JP2009203118A - ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法 - Google Patents

ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009203118A
JP2009203118A JP2008047458A JP2008047458A JP2009203118A JP 2009203118 A JP2009203118 A JP 2009203118A JP 2008047458 A JP2008047458 A JP 2008047458A JP 2008047458 A JP2008047458 A JP 2008047458A JP 2009203118 A JP2009203118 A JP 2009203118A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nanocarbon
film
dispersant
group
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008047458A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kato
隆志 加藤
Naoyuki Hayashi
直之 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2008047458A priority Critical patent/JP2009203118A/ja
Priority to US12/379,492 priority patent/US8052896B2/en
Publication of JP2009203118A publication Critical patent/JP2009203118A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/04Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of carbon-silicon compounds, carbon or silicon
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/24Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising carbon-silicon compounds, carbon or silicon

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】成膜性及び導電性に優れたナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を用いて前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成した後に、前記膜に外部刺激を与えて該膜に含まれる前記分散剤の少なくとも一部を分解させたことを特徴とするナノカーボン膜。好ましくは、外部刺激として光照射を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンス(EL)素子などに代表される画像表示体(ディスプレイ)が、テレビ、コンピューターのほか、近年普及してきた各種モバイル装置など、様々な分野で広く用いられるようになってきており、目覚ましい発展を遂げている。また、地球環境に配慮した脱化石エネルギーの一環として、太陽電池の高機能化による普及への要求が高まっている。
このような表示素子や太陽電池には導電性膜が使用されている。例えば、ITO(インジウムスズオキサイド)系導電性膜をはじめとする金属系材料を用いた導電性膜は、ガラス基板上に金属系材料を真空蒸着法やスパッタリング法などの気相法により成膜するのが一般的である。
また、携帯電話やモバイルなどの表示素子についてはグラム単位の軽量化が進められ、表示素子用の基板はガラスからプラスチックへの移行が求められている。プラスチック基板の導入により、表示装置の重量はガラス基板を用いる場合の半分以下とすることも可能であり、また、強度や耐衝撃性を著しく向上させることも可能となる。
しかしながら、ITO系導電性膜を成膜する場合、ガラス基板からプラスチック基板に代えることにより密着性が低下し、導電性膜が剥がれ易くなる。また、ITOなどの金属系材料の膜は、通常、スパッタリングなどの気相法を用いて成膜するために製造装置に多大な費用が必要となる。
金属系材料に代わる導電性材料としてカーボンナノチューブ等のナノカーボンを使用することが提案されている。ナノカーボンは、塗布によって導電性を発現する薄膜を形成ことが可能であり、安価に成膜することができる可能性を有する材料である。
カーボンナノチューブを製造する方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法など種々の方法が知られているが、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等のカーボン不純物が混在する場合がある。例えば、カーボンナノチューブの精製方法として、紫外線を照射してカーボン不純物を除去する方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、カーボンナノチューブを用いて薄膜を形成する場合、カーボンナノチューブを水等の媒体に分散させることは容易でないため、例えば、分散剤を添加することでカーボンナノチューブ分散液を調製し、これを基板に塗布して薄膜を形成する手法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−345918号公報 WO2004/060798号公報
ところが、ナノカーボン分散液を用いて成膜する場合、膜に分散剤が混入するため、均一な膜が得にくい、導電性が低い、基板との密着性が悪い等、ナノカーボン単独の性質と比較すると導電性膜としての性能に問題がある。
本発明は、成膜性及び導電性に優れたナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の本発明が提供される。
<1> ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を用いて前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成した後に、前記膜に外部刺激を与えて該膜に含まれる前記分散剤の少なくとも一部を分解させたことを特徴とするナノカーボン膜。
