JP2009292675A - シリコン又はハロゲン化シランの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物に対するハロゲン化物による反応器の腐食を抑制できると共に、その構造物の十分な機械的強度を実現可能なシリコンの製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】Na、K、Mg、Ca、Zn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属によりハロゲン化シランを還元してシリコンを得るシリコンの製造方法において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料として、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金を用いる。
【選択図】図1
【解決手段】Na、K、Mg、Ca、Zn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属によりハロゲン化シランを還元してシリコンを得るシリコンの製造方法において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料として、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金を用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、シリコン又はハロゲン化シランの製造方法及び製造装置に関する。
環境問題がクローズアップされる中、太陽電池はクリーンなエネルギー源として注目を集め、住宅用を中心に需要が急増している。シリコン系太陽電池は信頼性や変換効率に優れるため、太陽光発電の8割程度を占めている。しかし、発電単価をさらに減少させるためには、低価格のシリコン原料を確保することが望まれている。
現在、高純度シリコンの製造方法として、トリクロロシランと水素とを高温で反応させるジーメンス法が主に採用されている。しかしながら、この方法においては、電力原単位の削減に限界があるため、さらなるコストダウンは困難であると言われている。
ジーメンス法に替わる方法としては、例えば下記特許文献1に、一般式SiHnX4-n(式中、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数をそれぞれ示す。)を有する気体のシリコン化合物を、細かく分散された純アルミニウム又はAl−Si合金の溶融表面へ接触させる方法が開示されている。また、下記特許文献2には、金属の粒子と気体状のシリコンの塩素化合物とを反応させてシリコンを得るための装置を備えるシリコンの製造装置が開示されている。
さらに、シリコン製造の原料ともなるハロゲン化シランを製造する方法として、例えば、特許文献3等に、シリコンと塩化水素とを反応させる方法が知られている。
特開平2−64006号公報
特開2007−284259号公報
特開平10−67509号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の装置はハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物としての反応器が石英製なので、機械的強度を十分に確保できないことが問題となる。一方、機械的強度を確保するためにハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料をステンレス鋼としても、ハロゲン化シランによって特に600℃以上の高温環境において腐食し易いことが問題となる。腐食が生ずると、生成するシリコンが汚染されるのみならず、装置の寿命が短くなることとなる。同様の問題は、ハロゲン化シランを製造する際にも発生する。
上記課題を解決するために本発明は、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物に対するハロゲン化シランによる腐食を抑制でき、生成物の汚染を低減できると共に、その構造物の十分な機械的強度を実現できるシリコン又はハロゲン化シランの製造方法及び製造装置、特にシリコンの製造方法及び製造装置を提供する。
上記目的を達成するために、本発明に係る製造方法は、以下の(A)〜(E)のいずれかの製造方法において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料として、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金を用いる。
また、本発明にかかる製造装置は、以下の(A)〜(E)のいずれかの製造装置において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料が、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金である。
(A)金属又は水素によりハロゲン化シランを還元する、シリコンの製造方法
(B)ハロゲン化シランを熱分解する、シリコンの製造方法
(C)ハロゲン化シランと水素とを反応させる、又は、ハロゲン化シランと水素とシリコンとを反応させる、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランの製造方法
(D)シリコンと塩化水素又は塩素とを反応させる、ハロゲン化シランの製造方法
(E)ハロゲン化シランを熱分解する、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランの製造方法
また、本発明にかかる製造装置は、以下の(A)〜(E)のいずれかの製造装置において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料が、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金である。
(A)金属又は水素によりハロゲン化シランを還元する、シリコンの製造方法
(B)ハロゲン化シランを熱分解する、シリコンの製造方法
(C)ハロゲン化シランと水素とを反応させる、又は、ハロゲン化シランと水素とシリコンとを反応させる、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランの製造方法
(D)シリコンと塩化水素又は塩素とを反応させる、ハロゲン化シランの製造方法
(E)ハロゲン化シランを熱分解する、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランの製造方法
本発明によれば、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金は、600℃程度の高温でのハロゲン化シランとの反応性が低く、腐食速度が十分に小さい。したがって、腐食を十分抑制した状態で還元等の反応を行うことができて不純物の混入を抑制できる。また、このニッケル基合金は600℃程度の高温においても、十分な機械的強度・延性を有するため、信頼性の高い長寿命の製造装置を実現できる。
ここで、ニッケル基合金の鉄の質量分率が3%以下であり、さらに、ニッケル基合金のモリブデンの質量分率をXMo(%)、タングステンの質量分率をXW(%)としたときに、下式(1)を満足することが好ましい。
XMo+2XW≧26 (1)
XMo+2XW≧26 (1)
また、ニッケル基合金の鉄の質量分率が0.4%以下であることも好ましい。
これらのニッケル基合金は、特に、800℃程度の高温での腐食速度も小さいので好ましい。
