情報Vの中から通知対象情報に対応したドット情報を選択してウインドシールド2上に表示するようにしたことから、表示部10をインストルメントパネル3の表面に配置することが可能となるため、従来のヘッドアップディスプレイ装置にように組み付け精度や実装のためのスペース確保という問題を解消することができる。また、ドット情報Vを選択的に表示すればよいため、表示部10とウインドシールド2との対向距離が近くても問題がなくなり、従来のように反射部材等を用いることなく表示部10をウインドシールド2に直接投射でき、ウインドシールド2上の広範囲にわたって表示しても、視認性の低下を防止することができる。さらに、所望のドット情報Vを表示することで、運転者の意識、視点等を通知対象情報に向けさせ、且つ、運転者にドット情報等を直感的に把握させることができる。従って、車両のインストルメントパネル3に簡単に組み付けられ且つ装置のコストダウンを図ることができる。
また、表示部10を構成する複数の点光源11を、運転視界よりも広い範囲で車幅方向に延びる列状に配置するようにしたことから、通知対象情報をウインドシールド2の広範囲にわたって選択的に表示することができるため、車両前方の実像にドット情報Vを関連付けて表示することができる。従って、ウインドシールド2における広範囲で、運転者の意識、視点等を移動させることができるため、効果的に運転者の運転を支援することができる。
さらに、検知した障害物5の実像に対応させて表示するように、選択したドット情報Vをウインドシールド2に表示するようにしたことから、そのドット情報Vの表示によって運転者の注意、視点等を障害物5に移動させることができるため、運転者の安全運転等の支援を行うことができる。
なお、上述した実施形態の車両用表示装置1では、通知対象情報を障害物5とした場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、種々異なる通知対象情報を表示することができる。
例えば、図6に示すように車両の瞬間燃費表示を行う場合、車両用表示装置1は瞬間消費量を段階的(図6では3段階)に判定する閾値Jを予め記憶しておき、車幅方向の左から右に向かって、緑色、黄色、赤色の各点光源11を順次配置する。そして、燃焼噴出時間等の瞬間消費量を示す情報を通知対象情報として取得し、該通知対象情報と閾値Jと比較し、その比較結果に対応する表示色のドット情報Vを特定し、その点光源11を表示させることで実現する。
また、図7に示すように、ACC(Adaptive cruise control)システムの支援機能として表示を行う場合、車両用表示装置1は車両の前方の障害物5(主に他の車両)までの距離データを障害物検知部30から通知対象情報として取得し、上述した実施形態のように、障害物5の幅に対応したドット情報Vを特定し、その点光源11を表示させることで実現する。さらに、車両用表示装置1は、通知対象情報として路上の白線を識別するための画像情報を取得して車両が走行している車線を特定し、その車線における車両の走行位置を特定し、それに対応したドット情報Vを特定し、その点光源11を表示させることもできる。
さらに、上述した実施形態では、図2に示すように、インパネ3に遮蔽部33を形成して表示部10が運転者から直視されないようにした構成を説明したが、図8に示すように、インパネ3に組み込まれたメータ50によるインパネ3の隆起部34の傾斜面に上記兵部10を設けるなど種々異なる実施形態とすることができる。このように隆起部34に表示部10を設けることで、インパネ3に遮蔽部33を形成する必要がなくなるため、インパネ3にデザイン性に自由度を持たせることができる。または、表示部10の点光源11の位置をインパネ3の中の直視されない位置まで下げることで対応しても良い。
また、上述した実施形態では、図3に示すように、複数の点光源11を車幅方向に延びる一列に配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、図9に示すように、複数の点光源11を車幅方向に延びる複数の列(図9中では4列)、即ち格子状に配置するなど種々異なる実施形態とすることができる。
例えば、図9に示す格子状の点光源11のように表示部10を構成することで、上述したように歩行者5a,5bを検知したときに、車両用表示装置1はドット情報Vを歩行者5a,5bに重畳表示することができる。また、車両用表示装置1は、歩行者5a,5bの各々を取り囲むように複数(例えば4つ等)のドット情報Vを表示する、又は、複数のドット情報Vを歩行者5a,5bに重畳表示することで、歩行者5a,5bの位置をより正確に運転者に把握させることができる。このような表示形態とすれば、車両の前方視界が不良であっても、歩行者5a,5bの位置、距離を運転者に推測させることができるため、安全運転を支援することができる。
また、上述した本実施形態では、表示部10によって表示が可能なウインドシールド2上の表示領域の全てを表示対象領域とした場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、車両用表示装置1の構成に、特開20004−254960号公報等で知られている運転者の視線方向を検出する視線方向検出部をさらに設け、前記表示対象領域中の運転視界領域部分のみ、又は、運転視界領域部分以外の領域にのみに、ドット情報Vを表示するなど種々異なる実施形態とすることができる。この場合は、運転視界内又は運転視界外の少なくとも一方に対応した表示対象領域に、前記ドット情報を表示するか否かを設定する領域設定情報等をメモリ24等に記憶しておき、領域設定情報等に基づいて表示すべき領域を特定することで実現することができる。
また、上述した車両用表示装置1は、図10及び図11に示すように、運転者に表示対象領域を選択させる実施形態とすることもできる。
