JP2009206536A - 高周波検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路の構成要素の動作が不安定な状態にあるときでも、誤差成分を的確にキャンセルして、検出精度を向上させることができる高周波検出装置を提供する。
【解決手段】検出回路2の入力側に、高周波信号の入力を断続させるスイッチ5を設け、スイッチ5がオン状態にある期間検出回路2の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、スイッチ5がオフ状態にある期間スイッチがオフ状態になる直前の検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力するサンプルアンドホールド手段6と、スイッチがオフ状態にある期間検出回路2の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、スイッチがオン状態にある期間スイッチ5がオン状態になる直前の検出回路の出力と同じ大きさの信号を出力するサンプルアンドホールド手段7と、第1のサンプルアンドホールド手段の出力から第2のサンプルアンドホールド手段の出力を減じる補正演算を行う補正演算手段8とを設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波電力を制御する制御ループ内等に設けられて、高周波信号を検出する高周波検出装置に関するものである。
高周波電源装置においては、例えば、その出力端に設けた方向性結合器により取り出した進行波電力(高周波信号)を、ダイオードを用いた検波回路に減衰器を通して入力することにより、高周波信号を直流信号に変換し、この直流信号を直流増幅回路により増幅した後、バッファ回路を通して、電源装置の高周波出力に対応した直流の検出信号を得るようにしている。検波回路を通して高周波信号を検出する高周波検出装置は、例えば特許文献1に示されている。ダイオードを用いた検波回路では、検出感度を高めるために、ダイオードに電流が流れ始めるときの順方向電圧(例えば0.5V)に相当するバイアス電圧をダイオードに印加することが行われている。
この種の検出装置では、検波回路を構成する検波用ダイオードの温度特性により検出出力が変動する。特に小信号を検出する際には、ダイオードの電圧降下が検波電圧に比べて大きくなり、ダイオードの電圧降下の温度変化に伴う変動分が、高周波信号の変化に伴う検出電圧の変化よりも大きくなるため、検出誤差が著しく低下する。
そこで、特許文献2に示されているように、検波用ダイオードと同じ温度特性を有する温度補償用ダイオードを検波用ダイオードと同じ温度環境下に設けて、この温度補償用ダイオードに通電することにより検波用ダイオードと同じ温度傾斜を有する電圧降下を生じさせ、この温度補償用ダイオードの電圧降下を、検波用ダイオードに逆バイアス電圧として印加することにより、温度の変化に伴う検出電圧の変動分を打ち消して温度補償を行うことが行われている。
特開平9−331211号公報 特開昭64−10704号公報
高周波検出装置を構成する検波回路や直流増幅回路は、半導体素子を用いて構成されるため、各段でオフセット電圧成分が発生し、また素子の温度特性のバラツキにより、温度により大きさが変化するドリフト電圧成分が発生する。そのため、半導体素子を用いて検出回路の各段を構成した場合には、当該検出回路に入力信号が与えられていない状態でも、各段の出力側には、オフセット電圧とドリフト電圧とが重畳された直流電圧成分が現れる。検波回路の各段の出力信号は直流信号であり、検波回路から直流増幅回路の出力端までの回路は直流接続されているため、検出回路の出力端には、検出回路の各段で発生したオフセット電圧成分及びドリフト電圧成分が加算された形で出力され、これらの電圧成分が検出出力に誤差を生じさせる原因となる。このように、オフセット電圧成分及びドリフト電圧成分は、検出出力に誤差を生じさせるものであるため、本明細書では、オフセット電圧成分にドリフト電圧成分が重畳された成分を「誤差成分」と呼ぶことにする。
上記誤差成分は、入力信号のレベルとは無関係で、回路を構成する素子自体の特性に起因して発生するため、誤差成分が検出出力に与える影響は、入力される高周波信号のレベルが低い場合ほど顕著になる。例えば、検出回路で発生する誤差信号が5Wであるとすると、入力される高周波信号の電力が5000Wのときの誤差率は0.1%であるが、入力される高周波信号が50Wであるときには、誤差率が10%にも達することになり、検出精度が大幅に低下する。高周波信号の検出精度を高めるためには、上記誤差成分の影響を極力少なくする必要がある。
前述のように、特許文献2には、検波用ダイオードと同じ温度特性を持つ温度補償用ダイオードを設けて、この温度補償用ダイオードに生じさせた電圧降下により検波用ダイオードを逆バイアスする温度補償回路を設けることにより、検波点の電位の温度補償を行うことが記載されている。
しかしながら、ダイオードの入力電圧対検波出力特性は、ダイオード固有の非直線性を有し、加えて、検波出力特性そのものが温度により変化する特性を有しているため、上記のような温度補償により誤差成分を除去することは困難であり、上記の温度補償を行った場合でも、高周波検出出力には、出力特性の非直線性に伴う誤差と、温度変化に伴う出力レベルの変化による誤差とが現れる。特に小信号レベルから大信号レベルまでの広い範囲の検出を行う場合には、ダイオードの入力電圧対検波出力特性の非直線性による誤差と、温度の変化に伴う誤差とが顕著に表れる。したがって検波対象の信号レベルのダイナミックレンジが広く、検出に精度の良い直線性が求められる場合に、上記のような温度補償回路を用いる方法は適しておらず、検波レベルに応じた直線性の補正と温度補正とが必要である。
また検出回路で生じる誤差成分を予測して、検出出力から予測した誤差成分(固定値)を減じることにより誤差成分をキャンセルする方法も知られているが、誤差成分を正確に予測することは困難であり、また素子の特性のバラツキにより、発生する誤差成分にもバラツキが生じ、特に電源を投入してから回路の温度が安定するまでの過渡期間のように、回路の状態が不安定な状態にあるときには、誤差成分が時々刻々変化するため、検出出力から減じる誤差成分を固定値とした場合には、誤差成分を正確にキャンセルすることができない。従って、この方法によっても、検出精度の向上を図る上で限界がある。
