JP2009213197A - ブラシレスモータ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ブラシレスモータ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フランジに回転検出器を保持しながらフランジとケースとの固定をケースから外側に突出させることなく行なうことができると共に、回転検出器の位置調整を容易に行なうことができるブラシレスモータ及びこのブラシレスモータを使用した電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】コイル24cが巻装された円筒状のステータ24と、該ステータ24と対向する出力軸26を備えたロータ25と、前記ステータ24を内装する有底円筒状のケース20と、該ケース20の底板部22に固定されたフランジ30とを有し、前記フランジ30の前記ケース20の底板部22に対向する位置に前記ロータ25の回転角度を検出する角度検出器18を構成するステータ18sを固定し、前記ケース20の底板部22と前記フランジ30とを当該底板部22内に配設した締結具23,32によって締結されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイルが巻装された円筒状のステータと、該ステータと対向する磁極及び出力軸を備えたロータと、前記ステータ及び前記角度検出器を内装する有底円筒状のケースと、該ケースの底部に固定されたフランジとを有し、前記フランジの前記ケースの底部に対向する位置に前記ロータの回転角度を検出する角度検出器を構成するステータを固定した構成を有するブラシレスモータ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置の操舵補助力を発生する駆動源として用いられるモータにおいては、運転者の操舵に応じてその何倍もの力で操舵補助しながらも好適な操舵フィーリングを得るためには、高い制御性が要求される。また、上記モータは、車体の軽量化、衝突時の安全確保といった点から、小型軽量であることが要求される。そのため、近年はブラシ付きDCモータに代えて、制御性に優れ、小型軽量化し易いブラシレスモータが好適に用いられるようになってきている。
このようなブラシレスモータとして、例えばステータを内装するケースとブラシレスモータを被装着部に装着するためのフランジとを別体で構成し、フランジに第2フランジやレゾルバホルダを配置してロータの回転位置を検出するレゾルバのステータを保持する構成として、第2フランジやレゾルバホルダを円周方向に回転させてロータ及びステータで発生する誘起電圧とレゾルバ信号との位置合わせをする調整方法が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
一方、レゾルバのステータをフランジに固定する一方、モータのステータをケースに圧入、接着等で固定し、ケースとフランジとを固定する固定部をケースの外周側に配置し、この固定部をケースに形成した雌ねじと、フランジ側に形成した回転方向に延びる長孔とフランジ側から長孔を通じてケースの雌ねじに螺合するボルトとで構成することにより、ボルトでケースとフランジとを仮止めした状態で、フランジ及びケースを相対的に回転させることにより、ロータ及びステータで発生する誘起電圧とレゾルバ信号との位置合わせをすることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−320189号公報 特開2007−82371号公報 特開2007−6570号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の従来例にあっては、レゾルバステータから信号を出力するセンサ線をフランジ内部で引き回すことになり、フランジの形状が複雑となることや、位相調整時にハーネスと他部品との干渉も懸念されるという未解決の課題がある。
また、上記特許文献3に記載の従来例にあっては、上記特許文献1及び2の未解決の課題を解決することはできるが、ケースとフランジとを固定する固定部が大型化するため、例えば電動パワーステアリング装置に適用した場合には、車両搭載スペースによっては特許文献1又は2の固定構造を採用せざるを得ないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、フランジに回転検出器を保持しながらフランジとケースとの固定をケースから外側に突出させることなく行なうことができると共に、回転検出器の位置調整を容易に行なうことができるブラシレスモータ及びこのブラシレスモータを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係るブラシレスモータは、コイルが巻装された円筒状のステータと、該ステータと対向する出力軸を備えたロータと、前記ステータを内装する有底円筒状のケースと、該ケースの底板部に固定されたフランジとを有し、前記フランジの前記ケースの底板部に対向する位置に前記ロータの回転角度を検出する角度検出器を構成するステータを固定し、前記ケースの底板部と前記フランジとを当該底板部内に配設した締結具によって締結したことを特徴としている。
