JP2009173089A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体の多様な上下振動(バウンシング)を適切に抑制することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】前後輪を独立して車体に支持するサスペンション機構と、前後輪の制・駆動力を独立して制御可能な制駆動力制御手段(ステップS4)と、走行もしくは制動のために前後輪に作用させる制・駆動力とは別に振動抑制駆動力および振動抑制制動力を前後輪に作用させることにより車体の上下振動を抑制する上下振動抑制手段(ステップS4)とを備えた車両の制御装置において、車体のばね上変位量とばね上速度とばね上加速度とから車体の上下振動を検出する上下振動検出手段(ステップS1,S2)と、車体のばね上変位量およびばね上速度およびばね上加速度の3つのパラメータに基づいて振動抑制駆動力および振動抑制制動力を算出する振動抑制力算出手段(ステップS3)とを備えている。
【選択図】 図4
【解決手段】前後輪を独立して車体に支持するサスペンション機構と、前後輪の制・駆動力を独立して制御可能な制駆動力制御手段(ステップS4)と、走行もしくは制動のために前後輪に作用させる制・駆動力とは別に振動抑制駆動力および振動抑制制動力を前後輪に作用させることにより車体の上下振動を抑制する上下振動抑制手段(ステップS4)とを備えた車両の制御装置において、車体のばね上変位量とばね上速度とばね上加速度とから車体の上下振動を検出する上下振動検出手段(ステップS1,S2)と、車体のばね上変位量およびばね上速度およびばね上加速度の3つのパラメータに基づいて振動抑制駆動力および振動抑制制動力を算出する振動抑制力算出手段(ステップS3)とを備えている。
【選択図】 図4
Description
この発明は、車輪に付与するトルクを制御することにより車両の挙動を制御する車両の制御装置に関するものである。
近年、電気自動車の一形態として、車輪にモータを組み込んで車輪をモータで直接駆動するいわゆるインホイールモータ方式の車両が開発されている。このインホイールモータ方式の電気自動車の利点としては、各車輪に組み込んだモータを個別に力行制御もしくは回生制御することにより、各車輪に付与する駆動トルクもしくは制動トルクを個別に制御して車両の駆動力および制動力を走行状態に応じて適宜に制御することができる点、また、従来のエンジンやトランスミッションなどのドライブトレーンが不要になることにより、車両の室内やトランクルームなどの空間を広く取ることができる点などが挙げられる。その反面、車輪に比較的重量の大きいモータが組み込まれることにより、車両のばね下重量が増加し、それに伴って車両のばね下振動が増大する。そのため、車輪の接地荷重の変動が大きくなり、その結果、車体の上下振動すなわちいわゆる車体のバウンシングが発生して、車両の乗り心地が低下してしまうという課題がある。
車体のバウンシングは、例えば、サスペンションのコイルスプリングのばね定数を大きくしたり、あるいはショックアブソーバの減衰力を強めたりするなどして、サスペンションを硬めに設定することによって抑制することができるが、この場合も、サスペンションが硬くなることにより乗り心地が低下してしまう。
このような課題に対して、特許文献1には、車体のバウンシングに応じて各車輪に作用させるべき駆動力または制動力が計算され、そしてその計算された駆動力または制動力を走行のための駆動力に付加することにより、バウンシング発生時に上昇した車体(サスペンションにより規定される各瞬間回転中心)に下方向の力を作用させ、もしくはバウンシング発生時に下降した車体に上方向の力を作用させて、バウンシングを抑制するとともに、車輪の接地荷重の変動に対しては、各車輪の上下振動を許容するように各車輪に対して上下方向の力を発生させることにより、接地荷重の変動を抑制する制御を実行するように構成されたインホイールモータ方式の車両の制駆動力制御装置が記載されている。
この特許文献1に記載されている制駆動力制御装置によれば、車体のばね上加速度に基づいて計算された車体の平均ばね上変位と平均ばね上速度とに応じて、具体的には、例えば図6に示すような平均ばね上変位と平均ばね上速度とに応じて変化する制駆動力を示すマップ(制駆動力テーブル)から、バウンシングを抑制するために付加される制駆動力が求められる。そして、その求められた制駆動力が走行のための制駆動力に付加されて、それらの合計の駆動力を発生するようにインホイールモータが制御される。そのため、車体の上下振動を抑制する方向に力を作用させることができ、その結果、サスペンションを硬めに設定することなく乗り心地を維持した上で、車体のバウンシングを抑制して車両の走行安定性の向上を図ることができる、とされている。
この特許文献1に記載されているバウンシングの抑制制御は、上記のように、平均ばね上変位と平均ばね上速度との2つのパラメータのみに基づいて、すなわちそれら平均ばね上変位と平均ばね上速度との2つのパラメータから設定されるマップに基づいて、そのバウンシング抑制制御において付加される制駆動力が求められるようになっている。しかしながら、車体のバウンシングの状態は多様であり、そのため、バウンシングの変位の仕方によっては、上記のようなバウンシング抑制制御を実行してもバウンシングを適切に抑制できない場合があった。
