JP2009211763A - 変換回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 周波数特性が良く、小型化可能な変換回路を提供する。
【解決方法】 本発明の変換回路6では、演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24が第1抵抗素子18を介して接続されている。配線30の電荷量が意図しない要因によって変動した場合でも、第1抵抗素子18を介して配線30の電荷量を調整することができる。これにより、演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24を確実にバーチャル・ショートさせることができ、配線30の電位をVbbに維持することができる。また、第1抵抗素子18とコンデンサ12が並列に接続されていない。コンデンサ12に蓄えられた電荷が振動することがなく、出力電圧Voutの周波数特性が改善される。また、電荷移動を抑える為に、第1抵抗素子18の抵抗値やコンデンサ12の静電容量を大きくする必要がない。小型化可能な変換回路を実現することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電荷量変化素子の電荷量を電圧に変換して出力部に出力する変換回路に関する。
コンデンサなどの電荷量変化素子の電荷量を電圧に変換して出力部に出力する変換回路が知られている。例えば、この種の変換回路は、電荷量検出回路や、センサからの出力信号を処理するセンサ信号処理回路に用いられる。
例えば、電荷量検出回路は、外部から入力される電圧変化のピーク値に応じた電荷量をコンデンサに保持する。変換回路は、演算増幅器を利用して、そのコンデンサに保持された電荷量を電圧に変換して出力部に出力する。
例えば、コンデンサを用いて特定の物理量(力、重量、加速度、圧力等)を計測するセンサが知られている。この種のセンサでは、物理量によりコンデンサの互いに対向する電極間の距離が変化すると、コンデンサの静電容量が変化し、コンデンサに蓄えられる電荷量が変化する。変換回路は、演算増幅器を利用して、コンデンサに蓄えられた電荷量を電圧に変換して出力部に出力する。
以上のように、電荷量変化素子は、外部信号に起因して、あるいは自身の変化に起因して電荷量を変化させる。変換回路は、このような電荷量変化素子の電荷量を電圧に変換して出力部に出力する。電荷量変換素子の電荷量を電圧に変換する技術は、様々な場面で必要とされている。上記は一例であり、変換回路は、他の用途でも用いられる。以下、電荷量検出回路を例に説明するが、本発明の技術範囲は、電荷量検出回路に限定されるものではない。
図8に、電荷量検出回路300の回路図を示す。電荷量検出回路300は、入力部P1と、入力部P1に入力される電圧V1に応じた電荷量を蓄えるコンデンサC1と、コンデンサC1に蓄えられた電荷量を電圧に変換する変換回路302と、出力部P2を備えている。変換回路302は、コンデンサC2と演算増幅器OP1と固定電圧源Vbbによって構成されている。コンデンサC2は、コンデンサC1と出力部P2の間に接続されている。演算増幅器OP1は、反転入力端子a1と非反転入力端子a2と出力端子a3を備えている。反転入力端子a1は、コンデンサC1とコンデンサC2の間の配線T1に電気的に接続されている。非反転入力端子a2は、固定電圧源Vbbの高電位側と電気的に接続されている。出力端子a3は、コンデンサC2と出力部P2の間の配線T2に電気的に接続されている。固定電圧源Vbbの低電位側は接地されている。コンデンサC1の静電容量はc1であり、コンデンサC2の静電容量はc2である。
電荷量検出回路300に電圧V1が入力されると、入力部P1を介してコンデンサC1の一方の電極に電圧V1が印加される。演算増幅器OP1の反転入力端子a1と非反転入力端子a2はバーチャル・ショートされており、コンデンサC1の他方の電極にはVbbが印加されている。これにより、コンデンサC1の電極間には電位差ΔV1(=V1−Vbb)が発生し、電位差ΔV1に応じた電荷量Q(=ΔV1×c1)が蓄えられる。演算増幅器OP1の入力端子を介して電荷は移動しない。その為、コンデンサC1の一方の電極とコンデンサC2の一方の電極と演算増幅器OP1の反転入力端子a1で閉ざされた配線T1において、コンデンサC1の一方の電極とコンデンサC2の一方の電極の電荷量は一定に保たれており、配線T1に接続するコンデンサC2の一方の電極には電荷量+Qが蓄えられる。これにより、コンデンサC2の電極間には電位差ΔV2(=−Q/c2)が発生し、出力部P2にコンデンサC1に蓄えられた電荷量Qに起因した電圧V2(=Vbb−Q/c2)が発生する。電圧V2と静電容量c1、c2と固定電圧源Vbbを用いて、コンデンサC1に蓄えられた電荷量Qを知ることができ、外部から印加された電圧V1を知ることができる。