上記の説明では、高周波電源装置の制御ループ内に設けられて、検波回路と直流増幅回路とを備えた検出回路を通して高周波信号を検出する高周波検出装置を例に取ったが、検波回路を用いる場合に限らず、温度の変化に伴って特性が変化することが避けられない半導体素子を用いた検出回路を通して高周波信号を検出する高周波検出装置においては、温度の変化に起因する誤差成分を除去することが困難であり、上記と同様の問題が生じる。
本発明の目的は、回路の動作が不安定な状態にあるときでも、誤差成分を的確にキャンセルして、検出精度を向上させることができるようにした高周波検出装置を提供することにある。
本発明は、出力に含まれる誤差成分が温度により変化する特性を有する検出回路を通して高周波信号を検出する高周波検出装置に係わるもので、本発明においては、検出回路の入力側に設けられてオン状態にあるときに検出回路への高周波信号の入力を可能にし、オフ状態にあるときに検出回路への高周波信号の入力を停止させるスイッチと、スイッチをオンオフさせるスイッチ制御手段と、スイッチがオン状態にある期間は検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、スイッチがオフ状態にある期間はスイッチがオフ状態になる直前の検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力する状態を保持する第1のサンプルアンドホールド手段と、スイッチがオフ状態にある期間は検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、スイッチがオン状態にある期間はスイッチがオン状態になる直前の前記検出回路の出力と同じ大きさの信号を出力する状態を保持する第2のサンプルアンドホールド手段と、第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる補正演算を行って演算結果を検出信号として出力する補正演算手段とを設けた。
上記第1のサンプルアンドホールド手段は、スイッチがオン状態にある期間検出回路の出力をサンプルするサンプル動作を行い、スイッチがオフ状態にある期間ホールド動作を行うサンプルアンドホールド回路により構成できる。また第2のサンプルアンドホールド手段は、スイッチがオフ状態にある期間検出回路の出力をサンプルするサンプル動作を行い、スイッチがオン状態にある期間ホールド動作を行うサンプルアンドホールド回路により構成できる。
上記のように、検出回路の入力側にスイッチを設けて、該スイッチをオンオフさせると、スイッチがオン状態にある期間は、入力された高周波信号に相応する検出信号と誤差成分との和の信号が検出回路から出力されるが、スイッチがオフ状態にある期間は、検出回路内で発生している誤差成分のみが検出回路から出力される。従って、スイッチがオン状態にあるときに第1のサンプルアンドホールド手段が出力する信号は、検出回路に入力された高周波信号に相応する信号の大きさと誤差成分の大きさとの和に等しい大きさを有する信号であり、スイッチがオフ状態にあるときに第1のサンプルアンドホールド手段が出力する信号は、スイッチがオフ状態になる直前に検出回路に入力された高周波信号に相応する信号の大きさと誤差成分の大きさとの和に等しい大きさを有する信号である。またスイッチがオフ状態にあるときに第2のサンプルアンドホールド手段が出力する信号は、検出回路で発生している誤差成分の大きさを有する信号であり、スイッチがオン状態にあるときに第2のサンプルアンドホールド手段が出力する信号は、スイッチがオン状態にされる直前の誤差成分の大きさを有する信号である。
従って、第2のサンプルアンドホールド手段の出力から、実際に検出回路内で発生している誤差成分そのものを検出することができ、検出した誤差成分を、第1のサンプルアンドホールド手段の出力から減じる補正演算を行うことにより、誤差成分のキャンセルを的確に行わせて検出精度を高めることができる。特に本発明においては、検出回路内で実際に発生している誤差成分を検出して、誤差成分をキャンセルするための演算を行うので、回路の動作が不安定で、誤差成分が変化する状況にあるときでも、誤差成分を除去する演算を的確に行わせて、検出精度を高めることができる。
スイッチがオフ状態にある期間は、検出回路に高周波信号が入力されないため、検出回路は実際の高周波信号に相応する検出信号を出力しないが、スイッチがオフ状態にあるときには、第1のサンプルアンドホールド手段から、スイッチがオフ状態になる直前の検出信号と誤差成分との和の信号が出力され、この第1のサンプルアンドホールド手段の出力信号の大きさから誤差成分を減じた大きさを有する信号が補正演算手段を通して出力されるため、全期間に亘って、途切れることなく、高周波信号の検出出力を得ることができる。
なお本発明においては、スイッチがオフ状態にある期間、実際の高周波信号を検出しないことになるが、スイッチをオフ状態にする期間を十分短く設定しておけば、このことが検出精度に悪影響を及ぼすことはない。
上記の補正演算手段としてアナログ演算回路が用いられる場合には、この演算回路においても誤差成分が発生する。また多くの高周波検出装置においては、出力に含まれる誤差成分が温度により変化する特性を有する検出回路を通して高周波信号を検出して、検出出力をバッファ回路を通して出力するようにしている。このように出力段にバッファ回路が設けられる場合には、該バッファ回路においても誤差成分が発生する。検出精度を高めるためには、演算回路やバッファ回路で発生する誤差成分もできるだけキャンセルするのが好ましい。
上記のように、高周波信号の検出信号をバッファ回路を通して出力するように構成される高周波検出装置に本発明を適用する場合には、検出回路の入力側に設けられてオン状態にあるときに検出回路への高周波信号の入力を可能にし、オフ状態にあるときに検出回路への高周波信号の入力を停止させるスイッチと、このスイッチをオンオフさせるスイッチ制御手段と、スイッチがオン状態にある期間は検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、スイッチがオフ状態にある期間は、スイッチがオフ状態になる直前の検出回路の出力信号と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第1のサンプルアンドホールド手段と、スイッチがオフ状態にある期間は検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、スイッチがオン状態にある期間はスイッチがオン状態になる直前の検出回路の出力と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第2のサンプルアンドホールド手段と、第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる補正演算を行って演算された大きさを有する信号を検出信号として出力する演算回路とを設けるとともに、演算回路とバッファ回路とで生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分だけ演算回路が出力した検出信号の大きさを補正する補正手段を設けて、補正値分だけ大きさが補正された検出信号をバッファ回路に入力する。この場合、補正値は、予め固定値として設定しておく。
