JP2010018455A - シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応器内へ供給する以前のテトラクロロシランの気化工程を不要とし、テトラクロロシランによる供給管の腐食を抑制できるシリコンの製造方法を提供すること。
【解決手段】金属粒子Mと、テトラクロロシランとを、反応器3内で互いに接触させてテトラクロロシランを還元し、シリコンを得るシリコンの製造方法において、溶融金属MにアトマイズガスG2を吹き付けることにより金属粒子Mを反応器3内へ供給し、液状のテトラクロロシランLiq1を反応器3内へ供給する、シリコンの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンの製造方法に関する。
半導体グレードシリコンの製造方法として、トリクロロシランと水素とを高温で反応させるジーメンス法が主に採用されている。しかしながら、この方法においては、極めて高純度のシリコンが得られるが、高コストであり、さらなるコストダウンは困難であると言われている。
環境問題がクローズアップされる中、太陽電池はクリーンなエネルギー源として注目を集め、住宅用を中心に需要が急増している。シリコン系太陽電池は信頼性や変換効率に優れるため、太陽光発電の8割程度を占めている。太陽電池用シリコンは、半導体グレードシリコンの規格外品を主な原料としている。そこで、発電コストをさらに低減させるためには、低価格のシリコン原料を確保することが望まれている。
ジーメンス法に替わるシリコンの製造方法としては、例えば下記特許文献1及び2に、還元剤(例えば溶融金属)でハロゲン化シランを還元して、シリコンを製造する方法が開示されている。
特開平2−64006号公報 特開2007−284259号公報
上記特許文献1及び2に示すような従来のシリコンの製造方法では、気体状のシリコンの塩素化合物を反応器内へ供給し、気体状のシリコンの塩素化合物と還元剤とを反応させる。ここで、シリコンの塩素化合物の一種であるテトラクロロシランは室温で液体であるため、気体状のテトラクロロシランを安定的に反応器内へ供給するには、反応器内へ供給する以前のテトラクロロシランを加熱気化させる気化工程が必要である。そして、気体状のテトラクロロシランを安定的に反応器内へ供給するには、加熱気化させたテトラクロロシランを反応器内へ移送する際にテトラクロロシランが液化することを防止するために、テトラクロロシランを反応器内へ供給する配管(以下、「供給管」と記す。)を加熱しなければならない。しかしながら、テトラクロロシランには金属に対する腐食性があり、またテトラクロロシラン及び金属の温度が高い程金属が腐食され易くなるため、加熱した供給管が気化させたテトラクロロシランによって腐食され易いことが問題となる。
上記課題を解決するために本発明は、反応器内へ供給する以前のテトラクロロシランの気化工程を不要とし、テトラクロロシランによる供給管の腐食を抑制できるシリコンの製造方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明のシリコンの製造方法は、金属粒子と、テトラクロロシランとを、反応器内で互いに接触させてテトラクロロシランを還元し、シリコンを得るシリコンの製造方法において、溶融金属にアトマイズガスを吹き付けることにより金属粒子を反応器内へ供給し、液状のテトラクロロシランを反応器内へ供給する。なお、「アトマイズガス」とは、溶融金属に吹き付け、溶融金属からなる微小液滴を形成し、金属粒子を反応器内へ供給するためのガスを意味する。
上記本発明では、テトラクロロシランを液体状態で反応器内へ供給するため、反応器内へ供給する以前のテトラクロロシランの気化工程が不要となる。また、上記本発明では、テトラクロロシランを供給管内で気体状態に維持する必要がないため、供給管の加熱が不要となり、供給管内のテトラクロロシランの温度が気体状のテトラクロロシランに比べて低下する。したがって、上記本発明では、反応器内へ供給する以前のテトラクロロシランを気化させる従来の方法に比べて、テトラクロロシランによる供給管の腐食を抑制できる。また、上記本発明では、反応器内へ供給する以前のテトラクロロシランの気化工程及び供給管の加熱が不要となるため、従来に比べて、シリコンの製造コストを削減できる。
上記本発明では、液状のテトラクロロシランを反応器内へ噴霧することにより反応器内へ供給することがより好ましい。
これにより、反応器内へ供給された液状のテトラクロロシランが反応器内で迅速に気化され、テトラクロロシランと金属粒子との接触効率が向上して、テトラクロロシランと金属粒子との反応率を向上させることができる。
上記本発明では、溶融金属がアルミニウムであることが好ましい。これにより、高純度のシリコンを得易くなる。