変換回路302の原理は、図8に示す通りである。しかし、変換回路304は、図9に示すように、演算増幅器OP1の反転入力端子a1と出力端子a3の間に、コンデンサC2と並列に接続される抵抗Rを必要としている。変換回路304では、抵抗Rが形成されることによって、例えば配線T1の電荷量が意図しない要因によって変動した場合(例えば、宇宙線の影響で電荷量が変動することがある)でも、抵抗Rを通して電荷量を調整することができる。これにより、反転入力端子a1と非反転入力端子a2を確実にバーチャル・ショートさせることでき、配線T1の電位をVbbに維持することができる。
特開2001−273786号公報
しかしながら、コンデンサC2と抵抗Rを並列して接続した場合、コンデンサC2と抵抗Rの間で電荷が振動してしまう。コンデンサC2に保持される電荷が振動した場合、出力される電圧V2も振動してしまい、変換回路304の周波数特性が悪化してしまう。電荷の振動によらず、精度よく電圧V2を得るためには、抵抗Rに次式のような設定が必要となる。
R>>z(=1/(2πf×c2))
ここで記号fは、入力部P1に入力される電圧V1の周波数である。例えば、コンデンサC2の静電容量をc2=3pFとし、電圧V1の周波数をf=10kHzとした場合、インピーダンスz=5.3MΩとなる。精度よく電圧V2を得るためには、抵抗Rをインピーダンスzよりかなり大きい値とする必要がある。例えば、抵抗Rをインピーダンスzの100倍にした場合、抵抗R=530MΩとする必要がある。このように、抵抗Rには高い抵抗値が必要とされる。
しかし、このような高抵抗な抵抗素子を半導体基板内に形成するためには、半導体基板の面積を大量に消費しなければならない。また、外部の抵抗素子を用いたとしても、抵抗素子と変換回路を接続する配線や接続パッドが必要となり、変換回路を構成するのに必要な部品点数が増加してしまう。
なお、コンデンサC2の静電容量c2を大きくすれば、インピーダンスzの値を小さくすることができる。しかし、コンデンサC2の静電容量c2を大きくした場合、電圧V2の変化分(ΔV2=−Q/c2)における電荷量Qの利得が小さくなってしまう。電荷量Qの微小な変化を、電圧V2(若しくはΔV2)を用いて精度よく検出することができない。
上記の変換回路に係る問題に対処するために、本出願人らが先に出願した特許文献1では、図10に示す変換回路306を提案している。変換回路306は、抵抗RとしてダイオードD1を利用することを特徴としている。ダイオードD1は、逆方向電圧が印加された場合、降伏電圧に至るまでの電圧範囲で高い抵抗値を持った抵抗素子として機能する。ダイオードD1はさらに、順方向電圧が印加された場合、順方向電圧降下が発生するまでの電圧範囲で高い抵抗値をもった抵抗素子として機能する。ダイオードD1を前記電圧範囲で使用することで、ダイオードD1を高い抵抗値を持った抵抗素子として使用することができる。その為、この電圧範囲においてダイオードD1を抵抗Rとして用いることによって、電荷の振動が抑えられる。変換回路306の周波数特定が悪化することがない。周波数特定のよい出力電圧V2を発生させることができる。またコンデンサC2の静電容量c2を大きくする必要がない。電荷量Qの微小な変化を、電圧V2を用いて精度よく検出することができる。
特許文献1の技術は、極めて優れた技術と評価できる。しかし、特許文献1の技術とは別の手法で前記問題に対処する技術が必要とされることがある。本発明は、特許文献1とは異なる手法を用いて、従来の変換回路に係る問題に対処する技術を提供する。
本発明は、電荷量変化素子の電荷量を電圧に変換して出力部に出力する変換回路に関する。この変換回路は、コンデンサと演算増幅器と第1抵抗素子を備えている。コンデンサは、電荷量変化素子と出力部の間に接続されている。演算増幅器は、反転入力端子と非反転入力端子と出力端子を備えている。反転入力端子は、電荷量変化素子とコンデンサの間の配線に電気的に接続されている。非反転入力端子は、固定電圧源と電気的に接続されている。出力端子は、コンデンサと出力部の間の配線に電気的に接続されている。第1抵抗素子は、演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間に接続されている。
