JP2009208996A - シリコンの製造方法、及びシリコンの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応器内での金属粒子の対流及び循環流を抑制し、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率を向上させることができるシリコンの製造方法を提供すること。
【解決手段】金属粒子Mpと、ハロゲン化シランG1とを、反応器3内で互いに接触させてハロゲン化シランG1を還元し、シリコンを得るシリコンの製造方法において、溶融金属MmにアトマイズガスG2を吹き付けることにより金属粒子Mpを反応器3内へ供給し、金属粒子Mpと、ハロゲン化シランG1とを、反応器3内へ並流に供給するシリコンの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】金属粒子Mpと、ハロゲン化シランG1とを、反応器3内で互いに接触させてハロゲン化シランG1を還元し、シリコンを得るシリコンの製造方法において、溶融金属MmにアトマイズガスG2を吹き付けることにより金属粒子Mpを反応器3内へ供給し、金属粒子Mpと、ハロゲン化シランG1とを、反応器3内へ並流に供給するシリコンの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、シリコンの製造方法、及びシリコンの製造装置に関する。
環境問題がクローズアップされる中、太陽電池はクリーンなエネルギー源として注目を集め、住宅用を中心に需要が急増している。シリコン系太陽電池は信頼性や変換効率に優れるため、太陽光発電の8割程度を占めている。しかし、発電単価をさらに減少させるためには、低価格のシリコン原料を確保することが望まれている。
現在、高純度シリコンの製造方法として、主に、トリクロロシランを熱分解するジーメンス法が採用されている。しかしながら、この方法においては、電力原単位の削減に限界があるため、さらなるコストダウンは困難であると言われている。
熱分解に替わる方法としては、例えば下記特許文献1に、一般式SiHnX4−n(式中、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数をそれぞれ示す。)を有する気体のシリコン化合物を、細かく分散された純アルミニウム又はAl−Si合金の溶融表面へ接触させる方法が開示されている。また、下記特許文献2には、流下する液状の金属に流体(水素、ヘリウム、又はアルゴン)を吹き付けて作成した金属粒子と、気体状のシリコンの塩素化合物と、を反応させて、シリコンの塩素化合物を還元し、シリコンを得るための反応容器を備えるシリコンの製造装置が開示されている。
上記特許文献2に示すような反応容器内で、シリコンの塩素化合物等のハロゲン化シランと金属粒子との還元反応を行うと、反応容器内で金属粒子が対流又は循環する可能性があり、金属粒子が対流又は循環すると、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率が低下する傾向があることを本発明者らは見出した。
上記課題を解決するために本発明は、反応器内での金属粒子の対流及び循環流を抑制し、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率を向上させることができるシリコンの製造方法、及びシリコンの製造装置を提供する。
上記目的を達成するために、本発明のシリコンの製造方法は、金属粒子と、ハロゲン化シランとを、反応器内で互いに接触させてハロゲン化シランを還元し、シリコンを得るシリコンの製造方法において、溶融金属にアトマイズガスを吹き付けることにより金属粒子を反応器内へ供給し、金属粒子と、ハロゲン化シランとを、反応器内へ並流に供給する。なお、「アトマイズガス」とは、溶融金属に吹き付け、溶融金属からなる微小液滴を形成し、金属粒子を反応器内へ供給するためのガスを意味する。また、「並流」とは、反応器内において金属粒子がマクロ的に移動する方向と、ハロゲン化シランがマクロ的に移動する方向が同一方向であることを意味する。例えば、金属粒子が上方から下方に移動して下方から反応器外へ出て行く場合には、ハロゲン化シランもマクロ的には下方に向かって移動させることを意味する。また、本発明では、金属粒子とハロゲン化シランとを、同じ位置から反応器内へ並流に供給してもよく、互いに異なる位置から反応器内へ並流に供給してもよい。
金属粒子とハロゲン化シランとを、反応器内へ並流に供給することによって、反応器内での金属粒子の対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子の凝集を抑制できる。その結果、金属粒子とハロゲン化シランとが接触し易くなり、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率を向上させることができる。
上記本発明では、アトマイズガスが不活性ガスであり、溶融金属に吹き付ける不活性ガスの単位時間当たりに供給される重量を、不活性ガスが吹き付けられる溶融金属の単位時間当たりに供給される重量以上とすることが好ましい。
