JP6229243B2 - 電流検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に電流検出装置、より詳細には導線を流れる被測定電流を検出する電流検出装置に関する発明である。
近年、電子機器には、漏電電流を検出するフラックスゲート型の電流検出装置(以下、電流検出装置)が用いられている。
従来の電流検出装置では、使用温度によって電流検出装置による検出結果が変化する。例えば、同一の漏電電流(被測定電流)であっても、温度が異なると、検出結果が異なってしまう可能性がある。
そこで、使用温度が変化する状況下においても、装置の温度に応じて検出結果を補正する技術がある(文献1「日本国特許公開番号2013−61322」参照)。
しかしながら、文献1に記載の構成では、電流検出装置に流れる電流の周波数の基本波成分および2倍高調波成分を抽出するため、演算処理が複雑になるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされており、その目的は、使用温度が変化する状況下であっても複雑な演算処理を簡略化して電流検出ができる電流検出装置を提供することにある。
本発明の一態様である電流検出装置は、導線に流れる被測定電流を検出する電流検出装置であって、所定の周波数で発振される励磁クロックと、前記所定の周波数の偶数倍の周波数で発振されるサンプリングクロックとを生成するクロック生成部と、前記導線が挿通される開口部を有する磁性体コアと、前記磁性体コアに巻回された励磁コイルとを有し、前記励磁クロックが発振される周期と同一周期の励磁電圧を前記励磁コイルに印加して前記励磁コイルに流れる励磁電流を生成し、生成した前記励磁電流を検出電圧に変換して出力する変換回路と、前記変換回路から出力される前記検出電圧を前記サンプリングクロックに基づいてサンプリングするサンプリング部と、前記励磁電流の変曲点に前記検出電圧をサンプリングするタイミングがくるように、前記検出電圧をサンプリングするタイミングを制御するタイミング制御部とを備えることを特徴とする。
この電流検出装置によると、使用温度が変化する状況下であっても複雑な演算処理を簡略化して電流検出を行うことができる。
実施形態1における電流検出装置の構成を説明する図である。 実施形態1における電流検出装置の利用形態の一例を示す図である。 タイミング制御部14の構成を説明する図である。 実施形態1における電流検出装置が行うサンプリングタイミングの制御を説明する流れ図である。 図5Aは、磁束密度Bと磁界Hとの特性を示す磁気ヒステリシス曲線を温度別に表した図であり、図5Bは、磁束密度Bと励磁電流の変曲点との関係を説明する図である。 図6Aは、被測定電流が0である場合において、励磁電流と時間との関係を、温度別に表した図である。図6Bは、被測定電流が0である場合において、励磁電流時間微分と時間との関係を、温度別に表した図である。図6Cは、励磁電流差分と時間との関係を、温度別に表した図である。 実施形態1の変形例における変換回路13の構成を説明する図である。 実施形態1の変形例における磁束密度Bと励磁電流の変曲点との関係を説明する図である。 実施形態1の電流検出装置との比較例である一般的な電流検出装置の一例を示す図である。 図10Aは電流検出装置10との比較例である一般的な電流検出装置における検出電圧を説明する図であり、図10BはPWM信号を説明する図であり、図10Cは出力電圧の出力レベルを説明する図である。 電流検出装置10との比較例である一般的な電流検出装置が検出する検出電圧も温度変化によって変化することを説明する図である。 実施形態2における変換回路13の構成を説明する図である。 実施形態3における電流検出装置が行う励磁電流の変曲点となるタイミングを検出する動作を説明する流れ図である。 図14Aから図14Dは、実施形態3のタイミング制御部が行うサンプリングのタイミングの設定を説明する図である。 変形例(1)の電流検出装置が行う励磁電流の変曲点となるタイミングを検出する動作を説明する流れ図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態のフラックスゲート型の電流検出装置(以下、電流検出装置)10について説明する。図1は、本実施形態の電流検出装置10の構成を説明する図であり、図2は、電流検出装置10の利用用途を説明する図である。
電流検出装置10は、導線40に流れる被測定電流(不平衡な直流電流)を検出することで、導線40の漏電を検出する装置であり、図2に示すように、電動車両30の蓄電池を充電する充電システムで用いられる。電動車両30として、例えば電気自動車やプラグインハイブリッド車などがある。具体的には、充電システムは、商用電源を供給する商用系統20と、電動車両30とが、変換装置50を介して接続される。そして、電流検出装置10は、商用系統20と変換装置50との間に介在し、商用系統20と変換装置50を接続する導線40に対する漏電を検出する。なお、変換装置50は、交流電源を直流電源に変換、および直流電源を交流電源に変換する機能を備える。ここで、導線40には、商用系統20から電動車両30の方向へと電流が流れる第1の導線と、電動車両30から商用系統20の方向へと電流が流れる第2の導線とを有している。導線40で漏電が発生していない場合には第1の導線に流れる電流の量と第2の導線に流れる電流の量とは同一であるため被測定電流は発生しない。しかしながら、漏電が発生している場合には、第1の導線に流れる電流の量と第2の導線に流れる電流の量とは異なるため被測定電流が発生する。電流検出装置10が、この被測定電流を検出することで導線40の漏電を検出することができる。
これにより、電流検出装置10は、商用系統20と変換装置50との間で流れる交流電流、変換装置50に流れる高周波電流、および変換装置50と電動車両30との間で流れる直流電流についての漏電を検出することができる。
以下、電流検出装置10の各構成要素について説明する。
本実施形態に係る電流検出装置10は、図1に示すように、発振器11、クロック生成部12、変換回路13、タイミング制御部14、サンプリング部15および検波部16を備えている。
発振器11は、後述する励磁クロックCL1およびサンプリングクロックCL2の基となる源クロックCL0を出力する。ここで、源クロックCL0の周波数は、励磁クロックCL1の周波数およびサンプリングクロックCL2の周波数の整数倍である。
