JP2004345918A - カーボンナノチューブの精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーボンナノチューブとカーボン不純物からなる凝集体から、選択的にカーボン不純物のみを除去するカーボンナノチューブの精製方法を提供することを課題とする。
【解決手段】酸素含有雰囲気下での紫外光照射による、酸素分子からの励起酸素原子生成効果、及びカーボン不純物のC−C結合切断効果により、カーボン不純物を酸化的に除去する。また、カーボン不純物の酸化的除去に必要なエネルギーを有する波長の紫外光を選択して照射することにより、カーボン不純物を選択的且つ酸化的に除去することにより上記の課題を解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】酸素含有雰囲気下での紫外光照射による、酸素分子からの励起酸素原子生成効果、及びカーボン不純物のC−C結合切断効果により、カーボン不純物を酸化的に除去する。また、カーボン不純物の酸化的除去に必要なエネルギーを有する波長の紫外光を選択して照射することにより、カーボン不純物を選択的且つ酸化的に除去することにより上記の課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブの精製方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、アモルファスカーボンなどからなるカーボン不純物を含むカーボンナノチューブ粗生成物から、カーボンナノチューブを分離精製するカーボンナノチューブの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nature、358、220−222 (1992) (非特許文献1)には、カーボンナノチューブを大量に合成する方法が記載されている。しかしながら、該非特許文献に記載の方法により得られるカーボンナノチューブ粗生成物には、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等のカーボン不純物が大量に混在している。
そこで、このカーボンナノチューブの精製法として、粗砕したカーボンナノチューブ粗生成物を、エタノール中に浸漬して超音波照射を行い、カーボンナノチューブとカーボン不純物を分離させた後、カーボンナノチューブを分散物として回収するカーボンナノチューブの分離精製法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、カーボンナノチューブおよびカーボン不純物は共に有機溶媒に不溶性であるため、溶解度の差を利用して溶媒を用い、カーボンナノチューブを精製することは困難である。さらに、凝集しやすい繊維状物質であるカーボンナノチューブは、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等からなるカーボン不純物に取り込まれた形で存在しているため、前記の方法のように粗砕物をエタノール中で分散させるだけでは、カーボン不純物に取り込まれたカーボンナノチューブを分離することは困難である。
このため、上記の方法によるカーボンナノチューブ分離精製物中には、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等のカーボン不純物が多く含まれている。
【0004】
また、カーボンナノチューブが粒子に付着しやすい性質を利用して、カーボンナノチューブとカーボン不純物との分散体に粒子を添加し、カーボンナノチューブと粒子の複合体を形成させ、カーボン不純物から該複合体を分離した後に、さらに該粒子を加熱溶融させるなどにより消去させて、カーボンナノチューブを分離精製する方法も開示されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
さらに、カーボンナノチューブ粗生成物を炉中において、700〜800℃で5〜10分間加熱することによりカーボン不純物を焼失除去する、カーボンナノチューブの分離精製方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では、選択的にカーボン不純物のみを除去することが難しく、加熱温度が低いとカーボン不純物が多量に残留し、加熱温度が高いとカーボンナノチューブも焼失させてしまう可能性がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−172598
【特許文献2】
特開平7−4811
【非特許文献1】
