JP2009208584A - 車両のパワーユニットマウント構造 - Google Patents

車両のパワーユニットマウント構造 Download PDF

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Abstract

【課題】車両に生ずる低周波の前後振動抑制に好適な車両のパワーユニットマウント構造を提供する。
【解決手段】パワーユニット1として、車両前部にエンジン2及びトランスミッション3を横置きに配置されて、車両前後方向位置に配置された一対のマウント5、6により車体7に弾性支持され、パワーユニット1が発生するトルクにより前輪20を駆動するよう構成し、前記車両前方側のマウント5には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を設け、前記車両後方側のマウント6には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を設けるようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両のパワーユニットマウント構造に関し、特に、車両に生ずる低周波の前後振動抑制に好適な車両のパワーユニットマウント構造に関するものである。
従来から車体に対するパワーユニット(エンジン)からの振動低減とパワーユニット支持剛性の向上とを両立できるようにするため、パワーユニットの下部の前部と後部に、それぞれ左右一対ずつの取付部品を、車両の前後方向から見て、左右の部品が駆動軸の両側に分かれて互いに離間するように配設すると共に、それぞれの取付部品に設けられている弾性部材を、車両の側方から見て、パワーユニットの重心Gを中心とした円周方向に対し、略同方向でバネ定数が小さく、略直交する方向でバネ定数が大きくなるように構成する車両のパワーユニットの支持装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002-302087号公報
ところで、車両走行時において、車両が前後に低周波(周波数5〜10Hz程度)で振動する現象がある。これは、エンジンの不正燃焼(例えば、サージ等による出力変動)やタイヤの偏心等が起振元となり、パワーユニットの回転部・ドライブシャフト・タイヤ等からなる駆動力伝達系や、エンジン・トランスミッション等からなるパワーユニットを弾性支持するマウント伝達系が共振することで発生する。
即ち、前記駆動力伝達系やマウント伝達系は、上記周波数領域内に必ず共振周波数を持つので、走行中のエンジン回転や車両速度が変化して、エンジン加振力又はタイヤ加振力の周波数がこの共振周波数と一致したときは、どうしても車両の前後振動が大きくなり、乗り心地を損ねるという問題点があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、車両に生ずる低周波の前後振動抑制に好適な車両のパワーユニットマウント構造を提供することを目的とする。
本発明は、エンジンのクランクシャフトを挟んでその左右両側に配置されるマウントにより車体に弾性支持される車両のパワーユニットマウント装置において、前記一方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備え、前記他方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備えるようにした。
したがって、本発明では、エンジンのクランクシャフトを挟んでその左右両側に配置される一方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備え、他方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備えるようにした。このため、エンジン加振力やタイヤ加振力等の反作用によりパワーユニットにクランク軸を中心に逆方向に回転させるモーメント力が働き、各マウントの方向変換機構によりパワーユニットを、前記エンジン加振力やタイヤ加振力等により車両に生ずる前後方向の振動に対向する車両前後方向のいずれかへ付勢して、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
以下、本発明の車両のパワーユニットマウント構造を各実施形態に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図5は、本発明を適用した車両のパワーユニットマウント構造の第1実施形態を示し、図1は第1実施形態のパワーユニットマウント構造の車両側方よりの側面図、図2および図3はマウント装置の断面図、図4は作動状態を示す説明図、図5は車両に対する作動状態を示す説明図である。
図1は、車両進行方向左側面から見て模式的に表した車両のパワーユニットマウント構造を示し、エンジン2とトランスミッション3からなるパワーユニット1は、車両前方(図中左側)と車両後方(図中右側)において、フロントマウント5およびリアマウント6により車体7に弾性支持されている。エンジン2のクランクシャフト4はトランスミッション3・図示しないドライブシャフトを介して前車輪を駆動するよう構成された、横置きエンジン・トランスミッションを備える一般的なフロントエンジン・フロントドライブ(FF)のパワーユニット1である。
前記リアマウント6は、図2に示すように、車体7に対して上下方向に弾性支持するマウンティングインシュレータ10の上部に、上下方向管12と車両前後方向に配置した前後方向管13とを備えるL字状に曲げた膨張しないL字管11を備え、上下方向管12の上端開口と前後方向管13の車両後方側の開口には、夫々の開口に対して摺動移動可能な可動ピストン(上下可動ピストン14、前後可動ピストン15)を閉塞配置し、これらピストン14、15とL字管11とで閉塞された閉空間には非圧縮性の流体が充填された構成の方向変換機構としての流体リンク機構16を備える。そして、流体リンク機構16を構成する上下可動ピストン14をパワーユニット1に連結し、前後可動ピストン15を前記マウンティングインシュレータ10の車体7側金具に連結して構成している。