また、請求項2に係るブラシレスモータは、請求項1に係る発明において、前記フランジは、前記締結具を貫通させ、円周方向に延長する複数の調整孔を有することを特徴としている。
さらに、請求項3に係るブラシレスモータは、請求項1又は2に係る発明において、前記フランジ内に、前記ロータを軸支する一対の軸受の少なくとも一方が配設されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係るブラシレスモータは、請求項1乃至3の何れか1つの発明において、前記フランジは前記ロータを支持する一対の軸受を所定間隔を保って内装し、該一対の軸受間に前記回転検出器を構成するステータを固定したことを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係るブラシレスモータは、請求項4の発明において、前記ケースの開口部を閉塞するカバーの前記ロータ側突出部に吸音材を配置したことを特徴としている。
また、請求項6に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング機構に伝達する操舵補助力を発生するモータとして請求項1乃至5の何れか1項に記載のブラシレスモータを適用したことを特徴としている。
本発明によれば、有底円筒状のケースの底板部にフランジを固定し、フランジのケースの底部に対向する位置にロータの回転角度を検出する角度検出器を構成するステ-タを固定し、ケースの底板部とフランジとを底板部内で締結具によって締結するので、ケースとフランジとの固定部をケースの外周面より外方に突出することなく形成することができると共に、角度検出器の配線が容易で、且つ締結具をケース体の底板部内に配置することができ、ブラシレスモータを電動パワーステアリング装置に適用した場合に、車両搭載性を向上させることができるという効果が得られる。
しかも、フランジを減速ギヤ機構等の被装着部に装着した際に、締結具に係合される留め具がケースの内側に配設されることにより、この留め具が被装着部で覆われて、外部に露出することを防止することができ、特にステアリングギヤ機構に装着する電動パワーステアリング装置に適用した場合のようにフランジ及びケースの固定部が外部に晒されて腐食が懸念されることを低減することができるという効果が得られる。
さらに、フランジに装着された回転検出器のステータがフランジ及びケースの底板部で覆われることになるので、回転検出器のステ-タの磁気遮蔽機能をケースの底板部で担うことができ、別途磁気遮蔽板を配設したり、磁気遮蔽板をかねるレゾルバホルダを設けたりする必要がなく、部品点数を低減することが可能となるという効果が得られる。
また、ステアリング機構に伝達する操舵補助力を発生するモータとして請求項1乃至15の何れか1項に記載のブラシレスモータを適用したので、小型、軽量で車両搭載性の良好な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は電動パワーステアリング装置であり、この電動パワーステアリング装置1は、運転者が操舵するステアリング機構2を備えている。
このステアリング機構2は、ステアリングホイール3に運転者から作用される操舵力が伝達される入力軸4aと出力軸4bとを有するステアリングシャフト4を有し、このステアリングシャフト4は、入力軸4aの一端がステアリングホイール3に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ5を介して出力軸4bの一端に連結されている。
そして、出力軸4bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント6を介してロアシャフト7に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント8を介してピニオンシャフト9に伝達される。このピニオンシャフト9に伝達された操舵力はステアリングギヤ10を介してタイロッド11に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ10は、ピニオンシャフト9に連結されたピニオン10aとこのピニオン10aに噛合するラック10bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン10aに伝達された回転運動をラック10bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト4の出力軸4bには、操舵補助力を出力軸4bに伝達する操舵補助機構12が連結されている。この操舵補助機構12は、出力軸4bに連結した減速ギヤ機構13と、この減速ギヤ機構13に連結された操舵補助力を発生するブラシレスモータ14とを備えている。