これにより、金属粒子を微細化し易くなると共に、金属粒子を反応器内へ分散させ易くなる。そのため、金属粒子とハロゲン化シランとの接触効率がより向上して、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率をより向上させることができる。
上記本発明では、アトマイズガスの温度を、絶対温度でT1(K)とし、溶融金属の融点を、絶対温度でT2(K)とするとき、0.6≦(T1/T2)<1.2とすることが好ましい。
これにより、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率をより向上させることができる。T1/T2が0.6未満では金属粒子を作製するためのアトマイズガス量が多くなり、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率が低下する傾向があり、T1/T2が1.2以上では耐熱性の高い各種装置を使用する必要があり、コストが増大する傾向があるが、T1/T2を上記の範囲内とすることによってこれらの傾向を抑制できる。
上記本発明では、ハロゲン化シランの温度は200〜1200℃であることが好ましく、200〜1000℃であることがより好ましい。ハロゲン化シランの温度が200℃未満であると、反応器内の温度が下がり、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率が低下することがある。他方、当該ハロゲン化シランの温度が1200℃を超えても、それに要するコストに見合うだけの効果が小さい。
上記本発明で用いるハロゲン化シランは、反応速度を制御するためにアルゴン等の不活性ガスによって希釈することができるが、希釈後のハロゲン化シランの濃度は10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることが更に好ましい。また、上記本発明では、アトマイズガス中にハロゲン化シランを含有させてもよい。また、金属供給ノズルから流下する溶融金属に吹き付けるアトマイズガスの単位時間当たりに供給される重量は、金属供給ノズルから流下させて微細化する溶融金属の単位時間当たりに供給される重量以上(アトマイズガスが吹き付けられる溶融金属の単位時間当たりに供給される重量以上)とすることが好ましい。
上記本発明では、反応器を内径2Rの円筒状とし、金属粒子を円筒(円筒状の反応器)の中心軸に沿って反応器内へ供給し、ハロゲン化シランを、中心軸から円筒の半径方向(反応器の内径方向)に0.3R〜0.8R離れた位置から反応器内へ供給することが好ましく、0.5R〜0.8R離れた位置から反応器内へ供給することがより好ましい。
ハロゲン化シランを、中心軸から円筒の半径方向に0.3R〜0.8R離れた位置から反応器内へ供給することによって、反応器内での金属粒子の対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子の凝集をより確実に抑制でき、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率をより向上させることができる。
上記本発明では、金属粒子及びハロゲン化シランとは異なる場所から二次ガスを反応器内へ更に供給することが好ましい。なお、本発明において、「二次ガス」とは、例えば、不活性ガス又はハロゲン化シランガスの少なくともいずれか、又はこれらの混合ガスを意味する。
反応器内へ供給する二次ガスの流れによって、反応器内での金属粒子の対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子の凝集をより抑制し易くなる。更に、反応器内の温度を制御し易くなる傾向がある。
上記本発明では、二次ガスの温度は20〜1200℃であることが好ましく、200〜1000℃であることがより好ましい。二次ガスの温度が20℃未満であると、反応器内の温度が下がり、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率が低下することがある。他方、二次ガスの温度が1200℃を超えても、それに要するコストに見合うだけの効果が小さい。
上記本発明では、溶融金属がアルミニウムであることが好ましく、ハロゲン化シランがテトラクロロシランであることが好ましい。これにより、高純度のシリコンを得易くなる。
本発明のシリコンの製造装置は、反応器と、溶融金属にアトマイズガスを吹き付けて金属粒子を反応器内へ供給する金属粒子供給手段と、ハロゲン化シランを反応器内へ供給するハロゲン化シラン供給手段と、を備え、金属粒子とハロゲン化シランとが反応器内へ並流に供給されるように、金属粒子供給手段とハロゲン化シラン供給手段とが配置されていることを特徴とする。
上記本発明のシリコンの製造装置によれば、上記本発明のシリコンの製造方法を容易に実施することが可能となり、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率を向上させることができる。
上記本発明のシリコンの製造装置は、反応器が内径2Rの円筒状であり、金属粒子供給手段が、円筒(円筒状の反応器)の中心軸近傍に配置され、円筒の半径方向(反応器の内径方向)におけるハロゲン化シラン供給手段と中心軸との距離が、0.3R〜0.8Rであることが好ましく、0.5R〜0.8Rであることがより好ましい。