したがって、このリアマウント6は、パワーユニット1から下方に向う力が作用すると上下可動ピストン14をL字管11の上端開口内に押込み、流体を介して前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両後方側開口から押出すよう作用する。
前記フロントマウント5は、図3に示すように、車体7に対して上下方向に弾性支持するマウンティングインシュレータ10の上部に、同じく上下方向管12と車両前後方向に配置した前後方向管13とを備えるL字状に曲げた膨張しないL字管11を備え、上下方向管12の下端開口と前後方向管13の車両後方側の開口には、夫々の開口に対して摺動移動可能な可動ピストン(上下可動ピストン14、前後可動ピストン15)を閉塞配置し、これらピストン14、15とL字管11とで閉塞された閉空間には非圧縮性の流体が充填された構成の方向変換機構としての流体リンク機構16を備える。そして、流体リンク機構16を構成する上下可動ピストン14をパワーユニット1に連結し、前後可動ピストン15を前記マウンティングインシュレータ10の車体7側金具に連結して構成している。なお、このフロントマウント5においては、パワーユニット1は、マウント金具17を介して、インシュレータ18によっても上下方向に支持される構成を備える。
したがって、このフロントマウント5は、パワーユニット1から上方に向う力が作用すると上下可動ピストン14をL字管11の下端開口内に押込み、流体を介して前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両後方側開口から押出すよう作用する。
即ち、本実施形態のフロントマウント5とリアマウント6は、フロント側ではパワーユニット1の上方への動きに応じてパワーユニット1を前方に押出すよう作用し、リア側ではパワーユニット1の下方への動きに応じてパワーユニット1を前方に押出すよう作用し、エンジン2のクランクシャフト4を挟んで上下方向逆向きの入力に対してパワーユニット1を前方に押出すよう作用する。
以上の構成の車両のパワーユニットマウント構造の動作について以下に説明する。
図5は車両前部にエンジン2及びトランスミッション3を横置きに配置したパワーユニット1を備え、このパワーユニット1が発生するトルクにより前輪20を駆動する車両を横方向から見たものである。パワーユニット1におけるエンジン2の不正燃焼等により駆動トルクの変動Aが発生すると、このトルク変動Aはパワーユニット1のエンジン2回転部からトランスミッション3・図示しないドライブシャフトを介して前輪20のタイヤへ伝わり、車両を前後方向に振動させる加振力Bに変換される。同時にパワーユニット1には、上記駆動トルク変動Aの反作用として、クランクシャフト4を中心に逆方向に回転させるモーメント力Cが働く。
前記モーメント力Cは、車両前方側のフロントマウント5に対しては、図4に示すように、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に上方向に変位させ、上下可動ピストン14をL字管11の下端開口内に下方から上方へ押込み、L字管11内の流体を介して上方の前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両後方側開口から押出すよう作用することにより、パワーユニット1を車両に対して相対的に車両進行方向Fへ変位させるよう作用する。
また、前記モーメントCは、クランクシャフト4より後ろ側のリアマウント6に対しては、図4に示すように、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に下方向に変位させ、上下可動ピストン14をL字管11の下端開口内に押込み、L字管11内の流体を介して下部の前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両後方側開口から押出すよう作用することにより、パワーユニット1を車両に対して相対的に車両進行方向Fへ変位させるよう作用する。
即ち、パワーユニット1が駆動反力を受け、図4,5において、時計回りに変位したときに、パワーユニット1を車両に対し相対的に車両進行方向へ変位させる動きをするので、パワーユニット1から車両に対して車両進行方向とは逆の方向に力Rを発生する。
その結果、タイヤにより車両を前後に振動させる加振力に対して、反対方向に力Rを作用させることができ、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
ところで、パワーユニット1とマウント5、6とで構成されるマウント伝達系と、パワーユニット1の回転部、図示しないドライブシャフト、タイヤからなる回転捩り部を持つ駆動力伝達系とは、車両構成により互いに位相関係が変化するため、必ずしも上記した構成にすれば振動を低減できるとは限らない場合がある。
その場合には、フロントマウント5とリアマウント6の方向変換機構としての流体リンク機構16を逆の構成、即ち、パワーユニット1が駆動反力を受けて、図4内で時計回りに変位したときに、パワーユニット1側から車両側に対し相対的に車両進行方向とは逆方向へ変位するような動きをするように、流体リンク機構16を設定した方が良い場合もある。
