JP2009204122A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のエンジンルーム内において高温環境下で使用されても寸法変化が生じにくく長寿命な転がり軸受を提供する。
【解決手段】アイドリングストップシステムに組み込まれた玉軸受1は、内輪2,外輪3,二列の玉4,および保持器5を備え、玉4は日本工業規格に規定されたSUJ3製で、浸炭窒化焼入れが施された後に230℃以上380℃以下で焼戻しが施されている。これにより、この玉4は、その平均残留オーステナイト量が6体積%以下、硬さがHRC57以上となっており、さらに、表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率が1.0%以上となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車のエンジンルーム内で使用される転がり軸受に関する。
自動車は、その走行中に信号待ち等の理由で一時的に停車する場合がある。この際、停車中はエンジンをアイドリングさせていることが多い。しかし、燃料消費の節約や二酸化炭素を含む排気ガスの削減などを考えると、停車中はエンジンを停止させることが好ましい。そこで、近年、このような事情から、走行中における一時的な停車時にはエンジンの運転を自動的に停止させ、発進時には運転者の始動要求に応じてエンジンの運転を再開させる、いわゆるアイドリングストップシステムを備える自動車が提案されている。
例えば、このようなアイドリングストップシステムにおいては、スタータモータとクランク軸との間に一方向クラッチ(逆方向入力遮断クラッチ)を設けることにより、スタータモータ側のギヤとエンジン側(クランク軸側)のリングギヤとを常時噛み合わせたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2007−32492号公報 特開平11−30224号公報
ところで、このようなアイドリングストップシステムに組み込まれる転がり軸受は、エンジンルーム内のエンジン近傍に配される。例えば特許文献1には、リングギヤを支持するために、クランク軸に固定され、エンジンルーム内で使用される複列の玉軸受が開示されている。そのため、アイドリングストップシステムに組み込まれる転がり軸受は、常時130℃程度の高温環境下で使用されることになる。また、クランク軸の端部にはボルトが固定されているため、転がり軸受は断続的に不均一な荷重を受ける場合が多い。
したがって、この種のエンジンルーム内で使用される転がり軸受は、高温により残留オーステナイトの分解に起因した組織変化を伴う寸法変化が生じやすく、これにより、軸受隙間が小さくなり、早期剥離や焼付き等が生じやすく、寿命低下等の軸受性能の低下が生じるおそれがあった。
ここで、このような高温環境下において、寸法安定性を向上させる手法として、例えば特許文献2に記載の技術が開示されている。同文献に記載の技術は、クランクシャフトを転がり軸受で支持した内燃機関のクランクシャフト支持構造において、転がり軸受における内輪および外輪の少なくとも一方に、所定の寸法安定化処理を施している。しかし、同文献に記載の技術は、例えば外輪のみに所定の寸法安定化処理を施した場合、外輪自体についてはその寸法変化が抑制されるものの、内輪については寸法変化を抑制する効果が得られないため、かえって隙間詰まりが生じてしまい、逆に短寿命となる可能性がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、自動車のエンジンルーム内において高温環境下で使用されても、寸法変化が生じにくく長寿命な転がり軸受を提供することを課題としている。
本発明者らは、エンジンの近傍において高温環境下で使用されても寸法変化が生じにくく長寿命なアイドリングストップシステム用転がり軸受について鋭意検討した結果、転動体の平均残留オーステナイト量等を制御する所定の寸法安定化処理によって上記目的が達成されることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明は、内輪、外輪、およびこれら内輪と外輪の間に転動自在に配された複数の転動体を備え、自動車のエンジンルーム内で使用される転がり軸受であって、前記転動体は、その平均残留オーステナイト量が6体積%以下、硬さがHRC57以上となっており、さらに、その表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率が1.0%以上であることを特徴としている。
