JP2009206180A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを円滑に実行可能にした成膜装置及び成膜方法を提供する。
【解決手段】触媒CVDチャンバは、水平方向へ往復移動することにより連通孔33hを開閉するシャッター37と、シャッター37に形成されて水平方向へ延びる開放スリット37aとを有する。そして、触媒CVDチャンバは、ホルダ34が第二位置にある場合には、開放スリット37aが直線部分36bを出し入れようにシャッター37を往復移動することによって連通孔33hを開閉する。
【選択図】図3

Description

本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。
半導体装置の製造技術においては、原料物質の化学反応を利用して基板に薄膜を成膜する化学的気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition )法が用いられている。CVD法としては、高温に加熱した基板表面で化学反応を進行させる熱CVD法と、反応容器内に発生させたプラズマによって化学反応を進行させるプラズマCVD法とが知られている。熱CVD法とプラズマCVD法とは、それぞれ基板をプラズマ空間に曝したり、あるいは基板を高温に加熱したりするため、基板や下地膜に電気的、熱的損傷を与え易い問題を有している。また、これらのCVD法は、膜厚や膜質の均一性を得るために、プラズマ密度や基板温度に高い均一性を要求することから、基板の大型化に対応し難い。そこで、CVD技術では、従来から、上記問題を解決するため、加熱したタングステン等の触媒線に原料ガスを接触させて原料ガスを成膜種に分解する触媒CVD法が注目されている(例えば、特許文献1)。
触媒作用を成膜反応に利用する触媒CVD法は、触媒線の表面が化学反応の進行を担い、基板へのプラズマ照射や基板の高温加熱を必要としないことから、基板や下地膜への電気的、熱的損傷を大幅に抑制できる。また、触媒CVD法は、触媒線を増量するだけで反応系を拡張できるため、基板の大型化に対しても比較的容易に対応できる。
触媒CVD法における触媒線と基板主面との間の距離は、基板へ供給する成膜種の量を規定する要素であるため、薄膜の成膜速度や膜厚均一性を大きく左右する。例えば、基板主面が触媒線に近づくと、成膜速度は速くなり、基板主面と触媒線との間の距離が均一になると、膜厚分布は均一になる。特許文献2は、成膜速度や膜厚均一性を向上させるため、基板主面の面方向と鉛直方向とを平行に配置させ、U字状を呈する触媒線を鉛直方向に沿って、すなわち基板主面に沿って吊下げる。これによれば、触媒線の熱膨張や触媒線の伸長による撓みが大幅に軽減されることから、基板主面を触媒線へ近づける場合であっても、基板主面と触媒線との間の距離の均一化を図ることができる。
特許第3780364号 特開2000−303182号公報
CVD法を用いて複数の基板に成膜処理を施す場合、原料物質の化学反応が成膜室内で繰り返されることから、成膜処理ごとに残存する成膜種が、成膜室内に堆積し続けてしまう。成膜室内に堆積する成膜残渣は、基板に向けて飛散してパーティクルを増加させたり、成膜状態の経時的な変動を招いたりする。そのため、CVD法を利用する成膜装置では、一般的に、ハロゲン等のクリーニングガスの活性種を成膜室内に供給して成膜残渣を化学的に除去する、いわゆるクリーニングを定期的に実施しなければならない。一方、触媒CVD法に用いる触媒線は、クリーニングガスの活性種と長期にわたって接触すると、活性種との反応によって揮発性の化合物を生成し、加熱温度の不安定化や断線等を招いてしまう。そこで、触媒CVD法を利用する成膜装置においては、成膜室内のクリーニングを実施するために、触媒線を成膜室から退避させる機構が強く望まれている。そして、触媒線退避機構としては、成膜室上部に基板退避室を設けることが考えられ、成膜室の上側面には、基板退避室と連通するための通路、すなわち貫通孔が必要になる。
ところで、成膜ガスとして、シランガスを用いる場合には、触媒線に使用されるタングステン等の高融点金属がシランガスと反応して、シリサイド化してしまう。シリサイド化した触媒線は、その機械的な劣化に伴い、触媒線を保持するホルダと触媒線との接続箇所で触媒線を断線させてしまう。
上記基板退避室を有する触媒線CVD装置では、成膜処理を行うとき、触媒線が前記貫通孔を通じて成膜室内に配置されて、触媒線を保持するホルダが基板退避室に配置される。この状態から成膜室で成膜処理を行うと、成膜室内の成膜ガスが上記貫通孔を通して基板退避室へ漏洩し、基板退避室にあるホルダと触媒線との間の接続箇所等、比較的低温になる触媒線の部分が腐食されてしまう。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを円滑に実行可能にした成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の成膜装置は、基板に薄膜を成膜する成膜室を備えた成膜装置であって、前記成膜室の外側に連結して端子を収容する収容室と、前記端子から前記成膜室へ延びる直線部分を有して折り曲げられて、タングステン、白金、イリジウム、タンタル、グラファイト、モリブデン、ニクロムからなる群から選択される少なくともいずれか一つの高融点金属からなる触媒線と、前記成膜室と前記収容室との間を連通して前記触媒線を移動可能にする連通路と、前記連通路を覆うように前記収容室に設けられて、触媒線のシリサイド化を防止するためのブロックとを有することを要旨とする。
請求項1に記載の成膜装置によれば、収容室に設けられたブロックにより、成膜室と収容室との間の流路抵抗を増幅でき、成膜室から収容室への成膜ガスの漏洩を抑制できることから、触媒線のシリサイド化を防止することができる。したがって、本成膜装置は、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを円滑に実行できる。
