JP2009203799A - パティキュレートフィルタの再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パティキュレートフィルタを従来よりも効率良く迅速に再生し得るようにする。
【解決手段】ディーゼルエンジン1の排気管11途中に装備されたパティキュレートフィルタ13の前段に酸化触媒14を備え、該酸化触媒14より上流側で排気ガス9中への燃料添加を行い、その添加燃料が前段の酸化触媒14上で酸化反応した時の反応熱により後段のパティキュレートフィルタ13内の捕集済みパティキュレートを燃焼させて該パティキュレートフィルタ13の強制再生を図る方法に関し、エンジン稼働中のアクセルオフ時に空気過剰率を通常より下げて予混合圧縮着火を実行し、これにより排気温度を上げて酸化触媒14及びパティキュレートフィルタ13の床温度を上げ、然る後に、空気過剰率を通常付近に戻して燃料添加による強制再生に移行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パティキュレートフィルタの再生方法に関するものである。
ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート(Particulate Matter:粒子状物質)は、炭素質から成る煤と、高沸点炭化水素成分から成るSOF分(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)とを主成分とし、更に微量のサルフェート(ミスト状硫酸成分)を含んだ組成を成すものであるが、この種のパティキュレートの低減対策としては、排気ガスが流通する排気管の途中に、パティキュレートフィルタを装備することが従来より行われている。
この種のパティキュレートフィルタは、コージェライト等のセラミックから成る多孔質のハニカム構造を成し、格子状に区画された各流路の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされていない流路については、その出口が目封じされるようになっており、各流路を区画する多孔質薄壁を透過した排気ガスのみが下流側へ排出される一方、排気ガス中のパティキュレートが多孔質薄壁の内側表面に捕集されるようになっている。
そして、排気ガス中のパティキュレートは、前記多孔質薄壁の内側表面に捕集されて堆積するので、目詰まりにより排気抵抗が増加しないうちにパティキュレートを適宜に燃焼除去してパティキュレートフィルタの再生を図る必要があるが、通常のディーゼルエンジンの運転状態においては、パティキュレートが自己燃焼するほどの高い排気温度が得られる機会が少ない為、PtやPd等を活性種とする酸化触媒をパティキュレートフィルタに一体的に担持させるようにしている。
即ち、このような酸化触媒を担持させたパティキュレートフィルタを採用すれば、捕集されたパティキュレートの酸化反応が促進されて着火温度が低下し、従来より低い排気温度でもパティキュレートを燃焼除去することが可能となるのである。
ただし、斯かるパティキュレートフィルタを採用した場合であっても、排気温度の低い運転領域では、パティキュレートの処理量よりも捕集量が上まわってしまうので、このような低い排気温度での運転状態が続くと、パティキュレートフィルタの再生が良好に進まずに該パティキュレートフィルタが過捕集状態に陥る虞れがある。
そこで、パティキュレートフィルタの入側にフロースルー型の酸化触媒を付帯装備させ、パティキュレートの堆積量が増加してきた段階でパティキュレートフィルタより上流側に燃料を添加してパティキュレートフィルタの強制再生を行うことが考えられている。
つまり、このようにすれば、燃料添加で生じた高濃度の炭化水素が酸化触媒を通過する間に酸化反応し、その反応熱で昇温した排気ガスの流入により直後のパティキュレートフィルタの床温度が上げられてパティキュレートが燃やし尽くされ、パティキュレートフィルタの再生化が図られることになる(例えば、下記の特許文献1参照)。
尚、この種の燃料添加を実行するための具体的手段としては、圧縮上死点付近で行われる燃料のメイン噴射に続いて圧縮上死点より遅い非着火のタイミングでポスト噴射を行うことで排気ガス中に燃料を添加するのが一般的である。
特開2003−193824号公報