また、ハロゲン化シランが、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、及び、モノクロロシランからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物は、ハロゲン化シランの反応が行なわれる反応器(ハロゲン化シランが生成する反応が行われる反応器を含む)、該反応器にハロゲン化シランを供給するハロゲン化シラン供給器、該反応器から排出される排ガスの冷却器、及び、ハロゲン化シランと固体とを分離する固気分離器、並びにこれらの各機器の相互を連結する配管の少なくともいずれかであることができる。
例えば、(A)金属又は水素によりハロゲン化シランを還元してシリコンを得るシリコンの製造方法及び装置においては、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物として、金属又は水素によりハロゲン化シランの還元を行なう反応器、該反応器にハロゲン化シランを供給するハロゲン化シラン供給器、前記反応器から排出される排ガスの冷却器、及び、得られた生成物とハロゲン化シランとを分離する固気分離器、並びにこれらの各機器の相互を連結する配管が挙げられる。
また、(B)ハロゲン化シランを熱分解してシリコンを得るシリコンの製造方法及び装置においては、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物として、ハロゲン化シランの熱分解が行なわれる反応器、該反応器にハロゲン化シランを供給するハロゲン化シラン供給器、該反応器から排出される排ガスの冷却器、及び、得られた生成物とハロゲン化シランとを分離する固気分離器、並びにこれらの各機器の相互を連結する配管が挙げられる。
また、(C)ハロゲン化シランと水素との反応、又は、ハロゲン化シランと水素とシリコンとの反応により、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランを得るハロゲン化シランの製造方法及び装置においては、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物として、ハロゲン化シランと水素との反応が行なわれる反応器、該反応器にハロゲン化シランを供給するハロゲン化シラン供給器、該反応器から排出される排ガスの冷却器、及び、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランと生成不純物とを分離する固気分離器、並びにこれらの各機器の相互を連結する配管が挙げられる。
また、(D)シリコンと塩化水素又は塩素との反応により、ハロゲン化シランを得る製造方法及び装置においては、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物として、シリコンと塩化水素又は塩素との反応が行なわれる反応器、該反応器から排出される排ガスの冷却器、及び、ハロゲン化シランと生成不純物とを分離する固気分離器、並びにこれらの各機器の相互を連結する配管を挙げられる。
また、(E)ハロゲン化シランを熱分解して、前記と別種のハロゲン化シランを得る製造方法及び装置においては、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物は、ハロゲン化シランの熱分解が行なわれる反応器、該反応器にハロゲン化シランを供給するハロゲン化シラン供給器、該反応器から排出される排ガスの冷却器、及び、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランと生成不純物とを分離する固気分離器、並びにこれらの各機器の相互を連結する配管が挙げられる。
また、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料は、ニッケル基合金の層の表面に保護層を設けたものであることが好ましい。これにより、腐食をより抑えることができる。
また、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の内側にさらに第2の構造物を備え、第2の構造物の材料がアルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、炭素及びシリコンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
第2の構造物としては、ガスや液等を導入するノズルや、シリコンを析出させる基材、還元剤として機能する溶融した金属を貯留する内部容器、溶融した金属を流下させる流路形成器(例えば溶融した金属を薄膜状に流下させる流路形成器)等が挙げられる。このような第2の構造物として、上述の材料を用いると、コンタミネーションを抑制しやすい。
第2の構造物としては、ガスや液等を導入するノズルや、シリコンを析出させる基材、還元剤として機能する溶融した金属を貯留する内部容器、溶融した金属を流下させる流路形成器(例えば溶融した金属を薄膜状に流下させる流路形成器)等が挙げられる。このような第2の構造物として、上述の材料を用いると、コンタミネーションを抑制しやすい。
本発明によれば、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の腐食を抑制できると共に、その構造物の十分な機械的強度を実現可能なシリコンの製造方法及び装置を提供することができる。これにより、高純度のシリコンやハロゲン化シランを得ることができる。
(ニッケル基合金)
まず、本実施形態に係る、ハロゲン化シランに対して耐食性の高いニッケル基合金について説明する。本実施形態に係るニッケル基合金は、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金である。ここで、ニッケル基合金とは、最大質量分率を占める成分がニッケルであることを意味する。
なお、ニッケル基合金におけるニッケルの質量分率は、50%以上であることが好ましい。
まず、本実施形態に係る、ハロゲン化シランに対して耐食性の高いニッケル基合金について説明する。本実施形態に係るニッケル基合金は、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金である。ここで、ニッケル基合金とは、最大質量分率を占める成分がニッケルであることを意味する。
なお、ニッケル基合金におけるニッケルの質量分率は、50%以上であることが好ましい。
このようなニッケル基合金は、ハロゲン化シランに対して、例えば600℃程度においても十分な耐食性を示し、後述するシリコン製造方法や装置において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料として使用するのに適する。
なお、ハロゲン化シランとは、一般式SiHnX4-n(式中、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数をそれぞれ示す。)で表現される物質であり、金属に対する腐食性が極めて高い。特に、600℃以上の高温では金属に対する腐食性が著しく高くなる。しかしながら、本実施形態に係るニッケル基合金は、ハロゲン化シランを含む高温環境でも腐食速度が、ステンレス鋼や他のニッケル基合金に比べて著しく低い。
特に、このニッケル基合金は、Xが塩素であるハロゲン化シランに対して十分に耐食性が高く、このようなハロゲン化シランとして、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、及び、モノクロロシランが挙げられる。
