JP2009205787A - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多層ディスクの各記録層間距離のばらつきや、光ディスクドライブの光学系の設計やばらつきによって、記録層間での信号検出レベルが異なり、多層ディスクの層検出を正確に行い、所望の記録層にフォーカスサーボをかけるのは難しいという問題点があった。
【解決手段】 光学的情報記録再生装置において、受光センサにおける総和信号に対して第一の閾値を設定し、フォーカスエラー信号に対して、第二の閾値を設定する。更に、第一の閾値に対する総和信号の状態遷移と第二の閾値に対するフォーカスエラー信号の状態遷移に基づいて、何れの記録層に光ビームの焦点が位置しているかを検出する。そして、第一の閾値は、複数の記録層の層間における総和信号の最小値よりも高く設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ディスクの光学的情報記録再生装置に関する。特に高密度記録を目的とした多層記録媒体を用いる場合のフォーカス制御に関するものである。
音声や映像データ等の記録再生装置として、コンパクトディスク(CD)やデジタルビデオディスク(DVD)等の光ディスクおよび、光ディスクを取り扱う光学的情報記録再生装置が知られている。
近年、取り扱うデータ量の増加に伴い、光ディスクを記録再生する光源である半導体レーザー波長λの短波長化や、半導体レーザーから出射される光ビームを光ディスクに集光する対物レンズの開口数NAの増大が行われている。これにより、光学的な解像度を高め、光ディスクの大容量化が図られている。CDの場合の一般的な波長(λ=780nm)と開口数(NA=0.45)では、光ディスク上に集光されるスポット径サイズは約1.7μmである。また、DVDでは、一層の大容量化のために、光源の短波長化(λ=650nm)や対物レンズの大開口数化(NA=0.6)が図られて、光ディスク上に集光されるスポット径サイズは約1.1μmである。この結果、DVDでは記録密度をCDに比べて2.5倍程度まで増加することが可能となっている。さらには、光ディスクから再生される再生信号の高度処理技術等が導入されて、120mmDVDは、120mmCDの記憶容量650MBに対して、4.7GBと約7倍の記憶容量を達成している。さらに、1枚の光ディスクの同一面上に複数の記録再生層を積層する多層ディスクが提案され、更なる大容量化が図られている。このような多層ディスクを用いて情報を記録再生する場合には、各層それぞれへフォーカスをあわせられるようなフォーカス制御システムが必要となる。複数層ある記録層のうちどこの層にいるのかをアドレス情報以外によって識別する手段がさまざまに提案されている。
特許文献1では、ディスクからの再生信号(RF信号)の閾値との比較結果と、フォーカス信号状態の遷移過程及びフォーカスエラー信号波形の傾きに基づいてフォーカス位置とフォーカス外れの方向を検出している。これは、フォーカス外れ時の復帰や、フォーカス引き込み時に利用されている。
特開2000−99955号公報
しかし、上述の特許文献1では、多層ディスクの各記録層間の距離のばらつきや、光ディスクドライブの光学系の設計やばらつきによっては、本来基準電圧を満たすべきRF信号が、基準電圧を満たさない場合がある。このような場合には、多層ディスクの層検出を正確に行うのは難しいという問題点があった。
そこで本発明は、多層ディスクの各記録層間の距離のばらつきや、光ディスクドライブの光学系の設計やばらつきに関わらず、多層ディスクの層検出を正確に行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、
複数の記録層を有する情報記録媒体に対して、光ビームを照射することにより情報の記録又は/及び再生を行う光学的情報記録再生装置において、前記情報記録媒体からの反射光を受光する受光センサと、前記受光センサで受光された前記反射光から総和信号を検出する総和信号検出手段と、前記受光センサで受光された前記反射光からフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、前記総和信号と比較するための第一の閾値と前記フォーカスエラー信号と比較するための第二の閾値を設定する閾値設定手段と、