<2> ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を用いて前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成した後に、前記膜に外部刺激を与えて該膜の抵抗値を低下させたことを特徴とするナノカーボン膜。
<3> 前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のナノカーボン膜。
<4> 前記界面活性剤が、ベタインであることを特徴とする<3>に記載のナノカーボン膜。
<5> 前記ナノカーボンが、シングルウォールナノカーボン又はマルチウォールナノカーボンであることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載のナノカーボン膜。
<6> <1>〜<5>のいずれかに記載のナノカーボン膜を有する電極。
<7> <1>〜<5>のいずれかに記載のナノカーボン膜を有する透明電極。
<8> ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を支持体上に付与する工程と、
前記支持体上に付与された前記ナノカーボン分散液から前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成する工程と、
前記膜に外部刺激を与えて該膜に含まれる前記分散剤の少なくとも一部を分解させる工程と、
を含むことを特徴とするナノカーボン膜の製造方法。
<9> ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を支持体上に付与する工程と、
前記支持体上に付与された前記ナノカーボン分散液から前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成する工程と、
前記膜に外部刺激を与えて該膜の抵抗値を低下させる工程と、
を含むことを特徴とするナノカーボン膜の製造方法。
<10> 前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする<8>又は<9>に記載のナノカーボン膜の製造方法。
<11> 前記界面活性剤が、ベタインであることを特徴とする<10>に記載のナノカーボン膜の製造方法。
<12> 前記ナノカーボンが、シングルウォールカーボンナノチューブ又はマルチウォールカーボンナノチューブであることを特徴とする<8>〜<11>のいずれかに記載のナノカーボン膜の製造方法。
<13> 前記支持体が、ガラス基板又は樹脂フィルム基板であることを特徴とする<8>〜<12>のいずれかに記載のナノカーボン膜の製造方法。
<14> 前記支持体が、紫外線吸収剤を含むことを特徴とする<8>〜<13>のいずれかに記載のナノカーボン膜の製造方法。
<15> 前記外部刺激として、光照射を行うことを特徴とする<8>〜<14>のいずれかに記載のナノカーボン膜の製造方法。
<16> 前記光照射を、キセノン光源又はスーパーキセノン光源を用いて行うことを特徴とする<15>に記載のナノカーボン膜の製造方法。
成膜性及び導電性に優れたナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法が提供される。
本発明者らは、ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を用いてナノカーボン及び分散剤を含む膜を形成した後に、膜に外部刺激を与えることにより、均一性の高いナノカーボン膜が成膜されるとともに、膜の抵抗値が低下すること見出した。さらに、本発明者らは、外部刺激によってナノカーボン膜の抵抗値が下がる理由について調査したところ、ナノカーボン膜に含まれる分散剤が分解することでナノカーボン同士の接触が良化することが抵抗値を下げる主な原因であることを見出した。
このような成膜性及び導電性に優れたナノカーボン膜は、ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を支持体上に付与する工程と、
前記支持体上に付与された前記ナノカーボン分散液から前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成する工程と、
前記膜に外部刺激を与えて該膜の抵抗値を低下させる(膜に含まれる前記分散剤の少なくとも一部を分解させる)工程と、
によって好適に製造することができる。
<ナノカーボン>
本発明に係るナノカーボン膜に含まれるナノカーボンとしては、特に、導電性、成膜性、耐久性、透明性等の観点から、カーボンナノチューブが好適である。
カーボンナノチューブは、マルチウォールカーボンナノチューブ(多層カーボンナノチューブ;MWCT)とシングルウォールカーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ;SWCT)とがあり、本発明ではいずれも使用することができる。各々単独で用いても、混合して用いてもよい。
シングルウォールカーボンナノチューブに関しては、半導体性であっても、金属性であってもよく、用途に応じて半導体性と金属性の混合比率を調整することが好ましい。例えば、電極用途として本発明のカーボンナノチューブ膜を形成する場合には、導電性の観点から、金属性カーボンナノチューブの比率が高いほうが好ましい。
また、カーボンナノチューブに金属などが内包されていてもよいし、フラーレンが内包されたピーポッドナノチューブを用いても良い。
カーボンナノチューブは、任意の方法、例えばアーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法などによって合成することができる。
本発明で用いるカーボンナノチューブの直径は特に限定されるものではないが、耐久性、透明性、成膜性、導電性等の観点から、0.3nm以上100nm以下であることが好ましく、より好ましくは、1nm以上30nm以下である。
また、本発明で用いるカーボンナノチューブの長さも特に限定されるものではないが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、0.01μm以上1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1μm以上100μm以下である。
なお、ナノカーボンとしては、カーボンナノチューブのほか、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノビーズなどが挙げられ、これらを使用することもできる。これらのナノカーボンを用いる場合も、そのサイズは特に限定されるものではないが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、長さは、0.01μm以上1000μm以下が好ましく、0.1μm以上100μm以下がより好ましい。