上記本発明では、アトマイズガスが不活性ガスであり、溶融金属に吹き付ける不活性ガスの単位時間当たりに供給される重量を、不活性ガスが吹き付けられる溶融金属の単位時間当たりに供給される重量以上とすることが好ましい。
これにより、金属粒子を微細化し易くなると共に、金属粒子を反応器内へ分散させ易くなる。そのため、金属粒子とテトラクロロシランとの接触効率がより向上して、金属粒子とテトラクロロシランとの反応率を向上させることができる。
上記本発明では、アトマイズガスの温度を、絶対温度でT1(K)とし、溶融金属の融点を、絶対温度でT2(K)とするとき、0.6≦(T1/T2)<1.2とすることが好ましい。
これにより、金属粒子とテトラクロロシランとの反応率をより向上させることができる。T1/T2が0.6未満では金属粒子を作製するためのアトマイズガス量が多くなり、金属粒子とテトラクロロシランとの反応率が低下する傾向があり、T1/T2が1.2以上では耐熱性の高い各種装置を使用する必要があり、コストが増大する傾向があるが、T1/T2を上記の範囲内とすることによってこれらの傾向を抑制できる。
本発明によれば、反応器内へ供給する以前のテトラクロロシランの気化工程を不要とし、テトラクロロシランによる供給管の腐食を抑制できるシリコンの製造方法を提供することができる。
以下、図1を参照しながら本発明の好適な実施形態に係るシリコンの製造装置10、及び製造装置10を用いたシリコンの製造方法について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示された比率に限られるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るシリコンの製造装置10は、鉛直方向に延びる略円筒状の反応器3と、反応器3内へアルミニウム粒子(金属粒子M)を供給する金属粒子供給手段7(金属粒子供給口)と、反応器3内へ液状のテトラクロロシランLiq1を供給するSiCl用ノズル4(テトラクロロシラン供給手段)と、を備える。液状のテトラクロロシランLiq1は、その供給源(図示せず)から供給管L1を通じてSiCl用ノズル4へ供給される。なお、図1は、製造装置10を反応器3の長手方向で切断した概略断面図である。
反応器3は、鉛直方向に延びる円筒部3aと、円筒部3aの下部に位置するシリコン捕集部3bと、を備える。反応器3内には、後述する式(A)で表される還元反応が進行する反応場が形成される。円筒部3aの上部には、金属粒子供給手段7及びSiCl用ノズル4が配置されている。また、金属粒子供給手段7は反応器3の中心軸(円筒部3aの中心軸)X上に位置している。また、図1の製造装置10は、2つのSiCl用ノズル4を備えているが、SiCl用ノズル4の数は1つでもよく、3つ以上であってもよい。また、製造装置10が複数のSiCl用ノズル4を備える場合、複数のSiCl用ノズル4は、反応器の中心軸Xを中心とする同心円筒上に配置されることが好ましく、さらには、中心軸Xを中心とする複数の同心円筒上に配置されてもよく、また複数のSiCl用ノズル4が等間隔で配置されることが好ましい。
製造装置10を用いた本実施形態に係るシリコンの製造方法は、金属粒子Mと、テトラクロロシランとを、反応器内で互いに接触させ、下記式(A)で表される還元反応を進行させることにより、シリコン粒子を得る還元工程を備える。還元工程では、液状のテトラクロロシランLiq1をSiCl用ノズル4から反応器3内へ供給する。
3SiCl+4Al → 3Si+4AlCl (A)
本実施形態では、上述のように、テトラクロロシランを液体状態で反応器3内へ供給するため、反応器3内へ供給する以前のテトラクロロシランの気化工程が不要となる。また、上本実施形態では、テトラクロロシランを供給管L1内で気体状態に維持する必要がないため、供給管L1の加熱が不要となり、供給管L1内のテトラクロロシランの温度は、気体状のテトラクロロシランの温度に比べて低下する。したがって、本実施形態では、反応器3内へ供給する以前のテトラクロロシランを気化させる従来の方法に比べて、テトラクロロシランによる供給管L1の腐食を抑制することができる。
本実施形態では、SiCl用ノズル4を用いて液状のテトラクロロシランLiq1を反応器3内へ噴霧することにより、反応器内3へ供給する。これにより、反応器3内へ供給された液状のテトラクロロシランLiq1が反応器3内で迅速に気化され、テトラクロロシランと溶融金属との接触効率が向上して、テトラクロロシランと金属粒子との反応率を向上させることができる。
液状のテトラクロロシランLiq1を反応器3内へ噴霧する手段(SiCl用ノズル4)としては、公知の手段を用いることができ、具体的には、一流体ノズルや二流体ノズルを用いることができる。二流体ノズルでは不活性ガスを用いて液状のテトラクロロシランLiq1を噴霧させることができる。また、一流体ノズルでは、不活性ガスを用いず、液状のテトラクロロシランLiq1の圧力のみによって、液状のテトラクロロシランLiq1を噴霧することができ、不活性ガスによるテトラクロロシランの希釈がない。このような理由から、SiCl用ノズル4は一流体ノズルであることが好ましい。