前記第一の閾値に対する前記総和信号の状態遷移、及び前記第二の閾値に対する前記フォーカスエラー信号の状態遷移に基づいて、前記複数の記録層のうち、何れの記録層に前記光ビームの焦点が位置しているかを検出する焦点位置検出手段とを有しており、
前記閾値設定手段は、前記複数の記録層の層間における前記総和信号の最小値よりも高く、かつ総和信号のピーク値よりも低い範囲において、前記第一の閾値を設定する。
本発明によれば、多層ディスクの各記録層間の距離のばらつきや、光ディスクドライブの光学系の設計やばらつきに関わらず、複数ある記録層のうち、どの位置にフォーカスがあっているのかという記録層との相対位置をより正確に把握することが可能となる。
(実施例)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明による光学的情報記録再生装置のブロック図である。図1において、1は情報記録媒体(以下、光ディスク)、2は光ピックアップ、3は光ピックアップ内の受光センサである光検出器の検出結果を演算して各種信号(フォーカスエラー信号、総和信号、トラックエラー信号)を出力するエラー信号生成回路である。4はエラー信号生成回路3の出力信号のうちフォーカスエラー信号を入力とするフォーカス制御回路、5は光ピックアップ内のフォーカスアクチュエータを駆動するためのフォーカシングドライバである。更に、6はエラー信号生成回路3の出力信号のうちトラックエラー信号を入力とするトラック制御回路、7は光ピックアップ内のトラックアクチュエータを駆動するためのトラッキングドライバである。8は光ピックアップ2全体をディスク半径方向に移動するための光ピックアップ送り用ステッピングモータである。更に、9は光ピックアップ送り用ステッピングモータを駆動するための光ピックアップ送り用ドライバ、10は光ピックアップ2内の球面収差発生用のステッピングモータを駆動するための球面収差発生用ドライバである。11はサーボコントローラ、12はシステムコントローラ、13はスピンドルモータである。
このような構成において、光ディスクが装着されて起動されると、まずスピンドルモータ13が回転され、光ピックアップ内のレーザーが点灯するようにシステムコントローラ12によって起動される。光ディスク1からの反射光に応じてエラー信号生成回路3で生成されるエラー信号によって、光ピックアップ2の制御が行われる。ディスクのトラッキング方向の制御は、トラック制御回路6によって所定の演算がなされたのちに、トラッキングドライバ7を通じて光ピックアップ2内の対物レンズをトラッキング方向に駆動する駆動信号が生成される。また、フォーカス方向の制御は、フォーカス制御回路4によって所定の演算をしたのちに、フォーカシングドライバ5を通して光ピックアップ2内の対物レンズのフォーカス方向に駆動するフォーカスアクチュエータに対して駆動信号が生成される。またサーボコントローラ11は、フォーカス制御回路4やトラック制御回路6に対して、フォーカスサーチ命令やフォーカス引き込み命令などを行う。フォーカスサーチ命令を受けると、フォーカス制御回路4は、対物レンズを光ディスクに対して上下運動をさせるように、正弦波状の駆動命令を与える。また、フォーカス引き込み命令を受けると、対物レンズを光ディスク1に対してゆっくりと近づける駆動を行い、記録層近辺での各種信号を観察して目標の記録層と判断されたらフォーカスサーボ制御に切り換えられる。
ここでは特に多層の光ディスクのうち、任意の層にフォーカス制御を行なえるようにするため、図2に示すようなカウンタ生成回路をフォーカス制御回路4内にあわせもち、多層ディスクのどこの層にいるかをカウンタ値によって判別している。
図2において、21は、光ピックアップ2内の4分割された受光センサである。22は、4分割の受光センサの出力を受けて、エラー信号生成回路3内に構成されるフォーカスエラー信号検出手段、総和信号検出手段によってフォーカスエラー信号、総和信号を生成するための演算器である。23はフォーカスエラー信号を三値化する回路、24は総和信号を二値化する回路、25は2値化された総和信号および三値化されたフォーカスエラー信号を用いて、カウンタを生成する回路である。このカウンタは光ビームの光ディスクに対する焦点位置を検出する焦点位置検出手段に相当するものである。ここで、4分割センサ21とエラー信号生成回路の演算器22との間には4分割センサからの出力の夫々に対して図示しない(ローパスフィルター)が設けられている。