クロック生成部12は、発振器11から出力された源クロックCL0を分周して、所定の周波数で発振される励磁クロックCL1と、励磁クロックCL1の周波数の2倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2とを生成する。クロック生成部12は、励磁クロックCL1を変換回路13に、サンプリングクロックCL2をサンプリング部15へ、それぞれ出力する。
変換回路13は、励磁クロックCL1を基に、励磁電流を発生し、発生した励磁電流を検出電圧Vdへと変換する。変換回路13は、図1に示すように、導線40が挿通される開口部を有する環状の磁性体コア100と、アンプ101と、磁性体コア100に巻回された励磁コイル102と、検出抵抗Rsとを備えている。
アンプ101は、励磁クロックCL1を増幅し、所定の電圧振幅を有する方形波信号(励磁電圧)を生成し、方形波信号を励磁コイル102へ出力する。これにより、励磁電圧が励磁コイル102に印加されることとなる。
検出抵抗Rsは、励磁コイル102から出力される励磁電流を、検出電圧Vdに変換する。
タイミング制御部14は、励磁電流の変曲点に検出電圧Vdをサンプリングするタイミングがくるように、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングを制御する。ここで、励磁電流の変曲点とは、励磁コイル102の磁束密度が0となる励磁電流の値であって、励磁電流の時間微分が極小値となる点、および極大値となる点である。この極小点および極大点は、磁束密度(B)と磁界(H)との関係から励磁クロックCL1の周期の1/2の周期で出現する。また、サンプリングするタイミングとは、励磁クロックCL1の周期が開始された時点からのずれ量を示す値であり、サンプリングクロックCL2の周期の開始時点となる。
タイミング制御部14は、図3に示すように、温度センサ140、メモリ141および処理部142を備えている。
温度センサ140は、磁性体コア100の使用温度を計測する。
メモリ141は、複数の使用温度について、当該温度とサンプリングタイミングとを対応付けたテーブルを有している。例えば、温度について、励磁電流の時間微分が極小値となるタイミングがサンプリングタイミングとして対応付けられている。
処理部142は、温度センサ140で計測された使用温度に応じたサンプリングタイミングをメモリ141のテーブルから読み出す。
処理部142は、読み出されたサンプリングタイミングでサンプリングクロックが開始されるように、クロック生成部12を制御する。
サンプリング部15は、クロック生成部12から出力されたサンプリングクロックCL2を基に、検出電圧Vdをサンプリングし、検波部16へ出力する。上述したように、サンプリングクロックCL2の周波数は、励磁クロックCL1の周波数の2倍であるので、励磁クロックCL1の1周期内においてサンプリングの周期は2回存在する。そこで、サンプリング部15は、励磁クロックCL1の周期において、検出電圧Vdのサンプリングを2回行う。
検波部16は、励磁クロックCL1の周期においてサンプリングされた2つの検出電圧Vdから、励磁電流の平均値に比例した値を計算し、その結果を基に、導線40の漏電の検出を行う。具体的には、検波部16は、漏電が生じていない、つまり導線40に不平衡な直流電流が流れていない状態での励磁電流の平均値に比例した値(基準値)を予め記憶している。漏電が生じている、つまり導線40に不平衡な直流電流が流れていると、磁性体コア100の電界に変化が生じ、検出される検出電圧Vdも変化する。検波部16は、この変化量に基づいて漏電を検出する。
次に、電流検出装置10が行うサンプリングタイミングの制御について、図4に示す流れ図を用いて説明する。
タイミング制御部14の処理部142は、温度センサ140で計測された使用温度を取得する(ステップS5)。
処理部142は、メモリ141のテーブルから取得した使用温度に対応するサンプリングタイミングを取得する(ステップS10)。処理部142は、取得したサンプリングタイミングでサンプリング部15が検出電圧Vdをサンプリングするように、クロック生成部12に対してサンプリングクロックCL2の出力を制御する。
サンプリング部15は、クロック生成部12から出力されたサンプリングクロックCL2に基づいて、2周期分の検出電圧Vdをサンプリングする(ステップS15)。これにより、励磁クロックCL1の1周期内で出現する2か所のサンプリング点に対する検出電圧Vdをサンプリングすることができる。
検出電圧Vdのサンプリングがされた後、処理部142は、温度センサ140で計測された使用温度を取得する(ステップS20)。
処理部142は、取得した使用温度を基に、使用温度に変化が生じているか否かを判断する(ステップS25)。例えば、処理部142は、前回取得した使用温度と今回取得した使用温度との差分を算出する。処理部142は、算出した差分が、例えば±5℃の範囲内である場合には、使用温度に変化が生じていないと判断し、それ以外の場合には使用温度に変化が生じていると判断する。なお、本実施形態では、使用温度に変化の判断基準の一例として、±5℃の範囲内の範囲を用いるが、この範囲に限定する趣旨ではない。また、別の例として、処理部142は、初回に取得した使用温度を基準値として、基準値と今回取得した使用温度との差分を算出してもよい。この場合、処理部142は、算出した差分が所定の範囲内(例えば、±5℃の範囲内)である場合には、使用温度に変化が生じていないと判断し、それ以外の場合には使用温度に変化が生じていると判断する。
温度変化が生じていると判断する場合(ステップS25における「Yes」)、処理はステップS10へ戻る。つまり、この場合の処理部142は、今回取得した使用温度に対応するサンプリングタイミングをテーブルから再度取得して、ステップS15以降の処理を続行する。
温度変化が生じていないと判断する場合(ステップS25における「No」)、処理はステップS15へ戻る。つまり、処理部142は、サンプリングタイミングの変更は行わない。
なお、温度変化の判断は、必ずしもサンプリングごとに毎回行う必要はない。前回の温度変化の判断からの経過時間が、温度変化が生じない程度に短い場合には、温度変化の判断を省略してもよい。