上記のように構成すると、演算回路とバッファ回路とで生じる誤差成分をも補正できるため、検出精度を更に向上させることができる。
上記のように、高周波信号の検出信号をバッファ回路を通して出力するように構成される高周波検出装置に本発明を適用する場合、演算回路は、第1のサンプルアンドホールド手段の出力と第2のサンプルアンドホールド手段の出力とを入力として、第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる演算と、この演算によりより求められた大きさを、該演算回路内及びバッファ回路内で生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分(固定値)だけ補正する演算とを行い、演算された大きさを有する信号を検出信号としてバッファ回路に与えるように構成されていてもよい。このように、演算回路内及びバッファ回路で生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分の補正を、演算回路内で行わせるようにした場合には、前記補正手段を省略できる。
また上記のように構成する代りに、第1のサンプルアンドホールド手段の出力と第2のサンプルアンドホールド手段の出力と予め設定された補正値とを入力とするように演算回路を構成して、該演算回路で、第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる演算と、この演算によりより求められた大きさを補正値分だけ補正する演算とを行って、演算された大きさを有する信号を検出信号としてバッファ回路に与えるように構成してもよい。この場合、補正値は、演算回路内及びバッファ回路内で生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定する。このように、外部から演算回路に補正値を与えるように構成した場合には、演算回路内及びバッファ回路で生じる誤差成分に相当する補正値を容易に変更することができる。
スイッチをオフ状態にする期間を十分に短くしておけば、スイッチをオンオフさせることにより検出精度の低下を招くことはほとんどないが、不必要にスイッチをオンオフさせて、実際の高周波信号が検出されない期間をつくることは好ましくない。従って、スイッチ制御手段は、検出回路が定常状態に落ち着くまでの過渡期間の間スイッチを短い周期でオンオフさせ、検出回路が定常状態になった後はスイッチをオンオフさせる周期を過渡期間よりも長くするように構成するのが好ましい。
一般に装置の電源を投入した後、検出回路の温度が安定して、回路が定常状態になるまでには時間がかかる。回路が定常状態になるまでの過渡期間の間は、検出回路内で発生する誤差成分が細かく変動するため、比較的高い頻度で誤差成分の補正を行うことが好ましい。従って、電源が投入されてから一定の時間の間スイッチを短い周期でオンオフさせ、電源投入後一定の時間が経過した時に、スイッチをオンオフさせる周期を長い周期に切り換えるように構成するのが好ましい。
また検出回路の温度を検出する手段を設けて、検出される温度が変化しているときにスイッチを短い周期でオンオフさせて高い頻度で誤差成分の補正を行わせ、検出される温度がほぼ一定値を示す状態になったときに、スイッチをオンオフさせる周期を長い周期に切り換えるように構成してもよい。
上記検出回路が、高周波電力等を制御する制御ループ内に設けられる場合には、スイッチがオフ状態にされる期間を、制御ループの時定数よりも短く設定するのが好ましい。
高周波電力等を制御する制御装置においては、上記検出回路が、高周波信号が直接または減衰器を通して入力されて、入力された高周波信号を検波する検波回路と、該検波回路の出力を増幅する直流増幅回路とにより構成される。本発明は、このように、高周波信号を検波する検波回路と該検波回路の出力を増幅する直流増幅回路とにより検出回路を構成する場合に有用であるが、温度の変化により誤差成分が変化する特性を有する他の構成の検出回路が用いられる場合、例えば直流増幅回路のみにより検出回路を構成する場合にも、本発明を適用することができるのはもちろんである。
以上のように、本発明によれば、検出回路への高周波信号の入力を可能にする状態と検出回路への高周波信号の入力を停止させる状態とを切り換えるスイッチと、スイッチがオン状態にある期間検出回路の出力をサンプルするサンプル動作を行い、スイッチがオフ状態にある期間ホールド動作を行う第1のサンプルアンドホールド手段と、スイッチがオフ状態にある期間検出回路の出力をサンプルするサンプル動作を行い、スイッチがオン状態にある期間ホールド動作を行う第2のサンプルアンドホールド手段と、第1のサンプルアンドホールド手段の出力から第2のサンプルアンドホールド手段の出力を減じる補正演算を行って演算結果を検出信号として出力する補正演算手段とを設けて、第2のサンプルアンドホールド手段により、検出回路内で発生している誤差成分を実際に検出し、この誤差成分を第1のサンプルアンドホールド手段が出力する高周波信号の検出信号から減じることにより、検出信号に含まれる誤差成分をキャンセルするようにしたので、誤差成分が時々刻々変化している過渡状態においても、検出出力に含まれる誤差成分のキャンセルを的確に行わせて、高周波信号の検出精度を向上させることができる。
また本発明において、演算回路とバッファ回路とで生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分だけ演算回路が出力した検出信号の大きさを補正する補正手段を設けた場合には、演算回路とバッファ回路で生じた誤差成分をも極力補正して、検出精度を更に向上させることができる。
