JP2009201281A - インバータ回路 - Google Patents

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隆彦 村山
Takashi Majima
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Abstract

【課題】誘導性負荷の回生電流に起因する過大電圧を低減する。
【解決手段】動作停止時に誘導性負荷に起因して発生する平滑コンデンサ2の端子間電圧の跳ね上がりを低減する跳ね上がり低減回路3として、スイッチングトランジスタ4A,4C,4Eと平滑コンデンサ2との間に備えられた帰還ダイオード3b付のスイッチングトランジスタ3aを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ回路に関する。
下記特許文献1には、電力変換回路として周知のインバータ回路が開示されている。このインバータ回路は、外部の直流電源から供給された直流電力を交互にON/OFFするスイッチング素子でスイッチングすることにより所定周波数の交流電力に変換する電力変換器であり、入力端に上記直流電力を充放電する平滑コンデンサが設けられている。すなわち、インバータ回路は、直流電源から供給される直流電力及び当該直流電力を補うように平滑コンデンサから供給される放電電力をスイッチングすることにより交流電力を出力する。
特開2006−042459号公報
ところで、上記従来のインバータ回路は、平滑コンデンサの放電による感電を防止することを目的とするものであり、平滑コンデンサの保護について何ら配慮されていない。すなわち、インバータ回路は主にモータを駆動する用途に用いられるが、モータのような誘導性負荷をインバータで駆動した場合には、インバータ回路の動作を停止させて全てのスイッチング素子を開状態とすると、誘導性負荷から回生してきた電流が平滑コンデンサに流れ込むために、平滑コンデンサの端子間電圧が過渡的に大きくなり、この過大な端子間電圧によって平滑コンデンサが内部インピーダンスが増大する等の劣化あるいは破損する虞がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、誘導性負荷の回生電流に起因する平滑コンデンサの過大電圧を低減することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、動作停止時に誘導性負荷に起因して発生する平滑コンデンサの端子間電圧の跳ね上がりを低減する跳ね上がり低減回路を備える、という手段を採用する。
第2の解決手段として、上記第1の手段において、跳ね上がり低減回路は、スイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられた帰還ダイオード付のスイッチング素子である、という手段を採用する。
第3の解決手段として、上記第1の手段において、跳ね上がり低減回路は、前記跳ね上がり低減回路は、スイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられたインダクタと抵抗との直列回路及び当該直列回路に並列接続されたスイッチング素子とからなる、という手段を採用する。
第4の解決手段として、上記第1の手段において、跳ね上がり低減回路は、前記跳ね上がり低減回路は、スイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられたインダクタと抵抗との直列回路及び当該直列回路に並列接続されたダイオードからなる、という手段を採用する。
本発明によれば、跳ね上がり低減回路を設けたので、誘導性負荷の回生電流に起因する平滑コンデンサの過大電圧を低減することが可能である。そして、この結果として、インバータ回路の信頼性や耐久性を向上させることができる。
