JP2000097973A - 直流電流センサ - Google Patents

直流電流センサ

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JP2000097973A
JP2000097973A JP10273773A JP27377398A JP2000097973A JP 2000097973 A JP2000097973 A JP 2000097973A JP 10273773 A JP10273773 A JP 10273773A JP 27377398 A JP27377398 A JP 27377398A JP 2000097973 A JP2000097973 A JP 2000097973A
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Japan
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current
offset
coil
voltage
magnetic flux
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JP10273773A
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English (en)
Inventor
Shigeo Yamaji
茂夫 山路
Toshiyuki Asakura
俊之 朝倉
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小電流領域から大電流領域までの広範囲に亘
って精度良く直流電流を測定することができる直流電流
センサを提供する。 【解決手段】 コア13に形成されたギャップ11に挿
入されたホール素子15は、貫通電流(I0+α)によ
り発生した磁束(φ0+φα)に応じた電圧を出力す
る。コア13にオフセットコイル21が巻数N0巻回さ
れ、オフセットコイル電流制御回路29は、オフセット
コイル21に所定の制御電流i0(=I0/N0)を流す
ため、オフセット貫通電流I0により発生した磁束φ0
打ち消して、オフセット幅I0をオフセットする。ホー
ル素子15から磁束φαに比例した電圧を取り出して増
幅器19により増幅して出力電圧E0を得るため、出力
電圧E0により貫通電流αを求めることができる。オフ
セット貫通電流I0は、既知であるから、貫通電流(I0
+α)を精度良く測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小電流領域から大
電流領域までの広範囲に亘って精度良く直流電流を測定
することができる直流電流センサに関する。
【0002】
【従来の技術】ホール素子を用いて直流電流を測定する
直流電流センサが従来より知られている。従来のこの種
の直流電流センサの概略構成図を図5に示す。
【0003】図5に示す直流電流センサにおいて、幅a
のギャップ111を有するリング状のコア113に貫通
電流I0を流すと、コア113内部に磁束が発生する。
コア113のギャップ111に発生する磁束密度B(単
位はテスラ)は、コア113の材質や形状によって決定
される定数をμ0とすると、(1)式で表される。
【0004】B=I0(μ0/a) …(1) すなわち、磁束密度Bは、ほぼ貫通電流に比例し、磁路
材料の磁気飽和点までは、(1)式の関係を維持する。
【0005】そして、ギャップ111にホール素子11
5を挿入し、このホール素子115へ定電流回路117
から一定電流を流すことにより、ホール素子115の両
端から磁束密度に比例した電圧が得られる。この電圧を
増幅器119で増幅して出力電圧E0を得る。この出力
電圧E0は、磁束密度に比例し、磁束密度は、(1)式
に示すように貫通電流に比例するため、出力電圧を求め
ることで、貫通電流を測定することができる。
【0006】図6に図5に示す従来の直流電流センサの
出力電圧対貫通電流特性を示す。図6に示すように、出
力電圧E0に対して貫通電流l0が直線的に(リニア)に
変化している。しかし、磁気飽和点における飽和磁束密
度の関係から、この直流電流センサの最大貫通電流のリ
ニアな範囲は、例えば、500A程度となる。
【0007】次に、図7に従来のサーボ式直流電流セン
サの概略構成図を示す。図7に示すサーボ式直流電流セ
ンサは、図5に示す直流電流センサよりも特性が優れて
いる。このサーボ式直流電流センサにおいて、ギャップ
111を有するリング状のコア113に貫通電流I0
流すと、コア113内部に磁束が発生する。