しかしながら、パティキュレートフィルタの前段にフロースルー型の酸化触媒を備えて燃料添加を行うとしても、市街地等における一般的な走行では、加減速が繰り返されることになるため、その減速中にディーゼルエンジンの燃料噴射が停止して低温の吸気が燃焼行程を経ずにそのまま排気となって酸化触媒及びパティキュレートフィルタへ流れ込み、これら酸化触媒及びパティキュレートフィルタから熱を奪って床温度を大幅に低下させてしまい、パティキュレートフィルタの再生が完了するまでにかかる時間が長くなるという問題があった。
また、車両を停車してアイドリングをかけながらパティキュレートフィルタの強制再生を行うことも考えられるが、アイドリング状態では、走行時と比較して排気温度が極端に低くなってしまい、特に始動時等では、排気系全体の暖機に時間がかかってしまうという不都合も加わるため、このような場合もパティキュレートフィルタの再生が完了するまでに時間が長くかかっていた。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、パティキュレートフィルタを従来よりも効率良く迅速に再生し得るようにすることを目的としている。
本発明は、ディーゼルエンジンの排気管途中に装備されたパティキュレートフィルタの前段に酸化触媒を備え、該酸化触媒より上流側で排気ガス中への燃料添加を行い、その添加燃料が前段の酸化触媒上で酸化反応した時の反応熱により後段のパティキュレートフィルタ内の捕集済みパティキュレートを燃焼させて該パティキュレートフィルタの強制再生を図る方法において、エンジン稼働中のアクセルオフ時に空気過剰率を通常より下げて予混合圧縮着火を実行し、これにより排気温度を上げて酸化触媒及びパティキュレートフィルタの床温度を上げ、然る後に、空気過剰率を通常付近に戻して燃料添加による強制再生に移行することを特徴とするものである。
而して、このようにエンジン稼働中のアクセルオフ時に空気過剰率を通常より下げて予混合圧縮着火を実行すると、通常であれば圧縮上死点近辺で行われるべき燃料のメイン噴射が圧縮上死点より早いタイミングで行われ、気筒内への燃料の先行投入により燃料の予混合化が促進されてから着火燃焼することになるため、燃料が良好に分散混合して均等に薄まった状態で同時全域着火により燃焼が行われ、通常燃焼時における燃料の濃い領域が局所的に分布した状態で時間差を持って分散燃焼する場合よりも燃焼性が著しく良化し、これにより気筒内の平均温度が高まり、しかも、空気過剰率を通常より下げたことで単位空気量に対する燃料投入量の割合が増して排気温度がより一層高まる。
ここで、前述の予混合圧縮着火では、空気過剰率を通常の約1.6以上の状態から約1.0前後まで下げても黒煙(多量の煤)を発生しない無煙燃焼が可能であるため、空気過剰率を通常より下げても何ら支障はなく、黒煙(多量の煤)を発生しない範囲内であれば、空気過剰率を約1.0前後から更に下げることも可能である。
ただし、エンジン稼働中のアクセルオフ時とは、走行中の減速時や停車中のアイドリング時等のように特にエンジン出力を要求されない場面であるため、単純に燃料噴射量を増やして空気過剰率を下げるだけでなく適宜に空気絞りも併用して空気過剰率を下げ、これにより不必要なエンジン出力が発生しないように配慮するべきである。
そして、このように予混合圧縮着火を実行した結果、酸化触媒及びパティキュレートフィルタの床温度が上がるので、然る後に、空気過剰率を通常付近に戻して排気ガス中に残存酸素を増やした上、酸化触媒より上流側で排気ガス中への燃料添加を実施して強制再生を開始すると、その添加燃料から生じた高濃度の炭化水素が酸化触媒で良好に酸化処理され、その反応熱で昇温した排気ガスの流入により直後のパティキュレートフィルタの床温度が更に上げられてパティキュレートが短時間のうちに効率良く焼却処理されることになる。
特に走行中の減速時でのアクセルオフの場合、ディーゼルエンジンの燃料噴射が停止して低温の吸気が燃焼行程を経ずにそのまま酸化触媒及びパティキュレートフィルタへ流れ込むことがなくなり、これら酸化触媒及びパティキュレートフィルタが急激に熱を奪われてしまうような不具合が未然に回避され、しかも、高温の排気ガスが酸化触媒及びパティキュレートフィルタへ流れ込むことで寧ろ積極的な昇温が成されるので、パティキュレートフィルタの再生が完了するまでにかかる時間が大幅に短縮されることになる。
