JP2009205780A - リール及び記録テープカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型軽量な補強リングを用いてリールハブの軸線方向両端の剛性を均等に近づけることができるリールを得る。また、上記リールを適用して記録テープを良好に保護することができる記録テープカートリッジを得る。
【解決手段】リール28は、有底円筒状に形成された樹脂製のリールハブ46と、リールハブ45の開口端46Bから径方向外側に一体に延設された樹脂製の上フランジ50と、センタ部58においてリールハブ45の底板48に溶着された状態で上フランジ50と対向する下フランジ56を有する樹脂製の下フランジ部材60と、リールハブ45の円筒壁46における開口端46Bを含む軸線方向の一部を補強する補強リング68とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば磁気テープ等の記録テープを巻装するためのリール、及び、このようなリールを備えた記録テープカートリッジに関する。
樹脂製のリールハブの開口端側にリング状の補強部材を装着することで、リールハブの剛性を確保する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2004−127358号公報 特開2005−182948号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術では、リールハブの開口端側のフランジが該リールハブとは別部材であり、かつリールハブの底部側のフランジが該リールハブに一体に形成された構造であるため、換言すれば、補強部材を設けない場合におけるリールハブの軸線方向両端の剛性差が大きいため、該剛性差を減少するために高剛性の補強リングを用いる必要があった。このため、補強部材の材質、寸法形状等に対する制約が多い(設計自由度が低い)問題があった。
本発明は、上記事実を考慮して、小型軽量な補強リングを用いてリールハブの軸線方向両端の剛性を均等に近づけることができるリールを得ること、及び該リールを適用して記録テープを良好に保護することができる記録テープカートリッジを得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るリールは、樹脂材より成り、有底円筒状に形成されたリールハブと、樹脂材より成り、前記リールハブにおける開口端から径方向外側に一体に延設されたフランジと、樹脂材より成り、前記リールハブの底部側の端部に接合され、前記フランジに対向するフランジ部を有するフランジ部材と、前記リールハブにおける開口端を含む軸線方向の一部に装着され、該リールハブを径方向に補強する補強リングと、を備えている。
請求項1記載のリールでは、リールハブの底部側の端部にフランジ部材が接合されることで、該フランジ部材のフランジ部がリールハブの開口端から延設されたフランジと対向している。一般にリールハブは、底部側に対し開口端側において径方向の剛性が低くなりやすいが、本リールでは、フランジ部材をリールハブと別部材とすることで、リールハブの底部側の剛性増大を抑制する一方、リールハブの開口端側は、該開口端から一体に延設されたフランジ及び補強リングにて剛性が高められている。このため、リールハブの軸線方向両端での剛性差が小さくなる。また、この構成より補強リングは、リールハブにおける開口端を含む軸線方向の一部にのみ装着されれば足りる。
このように、請求項1記載のリールでは、小型軽量な補強リングを用いてリールハブの軸線方向両端の剛性を均等に近づけることができる。これにより、リールハブは、被巻取物の巻き圧による変形状態で、軸線方向の両端の変形量が略均等とされる。
請求項2記載の発明に係るリールは、樹脂材より成り、有底円筒状に形成されたリールハブと、樹脂材より成り、前記リールハブにおける開口端から径方向外側に一体に延設されたフランジと、樹脂材より成り、中央部に装着された金属プレートが軸線方向視でオーバラップする範囲内において前記リールハブの底部に接合され、かつ前記フランジに対向するフランジ部を有するフランジ部材と、前記リールハブにおける開口端を含む軸線方向の一部に装着され、該リールハブを径方向に補強する補強リングと、を備えている。
請求項2記載のリールでは、リールハブの底部にフランジ部材の中央部が接合されることで、該フランジ部材のフランジ部がリールハブの開口端から延設されたフランジと対向している。一般にリールハブは、閉塞端である底部に対し開口端において径方向の剛性が低くなりやすいが、本リールでは、フランジ部材をリールハブと別部材とすることで、リールハブの底部側の剛性増大を抑制する一方、リールハブの開口端側は、該開口端から一体に延設されたフランジ及び補強リングにて剛性が高められている。このため、リールハブの軸線方向両端での剛性差が小さくなる。また、この構成より補強リングは、リールハブにおける開口端を含む軸線方向の一部にのみ装着されれば足りる。
このように、請求項2記載のリールでは、小型軽量な補強リングを用いてリールハブの軸線方向両端の剛性差を均等化することができる。これにより、リールハブは、被巻取物の巻き圧による変形状態で、軸線方向の両端の変形量が略均等とされる。また、金属プレートが装着された中央部においてリールハブの底部に接合されたフランジ部材は、リールハブの変形によるフランジ部の変形が生じにくい。
請求項3記載の発明に係るリールは、請求項1又は請求項2記載のリールにおいて、前記補強リングは、前記リールハブの内周との間に径方向にクリアランスが形成されるように該リールハブに装着されている。
請求項3記載のリールでは、リールハブと補強リングとの間には径方向にクリアランスが設定されているため、換言すれば、補強部材はリールハブに対しすきま嵌めにて装着されるため、補強リングの装着に伴うリールハブの巻取面の精度に影響を与えることがない。また、補強リングの装着が容易である。
請求項4記載の発明に係るリールは、請求項1〜請求項3の何れか1項記載のリールにおいて、前記リールハブの内周と前記補強リングの外周と間に0.05mm以内のクリアランスが設定されている。