そして、本明細書では、このLPFからの出力である夫々の信号を総和した信号を総和信号と称している。なお、ここでは、4分割された受光センサからの夫々の出力をローパスフィルターに入力することにより得られた信号の総和したものを総和信号とした。しかし、受光センサからの全ての出力を総和した信号をローパスフィルターに入力することにより得られた信号であっても良い。
また、26、27のそれぞれは、システムコントローラー12から設定可能な三値化回路および二値化回路の閾値の入力である。29−1および29−2は、それぞれ4分割センサのうち、対角の和A+C、B+Dを生成する加算器で、これらの出力を29−3においてさらに加算して、総和信号としている。また、31は乗算器で、総和信号の振幅調整のためのゲインが設定されている。また一方で対角の和の信号は、光軸ずれ時のバランス調整用の28−1,28−2を通して、30で差動演算されることでフォーカスエラー信号を出力している。このようなフォーカスエラー信号の検出は非点収差法と呼ばれている。また、フォーカスエラー信号の振幅調整用に、32の乗算器を備える構成となっている。これら28−1,28−2,31,32のゲイン値(K,M,L)はサーボコントローラ11またはシステムコントローラ12のCPUから設定可能となっている。
そして、このカウンタ生成回路25では、フォーカスバランス調整後の信号を用いず、フォーカスバランス調整前の信号を加算することによって得られる総和信号を用いる構成となっている。これにより、4分割センサの中心と光ビームのスポット中心がずれた場合に、A+C、およびB+Dにゲイン28のK値を設定してフォーカスバランス調整を行うことで、フォーカスエラー信号を整形することができる。また、整形されたフォーカスエラー信号を用いることで安定したフォーカスサーボ制御、フォーカス引き込みの動作を行うことが可能となる。一方で、上述のフォーカスバランス調整を行った後の信号を用いて総和信号を生成してしまうと、フォーカスエラー信号に対して偏った総和信号が生成されてしまう恐れがあり、カウンタ生成回路25の検出精度を落としてしまう。よってフォーカスバランス調整前の信号を用いて総和信号を生成し、カウンタ生成回路25に使用する構成としている。このカウンタ生成回路25や、総和信号、フォーカスエラー信号、二値化、三値化の関係を示したのが図3になる。
図3は、説明の簡易化のために二層ディスクの例であり、光ビームを点灯してフォーカス駆動した時の上述した各種回路の出力の様子である。(a)は31の出力である総和信号、(b)は24の二値化回路出力(c)は32の出力であるフォーカスエラー信号(d)は23の出力であるフォーカスの三値化信号(e)はカウンタ生成回路25の出力となるカウンタ値である。横軸は時間であり、具体的には図示しないが光ピックアップ2内の対物レンズを、ディスクに近づけていき、一層目に続いて二層目を通り抜けた時の様子である。(c)中のA点がL0層の合焦ポイントで、一層目の記録層への合焦位置、すなわちフォーカス位置となる。同様にB点は、L1層の記録層における合焦ポイントである。対物レンズが合焦点から遠方にある場合には、総和信号、フォーカスエラー信号ともにゼロレベルにあるが、対物レンズがさらにディスクに向かって駆動されて近づくと、A点の記録層中心に数um程度の範囲において総和信号は近辺で一方向に出力される。数um程度の範囲をそれると再びほぼゼロレベル(L)に落ちて、数十umはなれたL1層の記録層が近づくと、ほぼL0層と同様な範囲において、総和信号は出力される。一方でフォーカスエラー信号は、非点収差を利用したエラー検出となっているため、合焦点近傍で(c)に示されるようなS字のカーブを描いた出力となる。(a)の総和信号をサーボコントローラ11(閾値設定手段)から指定された閾値レベルSth(第一の閾値)でスライスして二値化された(b)の信号は、L0、L1の各記録層近辺でハイレベル(H)となる。一方、フォーカスエラー信号は、サーボコントローラ11から指定された閾値レベルFth(第二の閾値)より高い場合にプラスレベル(+)、−Fthよりも低い場合にはマイナスレベル(―)となる。これらを組み合わせたカウンタ生成回路の出力としては(d)に示すようにカウントされる。すなわち以下の3つの状態の中でどのように信号が変化するかを観察してカウンタをUP、またはDOWNさせる。このカウンタ値の遷移について、図6も合わせて説明する。
