JP2009200370A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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【課題】電解重合法を用いて形成する導電性高分子層について、均一で良質な導電性高分子層を形成し、これを用いることで導電性、ESR特性の良好な固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】陽極体の周面に誘電体皮膜層、陰極層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子を具えた固体電解コンデンサの製造方法において、前記陰極層には導電性高分子層が含まれ、前記導電性高分子層は、導電性高分子を形成するモノマーと支持電解質とを少なくとも有する重合液を有し、前記重合液中には一組の外部電極が配設されており、該一組の外部電極の一方は前記陽極体と接触しており、他方の前記外部電極の表面には酸化皮膜が形成されており、前記一組の外部電極間に通電を行うことにより形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法、具体的には、固体電解コンデンサの固体電解質を電解重合法により形成する方法に関する。
従来、固体電解コンデンサとして、例えば図1に示す構造のものが知られている。該固体電解コンデンサは、陽極リード21が突出したコンデンサ素子1と、陽極リードフレーム71と、陰極リードフレーム72とを具え、コンデンサ素子1を外装樹脂6で被覆してなる構造をしている。陽極リードフレーム71と陰極リードフレーム72の少なくとも一部は、外装樹脂から露出している。
ここで、コンデンサ素子1として、例えば図2に示す構造のものが用いられている。すなわち、陽極リード21と、該陽極リード21を植立した陽極体22からなる陽極部2を具え、該陽極体22の周面には、誘電体皮膜層3、陰極層4、陰極引出層5が順次形成されている。陰極層4は固体電解質層からなり、固体電解質として、例えば二酸化マンガン等の無機半導体、TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等の有機半導体や、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン等に代表される導電性高分子が採用されている。
固体電解質として導電性高分子を採用した場合、該導電性高分子の形成方法には、化学重合法や電解重合法等がある。化学重合法は、導電性高分子を形成するモノマーを含む溶液と、酸化剤を含む溶液を準備し、表面に誘電体皮膜層3が形成された陽極体2を前述の溶液に浸漬するか、前述の溶液を該陽極体2に塗布する等して重合反応により導電性高分子を形成する方法である。ここで、化学重合に用いる溶液は、前述のようにモノマーを含む溶液と酸化剤を含む溶液とを別々に用意してもよいし、モノマー及び酸化剤を含む混合溶液を用いてもよい。
また、電解重合法は、モノマーと支持電解質を含む溶液内に一組の外部電極を配設し、外部電極の一方と陽極体とを接触させて外部電極間に通電することにより重合反応が発生し、導電性高分子を形成する方法である。電解重合法を用いて導電性高分子を形成する場合、誘電体皮膜層3は絶縁性であるため誘電体皮膜層3の表面に電解重合法を用いた導電性高分子を直接形成することができない。従って、誘電体皮膜層3の表面には予め導電性のプレコート層41が形成され、該導電性プレコート層41の表面に電解重合法により導電性高分子層42を形成する。
一般に、電解重合法を用いると、化学重合法を用いる場合に比べ、緻密で導電性に優れた導電性高分子が形成される。このため、導電性高分子を形成する方法として、電解重合法を用いることが好ましい。
しかしながら、上述のような電解重合法では、外部電極と導電性プレコート層41との接触度合いにより電流密度は一定ではないので、導電性高分子層42を均一に形成することができなかった。また、導電性高分子層42を形成後、外部電極を取り外す際に、導電性高分子層42の一部が欠落し、同時に誘電体皮膜層3が損傷して固体電解コンデンサの漏れ電流が増大する等の問題があった。
上記のような問題を解決するため、図3に示すように外部電極9と繋がる切替装置8を配設し、外部電極9と導電性プレコート層41との接触点を制御する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開平11−283878号公報