本発明に係る転がり軸受によれば、その平均残留オーステナイト量を6体積%以下、硬さをHRC57以上とし、さらに、その表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率を1.0%以上とする所定の寸法安定化処理を、転動体に対して施しているので、例えば特許文献2に記載の技術に比べて、内輪と転動体間、および外輪と転動体間の隙間をバランス良く振り分けられる。そのため、転動体のみに所定の寸法安定化処理を施した場合であっても、隙間詰まりを確実に抑制することができる。したがって、自動車のエンジンルーム内において高温環境下で使用されても寸法変化が生じにくく長寿命とすることができる。なお、本発明に係る転がり軸受において、転動体の平均残留オーステナイト量を3体積%以下、硬さをHRC60.5以上とすれば、自動車のエンジンルーム内において高温環境下で使用されても、寸法変化が生じにくく長寿命とする上でより好ましい。
ここで、本発明に係る転がり軸受において、前記転動体は、日本工業規格(JIS)に規定されたSUJ3で構成されているとともに、浸炭窒化焼入れが施された後に230℃以上380℃以下で焼戻しが施されていることは好ましい。また、浸炭窒化焼入れが施された後に240℃以上350℃以下で焼戻しが施されていることはより好ましい。このような構成であれば、比較的に安価なSUJ3に浸炭窒化を施すことにより、転動体表面にSi−Mn系炭窒化物を形成することができる。したがって、このSi−Mn系炭窒化物の作用によって内輪と転動体間、あるいは外輪と転動体間の摩擦係数を低減できるため、摩擦に伴う発熱を低減することができ、長寿命とする上で一層好適である。
上述のように、本発明に係る転がり軸受は、転動体に対して、平均残留オーステナイト量等を制御する寸法安定化処理を施したので、自動車のエンジンルーム内において高温環境下で使用されても寸法変化が生じにくく長寿命である。
以下、本発明に係る転がり軸受の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、本実施形態は、本発明に係るエンジンルーム内で使用される転がり軸受として、アイドリングストップシステムで使用される複列のアンギュラ玉軸受(以下、単に「玉軸受」ともいう)に適用した例である。
以下に、一方向クラッチとリングギヤと玉軸受とを備えるアイドリングストップシステムの構造について、図1を参照しながら詳細に説明する。なお、図1は、その玉軸受を備えるアイドリングストップシステムの構造を示す縦断面図である。
このアイドリングストップシステムは、エンジンルーム内のエンジン近傍に配され、図示しないエンジンのオイルパン31の後端の上方には、ラダービーム32を介してシリンダブロック側に回転可能に支持されたクランク軸11の後端が配されている。このクランク軸11の後端には、フライホイール33,アウターレース支持部材34,およびリングギヤ12が取り付けられており、これらのうちアウターレース支持部材34は、フライホイール33とともにクランク軸11の後端にボルト締結にて固定されており、クランク軸11とともに回転するようになっている。
また、リングギヤ12は、一方向クラッチ13のインナーレース13aおよび玉軸受1を介して、クランク軸11の後端の外周部に取り付けられている。このため、一方向クラッチ13が解放状態にある場合には、リングギヤ12はクランク軸11の回転とは独立して回転可能である。そして、リングギヤ12の外周縁部には、歯部12aが形成されており、この歯部12aは、図示しないスタータモータのピニオンギヤ14に常時噛み合わされている。そのため、スタータモータから回転力が入力されることにより、リングギヤ12が回転される。
ここで、上記玉軸受1は、インナーレース13aの内周面側に取り付けられている。そして、この玉軸受1と一方向クラッチ13のインナーレース13aとが2つの止め輪6,6によって固定されており、これにより、リングギヤ12の軸方向の動きが規制されている。さらに、アウターレース支持部材34の外周部には、リングギヤ12の内周部に取り付けられたインナーレース13aに対向するように、一方向クラッチ13のアウターレース13bが取り付けられている。これにより、リングギヤ12とアウターレース支持部材34との間に、一方向の回転のみを伝達し逆方向の回転の入力を遮断する一方向クラッチ13が構成されている。