また、停車中のアイドリング時でのアクセルオフの場合、従来の極端に低い排気温度と比較して大幅に排気温度の上昇を図ることが可能となるので、特に始動時等において、排気系全体の暖機を短時間のうちに済ませることが可能となり、パティキュレートフィルタの再生が完了するまでにかかる時間が大幅に短縮されることになる。
更に、本発明をより具体的に実施するに際しては、例えば、強制再生への移行時にも運転状態に応じて予混合圧縮着火を継続することが可能であり、このようにすれば、より効果的な強制再生を実施することが可能となるが、このように予混合圧縮着火を継続して強制再生に移行できるのは、過早着火の心配がない軽負荷の運転状態の場合に限られる。
また、強制再生時の燃料添加を行うに際しては、ディーゼルエンジン側でのポスト噴射及び排気管途中への直接噴射の少なくとも何れか一方を用いることが可能であり、何れを採用した場合でも支障なく燃料添加を行うことが可能であるが、特に両方を併用した場合には、ディーゼルエンジン側で予混合圧縮着火からポスト噴射へ切り換わるようなケースでの過渡状態で排気管途中への直接噴射を補助的に使用することが可能となる。
上記した本発明のパティキュレートフィルタの再生方法によれば、酸化触媒及びパティキュレートフィルタの床温度が低くなりがちなエンジン稼働中のアクセルオフ時に、空気過剰率を通常より下げて予混合圧縮着火を実行することによりディーゼルエンジンから高温の排気ガスを送り込んで酸化触媒及びパティキュレートフィルタの床温度を上げることができるので、空気過剰率を通常付近に戻して燃料添加による強制再生に移行した際に、パティキュレートフィルタを従来よりも効率良く迅速に再生することができ、パティキュレートフィルタの再生が完了するまでにかかる時間を大幅に短縮することができるという優れた効果を奏し得る。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図中1はターボチャージャ2を装備したディーゼルエンジンを示しており、エアクリーナ3から導かれた吸気4が吸気管5を通し前記ターボチャージャ2のコンプレッサ2aへと送られ、該コンプレッサ2aで加圧された吸気4がインタークーラ6へと送られて冷却され、該インタークーラ6から更に吸気マニホールド7へと吸気4が導かれてディーゼルエンジン1の各気筒8(図1では直列6気筒の場合を例示している)に分配されるようになっている。
また、前記ディーゼルエンジン1の各気筒8から排出された排気ガス9は、排気マニホールド10を介しターボチャージャ2のタービン2bへと送られ、該タービン2bを駆動した排気ガス9が排気管11(排気流路)を介し車外へ排出されるようにしてある。
そして、前記排気管11の途中には、フィルタケース12が介装されており、該フィルタケース12内における後段側には、酸化触媒を一体的に担持して成る触媒再生型のパティキュレートフィルタ13が収容されており、このパティキュレートフィルタ13は、セラミックから成る多孔質のハニカム構造となっており、格子状に区画された各流路の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされていない流路については、その出口が目封じされるようになっており、各流路を区画する多孔質薄壁を透過した排気ガス9のみが下流側へ排出されるようにしてある。
また、フィルタケース12内におけるパティキュレートフィルタ13の直前位置には、ハニカム構造を有するフロースルー型の酸化触媒14が収容されており、この酸化触媒14より上流側の排気管11には、該排気管11内に燃料を直接噴射するための燃料添加弁15が装備されている。
この燃料添加弁15には、所要場所に配置された燃料タンク16から導いた燃料添加ライン17が接続されており、該燃料添加ライン17の途中に装備したポンプ18の駆動により燃料タンク16内の燃料が抜き出されて前記燃料添加弁15に向けて供給されるようになっている。
図1で示している例では、排気マニホールド10における各気筒8の並び方向の一端部と、吸気マニホールド7に接続されている吸気管5の一端部との間がEGRライン19で接続されており、排気マニホールド10から抜き出した排気ガス9の一部を水冷式のEGRクーラ20で冷却してEGRバルブ21を介し吸気管5に再循環するようにしてある。