以下図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる高周波検出装置の構成を示したもので、同図において、1は検出すべき高周波信号が入力される高周波入力減衰器、2は自乗検波回路3と該自乗検波回路の直流出力電圧信号を増幅する直流増幅回路4とからなる検出回路、5は高周波入力減衰器1の出力端と自乗検波回路3の入力端との間に挿入された高速スイッチ(十分に短い周期でオンオフすることが可能なスイッチ、本明細書では、このスイッチを単にスイッチともいう。)である。
直流増幅回路4の出力は、第1のサンプルアンドホールド手段6のアナログ入力端子6aと第2のサンプルアンドホールド手段7のアナログ入力端子7aとに入力され、第1のサンプルアンドホールド手段6及び第2のサンプルアンドホールド手段7の出力端子6c及び7cに得られる出力信号が2入力演算回路8に入力されている。演算回路8の出力は、電位加算手段9から与えられるマイナスの電位が加算された後バッファ回路10を通して検出出力信号Vsとして出力される。
高速スイッチ5及び第1及び第2のサンプルアンドホールド手段6及び7を同期させて制御するため、制御パルス発生手段11が設けられ、このパルス発生手段から出力されるパルス信号Vp0がスイッチ制御回路12に与えられている。また制御パルス発生手段11から出力されるクロックパルスVp1及びVp2がそれぞれ第1及び第2のサンプルアンドホールド手段6及び7のクロック入力端子6b及び7bに入力されている。制御パルス発生手段11は通信手段13を通して図示しない制御盤に接続されていて、通信手段13を通して与えられる指令信号に応じて、パルス信号Vp0ないしVp2の周波数(発生周期)とパルス幅と、発生タイミングとを適宜に調整することができるように構成されている。
高周波入力減衰器1は、高周波信号のレベルを検出回路2に入力するのに支障を来さないレベルまで減衰させるために設けられたもので、本実施形態では、この減衰器が、高周波信号の入力レベルを1/4に減衰させるように構成されている。高速スイッチ5は駆動信号が与えられているときにオン状態になり、駆動信号が消滅したときにオフ状態になるオンオフ制御が可能なスイッチからなっている。このスイッチとしては、バイポーラトランジスタや、MOSFET等で構成された高速のスイッチを用いることができる。
スイッチ制御手段12は、高速スイッチ5を高速でオンオフさせるように制御する手段で、制御パルス発生手段11から与えられるパルス信号Vp0を高速スイッチ5に駆動信号として与える回路からなっている。スイッチ制御手段12は、制御パルス発生手段11から図2(A)に示すような幅が狭い制御パルスVp0が与えられているときに高速スイッチ5への駆動信号の供給を停止して該スイッチ5をオフ状態にし、制御パルスVp0が消滅したときに高速スイッチ5をオン状態にするように高速スイッチ5を制御する。制御パルスVp0のパルス幅は誤差成分を検出するために必要最小限な大きさに設定されている。
高速スイッチ5がオン状態にあるときに、減衰器1により減衰された高周波信号V1が自乗検波回路3に入力され、高速スイッチ5がオフ状態にされたときに、自乗検波回路3への高周波信号V1の入力が停止させられる。
自乗検波回路3は、入力された高周波信号の電圧V1を自乗して高周波信号の周波数の2倍の周波数の交流成分と電圧V1のレベルの自乗に比例した直流成分とを有する信号を出力する回路と、この回路の出力から直流成分のみを取り出す回路とからなっていて、高周波信号V1のレベルの自乗に比例した直流信号を出力する。
直流増幅回路4は、自乗検波回路3の出力を増幅した信号を検出回路2の出力信号として出力する回路で、本実施形態では、自乗検波回路の出力を5倍の増幅度で増幅するように設計されている。
サンプルアンドホールド手段6は、図3に示したように、アナログ入力電圧が入力されるアナログ入力端子6aと、入力側バッファ回路Bfiと、クロック信号入力端子6bにクロック信号が入力されている間オフ状態になり、クロック信号入力端子6bにクロック信号が入力されていないときにオン状態を保つサンプルスイッチSWと、サンプルスイッチSWがオン状態にあるときにアナログ入力端子6aに入力された電圧がバッファ回路BfiとスイッチSWとを通して印加されるコンデンサCと、コンデンサCの両端の電圧が出力側バッファ回路Bfoを介して印加されたアナログ出力端子6cとを備えた公知のサンプルアンドホールド回路からなっている。
このサンプルホールド回路においては、サンプルスイッチSWがオン状態にあるときにサンプル動作を行って、アナログ入力端子6aに入力されている信号と同じレベルの信号をアナログ出力端子6cから出力し、サンプルスイッチSWがオフ状態にある期間、該サンプルスイッチがオフ状態になる際にアナログ入力端子6aに入力されていた信号と同じレベルの信号をアナログ出力端子6cから出力する状態を保持するホールド動作を行う。サンプルアンドホールド手段7も同様に構成されている。
第1のサンプルアンドホールド手段6のクロック信号入力端子6bには、高速スイッチ5がオフ状態になるタイミングよりも僅かに早いタイミングで(高速スイッチ5がオフ状態になる直前に)サンプルスイッチSWをオフ状態にし(ホールド動作を行わせ)、高速スイッチ5がオン状態になるタイミングよりも僅かに遅れたタイミングでサンプルスイッチをオン状態にする(サンプル動作を行わせる)ように制御パルスVp1が与えられる。第1のサンプルアンドホールド手段6は、高速スイッチ5がオン状態にある期間検出回路2の出力信号(直流増幅回路4の出力信号)と同じ大きさの信号を出力し、高速スイッチ5がオフ状態にある期間は、高速スイッチ5がオフ状態になる直前の検出回路2の出力信号と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する。
また第2のサンプルアンドホールド手段7のクロック信号入力端子7bには、高速スイッチ5がオフ状態になるタイミングよりも僅かに遅れたタイミングで(高速スイッチ5がオフ状態になった直後に)サンプルスイッチSWをオン状態にし、高速スイッチ5がオン状態になるタイミングよりも僅かに進んだタイミングで(高速スイッチがオン状態になる直前に)該サンプルスイッチをオフ状態にするように制御パルスVp2が与えられる。第2のサンプルアンドホールド手段7は、高速スイッチ5がオフ状態にある期間検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、高速スイッチ5がオン状態にある期間は高速スイッチ5がオン状態になる直前の検出回路の出力と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する。