請求項2に記載の成膜装置は、請求項1に記載の成膜装置であって、前記連通路の前記成膜室側に設けられ、前記触媒線の直線部分が前記成膜室に配置された状態で前記連通路を覆うシャッターを有することを要旨とする。
請求項2に記載の成膜装置によれば、成膜室と収容室との間の流路抵抗をシャッターの分だけ増幅でき、成膜室から収容室への成膜ガスの漏洩を、さらに抑制できることから、触媒線のシリサイド化を、より確実に防止することができる。したがって、この成膜装置は、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを、より円滑に実行できる。また、この成膜装置によれば、成膜種がシャッターに付着するため、シャッターをクリーニングすることにより、パーティクルの原因となる成膜種を確実に除去できる。
請求項3に記載の成膜装置は、請求項2に記載の成膜装置であって、前記シャッターが、前記触媒線の直線部分を出し入れ可能な開放スリットを有することを要旨とする。
請求項3に記載の成膜装置によれば、シャッターが連通路を閉じることから、成膜室と収容室との間の流路抵抗を増幅できる。すなわち、この成膜装置は、触媒線を用いた成膜処理を実行する際に、成膜室から収容室への成膜ガスの漏洩を抑制できる。そして、この成膜装置は、シャッターが触媒線の直線部分を前記成膜室へ配置することを可能とする開放スリットとを有することから、折り曲げられた触媒線を、成膜室と収容室との間で円滑に昇降できる。したがって、この成膜装置は、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と
、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを円滑に実行できる。
請求項4に記載の成膜装置は、請求項2又は3に記載の成膜装置であって、成膜ガスとクリーニングガスとを選択的に前記成膜室へ供給するガス供給部と、前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記端子を移動して、前記連通路を通して前記触媒線の直線部分を前記成膜室に配置し、その後、前記シャッターを駆動して前記連通路を覆い、前記ガス供給部が前記クリーニングガスを供給する場合には、前記シャッターを駆動して前記連通路を開放し前記端子を移動することにより前記触媒線の全体を前記収容室に収容し、その後、前記シャッターを駆動して前記連通路を再び覆う制御部とを有することを要旨とする。
請求項4に記載の成膜装置によれば、ガス供給部が成膜室へ成膜ガスを供給するとき、制御部は、触媒線を成膜室へ移動させ、その後にシャッターで連通路を覆う。また、ガス供給部が成膜室へクリーニングガスを供給するとき、制御部は、触媒線を収容室へ収容し、その後に連通路を閉じる。したがって、この成膜装置は、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを、より円滑に実行できる。
請求項5に記載の成膜装置は、請求項2〜4のいずれか1つに記載の成膜装置であって、前記薄膜は、シリコン酸化物とシリコン窒化物の少なくともいずれか一方であり、前記シャッターは、石英、アルミナ、イットリア、ジルコニア、ダイアモンドライクカーボンからなる群から選択されるいずれか一つの絶縁体からなることを要旨とする。
請求項5に記載の成膜装置によれば、触媒線が1800℃〜2000℃になる場合であっても、該触媒線の近傍にあるシャッターが変形し難い。したがって、この成膜装置は、シャッターが熱的に変形し難いことから、成膜処理の温度範囲、ひいては適用範囲を拡大できる。
請求項6に記載の成膜装置は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の成膜装置であって、前記触媒線が、上下方向を含む一つの面に沿ったU字状、V字状、W字状、Y字状、コ字状からなる群から選択されるいずれか一つの形状を呈し、前記連通路が、前記面に沿った貫通孔であることを要旨とする。
請求項6に記載の成膜装置によれば、連通路が上下方向を含む二次元形状を呈することから、連通路を円形孔や矩形孔等によって構成する場合に比べて、成膜室と収容室との間の流路抵抗を、さらに増幅できる。したがって、この成膜装置は、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを、さらに円滑に実行できる。
請求項7に記載の成膜装置は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜装置であって、前記収容室が、前記成膜室の上側に連結され、前記触媒線は、前記端子から下方に延びる直線部分の下端で折り曲げられた形状を呈することを要旨とする。
請求項7に記載の成膜装置によれば、収容室が成膜室の上側に連結されることから、成膜装置における設置面積の縮小化を図ることができる。
請求項8に記載の成膜方法は、基板を成膜室へ搬入して前記基板に薄膜を成膜する成膜方法であって、前記成膜室の上側に連結された収容室と前記成膜室との間の連通路を開けて、前記収容室に収容された端子を第一位置から第二位置へ下降させることにより、前記端子から下方へ延びる直線部分を有して折り曲げられた触媒線の一部を前記成膜室へ移動し、その後、開放スリットを有するシャッターで前記連通路を閉じてから前記成膜室へ成
膜ガスを供給することにより前記基板に前記薄膜を成膜する工程と、前記端子を前記第二位置から前記第一位置へ上昇させることにより、前記触媒線を前記収容室へ収容し、その後、前記連通路を閉じて、前記成膜室へクリーニングガスを供給することにより、前記成膜室をクリーニングする工程とを有し、前記薄膜を成膜する場合には、水平方向へ延びる開放スリットを有したシャッターを前記水平方向へ往復移動させて前記連通路を開閉することを要旨とする。