そして、このブラシレスモータ14が、操舵トルクセンサ5で検出されるステアリングホイール3に付与されて入力軸4aに伝達された操舵トルクが入力されると共に、車速を検出する車速センサ15から出力される車速検出値が入力された制御装置16によって駆動制御される。
この制御装置16は、車速検出値をパラメータとした操舵トルクと操舵補助指令値との関係を記憶した制御マップを参照して、操舵補助指令値を算出し、算出した操舵補助指令値とブラシレスモータに流れるモータ電流とに基づいてフィードバック制御を行ってモータ電流指令値を算出し、算出したモータ電流指令値をインバータ回路で構成されるモータ駆動回路17に供給して、このモータ駆動回路17でモータ電流指令値と後述するブラシレスモータ14のロータ回転角を検出するレゾルバ18からの角度検出信号とに基づいて3相モータ駆動電流を形成し、この3相モータ駆動電流をブラシレスモータ14に供給することにより、ブラシレスモータ14で、操舵補助指令値に応じた操舵補助力を発生する。
ブラシレスモータ14は、図2に示すように、有底円筒状のケース20と、このケース20の底板部22に固定される減速ギヤ機構13に装着するためのフランジ30とを有する。
ケース20は、円筒部21とその前端部を閉塞する底板部22とで構成されている。
底板部22は、平板状の外周縁部22aと、この外周縁部22aの内周縁から外方に突出する突出板部22bと、この突出板部22bの内周縁から内方に凹んで凹部を形成するように内周側に延長し、内周縁で後述する出力軸を挿通する透孔を形成する内周縁部22cとで形成されている。
この底板部22の突出板部22bには円周方向に所定間隔を保って複数例えば3個の透孔22dが形成され、この透孔22d内にケース20の内側から締結具としての締結ボルト23が挿通されている。
また、ケース20には、その円筒部21における軸方向の中央部にステータ24が圧入、接着等によって固定されている。このステータ24は、珪素鋼板を多数枚軸方向に積層したステータコア24aと、このステータコア24aの軸方向の両端に挿入されたインシュレータ24bと、このインシュレータ24b上に巻装された3相コイル24cとで構成されている。また、3相コイル24cの各コイルエンド部に対応するインシュレータ24bの内周面にバスバー端子がモールドや挿入によって形成された各相コイル24cを結線する端子台24dが嵌合されている。
そして、端子台24dのバスバー端子と各コイル24cのコイルエンド部とが抵抗溶接又はTIG溶接によって結線されている。
この状態で、底板部22の突出板部22bに形成された透孔22d内にケース20の内側から締結ボルト23を挿通するか又は固定してから、ステータ24をケース20の開口部側から圧入、接着等によって固定する。
そして、ステータ24の内周側には、ステータ24に対向するロータ25を圧入し、且つレゾルバ18のロータ18rを圧入した出力軸となる回転軸26が挿通される。この回転軸26は後述するようにフランジ30に固定されたフロントベアリング31及びケース20の開口部を閉塞するエンドブラケット40に固定されたリアベアリング42によって回転自在に支持されている。
一方、フランジ30は、図2及び図3を参照して明らかなように、円板状部30aと、この円板状部30aの中心を通って対向する位置に外方に突出する一対の取付部30bが形成されている。円板状部30aの中心位置に、ケース20と反対側の前端面30cから前述した回転軸29を挿通する比較的小径の挿通孔30d、この挿通孔30dより大径のベアリング収容部30e及びこのベアリング収容部30eより大径でケース20側の後端面30fに開口するレゾルバ収容部30gが順次形成されている。
また、後端面30fにはレゾルバ収容部30gの外周側にケース20の突出板部22bに係合する円環状凹部30hが形成されている。さらに、前端面30cには、円環状凹部30hに対応する位置に一部を閉じた円弧状の凹溝30iが形成され、この凹溝30iと円環状凹部30hとの間におけるケース20の透孔22dに対向する位置に円周方向に延長する円弧状の長孔30jが形成されている。さらにまた、凹溝30iの外周側に減速ギヤ機構13にインロー結合されるインロー部30kが形成されている。
そして、フランジ30のベアリング収容部30eに前述した回転軸26を回転自在に支持するフロントベアリング31が圧入又はカシメによって保持されている。また、フランジ30のレゾルバ収容部30gには、レゾルバ18を構成するレゾルバステータ18sが圧入又はカシメによって保持されている。
また、エンドブラケット40は、外周部にケース20の開放端面に嵌合されるインロー部41が形成されていると共に、内周部のケース20側に前述した回転軸26を支持するリアベアリング42の外輪を圧入によって保持するベアリング収容部43を形成する円環状突出部44が形成されている。そして、このベアリング収容部43にリアベアリング42の外輪が圧入によって保持されている。