<分散剤>
分散剤としては、ナノカーボン膜を成膜する前のナノカーボン分散液においてナノカーボンを溶媒中に分散させる機能を有するとともに、成膜後は、光照射等の外部刺激を加えることによって分解可能な材料を好適に用いることができる。そのような分散剤としては、ポリマー、界面活性剤、低分子化合物が挙げられる。
分散剤として使用可能なポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリフェニレンビニレン、DNAなどが挙げられる。これらのポリマーは側鎖が修飾されていてもよい。修飾された官能基としては、ピレンなどのπ共役系部位が好ましい。
分散剤として使用可能な低分子化合物としては、アミン化合物、ポルフィリン化合物、ピレン化合物が挙げられる。例えば、オクタデシルアミン、5,10,15,20−テトラキス(ヘキサデシロキシフェニル)−21H,23H−ポルファイン、亜鉛ポルフィリン、亜鉛プロトポルフィリンなどである。
また、界面活性剤としては、イオン性(アニオン性・カチオン性・双性)のものと非イオン性(ノニオン性)のものがあり、本発明ではいずれも用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸系として脂肪酸塩やコール酸塩、スルホン酸系として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩が挙げられる。
双性(両性)界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインなどが挙げられる。
また、非イオン性(ノニオン性)界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテルなどが挙げられる。
本発明では、特にカーボンナノチューブを界面活性剤によって、さらに好ましくはベタインによって媒体に分散させたカーボンナノチューブ分散液を用いることが好ましく、分散能力と外部刺激に対する分解性を両立しやすい観点から、アンモニウム基、スルホン酸基、及びオキシスルホン酸基のうち、少なくともいずれか一つの基を有する界面活性剤が特に好ましい。これらの基を有する界面活性剤の中でも、特に下記一般式(A)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2009203118
一般式(A)中、Rは2価の連結基、R、RおよびRはアルキル基、アリール基又は、ヘテロアリール基を表す。Xは解離性基を表す。
は2価の連結基を表し、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から構成される原子団からなる。2価の連結基としては、炭素数1から20のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘキシル−1,4−ジイル)、炭素数2から20のアルケニレン基(例えば、エテニレン)、炭素数2から20のアルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子またはアルキル基、アリール基をあらわす)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0から60の2価の連結基が挙げられる。好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エルテル基、カルボニル基、およびそれらを組み合わせた基である。さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、以下に記した置換基群Vが挙げられる。
置換基群V:ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1から10、好ましくは炭素数2から8、更に好ましくは炭素数2から5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカロボニル)、炭素数0から10、好ましくは炭素数2から8、更に好ましくは炭素数2から5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から12、更に好ましくは炭素数1から8の置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0から15、好ましくは炭素数3から10、更に好ましくは炭素数3から6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から12、更に好ましくは炭素数1から8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6から80、好ましくは炭素数6から40、更に好ましくは炭素数6から30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1から80、好ましくは炭素数1から40、更に好ましくは炭素数1から30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1から18、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル)、炭素数1から18、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2から18、好ましくは炭素数3から10、更に好ましくは炭素数3から5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から15、更に好ましくは炭素数6から10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から10、更に好ましくは炭素数4から6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していても良い。
一般式(A)中、R、RおよびRは各々アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜60、より好ましくは炭素数1〜50、更に好ましくは炭素数1〜40のアルキル基である。具体的には、例えば、メチル、t−ブチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘキサデシル、3−ドデシルオキシプロピル、3−(2’,4’−di−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル、ベンジル基などである。アリール基としては、好ましくは炭素数6〜60、より好ましくは炭素数6〜50、更に好ましくは炭素数6〜40のアリール基である。具体的には、例えばフェニル、1−ナフチル、p−トリル、o−トリル、4−メトキシフェニル、4−ヘキサデシルオキシフェニル、3−ペンタデシルフェニル、2,4−di−tert−ペンチルフェニル、8−キノリル、5−(1−ドデシルオキシカルボニルエトキシカルボニル)−2−クロロフェニルなどである。ヘテロアリール基としては、N、S、O及びSeのヘテロ原子を少なくとも一つ含む5員〜8員のヘテロアリール基であることが好ましい。具体的には、例えば4−ピリジル、2−フリル、2−ピロール、2−チアゾリル、3−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾトリアゾリル、2−キノリル、3−キノリルなどである。