請求項8に記載の成膜方法によれば、シャッターが連通路を閉じることから、成膜室と収容室との間の流路抵抗を増幅できる。すなわち、本成膜方法は、触媒線を用いた成膜処理を実行する際に、成膜室から収容室への成膜ガスの漏洩を抑制できる。そして、本成膜方法は、折り曲げられた触媒線を、成膜室と収容室との間で円滑に昇降できる。したがって、本成膜装置は、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを円滑に実行できる。
上記したように、本発明によれば、端子と触媒線との間の接続箇所等の腐食を防止することによって、触媒線を用いた成膜室における成膜処理と、触媒線を退避させた成膜室におけるクリーニング処理とを円滑に実行可能にした成膜装置及び成膜方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1は、成膜装置としての半導体装置の製造装置10を模式的に示す平面図である。
(半導体装置の製造装置10)
図1において、半導体装置の製造装置10は、クラスター形式の製造装置であり、搬送チャンバ11には、基板Sを収容する2つのロードロックチャンバ(以下単に、LLチャンバ12という。)と、基板Sに成膜処理を施すための複数の触媒CVDチャンバ13とが連結されている。
搬送チャンバ11は、図示しない排気ラインに連結された真空チャンバであり、その内部には基板Sを搬送するための搬送ロボット14を搭載する。搬送ロボット14は、LLチャンバ12と各触媒CVDチャンバ13との間において、基板Sの主面Saを水平にした状態で基板Sを搬送する。なお、基板Sの主面Saとは、基板Sの一つの側面であって、成膜処理における下地となる側面である。以下、主面Saの面方向を基板Sの面方向という。
各LLチャンバ12は、それぞれゲートバルブGV1を介して搬送チャンバ11に連結され、ゲートバルブGV1が開くときに搬送チャンバ11と連通し、ゲートバルブGV1が閉じるときに搬送チャンバ11から隔絶される。各LLチャンバ12は、それぞれ成膜処理前の基板Sを一旦収容し、該基板Sを搬送チャンバ11へ搬入可能にする。また、各LLチャンバ12は、搬送チャンバ11から搬出された成膜処理後の基板Sを一旦収容し、該基板Sを外部へ移載可能にする。
各触媒CVDチャンバ13は、それぞれゲートバルブGV1を介して搬送チャンバ11に連通可能に連結された真空チャンバであり、触媒線を用いた成膜処理を実行する。各触媒CVDチャンバ13は、それぞれゲートバルブGV1を介して搬送チャンバ11に連結され、ゲートバルブGV1が開くときに搬送チャンバ11と連通し、ゲートバルブGV1が閉じるときに搬送チャンバ11から隔絶される。
(触媒CVDチャンバ13)
次に、触媒CVDチャンバ13について以下に説明する。図2(a)は触媒CVDチャンバ13を示す側断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。なお、以下では、搬送チャンバ11から触媒CVDチャンバへ向かう水平方向をY方向とし、鉛直方向上方をZ方向、これらY方向及びZ方向と直交する方向をX方向と言う。
図2(a)において、成膜室21の下側には、ターボ分子ポンプ等からなる第一排気部22が搭載されている。第一排気部22は、所定の駆動信号に基づいて成膜室21の排気動作を実行し、該駆動信号に応じた排気速度で成膜室21を減圧する。
成膜室21におけるY方向の外側面には、ガス供給系23が連結されている。ガス供給系23は、成膜ガスを供給するための成膜ガス供給部24と、クリーニングガスを供給するためのクリーニングガス供給部25と、クリーニングガス供給部25と成膜室21との間に設けられたリモートプラズマ源26とを有する。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、成膜ガス供給部24は、成膜ガスを供給するための駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた流量で成膜ガスを成膜室21へ供給する。また、触媒CVDチャンバ13がクリーニング処理を実行するとき、クリーニングガス供給部25は、クリーニングガスを供給するための駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた流量でクリーニングガスをリモートプラズマ源26へ供給する。リモートプラズマ源26は、プラズマを生成するための駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた電力でクリーニングガスをプラズマ化し、活性化したクリーニングガスを成膜室21へ供給する。
成膜室21におけるY方向の内側面には、成膜ガス供給部24に連結されてXZ平面に沿って広がる円盤状のシャワープレート27が取付けられている。シャワープレート27の中央部には、リモートプラズマ源26に連通する円形孔(以下単に、クリーニングポート27aという。)が形成され、クリーニングポート27aには、クリーニングポート27aの反Y方向を遮蔽するコマ状の遮蔽部材27bが配設されている。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、シャワープレート27は、成膜ガス供給部24からの成膜ガスをXZ方向に拡散させて成膜室21の内部へ導入する。シャワープレート27から導入された成膜ガスは、第一排気部22の排気動作に従って、シャワープレート27から第一排気部22へ拡散する。
触媒CVDチャンバ13がクリーニング処理を実行するとき、クリーニングポート27aは、クリーニングガス供給部25からのクリーニングガスを成膜室21の内部へ導入する。遮蔽部材27bは、クリーニングポート27aから導入されるクリーニングガスのY方向への拡散を遮蔽し、該クリーニングガスを成膜室21の内側壁に向けて拡散させる。