ここで、「電気的に接続されている」とは、直接的に接続される場合の他に、他の素子を介して接続される場合も含む。例えば、「演算増幅器の非反転入力端子が固定電圧源と電気的に接続されている」とは、非反転入力端子と固定電圧源が直接的に接続されている場合や、非半転入力端子と固定電圧源の間に他の素子が介在している場合も含む。
従来の変換回路では、演算増幅器の反転入力端子と出力端子の間に抵抗素子が形成されていた。そのため、抵抗素子の両端に電位が生じる構成となっている。本発明の変換回路では、演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間に抵抗素子が形成されており、バーチャル・ショートにより抵抗素子の両端に電位が発生しない。演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間に抵抗素子が形成されていても、従来と同様に、意図しない要因で変動した電荷をその抵抗素子を利用して調整することができる。一方で、従来の変換回路では、抵抗とコンデンサが並列に接続されているので、コンデンサに蓄えられた電荷が移動(充放電)し、周波数特性が悪化していた。本発明の変換回路では、抵抗とコンデンサが並列に接続されていないので、コンデンサに蓄えられた電荷が移動することがない。このため、本発明の変換回路は、周波数特性の良い出力電圧を発生させることができる。
本発明の変換回路は、半導体基板の内部に形成された場合でも、電子部品を用いて構成された場合でも有効な技術である。
本発明の変換回路では、第1抵抗素子が半導体基板内に形成されているダイオードであることが好ましい。第1抵抗素子にダイオードを採用すると、第1抵抗素子は、逆方向電圧時の降伏電圧と順方向電圧時の順方向電圧降下の間の電圧範囲において、高い抵抗値を有することができる。第1抵抗素子にダイオードを採用すれば、少ない面積で半導体基板内に設けることができる。さらに、変換回路を半導体基板で作成する場合は、変換回路を構成するのに必要な半導体基板の面積も縮小することができる。
本発明の変換回路では、異常電圧監視手段とリセット手段をさらに備えていることが好ましい。異常電圧監視手段は、演算増幅器の出力電圧が設定した閾値電圧を超えたときに、出力電圧を異常電圧と判断する。リセット手段は、異常電圧監視手段が異常電圧と判断したときに、電荷量変化素子とコンデンサと演算増幅器と第1抵抗素子に電気的に接続している配線(以下、閉配線という)の電荷量を調整して演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間をバーチャル・ショートさせる。
変換回路では、閉配線の電荷量が意図しない原因によって急激に変動した場合、第1抵抗素子の電流容量によっては、閉配線の電荷が第1抵抗素子を介して放出されるまで演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間をバーチャル・ショートすることができない虞がある。この場合、変換回路は、異常な電圧を出力してしまう。
本発明の変換回路では、異常電圧監視手段とリセット手段を用いることによって、この閉配線の電荷量を素早く調整し、演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間を素早くバーチャル・ショートさせることができる。変換回路から異常な電圧が出力するのを抑制することができる。
本発明の変換回路では、リセット手段とダイオードが半導体基板に形成されている電界効果型トランジスタで構成されているのが好ましい。
具体的には、半導体基板内に形成されている電界効果型トランジスタは、半導体基板内に形成されている第1導電型の第1領域、第2導電型の第2領域、第2導電型の第3領域、及びゲート電極を備えている。第2領域は、第1領域内に形成されている。第3領域も第1領域内に形成されているとともに、第1領域を介して第2領域から隔てられている。ゲート電極は、第2領域と第3領域の間の第1領域に絶縁膜を介して対向している。演算増幅器の非反転入力端子が第1領域に電気的に接続しており、演算増幅器の反転入力端子が第2領域に電気的に接続しており、演算増幅器の出力端子が第3領域に電気的に接続している。ダイオードは、第1領域と第2領域の間の寄生ダイオードである。