特に、該ハロゲン化シランがテトラクロロシランであると、このニッケル基合金の腐食速度が極めて小さいのでさらに好ましい。
特に、該ハロゲン化シランがテトラクロロシランであると、このニッケル基合金の腐食速度が極めて小さいのでさらに好ましい。
ここで、ニッケル基合金には鉄、ニッケル以外の元素が含まれていてもよい。例えば、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、銅、アルミニウム、チタン、ニオブ、タンタル、マンガン、シリコン、バナジウム、ボロン、ランタン、炭素、リン、硫黄等の意図的添加成分や不可避成分が挙げられる。
各元素の許容質量分率は、特に限定されないが、クロムが24%以下、モリブデンが30%以下、タングステンが15%以下、コバルトが5%以下、銅が0.5%以下、アルミニウムが0.5%以下、チタンが0.4%以下、ニオブとタンタルの合計が6%以下、タンタルが3%以下、マンガンが1%以下、シリコンが0.75%以下、バナジウムが0.35%以下、ボロンが0.015%以下、ランタンが0.05%以下、炭素が0.15%以下、リンが0.03%以下であることが好ましい。ニッケル基合金の耐食性に悪影響を及ぼす硫黄の許容質量分率は0.03%以下であることが好ましいが、0.01%以下に抑えることがより好ましく、特に0.005%以下に抑えることが好ましい。
ここで、本実施形態に係るニッケル基合金は、鉄の質量分率が3%以下であり、かつ、ニッケル基合金中のモリブデンの質量分率をXMo(%)、タングステンの質量分率をXW(%)としたときに、下式(1)を満足することが好ましい。
XMo+2XW≧26 (1)
XMo+2XW≧26 (1)
このようなニッケル基合金は、例えば800℃程度の高温でもハロゲン化シランに対して十分な耐食性を示す。この場合、特に、ニッケルの質量分率は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
また、本実施形態に係るニッケル基合金は、鉄の質量分率が0.4%以下であることも好ましい。このような鉄の濃度が極めて低いニッケル基合金は、同様に、例えば800℃程度の高温でもハロゲン化シランに対して十分な耐食性を示す。また、高価なモリブデンやタングステンが不要であり、コストが低い。この場合、特に、ニッケルの質量分率は、99%以上であることが好ましい。
より具体的には、例えば、ISO9772規格の合金番号NW6600(例えば、登録商標;インコネル600)、NW6625(例えば、登録商標;インコネル625)、NW2201(例えば、通称名;LC-Ni)、NW6022(例えば、登録商標;ハステロイC-22)、NW0276(例えば、登録商標;ハステロイC-276)、NW0665(例えば、登録商標;ハステロイB-2)、ならびにUNSNo.N06059(例えば、登録商標;アロイ59)、N06210(例えば、登録商標;ハステロイC-2000)、N06230(例えば、登録商標;アロイNo.230)の各ニッケル基合金が挙げられる。
(シリコン製造方法及び装置)
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態に係るシリコンの製造装置及びその運転条件について詳細に説明する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示された比率に限られるものではない。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態に係るシリコンの製造装置及びその運転条件について詳細に説明する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示された比率に限られるものではない。
本実施形態に係るシリコン粒子の製造方法は、ハロゲン化シランの一例としてテトラクロロシランを使用し、金属として溶融アルミニウムを使用してシリコン粒子を製造するものである。本実施形態では、反応器内に設けられたノズルから吐出された溶融アルミニウムの細流に対して、アトマイズガスを吹き付けてアルミニウムの微小液滴を形成すると共に、当該反応器内にテトラクロロシランを供給してアルミニウムの微小液滴と接触させ、テトラクロロシランを還元する。上記の還元工程において、テトラクロロシランと溶融アルミニウムの微小液滴とが接触することにより、下記式(a)で表される反応が進行し、シリコン粒子が製造される。
3SiCl4+4Al → 3Si+4AlCl3 (a)
3SiCl4+4Al → 3Si+4AlCl3 (a)
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係る製造方法に好適な反応装置10の構成及びその運転条件について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る反応装置の構成を示す概略構成図である。図1に示す反応装置10は、溶融金属収容部1、アトマイズガス噴射部2、反応器3、排ガス冷却器9、固気分離器5、8、テトラクロロシラン加圧加熱部7、及びこれらを接続する配管(以下、場合により「ライン」という。)等を備える。
(溶融金属収容部)
溶融金属収容部1は、溶融アルミニウムを収容するためのものであり、密閉容器15内に設けられている。溶融金属収容部1の周囲にはヒータ11が設けられ、収容する溶融アルミニウムの温度を調整できるようになっている。溶融金属収容部1の底部には反応器3内にまで延在するノズル1aが設けられ、ノズル1aから溶融アルミニウムの細流Fが鉛直方向に流下する。このようにアルミニウムの溶融体を溶融金属収容部1に収容させておくと、ノズル1aから反応器3内に溶融アルミニウムを安定的に流下させることができ、安定的且つ連続的にシリコン粒子を製造できるという利点がある。また、溶融金属収容部1を収容する密閉容器15内を不活性ガス等で加圧してもよい。これにより溶融アルミニウムをより一層安定的に流下させることができる。
溶融金属収容部1は、溶融アルミニウムを収容するためのものであり、密閉容器15内に設けられている。溶融金属収容部1の周囲にはヒータ11が設けられ、収容する溶融アルミニウムの温度を調整できるようになっている。溶融金属収容部1の底部には反応器3内にまで延在するノズル1aが設けられ、ノズル1aから溶融アルミニウムの細流Fが鉛直方向に流下する。このようにアルミニウムの溶融体を溶融金属収容部1に収容させておくと、ノズル1aから反応器3内に溶融アルミニウムを安定的に流下させることができ、安定的且つ連続的にシリコン粒子を製造できるという利点がある。また、溶融金属収容部1を収容する密閉容器15内を不活性ガス等で加圧してもよい。これにより溶融アルミニウムをより一層安定的に流下させることができる。
ノズル1aから流下させる溶融アルミニウムは、純度が99.9質量%以上であることが好ましく、99.99質量%以上であることがより好ましく、99.995質量%以上であることが更に好ましい。純度の高い溶融アルミニウムを使用することで、純度の高いシリコン粒子を得ることができる。なお、ここでいう溶融アルミニウムの純度とは、原料アルミニウムのグロー放電質量分析法によって測定された元素のうち、Fe、Cu、Ga、Ti、Ni、Na、Mg及びZnの含有量(質量%)の合計を100質量%から差し引いた値を意味する。
溶融金属収容部1内の温度は、溶融させる金属の融点に応じて適宜設定すればよいが、本実施形態のように溶融金属としてアルミニウム(融点:660℃)を使用する場合には、通常700〜1300℃、好ましくは700〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃である。ノズル1aの温度は、通常700〜1300℃程度とすることが好ましい。