【0008】そして、ギャップ111にホール素子11
5を挿入し、このホール素子115へ抵抗131から一
定電流を流すことにより、ホール素子115の両端から
磁束密度に比例した電圧が得られる。
【0009】この電圧を誤差増幅器135で増幅して誤
差電圧を得て、この誤差電圧をトランジスタ137,1
39で構成されるプシュプル回路で増幅して誤差信号を
得る。そして、この誤差信号に比例した電流ifをフィ
ードバックコイル141に流すことによって、コア11
3内部の磁束密度を零に保つようにする。
【0010】ここで、フィードバックコイル141の巻
数をNfとすれば、(2)式が成立する。
【0011】I0=if・Nf …(2) このとき、負荷抵抗143(抵抗値RL)に電流ifが
流れるため、抵抗143の両端電圧、すなわち出力電圧
0は、(3)式で表される。
【0012】 E0=if・RL=(I0/Nf)・RL …(3)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示す従来の直流電流センサや図7に示すサーボ式直流電
流センサにあっては、貫通電流が大電流、例えば、10
00Aとなった場合には、磁気飽和点における飽和磁束
密度の関係から、貫通電流に対して出力電圧がリニアに
変化せずに飽和してしまう。
【0014】すなわち、感度(E0/l0)が悪化してし
まうことになる。このため、従来の直流電流センサにあ
っては、大電流領域に対しては、直流電流を精度良く測
定することができないという課題を有していた。
【0015】本発明は、小電流領域から大電流領域まで
の広範囲に亘って精度良く直流電流を測定することがで
きる直流電流センサを提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために以下の構成とした。請求項1の発明は、略円
環形状の磁性材料からなり、ギャップが形成されるとと
もに貫通穴に第1の電流とこの第1の電流よりも小さい
第2の電流との合計電流からなる貫通電流が流れるコア
と、このコアに形成された前記ギャップに挿入され、前
記貫通電流により発生した磁束に応じた電圧を出力する
磁電変換手段と、この磁電変換手段により得られた電圧
を増幅して前記貫通電流に応じた出力電圧を得る電圧増
幅手段と、前記コアに第1の巻数分巻回されたオフセッ
トコイルと、前記第1の電流により発生した第1の磁束
を打ち消すために前記オフセットコイルに所定のオフセ
ット制御電流を流すオフセットコイル電流制御手段とを
備えることを特徴とする。
【0017】請求項1の発明によれば、コアに形成され
たギャップに挿入された磁電変換手段は、貫通電流によ
り発生した磁束に応じた電圧を出力する。コアにオフセ
ットコイルが第1の巻数分巻回され、オフセットコイル
電流制御手段は、オフセットコイルに所定のオフセット
制御電流を流すため、第1の電流により発生した第1の
磁束を打ち消して、オフセット幅である第1の電流をオ
フセットする。
【0018】磁電変換手段から第2の磁束に比例した電
圧を取り出して電圧増幅手段により増幅して出力電圧を
得るため、出力電圧により第2の電流を求めることがで
きる。このため、小電流領域から大電流領域までの広範
囲に亘って精度良く直流電流を測定することができる。
【0019】請求項2の発明は、略円環形状の磁性材料
からなり、ギャップが形成されるとともに、貫通穴に第
1の電流とこの第1の電流よりも小さい第2の電流との
合計電流からなる貫通電流が流れるコアと、このコアに
形成された前記ギャップに挿入され、前記貫通電流によ
り発生した磁束に応じた電圧を出力する磁電変換手段
と、この磁電変換手段により得られた電圧を増幅する電
圧増幅手段と、前記コアに第1の巻数分巻回されたオフ
セットコイルと、前記第1の電流により発生した第1の
磁束を打ち消すために前記オフセットコイルに所定のオ
フセット制御電流を流すオフセットコイル電流制御手段
と、前記コアに第2の巻数分巻回されたフィードバック
コイルと、前記第2の電流により発生した第2の磁束を
打ち消すために前記フィードバックコイルに、前記電圧
増幅手段で得られた電圧に比例したフィードバック制御
電流を流すフィードバックコイル電流制御手段と、前記
フィードバックコイルに接続され、前記第2の電流に応
じた出力電圧を取り出す負荷抵抗とを備えることを特徴
とする。
【0020】請求項2の発明によれば、オフセットコイ
ル電流制御手段は、オフセットコイルに所定のオフセッ
ト制御電流を流すため、第1の電流により発生した第1
の磁束を打ち消して、オフセット幅である第1の電流を
オフセットする。