なお、成膜処理としてシリコン膜を成膜する場合には、成膜ガスにシラン(SiH)と水素(H)を用いることができ、シリコン窒化膜を形成する場合には、シランとアンモニア(NH)を用いることができる。また、シリコン酸化窒化膜を形成する場合には、成膜ガスにシランと亜酸化窒素(NO)を用いることができる。また、ダイアモンドライクカーボン膜を成膜する場合にはCH4とH2を用いることができる。クリーニング処理としてシリコン膜を除去する場合には、クリーニングガスに、例えば、O、NH、Hや三フッ化窒素(NF)と窒素(N)とアルゴン(Ar)とからなる混合ガスを用いることができる。
成膜室21の内部には、基板Sを支持する静電チャック28と、静電チャック28を回動するための回動機構29とを有する。静電チャック28は、搬送チャンバ11から搬入
される基板Sを受けて該基板Sを静電気的に吸着するとともに、吸着した基板Sの温度を室温に維持する。
回動機構29は、X方向に沿って延びる回動軸Aを有し、静電チャック28を搬送位置と処理位置との間で回動する。搬送位置とは、図2(a)における二点鎖線位置であって、基板Sの面方向と水平方向とを平行にする位置である。処理位置とは、図2(a)における実線位置であって、基板Sの面方向と鉛直方向とを平行にする位置である。
触媒CVDチャンバ13が基板Sを搬入するとき、回動機構29は、搬送位置を選択するための駆動信号に基づいて静電チャック28を搬送位置へ回動し、基板Sの面方向と水平方向とを平行にした状態で基板Sを静電チャック28に吸着させる。また、触媒CVDチャンバ13が基板Sを搬出するとき、回動機構29は、搬送位置を選択するための駆動信号を受けて静電チャック28を搬送位置へ回動し、基板Sの面方向と水平方向とを平行にした状態で基板Sの吸着を解除させる。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、すなわち、ガス供給系23が成膜室21へ成膜ガスを供給するとき、回動機構29は、静電チャック28を処理位置へ回動し、基板Sの面方向と鉛直方向とを平行にした状態で主面Saとシャワープレート27とを対向させる。また、触媒CVDチャンバ13がクリーニング処理を実行するとき、すなわち、ガス供給系23が成膜室21にクリーニングガスを供給するとき、回動機構29は、静電チャック28を処理位置へ回動する。
図2(a)、(b)に示すように、成膜室21の上側であって、シャワープレート27と静電チャック28との間の空間の直上には、成膜室21を上下方向へ貫通する孔(以下単に、貫通孔21aと言う。)が、成膜室21のX方向の略全幅にわたり延びるように形成されている。また、成膜室21の上側には、この貫通孔21aの全体を覆うように、収容室としての退避室31が連結されている。
退避室31は、Z方向に沿って延びる箱体状に形成され、ターボ分子ポンプ等からなる第二排気部32を搭載している。第二排気部32は、所定の駆動信号に基づいて退避室31の排気動作を実行し、該駆動信号に応じた排気速度によって退避室31を減圧する。触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、第二排気部32は、退避室31の内部圧力を成膜室21の内部圧力よりも低くし、これによって退避室31の内部における成膜ガスの滞在時間を短くする。
退避室31と成膜室21との間には、成膜室21と退避室31との間を開閉するゲートバルブGV2が取付けられている。ゲートバルブGV2は、弁体を開位置へ移動することによって退避室31と成膜室21との間を連通させ、弁体を閉位置へ移動することによって退避室31を成膜室21から隔絶させる。
退避室31の内部であって、貫通孔21aの上側には、X方向に延びる直方体状に形成されたブロック33が、貫通孔21aを覆うように固定されている。ブロック33には、上下方向に貫通する複数の孔(以下単に、連通孔33hと言う。)が形成されている。各連通孔33hは、それぞれ貫通孔21aと協働して、成膜室21と退避室31との間を連通させる。本実施形態においては、各連通孔33hと貫通孔21aとによって、連通路が構成されている。
退避室31の内部であって、ブロック33の上側には、X方向に延びる端子としてのホルダ34が、上方及び下方へ移動可能に配設されている。ホルダ34は、移動手段を構成する昇降機構35の駆動軸に連結され、昇降機構35が所定の駆動信号を受けて駆動する
とき、昇降機構35の駆動量に応じた位置へ昇降する。なお、本実施形態においては、ホルダ34の位置であって、最も下方にある位置(図2(a)に示す実線位置)を第二位置とし、ホルダ34の位置であって、最も上方にある位置(図2(a)に示す二点鎖線位置)を第一位置と言う。
ホルダ34の下側には、鉛直方向下方へ延びる複数の触媒線36が、ホルダ34の長手方向の略全幅にわたって吊下げられている。各触媒線36は、それぞれタングステン、白金、イリジウム、タンタル、グラファイト、モリブデン、ニクロムからなる群から選択される少なくともいずれか一つの高融点金属からなる線材である。各触媒線36は、それぞれ鉛直方向に沿って延びる直線部分を有し、Y方向から見てU字状に曲折されている。
なお、本実施形態においては、触媒線36の一部分であって、鉛直方向と異なる方向に延びる部分を曲折部36aとし、鉛直方向に沿って延びる部分を、直線部分36bと言う。各触媒線36は、それぞれブロック33の連通孔33h及び貫通孔21aを介し、成膜室21と退避室31との間を移動する。ホルダ34が第二位置に位置するとき、各触媒線36は、図2の実線で示すように、それぞれ成膜室21の内部に配置される。また、ホルダ34が第一位置に位置するとき、各触媒線36は、図2の二点鎖線で示すように、それぞれ退避室31の内部に配置される。各触媒線36は、それぞれ所定の駆動信号に基づいて駆動され、該駆動信号に応じた熱量、例えば1800℃〜2000℃に相当する熱量を発生することによって触媒作用を発現する。