次に、具体例を用いて、サンプリングのタイミングについて説明する。
図5Aは、磁束密度Bと磁界Hとの特性を示す磁気ヒステリシス曲線(B−H曲線)を温度別に表した図である。図5Aでは、高温時のB−H曲線は破線で表し、低温時のB−H曲線は実線で表している。そして、中間の温度のB−H曲線は一点鎖線で表している。
従来、フラックスゲート型の電流検出では、図5AのH1、H2付近で示されるB−H特性の温度依存性が大きい飽和領域を使用しているが、本実施形態では、温度依存性が低い磁束密度Bが0となるポイントを電流検出に用いている。以下、その理由を述べる。
図5Bは磁束密度Bと励磁電流の変曲点との関係を説明する図である。図5Bの上段左は、磁束密度Bと励磁電流との関係を示す図である。磁界Hは、励磁電流に比例するため、磁束密度Bと励磁電流との関係は、B−H曲線と同様の関係性が得られる。図5Bの上段右は、磁束密度Bと励磁電流との関係を、励磁電流と時間との関係に変換した図である。この図によると、磁束密度Bが0であるポイントP1に相当する時点t1およびP2に相当する時点t2のそれぞれでは、励磁電流の増減はほとんどないことが分かる。図5Bの下段は、励磁電流を時間微分した値と時間との関係を示す図である。この図によると、時点t1が励磁電流を時間微分した値の極小点、時点t2が励磁電流を時間微分した値の極大点となっていることが分かる。
また、B−H曲線の原点対称性の関係から、励磁電流の極小点と極大点とは、励磁クロックCL1の周期の1/2周期で出現している。
つまり、磁束密度Bが0となるポイントが励磁電流の変曲点(極小点、極大点)であり、そのポイントが励磁クロックCL1の周期の1/2周期で出現することが分かる。
次に、図6Aは、被測定電流が0である場合において、励磁電流と時間との関係を、温度別に表した図である。図6Bは、被測定電流が0mAである場合において、励磁電流時間微分と時間との関係を、温度別に表した図である。なお、時間0.00E+00からTeまでが励磁クロックCL1の周期である。
図5Bで説明したように、励磁電流の増減はほとんどない箇所が、励磁電流を時間微分した値の極小点となっている(図6A、6B参照)。
図6Cは、励磁電流差分と時間との関係を、温度別に表した図である。ここで、励磁電流差分とは、被測定電流が検出された場合における励磁電流と、被測定電流が0である場合の励磁電流との差分である。図6B、6Cに示すように、温度ごとに示される励磁電流差分は、励磁電流の極小点の近傍では増減はほとんどない。
つまり、温度ごとに示される励磁電流の極小点の近傍における励磁電流差分は、温度依存性が小さい。
また、変曲点のタイミングは温度によって変化する(図6Cの時点t11、t12、t13参照)。そこで、電流検出装置10は、温度に応じてサンプリングタイミングを可変制御することで、温度依存性が小さい励磁電流差分を検出することができる。言い換えると、電流検出装置10は、温度に応じた変曲点にサンプリングタイミングがくるようにサンプリングクロックCL2を制御することで、温度依存性の小さい励磁電流差分を検出することができる。
本実施形態の電流検出装置10の検波部16は、磁性体コア100の磁束密度Bが0となる時点t1、t2のそれぞれでサンプリングした検出電圧Vdの値S1、S2を用いて、励磁電流の平均値に比例した値を算出する。なお、S1は励磁電流の極小点で検出された検出電圧Vdの値であり、S2は励磁電流の極大点で検出された検出電圧Vdの値である。また、算出に用いる数式は、例えば 数式1“−(S1+S2)/2”である。電圧は電流に比例するので、数式1での結果は、励磁電流の平均値に比例した値となることが分かる。
ここで、本実施形態で説明した変換回路13の構成の変形例について説明する。
本変形例の変換回路13は、図7に示すように、励磁電圧源110と、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112と、励磁コイル102と、検出抵抗Rsとを備えている。なお、図7では図示していないが、本変形例の変換回路13は、導線40が挿通される開口部を有する磁性体コア100も備えており、励磁コイル102は、磁性体コア100に巻回されている。
励磁電圧源110は、第1のスイッチ111および第2のスイッチ112の一方の電極と電気的に接続されており、励磁クロックCL1と同一の周期の励磁電圧を励磁コイル102と検出抵抗Rsとの直列回路に印加している。
第1のスイッチ111および第2のスイッチ112の他方の電極はグラウンドと電気的に接続されており、励磁コイル102に流れる励磁電流を、検出電圧Vdに変換する。
第1のスイッチ111および第2のスイッチ112は、励磁クロックCL1の周期で、オン・オフの関係が反転し、励磁コイル102に流れる電流の向きを反転させる。具体的には、励磁クロックCL1の周期の半分の期間では、第1のスイッチ111は励磁コイル102の一端と励磁電圧源110とを電気的に接続させ、第2のスイッチ112は検出抵抗Rsとグラウンドとを電気的に接続させる。励磁クロックCL1の周期の他の半分の期間では、第1のスイッチ111は励磁コイル102の一端とグラウンドとを電気的に接続させ、第2のスイッチ112は検出抵抗Rsと励磁電圧源110とを電気的に接続させる。
この回路構成によると、実施形態1のようにアンプ101を備える変換回路13と同様に、出力される検出電圧Vdは、励磁コイル102に流れる電流波形に比例する電圧となる。したがって、検波部16では、数式1を用いて、励磁電流の平均値に比例した値を算出することができる。
また、本実施形態では、クロック生成部12は、励磁クロックCL1の周波数の2倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2を生成するとしたが、これに限定されない。クロック生成部12は、励磁クロックCL1の周波数の偶数倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2を生成してもよい。
