JP2009209579A - 二・多段式駐車装置の改造方法と、この方法で改造された二・多段式駐車装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇降駆動され、入・出庫高さH1に位置する時に車両3が車路1から乗り込み可能または車路1へ乗り出し可能である上段パレット5および下段パレット7を備え、車両3が積載された下段パレット7がピット9内へ下降することで、該車両をピット9に収容できるようになっている既設の二・多段式駐車装置の改造方法であって、入・出庫高さH1に代えて、これより高い位置となる新たな入・出庫高さH2を設定するとともに、車路1と新たな入・出庫高さH2との段差を埋める段差解消部19を設ける。
【選択図】図3
Description
各パレット2は、昇降可能であり、所定の入・出庫高さに位置する時に、当該パレット2に車両3が自走して車路1から乗り込み可能または車路1へ乗り出し可能となっている。これにより、車両3がパレット2に積載される。複数段のパレット2が、支柱11に組み付けられて支柱11に支持される。
昇降駆動装置15は、パレット2を昇降駆動する。即ち、昇降駆動装置15は、主支柱13に設けられ、支柱11を昇降させることで、パレット2を昇降する。
ピット9は、入・出庫高さより低い位置に設けられる。ピット9内へ、車両3が積載されたパレット2が下降することで、該車両3をピット9に収容できるようになっている。
なお、人が操作装置16を操作することで、所望のパレット2を入・出庫高さへ昇降させることができる。
このような駐車装置を他の形式の駐車装置(例えば、より車高の高い車両を収容できる形式のもの)に入れ替える際、新たな形式の駐車装置の鉛直方向寸法に合わせて(例えば、元の駐車装置より新たな駐車装置の方が高さが大きくなるために)、ピットの深さをより深くする必要がある場合がある。即ち、ピットの改造工事が必要となる。ピットをより深いものに改造するには、手間が非常にかかるとともに高い改造コストが必要となる。例えば、コンクリートで形成されたピットをより深いものに改造するには、地面をさらに掘り下げるだけでなく、コンクリート全体を作り直す必要性が出てくる場合がある。この場合、大きな手間とコストを要する。
該上段パレットの下方に設けられるとともに、昇降駆動され、前記入・出庫高さに位置する時に車両が前記車路から乗り込み可能または前記車路へ乗り出し可能である下段パレットと、を備え、
前記入・出庫高さより低い位置に車両収容用のピットが設けられ、車両が積載された前記下段パレットが前記ピット内へ下降することで、該車両を前記ピットに収容できるようになっている既設の二・多段式駐車装置の改造方法であって、
前記入・出庫高さに代えて、これより高い位置となる新たな入・出庫高さを設定するとともに、前記車路と前記新たな入・出庫高さとの段差を埋める段差解消部を設ける、ことを特徴とする二・多段式駐車装置の改造方法が提供される。
(1)上記本発明では、既存の二・多段式駐車装置における前記入・出庫高さに代えて、これより高い位置となる新たな入・出庫高さを設定することにより、形式の違いで、ピット内に収容された車両がピット上端から上方へ突出していても、支障が無くなる。即ち、下段パレット上の車両がピットに収容されている状態において、該車両がピット上端(旧入・出庫高さ)から上方に突出していても、該車両と干渉せずに上段パレットを新たな入・出庫高さに位置させることが可能となる。
(2)さらに、上記本発明では、前記車路と前記新たな入・出庫高さとの段差を埋める段差解消部を設けることにより、前記新たな入・出庫高さに位置する上段パレットまたは下段パレットに車両が段差解消部を通って乗り込み可能となり、または、前記新たな入・出庫高さに位置する上段パレットまたは下段パレットから車両が段差解消部を通って車路へ乗り出し可能となる。
従って、既存の二・多段式駐車装置を他の形式の二・多段式駐車装置に入れ替える改造工事を行う場合に、ピットをさらに深くする工事を行うことに代えて、上記(1)、(2)のように、新たな入・出庫高さを設定するとともに段差解消部を設けるので、改造の手間およびコストを大幅に低減できる。
前記スロープ部材は、車両の走行面となる傾斜面と、前記ピットと反対側に設置される前端部と、前記前端部と反対側に設置される後端部と、を有し、
