JP2009210167A - 気化式加湿器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、加湿手段の運転に無駄を生じさせることなく、かつエネルギを浪費することなく、湿度制御を正確に行うことができる気化式加湿器を提供する。
【解決手段】本発明の気化式加湿器10は、加湿手段24によって加湿された空気の加湿流路12と、この加湿流路12と分岐され加湿されていない空気の非加湿流路28とを備えており、非加湿流路28を流れる空気を、加湿流路12を流れる空気に混合させるとともに、その混合量を、露点計26で検出された露点に基づき、指示調節計42がダンパ18、34の開度を比例制御することで制御し、所望の湿度の空気を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の気化式加湿器10は、加湿手段24によって加湿された空気の加湿流路12と、この加湿流路12と分岐され加湿されていない空気の非加湿流路28とを備えており、非加湿流路28を流れる空気を、加湿流路12を流れる空気に混合させるとともに、その混合量を、露点計26で検出された露点に基づき、指示調節計42がダンパ18、34の開度を比例制御することで制御し、所望の湿度の空気を得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は気化式加湿器に係り、特にクリーンルーム等の精密機器製造工場において温湿度を制御するために設置される気化式加湿器に関する。
クリーンルーム等の精密機器製造工場では、温度、湿度を一定に保つ必要があり、このような室内の温湿度制御を行う加湿装置として、特許文献1に開示された気化式加湿器が知られている。
この気化式加湿器は、ハウジングによって形成される空気流路の空気取入口側から空気排出口側に向けて、加熱コイル、気化式加湿器、冷却コイル、送風機、乾球温度センサ、及び露点温度センサが配置されて構成されている。
気化式加湿器は、給水管からの水を加湿材の上部に滴下して、加湿材の表面を濡れ面となるように水が表面に沿って流れるようにした加湿モジュールから構成され、露点温度センサによって検知される加湿後の露点が一定となるように加熱コイル、冷却コイルを制御して加湿が行われている。また、加熱コイル、冷却コイルは、露点温度センサが検知する露点温度に基づいて加熱冷却量が比例制御されている。
図2には、従来の気化式加湿器の一般的な構造が示されている。この気化式加湿器1は、ハウジングによって構成される空気流路2の上流端に空気取入口2Aが形成されるとともに、空気流路2の下流端に温湿度調整された空気の空気排出口2Bが形成されている。そして、空気流路2には、上流側から下流側に向けて加熱/冷却コイル3、加湿材4、及び露点計5が配置されて構成され、露点計5が検知する露点温度に基づいて加熱/冷却コイル3の制御バルブの開閉を制御し、加熱冷却量を制御している。
この気化式加湿器1における加湿量制御は、空気取入口2Aから流入した入口の空気の温度を加熱/冷却コイル3によって制御することで行っている。図3には、その制御方法を示した空気線図が示されている。同図には、入口の空気の温度を加熱し、この加熱した空気を加湿してターゲット湿度に制御することが示されている。
特開2001−317795号公報
しかしながら、図3に示した加湿量制御方法では、気化式加湿器1がON/OFF制御のみであり、外調機に付ける加湿器を想定すれば、入口付近の空気の湿度がターゲット湿度に近い春、秋といった中間期には、制御が非常に難しくなるという問題があった。
すなわち、図4に示すようにターゲットとする相対湿度を50%としたとき、入口の湿度(初期値)が40%であったとすると、加湿器はONとなり、大量に加湿されることになる。その結果、出口の空気は50%を大きく超えるため、加湿器はOFFとなる。そして、少し時間が経つと、再び露点計の周りの湿度が直ぐに外気の40%に戻り、加湿器は再びONとなる。このように、ターゲット湿度と外気の湿度との差が小さい中間期では、図4の如く加湿器のON/OFFが頻繁に繰り返されることになり、加湿器の運転に無駄が生じるので好ましくない。