これにより、反応器内での金属粒子の対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子の凝集をより確実に抑制できる。
上記本発明のシリコンの製造装置は、二次ガスを反応器内へ供給する二次ガス供給手段を更に備えることが好ましい。
二次ガス供給手段から反応器内へ供給する二次ガスの流れによって、反応器内での金属粒子の対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子の凝集をより抑制し易くなる。更に、反応器内の温度を制御し易くなる傾向がある。
本発明によれば、反応器内での金属粒子の対流及び循環流を抑制し、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率を向上させることができるシリコンの製造方法、及びシリコンの製造装置を提供することができる。
以下、図1を参照しながら本発明の好適な実施形態に係るシリコンの製造装置10、及び製造装置10を用いたシリコンの製造方法について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示された比率に限られるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るシリコンの製造装置10は、鉛直方向に延びる略円筒状の反応器3と、反応器3内へアルミニウム粒子(金属粒子Mp)を供給する金属粒子供給手段7(金属粒子供給口)と、反応器3内へテトラクロロシランG1を供給するSiCl4用ノズル4(ハロゲン化シラン供給手段)と、を備える。なお、図1は、製造装置10を反応器3の長手方向で切断した概略断面図である。
反応器3は、鉛直方向に延びる円筒部3aと、円筒部3aの下部に位置するシリコン捕集部3bと、を備える。反応器3内には、後述する式(A)で表される還元反応が進行する反応場が形成される。円筒部3aの上部には、金属粒子供給手段7及びSiCl4用ノズル4が配置されている。また、金属粒子供給手段7は反応器3の中心軸(円筒部3aの中心軸)X上に位置している。また、図1の製造装置10は、2つのSiCl4用ノズル4を備えているが、SiCl4用ノズル4の数は1つでもよく、3つ以上であってもよい。また、製造装置10が複数のSiCl4用ノズル4を備える場合、複数のSiCl4用ノズル4は、中心軸Xを中心とする同心円筒上に配置されることが好ましく、さらには、中心軸Xを中心とする複数の同心円筒上に配置されてもよく、また複数のSiCl4用ノズル4が等間隔で配置されることが好ましい。これにより、本発明の効果を奏し易くなる。
金属粒子供給手段7(金属粒子供給口)とSiCl4用ノズル4とは、金属粒子MpとテトラクロロシランG1とを反応器3内へ並流に供給するように、同一方向(反応器3の長手方向)を向いているが、必ずしも平行である必要はなく、マクロ的に並流の効果が得られればよい。
製造装置10を用いた本実施形態に係るシリコンの製造方法は、金属粒子Mpと、テトラクロロシランG1とを、反応器3内で互いに接触させ、下記式(A)で表される還元反応を進行させることにより、シリコン粒子を得る還元工程を備える。還元工程では、金属粒子供給手段7から反応器3内へ供給する金属粒子Mpと、SiCl4用ノズル4から反応器3内へ供給するテトラクロロシランG1とを、マクロ的に同一方向(反応器3の長手方向)に供給する。すなわち、金属粒子MpとテトラクロロシランG1とを反応器3内へ並流に供給する。
金属粒子MpとテトラクロロシランG1とを互いに異なる供給手段から反応器3内へ並流に供給することによって、反応器3内での金属粒子Mpの対流、循環流、上昇流、及びそれに伴う金属粒子Mpの凝集を抑制できる。その結果、金属粒子Mpとテトラクロロシランとが接触し易くなり、金属粒子MpとテトラクロロシランG1との反応率を向上させることができる。そのため、得られるシリコン粒子の収率が向上し、シリコン粒子の製造越コストを削減できる。
上記式(A)の通り、当該反応におけるテトラクロロシランのモル数と溶融アルミニウムのモル数の化学量論比は、3:4であるが、生産性などの観点から、反応場に供給する単位時間あたりのテトラクロロシランのモル数M1と溶融アルミニウムの供給モル数M2の比(M1/M2)は、0.75〜20であることが好ましく、0.75〜10であることがより好ましく、0.75〜7.5であることが更に好ましい。M1/M2の値が0.75未満であると、反応の進行が不十分となる傾向があり、他方、20を越えると、反応に寄与しないテトラクロロシランの量が増大する傾向がある。
金属粒子供給手段7は、溶融金属収容部1から反応器3へ向かって延びる金属供給ノズル1aと、アトマイズガス噴射ノズル2と、を備える。
溶融金属収容部1には、溶融アルミニウムMmが収容されている。溶融金属収容部1の周囲には加熱器11が設けられ、収容する溶融アルミニウムMmの温度を調整できるようになっている。溶融金属収容部1及び加熱器11は密閉容器101内に収容され、密閉容器101内は、その雰囲気を不活性ガス等で置換した状態で密閉することができる。溶融金属収容部1に収容された溶融アルミニウムMmは、金属供給ノズル1aから反応器3に向かって安定的に流下するため、安定的且つ連続的にシリコン粒子を製造できる。また、例えば密閉容器101内の不活性ガスの圧力を増加させることによって、溶融金属収容部1を加圧してもよい。これにより溶融アルミニウムMmをより安定的に流下させることができる。