電界効果型トランジスタでは、異常電圧監視手段が異常電圧と判断した場合に、閾値電圧以上の電圧がゲート電極に印加される。これによって、第2領域と第3領域の間が導通し、閉配線の電荷が電界効果型トランジスタを介して移動することが可能になる。これにより、閉配線の電荷を調整することができ、電界効果型トランジスタはリセット手段として機能させることができる。
また、本発明の変換回路では、電界効果型トランジスタの異なる導電型領域である第1領域と第2領域を介して演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子が接続されている。その為、演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間には、第1領域と第2領域が形成する寄生ダイオードが存在している。この寄生ダイオードは、第1抵抗素子として機能する。電界効果型トランジスタは、リセット手段と第1抵抗素子を兼用しており、変換回路をより簡素化することができる。
電界効果型トランジスタを用いた場合、第2領域と第3領域の間の寄生ダイオードを介して、演算増幅器の非反転入力端子に接続されている固定電圧源と演算増幅器の出力端子が接続されている。固定電圧源と演算増幅器の出力端子の間に、第2領域と第3領域が形成する寄生ダイオードの順方向電圧降下の発生する電圧以上の電圧が印加された場合、この電界効果型トランジスタを介して過電流が流れ、演算増幅器の誤作動の原因となる虞がある。
この誤作動を抑制するために、本発明の変換回路は、電界効果型トランジスタの第3領域と演算増幅器の出力端子の間に接続されている第2抵抗素子をさらに備えていることが好ましい。
第3領域と演算増幅器の出力端子の間に第2抵抗素子を備えていると、電界効果型トランジスタを介して流れる電流の量を抑えることができ、演算増幅器が誤作動してしまうことを防止することができる。
本発明の変換回路では、第2抵抗素子が半導体基板内に形成されているダイオードであることが好ましい。第2抵抗素子にダイオードを採用すると、第2抵抗素子は、逆方向電圧時の降伏電圧と順方向電圧時の順方向電圧降下の間の電圧範囲において、高い抵抗値を発揮することができる。第2抵抗素子にダイオードを採用すれば、少ない面積で半導体基板内に設けることができる。さらに、変換回路を半導体基板で作成する場合は、変換回路を構成するのに必要な半導体基板の面積も縮小することができる。
本発明によると、電荷量変化素子の電荷量を電圧に変換して出力部に出力する変換回路において、変換回路内で電荷が振動することがない。振動を抑える為に、変換回路に含まれる抵抗素子の抵抗値を大きくする必要もなければ、コンデンサの静電容量を大きくする必要もない。周波数特性が良く、小型化可能な変換回路を実現することができる。
以下に説明する実施例の主要な特徴を最初に整理する。
(特徴1)リセット手段としてn型の半導体基板に形成された電界効果型トランジスタを用いる場合、電界効果型トランジスタのバルク電極は接地されていない。
(特徴2)リセット手段としてp型の半導体基板に形成された電界効果型トランジスタを用いる場合、電界効果型トランジスタのバルク電極は電界効果型トランジスタで使用されている電源電圧に接続されていない。
(第1実施例)
図1に、変換回路6を電荷量検出回路2に用いた実施例を示す。電荷量検出回路2は、入力部8と端子9とコンデンサ4(電荷量変化素子の一例)と固定電圧源16と変換回路6と出力部10を備えている。入力部8とコンデンサ4と変換回路6と出力部10はこの順に接続されている。端子9は固定電圧源16の高電位側と電気的に接続されている。電荷量検出回路2の入力電圧Vinは入力部8と端子9との電位差によって形成されている。また、電荷量検出回路2の出力電圧Voutは出力部10と端子9との電位差によって形成されている。固定電圧源16の電圧値はVbbであり、固定電圧源16の低電位側は接地されている。電荷量検出回路2は、入力部8を介して外部から入力される入力電圧Vinのピーク値に応じた電荷量を、コンデンサ4に蓄える。変換回路6は、この電荷量を電圧に変換し、出力部10に出力電圧Voutを発生させる。
変換回路6は、コンデンサ12と演算増幅器20と第1抵抗素子18を備えている。コンデンサ12はコンデンサ4と出力部10の間に接続されている。演算増幅器20は反転入力端子22と非反転入力端子24と出力端子26を備えている。反転入力端子22はコンデンサ4とコンデンサ12の間の配線30に電気的に接続されている。非反転入力端子24は固定電圧源16の高電位側と電気的に接続されている。出力端子26はコンデンサ12と出力部10の間の配線32に電気的に接続されている。第1抵抗素子18は演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24の間に接続されている。