T. W. Ebbesenら、Nature、358巻(1992)、220〜222頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、従来法に比べ、より効率的に、より簡便にカーボン不純物を除去するカーボンナノチューブの精製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ粗生成物が不純物として含むアモルファスカーボンの物理的性質を詳細に検討し、本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして本発明によれば、カーボン不純物を含むカーボンナノチューブに、酸素雰囲気下、紫外光を照射して、カーボン不純物を分解除去することからなるカーボンナノチューブの精製方法が提供される。
より具体的には、本発明によれば、酸素含有雰囲気下で紫外光が励起酸素原子を生成し、この励起酸素原子が、紫外光によりカーボン不純物から生成した励起炭素原子に作用してCO2を生成させることにより、カーボン不純物を選択的に除去させることを特徴とするカーボンナノチューブの精製方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の作用機序は、酸素存在下に紫外光を照射すると励起酸素原子の生成がみられ、一方カーボン不純物は、それを構成するC−C結合の活性化エネルギーより高い光子エネルギーの紫外光を照射するとC−C結合が切断され、切断されたCと前記励起酸素原子とが反応し、CO2として分解除去されると考えられる。
【0012】
これを単純化した反応式で示すと:
O2 → 2(・O)
3O2 → 2O3 → 2O2+2(・O) (・Oは励起酸素原子を表す)
C−C → 2(・C)
・C + 2(・O) → CO2↑ (・Cは励起炭素原子を表す)
で表される。
【0013】
カーボン不純物としてのアモルファスカーボンは、酸化活性化エネルギーが100〜300kJ/molであり、また、カーボンナノチューブの酸化活性化エネルギーは約225kJ/molである。
一方、紫外光の光子エネルギーは314.8kJ/mol以上であるから、アモルファスカーボンを含むカーボン不純物の活性化に必要な光子エネルギーを有する紫外光を照射することにより、カーボン不純物を構成する炭素の酸化反応を促進することができる。
【0014】
すなわち、アモルファスカーボンが、カーボンナノチューブより先に活性化され分解されるように、紫外光の適当な波長と、照射時間を選定することにより、選択的にアモルファスカーボンを分解除去できる。
この際、酸素含有雰囲気下とは、大気または酸素雰囲気中を意味し、酸素濃度が高い方が好ましい。例えば酸素濃度が20%以上が好ましい。
紫外光照射の温度は、室温以上であり、さらに好ましくは20〜400℃である。
【0015】
紫外光の波長は、200nm以下、好ましくは中心波長として約172nmがより好ましい。
紫外光の照射時間は、紫外光の中心波長、酸素濃度および照射温度にもよるが、例えば約172nmの中心波長の紫外光を照射する場合、大気中、室温で5〜10時間である。
さらに、より短波長の紫外光を照射することにより、紫外光の照射時間を短縮することもできる。
【0016】
紫外光の照射源としてはアルゴン(Ar2)、クリプトン(Kr2)およびキセノン(Xe2)などの希ガスを介したエキシマランプを用いることができ、特に限定されないが、例えばXe2誘導体バリア放電エキシマランプ装置を利用すると中心波長が約172nmの紫外光が得られる。また、シンクロトロン放射光源を利用すると約100nmの紫外光も得られる。
【0017】
本発明の処理対象とするカーボンナノチューブは、カーボン不純物が存在する限り、その製造法によって特に限定されるものではない。例えばアーク放電法やレーザー蒸発法と称せられるもので製造されたカーボンナノチューブであってもよい。
本発明のカーボンナノチューブの精製方法を実施するに当たり、カーボンナノチューブ粗生成物は、予め媒体(例えばエタノール)中で超音波による前処理に付してもよい。
【0018】
本発明のカーボンナノチューブの精製方法に用いる装置の該略図を図1および図4に示す。
図1で、1はXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置を表し、2は紫外光を表し、3はカーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板を表す。
また、図4で、41はシンクロトロン放射光源を表し、42は真空ビームラインを表し、43は紫外光を表し、44はカーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板を表す。
【0019】
本発明に用いることができる紫外光光源としては、通常の市販されている紫外線ランプを用いることができるが、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置がより好ましい(図1中の1)。
あるいは代替として、シンクロトロン放射光源(図4中の41)を用いることもできる。
【0020】