この一方向クラッチ13は、エンジン始動時にスタータモータがピニオンギヤ14を介してリングギヤ12を回転させる際、すなわち、リングギヤ12側からトルクが伝達される際には、アウターレース支持部材34とリングギヤ12とを係合状態とする。これにより、スタータモータはクランク軸11を回転させることができる。
そして、エンジンが運転を開始することで、その出力によって、クランク軸11に連動するアウターレース支持部材34の回転がリングギヤ12の回転よりも速くなると、一方向クラッチ13は解放状態となる。これにより、ピニオンギヤ14とリングギヤ12の歯部12aとが常時噛み合った状態でも、クランク軸11の回転はスタータモータ側に伝達されないので、エンジン始動後のスタータモータの過回転を防止することができる。なお、上記玉軸受1および一方向クラッチ13には、潤滑のためにエンジンオイルが供給される。
ここで、このアイドリングストップシステムに組み込まれた玉軸受1は、内輪2,外輪3,2列の玉4,および樹脂材料製の冠形保持器である保持器5を備える、大径,幅狭,且つ薄肉の軸受である(玉軸受1の断面図を図2に示し、保持器5の断面図を図3に示す)。
なお、大径とは、玉軸受1のPCDと玉4の直径dとの比(PCD/玉4の直径d)が17以上24以下であり、且つ、玉軸受1のPCDと2列の玉4の中心間距離aとの比(PCD/2列の玉4の中心間距離a)が12以上24以下であることを意味する。また、幅狭とは、軸受幅bと玉4の直径dとの比(軸受幅b/玉4の直径d)が2.8以上3.2以下であることを意味する。さらに、薄肉とは、玉軸受1のPCDと内外輪2,3の径方向の幅(厚さ)ti,toとの比(PCD/内外輪2,3の径方向の幅ti,to)が25以上35以下であることを意味する。本実施形態の玉軸受1は、玉4の直径dが3.5〜4.8mm程度で、玉軸受1のPCDが80〜120mm程度である。また、保持器5のポケットのPCDと径方向の幅tとの比(PCD/径方向の幅t)は、36以上60以下が好ましく、40以上50以下がより好ましい。
そして、この玉軸受1においては、内輪2および外輪3は、日本工業規格に規定されたSUJ2鋼を所定形状に加工した後、840℃〜860℃で0.5〜1時間加熱した後に焼入を施し、さらに160℃〜180℃で1〜2時間の焼戻しを施すことによって得られている。
さらに、転動体である玉4は、SUJ3鋼を用いて所定の寸法安定化処理が施されて、その平均残留オーステナイト量の合計は6体積%以下とされ、硬さがHRC57以上となっている。なお、硬さがHRC57未満であると早期剥離が生じやすくなる。さらに、この玉4は、その表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率が1.0%以上である。
なお、平均残留オーステナイト量とは、その部材全体における残留オーステナイト量の平均値を意味する。例えば、表面から中心部までの残留オーステナイト量の分布を測定し、その平均値を算出することにより得ることができる。この玉4には、平均残留オーステナイト量を低減して、玉4の平均残留オーステナイト量を6体積%以下とするために、浸炭窒化焼入れが施された後に230℃以上380℃以下で焼戻しを行う熱処理(寸法安定化処理)を施している。
次に、この玉軸受1の作用・効果について説明する。
ここで、高温下においては残留オーステナイトの分解に起因する寸法変化(膨張)が生じる。しかし、仮に内輪または外輪のみに寸法変化を抑制する処理を施しても、逆に内輪2と玉4間、および外輪3と玉4間の隙間のバランスが崩れてしまうと、かえって隙間詰まりが生じてしまい、短寿命となる可能性がある。
そこで、この玉軸受1は、その平均残留オーステナイト量を6体積%以下、硬さをHRC57以上とし、さらに、その表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率を1.0%以上とする所定の寸法安定化処理を、玉4に対して施しており、これにより、内輪2と玉4間、および外輪3と玉4間の隙間をバランス良く振り分けられるようにしている。そして、この玉4に対して施した、平均残留オーステナイト量の合計が6体積%以下とする所定の寸法安定化処理によって、残留オーステナイトの分解に起因する寸法変化が抑えられるので、隙間詰まりを抑制することができる。したがって、自動車のエンジンルーム内において高温環境下で使用されても、寸法変化が生じにくく長寿命とすることができる。
