JP2009209000A - シリコン粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスアトマイズ法によって形成された溶融金属の微小液滴とハロゲン化シランとの反応において、十分に高い反応率を示すシリコン粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示されるハロゲン化シランを含むアトマイズガスGを、ノズル1aから吐出された溶融金属に吹き付けることによって当該溶融金属の微小液滴Pを形成するアトマイズ工程を備え、このアトマイズ工程においてハロゲン化シランと微小液滴とを接触させることにより、ハロゲン化シランを還元してシリコン粒子を得る。SiH4−n(1)[式中、nは0〜3の整数;Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択された原子をそれぞれ示す。nが0〜2のとき、Xは互いに同一でも異なっていてもよい]
【選択図】図2

Description

本発明はシリコン粒子の製造方法に関する。特に、太陽電池製造に適したシリコン粒子の製造方法に関する。
環境問題がクローズアップされる中、太陽電池はクリーンなエネルギー源として注目を集め、住宅用を中心に需要が急増している。シリコン系太陽電池は信頼性や変換効率に優れるため、太陽光発電の8割程度を占めている。しかし、発電単価をさらに減少させるためには、低価格のシリコン原料を確保することが望まれている。
現在、高純度シリコンの製造方法として、主に、トリクロロシランを熱分解するジーメンス法が採用されている。しかしながら、この方法においては、電力原単位の削減に限界があるため、さらなるコストダウンは困難であると言われている。
熱分解に替わる方法として、亜鉛、アルミニウム等の金属の溶融体を用いてクロロシランを還元する方法が挙げられる。例えば、特許文献1には、テトラクロロシラン(SiCl)雰囲気中に溶融アルミニウムを噴霧することによって、テトラクロロシランガスを還元してシリコン粒子を得る方法が記載されている(特許文献1の実施例1を参照)。上記方法においては、下記式(A)で示される反応が進行する。
3SiCl+4Al → 3Si+4AlCl (A)
特開平2−64006号公報
ところで、溶融金属の微小液滴を形成する方法として、ノズルから流下する溶融金属にガスを吹き付けるガスアトマイズ法が知られている。このガスアトマイズ法においては、溶融金属に吹き付けるガス(以下、「アトマイズガス」という。)として不活性ガスを使用することが一般的である。
しかしながら、不活性ガスを用いたガスアトマイズ法をシリコン粒子の製造に採用した場合、以下の点において改善の余地があることを本発明者は見出した。それは、クロロシランガスが還元されてシリコン粒子が析出する反応場に、溶融金属の微粒化に使用した不活性ガスが大量に残存するという点である。反応場に不活性ガスが残存していると、クロロシランガスの分圧を十分に高くすることが困難となり、十分な反応性を得ることができなくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ガスアトマイズ法によって形成された溶融金属の微小液滴とハロゲン化シランとの反応において、十分に高い反応率を示すシリコン粒子の製造方法を提供する。
本発明に係るシリコン粒子の製造方法は、下記式(1)で示されるハロゲン化シランを含むアトマイズガスを、ノズルから吐出された溶融金属に吹き付けることによって当該溶融金属の微小液滴を形成するアトマイズ工程を備え、このアトマイズ工程においてハロゲン化シランと微小液滴とを接触させることにより、ハロゲン化シランを還元してシリコン粒子を得ることを特徴とする。
SiH4−n (1)
[式中、nは0〜3の整数;Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択された原子をそれぞれ示す。nが0〜2のとき、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
本発明に係るシリコン粒子の製造方法においては、ハロゲン化シランを含むアトマイズガスを溶融金属に吹き付ける。このことにより、不活性ガスのみからなるアトマイズガスを使用する場合と比較し、反応場に残存する不活性ガスの量を削減できる。また、本発明の製造方法によれば、アトマイズガスの噴射によって溶融金属の微小液滴が形成されると同時に、アトマイズガスに含まれるハロゲン化シランと溶融金属の微小液滴とが効率的に接触する。したがって、本発明によれば、溶融金属の微小液滴によるハロゲン化シランの還元反応において、十分に高い反応率を達成できる。