図6において、S1の状態、すなわち総和信号がローレベルの時(カウンタが0、または3の時)には、総和信号二値化出力がハイレベルでかつフォーカスエラー信号がプラスレベルになれば、カウンタを+1してS2の状態に移る。
また、総和信号二値化出力がハイレベルでかつフォーカスエラー信号がマイナスレベルになればカウンタを−1してS3の状態へ遷移する。
S2の状態、すなわち総和信号ハイレベルでかつフォーカスエラー三値化がプラスレベルである場合(カウンタが1または4の時)の次に、総和信号がローレベルになれば−1してS1に移る。一方、総和信号がハイレベルのままフォーカスエラー信号がマイナスレベルになれば+1してS3の状態へ遷移する。S3の状態、すなわち、総和信号がハイレベルで、かつフォーカスエラー三値化がマイナスレベル(カウンタが2または5の時)の次に、総和信号がローレベルになれば+1してS1に移る。総和信号がハイレベルのままフォーカスエラー信号がマイナスレベルになれば−1してS2の状態へ遷移する。以上の3種の状態の遷移状況によって観察対象を変更しながらカウンタ値を生成していく。
ただし、このような構成において、図9のような関係図になるような設定を行なうと、次に示すようにチャタリングを生じる箇所が発生する恐れがある。
これを、図9を用いて詳述する。
図9は、図9(b)においての総和二値化のハイレベル区間外に、図9(d)のフォーカスエラー三値化の出力が、プラスまたはマイナスになっているものである。すなわち、時刻t10と、t11の区間では、総和信号はローレベル。フォーカスエラーはプラスレベルにある。ここで、図6の状態遷移の条件に基づくと、S1の状態からS2の状態へと移行する条件と、S2の状態からS1の状態へと移行する条件が同時に存在することになる。これによりこの区間でのカウンタ値は、0であるか、1であるか不明な状態となり、チャタリングの発生が起こり得る。同様にt14とt15の区間、t16とt17の区間、t20とt21の区間も同様な現象が起こってしまう。このような状況にならないように次のように、ゲイン、および閾値設定をおこなっている。
これを、図4のフローチャートと図3の信号図を用いて説明する。
起動時に光ディスクを回転させた後に401では光ビームをONにし、光ディスクに光ビームを照射する。
続いて402では光ディスクの有無や、各種の信号レベルを確認するためにフォーカスサーチ動作を行う。これは対物レンズのフォーカス方向の可動範囲全体に対物レンズを光ディスクに対して上下運動させて行う。このときに、総和信号の振幅レベルおよびフォーカスエラー信号のレベルを取得しておく。403では総和信号が所定のレベルになるように、総和信号ゲイン(図2におけるLの値)をサーボコントローラー11から設定する。404ではフォーカスエラー信号の振幅が所定のレベルになるようにゲインMをサーボコントローラー11から設定を行う。次のステップ405では、三値化回路の閾値レベルFthと二値化回路の閾値レベルSthは下記のように設定している。
・SthはL0およびL1の層間の総和信号の最低レベルよりも高く、かつ総和信号のピーク値よりも狭い範囲において、設定する。(すなわち図3の点Aから点Bまでの区間において総和二値化がローレベルになる区間があること)ここで、総和信号のピーク値に大きな差が有る場合には、低い方のピーク値を上限とする。
・Fthは、総和信号がSthレベルと同レベルになる瞬間のフォーカスエラー信号振幅よりも大きく、フォーカスサーチ402を行っている間に取得されたフォーカスエラー信号の最大レベルよりも小さい。(すなわち、図3の総和二値化がハイレベルになるt1〜t2区間内でのみ、フォーカス三値化のプラス、マイナス区間があること。)