例えば跳ね上がり低減回路がスイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられた帰還ダイオード付のスイッチング素子である場合は帰還ダイオードの電圧降下分だけ、跳ね上がり低減回路がスイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられたインダクタと抵抗との直列回路及び当該直列回路に並列接続されたスイッチング素子あるいはダイオードとからなる場合は直列回路の電圧降下分だけ、誘導性負荷の回生電流に起因して平滑コンデンサの端子間に発生する電圧を低減することが可能である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るインバータ回路Aの構成を示す回路図である。この図に示すように、本インバータ回路Aは、一対の入力端子1A,1B,平滑コンデンサ2、跳ね上がり低減回路3、6個のスイッチングトランジスタ4A〜4F(スイッチング素子)、3つの出力端子5A〜5Cを備えている。なお、この図では、スイッチングトランジスタ3A〜3Fの制御系については周知のものであり、省略している。
入力端子1A,1Bは、本インバータ回路Aに直流電力を入力するための一対の接続端子であり、一方の入力端子1Aは外部の直流電源Pの正極端に接続され、他方の入力端子1Bは上記直流電源Pの負極端に接続されている。平滑コンデンサ2は、一端が上記一方の入力端子1Aに接続され、他端が他方の入力端子1Bに接続されている。
跳ね上がり低減回路3は、上記平滑コンデンサ2の一端とスイッチングトランジスタ4A〜4Fとの間に備えられた回路であり、一端が平滑コンデンサ2の一端に、また他端がスイッチングトランジスタ4A,4C,4Eのコレクタ端子に接続されている。すなわち、この跳ね上がり低減回路3は、スイッチングトランジスタ3aのコレクタ端子に帰還ダイオード3bのカソード端子が接続され、かつ、スイッチングトランジスタ3aのエミッタ端子に帰還ダイオード3bのアノード端子が接続された帰還ダイオード付のスイッチングトランジスタである。
なお、このような跳ね上がり低減回路3のスイッチングトランジスタ3aは、図示しない制御系により本インバータ回路Aが動作中にある場合はON状態とされ、動作を停止するとOFF状態とされる。
6個のスイッチングトランジスタ4A〜4Fは、図示するように互いに並列接続されると共に直流電源Pに対して直列接続される第1〜第3のスイッチングアームを構成している。すなわち、6個のスイッチングトランジスタ4A〜4Fのうち、スイッチングトランジスタ4Aとスイッチングトランジスタ4Bとは第1のスッチングアームを、スイッチングトランジスタ4Cとスイッチングトランジスタ4Dとは第2のスッチングアームを、またスイッチングトランジスタ4Eとスイッチングトランジスタ4Fとは第3のスッチングアームをそれぞれ構成している。なお、このような6個のスイッチングトランジスタ4A〜4Fは、跳ね上がり低減回路3のスイッチングトランジスタ3aと同様に帰還ダイオード付のスイッチングトランジスタである。
第1のスッチングアームを構成するスイッチングトランジスタ4A及びスイッチングトランジスタ4Bのうち、スイッチングトランジスタ4Aは、コレクタ端子が上記跳ね上がり低減回路3の他端に、エミッタ端子がスイッチングトランジスタ4Bのコレクタ端子に、ベース端子が図示しない制御系の出力端にそれぞれ接続され、スイッチングトランジスタ4Bは、コレクタ端子が上述したようにスイッチングトランジスタ4Aのエミッタ端子に、エミッタ端子が他方の入力端1Bに、ベース端子が図示しない制御系の出力端にそれぞれ接続されている。このような第1のスッチングアームにおいて、スイッチングトランジスタ4Aのエミッタ端子とスイッチングトランジスタ4Bのコレクタ端子との接続点は、第1のスッチングアームの出力端である。
第2のスッチングアームを構成するスイッチングトランジスタ4C及びスイッチングトランジスタ4Dのうち、スイッチングトランジスタ4Cは、コレクタ端子が上記跳ね上がり低減回路3の他端に、エミッタ端子がスイッチングトランジスタ4Dのコレクタ端子に、ベース端子が図示しない制御系の出力端にそれぞれ接続され、スイッチングトランジスタ4Dは、コレクタ端子が上述したようにスイッチングトランジスタ4Cのエミッタ端子に、エミッタ端子が他方の入力端1Bに、ベース端子が図示しない制御系の出力端にそれぞれ接続されている。このような第2のスッチングアームにおいて、スイッチングトランジスタ4Cのエミッタ端子とスイッチングトランジスタ4Dのコレクタ端子との接続点は、第2のスッチングアームの出力端である。