例えば図7に示すように、変位開始時(時刻t0)から時刻t1までの総変位量すなわち平均ばね上変位が互いに等しいケースI(平均ばね上速度が時間に対して概ね比例的に上昇する、すなわち平均ばね上加速度が概ね一定となるケース)と、ケースII(平均ばね上速度が時間毎に大小に変化しながら上昇する、すなわち平均ばね上加速度が時間毎に異なるケース)との2通りの変位状態を考える。この場合、時刻t0から時刻t1までの間において各ケースの時間毎の平均ばね上速度を示す線と時間軸Tとで囲まれる部分の面積が互いに等しくなる(図yでは、ケースIの線とケースIIの線とで囲まれる斜線部aおよび斜線部bの面積が互いに等しい場合の例を示してある)。このとき、時刻t1で各ケースの線が互いに交差するP点に着目すると、各ケースの平均ばね上速度および平均ばね上変位はそれぞれ互いに等しくなっている。したがって、P点において、上記のように平均ばね上変位と平均ばね上速度との2つのパラメータから設定されるマップに基づいて、そのバウンシング抑制制御において付加される制駆動力ΔF’を求めたとすると、ケースAの場合もケースBの場合も求められる制駆動力ΔF’の値は同じになる。
しかしながら、P点においては、上記のように各ケースの平均ばね上速度および平均ばね上変位はそれぞれ互いに等しい値になるものの、ケースIの平均ばね上加速度の値とケースIIの平均ばね上加速度の値とは互いに異なっている。すなわちケースIの平均ばね上加速度の方がケースIIの平均ばね上加速度よりも大きくなっている。そのため、上記のようにして平均ばね上変位と平均ばね上速度とのみに基づいて求めた制駆動力ΔF’によりバウンシング抑制制御を行った場合、仮にケースIIのようなバウンシングに対して適切にそのバウンシングを抑制できたとしても、ケースIのような平均ばね上加速度が大きいバウンシングに対しては、制駆動力ΔF’の大きさが不足して十分なバウンシング抑制効果が得られない可能性がある。あるいは反対に、仮にケースIのようなバウンシングに対して適切にそのバウンシングを抑制できたとしても、ケースIIのような平均ばね上加速度が小さいバウンシングに対しては、制駆動力ΔF’の大きさが過剰になってしまい新たなバウンシングを発生させてしまう可能性がある。
このように、平均ばね上変位と平均ばね上速度との2つのパラメータのみに基づいてバウンシング抑制制御を行うようにした従来の技術においては、多様なバウンシングの状態に対応して適切にバウンシング抑制制御を行うためには未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、車体の多様な上下振動(バウンシング)を適切に抑制することができる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、少なくとも前後輪をそれぞれ独立して車体に支持するサスペンション機構と、前記前後輪の駆動力および制動力をそれぞれ独立して制御可能な制駆動力制御手段と、前記車体の上下振動の状態に応じて、走行もしくは制動のために前記前後輪に作用させる駆動力もしくは制動力とは別に振動抑制駆動力および振動抑制制動力を前記前後輪にそれぞれ作用させることにより前記上下振動を抑制する上下振動抑制手段とを備えた車両の制御装置において、前記車体のばね上変位と前記車体のばね上速度と前記車体のばね上加速度とを求め前記上下振動を検出する上下振動検出手段と、前記上下振動検出手段により、抑制すべき前記上下振動が検出された場合に、該上下振動検出手段により求められた前記ばね上変位および前記ばね上速度および前記ばね上加速度の3つのパラメータに基づいて前記振動抑制駆動力および前記振動抑制制動力を算出する振動抑制力算出手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記振動抑制力算出手段が、前記3つのパラメータに基づいて予め設定されたマップから前記振動抑制駆動力および振動抑制制動力を求める手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記上下振動抑制手段が、互いに大きさが等しい前記振動抑制駆動力と前記振動抑制制動力とを、それぞれ、前記前輪と前記後輪とに、もしくは前記後輪と前記前輪とに振り分けて作用させる手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記上下振動検出手段が、前記ばね上変位および前記ばね上速度および前記ばね上加速度がいずれもそれぞれ予め設定された閾値よりも大きい場合に前記抑制すべき上下振動であると判断する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記制駆動力制御手段が、前記前後輪の少なくともいずれか一方に駆動トルクもしくは制動トルクを付与する電動機の回転を制御することにより前記振動抑制駆動力および前記振動抑制制動力を制御する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記電動機が、前記前後輪と共に前記サスペンション機構を介して前記車体に支持されるインホイールモータを含むことを特徴とする制御装置である。
したがって、請求項1の発明によれば、車体のばね上変位と車体のばね上速度と車体のばね上加速度とが求められ、それらばね上変位およびばね上速度およびばね上加速度の3つのパラメータに基づいて車体の上下振動が検出される。そして抑制すべき車体の上下振動が検出された場合には、上記のばね上変位およびばね上速度およびばね上加速度の3つのパラメータに基づいて車体の上下振動を抑制するために前後輪へ作用させる振動抑制駆動力および振動抑制制動力が求められる。そのため、車体の上下振動の状態に即して、その上下振動を抑制するための振動抑制駆動力および振動抑制制動力を適切に求めることができ、それら適切な値の振動抑制駆動力と振動抑制制動力とを前後輪に作用させることによって車体の上下振動を適切に抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、車体のばね上変位およびばね上速度およびばね上加速度の3つのパラメータに基づいて、車体の上下振動を抑制するための振動抑制駆動力と振動抑制制動力とを求めるためのマップが予め設定される。そして、そのマップに基づいて振動抑制駆動力および振動抑制制動力が求められる。そのため、車体の上下振動を抑制する制御を実行する際の振動抑制駆動力および振動抑制制動力を容易にかつ適切に求めることができる。