請求項4記載のリールでは、リールハブの内周と前記補強リングの外周とのクリアランスが0.05mm以内とされているため、例えば樹脂製のリールハブのクリープ環境下で補強リングによるリールハブの良好な補強効果が果たされる。
請求項5記載の発明に係るリールは、請求項1〜請求項4の何れか1項記載のリールにおいて、前記補強リングは、前記リールハブに溶着により固定されている。
請求項5記載のリールでは、リールハブとは別部材の補強リングが溶着にてリールハブに固定されているため、補強リングがリールハブ、フランジの樹脂成形に影響を与えることがない。
請求項6記載の発明に係るリールは、請求項5記載のリールにおいて、前記補強リングは、前記リールハブの軸線方向を向く端面において、該リールハブに溶着により固定されている。
請求項6記載のリールでは、補強リングがリールハブの軸線方向を向く端面(リールハブの軸線方向との直交面に対し傾斜された面を含む)においてリールハブに固定されるため、補強リングは、例えばリールハブとの間に径方向にクリアランスを形成しつつ該リールハブに固定することができる。
請求項7記載の発明に係る記録テープカートリッジは、ケースと、前記リールハブの巻取面に記録テープが巻き回されると共に前記ケースに前記記録テープの引き出し巻き取り可能に収容された、請求項1〜請求項6の何れか1項記載のリールと、を備えている。
請求項7記載の記録テープカートリッジでは、リールのリールハブに巻き回された記録テープがケースから引き出されて情報の読み書き(何れか一方でも良い)が行われる。このリールとして請求項1〜請求項6の何れか1項記載のリールを適用したため、リールハブの軸線方向両端の剛性が均等化される。これにより、記録テープの巻き回し状態でリールハブの形状が軸線方向の中央に対し略対称になるので、該リールハブに巻き回された記録テープの変形が抑制される。すなわち、記録テープが保護される。
このように、請求項7記載の記録テープカートリッジでは、上記リールを適用して記録テープを良好に保護することができる。
請求項8記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項7記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ケースに対する前記リールハブの軸線方向に相対変位可能に該リールハブ内に設けられ、該相対変位によって、前記リールのケースに対する回転を禁止する回転ロック位置と、前記リールのケースに対する回転を許容する回転許容位置とに切り替えられる回転ロック部材をさらに備え、前記補強リングは、前記回転ロック位置に位置する前記回転ロック部材との径方向の間隔が所定値以下になるように形成されている。
請求項8記載の記録テープカートリッジでは、回転ロック位置に位置する回転ロック部材によって、リールのケースに対する回転が禁止される。この回転ロック状態では、リールハブに装着されている補強リングが、回転ロック部材に対し径方向外側から所定値以下の間隔で対峙する。このため、回転ロック部材のリールに対する径方向の位置ずれ、すなわちリールのケースに対する径方向の位置ずれが抑制される。
以上説明したように本発明に係るリールは、フランジのリールハブに対する適正な姿勢を確保することができるという優れた効果を有する。また、本発明に係る記録テープカートリッジは、上記リールを適用して記録テープを良好に保護することができるという優れた効果を有する。
本発明の実施の形態に係るリール28、及びリール28が適用された記録テープカートリッジ10について、図1〜図6に基づいて説明する。先ず、記録テープカートリッジ10の概略全体構成を説明し、次いで、リール28の構成について詳細に説明することとする。
図4(A)には、記録テープカートリッジ10を斜め上方から見た斜視図が示されており、図4(B)には、記録テープカートリッジ10を斜め下方から見た斜視図が示されている。また、図5には、図4(A)の5−5線に沿った断面図が示されている。なお、図4に示す矢印Aは、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を示しており、以下の説明では、便宜上、矢印Aにて示す側を前側ということとする。また、矢印Uにて示す側を上側ということとする。
これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、ケース12を備えている。ケース12は、上ケース14と下ケース16とを接合して構成されている。具体的には、上ケース14は、平面視略矩形状の天板14Aの外縁に沿って略枠状の周壁14Bが立設されて構成されており、下ケース16は、天板14Aに略対応した形状の底板16Aの外縁に沿って周壁16Bが立設されて構成されている。そして、ケース12は、周壁14Bの開口端と周壁16Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース14と下ケース16とが接合されて、略箱状に形成されている。
このケース12には、そのドライブ装置への装填方向先頭側の角隅部において、天板14A、周壁14B、底板16A、周壁16Bがそれぞれ切り欠かれて、該装填方向に対し傾斜した開口18が形成されている。また、底板16Aの略中央部には、該底板16Aを貫通する円形状のギヤ開口20が設けられており、後述するリールギヤ62の露出用とされている。底板16Aにおけるギヤ開口20の縁部には、環状リブ22がケース12の内方へ向けて突設されており(図5参照)、後述するリール28の位置決め用とされている。
さらに、ケース12の底板16Aの外面における前端近傍には、一対の位置決め孔24、26が開口している。一対の位置決め孔24、26は、底板16Aからケース12内方に立設された突部(図示省略)内に袋状に設けられ、上記装填方向に直交する仮想線上で互いに離間して配置されている。そして、開口18に近い側の位置決め孔24は、ドライブ装置の位置決めピンに外接する底面視略正方形状とされ、位置決め孔26は、上記仮想線に沿って長手でかつ幅が位置決めピンの直径に対応する長孔とされている。これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されて位置決め孔24、26にそれぞれ位置決めピンが挿入されると、該記録テープカートリッジ10がドライブ装置内で水平方向(左右及び前後)に正確に位置決めされるようになっている。