前記スロープ部材の前記前端部、前記傾斜面および側部の少なくともいずれかには、雨水が通る開口が設けられ、これにより、雨水が該開口を通って、雨水を流すための排水の溝、雨水を集める枡等の雨水受部へ流れ込むようになっている。
図1に示すように、二・多段式駐車装置10は、昇降駆動され所定の入・出庫高さH1(図1では、車路1の上面の高さ)に位置する時に車両3が車路1から乗り込み可能または車路1へ乗り出し可能である上段パレット5と、該上段パレット5の下方に設けられるとともに、昇降駆動され入・出庫高さH1に位置する時に車両3が車路1から乗り込み可能または該車路1へ乗り出し可能である下段パレット7とを備える。また、入・出庫高さH1より低い位置に車両収容用のピット9が設けられ、車両3が積載された下段パレット7がピット9内へ下降することで、該車両3をピット9に収容できるようになっている。なお、ピット9は、コンクリート等のピット形成部12により形成された車両収納用の空間または窪みを意味する。
図3に示すように、本実施形態による二・多段式駐車装置の改造方法では、入・出庫高さH1に代えて、これより高い位置となる新たな入・出庫高さH2を設定するとともに、車路1と新たな入・出庫高さH2との段差を埋める段差解消部19を設ける。これにより、入・出庫高さH2に位置する上段パレット5または下段パレット7へ車両3が自走して車路1から乗り込み可能となり、または、入・出庫高さH2に位置する上段パレット5または下段パレット7から車両3が自走して車路1へ乗り出し可能となる。段差解消部19は、上段パレット5または下段パレット7の側と車路1の側とのうち該車路1の側に設けられる。また、ピット9は既存のものをそのまま使用できる。なお、支柱11や主支柱13などの寸法は、新たな入・出庫高さH2や、後述のようにより高い車高の車両3を収容できるように変更される。
図4は、図3(B)に対応し、段差解消部19をスロープ部材19とした場合を示している。スロープ部材19は、車路1に設置されスロープを形成する。図4の例では、スロープ部材19は、車両3の走行面となる傾斜面33を持つ傾斜面形成部材21と、断面コの字状部材23とを有する。なお、傾斜面形成部材21と断面コの字状部材23は、図4の形状に折り曲げられた縞鋼板であってよい。傾斜面形成部材21と断面コの字状部材23とは、ボルト(図示せず)により結合され、断面コの字状部材23は、ピット9を形成するピット形成部(コンクリート)12の上面に対しケミカルアンカー27により結合されている。また、傾斜面形成部材21を補強する補強部材(図示せず)を、傾斜面形成部材21の下面と旧車路1の上面との間に設けてもよい。
スロープ部材19の前端部35、傾斜面33および側部34の少なくともいずれかには、雨水が通る開口39が設けられ、これにより、該開口39を通って雨水が溝31へ流れ込むようになっている。図6の例では、前端部35は、車路1の上面から上方に立ち上がった前面35aを有し、この前面35aに開口39を形成する切り欠き部が設けられている。また、傾斜面33の開口39は、スロープ部材19の傾斜面33に設けられた貫通孔である。スロープ部材19の側部34は、図6(A)に示すように、側部34が開口しており、この開口39を通って雨水が溝31に流れ込む。
ただし、雨水を流すための溝31は、図6(A)に示す位置でなくてもよい。即ち、本発明によると、スロープ部材19は、溝31を跨いでいなくてもよく、例えば、溝31は、スロープ部材19の近傍(例えば、車路1の隅)にあってもよい。この場合でも、スロープ部材19は図6に示す構成であってよく、雨水が、車路1上を流れながら前面35aと側部34の開口39を通って溝31へ流れ込むようになっており、傾斜面33の開口39を通過した雨水が車路1上を流れて溝31へ流れ込むようになっている。なお、車路1には雨水を溝31へ流すための極わずかな水勾配が設けられている。
また、溝31の代わりに、雨水を集める枡等の雨水を受け入れる雨水受部が、スロープ部材19の下方または近傍(例えば、車路1の隅)にある場合にも、図6と同じ構成を持つスロープ部材19を採用してよい。これにより、雨水が、車路1上を流れながら前面35aと側部34の開口39を通って前記雨水受部へ流れ込むようにし、傾斜面33の開口39を通過した雨水が車路1上を流れて前記雨水受部へ流れ込むようにすることができる。なお、この場合も、車路1には雨水を溝31へ流すための極わずかな水勾配が設けられていてよい。