アトマイズガス噴射ノズル2からは、ライン(配管)L2を通じて供給されるアトマイズガスG2が噴射される。
金属粒子供給手段7では、金属供給ノズル1aから流下する溶融アルミニウムMmに、アトマイズガス噴射ノズル2から噴射させたアトマイズガスG2を吹き付けることによって、溶融アルミニウムMmを微細化してアルミニウム粒子(金属粒子Mp)を形成すると共に、金属粒子MPを金属粒子供給手段7から反応器3内へ供給(噴霧)する。また、アトマイズガスG2も金属粒子MPと共に反応器3内へ並流に供給される。なお、アトマイズガスは、アトマイズガス噴射ノズル2から噴射される以前の段階にあっては、温度条件及び圧力条件に応じて液体や超臨界流体であってもよい。また、本発明におけるアトマイズガスの温度とは、溶融金属に吹き付けられるアトマイズガスの温度ではなく、溶融金属にアトマイズガスを吹き付けるため、前記のとおりノズルから噴射される以前の段階における温度をいう。
溶融金属収容部1に収容された溶融アルミニウムMmの純度は、99.9質量%以上であることが好ましく、99.99質量%以上であることがより好ましく、99.995質量%以上であることが更に好ましい。純度の高い溶融アルミニウムMmを使用することで、純度の高いシリコン粒子を得ることができる。なお、溶融アルミニウムMmの純度とは、原料アルミニウムのグロー放電質量分析法によって測定された元素のうち、Fe、Cu、Ga、Ti、Ni、Na、Mg及びZnの含有量(質量%)の合計を100質量%から差し引いた値を意味する。
溶融金属収容部1内の温度は、溶融させる金属の融点に応じて適宜設定すればよいが、本実施形態のように溶融金属としてアルミニウム(融点:660℃)を使用する場合には、好ましくは700〜1300℃、より好ましくは700〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃とし、金属供給ノズル1aの温度も、好ましくは700〜1300℃、より好ましくは700〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃とする。
アトマイズガスG2としては、アルゴン及び/又はヘリウムのような不活性ガスを用いることが好ましい。アトマイズガスG2として使用する不活性ガスの純度は、高純度のシリコン粒子を得る観点から、99.9体積%以上であることが好ましく、99.99体積%以上であることがより好ましく、99.999体積%以上であることが更に好ましく、99.9995体積%以上であることが特に好ましい。
単位時間当たりに金属供給ノズル1aから流下する溶融アルミニウムMmに吹き付ける不活性ガス(アトマイズガスG2)の重量は、単位時間当たりに金属供給ノズル1aから流下させて微細化する溶融アルミニウムMmの重量以上(単位時間当たりにアトマイズガスG2が吹き付けられる溶融アルミニウムMmの重量以上)とすることが好ましい。
これにより、金属粒子Mpを微細化し易くなると共に、金属粒子Mpを反応器3内へ分散させ易くなる。そのため、反応器3内における金属粒子MpとテトラクロロシランG1との接触効率がより向上して、金属粒子MpとテトラクロロシランG1との反応率をより向上させることができる。
アトマイズガスG2として用いる不活性ガスの温度を、絶対温度でT1(K)とし、溶融アルミニウムMmの融点を、絶対温度でT2(K)とするとき、0.6≦(T1/T2)<1.2とすることが好ましい。ここで、アルミニウムの融点T2は933(K)であるため、0.6≦(T1/933)<1.2とすることが好ましい。換言すれば、不活性ガスの温度T1(K)を、560≦T1<1120とすることが好ましい。
これにより、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率をより向上させることができる。T1/T2が0.6未満では、金属粒子を作製するためのアトマイズガス量が多くなり、金属粒子とハロゲン化シランとの反応率が低下する傾向があり、T1/T2が1.2以上では、耐熱性の高い各種装置を使用する必要があり、コストが増大する傾向があるが、T1/T2を上記の範囲内とすることによってこれらの傾向を抑制できる。
反応に使用するテトラクロロシランは、高純度のシリコン粒子を得る観点から、その純度が99.99質量%以上であることが好ましく、99.999質量%以上であることがより好ましく、99.9999質量%以上であることが更に好ましい。
SiCl4用ノズル4(ハロゲン化シラン供給手段)と反応器3の中心軸Xとの距離rは、円筒部3aの内径2Rに対して、0.3R〜0.8Rであることが好ましく、0.5R〜0.8Rであることがより好ましい。
距離rを0.3R〜0.8Rとすることによって、反応器3内での金属粒子Mpの対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子Mpの凝集をより確実に抑制でき、金属粒子MpとテトラクロロシランG1との反応率をより向上させることができる。