また、請求項3の発明によれば、車体の上下振動を抑制する制御を実行する際に、前後輪に作用させられる振動抑制駆動力および振動抑制制動力が、その力の大きさが互いに等しくなるように設定される。そしてそれら振動抑制駆動力と振動抑制制動力とが、車体の上下振動に応じて、前輪と後輪とに、もしくは後輪と前輪とに作用させられる。したがって、それら振動抑制駆動力と振動抑制制動力とが前後輪に同時に作用させられても、車両を駆動(もしくは制動)する方向においてはそれらの力は互いに打ち消し合うことになり、車両の駆動(もしくは制動)状態には影響しない。そのため、走行中の車両の乗員に違和感を与えたり、ドライバビリティを損ねたりすることなく、車体の上下振動を適切に抑制制御することができる。
また、請求項4の発明によれば、車体のばね上変位と車体のばね上速度と車体のばね上加速度とに基づいて検出される車体の上下振動が、それら車体のばね上変位および車体のばね上速度および車体のばね上加速度の全てが、車体の上下振動の程度を判断するためにそれぞれに予め定められた閾値を超えた場合に、その振動が抑制すべき車体の上下振動であると判断される。そのため、車体の上下振動の状態を適切に判断することができる。
また、請求項5の発明によれば、前輪もしくは後輪の少なくともいずれか一方に駆動トルクもしくは制動トルクを付与する電動機が設けられ、その電動機の回転を制御することにより、振動抑制駆動力もしくは振動抑制制動力が前後輪の少なくともいずれか一方に作用させられる。そのため、車体の上下振動を抑制する制御の際の振動抑制駆動力もしくは振動抑制制動力を、前後輪へ容易に作用させることができ、車体の上下振動を容易に抑制制御することができる。
そして、請求項6の発明によれば、前輪もしくは後輪の少なくともいずれか一方に駆動トルクもしくは制動トルクを付与する電動機として、インホイールモータが搭載される。そのため、車体の上下振動を抑制する制御の際の振動抑制駆動力もしくは振動抑制制動力を、前後輪へより容易に作用させることができ、車体の上下振動をより容易に抑制制御することができる。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。まず、この発明で対象とする車両の構成および制御系統を図1に示す。この図1に示す車両Veは、左右の前輪1,2および左右の後輪3,4を有している。そして、前輪1,2は、互いにもしくはそれぞれ独立してサスペンション機構5を介して車両Veの車体Boに支持されていて、後輪3,4は、互いにもしくはそれぞれ独立してサスペンション機構6を介して車両Veの車体Boに支持されている。
各サスペンション機構5,6は、例えば、ショックアブソーバを内蔵したストラットおよびコイルスプリングおよびサスペンションアームなどから構成されるストラット形サスペンションや、コイルスプリングおよびショックアブソーバおよび上下のサスペンションアームなどから構成されるウィッシュボーン形サスペンションなどの公知のサスペンション機構であって、それら各種サスペンション機構を適宜に選択して採用することができる。
この車両Veの駆動力源として、先ず、後輪3,4を駆動する駆動力源7が設けられている。具体的には、駆動力源7の出力側に、駆動力源7の出力トルクを変速する変速機8が配置され、その変速機8の出力側に、出力軸9およびデファレンシャル10ならびに左右の駆動軸11,12を介して左右の後輪3,4が連結されている。
駆動力源7としては、例えば、内燃機関または電動機の少なくとも一方を用いることができる。電動機としては、例えば電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有するモータ・ジェネレータを用いることが可能である。この実施例では、駆動力源7として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどの内燃機関であって、例えば電子制御式のスロットルバルブ(図示せず)を備え出力を電気的に自動制御可能なエンジン(E/G)7を用いた場合について説明する。
変速機8としては、手動変速機、あるいは自動変速機、あるいは無段変速機などの各種の変速機を用いることが可能である。この実施例では、変速機8として、設定される変速比を電気的に自動制御可能な自動変速機(A/T)8を用いた場合について説明する。
また、エンジン7の出力すなわち駆動力を後輪3,4にそれぞれ伝達する駆動軸11,12には、それぞれ制動装置13が設けられている。この制動装置13は、例えば、マスタシリンダ(図示せず)から圧送される油圧により、駆動軸11,12に制動力を作用させるブレーキシュー(図示せず)あるいはブレーキキャリパのピストン(図示せず)などを動作させるブレーキアクチュエータ14に接続されている。