しかしながら、いずれの構成においても、エンジン2のクランクシャフト4を挟んで、パワーユニット1の上下方向の動きを車両前後方向に変換できる方向変換機構としての流体リンク機構16を備えた一対以上のマウント機構を配置し、一対のマウント機構について、上下方向に変位したときの流体リンク機構16の車両前後方向の変換方向を互いに逆向きにすることで、車両に生ずる前後方向の振動低減効果を得ることができることは同じである。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)エンジン2のクランクシャフト4を挟んでその左右両側に配置されるマウント5、6により車体7に弾性支持される車両のパワーユニットマウント装置において、前記一方のマウント5は、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を備え、前記他方のマウント6は、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を備えるようにした。したがって、エンジン加振力やタイヤ加振力等の反作用によりパワーユニット1にクランク軸を中心に逆方向に回転させるモーメント力が働き、各マウント5、6の方向変換機構(16)によりパワーユニット1を、前記エンジン加振力やタイヤ加振力等により車両に生ずる前後方向の振動に対向する車両前後方向のいずれかへ付勢して、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
(イ)パワーユニット1として、車両前部にエンジン2及びトランスミッション3を横置きに配置されて、車両前後方向位置に配置された一対のマウント5、6により車体7に弾性支持され、パワーユニット1が発生するトルクにより前輪20を駆動するよう構成し、前記車両前方側のマウント5には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を設け、前記車両後方側のマウント6には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を設けることにより、横置きエンジン横置きトランスミッションを車両前部に備えて前輪を駆動するフロントエンジン・フロントドライブの車両において、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
(ウ)また、上記した(イ)によって車両に生ずる前後振動を低減できない場合には、前記車両前方側のマウント5には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を設け、前記車両後方側のマウント6には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を設けることにより、横置きエンジン横置きトランスミッションを備えて前輪を駆動するフロントエンジン・フロントドライブの車両において、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
(エ)方向変換機構(16)として、車両前後方向に配置された前後方向管13と前後方向管13に連ねて上下方向に延びる上下方向管12とを備えるL字状の膨張しないL字管11と、前記L字管11における前後方向管13の開口に摺動移動可能に閉塞配置され且つ車体7側に連結された前後可動ピストン15と、前記L字管11における上下方向管12の開口に摺動移動可能に閉塞配置され且つパワーユニット1に連結された上下可動ピストン14と、を備え、前記各ピストン14、15とL字管11とで閉塞された閉空間に非圧縮性の流体を充填し、パワーユニット1のロール変位による上下可動ピストン14への入力移動を流体を介して前後可動ピストン15の出力移動に変換することにより、エンジン加振力やタイヤ加振力により車両に生ずる前後振動に対向させて、パワーユニット1を簡易な装置により前後方向に付勢することができる。
(第2実施形態)
図6〜図8は、本発明を適用した車両のパワーユニットマウント構造の第2実施形態を示し、図6はリアマウントの構成図、図7はリアマウントの作動状態を示す説明図、図8は低速変速段と高速変速段による走行時における車両前後方向の振動レベル特性を示す特性図である。本実施形態においては、パワーユニットよりの上下方向入力に対して前後作用出力方向を変更可能とした方向変換機構としての流体リンク機構16を備える構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図6は本実施形態におけるパワーユニットマウント構造に使用するリアマウント6の構成を示し、車体7に対して上下方向に弾性支持するマウンティングインシュレータ10の上部に方向変換機構としての流体リンク機構16を配置して備える。この流体リンク機構16は、両端が開いた前後方向管13と前後方向管13の中央部分から分岐して上下方向上方に延びる上下方向管12とを備える逆T字状の膨張しないT字管23を備える。前記前後方向管13の両端開口と上下方向管12の上端開口には、夫々の開口に対して摺動移動可能な可動ピストン(一個の上下可動ピストン14、二個の前後可動ピストン15A、15B)を閉塞配置し、これらピストン14、15A、15BとT字管23とで閉塞された閉空間には非圧縮性の流体を充填し、上下可動ピストン14をパワーユニット1に連結し、各前後可動ピストン15A,15Bを前記マウンティングインシュレータ10の車体7側金具に連結する。そして、前後方向管13の上下方向管12が分岐する部分の両側には、流体の流動を制御する切替弁24A、24Bを夫々配置して備え、この一対の切替弁24A,24Bはいずれか一方が開かれるときには他方が閉じられ、他方が開かれるとき一方が閉じられ、流体リンク機構16の作動方向を制御するよう構成している。また、各切替弁24A,24Bと前後可動ピストン15A,15Bとで閉塞される前後方向管13には、夫々切替弁24A,24Bが閉じられた際における前後可動ピストン15A,15Bの移動を許容するための外気開放管25が上方に分岐配置され、各外気開放管25には当該側の切替弁24A,24Bが開放された際に当該側の前後方向管13を閉塞するための閉塞弁26が配置されている。