例えば、クロック生成部12は、励磁クロックCL1の周波数の4倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2を生成してもよい。図8は、クロック生成部12が励磁クロックCL1の周波数の4倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2を生成する場合における磁束密度Bと励磁電流の変曲点との関係を説明する図である。図8の上段左は、磁束密度Bと励磁電流との関係を示す図である。磁界Hは、励磁電流に比例するため、磁束密度Bと励磁電流との関係は、B−H曲線と同様の関係性が得られる。
図8の上段右は、磁束密度Bと励磁電流との関係を、励磁電流と時間との関係に変換した図である。この図によると、磁束密度Bが0であるポイントP1に相当する時点は、4つのサンプリングポイントのうち1番目の時点ta1であり、磁束密度Bが0であるポイントP2に相当する時点は、4つのサンプリングポイントのうち3番目の時点ta3である。時点ta1,ta3では、励磁電流の増減はほとんどない。
図8の下段は、励磁電流を時間微分した値と時間との関係を示す図である。この図によると、時点ta1が励磁電流を時間微分した値の極小点、時点ta3が励磁電流を時間微分した値の極大点となっている。
この場合、検波部16は、サンプリングされた4つの検出電圧Vdのうち1番目と3番目の検出電圧から、励磁電流の平均値に比例した値を計算し、その結果を基に、導線40の漏電の検出を行う。
また、クロック生成部12は、励磁クロックCL1の周波数の6倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2を生成する場合、磁束密度Bが0となる時点は、6つのサンプリングポイントのうち1番目の時点と、4番目の時点となる。そして、検波部16は、サンプリングされた6つの検出電圧Vdのうち1番目と4番目の検出電圧から、励磁電流の平均値に比例した値を計算し、その結果を基に、導線40の漏電の検出を行う。
つまり、クロック生成部12が、励磁クロックCL1の周波数の2n倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2を生成する場合、磁束密度Bが0となる時点は、2n個のサンプリングポイントのうち1番目の時点と、n+1番目の時点となる。なお、nは、1以上の整数である。そして、検波部16は、サンプリングされた2n個の検出電圧Vdのうち1番目とn+1番目の検出電圧から、励磁電流の平均値に比例した値を計算し、その結果を基に、導線40の漏電の検出を行う。
ここで、本実施形態の電流検出装置10との比較例として、図9に一般的なフラックスゲート型の電流検出装置(以下、電流検出装置)70の構成の一例を示す。電流検出装置70は、高透磁性材料からなり、被測定電流が流れる導線を貫通する開口部を有する磁性体コア80を備えている。この磁性体コアには励磁コイル82が巻回されている。
電流検出装置70のアンプ81は、発振器71から所定の周期で発振されるクロックを増幅し、所定の電圧振幅を有する励磁電圧を生成し励磁コイル82に印加する。これにより、励磁電流が発生される。電流検出装置70の変換回路72は、抵抗Rsを用いて励磁コイル82に流れる励磁電流を検出電圧に変換する(図10A参照)。なお、図10Aでは、漏電電流(被計測電流)がある場合には実線で示され、漏電電流がない場合には破線で示されている。
PWM(pulse width modulation)変換部73は、検出電圧と閾値との大小関係に基づくPWM信号を出力する(図10B参照)。なお、図10Bでは、漏電電流がある場合には実線で示され、漏電電流がない場合には破線で示されている。
算出部74は、PWM信号の平均値を検出結果として出力する(図10C参照)。なお、図10Cでは、漏電電流(被計測電流)がある場合には実線で示されている。漏電電流がない場合には平均レベルは0となる。
電流検出装置70は、この出力電圧に基づいて導線に流れる被測定電流を検出する。
電流検出装置10との比較例である電流検出装置70は、図5Aに示す磁性体コアの磁気ヒステリシス曲線(B−H曲線)において飽和磁束密度に接近する領域を検出電圧の検出に用いている。B−H曲線、特に飽和磁束密度の値は、磁性体コアの温度変化により変化する。その結果、電流検出装置が検出する検出電圧も温度変化によって変化する(図11参照)。図11の実線は、使用温度が低である場合の入力漏電電流に対する検出結果を表している。図11の一点鎖線は、使用温度が中である場合の入力漏電電流に対する検出結果を表している。図11の破線は、使用温度が高である場合の入力漏電電流に対する検出結果を表している。
図11によると、同一の漏電電流(被測定電流)であっても、温度が異なると、検出される検出結果は異なってしまう。そのため、温度変化が大きい装置に、電流検出装置を組み込んでも正確な検出(漏電検出)を行うことができない場合がある。
一方、本実施形態の電流検出装置10は、上述したように、温度依存性が低い磁束密度Bが0となるポイント、特に励磁電流の極小点および極大点となるポイントを電流検出に用いている。そのため、温度ごとに示される励磁電流の極小点の近傍における励磁電流差分は、温度依存性が小さいので、温度変化が大きい装置に、電流検出装置を組み込んでも正確な検出(漏電検出)を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の導線40に流れる被測定電流を検出する電流検出装置10は、クロック生成部12と、変換回路13と、サンプリング部15と、タイミング制御部14とを備える。クロック生成部12は、所定の周波数で発振される励磁クロックCL1と、所定の周波数の偶数倍の周波数で発振されるサンプリングクロックCL2とを生成する。変換回路13は、導線40が挿通される開口部を有する磁性体コア100と、磁性体コア100に巻回された励磁コイルとを有している。変換回路13は、励磁クロックCL1が発振される周期と同一周期の励磁電圧を励磁コイル102に印加して励磁コイル102に流れる励磁電流を生成し、生成した励磁電流を検出電圧Vdに変換して出力する。サンプリング部15は、変換回路13から出力される検出電圧VdをサンプリングクロックCL2に基づいてサンプリングする。タイミング制御部14は、励磁電流の変曲点に検出電圧Vdをサンプリングするタイミングがくるように、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングを制御する。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、使用温度が変化する状況下であっても複雑な演算処理を簡略化して電流検出を行うことができる。なぜなら、励磁電流の変曲点は、磁束密度が0となるポイントであり、そのポイントの近傍では温度依存性が小さいからである。