成膜室21の内部であって、貫通孔21aの下側には、貫通孔21aの下側を覆う板状に形成されたシャッター37が、Y方向へ往復移動可能に配設されている。シャッター37は、石英からなる板材であって、開閉機構38の駆動軸に連結され、開閉機構38が所定の駆動信号を受けて駆動するとき、開閉機構38の駆動量に応じた位置へ移動する。シャッター37は、最も反Y方向に位置するときに貫通孔21aの下側を閉じ、最もY方向に位置するときに貫通孔21aの下側を開ける。
なお、本実施形態においては、シャッター37と開閉機構38とによって、開閉手段が構成されている。また、本実施形態においては、シャッター37の下面を、遮蔽面37sと言う。また、シャッター37の位置であって、最も反Y方向にある位置(図2(a)に示す実線位置)を閉位置とし、最もY方向にある位置(図2(a)に示す二点鎖線位置)を開位置と言う。
次に、シャッター37の開閉動作について以下に説明する。図3(a)はブロック33及びシャッター37の要部を示す側断面図であり、図3(b)はシャッター37を下から見た平面図である。なお、図3(a)、(b)は、それぞれホルダ34が第二位置にあって、かつ、シャッター37が閉位置にある状態を示す。
図3(a)に示すように、ブロック33には、上下方向(Z方向)に沿って貫通する連通孔33hが形成されている。図3(b)に示すように、連通孔33hは、上下方向から見て、X方向に沿って延びるように形成され、触媒線36の曲折部36aと重なる位置に配設されている。
図3(b)において、シャッター37における反Y方向の端部には、複数の開放スリット37aが形成されている。各開放スリット37aは、それぞれX方向の溝幅がY方向に向かって細くなる楔状に形成され、X方向に沿って配列されている。各開放スリット37aは、それぞれ上下方向から見て、触媒線36の直線部分36bと重なる位置に配設されている。シャッター37は、上下方向から見て、連通孔33hと開放スリット37aとが重なる領域で、成膜室21と退避室31との間を連通可能にする。すなわち、シャッター
37は、触媒線36における各直線部分36bを出し入れすると共に、触媒線36の外周を、それぞれ対応する開放スリット37aと連通孔33hとによって囲み、連通孔33hの下側の殆どを遮蔽面37sで覆う。
図3において、シャッター37がY方向へ移動して閉位置から開位置へ変位するとき、シャッター37は、各開放スリット37aを連通孔33hのY方向へ移動させる。これによって、シャッター37は、成膜室21と退避室31との間を、連通孔33hの全体を介して連通させ、触媒線36の全体を、成膜室21と退避室31との間で移動可能にする。
反対に、シャッター37が反Y方向へ移動して開位置から閉位置へ変位するとき、シャッター37は、各触媒線36の直線部分36bを、それぞれ対応する開放スリット37aへ進入させる。これによって、シャッター37は、成膜室21と退避室31との間を、直線部分36bの周辺のみで連通させ、成膜室21と退避室31との間の流路抵抗を増幅させる。なお、この際、触媒線36の直線部分36bが位置ズレ等によってX方向に変位する場合、シャッター37は、各開放スリット37aの反Y方向が幅広に形成されている分だけ、該直線部分36bを、対応する開放スリット37aの内部へ進入させ易い。そして、シャッター37は、該直線部分36bに対応する開放スリット37aに沿って直線部分36bを所定位置へ案内させ、該直線部分36bの位置を補正できる。
次に、触媒CVDチャンバ13の電気的構成について以下に説明する。図4及び図5は、それぞれ触媒CVDチャンバ13の電気的構成を示すブロック回路図である。図4及び図5において、各構成要素を接続する一点鎖線は、電気的な接続であって、制御部40が各種駆動信号を出力するための接続を示し、各構成要素を接続する破線は、電気的な接続であって、制御部40が駆動信号を出力しない接続を示す。
図4及び図5において、制御部40は、触媒CVDチャンバ13に成膜処理及びクリーニング処理を実行させるものである。制御部40は、各種演算処理を実行するためのCPU等からなる演算部40Aと、各種データや各種制御プログラムを格納するための記憶部40Bとを有する。制御部40は、記憶部40Bに格納した成膜プログラム、クリーニングプログラム、及び各種データを読み出し、それぞれ成膜プログラム、クリーニングプログラム、及び各種データに従って各種処理を実行させる。
制御部40は、各種プログラムに従って第一排気部22に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を第一排気部22へ出力する。第一排気部22は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた排気速度で成膜室21を減圧する。
制御部40は、各種プログラムに従って成膜ガス供給部24、クリーニングガス供給部25、及びリモートプラズマ源26に対応する各駆動信号を生成し、該各駆動信号をそれぞれ成膜ガス供給部24、クリーニングガス供給部25、及びリモートプラズマ源26へ出力する。成膜ガス供給部24は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた流量で成膜ガスを供給する。クリーニングガス供給部25は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた流量でクリーニングガスを供給する。リモートプラズマ源26は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた電力でクリーニングガスをプラズマ化する。