そして、上記構成を有するフランジ30が、長孔30j内にケース20の透孔22dを通じて突出する締付ボルト23を挿通すると共に、回転軸26をフロントベアリング31の内輪に圧入し、且つレゾルバ18を構成するレゾルバロータ18rをレゾルバステータ18sに対向させた状態となるように、後端面30fに形成された円環状凹部30hをケース20の突出板部22bに係合させて、ケース20の底板部22に回動可能に取付ける。
その後、ケース20の開放端面に、エンドブラケット40を、そのインロー部41を開放端面の内周面に嵌合させ、且つ保持しているリアベアリング42の内輪に回転軸26をすきまバメによって装着して、ケース20の開放端面を閉塞する。
そして、回転軸26がフロントベアリング31及びリアベアリング42によって回転自在に支持された状態で、フランジ30の長孔30jから突出する締付ボルト23の頂部にナット32を螺合させて、フランジ30をケース20に仮止めし、この状態で、ケース20及びフランジ30を円周方向に相対回転させることにより、ロータ25及びステータ24で発生する誘起電圧とレゾルバ18で発生するレゾルバ信号との位置合わせを行ない、位置合わせが完了した時点でナット32を締付けることにより、ケース20とフランジ30とを確実に固定する。
そして、上記構成を有するブラシレスモータ14が被取付部としての減速ギヤ機構13に図2に示すように取付けられる。ここで、減速ギヤ機構13は、図2に示すように、ハウジング51に一対の軸受装置52及び53によって回転自在に支持されたウォームギヤ54を一体に形成したウォーム軸55と、このウォームギヤ54に噛合する同様にハウジング51に回転自在に支持されたウォームホイール56とで構成されている。
ハウジング51のウォームギヤ54の中心軸と直交する端面にモータ取付部57が形成されている。そして、回転軸26の前端をウォーム軸55の後端にセレーション結合した状態で、モータ取付部57に形成されたインロー孔部58にブラシレスモータ14のフランジ30に形成されたインロー部30kがインロー結合されている。また、フランジ30の取付部30bに対向して設けた取付部59に形成した透孔60にボルト61を挿通し、その雄ねじをフランジ30の取付部30bに形成した雌ねじ30mに螺合させて締付けることにより、ケース20に装着したフランジ30を減速ギヤ機構13のハウジング51に装着する。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
ブラシレスモータ14を組み立てるには、先ず、ケース20の底板部22に形成した突出板部22bの透孔22d内に締付ボルト23を挿通し、必要に応じて仮止めする。一方、インシュレータ24bの前端側に端子台24dを嵌合させて、この端子台24dのバスバー端子と3相コイル24cのコイルエンド部とを抵抗溶接、TIG溶接等で溶接してステータ24を組み立てる。このステータ24をその端子台24d側を前端側としてケース20の円筒部21の軸方向中央位置に、開放端部側から圧入するか又は焼きバメ、又は接着剤によって固定する。このとき、端子台24dのモールドされたバスバー27を底板部22の突出板部22bに形成した透孔28を通じて突出させる。
ステータ24の固定が完了すると、ロータ25及びレゾルバロータ18rを圧入した回転軸26をそのロータ25がステータ24に対向するようにケース20内に挿通する。
また、フランジ30のベアリング収容部30eにフロントベアリング31の外輪を圧入又はカシメによって固定し、レゾルバ収容部30gにレゾルバ18のレゾルバステータ18sを圧入又はカシメによって固定すると共に、レゾルバステータ18sの信号線を図3に示すようにセンサーハーネス32として外部に導出する。
次いで、ケース20の底板部22にフランジ30を装着する。このフランジ30の装着は、回転軸26をフロントベアリング31の内輪に圧入すると共に、ケース20の底板部22に形成した突出板部22bから突出する締付ボルト23を長孔30jから突出させ、且つ端子台24dのバスバー27を突出板部22bの透孔28から突出させながら、円環状凹部30h内にケース20の底板部22に形成した突出板部22bを回動可能に係合させ、締付ボルト23の先端にナット32を螺合させて仮止めする。
その後、ケース20の開放端面に、エンドブラケット40を、そのインロー部41を開放端面の内周面に嵌合させ、且つ保持しているリアベアリング42の内輪に回転軸26を圧入することにより装着して、ケース20の開放端面を閉塞する。
この状態で、ケース20及びフランジ30を相対回転させることにより、ロータ25及びステータ24で発生する誘起電圧とレゾルバ18で発生するレゾルバ信号との位置合わせを行ない、位置合わせが完了した時点でナット32を締付けることにより、ケース20とフランジ30とを確実に固定する。