(テトラクロロシラン加圧加熱部)
テトラクロロシラン加圧加熱部7は、テトラクロロシランを高温高圧にする機器である。テトラクロロシランガスを加圧及び加熱してもよいが、液化テトラクロロシランを加圧し、加圧された液化テトラクロロシランを加熱して気体又は超臨界流体にすることが好ましい。液化テトラクロロシランを加圧するため、ガス状のテトラクロロシランを加圧する場合と比較し、安価な装置で容易に昇圧でき、加圧工程後に液化テトラクロロシランを加熱して気体又は超臨界流体にすることにより、高温高圧のテトラシラン流体を効率的に製造できる。
テトラクロロシラン加圧加熱部7は、テトラクロロシランを高温高圧にする機器である。テトラクロロシランガスを加圧及び加熱してもよいが、液化テトラクロロシランを加圧し、加圧された液化テトラクロロシランを加熱して気体又は超臨界流体にすることが好ましい。液化テトラクロロシランを加圧するため、ガス状のテトラクロロシランを加圧する場合と比較し、安価な装置で容易に昇圧でき、加圧工程後に液化テトラクロロシランを加熱して気体又は超臨界流体にすることにより、高温高圧のテトラシラン流体を効率的に製造できる。
液化テトラクロロシランを加圧する方法としては、特に制限はなく、例えば、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなどのポンプを用いた方法が挙げられる。
加圧された液化テトラクロロシランを加熱して気体又は超臨界流体(以下、両者を総称してテトラクロロシラン流体ということがある。)にする方法としては、特に制限はなく、例えば、高周波加熱、抵抗加熱、ランプ加熱などの加熱器を用いた方法が挙げられる。
なお、テトラクロロシランガスを加圧及び加熱する場合も、同様に、ポンプ、加熱器を組み合わせて使用すればよい。
なお、テトラクロロシランガスを加圧及び加熱する場合も、同様に、ポンプ、加熱器を組み合わせて使用すればよい。
加圧工程及び加熱工程を経て得られるテトラクロロシラン流体は、圧力が0.1〜15MPaであることが好ましく、1〜10MPaであることがより好ましく、2〜10MPaであることが更に好ましい。
当該テトラクロロシラン流体の圧力が0.1MPa未満であると、後述するシリコン粒子の製造において使用するアトマイズガスの製造が非効率的になりやすい。すなわち、使用するアトマイズガスが、テトラクロロシラン流体と不活性ガスとの混合ガスである場合、テトラクロロシラン流体の圧力が0.1MPa未満であると、所望のアトマイズガス圧力とするため、アトマイズガスの製造過程においてテトラクロロシランガス又はアトマイズガスを再度加圧する必要が生じる。また、使用するアトマイズガスがテトラクロロシラン流体単独である場合も、テトラクロロシラン流体の圧力が0.1MPa未満であると、所望のアトマイズガス圧力とするため、テトラクロロシラン流体を再度加圧する必要が生じる。他方、15MPaを超えるテトラクロロシラン流体を使用するには、耐圧性の高い各種装置を使用する必要があり、コストが増大する傾向がある。
加圧工程及び加熱工程を経て得られるテトラクロロシラン流体は、温度が200〜1200℃であることが好ましく、200〜1000℃であることがより好ましい。
当該テトラクロロシラン流体の温度が200℃未満であると、シリコン粒子の製造において使用するアトマイズガスの製造が非効率的になりやすい。すなわち、テトラクロロシラン流体の温度が200℃未満であると、アトマイズガスの製造過程においてテトラクロロシラン流体又はアトマイズガスを再度加熱する必要が生じる。他方、当該テトラクロロシラン流体の温度が1200℃を超えても、それに要するコストに見合うだけの効果が小さい。
テトラクロロシランは、高純度のシリコン粒子を得る観点から、その純度が99.99質量%以上であることが好ましく、99.999質量%以上であることがより好ましく、99.9999質量%以上であることが更に好ましい。
(アトマイズガス噴射部)
アトマイズガス噴射部2は、テトラクロロシラン加圧加熱部7からラインL1を通じて供給されるテトラクロロシラン、及び必要に応じて、加熱器17を有するラインL2から供給される不活性ガスを、溶融アルミニウムの細流Fに向けて噴射するためのものである。アトマイズガス噴射部2は、溶融アルミニウムの細流Fに向けてその周囲からアトマイズガスGを噴射するノズル2aを備える。細流FにアトマイズガスGを吹き付けることによって、溶融アルミニウムの微小液滴Pが形成される。
アトマイズガス噴射部2は、テトラクロロシラン加圧加熱部7からラインL1を通じて供給されるテトラクロロシラン、及び必要に応じて、加熱器17を有するラインL2から供給される不活性ガスを、溶融アルミニウムの細流Fに向けて噴射するためのものである。アトマイズガス噴射部2は、溶融アルミニウムの細流Fに向けてその周囲からアトマイズガスGを噴射するノズル2aを備える。細流FにアトマイズガスGを吹き付けることによって、溶融アルミニウムの微小液滴Pが形成される。
本実施形態において、ノズル2aから噴射するアトマイズガスは、好ましくは、テトラクロロシランと不活性ガスとの混合ガスである。アトマイズガスに含まれる不活性ガスとしては、アルゴン及び/又はヘリウムが好適である。
アトマイズガス中のテトラクロロシランの濃度は10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることが更に好ましい。テトラクロロシランの濃度が10体積%未満であると、上記式(a)の反応が十分に進行しない傾向がある。
アトマイズガスの調製に使用する不活性ガスは、高純度のシリコン粒子を得る観点から、その純度が99.9体積%以上であることが好ましく、99.99体積%以上であることがより好ましく、99.999体積%以上であることが更に好ましく、99.9995体積%以上であることが特に好ましい。
溶融アルミニウムの細流Fに吹き付けるアトマイズガスの温度は、200〜1200℃であることが好ましく、200〜1000℃であることがより好ましい。アトマイズガスの温度を高くすることで、アトマイズ効率を向上、すなわち、より少量のアトマイズガスで溶融アルミニウムを微粒化できる。より一層高い温度のアトマイズガスを調製する方法としては、腐食性を有しない不活性ガスを加熱器17によりテトラクロロシラン流体の温度よりも高い温度に加熱し、この不活性ガスとテトラクロロシラン流体とを混合するという手法が挙げられる。
溶融アルミニウムの細流Fに吹き付けるアトマイズガスの圧力は、0.1〜15MPaであることが好ましく、1〜10MPaであることがより好ましく、2〜10MPaであることが更に好ましい。アトマイズガスの圧力が0.1MPa未満であると、溶融アルミニウムの微小液滴Pの形成が不十分となるとともに上記式(a)で表される反応の進行が不十分となる傾向がある。他方、15MPaを超えるアトマイズガスを使用するには、耐圧性の高い各種装置を使用する必要があり、コストが増大する傾向がある。なお、アトマイズガスは、ノズル2aから吐出される以前の段階にあっては、温度条件及び圧力条件に応じて液体や超臨界流体であってもよい。
(反応器3)
反応器3は、鉛直方向に延びる円筒部3aを備えており、この円筒部3a内に上記式(a)で表される反応が進行する反応場が形成される。ノズル2aからアトマイズガスを噴射することにより、溶融アルミニウムの微小液滴Pが形成されると同時に、アトマイズガスに含まれるテトラクロロシランと微小液滴Pとが接触し、微小液滴Pによるテトラクロロシランの還元反応(上記式(a))が進行する。