このような設定をとることで、図9に示すような状況は回避され、図3に示すような理想的な関係をたもつことができる。これにより、カウンタにヒステリシス性を持たせ、かつ層間を切り分け可能な安定したカウンタ回路として動作させうる。フォーカスサーチ402中に各種レベルを取得して閾値レベルが決定され、サーボコントローラ11(閾値設定手段)によってフォーカス三値化回路23の閾値Fth26および総和信号二値化回路24の閾値Sth27に設定される。次のステップ406ではこの設定によって回路が正常に動いているかの動作チェックとして、再びフォーカスサーチ402と同様な処理が行われる。次のステップ407では、カウンタ値が正常な出力であるかカウンタの最大値が3の倍数であるかを元に回路動作チェックが行われる。そして、正常と判断されると、それと同時に、複数層のディスクで何層あるか、単層のディスクであるかなどのメディア判別を行い、次のステップ408へ移行してフォーカス引き込み動作に入る。407でカウンタ回路出力が正常でないと判断されれば402に戻り、以下同様な動作をおこなわれ、精度の高い閾値レベルの設定に近づいていくことになる。
さて、ここで、記録層を三層有する光ディスクでの総和信号の閾値の設定について、図7を用いて説明する。
図7は記録層が三層の光ディスクに対してフォーカスサーチを行った場合に出力される総和信号およびフォーカスエラー信号を示している。L0層〜L2層の記録層で総和信号レベルが高くなるが、各層間での総和信号の最小値レベルが異なっている。これはディスクメディアの品位や球面収差などの光学系の設計、ばらつきによって生じることがあり、多層ディスクになるほどこの傾向はみられる。時刻t5においてL0とL1層の総和信号の最小レベルD1が得られ、時刻t6においてL1層とL2層の総和信号の最小レベルD2が得られている。
このように各層間の信号レベルが異なる場合には、D1>D2なので総和信号の二値化回路24の閾値レベルSthは、D1以上に設定する。これにより各層間を切り分けて、適切なカウンタ回路として動作する。このような設定によりカウンタ回路の動作が適切になると、図8に示すような三層以上の光ディスク、例えば五層ディスクであれば、カウンタ値最大15になるような、記録層に対してリニアな値となってカウンタ出力がなされる。このカウンタ値に基づいて目的層へのフォーカスの引き込みや、フォーカスサーボ中、層間移動(層間ジャンプ)が精度よく行うことができる。
ここではフォーカスサーボ中の層間ジャンプ動作について、図5のフローチャートを用いて説明を加える。
まず、仮にL0層にフォーカスサーボがかかっている状態を想定する。501でL1層へのジャンプ指示が行われると、502では、目標層であるL1層の目標値として、L1層の近い側のカウンタ値‘4’が与えられる。503では、事前に学習されたL1層に対応するゲインM,Lが設定されて、L1層での総和信号およびフォーカスエラー信号の振幅値が調整される。次のステップ504で、ジャンプするための駆動信号が対物レンズに与えられる。所定時間の駆動パルスが与えられて、カウンタ回路出力にしたがってさらに駆動動作する。505ではカウンタ値が502で設定された‘4’になるとブレーキ駆動が行われる。このブレーキ駆動と共に、フォーカスエラー信号がマイナスになる瞬間をL1の記録層ゼロクロスと判断すると、次のステップ506で、フォーカスサーボに切り換えられ、フォーカス引き込みが開始される。507では、切り換えられたフォーカスサーボにおいて、フォーカス引き込みが完了されたと判断されば、層間ジャンプ終了(509)となる。また、505で目標層に届かない場合など、たとえば‘3’が続けば、‘4’になるまで504で与えられた駆動パルスとは異なるレベルの第二の駆動パルスが与えられて駆動される。507において一旦フォーカスサーボに切り換えられても、サーボ引き込みNGの場合には、508へ遷移する。508では、カウンタ出力値に基づいてブレーキ方向への駆動、またはジャンプ方向への駆動が行われて、505に戻り、フォーカスサーボ引き込み完了するまで繰り返される。
以上のように、記録層のどの位置にいるかを適切に把握するために、信号振幅と各種閾値レベルを適切な関係になるように設定することで、精度の高いカウンタ出力が得られる。このカウンタを用いてフォーカス制御を行うことで、フォーカス引き込みエラーの少ないフォーカス制御が可能となる。
以上によりフォーカスの引き込みタイミングや、層間ジャンプ、およびブレーキタイミング等を正確に行うことが可能となった。