上記式(A)の通り、当該反応におけるテトラクロロシランのモル数と溶融アルミニウムのモル数の化学量論比は、3:4であるが、生産性などの観点から、反応場に供給する単位時間あたりのテトラクロロシランのモル数Mと溶融アルミニウムの供給モル数Mの比(M/M)は、0.75〜20であることが好ましく、0.75〜10であることがより好ましく、0.75〜7.5であることが更に好ましい。M/Mの値が0.75未満であると、反応の進行が不十分となる傾向があり、他方、20を越えると、反応に寄与しないテトラクロロシランの量が増大する傾向がある。
金属粒子供給手段7は、溶融金属収容部1から反応器3へ向かって延びる金属供給ノズル1aと、アトマイズガス噴射ノズル2と、を備える。
溶融金属収容部1には、溶融アルミニウムMが収容されている。溶融金属収容部1の周囲には加熱器11が設けられ、収容する溶融アルミニウムMの温度を調整できるようになっている。溶融金属収容部1及び加熱器11は密閉容器101内に収容され、密閉容器101内は、その雰囲気を不活性ガス等で置換した状態で密閉することができる。溶融金属収容部1に収容された溶融アルミニウムMは、金属供給ノズル1aから反応器3に向かって安定的に流下するため、安定的且つ連続的にシリコン粒子を製造できる。また、例えば密閉容器101内の不活性ガスの圧力を増加させることによって、溶融金属収容部1を加圧してもよい。これにより溶融アルミニウムMをより安定的に流下させることができる。
アトマイズガス噴射ノズル2からは、ライン(配管)L2を通じて供給されるアトマイズガスG2が噴射される。
金属粒子供給手段7では、金属供給ノズル1aから流下する溶融アルミニウムMに、アトマイズガス噴射ノズル2から噴射させたアトマイズガスG2を吹き付けることによって、溶融アルミニウムMを微細化してアルミニウム粒子(金属粒子M)を形成すると共に、金属粒子Mを金属粒子供給手段7から反応器3内へ供給(噴霧)する。なお、アトマイズガスは、アトマイズガス噴射ノズル2から噴射される以前の段階にあっては、温度条件及び圧力条件に応じて液体や超臨界流体であってもよい。また、本発明におけるアトマイズガスの温度とは、溶融金属に吹き付けられるアトマイズガスの温度ではなく、溶融金属にアトマイズガスを吹き付けるため、前記のとおりノズルから噴射される以前の段階における温度をいう。
溶融金属収容部1に収容された溶融アルミニウムMの純度は、99.9質量%以上であることが好ましく、99.99質量%以上であることがより好ましく、99.995質量%以上であることが更に好ましい。純度の高い溶融アルミニウムMを使用することで、純度の高いシリコン粒子を得ることができる。なお、溶融アルミニウムMの純度とは、原料アルミニウムのグロー放電質量分析法によって測定された元素のうち、Fe、Cu、Ga、Ti、Ni、Na、Mg及びZnの含有量(質量%)の合計を100質量%から差し引いた値を意味する。
溶融金属収容部1内の温度は、溶融させる金属の融点に応じて適宜設定すればよいが、本実施形態のように溶融金属としてアルミニウム(融点:660℃)を使用する場合には、好ましくは700〜1300℃、より好ましくは700〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃とし、金属供給ノズル1aの温度も、好ましくは700〜1300℃、より好ましくは700〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃とする。
アトマイズガスG2としては、アルゴン及び/又はヘリウムのような不活性ガスを用いることが好ましい。アトマイズガスG2として使用する不活性ガスの純度は、高純度のシリコン粒子を得る観点から、99.9体積%以上であることが好ましく、99.99体積%以上であることがより好ましく、99.999体積%以上であることが更に好ましく、99.9995体積%以上であることが特に好ましい。
単位時間当たりに金属供給ノズル1aから流下する溶融アルミニウムMに吹き付ける不活性ガス(アトマイズガスG2)の重量は、単位時間当たりに金属供給ノズル1aから流下させて微細化する溶融アルミニウムMの重量以上(単位時間当たりにアトマイズガスG2が吹き付けられる溶融アルミニウムMの重量以上)とすることが好ましい。
これにより、金属粒子Mを微細化し易くなると共に、金属粒子Mを反応器3内へ分散させ易くなる。そのため、反応器3内における金属粒子Mとテトラクロロシランとの接触効率がより向上して、金属粒子Mとテトラクロロシランとの反応率を向上させることができる。