2入力演算回路は、アナログ減算回路からなっていて、第1のサンプルアンドホールド手段6の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段7の出力の大きさを減じる補正演算を行って、演算された大きさを有する信号を検出信号(直流電圧信号)として出力する。演算回路8が出力する検出信号は、電位加算手段9により与えられるマイナスの補正電圧(演算回路8とバッファ回路10とで生じる誤差成分に相当する値に設定された補正値に相当する電圧)が加算されることにより補正された後にバッファ回路10に入力されて、該バッファ回路を通して検出信号Vsとして出力される。本実施形態では、演算回路8により、第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる補正演算を行って演算結果を検出信号として出力する補正演算手段が構成されている。また電位加算手段9と該電位加算手段の出力を演算回路8の出力に加える回路(図示の例では減算器)とにより、演算回路とバッファ回路とで生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分だけ演算回路が出力した検出信号の大きさを補正する補正手段が構成されている。
本実施形態において、高速スイッチ5がオン状態にある期間は、入力された高周波信号を自乗検波することにより得られた検出信号(高周波信号に相応する検出信号)と誤差成分との和の信号が検出回路2から出力される。
これに対し、高速スイッチがオフ状態にある期間は、高周波信号を自乗検波することにより得られた検出信号は零であり、検出回路2内で発生している誤差成分のみが検出回路2から出力される。
今、制御パルス発生手段11からスイッチ制御手段12を通して高速スイッチ5に図2(A)に示すパルス信号Vp0が与えられるとすると、高速スイッチ5は、パルス信号Vp0が発生しているt1〜t2,t3〜t4,t5〜t6,…の各期間オフ状態にされ、〜t1,t2〜t3,t4〜t5,…の各期間はオン状態にされる。従って、図2(B)に示すように、〜t1,t2〜t3,t4〜t5,…の各期間の間自乗検波回路3に高周波信号が入力され、t1〜t2,t3〜t4,t5〜t6,…の各期間は、自乗検波回路3に高周波信号が入力されない。
図2(C)は第1のサンプルアンドホールド手段6の動作を示している。図2(C)に示したタイミングt1′,t3′,t5′,…は、それぞれ図2(A)に示したタイミングt1,t3,t5,…よりも僅かに進んだタイミングであり、タイミングt2′,t4′,t6′,…はそれぞれ図2(A)に示したタイミングt2,t4,t6,…よりも僅かに遅れたタイミングである。第1のサンプルアンドホールド手段6のクロック信号入力端子6bには、図2(C)に示すt1′〜t2′,t3′〜t4′,t5′〜t6′,…の各期間の間クロック信号Vp1が入力され、これらの期間、サンプルスイッチをオフ状態にして、タイミングt1′,t3′,t5′,…における検出回路2の出力信号と同じ大きさの信号H1を出力する状態を保持する。図2(C)の〜t1′,t2′〜t3′,t4′〜t5′,…の各期間は、サンプルスイッチがオン状態を保持して、検出回路2の出力と同じ大きさの信号を出力する。
図2(D)は、第2のサンプルアンドホールド手段7の動作を示している。図2(D)に示したタイミングt1″,t3″,t5″,…は、それぞれ図2(A)に示したタイミングt1,t3,t5,…よりも僅かに遅れたタイミングである。またタイミングt2″,t4″,t6″,…はそれぞれタイミングt2,t4,t6,…よりも僅かに進んだタイミングである。第2のサンプルアンドホールド手段7のクロック信号入力端子7bには、図2(D)に示す〜t1″,t2″〜t3″,t4″〜t5″,…の各期間の間クロック信号が入力され、これらの期間、サンプルスイッチをオフ状態にして、タイミングt2″,t4″,t6″,…における検出回路2の出力信号と同じ大きさの信号H2を出力する状態を保持する。図2(D)のt1″〜t2″,t3″〜t4″,t5″〜t6″,…の各期間の間は、サンプルスイッチがオン状態を保持して、検出回路2の出力と同じ大きさの信号を出力する。
高速スイッチ5がオン状態にあるときに第1のサンプルアンドホールド手段6が出力する信号は、検出回路2に入力された高周波信号に相応する信号の大きさと誤差成分の大きさとの和に等しい大きさを有する信号であり、高速スイッチ5がオフ状態にあるときに第1のサンプルアンドホールド手段6が出力する信号は、高速スイッチ5がオフ状態になる直前に検出回路2に入力された高周波信号に相応する信号(検波出力を増幅した信号)の大きさと誤差成分の大きさとの和に等しい大きさを有する信号である。
また高速スイッチがオフ状態にあるときに第2のサンプルアンドホールド手段が出力する信号は、検出回路2で発生している誤差成分の大きさを有する信号であり、高速スイッチ5がオン状態にあるときに第2のサンプルアンドホールド手段7が出力する信号は、高速スイッチがオン状態にされる直前の誤差成分の大きさを有する信号である。従って、第2のサンプルアンドホールド手段7は、高速スイッチ5がオフ状態にある間検出回路内で発生している誤差成分を示す信号をリアルタイムで出力し、高速スイッチ5がオン状態にある期間は、該高速スイッチがオン状態になった際に検出回路で発生していた誤差成分を示す信号を出力する。
図1に示した高周波検出装置において、自乗検波回路3で発生するオフセット量をA、直流増幅回路4の入力端子部で発生するオフセット量をB、バッファ回路10で発生するオフセット量をCとし、更に2入力演算回路8の入力端子部で発生するオフセット量をDとする。各回路のオフセット量A、B、C及びDには、それぞれ、ドリフト成分としてa,b,c及びdが重畳され、誤差成分のキャンセルを行わなかったときには、これらのオフセット量とドリフト成分とが重畳した直流電圧成分が誤差成分として検出出力信号に含まれることになる。高周波入力信号成分だけを検波した場合の自乗検波回路3の出力レベルをPとすると、高速スイッチ5がオン状態にある期間に、第1のサンプルアンドホールド手段6のアナログ出力端子6cに発生する総合の電位は、(P+A+B+a+b)*5(*は乗算記号)となる。他方、第2のサンプルアンドホールド手段7のアナログ出力端子7cの電位は、(A+B+a+b)*5となる。