反応器3は、鉛直方向に延びる円筒部3aを備えており、この円筒部3a内に上記式(a)で表される反応が進行する反応場が形成される。ノズル2aからアトマイズガスを噴射することにより、溶融アルミニウムの微小液滴Pが形成されると同時に、アトマイズガスに含まれるテトラクロロシランと微小液滴Pとが接触し、微小液滴Pによるテトラクロロシランの還元反応(上記式(a))が進行する。
上記式(a)の通り、当該反応におけるテトラクロロシランのモル数と溶融アルミニウムのモル数の化学量論比は、3:4であるが、生産性などの観点から、反応場に供給する単位時間あたりのテトラクロロシランのモル数M1と溶融アルミニウムの供給モル数M2の比(M1/M2)は、0.75〜20であることが好ましく、0.75〜10であることがより好ましく、0.75〜7.5であることが更に好ましい。M1/M2の値が0.75未満であると、反応の進行が不十分となる傾向があり、他方、20を越えると、反応に寄与しないテトラクロロシランの量が増大する傾向がある。
円筒部3aの周囲にはヒータ13が設けられ、反応場の温度を調整できるようになっている。加熱方式としては、特に制限はなく、例えば、高周波加熱、抵抗加熱、ランプ加熱などを用いた直接的な方法の他に、予め温度調節されたガス等の流体を用いる方式も用いることができる。反応場の温度は、通常、300〜1200℃(好ましくは500〜1000℃)となるように調整する。また、反応場の圧力は、通常、1気圧以上となるように調整する。
円筒部3a内に形成される反応場の酸素濃度は、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応を開始する前の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。反応を開始する前の反応場の酸素濃度を下げる方法として、溶融アルミニウムを所定時間噴霧し、アルミニウムの液滴に反応場の酸素を吸着させるという手法が挙げられる。なお、反応を開始する前の反応場は、露点が−20℃以下であることが好ましく、−40℃以下であることがより好ましく、−70℃以下であることが更に好ましい。
また、反応場の酸素濃度は、反応中においても、酸化物の生成を十分に抑制する観点から、なるべく低い値に維持することが好ましい。具体的には、反応中の反応場の酸素濃度は、1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましく、100体積ppm以下であることが更に好ましく、10体積ppm以下であることが特に好ましい。
反応器3は、その下部に下方に行くに従って内径が小さくなると共に下端にシリコン粒子を排出するためのシリコン排出口3cを有する縮径部3bを備える。この縮径部3bの鉛直方向の略中間の位置には、反応によって生じたAlCl3(気体)、未反応のSiCl4(気体)、不活性ガス及び微粒のシリコン粒子を排出するためのガス排出口3dが設けられている。
反応器3の下部に設けられた縮径部3bは、第1段目の固気分離器として機能する。縮径部3bの周囲にはヒータ(図示せず)が設けられ、内部の温度を調整できるようになっている。縮径部3bの内部の温度をAlCl3(昇華点:180℃)が析出しない温度に保持することで、シリコン粒子とガスとを分離する。具体的には、縮径部3bの内部の温度を200℃以上となるように調整することが好ましい。縮径部3bの内部の温度を200℃よりも低くした場合、縮径部3b内においてAlCl3が析出し、シリコン粒子中に混入しやすくなる傾向がある。
(排ガス冷却器9)
ガス排出口3dから排出されるガスはラインL3を介して排ガス冷却器9に供給される。排ガス冷却器9は、ガス排出口3dから排出されるガスを冷却するためのものである。この排ガス冷却器9の内部の温度は、縮径部3bと同様に200℃以上となるように調整することが好ましい。排ガス冷却器9の好適な例として、熱媒体を利用する多管式熱交換器、二重管式熱交換器、あるいは直接に、排出されるガスに冷却媒体を噴霧する冷却器などを例示できる。冷却媒体としては、後述する固気分離器8から排出されるトリクロロシランなど利用することができる。また排ガス冷却器9をラインL3に配置したが、必要に応じてラインL4にも設置してもよいし、ラインL3に冷却手段を付与し排ガス冷却器を省略してもよい。冷却手段としては、熱媒体を利用したジャケットが例示できる。さらには、ガス排出口3dから排出されるガスを冷却するために、反応器3の内部に冷却媒体を流入させても良い。
ガス排出口3dから排出されるガスはラインL3を介して排ガス冷却器9に供給される。排ガス冷却器9は、ガス排出口3dから排出されるガスを冷却するためのものである。この排ガス冷却器9の内部の温度は、縮径部3bと同様に200℃以上となるように調整することが好ましい。排ガス冷却器9の好適な例として、熱媒体を利用する多管式熱交換器、二重管式熱交換器、あるいは直接に、排出されるガスに冷却媒体を噴霧する冷却器などを例示できる。冷却媒体としては、後述する固気分離器8から排出されるトリクロロシランなど利用することができる。また排ガス冷却器9をラインL3に配置したが、必要に応じてラインL4にも設置してもよいし、ラインL3に冷却手段を付与し排ガス冷却器を省略してもよい。冷却手段としては、熱媒体を利用したジャケットが例示できる。さらには、ガス排出口3dから排出されるガスを冷却するために、反応器3の内部に冷却媒体を流入させても良い。
(固気分離器5)
ガス排出口3dから排出されるガスはラインL3又はラインL3の経路に配置された排ガス冷却器9を介して固気分離器5に供給される。固気分離器5は、第2段目の固気分離器として機能する。固気分離器5は、ガス排出口3dから排出されるガス中に存在するシリコン粒子(固体)を分離するためのものである。この固気分離器5の内部の温度も縮径部3bと同様に200℃以上となるように調整することが好ましい。固気分離器5の好適な例として、保温サイクロン式固気分離器などを例示できる。
ガス排出口3dから排出されるガスはラインL3又はラインL3の経路に配置された排ガス冷却器9を介して固気分離器5に供給される。固気分離器5は、第2段目の固気分離器として機能する。固気分離器5は、ガス排出口3dから排出されるガス中に存在するシリコン粒子(固体)を分離するためのものである。この固気分離器5の内部の温度も縮径部3bと同様に200℃以上となるように調整することが好ましい。固気分離器5の好適な例として、保温サイクロン式固気分離器などを例示できる。
(固気分離器8)
固気分離器5から排出されるガスはラインL4を介して固気分離器8に供給される。固気分離器8は、第3段目の固気分離器として機能する。固気分離器8は、固気分離器5からのガスに含まれるAlCl3を除去するためのものである。固気分離器8内の温度を、AlCl3(AlCl3の昇華点:180℃)は析出するがSiCl4(沸点:57℃)は凝縮しない温度に保持することで、析出したAlCl3(固体)を除去する。具体的には、固気分離器8の内部の温度を60〜170℃(より好ましくは70〜100℃)に維持することが好ましい。固気分離器8の内部の温度を60℃よりも低くした場合、固気分離器8内においてSiCl4も凝縮し、回収される塩化アルミニウムの取扱いが煩雑となる傾向がある。他方、固気分離器8の内部の温度を170℃よりも高くした場合、AlCl3の析出が不十分となり、リサイクルされるテトラクロロシランガス中のAlCl3の含有量が高くなり取扱いが煩雑となる傾向がある。