Xe2誘電体バリア放電エキシマランプを紫外光光源として用いる場合は、図1のXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1により発せられた、例えば、中心波長172nmの紫外光2を、放射照度10mW/cm2で上記のシリコン基板3に、大気中または酸素雰囲気下で7時間照射する。この中心波長、放射照度、照射時間は、シリコン基板上のカーボンナノチューブ粗生成物の厚さなどにより、任意に変更してもよい。
【0021】
Xe2誘電体バリア放電エキシマランプの代わりにシンクロトロン放射光源を紫外光光源として用いる場合は、シンクロトロン放射光源41により発せられた、例えば、波長100nm(光子エネルギー1196kJ/mol)の紫外光43を、真空紫外光ビームライン42から大気中または酸素雰囲気下に2時間照射する。この波長および照射時間は任意に変更してもよい。
【0022】
本発明のカーボンナノチューブの精製方法により精製したカーボンナノチューブは、走査型プローブ顕微鏡の探針、フィールドエミッション型ディスプレイのエミッターとして用いることができる。
また、本発明の実施により、探針に使用した場合は走査型プローブ顕微鏡の高分解能化、フィールドエミッション型ディスプレイに応用した場合は低消費電力化が期待できる。
【0023】
【実施例】
以下の実施例は、本発明を更に具体的に説明するものであり、本発明をなんら限定するものではない。
なお、本発明では、カーボン不純物を90%含有する、アーク放電により合成されたカーボンナノチューブ粗生成物を用いて以下の実施例を行った。
【0024】
実施例1
アモルファスカーボン等のカーボンナノチューブ以外の炭素物質を不純物として含んでいるカーボンナノチューブ粗生成物をシリコン基板上に分散させ、図1に示した装置を用いてカーボンナノチューブの精製を行った。すなわち、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1により中心波長172nmの紫外光2を、放射照度10mW/cm2で上記のシリコン基板3に、大気中で7時間照射した。尚、紫外光2が充分にシリコン基板3に届くように、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1とシリコン基板3の間隔を1mmとした。波長172nmの紫外光の光子エネルギーは695.5kJ/molであるので、その光子エネルギーより低い酸化活性化エネルギーを有するアモルファスカーボン等からなるカーボン不純物は、励起酸素原子により酸化的に除去される。このようにして、カーボンナノチューブ粗生成物からカーボンナノチューブ以外のカーボン不純物を除去した。また、照射する光の光子エネルギーをカーボンナノチューブの活性化エネルギー以下に抑えたならば、カーボンナノチューブ自体の損傷を抑えることができる。
【0025】
実施例2
アモルファスカーボン等のカーボンナノチューブ以外の炭素物質を不純物として含んでいるカーボンナノチューブ粗生成物を、スチールボールとエタノールを入れた容器に入れ、超音波洗浄器で粉砕し、液中に分散させた。このカーボンナノチューブ粗生成物をシリコン基板上に分散させ、走査型電子顕微鏡により観察した。このシリコン基板上のカーボンナノチューブ粗生成物の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。図2から、シリコン基板上に分散したカーボンナノチューブ粗生成物には針状のカーボンナノチューブとともに、多くのカーボン不純物が混在していることが確認された。
【0026】
このシリコン基板上に分散したカーボンナノチューブ粗生成物を図1に示した装置を用い、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1により中心波長172nmの紫外光2を放射照度10mW/cm2でこのシリコン基板3に大気中で7時間照射した。尚、紫外光2が充分にシリコン基板3に届くようにXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1とシリコン基板3の間隔を1mmとした。波長172nmの紫外光の光子エネルギーは695.5kJ/molであるので、アモルファスカーボン等からなるカーボン不純物は、励起酸素原子により酸化除去される。また、紫外光照射後のカーボンナノチューブの様子を走査型電子顕微鏡により観察した。その電子顕微鏡写真を図3に示す。図3の顕微鏡写真から、紫外光照射前の電子顕微鏡写真(図2)に存在したカーボン不純物が殆ど除去されたことが確認された。
すなわち、本発明のカーボンナノチューブの精製法により、カーボンナノチューブの粗生成物からカーボンナノチューブ以外のカーボン不純物を選択的に且つ酸化的に除去できることが確認された。
【0027】
実施例3