本実施例では、演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24の間に第1抵抗素子18が形成されている。その為、配線30の電荷量が意図しない要因によって変動した場合でも、第1抵抗素子18を介して固定電圧源16との間で電荷量を調整することができる。これにより、演算増幅器20において、反転入力端子22と非反転入力端子24の電位差がごく小さい状態である「バーチャル・ショート」と呼ばれる状態を保つことができ、配線30の電位をVbbに保つことができる。
また、本実施例では、第1抵抗素子18がコンデンサ12と並列に接続されない。コンデンサ12に蓄えられた電荷が移動することがない。このため、周波数特性の良い出力電圧Voutを発生させることができる。
図2に示すように、変換回路6の第1抵抗素子18としてダイオード14を用いるのが好ましい。第1抵抗素子18としてダイオード14を採用すると、第1抵抗素子18は、ダイオード14の逆方向電圧時の降伏電圧と順方向電圧時の順方向電圧降下の間の電圧範囲において、高い抵抗値を有することができる。第1抵抗素子18にダイオード14を採用すれば、少ない面積で半導体基板内に高い抵抗値を有する第1抵抗素子18を設けることができる。さらに、変換回路6を半導体基板で作成する場合は、変換回路を構成するのに必要な半導体基板の面積も縮小することができる。
(第2実施例)
図3に、変換回路106を電荷量検出回路102に用いた実施例を示す。第1実施例との形態の違いは、変換回路106が異常電圧監視手段42とリセット手段44を更に備えていることである。なお、図2中の符号が示す対象と同一対象については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、配線30と接続し、リセット手段44と接続する配線についても配線30と呼ぶこととし、同様に配線32と接続し、リセット手段44と接続する配線についても配線32と呼ぶこととする。
変換回路106では、異常電圧監視手段42の一方の入力端子46は演算増幅器20の出力端子26に接続されており、異常電圧監視手段42の他方の入力端子48は固定電圧源16の高電位側に接続されている。異常電圧監視手段42の出力端子50はリセット手段44の入力端子52に接続されている。リセット手段44の一方の出力端子54は配線30を介して、演算増幅器20の反転入力端子22と接続しており、他方の出力端子56は配線32を介して演算増幅器20の出力端子26と接続されている。
異常電圧監視手段42は、演算増幅器20の出力電圧が設定した閾値電圧を超えたときに出力電圧を異常電圧と判断する。リセット手段44は、異常電圧監視手段42が異常電圧と判断したときに、配線30の電荷量を調整し、演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24の間がバーチャル・ショートの状態を維持できるようにする。
変換回路では、配線30の電荷量が意図しない原因によって急激に変動した場合、ダイオード14の電流容量によっては、配線30の電荷がダイオード14を介して放出されるまで演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24の間をバーチャル・ショートの状態を維持できない虞がある。この場合、変換回路は、異常な電圧を出力してしまう。
本実施例の変換回路106では、異常電圧監視手段42とリセット手段44を備えることによって、配線30の電荷量を素早く調整し、演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24の間を確実にバーチャル・ショートすることができる。変換回路106から異常な電圧が出力されるのを抑制することができる。