固気分離器5から排出されるガスはラインL4を介して固気分離器8に供給される。固気分離器8は、第3段目の固気分離器として機能する。固気分離器8は、固気分離器5からのガスに含まれるAlCl3を除去するためのものである。固気分離器8内の温度を、AlCl3(AlCl3の昇華点:180℃)は析出するがSiCl4(沸点:57℃)は凝縮しない温度に保持することで、析出したAlCl3(固体)を除去する。具体的には、固気分離器8の内部の温度を60〜170℃(より好ましくは70〜100℃)に維持することが好ましい。固気分離器8の内部の温度を60℃よりも低くした場合、固気分離器8内においてSiCl4も凝縮し、回収される塩化アルミニウムの取扱いが煩雑となる傾向がある。他方、固気分離器8の内部の温度を170℃よりも高くした場合、AlCl3の析出が不十分となり、リサイクルされるテトラクロロシランガス中のAlCl3の含有量が高くなり取扱いが煩雑となる傾向がある。
固気分離器8は、その内部にバッフル板(図示せず)を備えるものであることが好ましい。バッフル板を内部に設けることで、固気分離器8の内表面積が増大してAlCl3が効率的に析出し、ガス中のAlCl3含有量を十分に低減できる。固気分離器8の内表面積は、固気分離器8の装置表面積の5倍以上であることが好ましい。
固気分離器8においてAlCl3の除去処理がなされたガスは、ラインL7を通じて固気分離器8から排出される。当該ガス中に未反応のテトラクロロシランガスと不活性ガス及び微量の塩化アルミニウムとが共存する場合には、不活性ガスを分離し、必要に応じて微量の塩化アルミニウムを分離・精製を行うことで、テトラクロロシランを回収できる。このテトラクロロシランを反応ガスとしてリサイクルしてもよい。また、分離された不活性ガスもリサイクルしてもよい。
そして、本実施形態においては、200℃以上の高温のテトラクロロシランが存在する空間を形成する構造物、すなわち、テトラクロロシラン加圧加熱部7の配管、バルブ、及びポンプの容器や羽根、ラインL1の配管やバルブ、アトマイズガス噴射部2、反応器3の壁、排ガス冷却器9、固気分離器5の壁、ラインL3、L4、L10の配管やバルブの材料として、上述のニッケル基合金を用いている。なお、テトラクロロシラン加圧加熱部7、ラインL1、及び、アトマイズガス噴射部2が、反応器3にハロゲン化シランを供給するハロゲン化シラン供給器を構成している。
ここで、これらの構造物におけるテトラクロロシランガスと接触する部分が、上述のニッケル基合金で形成されてもよいが、反応器3の円筒部3aの下部や、縮径部3bの表面等、還元されたシリコン粒子が直接接触しやすい部分には、ニッケル基合金の表面に、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、シリコン等の保護層3eをコーティングすることも好ましい。これにより、ニッケル基合金の損傷による汚染の可能性を低くできる。保護層3eのコーティングの方法は特に限定されないが、例えば、溶融溶射、プラズマ溶射等が利用できる。
なお、テトラクロロシランガスが存在する空間を形成するものの、200℃以上とはならない構造物、例えば、固気分離器8を上述のニッケル基合金から構成しても良いことはいうまでもない。
このように、本実施形態では、テトラクロロシランが存在する空間を形成する構造物の材料として上述のニッケル基合金を用いているので、これらの構造物の腐食を抑えつつ構造物の機械的強度を高くすることができる。したがって、コンタミネーションを抑制しつつ装置の信頼性や寿命を長くできる。
なお、上記実施形態では、アトマイズガスとしてテトラクロロシラン及び不活性ガスの混合ガスを供給しているが、アトマイズガスとしてテトラクロロシランのみを供給してもよく、かかる構成を採用することにより、反応場におけるテトラクロロシランの分圧を更に高くすることができ、より一層高い反応率を達成できる。一方、アトマイズガスとして不活性ガスのみを供給し、テトラクロロシラン加圧加熱部7からのハロゲン化シランガスを図1に点線で示すラインL10から直接反応器3内に供給しても良い。また、反応器3やアトマイズガス噴射部2等の形状も図1の形状には限定されない。例えば、反応器3の下部にシリコン排出口3cを例示したが、シリコン排出口3cを設けずに、反応器3の内部に後述する第2の構造物としてのシリコンを汚染させにくい基材を設置し、その表面にシリコンを析出させて回収しても良く、また、ガス排出口3dから排出されるガスにシリコンを全て同伴させて固気分離器5を利用して回収することもできる。さらには、固気分離器5を多段に設置することで、シリコンの回収率を向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、溶融金属としてアルミニウムを使用する場合を例示したが、これに限定されず、種々の還元性金属を使用でき、Na、K、Mg、Ca及びZnからなる群より選択された1種を単独で使用してもよく、あるいは、Na、K、Mg、Ca、Zn及びAlからなる群より選択された2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、溶融金属として、アルミニウムとシリコンとの合金を使用してもよい。また、テトラクロロシランガス以外のハロゲン化シランガスを用いてもよい。
更に、上記実施形態では、図1に示すように、アトマイズ工程において溶融アルミニウムの細流Fがノズル1aから流下した後に、ノズル2aから噴射されるアトマイズガスGが吹き付けられる、いわゆるフリーフォール法を採用する場合を例示したが、これ以外のガスアトマイズ法を採用してもよい。例えば、ノズル1aの溶融アルミニウムの出口とノズル2aのアトマイズガスの出口とが近接して設けられたアトマイズ機構を有する装置を用いた、いわゆるコンファインド法(Close−Coupled法)を採用してもよい。
また、上記実施形態においては、ノズル1aから下方に向けて溶融アルミニウムを吐出する場合を例示したが、いわゆるUpdraughtアトマイザ装置を使用し、溶融アルミニウムを上方に吐出させてもよい。
また、溶融金属が上方又は下方に向けて吐出される場合、溶融金属が移動する方向と同じ方向に、ハロゲン化シランガスを流してもよく(並流)、溶融金属が移動する方向に対向してハロゲン化シランガスを流してもよい(向流)。
また、上記実施形態では、主として反応器内において溶融金属の微小液滴とハロゲン化シランガスとを接触させる液滴型の接触方式を用いているが、これに限られず、様々な接触方式において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物として上述のニッケル基合金が適用可能である。
例えば、溶融金属を液滴ではなく、十分にガス化して反応器3に供給してハロゲン化シランガスと接触させる気相型の製造方法/装置でも良く、固体の金属粒子とハロゲン化シランガスとを接触させる例えば流動層型の製造方法/装置でもよく、また、溶融金属、例えば停留する溶融金属浴あるいは流動する薄膜状の溶融金属等に対してハロゲン化シランガスを接触させる融液型の製造方法/装置であってもよく、あるいは溶融金属浴にハロゲン化シランガスをバブリングさせて接触させる融液型の製造方法/装置であってもよい。