また、排気管11におけるタービン2bの出口付近に、排気管11の流路を適宜に絞り込む排気絞り手段として排気ブレーキ22が設けられていると共に、吸気管5におけるEGRライン19が接続されている位置より上流には、吸気4を絞り込む吸気絞り手段として吸気バルブ23が設けられている。
更に、前記ディーゼルエンジン1には、各気筒8毎に装備された図示しないインジェクタから成る燃料噴射装置24が搭載されており、該燃料噴射装置24における各インジェクタの電磁弁が、エンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit)により負荷や回転数に基づいて適切に噴射タイミングや噴射量(開弁時間)を適切に制御されるようにしてあるが、パティキュレートフィルタ13の強制再生を行う必要が生じた際には、圧縮上死点(クランク角0゜)付近で行われる燃料のメイン噴射に続いて圧縮上死点より遅い非着火のタイミングでポスト噴射が追加されるようになっている。
つまり、このポスト噴射により排気ガス9中に未燃の燃料が添加されることになり、この未燃の燃料から生じた高濃度の炭化水素が酸化触媒14を通過する間に酸化反応し、その反応熱で昇温した排気ガス9の流入により直後のパティキュレートフィルタ13の床温度が上げられてパティキュレートが燃やし尽くされ、パティキュレートフィルタ13の再生化が図られるようになっている。
しかも、本形態例においては、通常であれば圧縮上死点近辺で行われるべきメイン噴射を圧縮上死点より早いタイミングで行い、気筒8内への燃料の先行投入により燃料の予混合化を促進してから着火燃焼させるようにした予混合圧縮着火が実行できるようにしてあり、この予混合圧縮着火については、エンジン稼働中のアクセルオフ時に空気過剰率(λ)を通常より下げて実行するようにしてある。
ただし、エンジン稼働中のアクセルオフ時とは、走行中の減速時や停車中のアイドリング時等のように特にエンジン出力を要求されない場面であるため、単純に燃料噴射量を増やして空気過剰率を下げるだけでなく適宜に吸気バルブ23の開度を絞る空気絞りも併用して空気過剰率を下げ、これにより不必要なエンジン出力が発生しないようにしてあることは勿論である。
尚、このようなアクセルオフ時における空気過剰率の調整や予混合圧縮着火の着火タイミングの調整を、EGRライン19による排気ガス9の再循環量の制御を併用して行うことも可能である。
而して、エンジン稼働中のアクセルオフ時に空気過剰率を通常より下げて予混合圧縮着火を実行すると、通常であれば圧縮上死点近辺で行われるべき燃料のメイン噴射が圧縮上死点より早いタイミングで行われ、気筒8内への燃料の先行投入により燃料の予混合化が促進されてから着火燃焼することになるため、燃料が良好に分散混合して均等に薄まった状態で同時全域着火により燃焼が行われ、通常燃焼時における燃料の濃い領域が局所的に分布した状態で時間差を持って分散燃焼する場合よりも燃焼性が著しく良化し、これにより気筒8内の平均温度が高まり、しかも、空気過剰率を通常より下げたことで単位空気量に対する燃料投入量の割合が増して排気温度がより一層高まる。
ここで、前述の予混合圧縮着火では、空気過剰率を通常の約1.6以上の状態から約1.0前後まで下げても黒煙(多量の煤)を発生しない無煙燃焼が可能であるため、空気過剰率を通常より下げても何ら支障はなく、黒煙(多量の煤)を発生しない範囲内であれば、空気過剰率を約1.0前後から更に下げることも可能である。
そして、このように予混合圧縮着火を実行した結果、酸化触媒14及びパティキュレートフィルタ13の床温度が上がるので、然る後に、空気過剰率を通常付近に戻して排気ガス9中に残存酸素を増やした上、酸化触媒14より上流側で排気ガス9中への燃料添加を実施して強制再生を開始すると、その添加燃料から生じた高濃度の炭化水素が酸化触媒14で良好に酸化処理され、その反応熱で昇温した排気ガス9の流入により直後のパティキュレートフィルタ13の床温度が更に上げられてパティキュレートが短時間のうちに効率良く焼却処理されることになる。
特に走行中の減速時でのアクセルオフの場合、ディーゼルエンジン1の燃料噴射が停止して低温の吸気4が燃焼行程を経ずにそのまま酸化触媒14及びパティキュレートフィルタ13へ流れ込むことがなくなり、これら酸化触媒14及びパティキュレートフィルタ13が急激に熱を奪われてしまうような不具合が未然に回避され、しかも、高温の排気ガス9が酸化触媒14及びパティキュレートフィルタ13へ流れ込むことで寧ろ積極的な昇温が成されるので、パティキュレートフィルタ13の再生が完了するまでにかかる時間が大幅に短縮されることになる。