反応器3の周囲には加熱器13が設けられ、反応場(反応器3の内側)の温度を調整できるようになっている。反応場の加熱方式としては、特に制限はなく、例えば、高周波加熱、抵抗加熱、ランプ加熱などを用いた直接的な方法の他に、予め温度調節されたガス等の流体を用いる方式も採用することができる。反応場の温度は、通常、好ましくは300〜1200℃、より好ましくは500〜1000℃となるように調整する。また、反応場の圧力は、通常、1気圧以上となるように調整する。
反応を開始する前の反応場の酸素濃度は、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応を開始する前の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。なお、予め溶融アルミニウムMmを所定時間噴霧し、その溶融アルミニウムMmに反応場の酸素を吸着させて反応場の酸素濃度を下げることも可能である。
反応を開始する前の反応場の露点は、−20℃以下であることが好ましく、−40℃以下であることがより好ましく、−70℃以下であることが更に好ましい。
また、反応場の酸素濃度は、反応中においても、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応中の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。
円筒部3aの下部に位置するシリコン捕集部3bは、下方に行くに従って内径が小さくなっており、その下端にはシリコン粒子を排出するためのシリコン粒子排出口3cが設けられている。このシリコン捕集部3bの鉛直方向の略中間の位置には、反応によって生じた塩化アルミニウム(気体)及び未反応のテトラクロロシラン(気体)及び微粒のシリコン粒子を排出するためのガス排出口3dが設けられている。
シリコン捕集部3bは、第1段目の固気分離器として機能する。すなわち、シリコン捕集部3bの周囲には加熱器(図示せず)が設けられ、シリコン捕集部3bの内部の温度を調整できるようになっており、シリコン捕集部3bの内部の温度を塩化アルミニウム(昇華点:180℃)が析出しない温度に保持することで、シリコン粒子とガスとを分離する。具体的にはシリコン捕集部3bの内部の温度を200℃以上となるように調整することが好ましい。シリコン捕集部3bの内部の温度を200℃よりも低くした場合、シリコン捕集部3b内において塩化アルミニウムが析出し、シリコン粒子中に混入しやすくなる傾向がある。
製造装置10は、固気分離器5、8を更に備え、ガス排出口3dから排出されるガスが固気分離器5に供給される。固気分離器5は、第2段目の固気分離器として機能する。固気分離器5は、ガス排出口3dから排出されるガス中に存在するシリコン粒子を分離するためのものである。この固気分離器5の内部の温度も200℃以上となるように調整することが好ましい。固気分離器5の好適な例として、保温サイクロン式固気分離器などを例示できる。
固気分離器5から排出されるガスは固気分離器8に供給される。固気分離器8は、第3段目の固気分離器として機能する。固気分離器8は、固気分離器5からのガスに含まれる塩化アルミニウムを除去するためのものである。固気分離器8内の温度を、塩化アルミニウムは析出するがテトラクロロシラン(沸点:57℃)は凝縮しない温度に保持することで、析出したAlCl3(固体)を除去する。具体的には、固気分離器8の内部の温度を60〜170℃(より好ましくは70〜100℃)に維持することが好ましい。固気分離器8の内部の温度を60℃よりも低くした場合、固気分離器8内においてSiCl4が凝縮し、リサイクルされるテトラクロロシランガスの量が不十分となる傾向がある。他方、固気分離器8の内部の温度を170℃よりも高くした場合、塩化アルミニウムの析出が不十分となり、リサイクルされるテトラクロロシランガス中の塩化アルミニウムの含有量が高くなる傾向がある。
固気分離器8は、その内部にバッフル板(図示せず)を備えるものであることが好ましい。バッフル板を内部に設けることで、固気分離器8の内表面積が増大して塩化アルミニウムが効率的に析出し、ガス中の塩化アルミニウム含有量を十分に低減できる。固気分離器8の内表面積は、固気分離器8の装置表面積の5倍以上であることが好ましい。
固気分離器8において塩化アルミニウムの除去処理がなされたガスは、ラインL3を通じて固気分離器8から排出される。当該ガス中に未反応のテトラクロロシランガスと不活性ガスとが共存する場合には、不活性ガスを分離し、必要に応じて精製を行うことで、テトラクロロシランガスを回収できる。このテトラクロロシランガスを反応性ガスとしてリサイクルしてもよい。また、分離された不活性ガスもリサイクルしてもよい。
このように、本実施形態に係る反応装置10は、第1段目の固気分離器として縮径部3bを備え、第2段目の固気分離器として固気分離器5を備え、更に、第3段目の固気分離器として固気分離器8を備える。かかる構成を採用することにより、未反応のテトラクロロシランガスを効率的に回収し、再利用することができる。例えば、反応器3内へ供給するテトラクロロシランあるいは、アトマイズガスの一部として再利用することができる。なお、固気分離器の段数は特に制限はなく、例えば、固気分離器5を採用することなく、縮径部3bと固気分離器8とを連結してもよく、あるいは、固気分離器を4段以上設けてもよい。また、ガス排出口3dではなくシリコン粒子排出口3cに固気分離器5を接続しても良い。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、金属粒子とハロゲン化シランとが、同じ位置から反応器3内へ並流に供給された場合であっても、本発明の効果を奏することができる。具体的には、図1の製造装置10において、金属粒子供給手段7と同じ位置にSiCl4用ノズル4を配置させてもよい。または、アトマイズガスG2中にハロゲン化シランを含有させ、アトマイズガス噴射ノズル2からハロゲン化シランを供給してもよい。すなわち、アトマイズガス噴射ノズル2をハロゲン化シラン供給手段として機能させてもよい。