さらに、底板16Aにおける位置決め孔24、26廻りの部分は、他の部分(意匠面)よりも平滑に仕上げられた位置決め面24A、26Aとされている。位置決め面24A、26Aは、位置決め孔24、26に位置決めピンが挿入されたときに該位置決めピン廻りに設けられたドライブ装置の位置決め面に当接するようになっている。これにより、記録テープカートリッジ10のドライブ装置内における鉛直方向の位置決めも為される構成である。
以上説明したケース12内には、図5に示される如く、後に詳述するリール28が回転可能に収容されている。リール28は、1つだけ設けられている。このリール28には、記録テープとしての磁気テープTが巻装されており、磁気テープTの先端には引出部材としてのリーダブロック30が取り付けられている。
リーダブロック30は、記録テープカートリッジ10の不使用時には、ケース12の開口18の内側に収容保持されるようになっている。この状態で、リーダブロック30は、開口18を閉塞し、ケース12内への塵芥等の侵入を阻止している。また、リーダブロック30は、その先端に係合凹部30Aが形成されており、ドライブ装置内で磁気テープTを引き出す際には、係合凹部30Aに係合する引出手段によってケース12から抜き出されてドライブ装置の巻取リールに誘導されるようになっている。さらに、リーダブロック30は、その係合凹部30Aとは反対側の端面が円弧面30Bとされており、上記巻取リールに嵌入されて磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成するようになっている。
また、記録テープカートリッジ10は、不使用時にリール28の回転を阻止するための回転ロック部材としてのブレーキ部材32を備えている。ブレーキ部材32は、円板状に形成された円板部34と、円板部34の周縁部に下向きに形成された制動ギヤ36と、円板部34の軸心部から上向きに突設された十字突起38と、円板部34の軸心部から下向きに突設された摺接突部35とを主要部としている。十字突起38には、その形状に対応して平面視で略十字形状に形成された挿入溝38Aが形成されており、挿入溝38Aには、天板14Aから垂下された十字リブ40が上下方向の相対移動(摺動)可能に挿入されている。これにより、ブレーキ部材32は、ケース12に対し回転不能で、かつ上下方向の相対変位可能とされている。
ブレーキ部材32は、その制動ギヤ36がリール28を構成する底板48よりも上側に突出された係合ギヤ52(何れも後述)に噛み合うことで、リール28のケースに対する回転を防止し、ケースに対し上下方向(リール28の軸線方向)に移動することで制動ギヤ36の係合ギヤ52との噛み合い(回転ロック位置)、噛み合い解除(回転許容位置)が切り替えられる構成とされている。記録テープカートリッジ10は、ブレーキ部材32を底板48側に付勢する圧縮コイルスプリング42が設けられており、通常はブレーキ部材32の制動ギヤ36は、係合ギヤ52に噛み合わされた制動位置に偏倚されている。
また、記録テープカートリッジ10は、ブレーキ部材32によるケース12に対するリール28の回転ロック状態を解除するための解除部材としてリールスパッド44を備えている。リールスパッド44は、平面視で略正三角形状を成す板状の本体部44Aと、本体部44Aの各頂部から下向きに突出された脚部44Bとを有する。リールスパッド44は、制動ギヤ36を係合ギヤ52に噛み合わせたブレーキ部材32の摺接突部35に板状の本体部44A押圧されることで、各脚部44Bがリール28の底板48に形成された後述するロック解除孔64をそれぞれ独立して貫通されている。そして、各脚部44Bにおけるリール28外(下)側に突出した部分を上向きに押圧することで、ブレーキ部材32は、リールスパッド44と共に上方に移動して制動ギヤ36と係合ギヤ52との噛み合いが解除される回転許容位置に至る構成である。
この実施形態では、リールスパッド44は、ドライブ装置の回転シャフト100の駆動ギヤ106によって脚部44Bが上向きに押圧されて、圧縮コイルスプリング42の付勢力に抗してブレーキ部材32を制動位置から解除位置に移動させるようになっている。
回転シャフト100について補足すると、回転シャフト100は、回転軸102の上端に固定された回転テーブル104を有し、回転テーブル104の周縁部にはリール28のリールギヤ62(後述)に噛み合い可能な駆動ギヤ106が上向きに形成されている。これにより、回転シャフト100は、ケース12に対し相対的に上方に移動することで駆動ギヤ106をリールギヤ62に噛み合わせるようになっている。また、回転テーブル104における駆動ギヤ106の径方向内側には、円板状の図示しないマグネットが配設されており、このマグネットの磁力により、リール28のリールプレート66を吸着するようになっている。
以上説明した記録テープカートリッジ10では、リール28の回転(磁気テープTの引き出し又は巻き取り)中には、ケース12に対し回転しない摺接突部35(ブレーキ部材32)と、リール28と共に回転するリールスパッド44との間に相対回転が生じる構成とされており、この相対回転によって摺接突部35の先端(下端)とリールスパッド44の上面とが互いに摺接するようになっている。
(リールの構成)
図1〜図3に示される如く、リール28は、その軸心部を構成するリールハブ45を備えている。リールハブ45は、外周面が磁気テープTを巻き回すためのテープ巻取面46Aとされた円筒壁46と、該円筒壁46の下部を閉塞する底部としての底板48とを有する略有底円筒状に形成されている。リールハブ45の円筒壁46の上端すなわち開口端46Bからは、本発明におけるフランジとしての上フランジ50がその径方向外側に同軸的かつ一体に延設されている。この実施形態では、円筒壁46の開口端46Bと上フランジ50の上面とが面一とされている。