図7は、図3(B)に対応し、段差解消部19を段差解消層19とした場合を示す。段差解消層19は、車路1の上面に形成されるコンクリートやアスファルト等の層である。図7の例では、断面コの字状部材23を、ピット形成部12の上面に対しケミカルアンカー27で結合した上で、断面コの字状部材23の高さまで、コンクリートまたはアスファルトの段差解消層19を形成する。なお、図7では、段差解消層19の上面は傾斜していないが、図示している範囲よりも手前(図7の左側)において、改造により生じる段差を埋めた分だけ、コンクリートまたはアスファルトの上面が滑らかに傾斜している。
(1)既存の二・多段式駐車装置10における入・出庫高さH1に代えて、これより高い位置となる新たな入・出庫高さH2を設定することにより、形式の違いで、ピット9内に収容された車両3がピット9上端(旧入・出庫高さH1)から上方へ突出していても、支障が無くなる。即ち、下段パレット7上の車両3がピット9に収容されている状態において、該車両3がピット9上端(旧入・出庫高さH1)から上方に突出していても、該車両3と干渉せずに上段パレット5を新たな入・出庫高さH2に位置させることが可能となる。
(2)さらに、上記本発明では、車路1と新たな入・出庫高さH2との段差を埋める段差解消部19を設けることにより、新たな入・出庫高さH2に位置する上段パレット5または下段パレット7に車両3が段差解消部19を通って乗り込み可能となる。
従って、既存の二・多段式駐車装置10を他の形式の二・多段式駐車装置20に入れ替えるように改造する場合に車高がより高い車両3をピット9に収容できるように改造する場合に、ピット9をさらに深くする工事を行うことに代えて、上記(1)、(2)のように、新たな入・出庫高さH2を設定するとともに段差解消部19を設けるので、改造の手間およびコストを大幅に低減できる。
Claims (5)
- 昇降駆動され、所定の入・出庫高さに位置する時に車両が車路から乗り込み可能または車路へ乗り出し可能である上段パレットと、
該上段パレットの下方に設けられるとともに、昇降駆動され、前記入・出庫高さに位置する時に車両が前記車路から乗り込み可能または前記車路へ乗り出し可能である下段パレットと、を備え、
前記入・出庫高さより低い位置に車両収容用のピットが設けられ、車両が積載された前記下段パレットが前記ピット内へ下降することで、該車両を前記ピットに収容できるようになっている既設の二・多段式駐車装置の改造方法であって、
前記入・出庫高さに代えて、これより高い位置となる新たな入・出庫高さを設定するとともに、前記車路と前記新たな入・出庫高さとの段差を埋める段差解消部を設ける、ことを特徴とする二・多段式駐車装置の改造方法。 - 前記段差解消部は、上段パレットまたは下段パレットの側と前記車路の側とのうち該車路の側に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。
- 前記段差解消部は、前記車路に設置されスロープを形成するスロープ部材であるか、または、前記車路の上面に形成される段差解消層である、ことを特徴とする請求項2に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。
- 前記段差解消部は、前記車路に設置されスロープを形成するスロープ部材であり、
前記スロープ部材は、車両の走行面となる傾斜面と、前記ピットと反対側に設置される前端部と、前記前端部と反対側に設置される後端部と、を有し、
前記スロープ部材の前記前端部、前記傾斜面および側部の少なくともいずれかには、雨水が通る開口が設けられ、これにより、雨水が該開口を通って、雨水を流すための排水の溝、雨水を集める枡等の雨水受部へ流れ込むようになっている、ことを特徴とする請求項2に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の二・多段式駐車装置の改造方法により改造された二・多段式駐車装置。
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