また、図1において、ハロゲン化供給手段(SiCl4用ノズル4)の位置とは異なる位置(図1には図示しないが、例えば図4に示す二次ガス供給手段40の位置)に、二次ガス供給手段を配置させ、二次ガス供給手段から二次ガスを反応器内へ供給してもよい。すなわち、金属粒子Mp及びテトラクロロシランを反応器3内へ供給する位置とは別の位置から二次ガスを反応器3内へ更に供給してもよい。この場合、二次ガス供給手段から供給される二次ガスの流れによって、反応器内での金属粒子Mpの対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子Mpの凝集を抑制し易くなり、本発明の効果を得易くなる。更に、反応器3内の温度を制御し易くなる傾向がある。なお、二次ガスはテトラクロロシランを含有していてもよく、含有していなくてもよいが、二次ガスがテトラクロロシランを含まない場合は、アトマイズガス中にテトラクロロシランを含有させ、アトマイズガス噴射ノズル2からテトラクロロシランを供給すれだけでもよい。すなわち、アトマイズガス噴射ノズル2をハロゲン化シラン供給手段として機能させればよい。
また、図4に示すように、シリコンの製造装置10aが、その反応器3の円筒部3aの外周に沿って配置され、且つ円筒部3aの長手方向に並んだ複数の二次ガス供給手段40を備えていてもよい。また、図4に示すように、円筒部3aの外周に沿って等間隔に配置された二次ガス供給手段40が対向していてもよい。
図4に示すシリコンの製造装置10aでは、例えば、アトマイズガス中にテトラクロロシランを含有させ、アトマイズガス噴射ノズル2からテトラクロロシランを供給してもよい。すなわち、アトマイズガス噴射ノズル2をハロゲン化シラン供給手段として用いてもよい。または、二次ガス供給手段40から、テトラクロロシランを含有する二次ガスを反応器3中へ並流に供給してもよい。または、複数の二次ガス供給手段40のうちの一部をハロゲン化シラン供給手段に置き換えて、このハロゲン化供給手段から反応器3内へテトラクロロシランを並流に供給し、残りの二次ガス供給手段40から反応器3内へ二次ガスを供給しても良い。以上のように、図4に示す製造装置10aでは、ガスG1、G2の少なくともいずれかがテトラクロロシランを含有していればよい。
図4に示すシリコンの製造装置10aにおいても、二次ガス供給手段40から反応器3内へ供給する二次ガスの流れによって、反応器3内での金属粒子Mpの対流、循環流、及びそれに伴う金属粒子Mpの凝集をより抑制し易くなる。更に、反応器3内の温度を制御し易くなる傾向がある。
また、上記実施形態では、ハロゲン化シランとしてテトラクロロシランを使用する場合を例示したが、これに限定されず、下記一般式(1)で示されるハロゲン化シランのうち、テトラクロロシラン以外のものを単独で使用してもよく、あるいは、下記式(1)で示されるハロゲン化シランの2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
SiHnX4−n (1)
[式中、nは0〜3の整数;Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択された原子をそれぞれ示す。nが0〜2のとき、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
SiHnX4−n (1)
[式中、nは0〜3の整数;Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択された原子をそれぞれ示す。nが0〜2のとき、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
また、上記実施形態では、溶融金属Mmとしてアルミニウムを使用する場合を例示したが、溶融金属Mmはこれに限定されず、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛からなる群より選択された1種を単独で使用してもよく、あるいは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及びアルミニウムからなる群より選択された2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、溶融金属Mmとしてアルミニウムとシリコンとの合金を用いてもよい。