さらに、この玉軸受1によれば、玉4は、SUJ3で構成され、浸炭窒化焼入れが施された後に230℃以上380℃以下で焼戻しが施されて得られているので、比較的に安価なSUJ3に浸炭窒化を施すことにより、転動体表面にSi−Mn系炭窒化物を形成することができる。そのため、このSi−Mn系炭窒化物の作用によって内輪と転動体間、あるいは外輪と転動体間の摩擦係数を低減できる。したがって、摩擦に伴う発熱を低減することができ、長寿命とする上で一層好適である。
なお、本発明に係る転がり軸受は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、本実施形態においては、転がり軸受として複列のアンギュラ玉軸受を例示して説明したが、本発明の転がり軸受は、他の種類の様々な玉軸受に対して適用することができる。例えば、深溝玉軸受,自動調心玉軸受である。さらに、本実施形態において転動体は2列の玉であったが、単列でもよいし3列以上でもよい。また、この玉軸受1は、3点接触軸受でもよいし、4点接触軸受でもよい。また、転動体の形状も玉に限らず、例えばローラであってもよい。
また、内輪2,外輪3,玉4の材質についても特に限定されるものではなく、SUJ2ないしSUJ3の他、種々の鋼材を使用することが可能である。しかし、玉4を比較的に安価に製造し、その表面にSi−Mn系炭窒化物を形成して、このSi−Mn系炭窒化物の作用によって内輪2と玉4間、あるいは外輪3と玉4間の摩擦係数を低減し、摩擦に伴う発熱を低減することで長寿命とする上では、玉4が、SUJ3で構成されていることは好ましい。
さらに、保持器5についても特に限定されるものではないが、樹脂材料製が好ましい。また、樹脂材料の種類も特に限定されるものではないが、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックが好ましい。また、スーパーエンジニアリングプラスチックの中でも、耐熱性や生産性を考慮すると、PPS,PEEKが特に好ましい。また、汎用エンジニアリングプラスチックの場合は、ガラス繊維で強化した樹脂組成物とすることが好ましい。そうすれば、耐熱性および寸法安定性が向上する。なお、ガラス繊維とともに、炭素繊維や各種ウィスカーを用いても差し支えない。保持器の素材をこれら樹脂材料とすれば、玉軸受がエンジンの近傍に配され130℃程度の高温環境下で常時使用されても、安定した軸受性能を長期間にわたって維持する上で好適である。また、玉軸受1は断続的に不均一な荷重を受けるが、保持器5が金属と比べて柔軟性の高い樹脂材料で構成されるので、前記荷重を受けても問題なく使用することが可能である。なお、保持器の種類についても限定されるものではないが、冠形保持器が最も好ましい。
さらに、組み込む転動体の数についても特に限定されないが、例えば本実施形態の玉軸受1においては、組み込む玉4の数を通常の軸受よりも少なくすることが好ましい。例えば15個が好ましい。玉4の数を通常の軸受よりも少なくすることにより、玉軸受1の低トルク化が可能であるとともに、玉軸受1の空転時の摩擦抵抗が低くなる。さらに、保持器5の設計が容易となる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明する。
呼び番号6206の深溝玉軸受を、以下のようにして製造し、本発明の実施例1〜6、および比較例1〜5用として11種類の深溝玉軸受を用意した。まず、内輪2および外輪3は、いずれも共通とし、SUJ2製の素材を用いて所定形状に加工し、その後、840℃〜860℃で0.5〜1時間加熱した後に焼入を施し、さらに160℃〜180℃で1〜2時間の焼戻しを施すことによって同様に製作した。
一方、玉4は、SUJ2あるいはSUJ3製の素材を所定形状に成形し、浸炭窒化焼入れを施した後に、180℃以上400℃以下で焼戻しを施すことによって製作した(なお、比較例については表1に示す条件で製作した)。そして、得られた内輪2,外輪3,および玉4を組み立てて深溝玉軸受(呼び番号6206)とし、これを用いてその内部に潤滑剤を供給しながら下記のような条件で回転させ、寿命を測定した。