図4に異常電圧監視手段42の回路図を示す。異常電圧監視手段42は、第1演算増幅器60と第2演算増幅器62とNANDゲート64と第1基準電圧源66と第2基準電圧源68を備えている。第1演算増幅器60の非反転入力端子と第2演算増幅器62の反転入力端子は異常電圧監視手段42の一方の入力端子46に接続されている。第1演算増幅器60の反転入力端子は第1基準電圧源66を介して異常電圧監視手段42の他方の入力端子48に接続されており、第2演算増幅器62の非反転入力端子は第2基準電圧源68を介して異常電圧監視手段42の他方の入力端子48に接続されている。第1演算増幅器60の出力端子はNANDゲート64の一方の入力端子に接続されており、第2演算増幅器62の出力端子はNANDゲート64の他方の入力端子に接続されている。NANDゲート64の出力端子は異常電圧監視手段42の出力端子50に接続されている。第1基準電圧源66の電圧値はVLであり、第2基準電圧源68の電圧値はVHである。
異常電圧監視手段42では、第1基準電圧源66の電圧値VHと第2基準電圧源68の電圧値VLを演算増幅器20の出力電圧の閾値電圧として用いて、演算増幅器20の出力電圧が異常電圧であるかを判断する。異常電圧監視手段42では、入力端子46に印加された演算増幅器20の出力電圧V2が、電圧値VLよりも小さいか電圧値VHよりも大きい場合、異常電圧であると判断し、リセット手段44を動作させる閾値電圧よりも高いオン電圧を出力端子50に出力する。出力端子50からの出力電圧をV5として表す。出力電圧V2がそれ以外の電圧値である場合には、リセット手段44を動作させる閾値電圧よりも低いオフ電圧を出力端子50に出力する。
図5を用いて異常電圧監視手段42の動作を詳細に説明する。異常電圧監視手段42では、演算増幅器20の出力電圧V2が電圧値VHよりも高い場合、第2演算増幅器62の出力電圧V3にNANDゲート64の閾値電圧よりも低いオフ電圧が出力される。これによって、第1演算増幅器60の出力電圧V4に関わらず、NANDゲート64の出力電圧V5にリセット手段44のオン電圧が出力され、リセット手段が動作する。また、演算増幅器20の出力電圧V2が電圧値VLよりも低い場合、第1演算増幅器60の出力電圧V4にNANDゲート64の閾値電圧よりも低いオフ電圧が出力される。これによって、第2演算増幅器62の出力電圧V3に関わらず、NANDゲート64の出力電圧V5からリセット手段44のオン電圧が出力され、リセット手段が動作する。また、演算増幅器20の出力電圧V2がそれ以外の電圧値である場合、第1演算増幅器60の出力電圧V4と第2演算増幅器62の出力電圧V3から共にNANDゲート64の閾値電圧よりも高いオン電圧が出力される。これによって、NANDゲート64の出力電圧V5からリセット手段44のオフ電圧が出力され、リセット手段は動作しない。
図4に示す異常電圧監視手段42は一例であり、その構造は限定されない。演算増幅器20の出力電圧V2が異常電圧の際に、リセット手段44を動作させることができる構成であれば、その構成は特に限定されるものではない。
(第3実施例)
図6に、変換回路206を電荷量検出回路202に用いた実施例を示す。第2実施例との形態の違いは、変換回路106のダイオード14とリセット手段244が電界効果型トランジスタTrを用いて構成されている点と、配線32に第2抵抗素子72が形成されている点である。変換回路206では、ダイオード14が電界効果型トランジスタTrの寄生ダイオード74で構成される。
図7に半導体基板82に形成された電界効果型トランジスタTrの断面図を示す。電界効果型トランジスタTrでは、n型不純物を低濃度に含んだ半導体基板82に、半導体基板82の不純物濃度よりも濃いp型不純物を打ち込むことによって、p型の第1領域84が形成される。第1領域84の内側に第1領域84の不純物濃度よりも濃いn型不純物を打ち込むことによって、n型の第2領域86が形成される。第1領域84の内側で第2領域と第1領域を介して隔てられている領域に、第1領域84の不純物濃度よりも濃いn型不純物を打ち込むことによって、n型の第3領域88が形成される。また電界効果型トランジスタTrには第2領域86と第3領域88の間の第1領域84に絶縁膜90を介して対向しているゲート電極92が形成されている。第1領域84はバルク電極Bに接続されており、出力端子58を介して演算増幅器20の非反転入力端子24に接続されている。第2領域86はドレイン電極Dに接続されており、出力端子54を介して演算増幅器20の反転入力端子22に接続されている。第3領域88はソース電極Sに接続されており、出力端子56を介して演算増幅器20の出力端子26に接続されている。ゲート電極92は入力端子52に接続されており、異常電圧監視手段42の出力端子50に接続されている。