リールハブ45の底板48の軸心部には、円形のセンタ孔48Aが形成されている。また、底板48には、後述する下フランジ部材60のセンタ部58に設けられた係合ギヤ52を、その上面よりも上側に突出させるための窓部48Bが形成されている。窓部48Bは、リールハブ45と同軸的な円周に沿って複数(係合ギヤ52の数に一致する6つ)設けられている。さらに、底板48には、リールスパッド44の脚部44Bを挿通させるための貫通孔48Cが形成されている。貫通孔48Cは、複数の窓部48Bが配置された円周よりも大径でかつ同軸的な円周に沿って3つ等間隔で設けられている。
以上説明したリールハブ45は、円筒壁46、底板48を主要部とする各部が樹脂成形にて一体に形成されている。この実施形態では、上フランジ50が、樹脂成形にてリールハブ45と一体に形成されている。
またさらに、図1〜図3に示される如く、リール28は、上フランジ50と対向するフランジ部としての下フランジ56を有する。下フランジ56は、リールハブ45の底板48に接合(この接合構造については後述)された中央部としてのセンタ部58から径方向外向きに一体に延設されており、該センタ部58を介してリールハブ45に固定的に保持されている。この下フランジ56とセンタ部58とでフランジ部材としての下フランジ部材60が構成されている。
下フランジ部材60のセンタ部58には、ドライブ装置の回転シャフト100の駆動ギヤ106に噛み合い可能なリールギヤ62が下向きに形成されている。リールギヤ62は、全体として下フランジ部材60すなわちリール28と同軸的な円環状を成すように複数の歯が配列されて構成されている。
一方、センタ部58の上面側からは、ブレーキ部材32の制動ギヤ36と噛み合い可能な係合ギヤ52が上向きに形成されている。すなわち、係合ギヤ52は、上記した通り、制動位置に位置するブレーキ部材32の制動ギヤ36に噛み合い、解除位置に位置するブレーキ部材32の制動ギヤ36との噛み合いが解除されて、リール28の自軸廻りの回転を許容する構成とされている。この実施形態では、係合ギヤ52は、上記したリールハブ45の対応する窓部48Bを貫通可能に、リールハブ45と同軸的な円周に沿って複数(6つ)設けられている。
また、図2に示される如く、センタ部58の軸心部からは、リールハブ45のセンタ孔48Aに嵌合可能な円形凸部54が上向きに突設されている。さらに、センタ部58の周縁近傍には、リールハブ45の各貫通孔48Cとで、リールハブ45内に位置するリールスパッド44の脚部44Bを該リールハブ45の外(下)側に突出させるロック解除孔64を構成する貫通孔65がそれぞれ形成されている。各貫通孔65すなわちロック解除孔64は、リールギヤ62の設置部位における円周上で等間隔となるように配置されている。したがって、リールギヤ62は、ロック解除孔64によって周方向に分割されている(各ロック解除孔64廻りにはリールギヤ62の歯が設けられていない)。
以上説明した下フランジ部材60は、下フランジ56、センタ部58、係合ギヤ52、円形凸部54、リールギヤ62を主要部とする各部が、樹脂成形によって一体に形成されている。
さらに、図1及び図5に示される如く、センタ部58には、磁性体より成る金属プレートとしてのリールプレート66が固定的に設けられている。リールプレート66は、軸心部に透孔66Aを有する略円板状に形成されておリールギヤ62の径方向内側に同軸的に配置されている。このリールプレート66は、ドライブ装置の回転シャフト100に設けられたマグネットの磁力によって非接触で吸着される構成とされている。
リールプレート66は、インサート成形にてセンタ部58すなわち下フランジ部材60に固定されている。具体的には、リールプレート66には、透孔66Aと同軸的な仮想円に沿って周方向に等間隔で配置された複数(本実施の形態では4つ)の小孔66Bが板厚方向に貫通して形成されており、各小孔66Bは、それぞれリールプレート66の下面側が拡径部とされて所謂いんろう形状を構成している。リールプレート66は、金型内に注入され各小孔66Bに充填された樹脂材料が冷却固化されることで、下フランジ部材60に強固に固定されている。なお、リールプレート66は、かしめ等によって下フランジ部材60に固定される構造としても良い。
以上説明した下フランジ部材60は、上記の通りセンタ部58においてリールハブ45の底板48に接合されている。具体的には、溶着前の底板48の下面からは図示しない溶着用突起(エネルギダイレクタ)が突設されており、該溶着用突起がセンタ部58の上面に突き当てられた状態で超音波振動を付与することでリールハブ45と下フランジ部材60とが溶着用突起の設置部分で超音波溶着されるようになっている。
この溶着部位を図1に符号W1にて示す。この図1から、リールハブ45と下フランジ部材60とは、リールプレート66の設置領域内で接合されていることが解る。より具体的には、溶着部W1は、図1に示される如く、係合ギヤ52、リールギヤ62の内縁よりも小径で、かつ透孔66Aの内径、円形凸部54の外径、各小孔66Bが配置された仮想円の直径よりも大径とされた円周に沿って形成されている。この実施形態では、溶着部W1は、平面視で複数の円弧状を成すように、周方向に複数の部分に分割されている。
そして、本発明の実施形態に係るリール28は、リールハブ45の円筒壁46の内周側に一体に設けられた補強リング68を備えている。この実施形態では、補強リング68は、リールハブ45の円筒壁46の開口端46Bを含む軸線方向の一部である上部にのみ設けられている。以下、具体的に説明する。
補強リング68は、リールハブ45の円筒壁46の半分程度の長さを有する短円筒状に形成されたリング本体70と、リング本体70の上端部から径方向外向きに突出された外フランジ部72と、リング本体70の下部から径方向外向きに突出された内フランジ部74とを主要部として構成されている。この補強リング68は、リング本体70の外周面と円筒壁46の内周面との間に所定のクリアランスC(図1参照)が形成されるように構成されている。