2入力演算回路8は、第1のサンプルアンドホールド手段6の出力から第2のサンプルアンドホールド手段7の出力を減算する増幅度が1の減算動作を常時行っている。この演算回路8の出力の電位は、{(P+A+B+a+b)*5}−{(A+B+a+b)*5}+(D+d)=5P+(D+d)となる。演算回路8の出力をそのままバッファ回路10入力した場合にバッファ回路(増幅度1)から出力される信号の電位は、5P+(D+d)+(C+c)となる。これは、検出回路2の出力信号から誤差成分(A+B+a+b)*5が差し引かれ、演算回路8で発生する誤差成分D+dとバッファ回路10で発生する誤差成分C+cとが残ったことを示している。誤差成分D+d+C+cの大きさが小さい場合には、5P+(D+d)+(C+c)の信号を検出信号としてもよいが、誤差成分D+d+C+cを無視できない場合には、この誤差成分を極力低減することが好ましい。
本実施形態では、電位加算手段9を設けて、バッファ回路10で発生するオフセット成分Cと演算回路8で発生するオフセット成分Dとの和に相当する補正値を有するマイナスの電圧−(D+C)を演算回路8の出力に加算することにより、バッファ回路10の出力を5P+(d+c)として誤差成分を低減させている。上記補正値は、実測値に基づいて、予め固定値として設定しておく。
電位加算手段9を設けない場合の総合誤差の改善率が{(D+d)+(C+c)}/{(A+B+a+b)*5+(D+d)+(C+c)}であるのに対し、電位加算手段9を設けた場合の誤差改善率は、(d+c)/{(A+B+a+b)*5+(D+d)+(C+c)}となる。これより、演算回路8の出力にバッファ回路10で発生するオフセット成分Cと演算回路8で発生するオフセット成分Dとの和の値を有するマイナス電圧を加算することにより(演算回路8の出力の大きさからバッファ回路10で発生するオフセット成分Cと演算回路8で発生するオフセット成分Dとの和の値に相当する補正値を減じることにより)、総合誤差を大幅に改善することができることがわかる。
本実施形態の検出装置において、高速スイッチ5がオフ状態にある期間は、検出回路2に高周波信号が入力されないため、検出回路2は実際の高周波信号に相応する検出信号を出力しないが、高速スイッチ5がオフ状態にあるときには、第1のサンプルアンドホールド手段6から、高速スイッチ5がオフ状態になる直前の検出信号と誤差成分との和の信号が出力され、この第1のサンプルアンドホールド手段6の出力信号の大きさから誤差成分を減じた大きさを有する信号が演算回路8を通して出力されるため、全期間に亘って、途切れることなく、高周波信号の検出出力を得ることができる。
本発明に係わる高周波検出装置は、例えば、高周波電力を制御する高周波電源装置などの制御ループ内に、制御装置を構成する一要素として組み込まれる。スイッチ5をオフ状態にして検出回路に高周波信号が入力されない期間を所定の周期でつくることにより、検出回路で実際に発生している誤差成分を検出する場合に、スイッチ5がオフ状態にある間の高周波信号の検波出力を保持する機能を持たせなかったとすると、スイッチ5をオフ状態にした瞬間に検出値が得られなくなるため、制御を行うことができなくなる。本発明では第1のサンプルアンドホールド手段6を設けて、スイッチ5がオフ状態になっている期間も高周波信号の検出出力を保持させておくようにしているが、この場合でも、保持されている検出信号により制御系が疑似制御されている期間が長すぎると、該疑似制御が行われている期間に高周波信号の大きさが大きく変動したとき等に、制御系が制御不能の状態に陥るおそれがある。このような事態が生じないようにするためには、スイッチ5をオフ状態にする期間をできるだけ短くする(制御パルスVp0のパルス幅をできる狭くする)とともに、スイッチ5をオフ状態にする周期を短くし過ぎないようにすること(スイッチを頻繁にオフ状態にするのを避けること)が必要である。具体的には、スイッチ5をオフ状態にする時間を、少なくとも制御ループの時定数(一次遅れ)よりも短くしておくことが必要であり、スイッチをオフ状態にする期間(疑似制御期間)に発生する可能性がある制御対象の出力の変動幅を見極めて、出力の変動幅が大きい場合ほどスイッチをオフ状態にする期間を短くするとともに、スイッチをオフ状態にする周期を長くすることが必要である。なお高周波検出装置が制御ループの構成要素となっていない場合には、スイッチ5をオフ状態にする期間と、周期とを、使用目的に合わせて適宜に設定することができる。
上記の実施形態では、各部をアナログ回路により構成しているが、構成要素のうち、デジタル処理が可能な部分をマイクロプロセッサなどを用いて実現するようにすることもできる。例えば、サンプルアンドホールド手段6,7の機能をマイクロプロセッサを用いて実現するとともに、第1のサンプルアンドホールド手段6の出力から第2のサンプルアンドホールド手段7の出力を減算する演算と、バッファ回路で発生するオフセット成分をキャンセルする補正演算とをマイクロプロセッサにより行わせ、その演算結果をD/A変換器でアナログ信号に変換してバッファ回路10に入力するようにすることができる。
また応用例として、検出回路の状態に応じて、制御パルス発生手段11から出力させるパルスの周期を変化させて、誤差成分を除去するための演算処理をきめ細かく行わせることも可能である。一般に、電源の立ち上げ時には、機器が初期状態から定常状態に移行するまでの過渡期間において、機器内で、温度変化や電源変動など、検出回路内で発生する誤差成分に影響を与える多くの変化が起こる。また半導体素子などの構成部品を個別に見た場合にも、同様に初期状態から定常状態に至る過渡期間において、部品内で発生する誤差成分に影響を与える初期変動が発生する。従って、検出回路が定常状態(多くの場合は温度が安定した状態)に移行するまでの過渡期間の間は高速スイッチ5を短い周期でオンオフさせて誤差成分の検出と、誤差成分をキャンセルするための演算とを高い頻度で行い、検出回路が定常状態に移行した後は、スイッチ5をオンオフさせる周期を長くして、誤差成分の検出と、誤差成分をキャンセルするための演算とを行う頻度を低くするようにすることが多くの場合有効である。
例えば、電源の立ち上げ時には、オフセットやドリフト成分からなる誤差成分が時々刻々変化するため、1秒間に1回程度の高い頻度でスイッチ5をオフ状態にして、誤差成分の検出と、誤差成分をキャンセルするための演算とを頻繁にきめ細かく行い、機器の状態が安定した後は、誤差成分の変化が少なくなるので、スイッチ5をオフ状態にする頻度を1分間に1回程度とすることが考えられる。