制御部40は、各種プログラムに従って回動機構29に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を回動機構29へ出力する。回動機構29は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号によって選択された搬送位置あるいは処理位置へ静電チャック28を移動させる。
制御部40は、各種プログラムに従って第二排気部32に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を第二排気部32へ出力する。第二排気部32は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた排気速度で退避室31を減圧する。制御部40は、各種プログラムに従ってゲートバルブGV2に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号をゲートバルブGV2へ出力する。ゲートバルブGV2は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号によって成膜室21と退避室31との間を開閉する。
制御部40は、各種プログラムに従って昇降機構35に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を昇降機構35へ出力する。昇降機構35は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号によって選択された第二位置あるいは第一位置へホルダ34を移動させる。制御部40は、各種プログラムに従って各触媒線36に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を各触媒線36へ出力する。各触媒線36は、それぞれ制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた電力で所定温度に昇温される。
制御部40は、各種プログラムに従って開閉機構38に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を開閉機構38へ出力する。開閉機構38は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号によって選択された開位置あるいは閉位置へシャッター37を移動させる。
次に、触媒CVDチャンバ13を用いて薄膜を成膜する成膜方法について以下に説明する。
図4において、制御部40は、第一排気部22及び第二排気部32を駆動して成膜室21及び退避室31を所定圧力に減圧する。次いで、制御部40は、静電チャック28、ホルダ34、及びシャッター37をそれぞれ初期位置、すなわち搬送位置、第一位置、及び開位置に配置し、ゲートバルブGV2を閉じる。
制御部40は、静電チャック28及び触媒線36を初期位置に配置すると、基板Sを静電チャック28に吸着させ、その後、回動機構29を駆動して静電チャック28を処理位置へ回動させる。また、制御部40は、各触媒線36にそれぞれ電力を供給して各触媒線36を所定温度にセットする。
制御部40は、各触媒線36をそれぞれ所定温度にセットすると、ゲートバルブGV2を開けた後、昇降機構35を駆動してホルダ34を第二位置へ移動させる。制御部40は、ホルダ34を第二位置へ配置させると、開閉機構38を駆動してシャッター37を閉位置へ移動させる。制御部40は、シャッター37を閉位置へ配置させると、成膜ガス供給部24を駆動して、図4の実線矢印で示すように成膜室21に成膜ガスを導入する。成膜室21に導入された成膜ガスは、加熱された触媒線36と接触し、触媒線36の触媒作用を受けて成膜種に分解される。触媒線36によって生成された成膜種の一部は、室温に保持された基板Sの主面Saに堆積して薄膜を形成する。また、触媒線36によって生成された成膜種の一部は、成膜室21の内側面、特に触媒線36の近傍、すなわちシャッター37の下面や残渣領域DAに堆積し、成膜残渣RDを形成する。
この際、成膜室21へ導入された成膜ガスは、シャッター37が連通孔33hを遮蔽することから、退避室31へ流入し難くなる。そのため、退避室31の内部にある各部は、成膜ガスとの接触確率を抑えられることから、その腐食を抑制できる。しかも、退避室31の圧力が成膜室21の圧力よりも低いことから、退避室31の内部にある各部は、成膜ガスと接触確率をさらに抑えられる。また、ブロック33、貫通孔21a、及び連通孔33hへの成膜種の堆積は、シャッター37の遮蔽面37sによって遮蔽される。
制御部40は、基板Sに薄膜を形成すると、成膜ガス供給部24に成膜ガスの供給を停
止させ、回動機構29を駆動して静電チャック28を搬送位置へ回動させる。そして、制御部40は、静電チャック28に基板Sの吸着を解除させ、静電チャック28の上にある基板Sを搬送ロボット14に搬出させて成膜処理を終了する。以後同様に、制御部40は、複数の基板Sに対して上記成膜処理を繰り返して実行する。
図5において、制御部40は、基板Sの処理枚数が所定枚数に到達すると、成膜室21のクリーニング処理を開始する。すなわち、制御部40は、回動機構29を駆動して静電チャック28を再び処理位置へ回動させる。次いで、制御部40は、開閉機構38を駆動してシャッター37を閉位置から開位置へ移動させる。制御部40は、シャッター37を開位置へ配置させると、昇降機構35を駆動してホルダ34を第一位置へ移動させる。制御部40は、ホルダ34を第一位置へ配置させると、開閉機構38を駆動してシャッター37を開位置から閉位置へ移動させ、ゲートバルブGV2を閉じて各触媒線36への電力供給を停止する。
制御部40は、各触媒線36をそれぞれ退避室31に退避させて成膜室21から隔絶させると、クリーニングガス供給部25及びリモートプラズマ源26を駆動して成膜室21に活性化したクリーニングガスを導入する。成膜室21に導入されたクリーニングガスは、クリーニングポート27aを通過し、反Y方向への流動が遮蔽部材27bによって遮蔽され、図5の実線矢印で示すように、成膜室21の内側面に向けて拡散する。活性化したクリーニングガスは、成膜室21の内側面に堆積した残渣、すなわちシャッター37の下面や残渣領域DAに堆積した成膜残渣RDと反応し、蒸発可能な反応生成物を生成して、成膜残渣RDをクリーニングする。