電界効果型トランジスタTrでは、異なる導電型の領域が積層して形成されている為、異なる導電型の領域の間に寄生ダイオードが形成される。p型の第1領域84とn型の第2領域86の間には、寄生ダイオード74が形成されている。p型の第1領域84とn型の第3領域88の間には、寄生ダイオード76が形成されている。また、p型の第1領域84とn型の半導体基板82の間には、寄生ダイオード78が形成されている。バルク電極Bは寄生ダイオード78を介して電圧源80に接続されている。
本実施例の変換回路206では、異常電圧監視手段42が異常電圧と判断した場合に、電界効果型トランジスタTrの閾値電圧以上のオン電圧がリセット手段244の入力端子52を介してゲート電極92に印加される。これによって、第2領域86と第3領域88の間が導通し、配線30の電荷が電界効果型トランジスタTrを通して移動することが可能となる。これにより、配線30の電荷量を調整することができ、演算増幅器20の反転入力端子22と非反転入力端子24の間を確実にバーチャル・ショートすることができる。電界効果型トランジスタTrをリセット手段244として機能させることができる。
また、本実施例の変換回路206では、半導体基板82に形成された電界効果型トランジスタTrを用いることで、第1抵抗素子18として機能するダイオードを、電界効果型トランジスタTrの寄生ダイオード74によって構成することができる。電界効果型トランジスタTrは、リセット手段244と第1抵抗素子18を兼用しており、変換回路206をより簡素化することができる。
また、本実施例の変換回路206では、電界効果型トランジスタTrの出力端子56と演算増幅器20の出力端子26の間の配線32に第2抵抗素子72が形成されている。
図6に示すように、本実施例の変換回路206では、リセット手段244の寄生ダイオード76を介して、固定電圧源16の高電位側と演算増幅器20の出力端子26が接続されている。出力端子26の電圧と固定電圧源16の高電位側の電圧との関係が、寄生ダイオード76に対して逆バイアスとなる場合、寄生ダイオード76を介して電流が流れない。しかし、この電圧の関係が、寄生ダイオード76に対して順方向バイアスとなる場合、寄生ダイオード76を介して大きな電流が流れ、演算増幅器20の誤作動の原因となる虞がある。
本実施例の変換回路206では、リセット手段244の出力端子56と演算増幅器20の出力端子26の間の配線32に第2抵抗素子72を形成する。固定電圧源16の高電位側と演算増幅器20の出力端子26の間で、寄生ダイオード76に対して順方向バイアスとなる電圧が印加された場合でも、第2抵抗素子72によって急激な電荷の移動が抑えられ、演算増幅器20が誤作動してしまうことを防止することができる。
本発明では、第2抵抗素子72は半導体基板82に形成されたダイオードであることが好ましい。第2抵抗素子72にダイオードを採用すると、第2抵抗素子72は、逆方向電圧時の降伏電圧と順方向電圧時の順方向電圧降下の間の電圧範囲において、高い抵抗値を発揮することができる。第2抵抗素子72にダイオードを採用すれば、少ない面積で半導体基板82内に設けることができる。さらに、変換回路206を半導体基板82で作成する場合は、変換回路206を構成するのに必要な半導体基板の面積も縮小することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、本実施例の変換回路を示した図6では第2抵抗素子72をダイオードとして記載しているが、本明細書の記載通り抵抗等の抵抗成分を含む素子であれば良い。
また、固定電圧源16と第1基準電圧源66と第2基準電圧源68の電圧値や正極と負極の関係も限定されるものではない。第1基準電圧源66と第2基準電圧源68においては、VL<VHの関係が保たれていればよい。
また、本実施例では電界効果型トランジスタTrがn型不純物を含んだ半導体基板82に形成されているが、p型不純物を含んだ半導体基板82に電界効果型トランジスタTrが形成されていてもよい。これに伴い寄生ダイオード74、88、78の順方向が逆になる。この場合、第2抵抗素子72をダイオードとして形成する際に、その順方向を図6と逆となるように形成する。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の変換回路6を含む電荷量検出回路2の回路図を示す。 第1抵抗素子18がダイオード14で形成された電荷量検出回路2の回路図を示す。 第2実施例の変換回路106を含む電荷量検出回路102の回路図を示す。 異常電圧監視手段42の回路図を示す。 異常電圧監視手段42の動作を説明するためのグラフを示す。 第3実施例の変換回路206を含む電荷量検出回路202の回路図を示す。 第3実施例で半導体基板82に形成された電界効果型トランジスタTrの断面図を示す。 変換回路302の回路図を示す。 実用的な変換回路304の回路図を示す。 特許文献1に記載の変換回路306の回路図を示す。