アトマイズガス中のテトラクロロシランガスの濃度は、10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることが更に好ましい。また、アトマイズガスが不活性ガスを含有することなく、ハロゲン化シランガスからなるものであってもよい。これにより、反応場においてハロゲン化シランの還元反応がより一層効率的に進行し、高い反応率を達成できる。テトラクロロシランガスの濃度が10体積%未満であると、上記式(A)の反応が十分に進行しない傾向がある。
また、アトマイズガスは、管路内を流れる不活性ガスに液状のハロゲン化シランを連続的に添加することによって調製されたものであってもよく、ガス状のハロゲン化シランと不活性ガスとの混合ガスであってもよい。アトマイズガスに含まれる不活性ガスとしては、アルゴン及び/又はヘリウムが好適である。
本発明において、溶融金属がNa、K、Mg、Ca、Zn及びAlからなる群より選択された1種を単独で又は2種以上を含むことが好ましい。特に溶融金属がアルミニウムであることが好ましい。これにより、生成したシリコン粒子中やその表面に金属が残存しても、酸やアルカリによる溶解除去や偏析法によってこの金属を除去することが容易である。
本発明において使用するアトマイズガスは、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン及びモノクロロシランからなる群より選択された1種を単独で又は2種以上を含むことが好ましい。特にアトマイズガスがテトラクロロシランを含むことが好ましい。これにより、反応場においてハロゲン化シランの還元反応がより一層効率的に進行し、高い反応率を達成できる。
アトマイズ工程において、溶融金属に向けてアトマイズガスを0.1〜15MPaの圧力で噴射させることが好ましい。かかる圧力条件でアトマイズガスを噴射することで、溶融金属の微小液滴の形成及びハロゲン化シランの還元反応によるシリコン粒子の形成の両方を同時に好適に行うことができる。また、アトマイズ工程において、溶融金属を上方に向けて吐出させてもよく、あるいは、下方に向けて吐出させてもよい。
本発明によれば、ガスアトマイズ法によって形成した溶融金属の微小液滴によるハロゲン化シランの還元反応において、十分に高い反応率を達成できる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係るシリコン粒子の製造方法は、溶融アルミニウムの細流にアトマイズガスを吹き付けることによって溶融アルミニウムの微小液滴を形成するアトマイズ工程を備える。このアトマイズ工程において、アトマイズガスとしてテトラクロロシラン(SiCl)を含むガスを使用し、テトラクロロシランと溶融アルミニウムの微小液滴とを接触させることにより、下記式(A)で表される還元反応が進行し、シリコン粒子が製造される。
3SiCl+4Al → 3Si+4AlCl (A)
図1及び図2を参照しながら、第1実施形態に係る製造方法に好適な反応装置10の構成及びその運転条件について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る反応装置の構成を示す概略構成図である。図2は、反応装置10のアトマイズ機構を拡大して示す図である。なお、反応装置10のアトマイズ機構は、後述する溶融金属収容部1のノズル1a及びアトマイズガス噴射部2で構成される。
図1に示す反応装置10は、溶融金属収容部1、アトマイズガス噴射部2、反応器3、固気分離器5及びこれらを接続する配管(以下、場合により「ライン」という。)等を備える。
溶融金属収容部1は、溶融アルミニウムを収容するためのものであり、密閉容器15内に設けられている。溶融金属収容部1の周囲にはヒータ11が設けられ、収容する溶融アルミニウムの温度を調整できるようになっている。図2に示すように、溶融金属収容部1の底部には反応器3内にまで延在するノズル1aが設けられ、ノズル1aから溶融アルミニウムの細流Fが鉛直方向に流下する。このようにアルミニウムの溶融体を溶融金属収容部1に収容させておくと、ノズル1aから反応器3内に溶融アルミニウムを安定的に流下させることができ、安定的且つ連続的にシリコン粒子を製造できるという利点がある。また、溶融金属収容部1を収容する密閉容器15内を不活性ガス等で加圧してもよい。これにより溶融アルミニウムをより一層安定的に流下させることができる。
ノズル1aから流下させる溶融アルミニウムは、純度が99.9質量%以上であることが好ましく、99.99質量%以上であることがより好ましく、99.995質量%以上であることが更に好ましい。純度の高い溶融アルミニウムを使用することで、純度の高いシリコン粒子を得ることができる。なお、ここでいう溶融アルミニウムの純度とは、原料アルミニウムのグロー放電質量分析法によって測定された元素のうち、Fe、Cu、Ga、Ti、Ni、Na、Mg及びZnの含有量(質量%)の合計を100質量%から差し引いた値を意味する。