実施例2と同様に、カーボンナノチューブ粗生成物を、スチールボールとエタノールを入れた容器に入れ、超音波洗浄器で粉砕し、液中に分散させた。この溶液を遠心分離した後に、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等の微小な球状粒子を含む上相を分離除去した。次いで、カーボンナノチューブ粗生成物からなる残渣をシリコン基板上に分散させた。このシリコン基板上のカーボンナノチューブ粗生成物に、図4に示す装置を用いて紫外光を照射した。すなわち、カーボンナノチューブ粗生成物が分散したシリコン基板44に、シンクロトロン放射光源41により発生した波長100nm(光子エネルギー1196kJ/mol)の紫外光43を、真空紫外光ビームライン42から酸素雰囲気下に照射した。波長100nmを有する紫外光43の光子エネルギーはアモルファスカーボンの活性化エネルギーより充分高く、カーボン不純物を除去することができる。このようにして、カーボンナノチューブ粗生成物からカーボンナノチューブを分離精製した。
【0028】
【発明の効果】
本発明のカーボンナノチューブの精製方法により、カーボンナノチューブ粗生成物からカーボン不純物を選択的且つ効率よく酸化的に除去できる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置を用いたカーボンナノチューブの精製装置の模式的構成図である。
【図2】実施例2のカーボンナノチューブの精製方法よる、波長172nmの紫外光照射前のカーボンナノチューブ粗生成物の倍率30000倍走査型電子顕微鏡像である。
【図3】実施例2のカーボンナノチューブの精製方法による、波長172nmの紫外光照射7時間後のカーボンナノチューブ粗生成物の倍率30000倍走査型電子顕微鏡像である。
【図4】実施例3のシンクロトロン装置を用いたカーボンナノチューブの精製装置の模式的構成図である。
【0030】
【符号の説明】
1 Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置
2 紫外光
3 カーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板
21 カーボンナノチューブ
22 カーボン不純物
31 カーボンナノチューブ
32 カーボン不純物
41 シンクロトロン放射光源
42 ビームライン
43 紫外光
44 カーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブの精製方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、アモルファスカーボンなどからなるカーボン不純物を含むカーボンナノチューブ粗生成物から、カーボンナノチューブを分離精製するカーボンナノチューブの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nature、358、220−222 (1992) (非特許文献1)には、カーボンナノチューブを大量に合成する方法が記載されている。しかしながら、該非特許文献に記載の方法により得られるカーボンナノチューブ粗生成物には、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等のカーボン不純物が大量に混在している。
そこで、このカーボンナノチューブの精製法として、粗砕したカーボンナノチューブ粗生成物を、エタノール中に浸漬して超音波照射を行い、カーボンナノチューブとカーボン不純物を分離させた後、カーボンナノチューブを分散物として回収するカーボンナノチューブの分離精製法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、カーボンナノチューブおよびカーボン不純物は共に有機溶媒に不溶性であるため、溶解度の差を利用して溶媒を用い、カーボンナノチューブを精製することは困難である。さらに、凝集しやすい繊維状物質であるカーボンナノチューブは、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等からなるカーボン不純物に取り込まれた形で存在しているため、前記の方法のように粗砕物をエタノール中で分散させるだけでは、カーボン不純物に取り込まれたカーボンナノチューブを分離することは困難である。
このため、上記の方法によるカーボンナノチューブ分離精製物中には、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等のカーボン不純物が多く含まれている。
【0004】
また、カーボンナノチューブが粒子に付着しやすい性質を利用して、カーボンナノチューブとカーボン不純物との分散体に粒子を添加し、カーボンナノチューブと粒子の複合体を形成させ、カーボン不純物から該複合体を分離した後に、さらに該粒子を加熱溶融させるなどにより消去させて、カーボンナノチューブを分離精製する方法も開示されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