この問題を解決する第1の解決策として、加湿器の制御バルブのセンサ感度を低くすることが考えられる。これにより、湿度が多少低くても加湿器はONにはならず、ON/OFF制御によって湿度の値が上下にぶれてしまうのを防止することができる。
しかしながら、第1の解決策の場合、加湿器が一度ONになると相当の加湿がなされてしまうので、適切な制御とは言い難い。
一方、第2の解決策として、図5の空気線図に示すように、まず、入口の空気(外気)を通常よりも過加熱し、次にその空気を加湿し、次いで、その加湿された高温の空気を冷却コイルによって除湿、冷却することにより、ターゲットとなる湿度に制御する方法が考えられる。この制御方法によれば、冷却による制御が加熱・加湿の制御よりも容易であるため、正確な制御が可能であるという利点がある。
しかしながら、第2の解決策では、過加熱に要するエネルギが膨大となるため、ランニングコストが増大するという欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加湿手段の運転に無駄を生じさせることなく、かつエネルギを浪費することなく、湿度制御を正確に行うことができる気化式加湿器を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、加湿手段によって加湿された空気の加湿流路と、該加湿流路と分岐され加湿されていない空気の非加湿流路とを備え、該非加湿流路を流れる空気を、前記加湿流路を流れる空気に混合させるとともに、その混合量を制御して所望の湿度の空気を得ることを特徴とする気化式加湿器を提供する。
また、本発明は、前記目的を達成するために、空気取入口と空気排出口との間に設けられた加湿流路と、前記加湿流路を流れる空気量を調整する第1のダンパ手段と、前記加湿流路の上流側に設けられた加熱/冷却手段と、前記加熱/冷却手段に対して前記加湿流路の下流側に設けられた温度検出手段と、前記温度検出手段に対して前記加湿流路の下流側に設けられた加湿手段と、前記加湿手段に対して前記加湿流路の下流側に設けられた露点検出手段と、前記加湿流路と分岐されるとともに前記加湿手段と前記露点検出手段との間の前記加湿流路に接続され、加湿されていない空気が流れる非加湿流路と、前記非加湿流路を流れる空気量を調整する第2のダンパ手段と、前記露点検出手段で検出された露点に基づいて、前記第1のダンパ手段と前記第2のダンパ手段とを制御して、前記加湿流路を流れる空気と非加湿流路を流れる空気との混合量を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする気化式加湿器を提供する。
本発明によれば、加湿手段によって加湿された空気の加湿流路と、この加湿流路と分岐され加湿されていない空気の非加湿流路とを備え、非加湿流路を流れる空気を、加湿流路を流れる空気に混合させるとともに、その混合量を制御して所望の湿度の空気を得る。
すなわち、本発明の制御手段は、露点検出手段で検出された露点に基づき、第1のダンパ手段と第2のダンパ手段のそれぞれの開度を制御し、加湿流路を流れる空気と非加湿流路を流れる空気との混合量を制御して、所望の湿度の空気を得る。
これにより、本発明の気化式加湿器によれば、加湿手段は安定したON状態を維持し、第1のダンパ手段と第2のダンパ手段のそれぞれの開度を制御するだけで出口の湿度を微調整することができる。よって、本発明は、加湿手段の運転に無駄を生じさせることなく、かつエネルギを浪費することなく、湿度制御を正確に行うことができる。また、非加湿流路を流れる空気と加湿流路を流れる空気との混合量制御は、両者を比例制御することが好ましい。
また、本発明によれば、前記加湿流路を流れる空気を加熱/冷却するための、加熱/冷却手段による加熱量を制御して所望の温度の空気を得ることが好ましい。
同様に、本発明によれば、前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記加熱/冷却手段の加熱量を制御することが好ましい。
これにより、本発明の気化式加湿器によれば、所望の温湿度の空気を室内に供給することができる。