その後、パワーハーネス33をフランジ30の側面に形成した挿入孔34から挿入して、その導体33aを、フランジ30の突出板部30bの透孔28から突出された端子台24dのバスバー27に接触させ、両者をフランジ30の後端面30cに形成した方形窓部30nを通じて連結端子で連結してから、各連結端子をキャップ35で覆うと共に、パワーハーネス33の周囲にグロメット36を挿入することにより、水や塵埃の侵入を防止する。
このようにケース20を円筒部21と底板部22とを有する有底円筒状に形成し、このケース20の底板部22に、少なくともフロントベアリング31及びレゾルバステータ18sを内装したフランジ30を回動可能に係合し、ケース20の底板部22の突出板部20bに形成した透孔22dから突出する締付ボルト23を長孔30jを通じて突出させてこの締付ボルト23にナット32を螺合させて仮止めし、ケース20及びフランジ30を相対回転させてレゾルバの位相調整を行ってから本締めするので、レゾルバ18のレゾルバステータ18sをフランジ30に直接内装することができ、センサーハーネス32を複雑に巻き回す必要がないと共に、ケース20の底板部22とフランジ30とをケース20の円筒面の内側で締付ボルト23及びナット32によって固定することができ、ケース20とフランジ30との固定部がケース20の円筒面の外方に突出することを確実に防止して、ブラシレスモータ14の組付け時の自由度を確保することができる。
また、ケース20の底板部22の突出板部22bに形成した透孔22dに、ケース20の内側から締付ボルト23を挿通し、この締付ボルト23のフランジ30の長孔30jから突出した先端部にナット32を螺合させるようにしているので、底板部22の厚みを厚くする必要がなく、ケース20のブレス加工やダイキャスト成型による一体成型が可能となる。因みに、底板部22に締付ボルト23を螺合させる雌ねじを形成するには底板部22の厚みを厚くする必要があり、突出板部22bの透孔22dの内側にナットを溶接する場合でも底板部22を溶接に耐える厚さとする必要があるが、締付ボルト23をケース20の内側から挿入することにより、底板部22の厚みを薄くしても、底板部22とフランジ30とを確実に固定することができる。
その後、ブラシレスモータ14を減速ギヤ機構13のハウジング51のモータ取付部57に装着することにより、操舵補助機構12を構成することができる。
このように、操舵補助機構12を構成することにより、例えば車両が停車しているものとし、この状態で、ステアリングホイール3を右切り(又は左切り)する所謂据え切り状態とすると、このときのステアリングホイール3に付加される操舵トルクが操舵トルクセンサ5で検出され、検出された操舵トルクが制御装置16に入力されると共に、車速センサ15で検出した零の車速検出値が制御装置16に入力される。
このため、制御装置16で操舵トルク及び車速検出値をもとに制御マップを参照して、比較的大きな操舵補助指令値を算出し、この操舵補助指令値とモータ電流検出値との偏差でフィードバック制御を行うことによりモータ電流指令値を算出し、このモータ電流指令値をモータ駆動回路17に出力することにより、このモータ駆動回路17で、レゾルバ218で検出されるロータ回転角に基づいて三相モータ電流がブラシレスモータ14に出力される。
したがって、ブラシレスモータ14が回転駆動されて、比較的大きな操舵補助力を発生し、この操舵補助力を出力軸26を介して減速ギヤ機構13のウォームギヤ54に伝達し、このウォームギヤ54に噛合するウォームホイール56を回転させてステアリングシャフト4の出力軸4bにステアリングホイール3の回転方向と同一方向に大きな操舵補助トルクを与えることができ、ステアリングホイール3を軽く操舵することができる。
この状態から車両を走行させると車速検出値の増加に応じて同一操舵トルクであっても算出される操舵補助指令値が小さい値となり、これに応じてブラシレスモータ14が回転駆動されるので、このブラシレスモータ14で発生する操舵補助力が据え切り時より小さくなり、車速に応じた最適な操舵補助力を発生することができる。
このように、上記構成を有するブラシレスモータ14を電動パワーステアリング装置に適用することにより、小型、軽量で車両搭載性の良好な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
しかも、フランジ30を減速ギヤ機構13等の被装着部に装着した際に、締結ボルト23に螺合されるナット32がケース20の底板部22の内側に配設されることにより、ナット32が被装着部で覆われて、外部に露出することを防止することができ、特にステアリングギヤ機構10に装着するピニオン式又はラック式の電動パワーステアリング装置に適用した場合のようにフランジ及びケースの固定部が外部に晒されて腐食が懸念されることを低減することができるという効果が得られる。