また、上記実施形態において、ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の内側にさらに第2の構造物を設けることができる。このような第2の構造物としては、具体的には、例えば、上述の反応器等の構造物内に突出するノズル(例えば、溶融金属を反応器3内に供給するノズル1aや、ハロゲン化シランガスを反応器3内に供給するノズル等)、反応器3内でシリコンをその表面に析出させる基材、還元剤として機能する溶融した金属を反応器3内で貯留する内部容器、反応器3内で溶融した金属を薄膜状に流下させる流路形成器等が挙げられる。これらの第2の構造物は、例えば、反応器3の円筒部3aや縮径部3bの内側や固気分離器5の内側等の、前述の構造物の内側に設けることができる。第2の構造物の材料として、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、炭素及びシリコンからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。炭素としては、黒鉛が好ましい。第2の構造物として、黒鉛からなる本体の表面を窒化珪素又は炭化珪素で被覆した構造物であることができる。これらの第2の構造物に上述の材料を用いることにより、ニッケル基合金による生成物等への汚染の可能性を更に低くできる。
さらに、上記実施形態では、金属によりハロゲン化シランを還元してシリコンを得るシリコンの製造方法及び装置に関するものであるが、本発明はこれに限られず、以下のような製造方法及び装置に適用できる。
(A)金属又は水素によりハロゲン化シランを還元して、シリコンを得るシリコンの製造方法又は装置
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
SiCl4+還元性金属→Si+還元性金属の塩化物
SiHCl3+H2→Si+3HCl
SiCl4+2H2→Si+4HCl
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
SiCl4+還元性金属→Si+還元性金属の塩化物
SiHCl3+H2→Si+3HCl
SiCl4+2H2→Si+4HCl
(B)ハロゲン化シランを熱分解してシリコンを得るシリコンの製造方法又は装置
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
4SiHCl3→Si+3SiCl4+2H2
SiH2Cl2→Si+2HCl
SiH3Cl→Si+HCl+H2
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
4SiHCl3→Si+3SiCl4+2H2
SiH2Cl2→Si+2HCl
SiH3Cl→Si+HCl+H2
(C)ハロゲン化シランと水素との反応、又は、ハロゲン化シランと水素とシリコンとの反応により、前記と別種のハロゲン化シランを得るハロゲン化シランの製造方法又は装置
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
SiCl4+H2→SiHCl3+HCl
SiHCl3+H2→SiH2Cl2+HCl
3SiCl4+Si+2H2→4SiHCl3
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
SiCl4+H2→SiHCl3+HCl
SiHCl3+H2→SiH2Cl2+HCl
3SiCl4+Si+2H2→4SiHCl3
(D)シリコンと塩化水素又は塩素との反応によりハロゲン化シランを得る、ハロゲン化シランの製法
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
Si+3HCl→SiHCl3+H2
Si+4HCl→SiCl4+2H2
Si+2Cl2 →SiCl4
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
Si+3HCl→SiHCl3+H2
Si+4HCl→SiCl4+2H2
Si+2Cl2 →SiCl4
(E)ハロゲン化シランを熱分解して別種のハロゲン化シランを得る、ハロゲン化シランの製造方法又は装置
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
2SiH2Cl2→SiCl4+SiH4
反応式としては、例えば以下のものが挙げられる。
2SiH2Cl2→SiCl4+SiH4
上記において、本発明の好適な実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施形態は例示であって、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されない。
本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例A1〜9、比較例A1〜4)
大気圧のテトラクロロシランガス67体積%とアルゴンガス33体積%との混合ガスを、横型環状炉内に設置した石英管(内径φ50mm)内へ連続的に通気し、該石英管の内部に板状試験片を置いて腐食試験を実施した。石英管の内部には、表1に示す金属材料の板状試験片(表面積;2.9×10−3m2)を、予め400番エメリー研磨紙を用いて表面を研磨し、その後十分にアセトンで脱脂・乾燥させた状態で挿入した。腐食試験は、873K(600℃)で100時間の条件、及び、1073K(800℃)で1.5時間の条件で行った。表面研磨及び脱脂した腐食試験前の板状試験片の重さ及び腐食試験の実施により板状試験片の表面に生成した腐食生成物を除去した後の板状試験片の重さを量ることにより、各条件での金属材料の単位時間単位表面積当たりの腐食速度を求めた。結果を表1に示す。表1のNiの質量分率は、表1記載のNi以外の分析成分の質量分率の合計を100%からを差し引いた計算値である。
大気圧のテトラクロロシランガス67体積%とアルゴンガス33体積%との混合ガスを、横型環状炉内に設置した石英管(内径φ50mm)内へ連続的に通気し、該石英管の内部に板状試験片を置いて腐食試験を実施した。石英管の内部には、表1に示す金属材料の板状試験片(表面積;2.9×10−3m2)を、予め400番エメリー研磨紙を用いて表面を研磨し、その後十分にアセトンで脱脂・乾燥させた状態で挿入した。腐食試験は、873K(600℃)で100時間の条件、及び、1073K(800℃)で1.5時間の条件で行った。表面研磨及び脱脂した腐食試験前の板状試験片の重さ及び腐食試験の実施により板状試験片の表面に生成した腐食生成物を除去した後の板状試験片の重さを量ることにより、各条件での金属材料の単位時間単位表面積当たりの腐食速度を求めた。結果を表1に示す。表1のNiの質量分率は、表1記載のNi以外の分析成分の質量分率の合計を100%からを差し引いた計算値である。
なお、UNS番号が、N06230(例えば、登録商標;アロイNo.230)、N06210(例えば、登録商標;ハステロイC-2000)、N06059(例えば、登録商標;アロイ59)、及びISO 9772規格の合金番号が、NW0665(例えば、登録商標;ハステロイB-2)、NW0276(例えば、登録商標;ハステロイC-276)、NW6022(例えば、登録商標;ハステロイC-22)、NW6625(例えば、登録商標;インコネル625)、NW6600(例えば、登録商標;インコネル600)、NW2201(例えば、通称名;LC-Ni)、NW6601(例えば、登録商標;インコネル601)、NW8825(例えば、登録商標;インコロイ825)、NW6002(例えば、ハステロイX)であるものはニッケル基合金であり、SUS310Sはステンレス鋼である。
鉄の質量分率が10%以下の実施例A1〜A8では、比較例A1〜A4に比べて600℃での腐食速度が十分に低くなった。特に、Moの質量分率%をXMo(%)、Wの質量分率%をXW(%)としたときに、XMo+2XW≧26を満たす実施例A1,A2、及び、鉄の質量分率が0.4%以下である実施例A9では、800℃での腐食速度も極めて低くなった。
(実施例B1)
図2に示すような、反応装置30を用いてハロゲン化シランの還元反応を行い、得られたシリコンの純度を測定した。