以上の如く、本発明に係る気化式加湿器によれば、加湿器の運転に無駄を生じさせることなく、かつエネルギを浪費することなく、湿度制御を正確に行うことができる。
以下添付図面に従って、本発明に係る気化式加湿器の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、実施の形態の気化式加湿器10の構成を示したブロック図である。
同図に示す気化式加湿器10は、ハウジングケースによって構成される加湿流路12を備え、この加湿流路12には、外気を取り入れる空気取入口14と、温湿度調整された空調空気を室内に排出する空気排出口16とがその端部に形成されている。この加湿流路12を流れる空気量は、ダンパ(第1のダンパ手段)18によって調節される。また、加湿流路12の上流側には、冷熱コイル(加熱/冷却手段)20が設けられ、この冷熱コイル20に供給される冷熱媒体によって、加湿流路12を流れる空気(外気)が冷却、又は加熱される。
冷熱コイル20に対して加湿流路12の下流側には、温度計(温度検出手段)22が設けられており、この温度計22によって測定された空気の温度に基づいて冷熱コイル20に供給される冷熱媒体の量、又は温度が制御されている。この温度計22に対して加湿流路12の下流側には、後述する加湿手段24が設けられ、また、加湿手段24に対して加湿流路12の下流側には、露点計(露点検出手段)26が設けられている。
ところで、この気化式加湿器10には、加湿流路12に対して分岐された非加湿流路28が備えられている。この非加湿流路28もハイジングケースによって構成され、外気を取り入れる空気取入口30が、ダンパ18の上流側の加湿流路12に接続され、空気排出口32が加湿手段24と露点計26との間の加湿流路12に接続されている。これによって、非加湿流路28を流れる加湿されていない外気が、加湿手段24と露点計26との間の加湿流路12に供給されるように構成されている。
非加湿流路28には、非加湿流路28を流れる空気量を調整するダンパ(第2のダンパ手段)34が設けられている。
前述した加湿手段24は、加湿材により構成された加湿器36と、この加湿器36の上方より均一に給水を行う複数のノズル(不図示)を備えた給水部38とから構成されており、給水部38から水を滴下し、表面を濡れ面となるようにした加湿器36に、加湿流路12を流れる空気を通過させて加湿を行うように構成されている。なお、加湿器36から落下した余分な水は、加湿器36の下方に配置されたドレンパン(不図示)に溜められる。また、符号40は、給水部38から加湿器36に滴下する水量を調節する電磁弁である。
一方、この気化式加湿器10には、露点計26で検出された露点に基づいて、ダンパ18とダンパ34の開度を比例制御して、加湿流路12を流れる空気と非加湿流路28を流れる空気との混合量を制御する指示調節計(制御手段)42を備えている。
実施の形態の気化式加湿器10は、加湿手段24によって加湿された空気の加湿流路12と、この加湿流路12と分岐され加湿されていない空気の非加湿流路28とを備えており、非加湿流路28を流れる空気を、加湿流路12を流れる空気に混合させるとともに、その混合量を、露点計26で検出された露点に基づき、指示調節計42がダンパ18、34の開度を比例制御することで制御し、所望の湿度の空気を得る。
これにより、実施の形態気化式加湿器10によれば、加湿手段24はON状態を維持し、ダンパ18、34のそれぞれの開度を制御するだけで空気排出口16の湿度を微調整することができる。
よって、実施の形態の気化式加湿器10によれば、加湿手段24が安定したON状態を維持して湿度調整を行うため、従来のように頻繁にON/OFFされる加湿手段と比較して、加湿手段24の運転に無駄が発生せず、かつ冷熱コイル20による過加熱も必要としないためエネルギを浪費することない。そして、加湿された空気と加湿されない空気との混合比を制御して湿度調整を行うため、湿度制御を正確に行うことができる。
また、実施の形態の気化式加湿器10によれば、温度計22で測定される加湿流路12を流れる空気の温度に基づき、その空気の温度が所望の温度となるように冷熱コイル20に供給される冷熱媒体の量、又は温度を、指示調節計42又は他の制御手段で制御している。