この実施形態では、クリアランスCが0[mm]<C≦0.05[mm]となるように、リールハブ45の円筒壁46、補強リング68のリング本体70の寸法(公差)が決められている。すなわち、リング本体70は、リールハブ45の円筒壁46にすきま嵌めにて装着されるようになっている。なお、外フランジ部72の外周面と後述する凹部46Cの内周面との間にも、同等のクリアランスCが設定されている。
この補強リング68は、リールハブ45の円筒壁46の上端に上向き及び径方向内向きに開口するように設けられた凹部(段部)46Cに、外フランジ部72の下面が溶着されることで、リールハブ45に固定されている。この溶着状態で外フランジ部72の上面と上フランジ50の上面とが略面一になる構成とされている。なお、符号W2は、リールハブ45の円筒壁46と補強リング68の外フランジ部72との超音波溶着による溶着部を示している。
すなわち、この実施形態では、補強リング68は、樹脂製のリールハブ45に溶着可能な樹脂材にて構成されている。具体的には、補強リング68歯、ポリカードネイト(PC)より成るリールハブ45に対し、ポリカーボネイトにマイカ(雲母)を添加することでヤング率が9000MPa程度とされた樹脂材を用いて構成されている。リング本体70の肉厚は、1[mm]程度とされている。
内フランジ部74は、その内径がブレーキ部材32の外径よりも若干大径のリング状に形成されている。そして、図5に示される如く、内フランジ部74は、ブレーキ部材32の制動ギヤ36が係合ギヤ52に噛み合っている(ブレーキ部材32が回転ロック位置に位置する)状態では、その内周面がブレーキ部材32の外周面と所定値以下の間隔Gで対峙するように構成されている。この際の間隔Gは、0.1[mm]〜0.3[mm]の範囲内となるように設定されている。これにより、リール28がブレーキ部材32を介してケース12に対する径方向の移動を規制されるようになっている。
一方、図6に示される如く、内フランジ部74は、ブレーキ部材32が回転許容位置に位置する状態では、ブレーキ部材32の径方向外側に位置しないようになっている。すなわち、内フランジ部74は、ブレーキ部材32の回転ロック位置と回転許容位置との間の軸線方向に沿ったストロークによって、該軸線方向におけるブレーキ部材32とのオーバラップが解消されるように配置されている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
上記構成の記録テープカートリッジ10では、不使用時には、圧縮コイルスプリング42の付勢力によって、ブレーキ部材32が回転ロック位置に位置して制動ギヤ36を係合ギヤ52に噛み合わせている。このため、リール28は、ケース12に対する回転が阻止されている。このとき、リール28のリールギヤ62がギヤ開口20から露出すると共に、リールスパッド44の脚部44Bが外部から押圧可能にロック解除孔64を通じて突出されてギヤ開口20に臨んでいる。
一方、磁気テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケット(図示省略)へ装填する。そして、記録テープカートリッジ10がバケットに所定深さまで装填されると、該バケットは下降し、ドライブ装置の回転シャフト100がケース12のギヤ開口20に向って相対的に接近(上方へ移動)してリール28を保持する。具体的には、回転シャフト100は、マグネットによって非接触でリールプレート66を吸着保持しつつ、その駆動ギヤ106をリールギヤ62と噛み合わせる。
このリールギヤ62と駆動ギヤ106との噛み合い、すなわちケース12に対する回転シャフト100の軸方向近接側の相対移動に伴って、回転シャフト100が駆動ギヤ106の歯先に脚部44Bを当接させているリールスパッド44を上方へ押圧する。すると、この押圧力によって、リールスパッド44は、脚部44Bにおいてロック解除孔64にガイドされつつ、圧縮コイルスプリング42の付勢力に抗してリール28の軸線方向上側に移動する。これにより、摺接突部35においてリールスパッド44の本体部44Aに当接しているブレーキ部材32も上方に移動し、該ブレーキ部材32の制動ギヤ36と係合ギヤ52との噛み合いが解除される。すなわち、ブレーキ部材32は、リール28に対する相対的な回転許容位置に達する。回転シャフト100がさらに上方へ相対移動すると、圧縮コイルスプリング42の付勢力に抗して、リール28がリールスパッド44、ブレーキ部材32と共に(相対位置を変化させないまま)上方に持ち上げられ、ブレーキ部材32が絶対的な(ケース12に対する)回転許容位置へ達すると共に、下フランジ56が環状リブ22から離間する。以上により、リール28は、ケース12内で浮上し該ケース12内面と非接触状態で回転可能となる。
また、上記バケットすなわち記録テープカートリッジ10のドライブ装置内での下降によって、ケース12の各位置決め孔24、26にそれぞれドライブ装置の位置決めピンが入り込むと共に、ケース12の各位置決め面24A、26Aにドライブ装置の位置決め面が当接する。これにより、記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置に対し、水平方向及び鉛直方向に位置決めされる。すると、ドライブ装置の引出手段が、その引出ピン(図示省略)をリーダブロック30の係合凹部30Aに係合させつつ、該リーダブロック30をケース12から抜き出してドライブ装置の巻取リールに誘導する。さらに、リーダブロック30は、巻取リールに嵌入されて円弧面30Bが磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成する。