界面活性剤として、具体的には、3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトリルホスファチジルコリン、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)−コラミドを好ましく用いることができる。
また、ベンジル基を有する分解性の界面活性剤が好ましい。具体例としては、たとえば、Chemistry Letters,Vol.32(2003)No.1 pp.8−9、Chemistry Letters,Vol.34(2005)No.6 pp.814−815、Colloid Surf.A:Physicochem.Eng.Asp.308号、pp.118−122、(2007)に記載のものを好適に用いることができる。
以下、本発明で使用することができる分散剤の構造式を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009203118
Figure 2009203118
Figure 2009203118
以上のようなナノカーボンと分散剤を溶媒に添加して、ナノカーボン分散液を調整する。溶媒としては、水が好適であり、アルコールなどの有機溶媒を用いることもできる。例えば、予め分散剤を所定量添加した水溶液中に、攪拌しながらナノカーボンを所定量添加することによりナノカーボンが分散した分散液を調製することができる。
ナノカーボン分散液中のナノカーボンの添加量は、目標とする導電性、透明性等に応じて決めればよいが、成膜性等の観点から、0.001〜100,000mg/Lが好ましく、0.01〜10,000mg/Lがより好ましく、0.1〜10,000mg/Lが特に好ましい。
一方、ナノカーボン分散液中の分散剤の添加量は、その種類やナノカーボンの含有量にもよるが、通常は、0.00001〜1000mMが好ましく、0.0001〜100mMがより好ましく、0.001〜100mMが特に好ましい。
なお、分散液の調整方法としては、公知の方法を適用することができる。例えば、ジョークラッシャ法、超遠心粉砕法、カッティングミル法、自動乳鉢法、ディスクミル法、ボールミル法、超音波分散法などの分散方法を挙げることができる。
<その他の成分>
ナノカーボン分散液には、ナノカーボン、分散剤、溶媒のほか、分散安定性を向上させる目的として、水酸化リチウム、過硫酸アンモニウム、紫外線吸収剤、膜強度を高める目的で無機微粒子、ポリマー微粒子、シランカップリング剤、屈折率を下げて透明性を高める目的でフッ素系化合物、特にフッ素系界面活性剤を添加してもよい。
上記のようなナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を支持体上に付与し、支持体上に付与されたナノカーボン分散液を乾燥させてナノカーボン及び分散剤を含む膜を形成する。
<支持体>
支持体は、ナノカーボン膜を成膜した後の用途等に応じ、ナノカーボン分散液を付与して成膜することができ、かつ、分散剤を分解するときの外部刺激による影響を受けないもの、あるいは影響が小さいものを選択する。例えば、ナノカーボン膜をLCD等の表示装置の電極として形成する場合は、ガラス基板又はプラスチック基板を好適に用いることができる。また、ナノカーボン膜との間に絶縁膜を設けた金属基板を使用することもできる。なお、支持体は板状に限らず、例えば、表面が曲面であるものや、凹凸が形成されているものなど、用途に応じて選択すればよい。また。必要に応じて、支持体に前処理を施してもよい。例えば、ナノカーボン膜の密着性の向上を図るため、支持体上に易接着層を設けることができる。
本発明で使用可能な支持体としては、ガラス、透明セラミックス、金属、プラスチックフィルム等の基板が挙げられる。ガラス、透明セラミックスは、金属、プラスチックフィルムに比べ、柔軟性に欠ける。また、金属とプラスチックフィルムを価格的に比べると、プラスチックフィルムの方が安価であり、柔軟性を有する。このような観点から、本発明の支持体としては、プラスチックフィルムが好ましく、特に、ポリエステル系樹脂(以下、適宜、「ポリエステル」と称する)が好ましい。ポリエステルとしては、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが好ましい。
本発明に用い得るポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート等が挙げられる。このうち、入手の容易性、経済性及び効果の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が好ましい。
また、フィルムの素材として、本発明の効果を損なわない限りにおいて、これらの共重合体又はこれらと小割合の他樹脂とのブレンド物なども用いることができる。
更に、このポリエステルフィルムの中には、滑り性を良くするために少量の無機又は有機の微粒子、たとえば、酸化チタン、炭酸カルシュウム、シリカ、硫酸バリュウム、シリコーン等の如き無機フィラー、アクリル、ベンゾグアナミン、テフロン(登録商標)、エポキシ等の如き有機フィラー、ポリエチレングリコール(PEG)、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等の接着性向上剤や帯電防止剤を含有させることができる。
本発明に用いるポリエステルフィルムは、前記の如きポリエステル樹脂を溶融押出しでフィルム状にし、縦及び横二軸延伸による配向結晶化及び熱処理による結晶化させることにより形成し得る。これらフィルムの製造方法、条件は、公知の方法、条件を適宜選択して用いることができる。
ここで用いられるポリエステルフィルムの厚さに特に制限はなく、フィルムの使用目的に応じて適宜選択できるが、一般的には、5〜500μmとして用いることが好ましい。
本発明における易接着層としては、スチレン−ブタジエン共重合体(以下、適宜、「SBR」と略称する)又は水系ウレタン樹脂と架橋剤とを含有する構成が好ましい。SBRは、スチレンとブタジエンとを主体とした共重合体であり、更に必要に応じて他の成分を共重合したものを意味する。この共重合体は、スチレンとブタジエンとの含有比率を調整することにより、様々な物性のものを得られることが知られている。