【0021】また、フィードバックコイル電流制御手段
は、コアに第2の巻数分巻回されたフィードバックコイ
ルに、電圧増幅手段で得られた電圧に比例したフィード
バック制御電流を流すため、第2の電流により発生した
第2の磁束を打ち消す。また、負荷抵抗にフィードバッ
ク制御電流が流れ、負荷抵抗から第2の電流に応じた出
力電圧を取り出すことができるため、出力電圧により第
2の電流を求めることができる。このため、小電流領域
から大電流領域までの広範囲に亘って精度良く直流電流
を測定することができる。
【0022】請求項3の発明のように、前記オフセット
コイル電流制御手段は、前記第1の電流値を前記第1の
巻数値で除算して得られた値を前記所定のオフセット制
御電流値として流すことを特徴とする。
【0023】請求項3の発明によれば、オフセットコイ
ル電流制御手段は、第1の電流値を第1の巻数値で除算
して得られた値を所定のオフセット制御電流値として流
すため、オフセットコイル全体では、第1の電流に相当
する電流が流れることになり、第1の電流により発生し
た第1の磁束を打ち消すことができる。
【0024】請求項4の発明のように、前記フィードバ
ックコイル電流制御手段は、前記第2の電流値を前記第
2の巻数値で除算して得られた値を前記フィードバック
制御電流値として流すことを特徴とする。
【0025】請求項4の発明によれば、フィードバック
コイル電流制御手段は、第2の電流値を第2の巻数値で
除算して得られた値をフィードバック制御電流値として
流すため、フィードバックコイル全体では、第2の電流
に相当する電流が流れることになり、第2の電流により
発生した第2の磁束を打ち消すことができる。
【0026】請求項5の発明のように、前記第1の電流
は、別に設けられた直流電流センサによって予め測定さ
れていることを特徴とする。
【0027】請求項5の発明によれば、第1の電流が、
別に設けられた直流電流センサによって予め測定されて
いるため、第1の電流と第2の電流とを合計した貫通電
流を測定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の直流電流センサの
実施の形態を図面を参照して説明する。
【0029】<第1の実施の形態>図1に本発明の第1
の実施の形態に係る直流電流センサの概略構成図を示
す。図1に示す直流電流センサにおいて、略円環形状の
コア13は、高透磁率材料からなるパーマロイ、フェラ
イト等の磁性体であり、このコア13には幅aのギャッ
プ11が形成されている。このギャップ11には磁電変
換素子としてのホール素子15が挿入されている。
【0030】コア13の貫通穴14には貫通電流が流れ
るようになっていて、この貫通電流により発生した磁束
がホール素子15を貫くようになっている。定電流回路
17は、ホール素子15に一定電流を流す。
【0031】ホール素子15は、定電流回路17からの
一定電流により動作し、貫通電流により発生した磁束に
比例した電圧を出力する。増幅器19は、非反転入力端
子(+)及び反転入力端子(−)を有し、非反転入力端
子(+)から入力されたホール素子15の電圧を増幅し
て出力電圧E0を得る。なお、反転入力端子(−)は、
接地されている。
【0032】また、コア13の一次側には巻数N0のオ
フセットコイル21が巻回されており、このオフセット
コイル21の一端は抵抗23の一端に接続され、抵抗2
3の他端は接地されている。
【0033】オフセットコイル21の他端は、npn型
の第1のトランジスタ25のエミッタ及びpnp型の第
2のトランジスタ27のエミッタに接続されている。第
1のトランジスタ25と第2のトランジスタ27とによ
りプシュプル回路を構成している。このプシュプル回路
は、電流信号の歪みを低減するとともに電流を増幅す
る。
【0034】第1のトランジスタ25のコレクタには電
源V+が供給され、第2のトランジスタ27のコレクタ
には電源V−が供給されている。第1のトランジスタ2
5のベース及び第2のトランジスタ27のベースは、共
通接続され、第1のトランジスタ25のエミッタ及び第
2のトランジスタ27のエミッタも共通接続されてい
る。
【0035】第1のトランジスタ25のベース及び第2
のトランジスタ27のベースには、オフセットコイル電
流制御回路29の出力側が接続されている。このオフセ
ットコイル電流制御回路29は、プシュプル回路を介し
てオフセットコイル21に所定の制御電流i0を流すよ
うに制御する。この所定の制御電流i0は、オフセット
すべきオフセット貫通電流(オフセット幅ともいう。)
0をオフセットコイル21の巻数N0で除算して得られ