この際、シャッター37が成膜処理時と同じ閉位置に配置されることから、活性化したクリーニングガスは、成膜処理時に堆積した成膜残渣RDの全てと反応し、該成膜残渣RDをクリーニングできる。そして、退避室31が成膜室21と隔絶されていることから、各触媒線36は、それぞれ活性化したクリーニングガスとの接触を確実に回避でき、その劣化を十分に抑制できる。
制御部40は、クリーニングの開始から所定時間だけ経過すると、リモートプラズマ源26への電力供給を停止させ、クリーニングガス供給部25にクリーニングガスの供給を停止させる。これによって、制御部40は、成膜室21のクリーニング処理を終了する。
制御部40は、クリーニング処理を終了して成膜処理を再び開始するとき、回動機構29を駆動して静電チャック28を搬送位置へ回動させ、基板Sを静電チャック28に吸着させる。次いで、制御部40は、回動機構29を駆動して静電チャック28を処理位置へ回動させ、各触媒線36にそれぞれ電力を供給して各触媒線36を所定温度にセットする。
制御部40は、各触媒線36をそれぞれ所定温度にセットすると、開閉機構38を駆動してシャッター37を閉位置から開位置へ移動させる。制御部40は、シャッター37を開位置へ配置させると、ゲートバルブGV2を開け、昇降機構35を駆動してホルダ34を第二位置へ配置させる。そして、制御部40は、各触媒線36を成膜室21へ配置させると、開閉機構38を駆動してシャッター37を開位置から閉位置へ移動させ、成膜室21へ成膜ガスを導入して、成膜処理を開始する。
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態の触媒CVDチャンバ13は、成膜室21と退避室31との間を連通して触媒線36を移動可能にする連通孔33hと、連通孔33hを覆うように退避室31に設けられて、触媒線36のシリサイド化を防止するためのブロック33とを有する。
したがって、触媒CVDチャンバ13によれば、退避室31に設けられたブロック33により、成膜室21と退避室31との間の流路抵抗を増幅でき、成膜室21から退避室31への成膜ガスの漏洩を抑制できる。その結果、触媒CVDチャンバ13は、触媒線36のシリサイド化を防止することができ、触媒線36を用いた成膜室21における成膜処理と、触媒線36を退避させた成膜室21におけるクリーニング処理とを円滑に実行できる。
(2)上記実施形態の触媒CVDチャンバ13は、水平方向へ往復移動することにより連通孔33hを開閉するシャッター37と、シャッター37に形成されて水平方向へ延びる開放スリット37aとを有する。そして、触媒CVDチャンバ13は、ホルダ34が第二位置にある場合には、開放スリット37aが直線部分36bを出し入れようにシャッター37を往復移動することによって連通孔33hを開閉する。
したがって、触媒CVDチャンバ13は、シャッター37が連通孔33hを閉じることから、成膜室21と退避室31との間の流路抵抗を増幅でき、成膜処理を実行する際に、成膜室21から退避室31への成膜ガスの漏洩を抑制できる。そして、触媒CVDチャンバ13は、シャッター37が連通孔33hを開けることから、折り曲げられた触媒線36を、成膜室21と退避室31との間で円滑に昇降できる。
この結果、半導体装置の製造装置10は、触媒線36を用いた成膜室21における成膜処理と、触媒線36を退避させた成膜室21におけるクリーニング処理とを円滑に実行できる。
(3)上記実施形態の触媒CVDチャンバ13は、成膜ガスとクリーニングガスとを選択的に成膜室21へ供給するガス供給系23を有する。制御部40は、ガス供給系23が成膜ガスを供給する場合には、開閉機構38を駆動して連通孔33hを開けるとともに、昇降機構35を駆動してホルダ34を第二位置へ移動させ、その後、開閉機構38を駆動して連通孔33hを閉じる。また、制御部40は、ガス供給系23がクリーニングガスを供給する場合には、開閉機構38を駆動して連通孔33hを開けるとともに、昇降機構35を駆動してホルダ34を第一位置へ移動させ、その後、開閉機構38を駆動して連通孔33hを閉じる。
したがって、触媒CVDチャンバ13は、触媒線36を用いた成膜室21における成膜処理と、触媒線36を退避させた成膜室21におけるクリーニング処理とを、より円滑に実行できる。
(4)上記実施形態の触媒線36は、上下方向を含む一つの面に沿ったU字状を呈し、連通孔33hは主面Saに沿った貫通孔である。したがって、触媒CVDチャンバ13は、連通孔33hが上下方向を含む二次元形状を呈することから、連通孔33hを円形孔や矩形孔等によって構成する場合に比べて、成膜室21と退避室31との間の流路抵抗を、さらに増幅できる。この結果、半導体装置の製造装置10は、触媒線36を用いた成膜室21における成膜処理と、触媒線36を退避させた成膜室21におけるクリーニング処理とを、さらに円滑に実行できる。
(5)上記実施形態の薄膜は、シリコン酸化物であり、シャッター37は石英からなる。したがって、シャッター37が薄膜と同じ組成であることから、半導体装置の製造装置10は、薄膜の高純度化を図ることができる。
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態の触媒線36は、下方に延びる直線部分36bを有して下端で折り曲げられた形状を呈するが、これに限らず、触媒線36は、下方に延びる直線部分36bの上
端や中間部で折り曲げられた形状であっても良い。
・上記実施形態では、触媒線36を、上下方向を含む一つの面に沿ったU字状に具体化したが、これに限らず、例えば、V字状、W字状、Y字状、コ状としても良い。すなわち、触媒線36の形状は、直線部分36bを有して折り曲げられた形状であれば良い。