この状態で、リーダブロック30が巻取リールと一体に回転すると、磁気テープTが巻取リールのリールハブに巻き取られつつ開口18を通じてケース12から引き出される。このとき、記録テープカートリッジ10のリール28は、リールギヤ62に噛み合う駆動ギヤ106によって伝達される回転シャフト100の回転力によって、巻取リールと同期して回転する。そして、ドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッドによって、磁気テープTへの情報の記録、又は磁気テープTに記録された情報の再生が為される。このとき、ケース12に対し回転不能であるブレーキ部材32の摺接突部35は、リール28と共にケース12に対し回転するリールスパッド44の本体部44Aと摺接する。
一方、磁気テープTがリール28に巻き戻されてリーダブロック30がケース12の開口18近傍に保持されると、記録テープカートリッジ10が装填されたバケットを上昇させる。すると、リールギヤ62と駆動ギヤ106との噛合が解除されると共に駆動ギヤ106とリールスパッド44の脚部44Bとの当接が解除され、該リールスパッド44が圧縮コイルスプリング42の付勢力によってブレーキ部材32と共に下方へ移動する。これにより、ブレーキ部材32は、その制動ギヤ36が係合ギヤ52と噛み合う制動位置へ復帰する。また、ブレーキ部材32とリールスパッド44とが圧縮コイルスプリング42の付勢力によって移動する動作に伴って、リール28も下方へ移動してその下フランジ56を環状リブ22に当接させつつリールギヤ62をギヤ開口20から露出させる初期状態に復帰する。この状態で、記録テープカートリッジ10は、バケットから排出される。
この記録テープカートリッジ10を構成するリール28を製造するに当たっては、先ず、上フランジ50を含むリールハブ45、下フランジ部材60、補強リング68をそれぞれ別個に樹脂成形にて形成する。下フランジ部材60には、リールプレート66がインサート成形にて一体化されている。
次いで、リールハブ45に補強リング68を固定する。具体的には、リールハブ45の円筒壁46の下端面に当接された受け台(図示省略)と、補強リング68の外フランジ部72の上面に当接された超音波ホーンとで、外フランジ部72、円筒壁46を挟み込んだ状態で超音波ホーンから超音波振動を発生させ、リールハブ45と補強リング68とを超音波溶着する。
次いで、リールハブ45に下フランジ部材60を固定する。具体的には、下フランジ部材60の係合ギヤ52をリールハブ45の窓部48Bに挿通させると共に円形凸部54をリールハブ45のセンタ孔48Aに嵌合し、リールハブ45に対し下フランジ部材60をセンタリング(位置決め)する。そして、センタ部58における溶着用突起との当接部位の背面部分を含む領域(リールギヤ62と各小孔66Bとの間)でリールプレート66に当接された受け台(図示省略)と、底板48における溶着用突起の背面(上面)に当接された超音波ホーンとで、底板48、センタ部58、及びリールプレート66を挟み込んだ状態で超音波ホーンから超音波振動を発生させ、リールハブ45と下フランジ部材60とを超音波溶着する。これにより、リールハブ45と下フランジ部材60とが固定され、テープ巻取面46Aに巻き回した磁気テープTを上フランジ50、下フランジ56にて保護するリール28が構成される。
ところで、円筒壁46の軸線方向一端部に底板48が設けられると共に、該円筒壁46の他端部が開口端46Bとされたリールハブ45を有するリールでは、底板48側(下端側)の剛性が開口端46B側の剛性に対し大きくなりやすい。
ここで、本発明の実施形態に係るリール28では、下フランジ56がリールハブ45とは別部材とされているため、リールハブ45における底板48側の径方向の剛性が増大されることが抑制される。一方、リール28では、上フランジ50が円筒壁46の開口端46Bから一体に延設されているため、開口端46B側の径方向の剛性が増す。これらにより、リール28では、リールハブ45の円筒壁46の上下端での剛性差が小さい。そして、リール28では、リールハブ45の円筒壁46の上部に補強リング68が装着されているため、リールハブ45の円筒壁46での上下の剛性差が小さく抑えられる。
すなわち、本リールでは、リールハブ45の円筒壁46の上下方向で径方向の剛性が略均一とされる。このため、テープ巻取面46Aに磁気テープTが巻き回された状態で、リールハブ45の円筒壁46の変形が抑制され、磁気テープTの湾曲を抑制することができる。特に、樹脂製のリール28のクリープ環境下でのリールハブ45の変形が効果的に抑制される。
この点を比較例と比較結果を示す表1を参照しつつ、さらに説明する。表1は、2種類のクリープ環境でのリールハブ45の円筒壁46の上端、下端における各変形量、及び上下の変形量の差の数値解析結果(小数点以下は四捨五入)を示している。各変形量は、磁気テープTの巻き前の形状に対する変形量とされている。第1のクリープ環境として、雰囲気温度40[℃]、相対湿度80%、保存期間1週間が設定され、第2のクリープ環境として、雰囲気温度60[℃]、相対湿度90%、保存期間1週間が設定されている。また、この実施形態におけるリールハブ45の円筒壁46に対する磁気テープTの所定の巻き条件は、テープ巻取面46Aの外径44[mm]、磁気テープTの幅12.65[mm](1/2[インチ])、厚さ6.6[μm]、長さ820[m]であり、この磁気テープTは、断面(上記の幅×厚さ)当たり70[g]の張力(テンション)が与えられつつリールハブ45のテープ巻取面46Aに巻き回される。
第1比較例は、図7(A)に示される如く、下フランジ56が円筒壁46の下端から一体に延設されると共に、別部材である上フランジ50が円筒壁46の開口端46Bに溶着されたものである。第2比較例は、図7(B)に示される如く、上フランジ50が開口端46Bから一体に延設されると共に、下フランジ部材60が底板48に接合された点でリール28に共通するものの、補強リング68を有しない構成とされている。第3比較例は、図7(C)に示される如く、補強リング68を備える点でリール28に共通するものの、下フランジ56が円筒壁46の下端から一体に延設されると共に上フランジ50がリールハブ45とは別部材である構成とされている。なお、第3比較例は、上フランジ50と補強リング68とが一体に形成されているが、これによる補強効果への影響はないものと考えられる。