易接着層を形成する場合、スチレン−ブタジエン共重合体はラテックスであることが好ましい。具体的には、日本ゼオン社からニポール(商品名)として、住友ノーガタック社からノーガテックス(商品名)として、武田薬品工業社からクロスレン(商品名)として、旭ダウ社から旭ダウラテックス(商品名)として、その他に大日本インキ化学工業社や海外メーカーから販売されている市販品を用いることもできる。
ラテックスの場合、分散体粒子の粒径は、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.2μm以下が更に好ましい。粒子径が大きい場合には、塗布工程で粒子の凝集が生じやすかったり、フィルムの透明性、光沢などが不良になったりする問題がある。更に塗布層の厚さを薄くする必要がある場合には、それに応じて粒径を小さくする必要がある。
易接着層のスチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレン/ブタジエンの含有比率は50/50〜80/20程度であることが好ましい。ラテックス中に含まれるSBRの割合は、固型分重量として30〜50重量%であることが好ましい。
また、この易接着層には、SBRの物性を向上させるために架橋剤が添加されるが、ここで用いられる架橋剤としてはトリアジン系架橋剤が好ましい。
外部刺激によって分散剤を分解させる際、支持体も外部刺激を受けるため、支持体は、外部刺激による影響を抑制する添加剤を含むことが好ましい。例えば、支持体として樹脂フィルムを用い、ナノカーボン膜に含まれる分散剤を分解する外部刺激として紫外線照射を行う場合は、紫外線吸収剤を含む樹脂フィルムを用いて、支持体側とは異なる面から照射することが好ましい。紫外線吸収剤としては、オキサゾール系、トリアジン系、スチルベン系、クマリン系吸収剤を好適に用いることができる。
<成膜>
成膜方法は特に限定されず、例えば、エクストルージョンダイコート、ブレードコート、バーコート、スクリーン印刷、ロールコート、カーテンコートなど、公知の塗布方法から選択すればよい。目標とする導電性等に応じ、乾燥後の膜厚が所望の厚さとなるようにナノカーボン分散液を支持体上に付与した後、乾燥させる。必要に応じて乾燥手段を用いればよく、例えば、ナノカーボン分散液を支持体上に塗布後、熱風を吹き付けることにより溶剤が早急に揮発し、ナノカーボン膜を成膜することができる。
なお、カーボンナノチューブによる透明電極を形成する場合は、抵抗値と光透過率が重要となり、カーボンナノチューブの濃度(密度)も考慮して膜厚を調整すればよい。例えば、LCD、PDP、EL素子等の表示装置用の透明電極であれば、好ましい抵抗値は、0.001〜100,000Ω/□の範囲であり、より好ましくは0.1〜10,000Ω/□の範囲である。なお、本発明に係る透明電極の透明とは、550nmにおける光透過率が10%〜100%の範囲にあることを意味する。また、好ましい光透過率は、20〜100%の範囲であり、より好ましくは50〜100%の範囲である。
<外部刺激>
支持体上にナノカーボン分散液を付与して成膜した後、膜に外部刺激を与えて該膜に含まれる分散剤の少なくとも一部を分解させる。外部刺激としては、例えば、熱、光、電場、磁場、圧力、化学物質、超音波などが挙げられ、分散剤の種類に応じて選択すればよいが、大面積を均一に安価に照射できるという観点から、光照射が好ましい。照射光は、ナノカーボン膜に含まれる分散剤を分解することができればよいが、分散剤に対する分解作用の観点から、キセノン光源、スーパーキセノン光源、レーザー光源、水銀ランプ光源、及びタングステンランプ光源が好ましく、より好ましくはキセノン光源及びスーパーキセノン光源である。
キセノン光源を用いる場合、光照射量は分散剤の種類等に応じて選択すればよいが、分散剤に対する分解作用生産性の観点から、通常は1〜20万ルクスが好ましく、より好ましくは10〜20万ルクスの範囲である。照射時間も特に限定はなく、分散剤の種類やナノカーボン膜の用途に応じて設定すればよいが、分散剤を確実に分解することと生産性の観点から、1分間〜200時間が好ましく、より好ましくは1〜50時間の範囲である。また、光照射により分散剤を分解させる場合の温度(分解温度)としては、支持体ならびにカーボンの性能を劣化させないという観点から、室温以上100℃以下とすることが好ましい。
なお、ナノカーボン膜中の分散剤は、一部の分散剤を分解させれば抵抗値は低下するため、必ずしも全て分解させる必要はなく、目標とする抵抗値に応じて外部刺激を加えて分解させればよい。外部刺激として特定波長の光を照射することでカーボンナノチューブの周囲に存在する分散剤が分解してカーボンナノチューブ同士の接触面積が増大することで、カーボンナノチューブ薄膜の抵抗値が低下するものと考えられる。なお、分散剤の分解の有無は、外部刺激を加える前後でナノカーボン膜の抵抗値を測定する方法のほか、例えば、IRによって分散剤の特定の官能基のピーク波長の有無によって確認することができる。
このように、本発明に係るナノカーボン膜は、外部刺激によって抵抗値が低下して導電性が高い膜となり、LCD、PDP、EL素子などの薄型のディスプレイ、太陽電池、タッチパネルなどの透明電極として好適に適用することができる。
以下、実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(A)カーボンナノチューブ分散液の調製
マルチウォールカーボンナノチューブ(アルドリッチ社製)2.0gを、水酸化リチウム0.1Mと過硫酸アンモニウム0.05Mをそれぞれ添加した3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸の5mM水溶液(2リットル)に、室温下、攪拌しながら添加した。得られた溶液を超音波分散機で10分間分散処理を行い、60℃に加熱、攪拌することでカーボンナノチューブが均一に分散された溶液を得た。
(B)カーボンナノチューブ薄膜の成膜
支持体としてガラス基板を用いた。塗布手段として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッドを用いたダイコータを使用した。塗布液の湿潤状態の厚さは、乾燥後の膜厚が100nmになるように調整した。乾燥手段としては、熱風循環式の乾燥装置を用いた。熱風の温度は100℃とした。ニップローラとして、直径が200mmで、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを使用した。
(C)光照射
得られたカーボンナノチューブ薄膜に対して、光照射(キセノンランプ光源10万ルクス)を48時間行った。光照射処理の前後でカーボンナノチューブ薄膜の光透過率と抵抗値を測定した。光透過率の測定は、UV/visスペクトルメーター(島津U2400)を用いて行い、抵抗値の測定は、ロレスタ抵抗測定装置(三菱化学社製)を用いて行った。