これにより、実施の形態の気化式加湿器10によれば、所望の温湿度の空気を室内に供給することができる。
〔実施例〕
クリーンルームの目標とする室内の温度を23℃、湿度を50%とする。
・実施例1
外気の温湿度 :温度13.6℃、湿度58%(東京の4月の平均値)
冷熱コイル20の温度:23℃
この場合、加湿器36を通過する加湿空気量と非加湿流路28を流れる非加湿空気量との比が、52(加湿空気量):48(非加湿空気量)となるようにダンパ18、34のそれぞれの開度を比例制御する。
〔実施例〕
クリーンルームの目標とする室内の温度を23℃、湿度を50%とする。
・実施例1
外気の温湿度 :温度13.6℃、湿度58%(東京の4月の平均値)
冷熱コイル20の温度:23℃
この場合、加湿器36を通過する加湿空気量と非加湿流路28を流れる非加湿空気量との比が、52(加湿空気量):48(非加湿空気量)となるようにダンパ18、34のそれぞれの開度を比例制御する。
これにより、上記クリーンルームの目標とする温湿度となる。
・実施例2
外気の温湿度 :温度14.4℃、湿度60%(東京の11月の平均値)
冷熱コイル20の温度:23℃
この場合、加湿器36を通過する加湿空気量と非加湿流路28を流れる非加湿空気量との比が、48(加湿空気量):52(非加湿空気量)となるようにダンパ18、34のそれぞれの開度を比例制御する。
・実施例2
外気の温湿度 :温度14.4℃、湿度60%(東京の11月の平均値)
冷熱コイル20の温度:23℃
この場合、加湿器36を通過する加湿空気量と非加湿流路28を流れる非加湿空気量との比が、48(加湿空気量):52(非加湿空気量)となるようにダンパ18、34のそれぞれの開度を比例制御する。
これにより、上記クリーンルームの目標とする温湿度となる。
10…気化式加湿器、12…加湿流路、14…空気取入口、16…空気排出口、18…ダンパ、20…冷熱コイル、22…温度計、24…加湿手段、26…露点計、28…非加湿流路、30…空気取入口、32…空気排出口、34…ダンパ、36…加湿器、38…給水部、40…電磁弁、42…指示調節計
Claims (4)
- 加湿手段によって加湿された空気の加湿流路と、該加湿流路と分岐され加湿されていない空気の非加湿流路とを備え、該非加湿流路を流れる空気を、前記加湿流路を流れる空気に混合させるとともに、その混合量を制御して所望の湿度の空気を得ることを特徴とする気化式加湿器。
- 前記加湿流路を流れる空気を加熱/冷却するする加熱/冷却手段を備え、該加熱/冷却手段による加熱量を制御して所望の温度の空気を得る請求項1に記載の気化式加湿器。
- 空気取入口と空気排出口との間に設けられた加湿流路と、
前記加湿流路を流れる空気量を調整する第1のダンパ手段と、
前記加湿流路の上流側に設けられた加熱/冷却手段と、
前記加熱/冷却手段に対して前記加湿流路の下流側に設けられた温度検出手段と、
前記温度検出手段に対して前記加湿流路の下流側に設けられた加湿手段と、
前記加湿手段に対して前記加湿流路の下流側に設けられた露点検出手段と、
前記加湿流路と分岐されるとともに前記加湿手段と前記露点検出手段との間の前記加湿流路に接続され、加湿されていない空気が流れる非加湿流路と、
前記非加湿流路を流れる空気量を調整する第2のダンパ手段と、
前記露点検出手段で検出された露点に基づいて、前記第1のダンパ手段と前記第2のダンパ手段とを制御して、前記加湿流路を流れる空気と非加湿流路を流れる空気との混合量を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする気化式加湿器。 - 前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記加熱/冷却手段の加熱量を制御する請求項3に記載の気化式加湿器。
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JP2008051847A JP2009210167A (ja) | 2008-03-03 | 2008-03-03 | 気化式加湿器 |
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