また、上記実施形態では、図1に示すように、溶融アルミニウムの出口である金属供給ノズル1aと、アトマイズガスの出口であるアトマイズガス噴射ノズル2と、が近接して設けられたアトマイズ機構を有する装置を用いた、いわゆるコンファインド法(Close−Coupled法)を例示したが、これ以外のガスアトマイズ法を採用してもよい。例えば、アトマイズ工程において、金属供給ノズル1aから流下した溶融アルミニウムの細流に、別のノズルから噴射されるアトマイズガスGが吹き付けられる、いわゆるフリーフォール法を採用してもよい。また、溶融アルミニウムの細流を金属供給ノズル1aから流下させる代わりに、いわゆるUpdraughtアトマイザ装置を使用し、溶融アルミニウムを上方に吐出させてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図1の製造装置10を用いて、アルミニウム粒子(金属粒子Mp)と、テトラクロロシランG1とを、反応器3内で互いに接触させ、上記式(A)で表される還元反応を進行させることにより、シリコン粒子を得る還元工程を、コンピュータによるシミュレーションによって再現した。
実施例1では、図1の製造装置10を用いて、アルミニウム粒子(金属粒子Mp)と、テトラクロロシランG1とを、反応器3内で互いに接触させ、上記式(A)で表される還元反応を進行させることにより、シリコン粒子を得る還元工程を、コンピュータによるシミュレーションによって再現した。
実施例1のシミュレーションでは、図1に示す反応器3を、図2に示す反応器3のモデルで再現した。図2に示す反応器3のモデルは、図1の反応器3をその長手方向に平行な断面で2等分したものを示したものである。図2に示す反応器3は、図1の反応器3と同様に、円筒部3a及びシリコン捕集部3bを備える。円筒部3aの上部には、金属粒子供給手段7及びSiCl4用ノズル4(ハロゲン化シラン供給手段)が配置され、金属粒子供給手段7(金属粒子供給口)とSiCl4用ノズル4とは同一方向(反応器3の長手方向)を向いている。また、金属粒子供給手段7は、円筒部3aの中心軸X上に配置されている。シリコン捕集部3bの鉛直方向の略中間の位置には、反応器3内の固気混合流体を排出するためのガス排出口20が形成されている。また、図2に示す円筒部3aの上部は、0.6mφ×0.3mφの楕円の四半円状となっている。
図2の反応器3を用いた実施例1のシミュレーションでは、溶融したアルミニウムからなる金属粒子Mp及びアルゴンアトマイズガスG2(以下、場合により「Al/Ar」と記す。)を、金属粒子供給手段7から反応器3内へ供給すると同時に、テトラクロロシランG1(SiCl4)をSiCl4用ノズル4から反応器3内へ供給した。また、反応器3内へ供給するAl/ArとSiCl4とを、反応器3の長手方向へ並流に供給した。
また、実施例1のシミュレーションは、上記以外に以下の計算条件下で行った。
シミュレーションソフト:Fluent Ver.6.2.16、二次元軸対称モデル。
乱流モデル:Reynolds Stress Model、圧縮性流体。
二流体モデル:DPM 2−way coupling(金属粒子Mpと気相(Ar及びSiCl4)の連成)、金属粒子MpにRandom Walkを組み込む。
重力場:9.8m/s2。
ガス排出口20の気圧:大気圧。
アトマイズガス(Ar)の反応器3内への供給量:0.36kg/分。
金属粒子Mpの密度:2319kg/m3。
金属粒子Mpの粒子径:20μm(均一)。
金属粒子Mpの反応器3内への供給量:0.05kg/分。
金属粒子Mpの比熱:1177J/kg℃。
金属粒子Mpの熱伝導度:96W/mK。
金属粒子Mpの初期温度:875℃。
金属供給ノズル1aの壁面温度:875℃。
反応器3の壁面温度:500℃。
SiCl4用ノズル4の壁面温度:500℃。
SiCl4の温度:500℃。
SiCl4の濃度:100体積%。
SiCl4の反応器3内への供給量:15.3kg/分。
反応器3内へ供給されるSiCl4の体積をaとし、反応器3へ供給されるアトマイズガス(Ar単独)の体積をbとしたときの両者の比:a/b=10。
SiCl4用ノズル4と円筒部3aの中心軸Xとの距離r:円筒部3aの内径2R(0.6m)に対して、0.5R(0.15m)。
シミュレーションソフト:Fluent Ver.6.2.16、二次元軸対称モデル。
乱流モデル:Reynolds Stress Model、圧縮性流体。
二流体モデル:DPM 2−way coupling(金属粒子Mpと気相(Ar及びSiCl4)の連成)、金属粒子MpにRandom Walkを組み込む。
重力場:9.8m/s2。
ガス排出口20の気圧:大気圧。
アトマイズガス(Ar)の反応器3内への供給量:0.36kg/分。
金属粒子Mpの密度:2319kg/m3。
金属粒子Mpの粒子径:20μm(均一)。
金属粒子Mpの反応器3内への供給量:0.05kg/分。
金属粒子Mpの比熱:1177J/kg℃。
金属粒子Mpの熱伝導度:96W/mK。
金属粒子Mpの初期温度:875℃。
金属供給ノズル1aの壁面温度:875℃。
反応器3の壁面温度:500℃。
SiCl4用ノズル4の壁面温度:500℃。
SiCl4の温度:500℃。
SiCl4の濃度:100体積%。
SiCl4の反応器3内への供給量:15.3kg/分。
反応器3内へ供給されるSiCl4の体積をaとし、反応器3へ供給されるアトマイズガス(Ar単独)の体積をbとしたときの両者の比:a/b=10。