た値である。
【0036】次に、このように構成された第1の実施の
形態の直流電流センサの動作を説明する。ここでは、直
流電流センサの貫通穴14に、オフセット貫通電流I0
と貫通電流αとの総和である貫通電流(I0+α)が流
れるものとし、貫通電流αを求める場合について説明す
る。なお、貫通電流αは、オフセット貫通電流I0より
も十分に小さい値とする。
【0037】まず、オフセットコイル21に制御電流i
0を流さない場合における貫通電流の測定範囲Iwは、
−β<Iw<βである。また、貫通電流αが−β<α<
βの範囲内で精度良く測定可能な値であったとする。図
2に第1の実施の形態の直流電流センサのオフセット幅
が零の時の出力電圧対貫通電流特性を示す。
【0038】図2に示すようにオフセット幅I0が零で
ある場合(I0=i0・N0)、すなわち、制御電流i0
零である場合には、出力電圧が−E0から+E0に対し
て、貫通電流の測定範囲は、−β<Iw<βの範囲とな
る。この測定範囲内において、感度E0/I0は、一定値
となり、変化しない。
【0039】また、貫通穴14に貫通電流(I0+α)
が流れると、貫通電流(I0+α)に比例した磁束(φ0
+φα)がコア13内に時計方向に発生する。
【0040】次に、オフセットコイル電流制御回路29
は、プシュプル回路を介してオフセットコイル21に
(4)式が成立するような制御電流i0を流す。なお、
オフセット貫通電流I0は、例えば、別の直流電流セン
サにより測定され、既知であるものとする。
【0041】I0=i0・N0 …(4) すなわち、オフセットコイル21は、巻数N0を持つた
め、オフセットコイル21に電流I0が流れることにな
り、この電流I0により磁束φ0がコア13内に反時計方
向に発生する。
【0042】このため、オフセット貫通電流I0によっ
てコア13内に時計方向に発生した磁束φ0を打ち消す
ことができる。このため、コア13内に発生した磁束φ
αのみが、ホール素子15を貫く。
【0043】そして、ホール素子15から磁束φαに比
例した電圧を取り出し、取り出された電圧を増幅器19
により増幅して出力電圧E0を得る。この出力電圧E
0は、貫通電流αに比例した電圧であり、この出力電圧
0により貫通電流αを求めることができる。また、オ
フセット貫通電流I0は、別の電流センサにより測定さ
れた既知の値であるから、貫通電流(I0+α)を精度
良く測定することができる。
【0044】なお、オフセット貫通電流I0は、別の電
流センサにより測定してもよいが、例えば、負荷の使用
状況等から予測するようにしてもよい。
【0045】ここで、図3に第1の実施の形態の直流電
流センサのオフセット幅がl0の時の出力電圧対貫通電
流特性を示す。オフセットコイル21に制御電流i0
流した場合には、図3に示すように、オフセット幅がI
0となり、このオフセット幅I0を基準(原点)として、
出力電圧−E0から出力電圧+E0までの電圧範囲におい
て、貫通電流の測定範囲がI0−β<Iw<I0+βと変
化している。
【0046】図3に示す特性を図2に示す特性と比較す
ると、貫通電流の測定範囲がオフセット幅I0だけ上昇
している。すなわち、図2と図3とからわかるように、
オフセット幅l0によって測定範囲を大電流領域まで変
動させることができる。また、オフセット幅I0を基準
として、電圧範囲2E0に対して貫通電流の測定範囲は
2βであるから、測定範囲内において感度を一定値とす
ることができる。
【0047】実際の貫通電流の測定では、まず、コア1
3に巻回されたオフセットコイル21に所定の制御電流
を流し、コア13内の磁束φ0を打ち消すことで、オフ
セット幅I0をオフセットし、貫通電流αを求める。こ
のため、測定範囲内において感度が変化しなくなるか
ら、小電流領域から大電流領域まで精度良く貫通電流を
測定することができる。
【0048】<第2の実施の形態>次に、本発明の第2
の実施の形態の直流電流センサについて説明する。図4
に本発明の第2の実施の形態の直流電流センサの概略構
成図を示す。図4に示す第2の実施の形態の直流電流セ
ンサは、サーボ式直流電流センサであり、このサーボ式
直流電流センサがオフセットコイル21、オフセットコ
イル電流制御回路29等を有していることを特徴とす
る。
【0049】図4において、コア13のギャップ11に
挿入されたホール素子15には抵抗31を介して電源V
+が供給され、抵抗31の一端にはツェナーダイオード
33のカソードが接続され、このツェナーダイオード3
3のアノードは、接地されている。
【0050】ホール素子15は、抵抗31を介する電源
V+による一定電流により動作し、貫通穴14に流れる