光照射前は、550nmにおける光透過率80%、抵抗値1200Ω/□であったが、光照射後は、光透過率80%、抵抗値660Ω/□となり、光透過率は低下することなく、導電性が向上したことが確認された。また、得られた導電膜は密着性が高いことが確認された。
一方、比較例として界面活性剤を用いない場合、カーボンナノチューブ薄膜を支持体に均一に付設することは難しく、光透過率が高く、抵抗値が低い膜は得られなかった。さらに、カーボンナノチューブ薄膜と支持体との密着性は低いことが確認された。
<実施例2〜5>
実施例1において分散剤として用いた3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸の代わりに、下記化合物(1)、(2)、(3)、又は(4)を用い、実施例1と同様の操作によってカーボンナノチューブ分散液をそれぞれ調製した後、成膜する。
Figure 2009203118
Figure 2009203118
上記カーボンナノチューブ分散液をそれぞれ用いて実施例1と同様に成膜した後、光照射処理を行い、光照射の前後で膜の光透過率及び抵抗値を測定したところ、いずれの場合にも、光透過率は低下せずに、抵抗値が低下したことが確認される。
<実施例6>
実施例1と同様の操作により成膜したカーボンナノチューブ薄膜について、キセノン光源の代わりに、スーパーキセノン光源(17万ルクス、36時間照射)を用いて光照射を行ったところ、実施例1と同様に抵抗値の低下が観測された。
<実施例7〜10>
実施例2〜5と同様の操作によりそれぞれ成膜したカーボンナノチューブ薄膜について、キセノン光源のかわりに、スーパーキセノン光源(17万ルクス、36時間照射)を用いて光照射を行いそれぞれ実施例2〜5と同様に抵抗値の低下が観測される。
以上、本発明に係るナノカーボン膜及びその製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、本発明に係るナノカーボン膜を用いた透明電極を形成する場合、必要に応じてフォトリソグラフィによりパターニングしてもよい。また、本発明に係るナノカーボン膜は、透明電極のみならず、各種機能性材料として適用することができる。

Claims (16)

  1. ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を用いて前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成した後に、前記膜に外部刺激を与えて該膜に含まれる前記分散剤の少なくとも一部を分解させたことを特徴とするナノカーボン膜。
  2. ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を用いて前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成した後に、前記膜に外部刺激を与えて該膜の抵抗値を低下させたことを特徴とするナノカーボン膜。
  3. 前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナノカーボン膜。
  4. 前記界面活性剤が、ベタインであることを特徴とする請求項3に記載のナノカーボン膜。
  5. 前記ナノカーボンが、シングルウォールナノカーボン又はマルチウォールナノカーボンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のナノカーボン膜。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のナノカーボン膜を有する電極。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のナノカーボン膜を有する透明電極。
  8. ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を支持体上に付与する工程と、
    前記支持体上に付与された前記ナノカーボン分散液から前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成する工程と、
    前記膜に外部刺激を与えて該膜に含まれる前記分散剤の少なくとも一部を分解させる工程と、
    を含むことを特徴とするナノカーボン膜の製造方法。
  9. ナノカーボン及び分散剤を含むナノカーボン分散液を支持体上に付与する工程と、
    前記支持体上に付与された前記ナノカーボン分散液から前記ナノカーボン及び前記分散剤を含む膜を形成する工程と、
    前記膜に外部刺激を与えて該膜の抵抗値を低下させる工程と、
    を含むことを特徴とするナノカーボン膜の製造方法。
  10. 前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のナノカーボン膜の製造方法。
  11. 前記界面活性剤が、ベタインであることを特徴とする請求項10に記載のナノカーボン膜の製造方法。
  12. 前記ナノカーボンが、シングルウォールカーボンナノチューブ又はマルチウォールカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれか一項に記載のナノカーボン膜の製造方法。
  13. 前記支持体が、ガラス基板又は樹脂フィルム基板であることを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれか一項に記載のナノカーボン膜の製造方法。
  14. 前記支持体が、紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれか一項に記載のナノカーボン膜の製造方法。
  15. 前記外部刺激として、光照射を行うことを特徴とする請求項8〜請求項14のいずれか一項に記載のナノカーボン膜の製造方法。
  16. 前記光照射を、キセノン光源又はスーパーキセノン光源を用いて行うことを特徴とする請求項15に記載のナノカーボン膜の製造方法。
JP2008047458A 2008-02-28 2008-02-28 ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法 Pending JP2009203118A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008047458A JP2009203118A (ja) 2008-02-28 2008-02-28 ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法