さらに、カーボンナノチューブ粗生成物を炉中において、700〜800℃で5〜10分間加熱することによりカーボン不純物を焼失除去する、カーボンナノチューブの分離精製方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では、選択的にカーボン不純物のみを除去することが難しく、加熱温度が低いとカーボン不純物が多量に残留し、加熱温度が高いとカーボンナノチューブも焼失させてしまう可能性がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−172598
【特許文献2】
特開平7−4811
【非特許文献1】
T. W. Ebbesenら、Nature、358巻(1992)、220〜222頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、従来法に比べ、より効率的に、より簡便にカーボン不純物を除去するカーボンナノチューブの精製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ粗生成物が不純物として含むアモルファスカーボンの物理的性質を詳細に検討し、本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして本発明によれば、カーボン不純物を含むカーボンナノチューブに、酸素雰囲気下、紫外光を照射して、カーボン不純物を分解除去することからなるカーボンナノチューブの精製方法が提供される。
より具体的には、本発明によれば、酸素含有雰囲気下で紫外光が励起酸素原子を生成し、この励起酸素原子が、紫外光によりカーボン不純物から生成した励起炭素原子に作用してCO2を生成させることにより、カーボン不純物を選択的に除去させることを特徴とするカーボンナノチューブの精製方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の作用機序は、酸素存在下に紫外光を照射すると励起酸素原子の生成がみられ、一方カーボン不純物は、それを構成するC−C結合の活性化エネルギーより高い光子エネルギーの紫外光を照射するとC−C結合が切断され、切断されたCと前記励起酸素原子とが反応し、CO2として分解除去されると考えられる。
【0012】
これを単純化した反応式で示すと:
O2 → 2(・O)
3O2 → 2O3 → 2O2+2(・O) (・Oは励起酸素原子を表す)
C−C → 2(・C)
・C + 2(・O) → CO2↑ (・Cは励起炭素原子を表す)
で表される。
【0013】
カーボン不純物としてのアモルファスカーボンは、酸化活性化エネルギーが100〜300kJ/molであり、また、カーボンナノチューブの酸化活性化エネルギーは約225kJ/molである。
一方、紫外光の光子エネルギーは314.8kJ/mol以上であるから、アモルファスカーボンを含むカーボン不純物の活性化に必要な光子エネルギーを有する紫外光を照射することにより、カーボン不純物を構成する炭素の酸化反応を促進することができる。
【0014】
すなわち、アモルファスカーボンが、カーボンナノチューブより先に活性化され分解されるように、紫外光の適当な波長と、照射時間を選定することにより、選択的にアモルファスカーボンを分解除去できる。
この際、酸素含有雰囲気下とは、大気または酸素雰囲気中を意味し、酸素濃度が高い方が好ましい。例えば酸素濃度が20%以上が好ましい。
紫外光照射の温度は、室温以上であり、さらに好ましくは20〜400℃である。
【0015】
紫外光の波長は、200nm以下、好ましくは中心波長として約172nmがより好ましい。
紫外光の照射時間は、紫外光の中心波長、酸素濃度および照射温度にもよるが、例えば約172nmの中心波長の紫外光を照射する場合、大気中、室温で5〜10時間である。
さらに、より短波長の紫外光を照射することにより、紫外光の照射時間を短縮することもできる。
【0016】
紫外光の照射源としてはアルゴン(Ar2)、クリプトン(Kr2)およびキセノン(Xe2)などの希ガスを介したエキシマランプを用いることができ、特に限定されないが、例えばXe2誘導体バリア放電エキシマランプ装置を利用すると中心波長が約172nmの紫外光が得られる。また、シンクロトロン放射光源を利用すると約100nmの紫外光も得られる。
【0017】
本発明の処理対象とするカーボンナノチューブは、カーボン不純物が存在する限り、その製造法によって特に限定されるものではない。例えばアーク放電法やレーザー蒸発法と称せられるもので製造されたカーボンナノチューブであってもよい。
本発明のカーボンナノチューブの精製方法を実施するに当たり、カーボンナノチューブ粗生成物は、予め媒体(例えばエタノール)中で超音波による前処理に付してもよい。
【0018】
本発明のカーボンナノチューブの精製方法に用いる装置の該略図を図1および図4に示す。
図1で、1はXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置を表し、2は紫外光を表し、3はカーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板を表す。