しかしながら、上記の方法も根本的な解決にはならず、以前として導電性高分子層が均一に形成されないという問題があった。また、外部電極としてステンレス等の金属部材を用いると、外部電極からは少なからず金属イオンが溶出してしまい、該金属イオンに由来する副反応が電解重合反応を阻害してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を鑑みて考え出されたものであり、その目的は均一で良質な導電性高分子層を形成することである。また、本発明の別の目的は、電解重合に用いる外部電極から重合に用いる溶液への金属イオンの溶出を抑制し、電解重合反応を阻害する副反応の発生を抑えることである。
本願発明者は、導電性高分子層が均一に形成されない原因として、重合溶液中の陰極側外部電極近傍で溶液中の水素イオンの還元反応により水素が発生し、該水素が陽極体の表面に付着してしまうことや、非電解重合時における該外部電極から溶出する金属イオンの影響があると考えた。
すなわち本発明の第一の形態は、陽極体の周面に誘電体皮膜層、陰極層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子を具えた固体電解コンデンサの製造方法において、前記陰極層には導電性高分子層が含まれ、前記導電性高分子層は、導電性高分子を形成するモノマーと支持電解質とを少なくとも有する重合液を用いて電解重合することにより形成され、前記重合液中には一組の外部電極が配設されており、該一組の外部電極の一方は前記陽極体と接触しており、他方の前記外部電極の表面には酸化皮膜が形成されており、前記一組の外部電極間に通電を行うことにより前記電解重合が行われることを特徴とする。
また、本発明の第二の形態は、陽極体の周面に誘電体皮膜層、陰極層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子を具えた固体電解コンデンサの製造方法において、前記陰極層には導電性高分子層が含まれ、前記導電性高分子層は、導電性高分子を形成するモノマーと支持電解質とを少なくとも有する重合液を用いて電解重合されることにより形成され、前記重合液は予め所定時間以上空気に曝してあることを特徴とする。
さらに、本発明の第三の形態は、陽極体の周面に誘電体皮膜層、陰極層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子を具えた固体電解コンデンサの製造方法において、前記陰極層には導電性高分子層が含まれ、前記導電性高分子層は、導電性高分子を形成するモノマーと支持電解質とを少なくとも含む重合液を有し、該重合液は予め所定時間以上空気に曝されており、前記重合液中には一組の外部電極が配設されており、該一組の外部電極の一方は前記陽極体と接触しており、他方の前記外部電極の表面には酸化皮膜が形成されており、前記一組の外部電極間に通電を行うことにより形成されることを特徴とする。
陽極体に水素等の気泡が付着していると、導電性高分子層は水素等の気泡表面に形成されるため、重合バリ等が発生し、導電性高分子層が均一に形成できない。本発明の方法によれば、電解重合法に伴う陰極側外部電極からの水素の発生を抑制することができるため、該水素が陽極体に付着することを防ぐことができ、導電性高分子層をより均一に形成することができる。また、陰極側外部電極に酸化皮膜が形成されていることで、非電解重合時の金属イオンの溶出を防ぐことができ、該金属イオンの存在による重合反応を阻害する副反応の発生を抑制することができる。従って、均一で良質な導電性高分子層を形成することができる。
また本発明の方法により作製された固体電解コンデンサは、均一且つ良質な導電性高分子層を有するので、導電性に優れ、ESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)特性が良好な固体電解コンデンサとなる。
(実施形態1)
本発明の第一の実施形態の固体電解コンデンサは、以下のようにして作製される。
すなわち、図2に示すように弁作用金属からなり陽極リード21が植立された陽極体22を作製してこれを陽極部2とする。該陽極部2は、従来周知の方法で作製することができ、例えば、丸棒状の陽極リード21を所定の金型から突出するように配置し、該金型を用いて弁作用金属粉末を押し固めて成型し、その後焼結することによって得られる。次に陽極体22の周面に誘電体皮膜層3を、周知の方法により形成する。具体的には、硝酸やアジピン酸等の酸水溶液に陽極リード21が植立された陽極体22を浸漬する等して陽極酸化反応により陽極体22の周面に誘電体皮膜層3を形成する。