貫通電流により発生した磁束に比例した電圧を出力す
る。誤差増幅器35は、非反転入力端子(+)及び反転
入力端子(−)を有し、反転入力端子(−)から入力さ
れたホール素子15の電圧を増幅して誤差電圧を得る。
非反転入力端子(+)は、接地されている。
【0051】誤差増幅器35の出力端は、npn型の第
3のトランジスタ37のベース及びpnp型の第4のト
ランジスタ39のベースに接続されている。第3のトラ
ンジスタ37と第4のトランジスタ39とによりプシュ
プル回路を構成している。
【0052】第3のトランジスタ37のコレクタには電
源V+が供給され、第4のトランジスタ39のコレクタ
には電源V−が供給されている。第3のトランジスタ3
7のエミッタ及び第4のトランジスタ39のエミッタ
は、フィードバックコイル41の一端に接続されてい
る。
【0053】巻数Nfを持つフィードバックコイル41
は、コア13の二次側に巻回されており、フィードバッ
クコイル41の他端には抵抗43の一端が接続され、抵
抗43の他端は接地されている。抵抗43の一端から出
力電圧E0を取り出すようになっている。
【0054】さらに、サーボ式直流電流センサは、オフ
セットコイル21、抵抗23、オフセットコイル電流制
御回路29、第1のトランジスタ25及び第2のトラン
ジスタ27からなるプシュプル回路を有している。これ
らについては、第1の実施の形態の直流電流センサで既
に説明したので、ここでは、その詳細な説明は省略する
ものとする。
【0055】次に、このように構成された第2の実施の
形態の直流電流センサの動作を説明する。ここでは、直
流電流センサの貫通穴14に、貫通電流(I0+α)が
流れるものとし、貫通電流αを求める場合について説明
する。なお、貫通電流αは、オフセット貫通電流I0
りも十分に小さい値とする。
【0056】まず、オフセットコイル21に制御電流i
0を流さない場合における貫通電流の測定範囲Iwは、
−β<Iw<βである。また、貫通電流αが−β<α<
βの範囲内で精度良く測定可能な値であったとする。
【0057】図2に示すようにオフセット幅I0が零で
ある場合には、出力電圧が−E0から+E0に対して、貫
通電流の測定範囲は、−β<Iw<βの範囲となる。こ
の測定範囲内において、感度E0/I0は、一定値とな
り、変化しない。
【0058】また、貫通穴14に貫通電流(I0+α)
が流れると、貫通電流(I0+α)に比例した磁束(φ0
+φα)がコア13内に時計方向に発生する。
【0059】次に、オフセットコイル電流制御回路29
は、プシュプル回路を介してオフセットコイル21に
(4)式が成立するような制御電流i0を流す。なお、
オフセット貫通電流I0は、例えば、別の直流電流セン
サにより測定され、既知であるものとする。
【0060】すなわち、オフセットコイル21は、巻数
0を持つため、オフセットコイル21に電流I0が流れ
ることになり、この電流I0により磁束φ0がコア13内
に反時計方向に発生する。
【0061】このため、オフセット貫通電流I0によっ
てコア13内に時計方向に発生した磁束φ0を打ち消す
ことができる。
【0062】また、コア13内に発生した磁束φαのみ
が、ホール素子15を貫く。そして、ホール素子15か
ら磁束φαに比例した電圧を取り出し、取り出された電
圧を誤差増幅器35により増幅して誤差電圧を得る。こ
の誤差電圧は、第3のトランジスタ37及び第4のトラ
ンジスタ39からなるプシュプル回路により増幅され
て、増幅された電流ifが、フィードバックコイル41
を介して抵抗43に流れる。この場合、フィードバック
コイル41に(5)式が成立するような電流ifを流
す。
【0063】α=if・Nf …(5) すなわち、フィードバックコイル41は、巻数Nfを持
つため、フィードバックコイル41に電流αが流れるこ
とになり、この電流αにより磁束φαがコア13内に反
時計方向に発生する。この電流αによってコア13内に
発生した磁束φαを打ち消すことができる。
【0064】また、電流ifがフィードバックコイル4
1を介して抵抗43に流れるため、(6)式が成立す
る。
【0065】 E0=if・RL=(α/Nf)・RL …(6) RLは、抵抗43の抵抗値である。出力電圧E0は、貫
通電流αに比例した電圧であり、この出力電圧E0によ
り貫通電流αを求めることができる。また、オフセット
貫通電流I0は、別の電流センサにより測定された既知
の値であるから、貫通電流(I0+α)を精度良く測定
することができる。
【0066】なお、オフセット貫通電流I0は、別の電
流センサにより測定してもよいが、例えば、負荷の使用