溶融金属収容部1内の温度は、溶融させる金属の融点に応じて適宜設定すればよいが、本実施形態のように還元性金属としてアルミニウム(融点:660℃)を使用する場合には、通常700〜1300℃、好ましくは700〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃である。ノズル1aの温度は700〜1000℃程度とすることが好ましい。
アトマイズガス噴射部2は、図2に示すように、ラインL1を通じて供給されるアトマイズガスGを、溶融アルミニウムの細流Fに向けて噴射するためのものである。アトマイズガス噴射部2は、溶融アルミニウムの細流Fに向けてその周囲からアトマイズガスGを噴射するノズル2aを備える。細流FにアトマイズガスGを吹き付けることによって、溶融アルミニウムの微小液滴Pが形成される。
本実施形態において、ノズル2aから噴射するアトマイズガスは、テトラクロロシランガスと不活性ガスとの混合ガスである。アトマイズガスに含まれる不活性ガスとしては、アルゴン及び/又はヘリウムが好適である。
アトマイズガス中のテトラクロロシランガスの濃度は10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることが更に好ましい。テトラクロロシランガスの濃度が10体積%未満であると、上記式(A)の反応が十分に進行しない傾向がある。
アトマイズガスの調製に使用するテトラクロロシランは、高純度のシリコン粒子を得る観点から、その純度が99.99質量%以上であることが好ましく、99.999質量%以上であることがより好ましく、99.9999質量%以上であることが更に好ましい。
アトマイズガスの調製に使用する不活性ガスは、高純度のシリコン粒子を得る観点から、その純度が99.9体積%以上であることが好ましく、99.99体積%以上であることがより好ましく、99.999体積%以上であることが更に好ましく、99.9995体積%以上であることが特に好ましい。
溶融アルミニウムの細流Fに吹き付けるアトマイズガスは、0.1〜15MPaの圧力で噴射されることが好ましく、1〜10MPaで噴射されることがより好ましく、2〜10MPaで噴射されることが更に好ましい。アトマイズガスの噴射される圧力が0.1MPa未満であると、溶融アルミニウムの微小液滴Pの形成が不十分となるとともに上記式(A)で表される反応の進行が不十分となる傾向がある。他方、15MPaを超える圧力でアトマイズガスを噴射するには、耐圧性の高い各種装置を使用する必要があり、コストが増大する傾向がある。なお、アトマイズガスは、上記ノズル2aから噴射される以前の段階にあっては、圧力条件及び温度条件に応じて液体や超臨界流体であってもよい。
なお、テトラクロロシランガスは、金属材料を腐食させる性質を有する。テトラクロロシランガスによる金属腐食を抑制するため、ノズル2aとして、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、石英、ムライト又は炭素からなる部材、あるいは、上記材料でコーティングされた部材で形成されたものを使用することが好ましい。
反応器3は、図1に示すように、鉛直方向に延びる円筒部3aを備えており、この円筒部3a内に上記式(A)で表される反応が進行する反応場が形成される。ノズル2aからアトマイズガスを噴射することにより、溶融アルミニウムの微小液滴Pが形成されると同時に、アトマイズガスに含まれるテトラクロロシランと微小液滴Pとが接触し、微小液滴Pによるテトラクロロシランの還元反応(上記式(A))が進行する。
上記式(A)の通り、当該反応におけるテトラクロロシランのモル数と溶融アルミニウムのモル数の化学量論比は、3:4であるが、生産性などの観点から、反応場に供給する単位時間あたりのテトラクロロシランのモル数Mと溶融アルミニウムの供給モル数Mの比(M/M)は、0.75〜20であることが好ましく、0.75〜10であることがより好ましく、0.75〜7.5であることが更に好ましい。M/Mの値が0.75未満であると、反応の進行が不十分となる傾向があり、他方、20を越えると、反応に寄与しないテトラクロロシランの量が増大する傾向がある。
円筒部3aの周囲にはヒータ13が設けられ、反応場の温度を調整できるようになっている。加熱方式としては、特に制限はなく、例えば、高周波加熱、抵抗加熱、ランプ加熱などを用いた直接的な方法の他に、予め温度調節されたガス等の流体を用いる方式も用いることができる。反応場の温度は、通常、300〜1200℃(好ましくは500〜1000℃)となるように調整する。また、反応場の圧力は、通常、1気圧以上となるように調整する。
円筒部3a内に形成される反応場の酸素濃度は、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応を開始する前の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。反応を開始する前の反応場の酸素濃度を下げる方法として、溶融アルミニウムを所定時間噴霧し、アルミニウムの液滴に反応場の酸素を吸着させるという手法が挙げられる。なお、反応を開始する前の反応場は、露点が−20℃以下であることが好ましく、−40℃以下であることがより好ましく、−70℃以下であることが更に好ましい。