次いで、誘電体皮膜層3の表面に陰極層4を形成する。陰極層4は、具体的には固体電解質層であり、少なくとも電解重合法により形成された導電性高分子層42を有する。該導電性高分子層42を電解重合法で形成するに際し、まず導電性プレコート層41を形成する。導電性プレコート層41としては、二酸化マンガン等の無機半導体層、TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等の有機半導体層、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン等の導電性高分子からなる層を用いることができる。これら無機半導体層や有機半導体層は従来公知の方法によって形成することができる。導電性高分子からなる導電性プレコート層41を形成するには、従来から化学重合法や電解重合法が知られているが、誘電体皮膜層3は絶縁性なため、電解重合法を用いることはできない。本実施形態では、導電性プレコート層41として、化学重合法により形成された導電性高分子層を採用するものとする。
導電性プレコート層を形成する方法は、まず、導電性高分子を形成するモノマーと、酸化剤とを含む溶液に、上記の方法で表面に誘電体皮膜層3が形成された陽極体22を浸漬し、その後該陽極体22を引き上げて乾燥させる。これを数回繰り返すことにより、導電性プレコート層41を形成する。または、モノマーを含む溶液と、酸化剤を含む溶液とを別々に用意し、これらの溶液に陽極体22を浸漬する方法であってもよい。このとき陽極体22を浸漬する順序は特に限定されない。さらに、陽極体に重合に用いる溶液を塗布し、その後乾燥するという形態であっても構わない。
次に、モノマーと、支持電解質とを含む重合液を用いて電解重合を行う。該重合液中には、ステンレス等の金属部材からなる一組の外部電極が配設されている。一組の外部電極のうち一方は陽極体22と接触し陽極電極として機能する陽極側外部電極であり、他方は陰極電極として機能する陰極側外部電極である。陰極側外部電極には、予め表面に酸化皮膜が形成されている。該陰極側外部電極に酸化皮膜を形成させる方法としては、例えば硝酸等の酸溶液に陰極側外部電極を浸漬、引き上げ、乾燥させる等を行って陰極側外部電極の表面に不動態皮膜を形成する方法などがある。
上述のようにして導電性プレコート層41が表面に形成された陽極体22を、前記溶液に浸漬し、陽極体22と陽極側外部電極を接触させる。そして、陽極側外部電極と陰極側外部電極間において通電を行い、電解重合させて導電性高分子層42を形成する。
陰極側外部電極近傍で発生する反応としては、溶液中の水素イオンの還元による水素の発生が考えられるが、陰極側外部電極の表面に酸化皮膜を形成することによって、該酸化皮膜の還元反応が起こり、水素の発生を抑制することができる。これにより、陽極体22の表面に付着する水素に由来する気泡の量を減少させることができるので、均一で良質な導電性高分子層を形成することができる。また、陰極側外部電極の表面に酸化皮膜が形成されているので、陰極側外部電極から重合液への金属イオンの溶出を防ぐことができ、電解重合反応を阻害する該金属イオンに由来する副反応の発生を抑えることができ、従って均一で良質な導電性高分子層を形成することができる。
上記のようにして形成した導電性高分子層42の表面に、陰極引出層5を形成する。陰極引出層5としては導電性カーボン層や銀ペースト層等を採用することができ、これらの層を積層させて形成してもよい。前記の導電性カーボン層や銀ペースト層は、従来周知の材料を用いて、公知の技術により形成することができる。例えば、導電性カーボン層を形成する場合、グラファイトや、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等のカーボン材料と、バインダとを含む溶液を準備し、表面に導電性高分子層42が形成された陽極体22を浸漬する等して形成することができる。
以上のようにして、コンデンサ素子1を作製した後、図1に示すような固体電解コンデンサを完成させる。まず、陽極リードフレーム71および陰極リードフレーム72上にコンデンサ素子1を載置し、陽極リード21と陽極リードフレーム71とを抵抗溶接等により、コンデンサ素子1と陰極リードフレーム72とを導電性ペーストを介す等して夫々接続する。次に、陽極リードフレーム71と陰極リードフレーム72の一部が露出するように、モールド金型内にコンデンサ素子1と陽極リードフレーム71、陰極リードフレーム72を配置し、該金型内に外装樹脂6を射出し、固めて成型する。その後、外装樹脂6から露出している陽極リードフレーム71及び陰極リードフレーム72を、外装樹脂6の表面に沿って折り曲げ、図1に示す固体電解コンデンサを作製する。