例えば、図10及び図11に示すように、前記車両用表示装置1の表示領域定義情報が示す複数の点光源11によって表示可能なウインドシールド2上における表示領域E1とし、該表示領域E1内の運転者の視野領域を表示対象領域E2とした場合について説明する。なお、ここでは説明を簡単化するために、表示対象領域E2を固定した場合について説明するが、上述したように運転者の視線方向に対応させて移動させる実施形態とすることもできる。
前記メモリ24には、ウインドシールド2の予め定められた表示対象領域E2に、前記ドット情報Vを表示するか否かを示す領域設定情報を記憶する。即ち、前記メモリ24を請求項中の領域設定情報記憶手段として機能させる。そして、運転者等が操作部40の操作によって前記領域設定情報の設定が可能なように、ROM22に領域設定プログラムを記憶している。
メモリ24の前記領域設定情報が表示領域E1及び表示対象領域E2とも表示ONと設定されている場合、車両用表示装置1は、障害物検知部30によって表示対象領域E2に障害物(歩行者)5aを検知すると、それらの位置データに基づいて歩行者5aを囲むように8つのドット情報Vに対応する点光源11を点灯させる。
また、メモリ24の前記領域設定情報が表示対象領域E2の表示OFFと設定されている場合、車両用表示装置1は、障害物検知部30によって車両が走行している車線且つ車両の近くにいる歩行者5aと、対向車線且つ車両の遠方の歩行者5bとを検知すると、表示対象領域E2は表示OFFが設定されているため、歩行者5bに対応した位置データに基づいて、歩行者5bを囲むように8つのドット情報Vに対応する点光源11を点灯させる。
これにより、車両用表示装置1は、遠方の歩行者5bのみに複数のドット情報Vを重畳表示することで、運転者が視認しづらい遠方の歩行者5bのみを運転者に意識させることができる。また、近くの歩行者5aは運転者の視野領域内であることから、ドット情報Vを表示する必要がないため、天候不良、夜間などのみにメモリ24の前記領域設定情報を表示ON設定に変更すればよい。
よって、前記領域設定情報の設定内容によってドット情報Vを表示すべき表示対象領域E2を特定可能とし、その表示対象領域E2にドット情報Vを表示するか否かを選択可能としたことから、運転者の好み、必要性等に応じて当該領域にドット情報Vを表示することができる。また、運転者の視野領域に表示対象領域E2又はそれ以外の領域を対応させることで、ドット情報Vが運転者の視界の妨げになることを防止できる。従って、運転者の運転中等における視認性の向上に貢献することができる。
さらに、上述した点光源11をウインドシールド2に単純に投射(反射)させた場合、ウインドシールド2の厚みにより、その外面での反射等によって正規のドット情報Vの他に複数のゴーストが表示されるため、それらを考慮して、一列のドット情報Vによって帯状に運転者に視認させてもよい。
また、上述した実施形態では、表示部10として複数の点光源11を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、有機EL(electroluminescence display)ディスプレイ、液晶パネル等を運転者の運転視界よりも広い範囲でインパネ3の上面31に設けてドット情報Vを列又は格子状に表示するなど種々異なる実施形態とすることができる。
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 車両用表示装置
2 ウインドシールド
3 インストルメントパネル(インパネ)
5 障害物(歩行者)
10 表示手段(表示部)
11 点光源
21a 通知対象情報取得手段(CPU)
21b 表示制御手段(CPU)
30 障害物検知手段(障害物検知部)
V ドット情報
2 ウインドシールド
3 インストルメントパネル(インパネ)
5 障害物(歩行者)
10 表示手段(表示部)
11 点光源
21a 通知対象情報取得手段(CPU)
21b 表示制御手段(CPU)
30 障害物検知手段(障害物検知部)
V ドット情報
Claims (4)
- 車両のウインドシールドに対向するように前記車両のインストルメントパネルの表面に設けられ且つ前記車両前方の実像に重畳させる複数のドット情報を前記ウインドシールドに列又は格子状に並べて選択的に表示する表示手段と、
前記車両を運転する運転者に通知すべき通知対象情報を取得する通知対象情報取得手段と、
前記通知対象情報取得手段が取得した通知対象情報に対応して予め定められた前記ドット情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする車両用表示装置。 - 前記表示手段が、前記車幅方向における前記運転者の運転視界よりも広い範囲で列又は格子状に配置され且つ前記複数のドット情報の各々を表示する複数の点光源を有し、
前記表示制御手段が、前記通知対象情報に対応した前記点光源を点灯させる手段であることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。 - 車両前方の障害物を検知する障害物検知手段を有し、
前記通知対象情報取得手段が、前記障害物検知手段によって検知された障害物の位置を示す通知対象情報を取得する手段であり、
前記表示制御手段が、前記表示手段によって選択的に表示される複数のドット情報の中から、前記通知対象情報取得手段が取得した通知対象情報に基づいて前記障害物の近くに表示又は重畳表示されるドット情報を選択して前記表示手段に表示させる手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置。 - 前記ウインドシールドの予め定められた表示対象領域に、前記ドット情報を表示するか否かを示す領域設定情報を記憶する領域設定情報記憶手段を有し、
前記表示制御手段が、前記領域設定情報記憶手段に記憶している領域設定情報に基づいて前記ドット情報を表示すべき表示対象領域を特定し、該特定した領域にドット情報を表示するように前記表示手段に制御する手段であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用表示装置。
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