図1に示したように、通信手段13を設けて、通信手段13を通して与えられる指令信号に応じて、パルス信号Vp0ないしVp2の周波数(発生周期)とパルス幅と、発生タイミングとを適宜に調整することができるように制御パルス発生手段11を構成しておくと、更に決めの細かい誤差成分の補正を行わせることができる。例えば、高周波電源の出力を制御する場合に、電源の立ち上げ時の信号を指令信号として、この指令信号を通信手段13を通して制御パルス発生手段11に与え、周波数(発生周期)と、パルス幅と、発生タイミングとを適宜に調整するように制御パルス発生手段11を構成することができる。なお、このような指令信号としては、電源の立ち上げ時の信号だけでなく、例えば、電源から出力する電力設定信号、機器内の温度変化の検出信号等を用いることができる。
図1に示した実施形態では、演算回路8(補正演算手段)で、第1のサンプルアンドホールド手段6の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段7の出力の大きさを減じる補正演算を行い、電位加算手段9により、補正演算された信号の大きさを更に補正するようにしているが、本発明はこのように構成する場合に限定されない。例えば、第1のサンプルアンドホールド手段6の出力と第2のサンプルアンドホールド手段7の出力とが入力された演算回路8内で、第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる演算と、この演算によりより求められた大きさを、該演算回路8内及びバッファ回路10内で生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分だけ補正する演算とを行って、演算された大きさを有する信号を検出信号としてバッファ回路に与えるように構成することもできる。
また、第1のサンプルアンドホールド手段6の出力と、第2のサンプルアンドホールド手段7の出力と、予め設定された補正値とを入力とするように演算回路8(この場合には3入力演算回路を用いる。)を構成して、この演算回路に、第1のサンプルアンドホールド手段6の出力の大きさから第2のサンプルアンドホールド手段7の出力の大きさを減じる演算と、この演算によりより求められた大きさを補正値分だけ補正する演算とを行わせ、演算された大きさを有する信号を検出信号としてバッファ回路10に与えるようにしてもよい。この場合、補正値は、演算回路内及び前記バッファ回路内で生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定しておく。
上記の実施形態では、検波回路として自乗検波回路を用いているが、ダイオード検波回路などの他の検波回路を用いる場合にも本発明を適用することができる。また本発明は、検波回路を用いずに、検出すべき高周波信号を直流信号に変換するように検出回路が構成される場合にも適用することができる。
上記の実施形態では、高周波検出装置が、高周波電力を制御する制御ループ内に設けられる場合を想定して、検出回路に過大な電圧が印加されないようにするために、検出装置の初段に高周波入力減衰器1を設けているが、検出対象とする高周波信号のレベルが、検出回路を構成する素子の耐圧上問題がない程度に低い場合には、減衰器1を省略することができる。
図1は本発明の一実施形態に係わる高周波検出装置の構成を示したブロック図である。 (A)〜(D)は、図1の各部の電圧波形を示した波形図である。 サンプルアンドホールド手段の構成例を示した回路図である。
符号の説明
1 高周波入力減衰器
2 検出回路
3 自乗検波回路
4 直流増幅回路
5 高速スイッチ
6 第1のサンプルアンドホールド手段
7 第2のサンプルアンドホールド手段
8 2入力演算回路
9 電位加算手段
10 バッファ回路
11 制御パルス発生手段
12 スイッチ制御手段

Claims (7)

  1. 出力に含まれる誤差成分が温度により変化する特性を有する検出回路を通して高周波信号を検出する高周波検出装置において、
    前記検出回路の入力側に設けられてオン状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を可能にし、オフ状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を停止させるスイッチと、
    前記スイッチをオンオフさせるスイッチ制御手段と、
    前記スイッチがオン状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオフ状態にある期間は前記スイッチがオフ状態になる直前の前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力する状態を保持する第1のサンプルアンドホールド手段と、
    前記スイッチがオフ状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオン状態にある期間は前記スイッチがオン状態になる直前の前記検出回路の出力と同じ大きさの信号を出力する状態を保持する第2のサンプルアンドホールド手段と、
    前記第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから前記第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる補正演算を行って演算結果を検出信号として出力する補正演算手段と、
    を具備してなる高周波検出装置。
  2. 出力に含まれる誤差成分が温度により変化する特性を有する検出回路を通して高周波信号を検出して、検出信号をバッファ回路を通して出力する高周波検出装置において、
    前記検出回路の入力側に設けられてオン状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を可能にし、オフ状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を停止させるスイッチと、
    前記スイッチをオンオフさせるスイッチ制御手段と、
    前記スイッチがオン状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオフ状態にある期間は、前記スイッチがオフ状態になる直前の前記検出回路の出力信号と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第1のサンプルアンドホールド手段と、