さらに、フランジ30に装着されたレゾルバ18のレゾルバステータ18sがフランジ30及びケース20の底板部22で覆われることになるので、レゾルバ18のレゾルバステータ18sの磁気遮蔽機能をケース20の底板部22で担うことができ、別途磁気遮蔽板を配設したり、磁気遮蔽板をかねるレゾルバホルダを設けたりする必要がなく、部品点数を低減することが可能となるという効果が得られる。
次に、本発明の第2の実施形態を図5について説明する。
この第2の実施形態では、上述した第1の実施形態において、ケース20の底板部22に回転軸26を支持するリアベアリング42を固定保持するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図5に示すように、前述した第1の実施形態における図2におけるブラシレスモータ14の構成において、ケース20の底板部22の突出板部22bの内側に後方に突出するベアリング収容部50が形成され、このベアリング収容部50に回転軸26を支持するリアベアリング42の外輪がすきまバメによって固定されていると共に、エンドブラケット40のベアリング収容部41が省略されてケース20内に突出する平坦な突出板部44とされていることを除いては図2のブラシレスモータ14と同様の構成を有し、図2との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第2の実施形態では、回転軸26にレゾルバ18のレゾルバロータ18r及びリアベアリング42を圧入によって固定した状態で、リアベアリング42を底板部22のベアリング収容部50にすきまバメによって固定し、次いで回転軸26にロータ25を圧入してからエンドブラケット40をケース20の円筒部21の開放端部にインロー結合し、最後にケース20の底板部22にフランジ30を装着することによりブラシレスモータ14を組み立てる。
ブラシレスモータ14の組み立て方法は上記に限らず、レゾルバロータ18r及びリアベアリング42を装着した回転軸26のリアベアリング42を底板部22のベアリング収容部50に圧入又はカシメによって固定し、フランジ30をケース20の底板部22に装着してから回転軸26にロータ25を圧入した後エンドブラケット40をケース20の円筒部21の開放端部にインロー結合してブラシレスモータ14を組み立てるようにしてもよい。
この第2の実施形態によると、前述した第1の実施形態における回転軸26を支持するリアベアリング42がケース20の底板部22に形成したベアリング収容部50に収容されているので、エンドブラケット40の構成を簡略化することができると共に、エンドブラケット40のケース20の円筒部21への装着を容易に行うことができるという効果が得られる。
次に、本発明の第3の実施形態を図7について説明する。
この第3の実施形態は、上述した第2の実施形態において、エンドブラケット40のロータ側突出部としての突出板部44に吸音材52が配設されていることを除いては図5と同様の構成を有し、図5との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第3の実施形態によれば、エンドブラケット40のロータ25に対向する突出板部44内に吸音材52が配設されているので、この吸音材52によってロータ25の回転時に発生する作動音を吸収することができ、外部に発散される騒音を低減することができる。
次に、本発明の第4の実施形態を図8について説明する。
この第4の実施形態では、前述した第2の実施形態において、回転軸26を支持するリアベアリング42をケース20の底板部22で支持する場合に代えて、フランジ30のレゾルバ収容部30gの後端側にレゾルバ収容部30gより大径のベアリング収容部60を形成し、このベアリング収容部60にリアベアリング42の外輪をすきまバメによって固定するようにしたことを除いては前述した図5と同様の構成を有し、図5との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第4の実施形態によると、前述した第2の実施形態と同様の作用効果が得られると共に、回転軸26を支持するフロントベアリング31及びリアベアリング42を共にフランジ30に固定するので、フロントベアリング31及びリアベアリング42の位置決めを正確に行うことができるという効果が得られる。
なお、この第4の実施形態においても、前述した第3の実施形態と同様に、エンドブラケット40の突出板部44に吸音材を配設することができる。
次に、本発明の第5の実施形態を図9について説明する。