US12/379,492 US8052896B2 (en) 2008-02-28 2009-02-24 Nanocarbon film and producing method thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008047458A JP2009203118A (ja) 2008-02-28 2008-02-28 ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009203118A true JP2009203118A (ja) 2009-09-10

Family

ID=41012475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008047458A Pending JP2009203118A (ja) 2008-02-28 2008-02-28 ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8052896B2 (ja)
JP (1) JP2009203118A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031038A (ja) * 2010-07-01 2012-02-16 Sekisui Chem Co Ltd 黒鉛粒子分散液の製造方法並びに樹脂組成物及びその製造方法
JP2012055814A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Chiba Univ 機能性可溶化剤
JP2012234922A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Murata Mfg Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法、及び固体電解コンデンサ
JP2013136480A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Cci Corp ナノカーボン用分散剤およびナノカーボン分散液
KR101371289B1 (ko) * 2013-03-28 2014-03-07 세종대학교산학협력단 탄소 나노박막의 제조방법
JP2016030713A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 住友化学株式会社 成膜方法、膜及び分散液
WO2016181964A1 (ja) * 2015-05-13 2016-11-17 株式会社ニコン 薄膜の製造方法、導電膜、及びトランジスタ
JPWO2015016156A1 (ja) * 2013-08-02 2017-03-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光応答性の分散剤を含有する分散剤含有炭素材料膜、該分散剤含有炭素材料膜を用いた炭素材料膜の製造方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120097521A1 (en) * 2010-10-25 2012-04-26 University Of Massachusetts Nanostructured apparatus and methods for producing carbon-containing molecules as a renewable energy resource
US8808792B2 (en) 2012-01-17 2014-08-19 Northrop Grumman Systems Corporation Carbon nanotube conductor with enhanced electrical conductivity
US9379000B2 (en) 2012-10-15 2016-06-28 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method for producing nanocarbon film and nanocarbon film
US20150318070A1 (en) * 2014-05-01 2015-11-05 Wisconsin Alumni Research Foundation Transparent conducting films containing single-walled carbon nanotubes dispersed in an azo dye
CN115216044B (zh) * 2022-08-25 2022-12-20 杭州和顺科技股份有限公司 一种高透光高击穿电压背板及其制备方法
CN116130146A (zh) * 2023-02-09 2023-05-16 湖北亿纬动力有限公司 一种导电浆料及其制备方法和应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132254A1 (ja) * 2005-06-07 2006-12-14 Kuraray Co., Ltd. カーボンナノチューブ分散液およびこれを用いた透明導電膜
JP2007258030A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Nok Corp 炭素材料薄膜の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7645400B2 (en) * 2002-11-01 2010-01-12 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Composition containing carbon nanotubes having a coating
WO2004052782A1 (ja) 2002-12-06 2004-06-24 Hokkaido Technology Licensing Office Co., Ltd. ナノカーボン溶解性水溶液、精製用水溶液及び精製方法
JP2004345918A (ja) 2003-05-23 2004-12-09 Sharp Corp カーボンナノチューブの精製方法
EP1717200A4 (en) * 2004-02-16 2010-03-31 Japan Science & Tech Agency SELECTIVE SEPARATION OF NANOTUBE CARBONEE STRUCTURE acute; AND SURFACE FASTENING