第3のスッチングアームを構成するスイッチングトランジスタ4E及びスイッチングトランジスタ4Fのうち、スイッチングトランジスタ4Eは、コレクタ端子が上記跳ね上がり低減回路3の他端に、エミッタ端子がスイッチングトランジスタ4Fのコレクタ端子に、ベース端子が図示しない制御系の出力端にそれぞれ接続され、スイッチングトランジスタ4Fは、コレクタ端子が上述したようにスイッチングトランジスタ4Eのエミッタ端子に、エミッタ端子が他方の入力端1Bに、ベース端子が図示しない制御系の出力端にそれぞれ接続されている。このような第3のスッチングアームにおいて、スイッチングトランジスタ4Eのエミッタ端子とスイッチングトランジスタ4Fのコレクタ端子との接続点は、第3のスッチングアームの出力端である。
各スイッチングトランジスタ4A〜4Fのベース端子には、図示しない制御系の出力端から制御信号としてのPWM信号が入力される。第1〜第3のスイッチングアームは、各スイッチングトランジスタ4A〜4Fが上記PWM信号に基づいてON/OFFすることにより、各出力端に互いに位相差が120°となる三相交流電力を出力する。
3つの出力端子4A〜4Cは、上記三相交流電力を外部に出力するための接続端子である。各出力端子4A〜4Cのうち、第1の出力端子4Aは上記第1のスッチングアームの出力端に、第2の出力端子4Bは上記第2のスッチングアームの出力端に、また第3の出力端子4Cは上記第3のスッチングアームの出力端にそれぞれ接続されている。このような各出力端子4A〜4CはモータLにそれぞれ接続されおり、当該モータLに上記三相交流電力を供給する。モータLは、本インバータ回路Aによって回転駆動される負荷である。
次に、このように構成された本インバータ回路Aの特徴的作用・効果について図2をも参照して詳しく説明する。
本インバータ回路Aは、動作中においては、跳ね上がり低減回路3のスイッチングトランジスタ3aがON状態とされると共に、第1〜第3のスイッチングアームを構成する6個の各スイッチングトランジスタ4A〜4FはPWM信号によってPWM制御される。すなわち、本インバータ回路Aは、直流電源Pから供給された直流電力を第1〜第3のスイッチングアームによって三相交流電力変換してモータL(負荷)に供給する。このモータLは、周知のようにインダクタンス成分を主とする誘導性負荷である。
そして、本インバータ回路Aは、動作停止する場合には、跳ね上がり低減回路3のスイッチングトランジスタ3aがOFF状態とされると共に、第1〜第3のスイッチングアームを構成する6個の各スイッチングトランジスタ4A〜4FへのPWM信号の供給が停止されて、全てのスイッチングトランジスタ4A〜4FがOFF状態となる。
図2は、このような本インバータ回路Aの動作停止時における平滑コンデンサ2の端子間電圧を示す波形図である。本インバータ回路Aが動作停止すると平滑コンデンサ2の端子間電圧はリーク電流等によって徐々に低下するが、本インバータ回路Aの動作停止時においては、モータLからスイッチングトランジスタ4A,4C,4Eの帰還ダイオード及び跳ね上がり低減回路3の帰還ダイオード3bを介して平滑コンデンサ2に流れ込む回生電流によって、図示するように過渡的に上昇する。
しかしながら、本インバータ回路Aでは、跳ね上がり低減回路3が設けられているので、図2に実線で示すように、跳ね上がり低減回路3の帰還ダイオード3bの順方向電圧降下分(例えば、帰還ダイオード3bがシリコンダイオードの場合は0.6ボルト程度)だけ低減されるので、これによって平滑コンデンサ2の劣化や破損を防止することができる。そして、この結果として、本インバータ回路Aの信頼性や耐久性を向上させることができる。従来のインバータ回路では跳ね上がり低減回路3が設けられていないので、破線で示すように帰還ダイオード3bの順方向電圧降下分だけ高い電圧が平滑コンデンサ2に印加され、これによって平滑コンデンサ2の劣化や破損が起こり易い。
〔第2実施形態〕
図3は、第2実施形態に係るインバータ回路Bの構成を示す回路図である。