表1から、リールハブ45における下端の剛性が上端の剛性に対し高くなる第1比較例では、各条件において下端での変形量は小さく抑えられるものの、上端での変形量が下端の変形量と比較して極めて大きくなることから、変形量の上下差も大きくなってしまうことが解る。また、第1比較例との比較で下端の剛性が低く上端の剛性が高い第2比較例では、該第1比較例との比較においては、下端の変形量が増加すると共に上端の変形量が減少し、変形量の上下差が小さくなることが解る。一方、第1比較例との比較で下端の剛性は同等で上端の剛性が高い第3比較例では、該第1比較例との比較においては、下端の変形量は同等で上端の変形量が減少し、変形量の上下差が小さくなるものの、下端の変形量が増す第2比較例との比較では、変形量の上下差が大きくなってしまうことが解る。
そして、これらの比較例に対してリール28では、上記の通リールハブ45の上下で剛性差が略均等化されているので、該リールハブ45すなわちテープ巻取面46Aの上下端での変形量の差が著しく小さく抑えられることが解る。特に、より厳しいクリープ条件下(雰囲気温度60[℃]、相対湿度90%、保存期間1週間)では、変形量の上下差は各比較例の10%以下となることが確認された。
また、この効果は、例えば第3比較例の補強リング68をより高剛性にすることでも理論的には達成可能であるが、各種の制約が生じてしまう。例えば、樹脂製の補強リング68で剛性を向上させる場合、マイカの添加量を増すと成形性が低下し、リング本体70の肉厚を増すとブレーキ部材32との干渉を回避するための対策が要求される。また、補強リング68を金属製にして剛性を向上する場合、リール28の質量が増したり、成形性又は組付性が悪化したり、磁気テープTに影響を与えない金属材の選択によりコストが増加したりする。
これらに対し、リール28では、単に補強リング68を設けるだけでなく、下フランジ56の別部材化による上記の通リールハブ45の下端の剛性増大抑制、上フランジ50の一体成形によるリールハブ45の上端の剛性増大と併せて、補強リング68を円筒壁46の上部にのみ設けているので、上記の各種制約を受けることなく、小型軽量の補強リング68を用いて、リールハブ45の軸線方向両端の剛性を均等に近づけることが実現された。
これにより、リール28は、磁気テープTの巻き回し状態でリールハブ45のテープ巻取面46Aの変形が軸線方向(上下方向)中央部に対し略対称となるため、リールハブ45に巻き回された磁気テープTの湾曲(テープカーバチャ、JJS X6175参照)を抑制することができる。特に、テーパカーバチャは、常温では比較的小さく、磁気テープTの保存雰囲気温度、湿度が高いほど大きくなることが知られているが、リール28では、テープカーバチャが大きくなりやすい上記環境下で、テープ巻取面46Aを上下略対称に変形させる(上下対称性を維持する)ので、テープカーバチャを効果的に小さく抑えることができる。
また、リール28では、補強リング68がリールハブ45とは別部材とされているため、上フランジ50を良好な寸法精度で形成することができる。さらに、リール28では、補強リング68のリング本体70とリールハブ45の円筒壁46との間に所定のクリアランスCが設定されているため、テープ巻取面46Aを良好な寸法精度で形成することができる。すなわち、例えば金属製の補強リングをインサート成形する構成では、補強リングが成形時における開口端46Bでの樹脂収縮を阻害して上フランジ50の寸法精度に影響を与えることが懸念され、また例えば補強リングをリールハブ45に圧入する構成では、該圧入に伴う円筒壁46の変形によりテープ巻取面46Aの寸法精度に影響を与えることが懸念されるが、リール28では、上フランジ50、テープ巻取面46Aを良好な寸法精度で形成することができる。
さらに、補強リング68のリング本体70とリールハブ45の円筒壁46との間のクリアランスCが0[mm]<C≦0.05[mm]とされているので、補強リング68による十分な補強効果(リールハブ45の円筒壁46の上部の剛性向上)を得ることができる。特に、上記したクリープ環境下において、十分な補強作用が果たされる。
またさらに、リール28では、リング本体70から径方向に張り出された外フランジ部72の下面において補強リング68がリールハブ45に溶着されているため、上記したクリアランスCを設定した構成において、補強リング68をリールハブ45に確実に固定することができる。一方、上記寸法のクリアランスCが設定されていることで、補強リング68はリールハブ45に対し、容易に挿入できると共に精度良く位置決め(センタリングされる)。
またここで、リール28では、センタ部58を底板48に接合することで下フランジ56をリールハブ45(円筒壁46)に固定する構造であるため、磁気テープTの巻き圧による円筒壁46の変形に伴って下フランジ56が変形し難い。特に、リール28では、下フランジ部材60におけるリールプレート66の設置領域内でセンタ部58が底板48と接合されているため、換言すれば、下フランジ部材60の高剛性部(リールプレート66による被補強部)でリールハブ45に接合されているため、下フランジ56は、厚み方向に振れるような変形を一層生じ難い。これらにより、リール28では、例えば円筒壁46の下端面に下フランジ56内縁を接合する構成と比較して、下フランジ56の外周縁の厚み方向の面振れを1/3〜1/2に低減することができる。
以上説明したように、リール28では、リールハブ45に対する下フランジ56の寸法精度が高く、かつ磁気テープTの巻き圧による円筒壁46の変形に伴う下フランジ56の変形(面振れ)が抑制されるので、各状態でリールハブ45に対する下フランジ56の適正な姿勢を確保することができる。また、リール28では、上記の通リールハブ45の円筒壁46が補強リング68にて補強されているので、磁気テープTの巻き圧による円筒壁46の上部の変形が抑制され、該円筒壁46の変形に伴う上フランジ50の変形(面振れ)が抑制される。
そして、このようなリール28を備えて構成された記録テープカートリッジ10では、上記の通リールハブ45すなわちテープ巻取面46Aに対する上フランジ50、下フランジ56の寸法精度が高く、かつ上フランジ50、下フランジ56の面振れ(対向面間の縮小)が抑制されるため、磁気テープTのケース12に対する出し入れに伴って該磁気テープTが上フランジ50、下フランジ56に干渉することが防止され、磁気テープTが保護される。