また、反応場の酸素濃度は、反応中においても、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応中の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。
反応器3は、その下部に下方に行くに従って内径が小さくなると共に下端にシリコン粒子を排出するためのSi粒子排出口3cを有する縮径部3bを備える。この縮径部3bの鉛直方向の略中間の位置には、反応によって生じたAlCl(気体)、未反応のSiCl(気体)及び微粒のシリコン粒子を排出するためのガス排出口3dが設けられている。
反応器3の下部に設けられた縮径部3bは、第1段目の固気分離器として機能する。縮径部3bの周囲にはヒータ(図示せず)が設けられ、内部の温度を調整できるようになっている。縮径部3bの内部の温度をAlCl(昇華点:180℃)が析出しない温度に保持することで、シリコン粒子とガスとを分離する。具体的には、縮径部3bの内部の温度を200℃以上となるように調整することが好ましい。縮径部3bの内部の温度を200℃よりも低くした場合、縮径部3b内においてAlClが析出し、シリコン粒子中に混入しやすくなる傾向がある。
ガス排出口3dから排出されるガスは固気分離器5に供給される。固気分離器5は、第2段目の固気分離器として機能する。固気分離器5は、ガス排出口3dから排出されるガス中に存在するシリコン粒子を分離するためのものである。この固気分離器5の内部の温度も200℃以上となるように調整することが好ましい。固気分離器5の好適な例として、保温サイクロン式固気分離器などを例示できる。
固気分離器5から排出されるガスは固気分離器8に供給される。固気分離器8は、第3段目の固気分離器として機能する。固気分離器8は、固気分離器5からのガスに含まれるAlClを除去するためのものである。固気分離器8内の温度を、AlClは析出するがSiCl(沸点:57℃)は凝縮しない温度に保持することで、析出したAlCl(固体)を除去する。具体的には、固気分離器8の内部の温度を60〜170℃(より好ましくは70〜100℃)に維持することが好ましい。固気分離器8の内部の温度を60℃よりも低くした場合、固気分離器8内においてSiClが凝縮し、リサイクルされるSiClガスの量が不十分となる傾向がある。他方、固気分離器8の内部の温度を170℃よりも高くした場合、AlClの析出が不十分となり、リサイクルされるSiClガス中のAlClの含有量が高くなる傾向がある。
固気分離器8は、その内部にバッフル板(図示せず)を備えるものであることが好ましい。バッフル板を内部に設けることで、固気分離器8の内表面積が増大してAlClが効率的に析出し、ガス中のAlCl含有量を十分に低減できる。固気分離器8の内表面積は、固気分離器8の装置表面積の5倍以上であることが好ましい。
固気分離器8においてAlClの除去処理がなされたガスは、ラインL7を通じて固気分離器8から排出される。当該ガス中に未反応のテトラクロロシランガスと不活性ガスとが共存する場合には、不活性ガスを分離し、必要に応じて精製を行うことで、テトラクロロシランガスを回収できる。このテトラクロロシランガスを反応性ガスとしてリサイクルしてもよい。また、分離された不活性ガスもリサイクルしてもよい。
このように、本実施形態に係る反応装置10は、第1段目の固気分離器として縮径部3bを備え、第2段目の固気分離器として固気分離器5を備え、更に、第3段目の固気分離器として固気分離器8を備える。かかる構成を採用することにより、未反応のテトラクロロシランガスを効率的に回収し再利用することができる。例えば、アトマイズガスの一部として再利用することができる。なお、固気分離器の段数は特に制限はなく、例えば、固気分離器5を採用することなく、縮径部3bと固気分離器8とを連結してもよく、あるいは、固気分離器を4段以上設けてもよい。また、ガス排出口3dを具備しない反応器を使用する場合などにあっては、Si粒子排出口3cの後段に固気分離器5等を設置してもよい。
本実施形態に係るシリコン粒子の製造方法によれば、以下のような効果が奏される。すなわち、テトラクロロシランガスと不活性ガスとの混合ガスをアトマイズガスとして使用するため、不活性ガスからなるアトマイズガスを使用する場合と比較し、反応場に残存する不活性ガスの量を削減できる。また、溶融アルミニウムの微小液滴Pの形成と同時に、この微小液滴Pとアトマイズガスに含まれるテトラクロロシランとが効率的に接触し、微小液滴Pによるテトラクロロシランの還元反応が進行する。その結果、微小液滴Pによるテトラクロロシランの還元反応において、十分に高い反応率を達成できる。