したがって、このリアマウント6は、パワーユニット1から下方に向う力が作用すると上下可動ピストン14をT字管23の上端開口内に押込み、流体を介して、切替弁24A,24Bが開放されている側の前後方向管13に配置した前後可動ピストン15A,15Bを押出すよう作用する。その際の反作用によりT字管23が車両前方若しくは車両後方に移動するため、切替弁24A,24Bが閉じられている前後方向管13の前後可動ピストン15A,15Bは当該前後方向管13内に押込まれ、当該側の遮断弁26は開放されているため、当該前後可動ピストン15A,15Bの移動を許容する。
本実施形態におけるパワーユニットマウント構造に使用するフロントマウント5の方向変換機構としての流体リンク機構16は、図6に破線で示すように、上下方向管12が前後方向管13の中央部より実線で示す上下方向上方ではなく、上下方向下方に分岐して配置され、その先端開口に上下可動ピストン14が摺動移動可能に配置され、パワーユニット1に連結される構成となっている。なお、このフロントマウント5においては、パワーユニット1に対して、図示しないインシュレータによって上下方向に支持する構成を備える。
以上の構成の車両のパワーユニットマウント構造においては、図5に示すように、パワーユニット1におけるエンジン2の不正燃焼等により駆動トルクの変動Aが発生すると、このトルク変動Aはパワーユニット1のエンジン2回転部からトランスミッション3・図示しないドライブシャフト・タイヤを伝わり、車両を前後方向に振動させる加振力Bに変換される。同時にパワーユニット1には、上記駆動トルク変動Aの反作用として、クランクシャフト4を中心に逆方向に回転させるモーメント力Cが働く。
前記モーメント力Cは、クランクシャフト4より車両前方側のフロントマウント5に対しては、図4に示すように、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に上方向に変位させ、上下可動ピストン14をT字管23の下端開口内に下方から上方へ押込み、クランクシャフト4より後ろ側のリアマウント6に対しては、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に下方向に変位させ、上下可動ピストン14をT字管23の上端開口内に押込む。
図6に示す切替弁24A,24Bおよび遮断弁26の開閉状態、即ち、車両後方側の切替弁24Aが開放状態(遮断弁26は閉じ状態)であり、車両前方側の切替弁24Bが遮断状態(遮断弁26は開放状態)である場合においては、フロントマウント5およびリアマウント6のいずれにおいても、T字管23内の流体を介して車両後方の前後方向管13に配置した前後可動ピストン15Aを車両後方側開口から押出すよう作用することにより、パワーユニット1を車両に対して相対的に車両進行方向Fへ変位させるよう作用する。
従って、パワーユニット1が駆動反力を受け、図4,5において、時計回りに変位したときに、パワーユニット1を車両に対し相対的に車両進行方向へ変位させる動きをするので、パワーユニット1から車両に対して車両進行方向とは逆の方向に力Rを発生する。その結果、タイヤにより車両を前後に振動させる加振力に対して、反対方向に力Rを作用させることができ、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
ところで、パワーユニット1とマウントとで構成されるマウント伝達系と、パワーユニット1の回転部、ドライブシャフト、タイヤからなる回転捩り部を持つ駆動力伝達系とは、車両構成により互いに位相関係が変化するため、必ずしも上記した構成にすれば振動を低減できるとは限らない場合がある。
その場合には、図7に示す切替弁24A,24Bおよび遮断弁26の開閉状態、即ち、車両前方側の切替弁24Bが開放状態(遮断弁26は閉じ状態)であり、車両後方側の切替弁24Aが遮断状態(遮断弁26は開放状態)とする。前記モーメント力Cは、クランクシャフト4より車両前方側のフロントマウント5に対しては、図4に示すように、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に上方向に変位させ、上下可動ピストン14をT字管23の下端開口内に下方から上方へ押込み、クランクシャフト4より後ろ側のリアマウント6に対しては、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に下方向に変位させ、上下可動ピストン14をT字管23の上端開口内に押込む。
フロントマウント5およびリアマウント6のいずれにおいても、T字管23内の流体を介して車両前方の前後方向管13に配置した前後可動ピストン15Bを車両前方側開口から押出すよう作用することにより、パワーユニット1を車両に対して相対的に車両進行方向とは逆方向へ変位させるよう作用する。
従って、パワーユニット1が駆動反力を受け、図4,5において、時計回りに変位したときに、パワーユニット1を車両に対し相対的に車両進行方向とは逆方向へ変位させる動きをするので、パワーユニット1から車両に対して車両進行方向に力を発生する。その結果、タイヤにより車両を前後に振動させる加振力に対して、反対方向に力を作用させることができ、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
本構成のパワーユニットマウント構造は、パワーユニット1側の上下の動きを車両進行方向前後方向の動きに変換でき、かつ、その位相が切替可能になるので、本構成のフロントマウント5およびリアマウント6を対にしてエンジン2のクランクシャフト4を挟んで配置することで、エンジン2の不正燃焼等によりトルク変動が発生し、車両が前後に振動したときに、マウント伝達系と駆動力伝達系の位相関係に関わらず、常にパワーユニット1側から逆向きの力を発生させることが可能になるために、状況に関わらず常に全周波数領域で前後方向振動低減ができる。