また、停車中のアイドリング時でのアクセルオフの場合、従来の極端に低い排気温度と比較して大幅に排気温度の上昇を図ることが可能となるので、特に始動時等において、排気系全体の暖機を短時間のうちに済ませることが可能となり、パティキュレートフィルタ13の再生が完了するまでにかかる時間が大幅に短縮されることになる。
ここで、停車中のアイドリング時でのアクセルオフから強制再生への移行した場合には、運転状態に応じて予混合圧縮着火を継続することが可能であり、このようにすれば、より効果的な強制再生を実施することが可能となるが、このように予混合圧縮着火を継続して強制再生に移行できるのは、過早着火の心配がない軽負荷の運転状態の場合に限られる。
尚、本形態例における強制再生時の燃料添加に関しては、主としてディーゼルエンジン1側でのポスト噴射により行えば良いが、予混合圧縮着火からポスト噴射へ切り換わる過渡状態では、燃料添加弁15による排気管11途中への直接噴射を補助的に使用することが好ましい。
更に、燃料添加による強制再生時には、吸気バルブ23の開度を絞る空気絞りを併用することも可能であり、このようにすれば、吸気バルブ23により吸気4が絞り込まれ、ディーゼルエンジン1での燃焼による排気ガス9の発生量が投入熱量に対し減少することで排気温度の更なる上昇が図られる。
また、排気ブレーキ22の開度を絞り込む排気絞りを併用することも可能であり、このようにすれば、アクセルオフ時に排気が絞り込まれ、これより上流側の排気ガス9が昇圧されることで排気温度の上昇が図られ、しかも、エンジンの排気抵抗が高まることにより気筒8内に比較的温度の低い吸気4が流入し難くなって比較的温度の高い排気ガス9の残留量が増加し、この比較的温度の高い排気ガス9を多く含む気筒8内の空気が次の圧縮行程で圧縮されて爆発行程を迎えることでも排気温度の更なる上昇が図られる。
従って、上記本形態例によれば、酸化触媒14及びパティキュレートフィルタ13の床温度が低くなりがちなエンジン稼働中のアクセルオフ時に、空気過剰率を通常より下げて予混合圧縮着火を実行することによりディーゼルエンジン1から高温の排気ガス9を送り込んで酸化触媒14及びパティキュレートフィルタ13の床温度を上げることができるので、空気過剰率を通常付近に戻して燃料添加による強制再生に移行した際に、パティキュレートフィルタ13を従来よりも効率良く迅速に再生することができ、パティキュレートフィルタ13の再生が完了するまでにかかる時間を大幅に短縮することができる。
尚、本発明のパティキュレートフィルタの再生方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン
9 排気ガス
11 排気管
13 パティキュレートフィルタ
14 酸化触媒
15 燃料添加弁
22 排気ブレーキ
23 吸気バルブ
24 燃料噴射装置

Claims (3)

  1. ディーゼルエンジンの排気管途中に装備されたパティキュレートフィルタの前段に酸化触媒を備え、該酸化触媒より上流側で排気ガス中への燃料添加を行い、その添加燃料が前段の酸化触媒上で酸化反応した時の反応熱により後段のパティキュレートフィルタ内の捕集済みパティキュレートを燃焼させて該パティキュレートフィルタの強制再生を図る方法において、エンジン稼働中のアクセルオフ時に空気過剰率を通常より下げて予混合圧縮着火を実行し、これにより排気温度を上げて酸化触媒及びパティキュレートフィルタの床温度を上げ、然る後に、空気過剰率を通常付近に戻して燃料添加による強制再生に移行することを特徴とするパティキュレートフィルタの再生方法。
  2. 強制再生への移行時にも運転状態に応じて予混合圧縮着火を継続することを特徴とする請求項1に記載のパティキュレートフィルタの再生方法。
  3. ディーゼルエンジン側でのポスト噴射及び排気管途中への直接噴射の少なくとも何れか一方を用いて強制再生時の燃料添加を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のパティキュレートフィルタの再生方法。
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