実施形態1による導電性高分子層42は均一且つ良好な特性を有するので、これを用いた固体電解コンデンサは、導電性に優れ、ESR特性の良好な固体電解コンデンサとなる。
(実施形態2)
本発明の第二の実施形態の固体電解コンデンサは、以下のようにして作製される。
まず、図2に示すようなコンデンサ素子1を作製する。陽極リード21を植立した陽極体22を作製し、該陽極体22の表面に誘電体皮膜3及び導電性プレコート層41を形成する。陽極体22、誘電体皮膜3、導電性プレコート層41に用いる材料や形成方法は、実施形態1と同様従来周知の技術を用いることができる。
次に、モノマーと支持電解質を含む重合液を準備し、所定時間以上空気中に放置して、十分空気に曝しておく。ここで、所定時間以上とは具体的には12時間以上であることが好ましく、一日以上であることがより好ましい。このようにすることで、電解重合に用いる重合液中の酸素の量が増大する。その後該重合液中に一組の外部電極を配設する。前記外部電極の一方は陽極電極として機能する陽極側外部電極であり、他方は陰極電極として機能する陰極側外部電極である。ここで、外部電極の配設は、前記重合液を空気中に曝す前であっても構わない。
上記の重合液中に表面に導電性プレコート層41が形成された陽極体22を浸漬し、該陽極体22と陽極側外部電極とを接触させ、該陽極側外部電極と陰極側外部電極間とで通電を行い、電解重合反応を行うことで導電性高分子層42を形成する。
重合液中の酸素の量を増大させることにより、電解重合中に陰極側外部電極近傍で溶存酸素の還元反応が活発に起こるので、水素の発生を抑制することができる。これにより、水素由来の気泡が陽極体に付着するのを防ぐことができ、均一で良質な導電性高分子層42を形成することができる。
上述のようにして導電性高分子層42を形成した後、該導電性高分子層42の表面に陰極引出層5を形成してコンデンサ素子1を作製する。陰極引出層5として用いる材料や陰極引出層5の形成方法としては、実施形態1と同様、従来周知の技術を用いることが可能である。
以下、実施形態1と同様にして、コンデンサ素子1に陽極リードフレーム71及び陰極リードフレーム72を夫々接続し、外装樹脂6で被覆して固体電解コンデンサを作製することができる。
実施形態2で形成された導電性高分子層42は、均一且つ良質な導電性高分子の層であるので、これを用いた固体電解コンデンサを作製すると、導電性が良好で、ESR特性に優れた固体電解コンデンサを作製することができる。
(実施形態3)
本発明の第三の実施形態の固体電解コンデンサは、以下のようにして作製される。
まず、図2に示すようなコンデンサ素子1を作製する。具体的には、陽極リード21を植立した陽極体22の周面に誘電体皮膜3、導電性プレコート層41を形成する。これら陽極体22、誘電体皮膜3、導電性プレコート層41は、実施例1と同様、従来周知の材料を用いることができ、また、従来周知の方法によって形成することができる。
次に、モノマーと支持電解質とを含む重合液を準備し、空気中に放置して十分に空気に曝しておいた後、該重合液中に一組の外部電極を配設する。このとき、該重合液中に外部電極を配設した後に重合液を空気中に曝しておいてもよいし、予め一組の外部電極が配設されている重合槽に前記重合液を投入してもよい。このように、重合液を空気中に十分曝すことで、重合液中の酸素の量が増大する。
前記一組の外部電極は、陽極電極として機能する陽極側外部電極と陰極電極として機能する陰極側外部電極とからなる。該陰極側外部電極の表面には、酸化皮膜が形成されている。酸化皮膜を形成する方法としては、例えば、硝酸等の酸溶液に陰極側外部電極を浸漬した後引き上げ、乾燥させる方法等がある。
その後外部電極が配設された重合液中に、表面に導電性プレコート層41が形成された陽極体22を浸漬し、陽極側外部電極と該陽極体22とを接触させる。そして陽極側外部電極と陰極側外部電極間とで通電を行い、電解重合反応を行って導電性高分子層42を形成する。