荷重 :P/C(P:動等価荷重、C:基本動定格荷重)=0.46
回転速度 :3000min−1
潤滑剤 :ISO粘度グレードがISO VG68であるオイル
雰囲気温度:130℃
用意した深溝玉軸受を、本発明の実施例1〜6、および比較例1〜5として表1に示す。また、表1に、各深溝玉軸受の玉4それぞれについて、玉4の鋼種、玉4に施した熱処理条件、焼戻し温度、品質(硬さ、平均残留オーステナイト量、表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率)、および寿命試験の結果を併せて示す。なお、表1における寿命の数値は、比較例1の軸受の寿命を1とした場合の相対値で示してある。
Figure 2009204122
表1において、実施例1〜実施例6は、比較例1と比べて、2.5倍以上の寿命であり、いずれも長寿命であった。これら実施例1〜6は、いずれも転動体の平均残留オーステナイト量が6体積%以下であり、また、硬さがHRC57以上となっており、さらに、その表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率が1.0%以上である。
このことから、高温環境下においては残留オーステナイトの分解に起因する寸法変化(膨張)が生じるが、転動体の平均残留オーステナイト量が6体積%以下であると寸法変化が生じにくくなり、これにより隙間詰まりが抑制され、内輪と転動体間、あるいは外輪と転動体間の摩擦係数を低減できるため、摩擦に伴う発熱を低減することができ、長寿命になったと考えられる。
これに対し、表1において、比較例2は、転動体の平均残留オーステナイト量が3.5体積%に低減されているため、上記実施例同様、転動体の寸法変化が生じにくくなり、これにより隙間詰まりが抑制され、1.8倍の寿命が得られていると考えられるが、素材がSUJ2であり、転動体表面のSi−Mn系炭窒化物が、面積率で0.2%と僅かしか得られなかったため、上記実施例1〜6と比較して短寿命であったと考えられる。
また、比較例3は、転動体の平均残留オーステナイト量が多く、隙間詰まりが生じたために短寿命(寿命比1.2)であったと考えられる。また、比較例4は、硬さがHRC56となっており、硬さが低かったために短寿命(寿命比1.1)であったと考えられる。また、比較例5は、転動体の平均残留オーステナイト量が0.5体積%に抑えられてはいるものの、転動体表面のSi−Mn系炭窒化物が面積率で0.7%と僅かしか得られなかったため、実施例1〜6と比較して、僅かに短寿命(寿命比2.2)であったと考えられる。
以上の寿命試験の結果から、転がり軸受の転動体を、SUJ3を用いて浸炭窒化を施し、その平均残留オーステナイト量を6体積%以下、硬さをHRC57以上、その表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率を1.0%以上とすることによって、130℃程度の高温環境下で使用された場合であっても、長寿命にできることがわかる。
アイドリングストップシステムの構造を示す縦断面図である。 図1のアイドリングストップシステムに組み込まれた玉軸受の縦断面図である。 図2の玉軸受に組み込まれた保持器の断面図である。
符号の説明
1 玉軸受(転がり軸受)
2 内輪
3 外輪
4 玉(転動体)
5 保持器
6 止め輪
11 クランク軸
12 リングギヤ

Claims (2)

  1. 内輪、外輪、およびこれら内輪と外輪の間に転動自在に配された複数の転動体を備え、自動車のエンジンルーム内で使用される転がり軸受であって、
    前記転動体は、その平均残留オーステナイト量が6体積%以下、硬さがHRC57以上となっており、さらに、その表面に形成されたSi−Mn系炭窒化物の面積率が1.0%以上であることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記転動体は、日本工業規格に規定されたSUJ3で構成されているとともに、浸炭窒化焼入れが施された後に230℃以上380℃以下で焼戻しが施されていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
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