上記のエンジン7および自動変速機8ならびにブレーキアクチュエータ14は、それらエンジン7の出力、あるいは自動変速機8の変速比、あるいはブレーキアクチュエータ14の動作状態などを制御する電子制御装置(ECU)15にそれぞれ接続されている。そして、エンジン7の出力は、例えば運転者によるアクセル操作(すなわち要求駆動力)に基づいて制御されるとともに、そのアクセル操作とは別に自動制御されることも可能になっている。また自動変速機8の変速比は、例えば車速と要求駆動力とに基づいて、あるいは運転者によるシフト操作に連動して制御されるとともに、それらによる制御とは別に自動制御されることも可能になっている。そしてブレーキアクチュエータ14の動作状態は、例えば運転者によるブレーキ操作に連動して制御されるとともに、そのブレーキ操作とは別に自動制御されることも可能になっている。
したがって、電子制御装置15によってエンジン7の出力を制御することにより、もしくはエンジン7の出力と自動変速機8の変速比とを制御することにより、例えば要求駆動力に基づいて後輪3,4に作用させる駆動力、すなわち車両Veを走行させる駆動力に対して、更に別の駆動力を後輪3,4に作用させることができる。言い換えると、要求駆動力に基づいて走行のために駆動軸11,12に付与する駆動トルクとは別の駆動トルクを駆動軸11,12に付与することができる。
また、電子制御装置15によってブレーキアクチュエータ14の動作状態を制御すること、具体的には、制動装置13を動作させて駆動軸11,12に制動力を作用させるようにブレーキアクチュエータ14を制御することにより、もしくはブレーキアクチュエータ14の動作状態と自動変速機8の変速比とを制御することにより、例えばブレーキ操作と連動して後輪3,4に作用させる制動力とは別の制動力を後輪3,4に作用させることができる。言い換えると、ブレーキ操作と連動して駆動軸11,12に付与される制動トルクとは別の制動トルクを駆動軸11,12に付与することができる。
一方、前輪1,2のホイール内部には、それぞれ電動機16が組み込まれていている。すなわち、それら前輪1,2の電動機16は、いわゆるインホイールモータ16であり、前輪1,2と共に車両Veのばね下に配置されている。そして、各インホイールモータ16の回転を独立して制御することにより、前輪1,2に作用させる駆動力および制動力をそれぞれ独立して制御することができるようになっている。各インホイールモータ16は、例えば交流同期モータであり、インバータ17を介してバッテリ18に接続されている。そしてインバータ17は、各インホイールモータ16の回転を制御する前述の電子制御装置15に接続されている。
各インホイールモータ16の駆動時には、バッテリ18の直流電力がインバータ17によって交流電力に変換され、その交流電力が各インホイールモータ16に供給されることにより各インホイールモータ16が力行されて、前輪1,2に駆動トルクが付与される。また、各インホイールモータ16は前輪1,2の回転エネルギを利用して回生制御することも可能である。すなわち、各インホイールモータ16の回生・発電時には、前輪1,2の回転(運動)エネルギが各インホイールモータ16によって電気エネルギに変換され、その際に生じる電力がインバータ17を介してバッテリ18に充電される。このとき、前輪1,2には回生・発電に基づく制動トルクが付与される。
したがって、電子制御装置15によって各インホイールモータ16の回転状態を制御すること、すなわち各インホイールモータ16の力行・回生状態を制御することにより、例えば要求駆動力に基づいて前輪1,2に作用させる駆動力、すなわち車両Veを走行させる駆動力に対して、更に別の駆動力を前輪1,2に作用させることができる。言い換えると、要求駆動力に基づいて走行のために前輪1,2に付与する駆動トルクとは別の駆動トルクを前輪1,2に付与することができる。もしくは、例えば運転者のブレーキ操作に基づいて前輪1,2に作用させる制動力、すなわち車両Veを制動させる制動力に対して、更に別の制動力を前輪1,2に作用させることができる。言い換えると、要求される制動力に基づいて制動のために前輪1,2に付与される制動トルクとは別の制動トルクを前輪1,2に付与することができる。
このように、上記のエンジン7、自動変速機8、制動装置13、ブレーキアクチュエータ14、各インホイールモータ16、インバータ17、バッテリ18、そして電子制御装置15等により、この発明における制駆動力制御手段が構成されている。
また、上記のエンジン7、自動変速機8、制動装置13、ブレーキアクチュエータ14、各インホイールモータ16、インバータ17、バッテリ18、そして電子制御装置15等による制駆動力制御手段は、前述のように、走行もしくは制動のために各車輪1,2,3,4に作用させる駆動力もしくは制動力に対して、更に別の駆動力もしくは制動力を各車輪1,2,3,4に作用させることができ、例えば、走行もしくは制動のための駆動力もしくは制動力とは別に、車体Boに発生した上下振動を抑制するための駆動力もしくは制動力を、各車輪1,2,3,4に作用させることができる。
具体的には、図2に示すように、車体Boに上下振動が発生した場合、車体Boにその車体Boを上方に移動させる力Fupが作用する際に、前輪1,2に駆動力ΔFdを作用させ、同時に、後輪3,4に、駆動力ΔFdと大きさが等しい制動力ΔFbを作用させることにより、各サスペンション機構5,6の瞬間回転中心5a,6aに、それぞれ下向きの力fdownを作用させることができる(図2の(a)に示す状態)。その結果、力Fupと力fdownとを相殺させて、車体Boの上方への移動を防止もしくは抑制することができる。同様に、車体Boにその車体Boを下方に移動させる力Fdownが作用する際に、前輪1,2に制動力ΔFbを作用させ、同時に、後輪3,4に、制動力ΔFbと大きさが等しい駆動力ΔFdを作用させることにより、各サスペンション機構5,6の瞬間回転中心5a,6aに、それぞれ上向きの力fupを作用させることができる(図2の(b)に示す状態)。その結果、力Fdownと力fupとを相殺させて、車体Boの下方への移動を防止もしくは抑制することができる。