この第5の実施形態は、前述した第2の実施形態において、ケース20の底板部22を比較的厚みが厚い円筒部21とは別体の底板部70で構成して円筒部21に溶接、インロー結合、カシメ嵌合等の固定手段で固定し、この底板部70にリアベアリング42を収容するベアリング収容部71を形成すると共に、フランジ30の長孔30jに対向する位置に雌ねじ部72を形成し、この雌ねじ部72にフランジ30の長孔30jを通って締付ボルト73を螺合させることを除いては前述した図5と同様の構成を有し、図5との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第5の実施形態によると、ケース20の底板部70を円筒部21とは別体で構成するようにしたので、底板部70の厚みを厚くすることができ、雄ねじ部72を形成することができるので、底板部70にフランジ30を装着する際に、フランジ30側から締結ボルト73を挿通して仮止めし、ケース20及びフランジ30を相対回転させてレゾルバの位相調整を行ってから本締めを行うことができ、底板部70とフランジ30との固定を容易に行うことができる。
この第5の実施形態においても、前述した第3の実施形態と同様にエンドブラケット40の突出板部44に吸音材を配設することができる。
なお、上記第1〜5の実施形態においては、締結具として締結ボルト23及びナット32組み合わせ又は雌ねじ部72に螺合する締結ボルト73を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、植え込みボルト、ねじ、リベット等の他の任意の締結具を適用することができる。
また、上記第1〜第5の実施形態においては、本発明のブラシレスモータ14を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動ブレーキ装置やその他の車載機器等の任意の機器の回転駆動源として適用することができ、さらには車載機器以外の任意の機器の回転駆動現として適用することができる。
本発明によるブラシレスモータを電動パワーステアリング装置に適用した場合の第1の実施形態を示す概略構成図である。 本発明のブラシレスモータを減速ギヤ機構に装着した状態を示す縦断面図である。 図2のブラシレスモータの左側面図である。 図2のブラシレスモータの右側面図である。 本発明の第2の実施形態を示すブラシレスモータの縦断面図である。 図5の右側面図である。 本発明の第3の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第5の実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング機構、3…ステアリングホイール、4…ステアリングシャフト、4a…入力軸、4b…出力軸、10…ステアリングギヤ、12…操舵補助機構、13…減速ギヤ機構、14…ブラシレスモータ、16…制御装置、17…モータ駆動回路、18…レゾルバ、18s…レゾルバステータ、18r…レゾルバロータ、20…ケース、21…円筒部、22…底板部、22b…突出板部、22d…透孔、23…締結ボルト、24…ステータ、25…ロータ、26…回転軸、30…フランジ、30e…ベアリング収容部、30g…レゾルバ収容部、30j…長孔、31…フロントベアリング、32…ナット、40…エンドブラケット、52…吸音材、70…底板部、71…ベアリング収容部、72…雌ねじ部、73…締結ボルト

Claims (6)

  1. コイルが巻装された円筒状のステータと、該ステータと対向する出力軸を備えたロータと、前記ステータを内装する有底円筒状のケースと、該ケースの底板部に固定されたフランジとを有し、前記フランジの前記ケースの底板部に対向する位置に前記ロータの回転角度を検出する角度検出器を構成するステータを固定し、前記ケースの底板部と前記フランジとを当該底板部内に配設した締結具によって締結したことを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 前記フランジは、前記締結具を貫通させ、円周方向に延長する複数の調整孔を有することを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
  3. 前記フランジ内に、前記ロータを軸支する一対の軸受の少なくとも一方が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のブラシレスモータ。
  4. 前記フランジは前記ロータを支持する一対の軸受を所定間隔を保って内装し、該一対の軸受間に前記回転検出器を構成するステータを固定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
  5. 前記ケースの開口部を閉塞するカバーの前記ロータ側突出部に吸音材を配置したことを特徴とする請求項4に記載のブラシレスモータ。
  6. ステアリング機構に伝達する操舵補助力を発生するモータとして請求項1乃至5の何れか1項に記載のブラシレスモータを適用したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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