ここで、サンプリングクロックCL2の周波数は、所定の周波数の2倍の周波数であることが好ましい。
この構成によると、電流検出装置10は、サンプリング周波数を最小限に抑えることができる。これにより、電流検出装置10は、サンプリング周期をできるだけ大きな値とすることができるので、サンプリングを行う回路の動作の頻度を最小限に抑えることができる。
ここで、タイミング制御部14は、磁性体コア100の使用温度を計測する温度センサ140を備え、温度センサ140で測定された使用温度に応じて、サンプリングクロックCL2を制御することが好ましい。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、磁性体コアの使用温度に応じ、サンプリングクロックを制御するので、使用温度に応じて適切なタイミングで検出電圧を検出することができる。これにより、本実施形態の電流検出装置10は、高精度の検出電圧を検出することができる。
ここで、変換回路13は、さらに、アンプ101と検出抵抗Rsとを備えることが好ましい。アンプ101は、クロック生成部12で生成された励磁クロックCL1を増幅し、増幅後の励磁クロックCL1を励磁コイル102に出力することで、励磁電圧を励磁コイル102に印加する。検出抵抗Rsは、励磁コイル102から出力される励磁電流を検出電圧Vdに変換する。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、検出抵抗Rsに励磁電流に比例した検出電圧を加えることができる。
ここで、電流検出装置10は、さらに、サンプリング部15でサンプリングされた検出電圧Vdに基づいて、漏電を検知する検波部16を備えることが好ましい。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、出力結果の温度依存性を小さくすることができる。
(実施形態2)
本実施形態における電流検出装置10について、実施形態1とは異なる点を中心に説明する。本実施形態の電流検出装置10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の電流検出装置10では、変換回路13の構成が、実施形態1とは異なっている。
本実施形態の変換回路13は、図12に示すように、励磁電圧源120と、第1のスイッチ121、第2のスイッチ122と、励磁コイル102と、検出抵抗Rsとを備えている。なお、図12では図示していないが、本実施形態の変換回路13は、導線40が挿通される開口部を有する磁性体コア100も備えており、励磁コイル102は、磁性体コア100に巻回されている。
励磁電圧源120は、第1のスイッチ121および第2のスイッチ122の一方の電極と電気的に接続されており、励磁クロックCL1と同一の周期の励磁電圧を励磁コイル102に印加している。
検出抵抗Rsは、第1のスイッチ121および第2のスイッチ122の他方の電極と電気的に接続されており、励磁コイル102に流れる励磁電流を、検出電圧Vdに変換する。
第1のスイッチ121および第2のスイッチ122は、励磁クロックCL1の周期で、オン・オフの関係が反転し、励磁コイル102に流れる電流の向きを反転させる。具体的には、励磁クロックCL1の周期の半分の期間では、第1のスイッチ121は励磁コイル102の一端と励磁電圧源120とを電気的に接続させ、第2のスイッチ122は励磁コイル102の他端を検出抵抗Rsと電気的に接続させる。この場合の電流経路を第1経路とする。励磁クロックCL1の周期の他の半分の期間では、第1のスイッチ121は励磁コイル102の一端と検出抵抗Rsとを電気的に接続させ、第2のスイッチ122は励磁コイル102の他端と励磁電圧源120とを電気的に接続させる。この場合の電流経路を第2経路とする。
つまり、本実施形態では、電流検出装置10は、第1のスイッチ121および第2のスイッチ122により、励磁クロックCL1の周期の半分の期間ごとに、第1経路と第2経路とを切り替えている。ここで、第1のスイッチ121と第2のスイッチ122とが、本発明の切替部に相当する。
本実施形態の検波部16は、実施形態1と同様に、励磁クロックCL1の周期においてサンプリングされた2つの検出電圧Vdの値S1、S2から、励磁電流の平均値に比例した値を計算する。しかしながら、本実施形態では、計算式が実施形態1の数式1とは異なる。本実施形態の検波部16が用いる数式は、数式2“(−S1+S2)/2”である。本実施形態では、第1のスイッチ121および第2のスイッチ122の制御により、励磁クロックCL1の周期の半分の期間と、他の半分の期間とでは励磁電流の向きが異なる。そのため、数式1そのものを利用することはできず、例えばS2に対して値“−1”を乗算する補正を行う必要がある。その結果として数式2が得られる。
実施形態1に示すように、変換回路13がアンプ101を備える構成では、アナログ回路によっては、オフセットが加わる虞がある。そこで、正確な検出電圧Vdを取得するためには、オフセットをキャンセルする必要がある。例えば、S1およびS2に対して、同じ量のオフセットが加わった場合には、数式2を用いることで、そのオフセットはキャンセルされる。
なお、本実施形態の電流検出装置10が行うサンプリングタイミングの制御の動作は、実施形態1の動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態の電流検出装置10の変換回路13は、さらに、励磁電圧源120と、第1のスイッチ121および第2のスイッチ122の組(切替部)と、検出抵抗Rsとを備えることが好ましい。励磁電圧源120は、励磁コイル102に励磁電圧を印加する。第1のスイッチ121および第2のスイッチ122の組は、所定の周波数で表される周期の1/2周期で、励磁コイル102に流れる励磁電流の第1経路と第2経路とを切り換える。検出抵抗Rsは、励磁コイル102から出力される励磁電流を検出電圧Vdに変換する。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、変換回路13において信号レベルのオフセットの影響をキャンセルすることができる。