すなわち、車体Boに上下振動が発生した場合に、各サスペンション機構5,6の瞬間回転中心5a,6aに、力fdownと力fupとを交互に、具体的には、車体Boの上下振動の位相と逆位相となるように作用させることにより、車体Boの上下振動を防止もしくは抑制することができる。したがって、上記のエンジン7、自動変速機8、制動装置13、ブレーキアクチュエータ14、各インホイールモータ16、インバータ17、バッテリ18、そして電子制御装置15等により、この発明における上下振動抑制手段が構成されている。
車体Boの所定の位置に、例えば車体Boの重心位置の近傍に、あるいは各車輪1,2,3,4をそれぞれ支持している部分の近傍に、その部分の車体Boの上下方向におけるばね上変位加速度を検出する上下加速度センサ19が設けられている。そしてこの上下加速度センサ19は、電子制御装置15に接続されていて、この上下加速度センサ19で検出されたばね上変位加速度Aを積分することによって、車体Boの上下方向におけるばね上変位速度Vが算出され、さらにばね上変位速度Vを積分することによって、車体Boの上下方向におけるばね上変位量Xが算出されるようになっている。そして、それらの検出もしくは算出結果を基に、車体Boに発生した上下振動、すなわち車体Boのバウンシングを検出することができるように構成されている。
したがって、これら上下加速度センサ19、電子制御装置15等が、この発明における上下振動検出手段として機能している。なお、上記の上下加速度センサ19に代えて、例えば、車高センサ(図示せず)を車体Boの所定の位置に、あるいはストロークセンサ(図示せず)を各車輪1,2,3,4の各サスペンション5,6と車体Boとの間に設けて、車体Boの上下方向の変位や各サスペンション5,6のストローク量を検出することによって、車体Boの上下振動(バウンシング)を検出することも可能である。
そして、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(踏み込み角度)あるいは踏み込み圧力を検出するアクセルペダルセンサ20、また、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み量(踏み込み角度)あるいは踏み込み圧力を検出するブレーキペダルセンサ21が設けられている。これらのアクセルペダルセンサ20およびブレーキペダルセンサ21は、電子制御装置15に接続されていて、それらの検出結果に基づいて、エンジン7の出力、自動変速機8の変速比、ブレーキアクチュエータ14の動作状態、各インホイールモータ16の力行・回生状態等が適宜に制御されるように構成されている。
なお、この発明で対象とする車両Veは、少なくとも前輪1,2と後輪3,4とが、それぞれ独立してそれぞれのサスペンション機構5,6により車体Boに支持されていて、それら前輪1,2と後輪3,4とに、それぞれ独立して駆動力および制動力を作用させることができる構成であればよい。すなわち、例えば図3に示すように、前輪1,2にインホイールモータ16がそれぞれ設けられるとともに、後輪3,4にインホイールモータ22がそれぞれ設けられた四輪駆動車の構成であってもよい。
前述したように、この発明は、車体の上下振動(バウンシング)を、その多様な振動の状態に対応して適切に抑制することを目的としていて、そのために、この発明の制御装置は以下の制御を実行するように構成されている。
図4は、この発明の制御装置によるバウンシング抑制制御の制御例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図4において、先ず、車両Veの車体の上下方向における平均ばね上変位加速度Aave、および車体の上下方向における平均ばね上変位速度Vave、および車体の上下方向における平均ばね上変位量Xaveが求められる(ステップS1)。
具体的には、例えば車体Boの各車輪1,2,3,4をそれぞれ支持している部分に設置された前述の上下加速度センサ19により、前輪1を支持している部分におけるばね上変位加速度A1、前輪2を支持している部分におけるばね上変位加速度A2、後輪3を支持している部分におけるばね上変位加速度A3、後輪4を支持している部分におけるばね上変位加速度A4がそれぞれ検出される。そしてそれらばね上変位加速度A1,A2,A3,A4から、平均ばね上変位加速度Aaveが算出される。すなわち平均ばね上変位加速度Aaveは、
Aave=ΣAi/4 ;(i=1〜4)
として求められる。
Aave=ΣAi/4 ;(i=1〜4)
として求められる。
また、上下加速度センサ19により検出された各ばね上変位加速度A1,A2,A3,A4をそれぞれ積分することによって、前輪1を支持している部分におけるばね上変位速度V1、前輪2を支持している部分におけるばね上変位速度V2、後輪3を支持している部分におけるばね上変位速度V3、後輪4を支持している部分におけるばね上変位速度V4がそれぞれ算出される。そしてそれらばね上変位速度V1,V2,V3,V4から、平均ばね上変位速度Vaveが算出される。すなわち平均ばね上変位速度Vaveは、
Vave=ΣVi/4 ;(i=1〜4)
として求められる。
Vave=ΣVi/4 ;(i=1〜4)
として求められる。