また、図4で、41はシンクロトロン放射光源を表し、42は真空ビームラインを表し、43は紫外光を表し、44はカーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板を表す。
【0019】
本発明に用いることができる紫外光光源としては、通常の市販されている紫外線ランプを用いることができるが、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置がより好ましい(図1中の1)。
あるいは代替として、シンクロトロン放射光源(図4中の41)を用いることもできる。
【0020】
Xe2誘電体バリア放電エキシマランプを紫外光光源として用いる場合は、図1のXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1により発せられた、例えば、中心波長172nmの紫外光2を、放射照度10mW/cm2で上記のシリコン基板3に、大気中または酸素雰囲気下で7時間照射する。この中心波長、放射照度、照射時間は、シリコン基板上のカーボンナノチューブ粗生成物の厚さなどにより、任意に変更してもよい。
【0021】
Xe2誘電体バリア放電エキシマランプの代わりにシンクロトロン放射光源を紫外光光源として用いる場合は、シンクロトロン放射光源41により発せられた、例えば、波長100nm(光子エネルギー1196kJ/mol)の紫外光43を、真空紫外光ビームライン42から大気中または酸素雰囲気下に2時間照射する。この波長および照射時間は任意に変更してもよい。
【0022】
本発明のカーボンナノチューブの精製方法により精製したカーボンナノチューブは、走査型プローブ顕微鏡の探針、フィールドエミッション型ディスプレイのエミッターとして用いることができる。
また、本発明の実施により、探針に使用した場合は走査型プローブ顕微鏡の高分解能化、フィールドエミッション型ディスプレイに応用した場合は低消費電力化が期待できる。
【0023】
【実施例】
以下の実施例は、本発明を更に具体的に説明するものであり、本発明をなんら限定するものではない。
なお、本発明では、カーボン不純物を90%含有する、アーク放電により合成されたカーボンナノチューブ粗生成物を用いて以下の実施例を行った。
【0024】
実施例1
アモルファスカーボン等のカーボンナノチューブ以外の炭素物質を不純物として含んでいるカーボンナノチューブ粗生成物をシリコン基板上に分散させ、図1に示した装置を用いてカーボンナノチューブの精製を行った。すなわち、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1により中心波長172nmの紫外光2を、放射照度10mW/cm2で上記のシリコン基板3に、大気中で7時間照射した。尚、紫外光2が充分にシリコン基板3に届くように、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1とシリコン基板3の間隔を1mmとした。波長172nmの紫外光の光子エネルギーは695.5kJ/molであるので、その光子エネルギーより低い酸化活性化エネルギーを有するアモルファスカーボン等からなるカーボン不純物は、励起酸素原子により酸化的に除去される。このようにして、カーボンナノチューブ粗生成物からカーボンナノチューブ以外のカーボン不純物を除去した。また、照射する光の光子エネルギーをカーボンナノチューブの活性化エネルギー以下に抑えたならば、カーボンナノチューブ自体の損傷を抑えることができる。
【0025】
実施例2
アモルファスカーボン等のカーボンナノチューブ以外の炭素物質を不純物として含んでいるカーボンナノチューブ粗生成物を、スチールボールとエタノールを入れた容器に入れ、超音波洗浄器で粉砕し、液中に分散させた。このカーボンナノチューブ粗生成物をシリコン基板上に分散させ、走査型電子顕微鏡により観察した。このシリコン基板上のカーボンナノチューブ粗生成物の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。図2から、シリコン基板上に分散したカーボンナノチューブ粗生成物には針状のカーボンナノチューブとともに、多くのカーボン不純物が混在していることが確認された。
【0026】
このシリコン基板上に分散したカーボンナノチューブ粗生成物を図1に示した装置を用い、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1により中心波長172nmの紫外光2を放射照度10mW/cm2でこのシリコン基板3に大気中で7時間照射した。尚、紫外光2が充分にシリコン基板3に届くようにXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置1とシリコン基板3の間隔を1mmとした。波長172nmの紫外光の光子エネルギーは695.5kJ/molであるので、アモルファスカーボン等からなるカーボン不純物は、励起酸素原子により酸化除去される。また、紫外光照射後のカーボンナノチューブの様子を走査型電子顕微鏡により観察した。その電子顕微鏡写真を図3に示す。図3の顕微鏡写真から、紫外光照射前の電子顕微鏡写真(図2)に存在したカーボン不純物が殆ど除去されたことが確認された。