US7867616B2 (en) * 2005-06-17 2011-01-11 Honda Motor Co., Ltd. Carbon single-walled nanotubes as electrodes for electrochromic glasses

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132254A1 (ja) * 2005-06-07 2006-12-14 Kuraray Co., Ltd. カーボンナノチューブ分散液およびこれを用いた透明導電膜
JP2007258030A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Nok Corp 炭素材料薄膜の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031038A (ja) * 2010-07-01 2012-02-16 Sekisui Chem Co Ltd 黒鉛粒子分散液の製造方法並びに樹脂組成物及びその製造方法
JP2012055814A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Chiba Univ 機能性可溶化剤
JP2012234922A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Murata Mfg Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法、及び固体電解コンデンサ
JP2013136480A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Cci Corp ナノカーボン用分散剤およびナノカーボン分散液
KR101371289B1 (ko) * 2013-03-28 2014-03-07 세종대학교산학협력단 탄소 나노박막의 제조방법
JPWO2015016156A1 (ja) * 2013-08-02 2017-03-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光応答性の分散剤を含有する分散剤含有炭素材料膜、該分散剤含有炭素材料膜を用いた炭素材料膜の製造方法
JP2016030713A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 住友化学株式会社 成膜方法、膜及び分散液
WO2016181964A1 (ja) * 2015-05-13 2016-11-17 株式会社ニコン 薄膜の製造方法、導電膜、及びトランジスタ

Also Published As

Publication number Publication date
US20090218549A1 (en) 2009-09-03
US8052896B2 (en) 2011-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009203118A (ja) ナノカーボン膜、それを用いた電極、及びその製造方法
JP5689435B2 (ja) 導電性組成物、当該組成物を用いた導電性膜及びその製造方法
Zhou et al. High-performance polyimide nanocomposites with polydopamine-coated copper nanoparticles and nanowires for electronic applications
US9576707B2 (en) Conductive thin film and transparent electrode including graphene oxide and carbon nanotube, and methods of producing the same
JP2016505649A (ja) グラフェン材料及び導電性ポリマーを含むフィルム形成組成物
Zhu et al. Morphology modulation of direct inkjet printing by incorporating polymers and surfactants into a sol–gel ink system
JP2010500622A (ja) 異方性ポリマー・フィルムおよびその生成方法
JP2008544522A5 (ja)
KR20040030506A (ko) 고전도성 폴리아닐린 조성물 및 그의 용도
JP2007056125A (ja) カーボンナノチューブ含有硬化性組成物、及びその硬化塗膜を有する複合体
JP2011504280A (ja) 導電性が改善された透明導電性フィルム及びその製造方法
JP2008037919A (ja) カーボンナノチューブ含有組成物とそれから得られる複合体
JP2008214587A (ja) カーボンナノチューブ含有組成物とそれから得られる複合体
WO2014108015A1 (zh) 碳纳米管透明复合电极的制备方法
JPWO2008108136A1 (ja) スイッチング素子及びその製造方法
KR102063665B1 (ko) 플렉서블 투명전도성 전극구조체
TWI507418B (zh) A retardation film, an elongated circularly polarizing plate and an organic EL display fabricated using the retardation film
JP2008056765A (ja) カーボンナノチューブ含有構造体及びその製造方法
JP2013152928A (ja) 透明導電膜
Patel et al. Synthesis of PbS/poly (vinyl-pyrrolidone) nanocomposite
Valentini et al. Development of conductive paraffin/graphene films laminated on fluoroelastomers with high strain recovery and anti-corrosive properties
Chakraborty et al. Suppression of Keto Defects and Thermal Stabilities of Polyfluorene–Kaolinite Clay Nanocomposites
JP2014001098A (ja) グラフェン分散液、グラフェン分散液を用いて形成される膜及び該膜を備える部材
JP2009084080A (ja) カーボンナノチューブ層含有構造体、及びその製造方法
JP2005081766A (ja) 導電性包装材料、その製造方法および電子部品用容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121106