上述のように表面が酸化皮膜で覆われている陰極側外部電極を用いると、電解重合を行っている際陰極側外部電極近傍で重合液中の水素イオンの還元反応による水素の発生を防ぐことが可能である。また、溶存酸素を十分に有している重合液を用いて電解重合を行うと、陰極側外部電極近傍では溶存酸素の還元反応が活発に起こり、重合液中の水素イオンの還元反応による水素の発生を減少させることができる。これらより、水素に由来する気泡の陽極体22への付着を抑制させることができ、従って均一で良質な導電性高分子層42を形成することができる。また、表面が酸化皮膜で覆われていることにより、陰極側外部電極から溶液中に金属イオンが溶出するのを防ぐことができ、該金属イオンに由来する電解重合の阻害反応を抑止することができ、均一で良質な導電性高分子42を形成することができる。
このようにして形成された導電性高分子層42の表面に陰極引出層5を形成し、コンデンサ素子1を作製する。陰極引出層5の形成方法は実施形態1と同様に周知の技術を用いることができる。
以下、実施形態1と同様にして、コンデンサ素子1に陽極リードフレーム71及び陰極リードフレーム72を夫々接続し、外装樹脂6で被覆して固体電解コンデンサを作製することができる。
上記のようにして固体電解コンデンサは均一且つ良質な導電性高分子層42を有しているので、本発明の実施形態3の方法を用いると、ESR特性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
上記実施形態は、本発明を説明するためのものに過ぎず、特許請求の範囲に記載の発明を限定する様に解すべきでない。本発明は、特許請求の範囲内及び均等の意味の範囲内で自由に変更することができる。
例えば、本発明の実施形態のコンデンサ素子に用いられる陽極部は陽極リードを植立した陽極体であるが、本発明はこれに限らず、弁作用金属からなる金属箔を陽極部として用いることができる。また、電解重合に用いる溶液中には、モノマーと支持電解質の他に、種々の添加剤が含まれていても構わない。さらには、本発明により作製される固体電解コンデンサの構造は、図1が示すものに限らず、例えば、陽極リードフレームと陽極リードとが、導電性部材を介して接続している構造のものであってもよい。
固体電解コンデンサの一構造の断面図である。 コンデンサ素子の断面図である。 従来の電解重合に用いていた重合装置の図である。
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 陽極部
21 陽極リード
22 陽極体
3 誘電体皮膜層
4 陰極層
41 導電性プレコート層
42 導電性高分子層
5 陰極引出層
6 外装樹脂
71 陽極リードフレーム
72 陰極リードフレーム
8 切替装置
9 外部電極

Claims (3)

  1. 陽極体の周面に誘電体皮膜層、陰極層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子を具えた固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記陰極層には導電性高分子層が含まれ、
    前記導電性高分子層は、導電性高分子を形成するモノマーと支持電解質とを少なくとも有する重合液を用いて電解重合することにより形成され、
    前記重合液中には一組の外部電極が配設されており、該一組の外部電極の一方は前記陽極体と接触しており、他方の前記外部電極の表面には酸化皮膜が形成されており、
    前記一組の外部電極間に通電を行うことにより前記電解重合が行われることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 陽極体の周面に誘電体皮膜層、陰極層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子を具えた固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記陰極層には導電性高分子層が含まれ、
    前記導電性高分子層は、導電性高分子を形成するモノマーと支持電解質とを少なくとも有する重合液を用いて電解重合することにより形成され、
    前記重合液は、予め所定時間以上空気に曝してあることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記重合液が予め所定時間以上空気に曝してあることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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