またここで、記録テープカートリッジ10では、補強リング68の内フランジ部74が回転ロック位置に位置するブレーキ部材32に対し所定値以下の間隔Gで対峙するため、ブレーキ部材32のリール28に対する径方向の変位、すなわちリール28のケース12に対する径方向の位置ずれが抑制される。したがって、本記録テープカートリッジ10は、例えば、縦型のドライブ装置内でも、回転シャフト100によって吸着、噛み合いにて保持されるまでの期間に径方向に位置ずれすることがなく、該回転シャフト100に適正に保持される。
なお、リールギヤ62の形成部位にロック解除孔64が設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、これらについて各種変更して実施することができる。したがって、例えば、リール28が適用される記録テープカートリッジ10におけるリール28の回転止め構造、回転止め解除構造は、他の構造を採用することができる。
また、上記した実施形態では、マイカが添加された樹脂材で補強リング68が構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、補強リング68は、金属製とされて良く、強化材を含まない樹脂製としても良く、強化繊維としてガラスファイバーやカーボンファイバーを含んだ樹脂にて構成しても良い。
さらに、上記した実施形態では、下フランジ56がセンタ部58を介してリールハブ45に接合される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、円環状に形成された下フランジ56の内縁部においてリールハブ45に接合される構成としても良い。
本発明の実施形態に係るリールの要部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態に係るリールの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るリールの斜視図である。 本発明の実施形態に係るリールが適用された記録テープカートリッジの外観を示す図であって、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るリールが適用された記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック時の断面図である。 本発明の実施形態に係るリールが適用された記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック解除時の断面図である。 本発明の実施形態との比較例に係るリールを拡大して示す図であって、(A)は第1比較例の断面図、(B)は第2比較例の断面図、(C)は第3比較例の断面図である。
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
28 リール
32 ブレーキ部材(回転ロック部材)
45 リールハブ
46A 巻取面
46B 開口端
48 底板(底部)
50 上フランジ(フランジ)
56 下フランジ(フランジ部)
58 センタ部(中央部)
60 下フランジ部材(フランジ部材)
66 リールプレート(金属プレート)
68 補強リング

Claims (8)

  1. 樹脂材より成り、有底円筒状に形成されたリールハブと、
    樹脂材より成り、前記リールハブにおける開口端から径方向外側に一体に延設されたフランジと、
    樹脂材より成り、前記リールハブの底部側の端部に接合され、前記フランジに対向するフランジ部を有するフランジ部材と、
    前記リールハブにおける開口端を含む軸線方向の一部に装着され、該リールハブを径方向に補強する補強リングと、
    を備えたリール。
  2. 樹脂材より成り、有底円筒状に形成されたリールハブと、
    樹脂材より成り、前記リールハブにおける開口端から径方向外側に一体に延設されたフランジと、
    樹脂材より成り、中央部に装着された金属プレートが軸線方向視でオーバラップする範囲内において前記リールハブの底部に接合され、かつ前記フランジに対向するフランジ部を有するフランジ部材と、
    前記リールハブにおける開口端を含む軸線方向の一部に装着され、該リールハブを径方向に補強する補強リングと、
    を備えたリール。
  3. 前記補強リングは、前記リールハブの内周との間に径方向にクリアランスが形成されるように該リールハブに装着されている請求項1又は請求項2記載のリール。
  4. 前記リールハブの内周と前記補強リングの外周と間に0.05mm以内のクリアランスが設定されている請求項1〜請求項3の何れか1項記載のリール。
  5. 前記補強リングは、前記リールハブに溶着により固定されている請求項1〜請求項4の何れか1項記載のリール。
  6. 前記補強リングは、前記リールハブの軸線方向を向く端面において、該リールハブに溶着により固定されている請求項5記載のリール。
  7. ケースと、
    前記リールハブの巻取面に記録テープが巻き回されると共に前記ケースに前記記録テープの引き出し巻き取り可能に収容された、請求項1〜請求項6の何れか1項記載のリールと、
    を備えた記録テープカートリッジ。
  8. 前記ケースに対する前記リールハブの軸線方向に相対変位可能に該リールハブ内に設けられ、該相対変位によって、前記リールのケースに対する回転を禁止する回転ロック位置と、前記リールのケースに対する回転を許容する回転許容位置とに切り替えられる回転ロック部材をさらに備え、
    前記補強リングは、前記回転ロック位置に位置する前記回転ロック部材との径方向の間隔が所定値以下になるように形成されている請求項7記載の記録テープカートリッジ。
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