本発明のシステムブロック構成図である。 カウンタ生成回路の図である。 総和信号レベル、フォーカス信号レベル関係図である。 カウンタ生成回路を調整する際のフローチャートである。 層間ジャンプ時のフローチャートである。 カウンタの状態遷移の図である。 三層光ディスクの信号レベルの関係図である。 五層ディスクのカウンタ出力の関係図である。 総和信号レベル、フォーカス信号レベル関係図である。
符号の説明
1 光ディスク
2 光ピックアップ
3 エラー信号生成回路
4 フォーカス制御回路
5 ドライバ回路
6 トラック制御回路
7 ドライバ回路
8 光ピックアップ送り用ステッピングモータ
9 ドライバ回路
10 ドライバ回路
11 サーボコントローラ
12 システムコントローラ
13 スピンドル
21 4分割された受光センサ
22 エラー信号生成回路の演算器
23 三値化回路
24 二値化回路
25 カウンタ生成回路

Claims (6)

  1. 複数の記録層を有する情報記録媒体に対して、光ビームを照射することにより情報の記録又は/及び再生を行う光学的情報記録再生装置において、
    前記情報記録媒体からの反射光を受光する受光センサと、
    前記受光センサで受光された前記反射光から総和信号を検出する総和信号検出手段と、
    前記受光センサで受光された前記反射光からフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、
    前記総和信号と比較するための第一の閾値と前記フォーカスエラー信号と比較するための第二の閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記第一の閾値に対する前記総和信号の状態遷移、及び前記第二の閾値に対する前記フォーカスエラー信号の状態遷移に基づいて、前記複数の記録層のうち、何れの記録層に前記光ビームの焦点が位置しているかを検出する焦点位置検出手段とを有しており、
    前記閾値設定手段は、前記複数の記録層の層間における前記総和信号の最小値よりも高く、かつ総和信号のピーク値よりも低い範囲において、前記第一の閾値を設定することを特徴とする光学的情報記録再生装置。
  2. 前記情報記録媒体の記録層が三層以上ある場合、前記閾値設定手段は、該記録層の各層間における前記総和信号のうち最も高い値よりも、前記第一の閾値を高く設定することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  3. 前記総和信号と前記第一の閾値とが同レベルになる時に、前記閾値設定手段は、前記第二の閾値を前記フォーカスエラ−信号よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  4. 前記情報記録媒体の各記録層において、前記フォーカスエラー信号、及び前記総和信号のゲインを調整する調整手段を有し、
    前記記録層のうち目標層に対する層間移動、又は該目標層に対するフォーカス引き込み時には、前記目標層に対応するゲインを前記調整手段で調整した後に、前記層間移動、又はフォーカス引き込みを行うことを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  5. 前記フォーカスエラー信号検出手段は、前記受光センサの出力に対してゲインの調整、及び差動演算することにより得られた信号に基づいて前記フォーカスエラー信号を検出しており、
    前記総和信号検出手段は、前記受光センサの出力に対して、前記ゲインの調整前に総和することにより、前記総和信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  6. 前記総和信号とは、前記受光センサからの全ての出力を総和した信号をローパスフィルターに入力することにより得られた信号であるか、若しくは分割された前記受光センサからの夫々の出力をローパスフィルターに入力することにより得られた信号の総和であることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
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