アトマイズガスG2として用いる不活性ガスの温度を、絶対温度でT(K)とし、溶融アルミニウムMの融点を、絶対温度でT(K)とするとき、0.6≦(T/T)<1.2とすることが好ましい。ここで、アルミニウムの融点T2は933(K)であるため、0.6≦(T/933)<1.2とすることが好ましい。換言すれば、不活性ガスの温度T(K)を、560≦T<1120とすることが好ましい。
これにより、金属粒子とテトラクロロシランとの反応率を向上させることができる。T/Tが0.6未満では、金属粒子を作製するためのアトマイズガス量が多くなり、金属粒子とテトラクロロシランとの反応率が低下する傾向があり、T/Tが1.2以上では、耐熱性の高い各種装置を使用する必要があり、コストが増大する傾向があるが、T/Tを上記の範囲内とすることによってこれらの傾向を抑制できる。
反応に使用するテトラクロロシランは、高純度のシリコン粒子を得る観点から、その純度が99.99質量%以上であることが好ましく、99.999質量%以上であることがより好ましく、99.9999質量%以上であることが更に好ましい。
反応器3の周囲には加熱器13が設けられ、反応場(反応器3の内側)の温度を調整できるようになっている。反応場の加熱方式としては、特に制限はなく、例えば、高周波加熱、抵抗加熱、ランプ加熱などを用いた直接的な方法の他に、予め温度調節されたガス等の流体を用いる方式も採用することができる。反応場の温度は、通常、好ましくは300〜1200℃、より好ましくは500〜1000℃となるように調整する。また、反応場の圧力は、通常、1気圧以上となるように調整する。これにより、反応器内で液状のシリコンLiq1が気化し易くなり、上記(A)で表される還元反応が進行し易くなる。
反応を開始する前の反応場の酸素濃度は、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応を開始する前の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。なお、予め溶融アルミニウムMを所定時間噴霧し、その溶融アルミニウムMに反応場の酸素を吸着させて反応場の酸素濃度を下げることも可能である。
反応を開始する前の反応場の露点は、−20℃以下であることが好ましく、−40℃以下であることがより好ましく、−70℃以下であることが更に好ましい。
また、反応場の酸素濃度は、反応中においても、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応中の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。
円筒部3aの下部に位置するシリコン捕集部3bは、下方に行くに従って内径が小さくなっており、その下端にはシリコン粒子を排出するためのシリコン粒子排出口3cが設けられている。このシリコン捕集部3bの鉛直方向の略中間の位置には、反応によって生じた塩化アルミニウム(気体)及び未反応のテトラクロロシラン(気体)及び微粒のシリコン粒子を排出するためのガス排出口3dが設けられている。
シリコン捕集部3bは、第1段目の固気分離器として機能する。すなわち、シリコン捕集部3bの周囲には加熱器(図示せず)が設けられ、シリコン捕集部3bの内部の温度を調整できるようになっており、シリコン捕集部3bの内部の温度を塩化アルミニウム(昇華点:180℃)が析出しない温度に保持することで、シリコン粒子とガスとを分離する。具体的にはシリコン捕集部3bの内部の温度を200℃以上となるように調整することが好ましい。シリコン捕集部3bの内部の温度を200℃よりも低くした場合、シリコン捕集部3b内において塩化アルミニウムが析出し、シリコン粒子中に混入しやすくなる傾向がある。
製造装置10は、固気分離器5、8を更に備え、ガス排出口3dから排出されるガスが固気分離器5に供給される。固気分離器5は、第2段目の固気分離器として機能する。固気分離器5は、ガス排出口3dから排出されるガス中に存在するシリコン粒子を分離するためのものである。この固気分離器5の内部の温度も200℃以上となるように調整することが好ましい。固気分離器5の好適な例として、保温サイクロン式固気分離器などを例示できる。
固気分離器5から排出されるガスは固気分離器8に供給される。固気分離器8は、第3段目の固気分離器として機能する。固気分離器8は、固気分離器5からのガスに含まれる塩化アルミニウムを除去するためのものである。固気分離器8内の温度を、塩化アルミニウムは析出するがテトラクロロシラン(沸点:57℃)は凝縮しない温度に保持することで、析出したAlCl(固体)を除去する。具体的には、固気分離器8の内部の温度を60〜170℃(より好ましくは70〜100℃)に維持することが好ましい。固気分離器8の内部の温度を60℃よりも低くした場合、固気分離器8内においてSiClが凝縮し、リサイクルされるテトラクロロシランガスの量が不十分となる傾向がある。他方、固気分離器8の内部の温度を170℃よりも高くした場合、塩化アルミニウムの析出が不十分となり、リサイクルされるテトラクロロシランガス中の塩化アルミニウムの含有量が高くなる傾向がある。