SiCl4用ノズル4と円筒部3aの中心軸Xとの距離r:円筒部3aの内径2R(0.6m)に対して、0.5R(0.15m)。
上述の計算条件下で実施例1のシミュレーションを行い、Al/Ar及びSiCl4を反応器3内へ供給し始めた時点から4秒間の金属粒子Mpの軌跡(以下、「Al軌跡」と記す。)を求めた。結果を図3(a)に示す。なお、図3(a)、及び後述する図3(b)、(c)では、反応器3内に示す曲線がAl軌跡を示すものである。
(実施例2)
距離rを0.75R(0.225m)としたこと以外は実施例1の同様の条件下で、実施例2のシミュレーションを行い、Al軌跡を求めた。結果を図3(b)に示す。
距離rを0.75R(0.225m)としたこと以外は実施例1の同様の条件下で、実施例2のシミュレーションを行い、Al軌跡を求めた。結果を図3(b)に示す。
(実施例3)
距離rを0.9R(0.27m)としたこと以外は実施例1の同様の条件下で、実施例3のシミュレーションを行い、Al軌跡を求めた。結果を図3(c)に示す。
距離rを0.9R(0.27m)としたこと以外は実施例1の同様の条件下で、実施例3のシミュレーションを行い、Al軌跡を求めた。結果を図3(c)に示す。
図3(a)〜3(c)の比較により、距離rが0.5Rである実施例1、及び距離rが0.75Rである実施例2では、距離rが0.9Rである実施例3に比べて、金属粒子Mpの対流及び循環流がより確実に抑制されていることが確認された。具体的には、実施例1、2では、実施例3に比べて、反応器3の壁面沿いの金属粒子Mpの対流及び循環流を抑制する効果が大きく、また壁面沿いの対流及び循環流に伴って発生する反応器3の中心部での金属粒子Mpの上昇を防止し、金属粒子Mpの互いの衝突による凝集を抑制する効果も大きかった。その結果、実施例1、2では、実施例3に比べて、金属粒子MpとSiCl4(ハロゲン化シラン)が、アトマイズガスG2の流れに引き寄せられ、より容易に接触した。また、距離rが0.5Rである実施例1では、距離rが0.75Rである実施例2に比べて、金属粒子Mpの軌跡がより安定する傾向が確認された。
1・・・溶融金属収容部、1a・・・金属供給ノズル、2・・・アトマイズガス噴射ノズル、2R・・・反応器の内径、3・・・反応器、3a・・・円筒部、3b・・・シリコン捕集部、3c・・・粒子排出口、3d、20・・・ガス排出口、4・・・SiCl4用ノズル(ハロゲン化シラン供給手段)、5、8・・・固気分離器、7・・・金属粒子供給手段、10、10a・・・製造装置、11、13・・・加熱器、40・・・二次ガス供給手段、G1・・・テトラクロロシラン(ハロゲン化シラン)、G2・・・アトマイズガス、L1、L2、L3・・・ライン、Mm・・・溶融アルミニウム(溶融金属)、Mp・・・金属粒子、r・・・SiCl4用ノズルと反応器の中心軸との距離、T1・・・アトマイズガスの温度(K)、T2・・・溶融金属の融点(K)、X・・・反応器の中心軸。
Claims (9)
- 金属粒子と、ハロゲン化シランとを、反応器内で互いに接触させて前記ハロゲン化シランを還元し、シリコンを得るシリコンの製造方法において、
溶融金属にアトマイズガスを吹き付けることにより前記金属粒子を前記反応器内へ供給し、
前記金属粒子と、前記ハロゲン化シランとを、前記反応器内へ並流に供給する、シリコンの製造方法。 - 前記アトマイズガスの温度を、絶対温度でT1とし、前記溶融金属の融点を、絶対温度でT2とするとき、0.6≦(T1/T2)<1.2とする、請求項1に記載のシリコンの製造方法。
- 前記反応器を内径2Rの円筒状とし、
前記金属粒子を前記円筒の中心軸に沿って前記反応器内へ供給し、
前記ハロゲン化シランを、前記中心軸から前記円筒の半径方向に0.3R〜0.8R離れた位置から前記反応器内へ供給する、請求項1又は2に記載のシリコンの製造方法。 - 前記金属粒子及び前記ハロゲン化シランとは異なる場所から二次ガスを前記反応器内へ更に供給する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコンの製造方法。
- 前記溶融金属がアルミニウムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコンの製造方法。
- 前記ハロゲン化シランがテトラクロロシランである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリコンの製造方法。
- 反応器と、
溶融金属にアトマイズガスを吹き付けて、金属粒子を前記反応器内へ供給する金属粒子供給手段と、
ハロゲン化シランを前記反応器内へ供給するハロゲン化シラン供給手段と、を備え、
前記金属粒子と前記ハロゲン化シランとが前記反応器内へ並流に供給されるように、前記金属粒子供給手段と前記ハロゲン化シラン供給手段とが配置されている、シリコンの製造装置。 - 前記反応器が内径2Rの円筒状であり、
前記金属粒子供給手段が、前記円筒の中心軸近傍に配置され、
前記円筒の半径方向における前記ハロゲン化シラン供給手段と前記中心軸との距離が、0.3R〜0.8Rである、請求項7に記載のシリコンの製造装置。 - 二次ガスを前記反応器内へ供給する二次ガス供給手段を更に備える、請求項7又は8に記載のシリコンの製造装置。
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