図8は、エンジン2から不正燃焼によるトルク変動が入力されたときの、横軸に周波数、縦軸に車両前後振動レベルとした、車両の前後振動周波数特性を示すものである。図内実線は、トランスミッション3の変速比が大きい(Loギヤ)ときの周波数特性である。このようにピーク周波数が低周波数側となる理由は、変速比が大きな低速段(Loギヤ)ではエンジン2、トランスミッション3の捩り共振周波数がどうしても低くなるためである。したがって、このような場合には、エンジン不正燃焼加振力が低周波数になるエンジン回転が低回転のとき、あるいはタイヤの加振力が低周波になる低車速のときに振動が問題になる。
本実施形態では、このような低速段での走行時には、図6に示すような、切替弁24A,24Bの開閉状態とすることで、上述したように、パワーユニット1が駆動反力を受けて変位したときに、パワーユニット1を車両に対し相対的に車両進行方向へ変位させる動きをするので、パワーユニット1から車両に対して車両進行方向とは逆の方向に力Rを発生する。その結果、タイヤにより車両を前後に振動させる加振力に対して、反対方向に力Rを作用させることができ、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
また、図内破線は、トランスミッション3の変速比が小さい(Hiギヤ)ときの周波数特性である。このようにピーク周波数が高くなる理由は、変速比が小さな高速段(Hiギヤ)ではエンジン2、トランスミッション3の捩り共振周波数がどうしても高くなるためである。したがって、このような場合には、エンジン不正燃焼による加振力が高周波数になるエンジン回転が高回転のとき、あるいはタイヤの加振力が高周波になる高車速のときに振動が問題になる。
本実施形態では、このような高速段での走行時には、図7に示すような、切替弁24A,24Bの開閉状態とすることで、上述したように、パワーユニット1が駆動反力を受けて変位したときに、パワーユニット1を車両に対し相対的に車両進行方向とは逆方向へ変位させる動きをするので、パワーユニット1から車両に対して車両進行方向に力を発生する。その結果、タイヤにより車両を前後に振動させる加振力に対して、反対方向に力を作用させることができ、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、低速段(Loギヤ)のときと高速段(Hiギヤ)のときとで、上述した振動伝達特性が変わり、各々のピークでの加振力に対する位相が違ってくるので、低速段のときと高速段のときとで、パワーユニット1が回転加振力の反作用モーメントを受けた際のパワーユニット1側を車両側に対して相対的に車両進行方向に変位させるか、車両進行逆方向に変位させるかを切換えることができる。即ち、パワーユニット1がロール振動したときに、変換されるパワーユニット1を前後方向に変位する方向を切替可能とするパワーユニットマウントシステムとすることで、変速段に関わらず、常に振動低減させる方向にのみ位相を制御することができ、あらゆる走行条件に渡って乗り心地を向上させることができる。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(エ)に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
(オ)一方のマウント5には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニット1に対して、車両進行方向に変位させる付勢力を付与する機構と、車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する機構とを切替可能な方向変換機構を備え、前記他方のマウント6には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニット1に対して、車両進行方向に変位させる付勢力を付与する機構と、車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する機構とを切替可能な方向変換機構を備え、車両の走行状態、例えば、トランスミッション3の変速段に応じて前記方向変換機構の付勢力付与方向を切換えるようにしたことにより、振動伝達特性が変わり、各々のピークでの加振力に対する位相が違ってくる場合であっても、変速段に関わらず、常に振動低減させる方向にのみ位相を制御することができ、あらゆる走行条件に渡って乗り心地を向上させることができる。
(カ)方向変換機構として、車両前後方向に配置されて両端が開いた前後方向管13と前後方向管13の中央部分から分岐して上下方向に延びる上下方向管12とを備えるT字状の膨張しないT字管23と、前記T字管23における前後方向管13の両端開口に夫々摺動移動可能に閉塞配置され且つ車体7側に連結された一対の前後可動ピストン15A,15Bと、前記T字管23における上下方向管12の開口に摺動移動可能に閉塞配置され且つパワーユニット1に連結された上下可動ピストン14と、前記前後方向管13の上下方向管12が分岐する部分の両側に夫々配置され、一方が開かれるときには他方が閉じられ、他方が開かれるとき一方が閉じられる一対の切替弁24A,24Bと、を備え、前記各ピストン14,15A,15BとT字管23とで閉塞された閉空間に非圧縮性の流体を充填し、パワーユニット1のロール変位による上下可動ピストン14への入力移動を流体を介して開放している切替弁24A,24B側の前後可動ピストン15A,15Bの出力移動に変換することにより、エンジン2の不正燃焼等によりトルク変動が発生し、車両が前後に振動したときに、マウント伝達系と駆動力伝達系の位相関係に関わらず、常にパワーユニット1側から逆向きの力を発生させることが可能になるために、状況に関わらず常に全周波数領域で前後方向振動低減ができる。