そして、上記のようにして算出されたた各ばね上変位速度V1,V2,V3,V4をそれぞれ積分することによって、前輪1を支持している部分におけるばね上変位量X1、前輪2を支持している部分におけるばね上変位量X2、後輪3を支持している部分におけるばね上変位量X3、後輪4を支持している部分におけるばね上変位量X4がそれぞれ算出される。そしてそれらばね上変位量X1,X2,X3,X4から、平均ばね上変位量Xaveが算出される。すなわち平均ばね上変位量Xaveは、
Xave=ΣXi/4 ;(i=1〜4)
として求められる。
Xave=ΣXi/4 ;(i=1〜4)
として求められる。
つぎに、上記のステップS1で求められた平均ばね上変位量Xave、および平均ばね上変位速度Vave、および平均ばね上変位加速度Aaveに基づいて、車体Boに抑制する必要があるバウンシングが発生しているか否かが判断される。具体的には、車体Boに抑制する必要があるバウンシングが発生しているか否かを判断するための閾値としてそれぞれ予め設定された所定値X0,V0,A0と、上記の平均ばね上変位量Xave,平均ばね上変位速度Vave,平均ばね上変位加速度Aaveとがそれぞれ比較されて、平均ばね上変位量Xaveの絶対値が所定値X0よりも大きく、かつ平均ばね上変位速度Vaveの絶対値が所定値V0よりも大きく、かつ平均ばね上変位加速度Aaveの絶対値が所定値A0よりも大きいか否かが判断される(ステップS2)。すなわち、
|Xave|>X0 かつ |Vave|>V0 かつ |Aave|>A0
の判断条件が成立するか否かが判断される。
|Xave|>X0 かつ |Vave|>V0 かつ |Aave|>A0
の判断条件が成立するか否かが判断される。
したがって、「|Xave|>X0,かつ|Vave|>V0,かつ|Aave|>A0」の判断条件が成立しない場合、すなわち車体Boに抑制する必要があるバウンシングが発生していないと判断された場合は、それ以降のバウンシング抑制制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、「|Xave|>X0,かつ|Vave|>V0,かつ|Aave|>A0」の判断条件が成立した場合、すなわち車体Boに抑制する必要があるバウンシングが発生していると判断された場合には、ステップS3へ進み、上記のステップS1で求められた平均ばね上変位量Xaveと平均ばね上変位速度Vaveと平均ばね上変位加速度Aaveとに基づいて、その際に発生しているバウンシングを抑制するために前輪1,2および後輪3,4にそれぞれ作用させる制駆動力(駆動力もしくは制動力)ΔFが求められる。すなわち、この制駆動力ΔFが、この発明における振動抑制駆動力もしくは振動抑制制動力に相当している。
例えば、図5に示すようなマップMから、平均ばね上変位量Xaveと平均ばね上変位速度Vaveと平均ばね上変位加速度Aaveとの値に対応する制駆動力ΔFが求められる。ここで、マップMは、平均ばね上変位量Xaveと平均ばね上変位速度Vaveと平均ばね上変位加速度Aaveとの3つの物理量をパラメータとするいわゆる3次元マップであって、車両Veの動力性能特性や制動性能特性等の設計上もしくは理論上求まるデータや、実験的あるいは経験的に求めたデータなどを基に予め設定されたマップである。なお、この図5に示すマップMでは、このバウンシング抑制制御の際に求める制駆動力ΔFのうち、前輪1,2に作用させる制駆動力ΔFを実線で示し、後輪3,4に作用させる制駆動力ΔFを破線で示してある。
また、図5に示すマップMでは、このバウンシング抑制制御のために求められる制駆動力ΔFが正の値の場合は、制駆動力ΔFが車両Veを走行させる方向に作用する力すなわち駆動力であり、制駆動力ΔFが負の値の場合は、制駆動力ΔFが車両Veを制動させる方向に作用する力すなわち制動力であることを示している。
さらに、上記の前輪1,2に作用させる制駆動力ΔF(実線)と後輪3,4に作用させる制駆動力ΔF(破線)とは、互いに力の大きさが等しく、力の向きが逆方向になっていて、また平均ばね上変位加速度Aaveの絶対値が大きいほど制駆動力ΔFの絶対値も大きくなっている。すなわち、このマップMから制駆動力ΔFが求められた場合、例えば、前輪1,2に作用させる制駆動力ΔFが駆動力ΔFdであった場合は、後輪3,4に作用させる制駆動力ΔFは、力の大きさが駆動力ΔFdと等しい制動力ΔFbとなる。あるいは、前輪1,2に作用させる制駆動力ΔFが制動力ΔFbであった場合は、後輪3,4に作用させる制駆動力ΔFは、力の大きさが制動力ΔFbと等しい駆動力ΔFdとなる。
そして、このバウンシング抑制制御の制駆動力ΔFは、平均ばね上変位量Xaveが正の値である場合(ここでは、前述の図2の(a)に示すように車体Boが上方に移動する変位の方向を正とし、図2の(b)に示すように車体Boが下方に移動する変位の方向を負とする)に、前輪1,2に対して駆動力ΔFd(すなわち振動抑制駆動力ΔFd)を作用させ、後輪3,4に対しては制動力ΔFb(すなわち振動抑制制動力ΔFb)を作用させるように、一方、平均ばね上変位量Xaveが負の値である場合には、前輪1,2に対して制動力ΔFb(振動抑制制動力ΔFb)を作用させ、後輪3,4に対しては駆動力ΔFd(振動抑制駆動力ΔFd)を作用させるようになっている。