    前記スイッチがオフ状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオン状態にある期間は前記スイッチがオン状態になる直前の前記検出回路の出力と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第2のサンプルアンドホールド手段と、
    前記第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから前記第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる補正演算を行って演算された大きさを有する信号を検出信号として出力する演算回路と、
    前記演算回路と前記バッファ回路とで生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分だけ前記演算回路が出力した検出信号の大きさを補正する補正手段と、
    を具備し、
    前記補正値分だけ大きさが補正された前記検出信号が前記バッファ回路に入力されている高周波検出装置。
  3. 出力に含まれる誤差成分が温度により変化する特性を有する検出回路を通して高周波信号を検出して、検出信号をバッファ回路を通して出力する高周波検出装置において、
    前記検出回路の入力側に設けられてオン状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を可能にし、オフ状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を停止させるスイッチと、
    前記スイッチをオンオフさせるスイッチ制御手段と、
    前記スイッチがオン状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオフ状態にある期間は、前記スイッチがオフ状態になる直前の前記検出回路の出力信号と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第1のサンプルアンドホールド手段と、
    前記スイッチがオフ状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオン状態にある期間は前記スイッチがオン状態になる直前の前記検出回路の出力と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第2のサンプルアンドホールド手段と、
    前記第1のサンプルアンドホールド手段の出力と前記第2のサンプルアンドホールド手段の出力とが入力された演算回路と、
    を具備し、
    前記演算回路は、前記第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから前記第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる演算と、この演算によりより求められた大きさを、該演算回路内及び前記バッファ回路内で生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定された補正値分だけ補正する演算とを行って、演算された大きさを有する信号を検出信号として前記バッファ回路に与えるように構成されていること、
    を特徴とする高周波検出装置。
  4. 出力に含まれる誤差成分が温度により変化する特性を有する検出回路を通して高周波信号を検出して、検出信号をバッファ回路を通して出力する高周波検出装置において、
    前記検出回路の入力側に設けられてオン状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を可能にし、オフ状態にあるときに前記検出回路への高周波信号の入力を停止させるスイッチと、
    前記スイッチをオンオフさせるスイッチ制御手段と、
    前記スイッチがオン状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオフ状態にある期間は、前記スイッチがオフ状態になる直前の前記検出回路の出力信号と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第1のサンプルアンドホールド手段と、
    前記スイッチがオフ状態にある期間は前記検出回路の出力信号と同じ大きさの信号を出力し、前記スイッチがオン状態にある期間は前記スイッチがオン状態になる直前の前記検出回路の出力と大きさが等しい信号を出力する状態を保持する第2のサンプルアンドホールド手段と、
    前記第1のサンプルアンドホールド手段の出力と前記第2のサンプルアンドホールド手段の出力と予め設定された補正値とを入力として、前記第1のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさから前記第2のサンプルアンドホールド手段の出力の大きさを減じる演算と、この演算によりより求められた大きさを前記補正値分だけ補正する演算とを行って、演算された大きさを有する信号を検出信号として前記バッファ回路に与える演算回路と、
    を具備し、
    前記補正値は、前記演算回路内及び前記バッファ回路内で生じる誤差成分の少なくともオフセット成分に相当する値に設定されていること、
    を特徴とする高周波検出装置。
  5. 前記スイッチ制御手段は、前記検出回路が定常状態に落ち着くまでの過渡期間の間前記スイッチを短い周期でオンオフさせ、前記検出回路が定常状態になった後は前記スイッチをオンオフさせる周期を長くするように構成されている請求項1,2,3または4に記載の高周波検出装置。
  6. 前記検出回路は、高周波電力を制御する制御ループ内に設けられ、
    前記スイッチがオフ状態にされる期間は、前記制御ループの時定数よりも短く設定されている請求項1ないし5の何れか一つに記載の高周波検出装置。
  7. 前記検出回路は、高周波信号が直接または減衰器を通して入力されて、入力された高周波信号を検波する検波回路と、該検波回路の出力を増幅する直流増幅回路とを備えている請求項1ないし6の何れか一つに記載の高周波検出装置。
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