図1と比較するとわかるように、このインバータ回路Bは、上記第1実施形態のインバータ回路Aにおける跳ね上がり低減回路3の帰還ダイオード3bをインダクタ3cと抵抗器3dとの直列回路に置き換えた跳ね上がり低減回路3’を備えている。このようなインバータ回路Bにおいては、上記直列回路によって回生電流に起因する電圧降下が発生する分、平滑コンデンサ2の端子電圧の上昇が低減されるので、平滑コンデンサ2の劣化や破損を防止することができる。
〔第3実施形態〕
図4は、第3実施形態に係るインバータ回路Cの構成を示す回路図である。図3と比較するとわかるように、このインバータ回路Cは、上記第2実施形態のインバータ回路Bにおける跳ね上がり低減回路3のスイッチングトランジスタ3aをダイオード3eに置き換えた跳ね上がり低減回路3”を備えている。このようなインバータ回路Cにおいても、上記第2実施形態のインバータ回路Bと同様にインダクタ3cと抵抗器3dとの直列回路によって回生電流に起因する電圧降下が発生する分、平滑コンデンサ2の端子電圧の上昇が低減されるので、平滑コンデンサ2の劣化や破損を防止することができる。
また、このインバータ回路Cでは、動作停止して全てのスイッチングトランジスタ4A〜4FがOFF状態となると、ダイオード3eが自動的にOFF状態となるので、跳ね上がり低減回路3”を制御系から制御する必要がないというメリットがある。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では三相交流を出力するインバータ回路Aについて説明したが、本発明は、インバータ回路Aに限定されるものではない。本発明は、三相交流以外の交流電力を出力するインバータ回路にも適用可能である。
(2)上記実施形態では、跳ね上がり低減回路3、3’、3”を構成する帰還ダイオード3bあるいはインダクタ3cと抵抗器3dとの直列回路の電圧降下を利用して回生電流に起因する平滑コンデンサ2の端子電圧の上昇を低減させたが、このような電圧降下を発生させるための回路は、上記各実施形態に限定されない。
本発明の第1実施形態に係わるインバータ回路Aの構成を示す回路図である。 本発明の第1実施形態に係わるインバータ回路Aの動作停止時における平滑コンデンサ2の端子間電圧を示す波形図である。 本発明の第2実施形態に係わるインバータ回路Bの構成を示す回路図である。 本発明の第3実施形態に係わるインバータ回路Cの構成を示す回路図である。
符号の説明
A〜C…インバータ回路、1A,1B…入力端子、2…平滑コンデンサ、3,3’,3”…跳ね上がり低減回路、3a…スイッチングトランジスタ、3b…帰還ダイオード、3c…インダクタ、3d…抵抗器、3e…ダイオード、4A〜4F…スイッチングトランジスタ、5A〜5C…出力端子、P…直流電源、L…モータ(負荷)

Claims (4)

  1. 動作停止時に誘導性負荷に起因して発生する平滑コンデンサの端子間電圧の跳ね上がりを低減する跳ね上がり低減回路を備えることを特徴するインバータ回路。
  2. 前記跳ね上がり低減回路は、スイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられた帰還ダイオード付のスイッチング素子であることを特徴する請求項1記載のインバータ回路。
  3. 前記跳ね上がり低減回路は、スイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられたインダクタと抵抗との直列回路及び当該直列回路に並列接続されたスイッチング素子とからなることを特徴する請求項1記載のインバータ回路。
  4. 前記跳ね上がり低減回路は、スイッチング素子と平滑コンデンサとの間に備えられたインダクタと抵抗との直列回路及び当該直列回路に並列接続されたダイオードからなることを特徴する請求項1記載のインバータ回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07288979A (ja) * 1994-04-18 1995-10-31 Japan Steel Works Ltd:The コンバータ回路および電動射出成形機
JP2003319664A (ja) * 2002-04-17 2003-11-07 Fuji Electric Co Ltd 電力変換装置
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