符号の説明
2・・・・・電荷量検出回路
4・・・・・電荷量変化素子
6・・・・・変換回路
8・・・・・入力部
9・・・・・端子
10・・・・出力部
12・・・・コンデンサ
14・・・・ダイオード
16・・・・固定電圧源
18・・・・第1抵抗素子
20・・・・演算増幅器
22・・・・反転入力端子
24・・・・非反転入力端子
26・・・・出力端子
30・・・・配線
32・・・・配線
42・・・・異常電圧監視手段
44・・・・リセット手段
46・・・・入力端子
48・・・・入力端子
50・・・・出力端子
52・・・・入力端子
54・・・・出力端子
56・・・・出力端子
58・・・・出力端子
60・・・・第1演算増幅器
62・・・・第2演算増幅器
64・・・・NANDゲート
66・・・・第1基準電圧源
68・・・・第2基準電圧源
72・・・・第2抵抗素子
74・・・・寄生ダイオード
76・・・・寄生ダイオード
78・・・・寄生ダイオード
80・・・・電圧源
82・・・・半導体基板
84・・・・第1領域
86・・・・第2領域
88・・・・第3領域
90・・・・絶縁膜
92・・・・ゲート電極
102・・・電荷量検出回路
106・・・変換回路
202・・・電荷量検出回路
206・・・変換回路
244・・・リセット手段
300・・・電荷量検出回路
302・・・変換回路
304・・・変換回路
306・・・変換回路

Claims (6)

  1. 電荷量変化素子の電荷量を電圧に変換して出力部に出力する変換回路であって、
    前記電荷量変化素子と前記出力部の間に接続されているコンデンサと、
    前記電荷量変化素子と前記コンデンサの間の配線が反転入力端子に電気的に接続されており、固定電圧源が非反転入力端子に電気的に接続されており、出力端子が前記コンデンサと前記出力部の間の配線に電気的に接続されている演算増幅器と、
    前記演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間に接続されている第1抵抗素子と、を備えている変換回路。
  2. 前記第1抵抗素子は、半導体基板内に形成されているダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の変換回路。
  3. 異常電圧監視手段とリセット手段をさらに備えており、
    前記異常電圧監視手段は、前記演算増幅器の出力電圧が設定した閾値電圧を超えたときに前記出力電圧を異常電圧と判断し、
    前記リセット手段は、前記異常電圧監視手段が異常電圧と判断したときに、前記電荷量変化素子と前記コンデンサと前記演算増幅器と前記第1抵抗素子に電気的に接続している配線の電荷量を調整して前記演算増幅器の反転入力端子と非反転入力端子の間をバーチャル・ショートさせることを特徴とする請求項2に記載の変換回路。
  4. 前記リセット手段と前記ダイオードは、前記半導体基板に形成されている電界効果型トランジスタで構成されており、
    前記電界効果型トランジスタは、
    前記半導体基板内に形成されている第1導電型の第1領域と、
    前記第1領域内に形成されている第2導電型の第2領域と、
    前記第1領域内に形成されており、前記第1領域を介して前記第2領域から隔てられている第2導電型の第3領域と、
    前記第2領域と第3領域の間の第1領域に絶縁膜を介して対向しているゲート電極と、を含んでおり、
    前記演算増幅器の非反転入力端子は前記第1領域に電気的に接続しており、
    前記演算増幅器の反転入力端子は前記第2領域に電気的に接続しており、
    前記演算増幅器の出力端子が前記第3領域に電気的に接続しており、
    前記ダイオードは、前記第1領域と第2領域の間の寄生ダイオードであることを特徴とする請求項3に記載の変換回路。
  5. 前記第3領域と前記演算増幅器の出力端子の間に接続されている第2抵抗素子をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の変換回路。
  6. 前記第2抵抗素子は、半導体基板内に形成されているダイオードであることを特徴とする請求項5に記載の変換回路。
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