状況等から予測するようにしてもよい。
【0067】このように、オフセットコイル21に制御
電流i0を流した場合には、図3に示すように、オフセ
ット幅がI0となり、このオフセット幅I0を基準(原
点)として、出力電圧−E0から出力電圧+E0までの電
圧範囲において、貫通電流の測定範囲がI0−β<Iw
<I0+βと変化する。
【0068】すなわち、オフセット幅l0によって測定
範囲を大電流領域まで変動させることができる。また、
オフセット幅I0を基準として、電圧範囲2E0に対して
貫通電流の測定範囲は2βであるから、測定範囲内にお
いて感度を一定値とすることができる。
【0069】実際の貫通電流の測定では、まず、コア1
3に巻回されたオフセットコイル21に所定の制御電流
0を流し、コア13内の磁束φ0を打ち消すことで、オ
フセット幅I0をオフセットする。
【0070】そして、コア13に巻回されたフィードバ
ックコイル41に電流ifを流し、コア13内の磁束φ
αを打ち消し、抵抗43から得られる出力電圧E0を測
定することで、貫通電流αを求めることができる。
【0071】このため、測定範囲内において感度が変化
しなくなるから、小電流領域から大電流領域まで精度良
く貫通電流を測定することができる。また、サーボ式直
流電流センサを用いているため、出力電圧は、フィード
バックコイル41の巻数と抵抗43とによって決定され
るため、感度に対して温度特性を無視できる。また、コ
ア13の磁束密度は、零付近に保たれ、磁束の変化がな
いために高周波特性に優れているという効果を奏する。
【0072】なお、本発明は、前述した実施の形態に限
定されるものではなく、このほか本発明の技術的思想を
逸脱しない範囲で種々変形して実施可能であるのは勿論
である。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、コアに形成さ
れたギャップに挿入された磁電変換手段は、貫通電流に
より発生した磁束に応じた電圧を出力する。コアにオフ
セットコイルが第1の巻数分巻回され、オフセットコイ
ル電流制御手段は、オフセットコイルに所定のオフセッ
ト制御電流を流すため、第1の電流により発生した第1
の磁束を打ち消して、オフセット幅である第1の電流を
オフセットする。
【0074】磁電変換手段から第2の磁束に比例した電
圧を取り出して電圧増幅手段により増幅して出力電圧を
得るため、出力電圧により第2の電流を求めることがで
きる。このため、小電流領域から大電流領域までの広範
囲に亘って精度良く直流電流を測定することができる。
【0075】請求項2の発明によれば、オフセットコイ
ル電流制御手段は、オフセットコイルに所定のオフセッ
ト制御電流を流すため、第1の電流により発生した第1
の磁束を打ち消して、オフセット幅である第1の電流を
オフセットする。
【0076】また、フィードバックコイル電流制御手段
は、コアに第2の巻数分巻回されたフィードバックコイ
ルに、電圧増幅手段で得られた電圧に比例したフィード
バック制御電流を流すため、第2の電流により発生した
第2の磁束を打ち消す。また、負荷抵抗にフィードバッ
ク制御電流が流れ、負荷抵抗から第2の電流に応じた出
力電圧を取り出すことができるため、出力電圧により第
2の電流を求めることができる。このため、小電流領域
から大電流領域までの広範囲に亘って精度良く直流電流
を測定することができる。
【0077】請求項3の発明によれば、オフセットコイ
ル電流制御手段は、第1の電流値を第1の巻数値で除算
して得られた値を所定のオフセット制御電流値として流
すため、オフセットコイル全体では、第1の電流に相当
する電流が流れることになり、第1の電流により発生し
た第1の磁束を打ち消すことができる。
【0078】請求項4の発明によれば、フィードバック
コイル電流制御手段は、第2の電流値を第2の巻数値で
除算して得られた値をフィードバック制御電流値として
流すため、フィードバックコイル全体では、第2の電流
に相当する電流が流れることになり、第2の電流により
発生した第2の磁束を打ち消すことができる。
【0079】請求項5の発明によれば、第1の電流が、
別に設けられた直流電流センサによって予め測定されて
いるため、第1の電流と第2の電流とを合計した貫通電
流を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る直流電流セン
サの概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態の直流電流センサのオフセッ
ト幅が零の時の出力電圧対貫通電流特性を示す図であ