すなわち、前述の図2に示すように、車体Boに上下振動が発生し、車体Boにその車体Boを上方に移動させる力Fupが作用する場合は、前輪1,2に駆動力ΔFdが作用させられ、同時に、後輪3,4に制動力ΔFbが作用させられる。一方、車体Boにその車体Boを下方に移動させる力Fdownが作用する場合は、前輪1,2に制動力ΔFbが作用させられ、同時に、後輪3,4に駆動力ΔFdが作用させられる。したがって、前輪1,2および後輪3,4にそれぞれ制駆動力ΔFを同時に作用させて、車体Boの各サスペンション機構5,6の瞬間回転中心5a,6aに繰り返し作用させる上向きの力fupもしくは下向きの力fdownの周期の位相が、常に車体Boの上下振動の位相と逆位相になる。そのため、車体Boがバウンシングする際に車体Boに作用する上下方向の力Fup,Fdownと、前輪1,2および後輪3,4にそれぞれ制駆動力ΔFを同時に作用させることにより車体Boの瞬間回転中心5a,6aに作用させる上下方向の力fdown,fupとをそれぞれ相殺させることができ、その結果、車体Boに発生した上下振動すなわち車体Boのバウンシングを防止もしくは抑制することができる。
具体的に、上記のマップMにより平均ばね上変位量Xaveと平均ばね上変位速度Vaveと平均ばね上変位加速度Aaveとの値に対応する制駆動力ΔFを求めるには、先ず、ステップS1で算出された平均ばね上変位量Xaveと平均ばね上変位速度Vaveとから、図5に示すマップMにおけるa点が求められる。すなわち、仮に、平均ばね上変位量Xaveと平均ばね上変位速度Vaveとの2つのパラメータに基づいて求めたバウンシング抑制制御のための制駆動力を仮制駆動力ΔF’とし、その値を示す軸をΔF’軸とすると、平均ばね上変位量Xaveと、その平均ばね上変位量Xaveの値を示すXave軸とそのXave軸に直交させた上記のΔF’軸とからなる「Xave−ΔF’」平面上に示した平均ばね上変位速度Vaveとから、マップMの「Xave−ΔF’」平面上におけるa点を求めることができる。
次いで、上記のa点の値と平均ばね上変位加速度Aaveとから、図5に示すマップMにおけるb点が求められる。すなわち、このバウンシング抑制制御のために求める制駆動力ΔFの値を示す軸をΔF軸とすると、上記のa点の値と、上記の「Xave−ΔF’」平面とその「Xave−ΔF’」平面に直交させたΔF軸とからなる3次元空間に示した平均ばね上変位加速度Aaveとから、マップMの「Xave−ΔF’」平面とΔF軸とからなる3次元空間におけるb点を求めることができる。
そして、上記のようにして求められたb点のΔF軸成分の値、すなわち図5に示すマップMにおけるc点の値を読み取ることにより、このバウンシング抑制制御のための制駆動力ΔFが求められる。
ステップS3で制駆動力ΔFが求められると、アクセルペダルセンサ20およびブレーキペダルセンサ21の検出信号に基づいて前輪1,2および後輪3,4にそれぞれ作用させられる制駆動力Ff0,Fr0、すなわち車両Veを走行もしくは制動するために前輪1,2に作用させられる制駆動力Ff0および後輪3,4に作用させられる制駆動力Fr0と、それらのFf0,Fr0とは別に上記のようにして求められた制駆動力ΔFとを合成したトータル制駆動力Ff,Frが、前輪1,2および後輪3,4に対してそれぞれ作用させられる。すなわち、前輪1,2に対してトータル制駆動力Ffが、また後輪3,4に対してトータル制駆動力Frがそれぞれ作用させられる。そして、その後、このルーチンを一旦終了する。
以上のように、この発明によるバウンシング抑制制御によれば、車体Boの平均ばね上変位量Xaveと平均ばね上変位速度Vaveと平均ばね上変位加速度Aaveとが求められ、それら平均ばね上変位量Xaveおよび平均ばね上変位速度Vaveおよび平均ばね上変位加速度Aaveの3つのパラメータに基づいて、車体Boに発生した上下振動すなわち車体Boのバウンシングが検出される。そしてその検出された車体Boのバウンシングの程度が、それら平均ばね上変位量Xaveおよび平均ばね上変位速度Vaveおよび平均ばね上変位加速度Aaveの3つのパラメータに基づいて、抑制する必要があるバウンシングであるか否かが判断される。そのため、車体Boのバウンシングの状態を適切に判断することができる。
そして、車体Boのバウンシングが抑制すべき状態であると判断された場合には、上記の平均ばね上変位量Xaveおよび平均ばね上変位速度Vaveおよび平均ばね上変位加速度Aaveの3つのパラメータに基づいて、車体Boのバウンシングを抑制するために前輪1,2および後輪3,4にそれぞれ作用させる制駆動力ΔF(すなわち振動抑制駆動力ΔFdもしくは振動抑制制動力ΔFb)が求められる。そのため、車体Boのバウンシングの状態に即して、そのバウンシングを抑制するための制駆動力ΔFを適切に求めることができ、それら適切な値の制駆動力ΔFを前輪1,2および後輪3,4にそれぞれ作用させることによって車体Boのバウンシングを適切に抑制することができる。
また、上記の制駆動力ΔFを求めるために、上記の平均ばね上変位量Xaveおよび平均ばね上変位速度Vaveおよび平均ばね上変位加速度Aaveの3つのパラメータに基づいて予め設定されたマップMが用いられる。そのため、車体Boのバウンシング抑制制御を実行する際の制駆動力ΔFを容易にかつ適切に求めることができる。
さらに、車体Boのバウンシング抑制制御を実行する際に前輪1,2および後輪3,4にそれぞれ作用させる制駆動力ΔF、すなわち振動抑制駆動力ΔFdおよび振動抑制制動力ΔFbが、その力の大きさが互いに等しくなるように設定される。そしてそれら振動抑制駆動力ΔFdと振動抑制制動力ΔFbとが、車体Boのバウンシングの振動状態に応じて、前輪1,2と後輪3,4とに、もしくは後輪3,4と前輪1,2とに作用させられる。したがって、それら振動抑制駆動力ΔFdと振動抑制制動力ΔFbとを前輪1,2および後輪3,4に振り分けて同時に作用させても、車両Veを駆動(もしくは制動)する方向においてはそれらの力は互いに打ち消し合うことになり、車両Veの駆動(もしくは制動)状態には影響しない。そのため、走行中の車両Veの乗員に違和感を与えたり、ドライバビリティを損ねたりすることなく、車体Boのバウンシングを適切に抑制することができる。