また、本実施形態に係るシリコン粒子の製造方法を採用することにより、比較的簡易な構成の反応装置でシリコン粒子を製造できるという利点がある。すなわち、ガスアトマイズ法を利用した従来のシリコン粒子の製造方法にあっては、微小液滴を形成するための不活性ガス(アトマイズガス)の供給手段、及び、形成された微小液滴と接触させるテトラクロロシランガスの供給手段の両方を備える反応装置が必要である。これに対し、本実施形態に係るシリコン粒子の製造方法によれば、アトマイズガスを噴射することでシリコン粒子を製造できるため、図1に示す反応装置10のように、別途テトラクロロシランガスを反応器3へと供給する機構を具備しない反応装置を使用できる。ただし、別途テトラクロロシランガスを反応器3へと供給する機構を具備する反応装置を使用してもよい。
なお、本実施形態においては、テトラクロロシランガスと不活性ガスとを混合して事前に調製したアトマイズガスを使用する場合を例示したが、不活性ガスにテトラクロロシランガスを添加し、反応装置10においてアトマイズガスを調製してもよい。より具体的には、ラインL1を不活性ガスの供給源に接続し、ラインL1内を流れる不活性ガスにテトラクロロシランガスを連続的に添加することでアトマイズガスを調製し、これをアトマイズガス噴射部2に供給してもよい。かかる構成を採用することにより、アトマイズガスのテトラクロロシランガス濃度を反応条件等に応じて適宜変更できるという利点がある。
また、アトマイズガスは必ずしもテトラクロロシランガスと不活性ガスとの混合ガスでなくてもよく、テトラクロロシランガス単独であってもよい。かかる構成を採用することにより、反応場におけるテトラクロロシランガスの分圧を更に高くすることができ、より一層高い反応率を達成できる。
(第2実施形態)
本実施形態に係るシリコン粒子の製造方法は、アトマイズガスとして、テトラクロロシランガスと不活性ガスとの混合ガス又はテトラクロロシランガスを単独で使用する代わりに、管路内を流れる不活性ガスに液状のテトラクロロシランを連続的に添加することによって調製されたガスを使用することの他は、上記第1実施形態と同様である。液状のテトラクロロシランは、ガス状のものと比較し、貯蔵が容易であるという利点がある。
図3を参照しながら、本実施形態に係る製造方法に好適な反応装置20の構成について説明する。図3に示す反応装置20は、SiCl(液体)を貯留するタンク21、このタンク21とラインL1とを接続するラインL22と、このラインL22の途中に配設され、SiCl(液体)を移送するためのポンプ23と、ラインL1内においてSiCl(液体)を気化させるヒータ24とを更に備えることの他は、第1実施形態に係る反応装置10と同様の構成を有する。
本実施形態においては、ラインL1内を流れる不活性ガスにラインL22を通じて供給されるSiCl(液体)を連続的に添加するとともに、これを気化させることによって、SiCl(気体)を含むアトマイズガスを調製できるようになっている。かかる構成を採用することにより、アトマイズガスのテトラクロロシランガス濃度を反応条件等に応じて適宜変更できるという利点がある。
なお、本実施形態においては、ラインL1内でSiCl(液体)をヒータ24で気化させる場合を例示したが、不活性ガス中にSiCl(液体)を十分均一に分散させることが可能な機構を採用すれば、ヒータ24を設けずにSiCl(液体)のままであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、ハロゲン化シランとしてテトラクロロシランを使用する場合を例示したが、これに限定されず、上記式(1)で示されるハロゲン化シランのうち、テトラクロロシラン以外のものを単独で使用してもよく、あるいは、上記式(1)で示されるハロゲン化シランの2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、上記実施形態においては、溶融金属としてアルミニウムを使用する場合を例示したが、これに限定されず、Na、K、Mg、Ca及びZnからなる群より選択された1種を単独で使用してもよく、あるいは、Na、K、Mg、Ca、Zn及びAlからなる群より選択された2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、溶融金属として、アルミニウムとシリコンとの合金を使用してもよい。
更に、上記実施形態では、図2に示すように、アトマイズ工程において溶融アルミニウムの細流Fがノズル1aから流下した後に、ノズル2aから噴射されるアトマイズガスGが吹き付けられる、いわゆるフリーフォール法を採用する場合を例示したが、これ以外のガスアトマイズ法を採用してもよい。例えば、図4に示すように、ノズル1aの溶融アルミニウムの出口とノズル2aのアトマイズガスの出口とが近接して設けられたアトマイズ機構を有する装置を用いた、いわゆるコンファインド法(Close−Coupled法)を採用してもよい。