(第3実施形態)
図9〜図13は、本発明を適用した車両のパワーユニットマウント構造の第3実施形態を示し、図9はパワーユニットおよび駆動輪の車両レイアウトを示す側面図、図10はパワーユニットマウント構造の車両後方よりの正面図、図11はパワーユニットマウント構造の車両側方よりの側面図、図12〜図13は作動状態を夫々示す正面図および側面図である。本実施形態においては、第1,2実施形態の方向変換機構を備えるマウント構造をフロントエンジン後輪駆動(FR)の車両の縦置きのパワーユニットのマウント構造に適用したものである。なお、第1,2実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施形態のパワーユニット1は、図9に示すように、車両前部にエンジン2及びトランスミッション3からなるパワーユニット1を縦置きに配置しており、このパワーユニット1が発生するトルクをプロペラシャフト30を介して後輪車軸上のファイナルドライブ31で車両横方向に変換し、後輪21で駆動する車両を対象としている。前記パワーユニット1は、図10に示すように、そのエンジン2の車両左右方向において、夫々右マウント8および左マウント9を介して車体7に弾性支持され、トランスミッション3の下部においてもリアマウント33により車体7に弾性支持されている。
ここで、パワーユニット1よりの動力により回転されるプロペラシャフト30の回転方向が、車両前進時に車両後方から見て反時計回りであるとして説明するが、前記プロペラシャフト30の回転方向が時計回りである場合には、以下の説明における左右マウント8,9のレイアウトが逆となる。
図10において、右マウントは8、第1実施形態におけるリアマウント6と同様に、パワーユニット1から下方に向う力が作用すると上下可動ピストン14をL字管11の上端開口内に押込み、流体を介して前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両後方側開口から押出すよう構成している。
また、左マウント9は、第1実施形態におけるフロントマウント5と同様に、パワーユニット1から上方に向う力が作用すると上下可動ピストン14をL字管11の下端開口内に押込み、流体を介して前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両後方側開口から押出すよう構成している。
以上の構成の車両のパワーユニットマウント構造においては、図9に示すように、パワーユニット1におけるエンジン2の不正燃焼等により駆動トルクの変動Aが発生すると、このトルク変動Aはパワーユニット1のエンジン回転部からトランスミッション3・プロペラシャフト30・ファイナルドライブ31・ドライブシャフト34を介してタイヤへ伝わり、車両を前後方向に振動させる加振力Bに変換される。同時にパワーユニット1には、上記駆動トルク変動Aの反作用として、クランクシャフト4を中心に逆方向に回転させる(時計回り)モーメント力Cが働く。
前記モーメント力Cは、クランクシャフト4より車両左側の左マウント9に対しては、図12に示すように、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に上方向に変位させ、左マウント9の流体リンク機構16の上下可動ピストン14をL字管11の下端開口内に下方から上方へ押込み、クランク軸より右側の右マウント8に対しては、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に下方向に変位させ、流体リンク機構16の上下可動ピストン14をL字管11の上端開口内に上方から下方へ押込む。
右マウントおよび左マウントのいずれにおいても、L字管11内の流体を介して車両後方の前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両後方側開口から押出すよう作用することにより、パワーユニット1を車両に対して相対的に車両進行方向Fへ変位させるよう作用する。
従って、パワーユニット1が駆動反力を受け、図9において、車両後方から見て時計回りに変位したときに、パワーユニット1を車両に対し相対的に車両進行方向へ変位させる動きをするので、パワーユニット1から車両に対して車両進行方向とは逆の方向に力Rを発生する。その結果、タイヤにより車両を前後に振動させる加振力に対して、反対方向に力Rを作用させることができ、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
ところで、パワーユニット1とマウントとで構成されるマウント伝達系と、パワーユニット1の回転部、プロペラシャフト30・ファイナルドライブ31・ドライブシャフト34、タイヤからなる回転捩り部を持つ駆動力伝達系とは、車両構成により互いに位相関係が変化するため、必ずしも上記した構成にすれば振動を低減できるとは限らない場合がある。
その場合には、左マウント9および右マウント8の流体リンク機構16のL字管11の前後方向管13を上下方向管12に対して車両前方側に配置し、前方側の開口に前後可動ピストン15を摺動可能に配置して車体7側に連結して構成する。前記モーメント力Cは、クランクシャフト4より車両左側の左マウント9に対しては、図12に示すように、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に上方向に変位させ、上下可動ピストン14をL字管11の下端開口内に下方から上方へ押込み、クランク軸より右側の右マウント8に対しては、パワーユニット1側を車体7に対し相対的に下方向に変位させ、上下可動ピストン14をL字管11の下端開口内に上方から下方に押込む。