すなわち、本発明のカーボンナノチューブの精製法により、カーボンナノチューブの粗生成物からカーボンナノチューブ以外のカーボン不純物を選択的に且つ酸化的に除去できることが確認された。
【0027】
実施例3
実施例2と同様に、カーボンナノチューブ粗生成物を、スチールボールとエタノールを入れた容器に入れ、超音波洗浄器で粉砕し、液中に分散させた。この溶液を遠心分離した後に、黒鉛粒子やアモルファスカーボン等の微小な球状粒子を含む上相を分離除去した。次いで、カーボンナノチューブ粗生成物からなる残渣をシリコン基板上に分散させた。このシリコン基板上のカーボンナノチューブ粗生成物に、図4に示す装置を用いて紫外光を照射した。すなわち、カーボンナノチューブ粗生成物が分散したシリコン基板44に、シンクロトロン放射光源41により発生した波長100nm(光子エネルギー1196kJ/mol)の紫外光43を、真空紫外光ビームライン42から酸素雰囲気下に照射した。波長100nmを有する紫外光43の光子エネルギーはアモルファスカーボンの活性化エネルギーより充分高く、カーボン不純物を除去することができる。このようにして、カーボンナノチューブ粗生成物からカーボンナノチューブを分離精製した。
【0028】
【発明の効果】
本発明のカーボンナノチューブの精製方法により、カーボンナノチューブ粗生成物からカーボン不純物を選択的且つ効率よく酸化的に除去できる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のXe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置を用いたカーボンナノチューブの精製装置の模式的構成図である。
【図2】実施例2のカーボンナノチューブの精製方法よる、波長172nmの紫外光照射前のカーボンナノチューブ粗生成物の倍率30000倍走査型電子顕微鏡像である。
【図3】実施例2のカーボンナノチューブの精製方法による、波長172nmの紫外光照射7時間後のカーボンナノチューブ粗生成物の倍率30000倍走査型電子顕微鏡像である。
【図4】実施例3のシンクロトロン装置を用いたカーボンナノチューブの精製装置の模式的構成図である。
【0030】
【符号の説明】
1 Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置
2 紫外光
3 カーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板
21 カーボンナノチューブ
22 カーボン不純物
31 カーボンナノチューブ
32 カーボン不純物
41 シンクロトロン放射光源
42 ビームライン
43 紫外光
44 カーボンナノチューブ粗生成物を分散させたシリコン基板
Claims (6)
- カーボン不純物を含むカーボンナノチューブに、酸素雰囲気下、紫外光を照射して、カーボン不純物を分解除去することからなるカーボンナノチューブの精製方法。
- 前記カーボン不純物がアモルファスカーボンを含み、紫外光が、該アモルファスカーボンから励起炭素原子を、酸素から励起酸素原子を生成させるように照射され、これらが作用しカーボン不純物がCO2として分解除去されることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブの精製方法。
- 前記紫外光の中心波長が約172nmを有することを特徴とする、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブの精製方法。
- 前記酸素含有雰囲気が、大気または酸素雰囲気であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブの精製方法。
- 前記カーボンナノチューブの精製が、20〜400℃で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブの精製方法。
- 前記カーボン不純物を含むカーボンナノチューブ粗生成物が、予め媒体中、超音波で前処理されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブの精製方法。
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-
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- 2003-05-23 JP JP2003146370A patent/JP2004345918A/ja active Pending
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