固気分離器8は、その内部にバッフル板(図示せず)を備えるものであることが好ましい。バッフル板を内部に設けることで、固気分離器8の内表面積が増大して塩化アルミニウムが効率的に析出し、ガス中の塩化アルミニウム含有量を十分に低減できる。固気分離器8の内表面積は、固気分離器8の装置表面積の5倍以上であることが好ましい。
固気分離器8において塩化アルミニウムの除去処理がなされたガスは、ラインL3を通じて固気分離器8から排出される。当該ガス中に未反応のテトラクロロシランガスと不活性ガスとが共存する場合には、不活性ガスを分離し、必要に応じて精製を行うことで、テトラクロロシランガスを回収できる。このテトラクロロシランガスを液化してリサイクルしてもよい。また、分離された不活性ガスもリサイクルしてもよい。
このように、本実施形態に係る反応装置10は、第1段目の固気分離器として縮径部3bを備え、第2段目の固気分離器として固気分離器5を備え、更に、第3段目の固気分離器として固気分離器8を備える。かかる構成を採用することにより、未反応のテトラクロロシランガスを効率的に回収し、再利用することができる。例えば、反応器3内へ供給する液状のテトラクロロシランLiq1として再利用することができる。なお、固気分離器の段数は特に制限はなく、例えば、固気分離器5を採用することなく、縮径部3bと固気分離器8とを連結してもよく、あるいは、固気分離器を4段以上設けてもよい。また、ガス排出口3dではなくシリコン粒子排出口3cに固気分離器5を接続しても良い。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図2に示すように、シリコンの製造装置10aにおいて、複数のSiCl用ノズル4を、円筒部3aの側面に配置させてもよい。
また、上記実施形態では、溶融金属Mとしてアルミニウムを使用する場合を例示したが、溶融金属Mはこれに限定されず、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛からなる群より選択された1種を単独で使用してもよく、あるいは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及びアルミニウムからなる群より選択された2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、溶融金属Mとしてアルミニウムとシリコンとの合金を用いてもよい。
また、上記実施形態では、溶融金属Mを金属供給ノズル1aから下方に向けて吐出させる場合を例示したが、いわゆるUpdraughtアトマイザ装置を使用し、溶融金属Mを上方に吐出させてもよい。また、溶融金属Mが上方又は下方に向けて吐出される場合、溶融金属Mが移動する方向と同じ方向に、液状のテトラクロロシランLiq1を流してもよく(並流)、溶融金属Mが移動する方向に対向して液状のテトラクロロシランLiq1を流してもよい(向流)。
図1は、本発明の一実施形態に係るシリコンの製造方法及び製造装置を示す概略図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係るシリコンの製造方法及び製造装置を示す概略図である。
符号の説明
1・・・溶融金属収容部、1a・・・金属供給ノズル、2・・・アトマイズガス噴射ノズル、3・・・反応器、3a・・・円筒部、3b・・・シリコン捕集部、3c・・・粒子排出口、3d、20・・・ガス排出口、4・・・SiCl用ノズル(テトラクロロシラン供給手段)、5、8・・・固気分離器、7・・・金属粒子供給手段、10、10a・・・製造装置、11、13・・・加熱器、Liq1・・・液状のテトラクロロシラン、G2・・・アトマイズガス、L1・・・テトラクロロシランの供給管、L2、L3・・・ライン(配管)、M・・・溶融アルミニウム(溶融金属)、M・・・金属粒子、X・・・反応器の中心軸。

Claims (3)

  1. 金属粒子と、テトラクロロシランとを、反応器内で互いに接触させて前記テトラクロロシランを還元し、シリコンを得るシリコンの製造方法において、
    溶融金属にアトマイズガスを吹き付けることにより前記金属粒子を前記反応器内へ供給し、
    液状の前記テトラクロロシランを前記反応器内へ供給する、シリコンの製造方法。
  2. 前記液状のテトラクロロシランを前記反応器内へ噴霧することにより前記反応器内へ供給する、請求項1に記載のシリコンの製造方法。
  3. 前記溶融金属がアルミニウムである、請求項1又は2に記載のシリコンの製造方法。
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