左マウント9および右マウント8のいずれにおいても、L字管11内の流体を介して車両前方の前後方向管13に配置した前後可動ピストン15を車両前方側開口から押出すよう作用することにより、パワーユニット1を車両に対して相対的に車両進行方向とは逆方向へ変位させるよう作用する。
従って、パワーユニット1が駆動反力を受け、車両後方側から見て時計回りに変位したときに、パワーユニット1を車両に対し相対的に車両進行方向とは逆方向へ変位させる動きをするので、パワーユニット1から車両に対して車両進行方向に力を発生する。その結果、タイヤにより車両を前後に振動させる加振力に対して、反対方向に力を作用させることができ、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
いずれの構成においても、エンジン2のクランクシャフト4を挟んで、パワーユニット1の上下方向の動きを車両前後方向に変換できる方向変換機構としての流体リンク機構16を備えた一対以上のマウント8,9を配置し、一対のマウント8,9について、上下方向に変位したときの流体リンク機構16の車両前後方向の変換方向を互いに逆向きにすることで、車両に生ずる前後方向の振動低減効果を得ることができることは同じである。
また、図10において、右マウント8に、第2実施形態におけるリアマウント6と同様に、パワーユニット1から下方に向う力が作用すると上下可動ピストン14をT字管23の上端開口内に押込み、流体を介して車両前後方向の両側に配置した前後方向管13に配置した前後可動ピストン15A,15Bのいずれか一方を車両後方側開口若しくは前方側開口から押出すよう構成し、また、左マウント9は、第2実施形態におけるフロントマウント5と同様に、パワーユニット1から上方に向う力が作用すると上下可動ピストン14をT字管23の下端開口内に押込み、流体を介して車両前後方向の両側に配置した前後方向管13に配置した前後可動ピストン15A,15Bのいずれか一方を車両後方側開口若しくは前方側開口から押出すよう構成することもできる。
この場合には、パワーユニット1とマウント8,9とで構成されるマウント伝達系と、パワーユニット1の回転部、プロペラシャフト30・ファイナルドライブ31・ドライブシャフト34、タイヤからなる回転捩り部を持つ駆動力伝達系とが、車両構成により互いに位相関係が変化する場合であっても、車両前後方向に配置した一対の前後方向管13のいずれか一方を切替弁24A,24Bにより選択することにより、車両に生ずる前後方向の振動低減効果を得ることができる。
また、トランスミッション3の低速段(Loギヤ)のときと高速段(Hiギヤ)のときとで、上述した振動伝達特性が変わり、各々のピークでの加振力に対する位相が違ってくる場合には、低速段のときと高速段のときとで、パワーユニット1が回転加振力の反作用モーメントを受けた際のパワーユニット1側を車両側に対して相対的に車両進行方向に変位させるか、車両進行逆方向に変位させるかを切換えるようにしてもよい。即ち、パワーユニット1がロール振動したときに、変換されるパワーユニット1を前後方向に変位する方向を切替可能とするパワーユニットマウントシステムとすることで、変速段に関わらず、常に振動低減させる方向にのみ位相を制御することができ、あらゆる走行条件に渡って乗り心地を向上させることができる。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)、(エ)に加えて、以下に記載する効果を奏することができる。
(キ)パワーユニット1として、車両前部にエンジン2及びトランスミッション3を縦置きに配置して、車両左右方向位置に配置された一対のマウント8,9により車体7に弾性支持され、パワーユニット1が発生するトルクにより後輪21を駆動するよう構成され、前記一方のマウント9には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を備え、前記他方のマウント8には、パワーユニット1がクランクシャフト4回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニット1に対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構(16)を備えることにより、縦置きエンジン縦置きトランスミッション3を車両前部に備えて後輪を駆動するフロントエンジン2・リアドライブの車両において、車両に発生する前後方向の振動レベルを減少させることができ、乗り心地を向上させることができる。
本発明の一実施形態を示す車両のパワーユニットマウント構造の車両側方よりの側面図。 同じくリアマウント装置の断面図。 同じくフロントマウント装置の断面図。 パワーユニットマウント構造の作動状態を示す説明図。 車両に対する作動状態を示す説明図。 本発明の第2実施形態を示す車両のパワーユニットマウント構造のリアマウントの構成図。 リアマウントの作動状態を示す説明図。 低速変速段と高速変速段による走行時における車両前後方向の振動レベル特性を示す特性図。 本発明の第2実施形態を示す車両のパワーユニットマウント構造のパワーユニットおよび駆動輪の車両レイアウトを示す側面図。 パワーユニットマウント構造の車両後方よりの正面図。 パワーユニットマウント構造の車両側方よりの側面図。 パワーユニットマウント構造の作動状態を夫々示す車両後方よりの正面図。 パワーユニットマウント構造の作動状態を夫々示す側面図。
符号の説明
1 パワーユニット
2 エンジン
3 トランスミッション
4 クランクシャフト
5 フロントマウント
6 リアマウント
7 車体
8 右マウント
9 左マウント
10 マウンティングインシュレータ
11 L字管
12 上下方向管
13 前後方向管
14 上下可動ピストン