そして、前輪1,2もしくは後輪3,4の少なくともいずれか一方に駆動トルクもしくは制動トルクを付与する電動機16、具体的にはインホイールモータ16(もしくはインホイールモータ16,22)が設けられ、そのインホイールモータ16(もしくはインホイールモータ16,22)の回転を制御することにより、振動抑制駆動力ΔFdもしくは振動抑制制動力ΔFbが前輪1,2もしくは後輪3,4の少なくともいずれか一方に作用させられる。そのため、車体Boのバウンシングを抑制する制御の際の振動抑制駆動力ΔFdもしくは振動抑制制動力ΔFbを、前輪1,2もしくは後輪3,4へ容易に作用させることができ、その結果、車体Boのバウンシングを容易に抑制することができる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS4の機能的手段が、この発明の制駆動力制御手段および上下振動抑制手段に相当する。また、ステップS1,S2の機能的手段が、この発明の上下振動検出手段に相当し、ステップS3の機能的手段が、この発明の振動抑制力算出手段に相当する。
なお、この発明は、上記の具体例に限定されないのであって、具体例では、各車輪の駆動力および制動力を独立して制御する手段として、前輪の内部に配置されたいわゆるインホイールモータの回転を制御することにより前輪に作用させる駆動力および制動力を出力し、後輪に連結されたモータや内燃機関などの駆動力源の出力と後輪に設けられた制動装置の動作状態とを制御することにより各車輪に作用させる駆動力および制動力を出力する例、あるいは、前後輪の内部に配置されたインホイールモータの回転を制御することにより各車輪に作用させる駆動力および制動力を出力する例を示しているが、これらの具体例以外に、例えば、各車輪に対応させて車体に設置されたモータの出力をドライブシャフト等を介して各車輪にそれぞれ伝達し、各車輪の駆動力および制動力を独立して制御する機構であってもよい。また、各車輪の駆動を独立して制御する手段として、例えばモータや内燃機関などの駆動力源が出力する駆動力を各車輪毎に可変分配できるような機構(例えばトルクスプリット機構など)を採用し、各車輪の制動力を独立して制御する手段として、各車輪毎に設けられた制動装置を乗員による制動操作とは別に自動制御できる機構を採用することも可能である。
1,2…前輪、 3,4…後輪、 5,6…サスペンション機構、 7…駆動力源(エンジン)、 13…制動装置、 14…ブレーキアクチュエータ、 15…電子制御装置(ECU)、 16,22…電動機(インホイールモータ)、 17…インバータ、 18…バッテリ、 19…上下加速度センサ、 Bo…車体、 Ve…車両。
Claims (6)
- 少なくとも前後輪をそれぞれ独立して車体に支持するサスペンション機構と、前記前後輪の駆動力および制動力をそれぞれ独立して制御可能な制駆動力制御手段と、前記車体の上下振動の状態に応じて、走行もしくは制動のために前記前後輪に作用させる駆動力もしくは制動力とは別に振動抑制駆動力および振動抑制制動力を前記前後輪にそれぞれ作用させることにより前記上下振動を抑制する上下振動抑制手段とを備えた車両の制御装置において、
前記車体のばね上変位と前記車体のばね上速度と前記車体のばね上加速度とを求め前記上下振動を検出する上下振動検出手段と、
前記上下振動検出手段により、抑制すべき前記上下振動が検出された場合に、該上下振動検出手段により求められた前記ばね上変位および前記ばね上速度および前記ばね上加速度の3つのパラメータに基づいて前記振動抑制駆動力および前記振動抑制制動力を算出する振動抑制力算出手段と
を備えていることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記振動抑制力算出手段は、前記3つのパラメータに基づいて予め設定されたマップから前記振動抑制駆動力および振動抑制制動力を求める手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記上下振動抑制手段は、互いに大きさが等しい前記振動抑制駆動力と前記振動抑制制動力とを、それぞれ、前記前輪と前記後輪とに、もしくは前記後輪と前記前輪とに振り分けて作用させる手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
- 前記上下振動検出手段は、前記ばね上変位および前記ばね上速度および前記ばね上加速度がいずれもそれぞれ予め設定された閾値よりも大きい場合に前記抑制すべき上下振動であると判断する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の制御装置。
- 前記制駆動力制御手段は、前記前後輪の少なくともいずれか一方に駆動トルクもしくは制動トルクを付与する電動機の回転を制御することにより前記振動抑制駆動力および前記振動抑制制動力を制御する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両の制御装置。
- 前記電動機は、前記前後輪と共に前記サスペンション機構を介して前記車体に支持されるインホイールモータを含むことを特徴とする請求項5に記載の車両の制御装置。
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