また、上記実施形態においては、ノズル1aから下方に向けて溶融アルミニウムを吐出させる場合を例示したが、いわゆるUpdraughtアトマイザ装置を使用し、溶融アルミニウムを上方に吐出させてもよい。
また、溶融金属が上方又は下方に向けて吐出される場合、溶融金属が移動する方向と同じ方向に、ハロゲン化シランガスを流してもよく(並流)、溶融金属が移動する方向に対向してハロゲン化シランガスを流してもよい(向流)。
シリコン粒子の製造方法の第1実施形態に係る反応装置の構成を示す概略構成図である。 図1に示す反応装置が備えるアトマイズ機構の構成を示す断面図である。 シリコン粒子の製造方法の第2実施形態に係る反応装置の構成を示す概略構成図である。 本発明に係るシリコン粒子の製造方法において適用可能なアトマイズ機構の他の形態を示す断面図である。
符号の説明
1…溶融金属収容部、1a…溶融金属用のノズル、2…アトマイズガス噴射部、2a…アトマイズガス用のノズル、3…反応器、3a…円筒部、3b…縮径部(固気分離器)、3c…Si粒子排出口、3d…ガス排出口、5,8…固気分離器、10,20…反応装置、F…溶融金属の細流、P…溶融金属の微小液滴、G…アトマイズガス。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で示されるハロゲン化シランを含むアトマイズガスを、ノズルから吐出された溶融金属に吹き付けることによって当該溶融金属の微小液滴を形成するアトマイズ工程を備え、
    前記アトマイズ工程において前記ハロゲン化シランと前記微小液滴とを接触させることにより、前記ハロゲン化シランを還元してシリコン粒子を得ることを特徴とするシリコン粒子の製造方法。
    SiH4−n (1)
    [式中、nは0〜3の整数;Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択された原子をそれぞれ示す。nが0〜2のとき、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記アトマイズガスは、前記ハロゲン化シランの濃度が10体積%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン粒子の製造方法。
  3. 前記アトマイズガスが、前記ハロゲン化シランガスのみからなるものであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン粒子の製造方法。
  4. 前記アトマイズガスが、管路内を流れる不活性ガスに液状の前記ハロゲン化シランを連続的に添加することによって調製されたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコン粒子の製造方法。
  5. 前記アトマイズガスが、ガス状の前記ハロゲン化シランと不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコン粒子の製造方法。
  6. 前記不活性ガスが、アルゴン及び/又はヘリウムであることを特徴とする、請求項4又は5に記載のシリコン粒子の製造方法。
  7. 前記溶融金属がNa、K、Mg、Ca、Zn及びAlからなる群より選択された1種を単独で又は2種以上を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコン粒子の製造方法。
  8. 前記溶融金属がAlであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコン粒子の製造方法。
  9. 前記ハロゲン化シランが、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン及びモノクロロシランからなる群より選択された1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコン粒子の製造方法。
  10. 前記ハロゲン化シランが、テトラクロロシランであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコン粒子の製造方法。
  11. 前記アトマイズ工程において、前記溶融金属に向けて前記アトマイズガスを0.1〜15MPaの圧力で噴射させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシリコン粒子の製造方法。
  12. 前記アトマイズ工程において、前記溶融金属を上方又は下方に向けて吐出させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシリコン粒子の製造方法。
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