(実施形態3)
本実施形態における電流検出装置10について、実施形態1及び実施形態2とは異なる点を中心に説明する。本実施形態の電流検出装置10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の電流検出装置10では、タイミング制御部14の機能動作が、実施形態1とは異なっている。
以下、本実施形態のタイミング制御部14の機能動作について、説明する。
本実施形態のタイミング制御部14は、被測定電流の計測開始するに先立って、励磁コイル102に流れる励磁電流から変曲点となるタイミングを検出する。タイミング制御部14は、検出したタイミングを、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングとしてメモリへ設定する。タイミング制御部14は、設定したタイミングに基づいて、クロック生成部12に対してサンプリングクロックを出力するように制御する。
励磁電流の変曲点となるタイミングの検出および設定は、例えば電流検出装置10に電源が投入されたタイミングで行われる。
以下、励磁コイル102に流れる励磁電流の変曲点となるタイミングを検出する動作について、図13に示す流れ図を用いて説明する。
ここでは、タイミング制御部14は、初期段階として、サンプリングクロックCL2が励磁クロックCL1の開始時点からΔtだけ遅れて開始されるようにクロック生成部12を制御している。
タイミング制御部14は、自装置に電源が投入されると、処理を開始する(ステップS100)。
サンプリング部15は、励磁クロックCL1の周期内に2回出現するサンプリングのタイミングのそれぞれで、検出電圧Vdを検出する。タイミング制御部14は、検出された各検出電圧Vdの値(S1、S2)を用いて励磁電流の値を測定する(ステップS105)。具体的には、変換回路13が実施形態1で示す回路である場合には、タイミング制御部14は、数式“(S1+S2)/(2Rs)”で励磁電流の値を算出する。または、変換回路13が実施形態2で示す回路である場合には、タイミング制御部14は、数式“(S1−S2)/(2Rs)”で励磁電流の値を算出する。
タイミング制御部14は、サンプリングのタイミングを変更する処理を行う(ステップS110)。具体的には、タイミング制御部14は、サンプリングクロックCL2がさらにΔt(つまり励磁クロックCL1の開始時点からΔ2t)だけ遅れて開始されるようにクロック生成部12を制御する。
サンプリング部15は、励磁クロックCL1の周期内に2回出現するサンプリングのタイミングのそれぞれで、検出電圧Vdを検出する。タイミング制御部14は、検出された各検出電圧Vdの値を用いて励磁電流の値を測定する(ステップS115)。測定方法は、ステップS105の場合と同様である。
タイミング制御部14は、ステップS105およびステップS115のそれぞれで測定した励磁電流の差分ΔLを算出する(ステップS120)。
タイミング制御部14は、サンプリングのタイミングを変更する処理を行う(ステップS125)。具体的には、タイミング制御部14は、現在設定されているタイミングからさらにΔtだけ遅れて開始されるようにクロック生成部12を制御する。
サンプリング部15は、励磁クロックCL1の周期内に2回出現するサンプリングのタイミングのそれぞれで、検出電圧Vdを検出する。タイミング制御部14は、検出された各検出電圧Vdの値を用いて励磁電流の値を測定する(ステップS130)。測定方法は、ステップS105の場合と同様である。
タイミング制御部14は、ステップS130で測定された励磁電流の絶対値が設定範囲内であるか否かを判断する(ステップS135)。例えば、設定範囲が0mA以上10mA以下であるとする。このとき、タイミング制御部14は、計測された励磁電流の絶対値が設定範囲の上限値(10mA)以下である場合に、測定された励磁電流の絶対値が設定範囲内であると判断する。言い換えると、タイミング制御部14は、計測された励磁電流が−10mA以上10mA以下である場合に、測定された励磁電流の絶対値が設定範囲内であると判断する。なお、設定範囲の上限値が、本発明における設定値に相当する。
励磁電流の絶対値が設定範囲内である判断する場合(ステップS135における「Yes」)、タイミング制御部14は、前回計測した励磁電流の値と今回計測した励磁電流の値との差分値を算出する(ステップS140)。その後、処理は、ステップS125へ戻る。
励磁電流の絶対値が設定範囲内でない判断する場合(ステップS135における「No」)、タイミング制御部14は、ステップS140で算出した1つ以上の差分値のうち最小の差分値(差分最小値)がΔLより小さいか否かを判断する(ステップS145)。
差分最小値がΔLより小さいと判断する場合(ステップS145における「Yes」)、タイミング制御部14は、比較処理を行う(ステップS150)。具体的には、タイミング制御部14は、差分最小値となる励磁電流値の組み合わせのうち一方の励磁電流値を含む第1の組み合わせによる差分値と、他方の励磁電流値を含む第2の組み合わせ差分値とを比較する。
タイミング制御部14は、サンプリングのタイミングの設定処理を行う(ステップS155)。具体的には、タイミング制御部14は、ステップS150で小さいと判断した組み合わせの要素のうち差分最小値となる励磁電流値の組み合わせに含まれる励磁電流値を測定したタイミングを、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングとして設定する。
差分最小値がΔLより小さくないと判断する場合(ステップS145における「No」)、タイミング制御部14は、タイミングの初期化を行う(ステップS160)。具体的には、タイミング制御部14は、サンプリングクロックCL2が励磁クロックCL1の開始時点からΔtだけ遅れて開始されるようにクロック生成部12を制御する。
タイミングの初期化後、タイミング制御部14は、変更処理を行う(ステップS165)。具体的には、タイミング制御部14は、ステップS110、S125においてサンプリングのタイミングの変更をΔtだけ遅らせるのではなく、Δtだけ早くなるようにサンプリングタイミングの変更方法を変更する。