図2に示すような、反応装置30を用いてハロゲン化シランの還元反応を行い、得られたシリコンの純度を測定した。
具体的には、アルミニウム35を入れたアルミナ保護管34(ニッカトー製SSA−S、No.9(内径φ16mm))をアルミナ容器33中に挿入し、縦型環状炉31中に保持して、1473Kでテトラクロロシランガスをアルミナ製ガス導入管32[ニッカトー製SSA−S、(外径φ6mm、内径φ4mm)]から溶融されたアルミニウム35中に6時間導入してバブリングさせ、還元反応させてシリコン37を得た。
用いたアルミニウム(住友化学製)中の不純物濃度はFe:1.9ppm、Cu:0.12ppm、Ga:5ppm、Ti:1ppm以下、Ni:0.08ppm、Na:1ppm以下、Mg:1ppm以下、Zn:4.8ppm(グロー放電質量分析(GDMS分析)結果による。)であり、その質量は20gとした。
以下、ppb、ppmは、質量分率を表す。
テトラクロロシランは、トリケミカル研究所製の純度99.9999質量%(6N)品[不純物濃度:Fe:5.2ppb、Al:0.8ppb、Cu:0.9ppb、Mg:0.8ppb、Na:2.4ppb、Ca:5.5ppb]のものを用いた。
テトラクロロシランは、トリケミカル研究所製の純度99.9999質量%(6N)品[不純物濃度:Fe:5.2ppb、Al:0.8ppb、Cu:0.9ppb、Mg:0.8ppb、Na:2.4ppb、Ca:5.5ppb]のものを用いた。
ガス導入管32の先端とアルミナ保護管34底部の間の距離は10mmとした。
テトラクロロシランの移送は、キャリアガスとしてアルゴンガス(日本エアリキード製(純度99.9995体積%)を0.1MPaで供給して、1分間当りのテトラクロロシランの供給量を1.14gとした。
テトラクロロシランの移送は、キャリアガスとしてアルゴンガス(日本エアリキード製(純度99.9995体積%)を0.1MPaで供給して、1分間当りのテトラクロロシランの供給量を1.14gとした。
ここで、テトラクロロシランガス供給中は、アルミナ容器33の上端を、実施例A1の材料からなる円盤状の水冷ジャケット38で覆った。水冷ジャケット38には、ガス排出用の孔38aが開いており、アルミナ容器33内のガスは、水冷ジャケット38と接触した。
テトラクロロシランガスを6時間流通させた後、縦型環状炉31の電源を切り、テトラクロロシランガスをさらに流通させながら縦型環状炉31を冷却し、テトラクロロシランの還元反応で得たシリコン37を回収し分析した。
(比較例B1)
反応装置30の水冷ジャケット38の材質を比較例A1のSUS310Sとする以外は、実施例B1と同等とした。
反応装置30の水冷ジャケット38の材質を比較例A1のSUS310Sとする以外は、実施例B1と同等とした。
実施例B1では、回収したシリコンをGDMS分析により不純物濃度を測定したところ、Fe:0.05ppm未満、Ni:0.01ppm未満、Cr:0.01ppm未満、Cu:0.05ppm未満であった。
一方、比較例B1では、還元して得られたシリコンを同様に分析した結果、不純物濃度はFe:9ppm、Ni:0.25ppm、Cr:0.07ppm、Cu:0.05ppm未満であった。
1…溶融金属収容部、2…アトマイズガス噴射部(構造物)、3…反応器(構造物)、5…固気分離器(構造物)、7…テトラクロロシラン加圧加熱部(構造物)、9…排ガス冷却器(構造物)、10…反応装置、F…溶融金属の細流、P…溶融金属の微小液滴、G…アトマイズガス、L1,L2,L3,L4,L10…ライン(構造物)。
Claims (10)
- 以下の(A)〜(E)のいずれかの製造方法において、
ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料として、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金を用いる製造方法。
(A)金属又は水素によりハロゲン化シランを還元する、シリコンの製造方法
(B)ハロゲン化シランを熱分解する、シリコンの製造方法
(C)ハロゲン化シランと水素とを反応させる、又は、ハロゲン化シランと水素とシリコンとを反応させる、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランの製造方法
(D)シリコンと塩化水素又は塩素とを反応させる、ハロゲン化シランの製造方法
(E)ハロゲン化シランを熱分解する、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランの製造方法 - 前記ニッケル基合金の鉄の質量分率が3%以下であり、さらに、前記ニッケル基合金のモリブデンの質量分率をXMo(%)、タングステンの質量分率をXW(%)としたときに、下式(1)を満足する請求項1記載の製造方法。
XMo+2XW≧26 (1) - 前記ニッケル基合金の鉄の質量分率が0.4%以下である請求項1記載の製造方法。
- 前記ハロゲン化シランが、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、及び、モノクロロシランからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
- 前記ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物は、ハロゲン化シランの反応が行なわれる反応器、前記反応器にハロゲン化シランを供給するハロゲン化シラン供給器、前記反応器から排出される排ガスの冷却器、及び、ハロゲン化シランと固体とを分離する固気分離器、並びに前記の各機器の相互を連結する配管の少なくともいずれかである請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
- 前記構造物の材料は、前記ニッケル基合金の層の表面に保護層を設けたものである請求項1〜5のいずれか記載のシリコンの製造方法。
- 前記ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の内側にさらに第2の構造物を備え、前記第2の構造物の材料がアルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、炭素及びシリコンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
- 以下の(A)〜(E)のいずれかの製造装置において、
ハロゲン化シランが存在する空間を形成する構造物の材料が、鉄の質量分率が10%以下のニッケル基合金である製造装置。
(A)金属又は水素によりハロゲン化シランを還元する、シリコンの製造装置
(B)ハロゲン化シランを熱分解する、シリコンの製造装置
(C)ハロゲン化シランと水素とを反応させ、又は、ハロゲン化シランと水素とシリコンとを反応させる、前記ハロゲン化シランとは別種のハロゲン化シランの製造装置
(D)シリコンと塩化水素又は塩素とを反応させる、ハロゲン化シランの製造装置
(E)ハロゲン化シランを熱分解して、前記と別種のハロゲン化シランを得る製造装置 - 前記ニッケル基合金の鉄の質量分率が3%以下であり、さらに、前記ニッケル基合金のモリブデンの質量分率をXMo(%)、タングステンの質量分率をXW(%)としたときに、下式(1)を満足する請求項7記載の製造装置。
XMo+2XW≧26 (1) - 前記ニッケル基合金の鉄の質量分率が0.4%以下である請求項8記載の製造装置。
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