・上記実施形態では、シャッター37を、石英からなる板材に具体化したが、これに限らず、例えば、アルミナ、イットリア、ジルコニア等のセラミックやダイアモンドライクカーボンなどの絶縁体からなる板材に具体化しても良い。
・上記実施形態のシャッター37は、直線部分36bを出し入れする開放スリットを有した構成であるが、これに限らず、シャッター37は、触媒線36を出し入れ可能するスリットを有した構成であっても良い。
・上記実施形態では、触媒CVDチャンバ13がシャッター37を有した構成であるが、これに限らず、触媒CVDチャンバ13がシャッター37を有しない構成であっても良い。すなわち、触媒CVDチャンバ13は、触媒線36のシリサイド化を防止するためのブロック33とを有する構成であれば良い。
・上記実施形態では、成膜装置を半導体装置の製造装置に具体化したが、これに限らず、例えば成膜装置を液晶装置や光電変換装置の製造装置に具体化しても良い。
半導体装置の製造装置を示す平面図。 (a)及び(b)は、それぞれ触媒CVDチャンバを示す側断面図及び正断面図。 (a)及び(b)は、それぞれシャッターを示す側断面図及び平面図。 触媒CVDチャンバの電気的構成を示すブロック回路図。 触媒CVDチャンバの電気的構成を示すブロック回路図。
符号の説明
S…基板、10…成膜装置としての半導体装置の製造装置、15…触媒CVDチャンバ、21…成膜室、23…ガス供給部としてのガス供給系、31…収容室としての退避室、33…ブロック、33h…連通路、34…端子としてのホルダ、35…昇降手段としての昇降機構、36…触媒線、36b…直線部分、37…開閉手段を構成するシャッター、37a…開放スリット、38…開閉手段を構成する開閉機構、40…制御部。

Claims (8)

  1. 基板に薄膜を成膜する成膜室を備えた成膜装置であって、
    前記成膜室の外側に連結して端子を収容する収容室と、
    前記端子から前記成膜室へ延びる直線部分を有して折り曲げられて、タングステン、白金、イリジウム、タンタル、グラファイト、モリブデン、ニクロムからなる群から選択される少なくともいずれか一つの高融点金属からなる触媒線と、
    前記成膜室と前記収容室との間を連通して前記触媒線を移動可能にする連通路と、
    前記連通路を覆うように前記収容室に設けられて、前記触媒線のシリサイド化を防止するためのブロックとを有することを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置であって、
    前記連通路の前記成膜室側に設けられ、前記触媒線の直線部分が前記成膜室に配置された状態で前記連通路を覆うシャッターを有することを特徴とする成膜装置。
  3. 請求項2に記載の成膜装置であって、
    前記シャッターは、前記触媒線の直線部分を出し入れ可能な開放スリットを有することを特徴とする成膜装置。
  4. 請求項2又は3に記載の成膜装置であって、
    成膜ガスとクリーニングガスとを選択的に前記成膜室へ供給するガス供給部と、
    前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記端子を移動して、前記連通路を通して前記触媒線の直線部分を前記成膜室に配置し、その後、前記シャッターを駆動して前記連通路を覆い、前記ガス供給部が前記クリーニングガスを供給する場合には、前記シャッターを駆動して前記連通路を開放し前記端子を移動することにより前記触媒線の全体を前記収容室へ収容し、その後、前記シャッターを駆動して前記連通路を再び覆う制御部と
    を有することを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
    前記薄膜は、シリコン酸化物とシリコン窒化物の少なくともいずれか一方であり、
    前記シャッターは、石英、アルミナ、イットリア、ジルコニア、ダイアモンドライクカーボンからなる群から選択されるいずれか一つの絶縁体からなることを特徴とする成膜装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
    前記触媒線は、上下方向を含む一つの面に沿ったU字状、V字状、W字状、Y字状、コ字状からなる群から選択されるいずれか一つの形状を呈し、
    前記連通路は、前記面に沿った貫通孔であること
    を特徴とする成膜装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
    前記収容室は、前記成膜室の上側に連結され、
    前記触媒線は、前記端子から下方に延びる直線部分の下端で折り曲げられた形状を呈することを特徴とする成膜装置。
  8. 基板を成膜室へ搬入して前記基板に薄膜を成膜する成膜方法であって、
    前記成膜室の上側に連結された収容室と前記成膜室との間の連通路を開けて、前記収容室に収容された端子を第一位置から第二位置へ下降させることにより、前記端子から下方へ延びる直線部分を有して折り曲げられた触媒線の一部を前記収容室から前記成膜室へ移
    動し、その後、開放スリットを有したシャッターで前記連通路を閉じてから前記成膜室へ成膜ガスを供給することにより前記基板に前記薄膜を成膜する工程と、
    前記端子を前記第二位置から前記第一位置へ上昇させることにより、前記触媒線を前記収容室へ収容し、その後、前記連通路を閉じて、前記成膜室へクリーニングガスを供給することにより、前記成膜室をクリーニングする工程とを有し、
    前記薄膜を成膜する場合には、水平方向へ延びる開放スリットを有したシャッターを前記水平方向へ往復移動させて前記連通路を開閉することを特徴とする成膜方法。
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