次に、タイミング制御部14が行うサンプリングのタイミングの設定について、図14Aから図14Dに示す具体例を用いて説明する。
本具体例では、設定範囲SRを0mA〜10mAとしている。つまり、電流検出装置10は、サンプリングする励磁電流Iaの範囲を−10mA〜10mAとして、励磁クロックCL1の1周期ごとに、サンプリングのタイミングをΔtずつ遅延させて、励磁電流Iaの測定を6回行う(図14A参照)。具体的には、電流検出装置10は、1回目の励磁クロックの周期の時点t21、時点t31のそれぞれで検出電圧Vdを取得して、1回目の励磁電流Iaの値を算出する(図14B参照)。次に、2回目の励磁クロックの周期で、時点t21、時点t31のそれぞれよりΔtだけ遅れた時点t22、t32で、検出電圧Vdを取得して、2回目の励磁電流Iaの値を算出する(図14C参照)。以降、励磁クロックCL1の1周期ごとに、励磁電流Iaの算出ポイントをΔtずつ遅延させて、励磁電流Iaの値を算出する。図14Aでは、3回目の励磁電流Iaの値は、時点t23、t33のそれぞれの検出電圧Vdから、4回目の励磁電流値Iaの値は、時点t24、t34のそれぞれの検出電圧Vdから、それぞれ算出される。さらに、5回目の励磁電流Iaの値は、時点t25、t35のそれぞれの検出電圧Vdから、6回目の励磁電流Iaの値は、時点t26、t36のそれぞれの検出電圧Vdから、それぞれ算出される。
図14Dは、励磁電流の差分値の変化を表す図である。図14Dの横軸に記載する組(m−1、m)は、(m−1)回目の励磁電流Iaの値と、m回目の励磁電流Iaの値の組み合わせを表す。なお、mは2以上6以下の整数である。そして、縦軸の励磁電流差分は、組(m−1、m)における励磁電流値の差分、つまりは、(m−1)回目の励磁電流Iaの値と、m回目の励磁電流Iaの値との差分を表す。また、組(1、2)で算出された励磁電流値の差分は、上述したΔLに相当する値となっている。図14Dに示す例では、組(3、4)の励磁電流差分が、励磁電流差分のうち最小の励磁電流差分(最小差分値)であって、ΔLよりも小さい値となっている。そのため、上述した図13のステップS145の判断条件が真となる。電流検出装置10は、ステップS150の比較処理により、組(2、3)の励磁電流差分の値と、組(4、5)の励磁電流差分の値とを比較する。この場合、組(2、3)の励磁電流差分の値の方が、組(4、5)の励磁電流差分の値よりも小さい。そのため、電流検出装置10は、ステップS155の設定処理により、3回目に励磁電流を計測したタイミングを、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングとして設定する。
本実施形態における励磁電流差分の算出により、励磁電流の時間微分を算出している。また、本実施形態では、各タイミングで計測された励磁電流の絶対値のそれぞれは、設定範囲SR内である。つまり、サンプリングのタイミングと設定されるタイミングは、励磁電流の絶対値が予め定められた設定値以下であり、かつ励磁電流の絶対値に対する時間微分した値が最小となるタイミングとなっている。
以上説明したように、本実施形態の電流検出装置10のタイミング制御部14は、以下のように検出電圧Vdをサンプリングするタイミングを設定することが好ましい。タイミング制御部14は、励磁電流の絶対値が予め定められた設定値以下であり、かつ励磁電流の絶対値に対する時間微分した値が最小となるタイミングを、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングとして設定する。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、追加部品を用いることなく、サンプリングのタイミングの制御ができる。
また、タイミング制御部14は、以下のように動作することが好ましい。タイミング制御部14は、励磁クロックCL1の所定の周波数で表される励磁周期において出現する2回のサンプリングのタイミングを、励磁周期ごとに変化させる。タイミング制御部14は、励磁周期ごとに、当該励磁周期で出現する2回のサンプリングのタイミングでサンプリングされた検出電圧Vdに基づいて励磁電流を算出する。タイミング制御部14は、励磁周期ごとに算出された励磁電流と、当該励磁電流が算出された一の励磁周期の直前の励磁周期または直後の励磁周期で算出された励磁電流との差分を算出する。タイミング制御部14は、算出した各差分から変曲点が出現するタイミングを特定し、特定したタイミングを、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングとして設定する。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、変換回路13から出力される検出電圧Vdに基づいて、サンプリングのタイミングを設定するので、より正確なサンプリングのタイミングで電流検出を行うことができる。また、電流検出装置10は、サンプリングタイミングを設定する際に新たな部品は必要としない。そのため、電流検出装置10は、新たな部品を追加することなくサンプリングタイミングの制御を行うことができる。
ここで、タイミング制御部14は、自装置の電源投入時に、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングの設定を行うことが好ましい。
この構成によると、本実施形態の電流検出装置10は、電源が投入された直後であっても適切なサンプリングタイミングで電流検出を行うことができる。
(変形例)
以上、実施形態1から実施形態3に基づいて本発明について説明したが、本発明は上述した実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態3では、励磁電流の変曲点となるタイミングの検出および設定は、例えば電流検出装置10に電源が投入されたタイミングで行われるとしたが、これに限定されない。電流検出装置10は、サンプリングされた検出電圧Vdに基づく励磁電流の変化量が所定値以上である場合に、励磁電流の変曲点となるタイミングの検出および設定を行ってもよい。
この場合における電流検出装置10の動作について、図15に示す流れ図を用いて説明する。