15 前後可動ピストン
16 方向変換機構としての流体リンク機構

Claims (7)

  1. エンジンのクランクシャフトを挟んでその左右両側に配置されるマウントにより車体に弾性支持される車両のパワーユニットマウント装置において、
    前記一方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備え、
    前記他方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備えることを特徴とする車両のパワーユニットマウント装置。
  2. 前記パワーユニットは、車両前部にエンジン及びトランスミッションを横置きに配置されて、車両前後方向位置に配置された一対のマウントにより車体に弾性支持され、パワーユニットが発生するトルクにより前輪を駆動するよう構成され、
    前記車両前方側のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備え、
    前記車両後方側のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両のパワーユニットマウント装置。
  3. 前記パワーユニットは、車両前部にエンジン及びトランスミッションを横置きに配置されて、車両前後方向位置に配置された一対のマウントにより車体に弾性支持され、パワーユニットが発生するトルクにより前輪を駆動するよう構成され、
    前記車両前方側のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備え、
    前記車両後方側のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両のパワーユニットマウント装置。
  4. 前記一方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニットに対して、車両進行方向に変位させる付勢力を付与する機構と、車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する機構とを切替可能な方向変換機構を備え、
    前記他方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニットに対して、車両進行方向に変位させる付勢力を付与する機構と、車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する機構とを切替可能な方向変換機構を備え、
    車両の走行状態に応じて前記方向変換機構の付勢力付与方向を切換えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両のパワーユニットマウント装置。
  5. 前記方向変換機構は、車両前後方向に配置されて両端が開いた前後方向管と前後方向管の中央部分から分岐して上下方向に延びる上下方向管とを備えるT字状の膨張しないT字管と、
    前記T字管における前後方向管の両端開口に夫々摺動移動可能に閉塞配置され且つ車体側に連結された一対の前後可動ピストンと、前記T字管における上下方向管の開口に摺動移動可能に閉塞配置され且つパワーユニットに連結された上下可動ピストンと、
    前記前後方向管の上下方向管が分岐する部分の両側に夫々配置され、一方が開かれるときには他方が閉じられ、他方が開かれるとき一方が閉じられる一対の切替弁と、を備え、
    前記各ピストンとT字管とで閉塞された閉空間に非圧縮性の流体を充填し、パワーユニットのロール変位による上下可動ピストンへの入力移動を流体を介して開放している切替弁側の前後可動ピストンの出力移動に変換することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の車両のパワーユニットマウント装置。
  6. 前記方向変換機構は、車両前後方向に配置された前後方向管と前後方向管に連ねて上下方向に延びる上下方向管とを備えるL字状の膨張しないL字管と、
    前記L字管における前後方向管の開口に摺動移動可能に閉塞配置され且つ車体側に連結された前後可動ピストンと、前記L字管における上下方向管の開口に摺動移動可能に閉塞配置され且つパワーユニットに連結された上下可動ピストンと、を備え、
    前記各ピストンとL字管とで閉塞された閉空間に非圧縮性の流体を充填し、パワーユニットのロール変位による上下可動ピストンへの入力移動を流体を介して前後可動ピストンの出力移動に変換することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両のパワーユニットマウント装置。
  7. 前記パワーユニットは、車両前部にエンジン及びトランスミッションを縦置きに配置されて、車両左右方向位置に配置された一対のマウントにより車体に弾性支持され、パワーユニットが発生するトルクにより後輪を駆動するよう構成され、
    前記一方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に上方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備え、
    前記他方のマウントは、パワーユニットがクランクシャフト回りにロールして相対的に下方向に変位した際にパワーユニットに対して車両進行方向若しくは車両進行方向とは逆方向に変位させる付勢力を付与する方向変換機構を備えることを特徴とする請求項1、請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の車両のパワーユニットマウント装置。
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