る。
【図3】第1の実施の形態の直流電流センサのオフセッ
ト幅がl0の時の出力電圧対貫通電流特性を示す図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る直流電流セン
サの概略構成図である。
【図5】従来の直流電流センサの概略構成図である。
【図6】図5に示す従来の直流電流センサの出力電圧対
貫通電流特性を示す図である。
【図7】従来のサーボ式直流電流センサの概略構成図で
ある。
【符号の説明】
11 ギャップ 13 コア 14 貫通穴 15 ホール素子 17 定電流回路 19 増幅器 21 オフセットコイル 23,31,43 抵抗 25 第1のトランジスタ 27 第2のトランジスタ 29 オフセットコイル電流制御回路 33 ツェナーダイオード 35 誤差増幅器 37 第3のトランジスタ 39 第4のトランジスタ 41 フィードバックコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G025 AA14 AB02 AB15 2G035 AA01 AA17 AB01 AD02 AD08 AD10 AD18 AD19 AD20 AD66 5E081 AA14 AA18 BB03 DD06 DD11 GG05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円環形状の磁性材料からなり、ギャッ
    プが形成されるとともに、貫通穴に第1の電流とこの第
    1の電流よりも小さい第2の電流との合計電流からなる
    貫通電流が流れるコアと、 このコアに形成された前記ギャップに挿入され、前記貫
    通電流により発生した磁束に応じた電圧を出力する磁電
    変換手段と、 この磁電変換手段により得られた電圧を増幅して前記貫
    通電流に応じた出力電圧を得る電圧増幅手段と、 前記コアに第1の巻数分巻回されたオフセットコイル
    と、 前記第1の電流により発生した第1の磁束を打ち消すた
    めに前記オフセットコイルに所定のオフセット制御電流
    を流すオフセットコイル電流制御手段と、を備えること
    を特徴とする直流電流センサ。
  2. 【請求項2】 略円環形状の磁性材料からなり、ギャッ
    プが形成されるとともに、貫通穴に第1の電流とこの第
    1の電流よりも小さい第2の電流との合計電流からなる
    貫通電流が流れるコアと、 このコアに形成された前記ギャップに挿入され、前記貫
    通電流により発生した磁束に応じた電圧を出力する磁電
    変換手段と、 この磁電変換手段により得られた電圧を増幅する電圧増
    幅手段と、 前記コアに第1の巻数分巻回されたオフセットコイル
    と、 前記第1の電流により発生した第1の磁束を打ち消すた
    めに前記オフセットコイルに所定のオフセット制御電流
    を流すオフセットコイル電流制御手段と、 前記コアに第2の巻数分巻回されたフィードバックコイ
    ルと、 前記第2の電流により発生した第2の磁束を打ち消すた
    めに前記フィードバックコイルに、前記電圧増幅手段で
    得られた電圧に比例したフィードバック制御電流を流す
    フィードバックコイル電流制御手段と、 前記フィードバックコイルに接続され、前記第2の電流
    に応じた出力電圧を取り出す負荷抵抗と、を備えること
    を特徴とする直流電流センサ。
  3. 【請求項3】 前記オフセットコイル電流制御手段は、
    前記第1の電流値を前記第1の巻数値で除算して得られ
    た値を前記所定のオフセット制御電流値として流すこと
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の直流電流セ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 前記フィードバックコイル電流制御手段
    は、前記第2の電流値を前記第2の巻数値で除算して得
    られた値を前記フィードバック制御電流値として流すこ
    とを特徴とする請求項2記載の直流電流センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1の電流は、別に設けられた直流
    電流センサによって予め測定されていることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の直流電流センサ。
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