電流検出装置10のタイミング制御部14は、サンプリングされた検出電圧Vdに基づく励磁電流の変化量が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS200)。具体的には、タイミング制御部14は、今回サンプリングされた検出電圧Vdに基づく励磁電流と、前回サンプリングされた検出電圧Vdに基づく励磁電流との差分が、所定値以上であるか否かを判断する。
変化量が所定値以上である判断する場合(ステップS200における「Yes」)、タイミング制御部14は、タイミング設定処理を行う(ステップS205)。タイミング設定処理は、図13に示すステップS105〜ステップS165と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以上説明したように、本変形例の電流検出装置10のタイミング制御部14は、以下のように動作することが好ましい。タイミング制御部14は、設定したタイミングでサンプリングされた検出電圧Vdに基づく励磁電流の変化量が所定値以上である場合に、検出電圧Vdをサンプリングするタイミングの設定を再度行う。
この構成によると、本変形例の電流検出装置10は、電流検出の動作中であっても、温度変化に応じた適切なタイミングで電流検出を行うことができる。なぜなら、励磁電流が所定値以上変化することは、温度が変化しているとみなすことができるからである。
(2)上記各実施形態において、磁性体コア100の形状を環状としたが、これに限定されない。磁性体コア100の形状は、閉磁路が形成される形状であればよい。
(3)上記実施形態および変形例を組み合わせてもよい。

Claims (10)

  1. 導線に流れる被測定電流を検出する電流検出装置であって、
    所定の周波数で発振される励磁クロックと、前記所定の周波数の偶数倍の周波数で発振されるサンプリングクロックとを生成するクロック生成部と、
    前記導線が挿通される開口部を有する磁性体コアと、前記磁性体コアに巻回された励磁コイルとを有し、前記励磁クロックが発振される周期と同一周期の励磁電圧を前記励磁コイルに印加して前記励磁コイルに流れる励磁電流を生成し、生成した前記励磁電流を検出電圧に変換して出力する変換回路と、
    前記変換回路から出力される前記検出電圧を前記サンプリングクロックに基づいてサンプリングするサンプリング部と、
    前記励磁電流の変曲点に前記検出電圧をサンプリングするタイミングがくるように、前記検出電圧をサンプリングするタイミングを制御するタイミング制御部とを備える
    ことを特徴とする電流検出装置。
  2. 前記サンプリングクロックの周波数は、前記所定の周波数の2倍の周波数である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
  3. 前記タイミング制御部は、前記磁性体コアの使用温度を計測する温度センサを備え、
    前記タイミング制御部は、前記温度センサで測定された前記使用温度に応じて、前記サンプリングクロックを制御する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電流検出装置。
  4. 前記タイミング制御部は、前記励磁電流の絶対値が予め定められた設定値以下であり、かつ前記励磁電流の絶対値に対する時間微分した値が最小となるタイミングを、前記検出電圧をサンプリングするタイミングとして設定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電流検出装置。
  5. 前記タイミング制御部は、
    前記励磁クロックの前記所定の周波数で表される励磁周期において出現する2回の前記サンプリングのタイミングを、前記励磁周期ごとに変化させ、
    前記励磁周期ごとに、当該励磁周期で出現する2回の前記サンプリングのタイミングでサンプリングされた前記検出電圧に基づいて前記励磁電流を算出し、
    前記励磁周期ごとに算出された前記励磁電流と、当該励磁電流が算出された一の励磁周期の直前の励磁周期または直後の励磁周期で算出された励磁電流との差分を算出し、
    算出した各差分から前記変曲点が出現するタイミングを特定し、特定したタイミングを、前記検出電圧をサンプリングするタイミングとして設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電流検出装置。
  6. 前記タイミング制御部は、自装置の電源投入時に、前記検出電圧をサンプリングするタイミングの設定を行う
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電流検出装置。
  7. 前記タイミング制御部は、
    設定したタイミングでサンプリングされた前記検出電圧に基づく前記励磁電流の変化量が所定値以上である場合に、前記検出電圧をサンプリングするタイミングの設定を再度行う
    ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の電流検出装置。
  8. 前記変換回路は、さらに、
    前記クロック生成部で生成された前記励磁クロックを増幅し、増幅後の前記励磁クロックを前記励磁コイルに出力することで、前記励磁電圧を前記励磁コイルに印加するアンプと、
    前記励磁コイルから出力される前記励磁電流を前記検出電圧に変換する検出抵抗とを備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電流検出装置。
  9. 前記変換回路は、さらに、
    前記励磁コイルに前記励磁電圧を印加する励磁電圧源と、
    前記所定の周波数で表される周期の1/2周期で、前記励磁コイルに流れる前記励磁電流の第1経路と第2経路とを切り換える切替部と、
    前記励磁コイルから出力される前記励磁電流を前記検出電圧に変換する検出抵抗とを備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電流検出装置。
  10. さらに、前記サンプリング部でサンプリングされた前記検出電圧に基づいて、漏電を検知する検波部を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の電流検出装置。
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